議会報告

2019年3月定例市議会 阿部孝二議員

平成31年度長野市一般会計予算に対しての反対討論

◆阿部孝二議員
 議案第1号平成31年度長野市一般会計予算に反対の討論を行います。
 地方自治法第1条の2には、地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとしています。
 平成31年度の長野市予算では、安倍晋三内閣の暴走政治の消費税増税を含めた予算が計上されています。各種手数料を消費税2パーセントの増税分の値上げ、値上げする手数料には申告義務のないものにも値上げがされています。また、愚策であるプレミアム商品券の予算も計上されています。
 消費税は、平成元年4月1日から3パーセントで実施され30年になります。消費税は、福祉財源と言い、高齢化社会、社会保障財源のためと言って、うそとごまかしで372兆円、国民1人当たり310万円、長野市民全体では1兆円を超える消費税を納めてまいりました。消費税は、法人3税の減税分290兆円、個人所得税の減税分270兆円に使われました。大企業の法人税は、消費税導入時、40パーセントから現在23.2パーセントに、所得税、住民税の最高税率が93パーセントから55パーセントに大幅減税になり、一方、最低税率では、所得税と市県民税を合わせて15パーセントから15パーセントと変わらぬ税負担です。
 平成29年度の長野市決算では、大企業の減税分での長野市への影響分として、年5億円の税収減になっています。今年10月からの2パーセント増税、10パーセントの消費税は増税分で1人4万円、6か月分で2万円の負担になり、市民全体では76億円もの負担になります。消費税の増収分を今年度の長野市予算では、5億円の増収分と計上されています。しかし、市民の負担は深刻であります。
 日本銀行の調査では、1年後の景気が悪くなるは39.8パーセント、よくなるが7.8パーセントでした。東京商工リサーチの企業調査では、悪くなるが57.8パーセント、現状維持が37.2パーセントという結果でした。
 東日本大震災があった2011年を底に、弱々しくも回復傾向にあった家計の実質消費支出は、2014年の消費税増税を契機に大きく落ち込み、増税前の2013年に比べ、2018年には年間で約25万円も減少しています。厚生労働省と連合の賃上げ調査は、実質賃金が増税前に比べ、2018年は14万円以上も落ち込んでいます。
 政府は、雇用が384万人増えたと言っていますが、内訳は年金では暮らせない高齢者と高い学費など学生生活ができない学生と高校生の就業者が340万人増えただけです。大企業の内部留保は前年度より19兆円増の425兆円に達し、企業の労働配分率は2008年の62パーセントから2017年の50.8パーセントへと後退しています。大もうけしている大企業と富裕層に税金を掛け、内部留保を賃金に回すことで景気がよくなります。
 国と地方の借金は1,100兆円と言われ、この負担が最終的には市民、国民に負担になります。将来に負担を掛けないと言っていますが、消費税の増税は市民の増税にしかなりません。市は増税に反対すべきです。
 国民健康保険関係では、国は都道府県一本化で市町村が頑張ってきた軽減措置などの一般会計からの繰入れを無くす方針で赤字解消計画を作成させています。今度の国保に関係する予算には、国の計画に沿った市民への負担増及び一般会計からの繰入れ、財政健全化計画では、今後5年間で繰入れを5億円削減し、今年度の予算では1億2,000万円の削減が行われています。
 政府は、1960年代、国保制度発足時、国保の被保険者は低所得者が多く、保険料に事業主負担がないため、どうしても相当額、国庫負担が必要と認めてきました。しかし、歴代自民党政権の下で、社会保障と国庫負担の削減が繰り返され、現在25パーセントの支出であります。こういうもとでも、市は国保に一般会計から毎年10億円もの繰入れを行い、また、市独自の2割軽減も20年間実施してきました。国民健康保険者証の発行でも、基本的に全加入者に発行するなど、市民に寄り添った政策を行ってきました。
 現在、国民健康保険の加入者は高齢者が47.2パーセントと低所得者が多く加入し、平成29年の滞納世帯は7,546世帯で、滞納比率が15.62パーセントです。全国でも同じ滞納者がいます。全国知事会、全国市長会、全国町村会は、繰り返し定率の国庫負担の増額を政府に要望してきました。そこには高過ぎる国保料が住民の負担の限度を超えて、国庫負担の増額なしに問題の解決ができないという認識があります。
 平成30年度の長野市の国民健康保険料の例として、所得300万円で自営業者30代の御夫婦と子供1人の世帯の保険料は38万4,930円、国民年金の掛け金、1人で1年間19万6,340円、2人で39万2,160円になり、所得税、住民税、約15万円、そして消費税が10パーセントとしたら、10万円以上を払うことになり、残りの200万円で家賃、子供の教育費又は保育料、自動車の取得・維持、食料など賄うことができない現状になっています。市は、国の財政と市の独自の繰入れを行い、市民に寄り添った国保会計に見直すべきです。
 その他、市の問題としては、教職員の長時間労働の根本は、教職員を増やすか、仕事量を減らすことです。全国学力テストの中止や市独自のテストやアンケート及び全校同和教育の研修会の廃止などを行うべきです。また、人権同和対策事業は終了しているにもかかわらず、継続を見直すべきです。建設関係の労働者への引っ越し費用の実績がないにもかかわらず、再度計上しています。学校給食費の値上げ、市民窓口課大門連絡所の廃止、利用が少なく個人情報不安につながるマイナンバーカードの促進は中止すべきです。
 公立保育園の民営化と嘱託職員の拡大で、給与の削減、職員の短時間勤務採用や嘱託職員の増加による給料の削減など、月100時間を超える職員がいるなど、正規の教職員を増やす対策をとるべきではないでしょうか。
 全国でも長野市は再開発事業にお金を掛けていましたが、トイーゴの再開発、権堂のマンション建設、そして、引き続きの石堂町のマンション建設の開発事業に2億5,700万円、これにも総額で10億円近い補助金を出しています。これらを投資しても、まちづくりの活性化にはつながっていません。地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本としています。
 住民に寄り添った予算にするために、反対の討論を終わります。

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