2018年9月定例市議会 阿部孝二議員
加藤市長の政治姿勢について
入札問題について
障害者の雇用問題について
住民自治協議会について
市営住宅について
消防関係について
農業問題について
加藤市長の政治姿勢について
◆阿部孝二議員
初めに、生出元市議会議員は9月3日に器物損壊罪及び強制わいせつ罪の判決で懲役2年、執行猶予4年の刑が確定しました。被害者の方に心よりおわび申し上げます。
議長、議員、市長、職員各位、市民の皆様に多大な御迷惑をお掛けしたことに対し、心よりおわび申し上げます。
私たち議員団は、信頼回復のため頑張ってまいりたいと思います。
市民が主人公の市政、福祉、教育の充実、営業と暮らしを守る立場から質問します。明快な答弁をお願いします。
初めに、加藤市長の政治姿勢について。
第2次安倍晋三政権は、2012年12月に発足し、消費税8パーセントへの引上げ、戦争法・安保法制強行、TPP承認、年金カット、名護市辺野古に米軍新基地建設工事着工、働き方改革関連法・カジノ実施法強行、西日本豪雨災害対策への対応、森友学園・加計学園の問題では改ざん、隠蔽、虚偽答弁など、書き切れないほどの暴走政治を行っています。
アベノミクスの経済政策は、破綻が明らかです。2017年度の資本金10億円以上の大企業の内部留保は425兆8,000億円で、前年度22兆4,000億円増加し、役員報酬も60万円増やす。一方、労働者の賃金は5万4,000円の減額です。大企業の株価つり上げに年金基金等が66兆円も投入し、大企業と富裕層を支えています。
消費税を2019年10月から10パーセントに引き上げようとしていますが、消費税は高齢化社会、福祉財源、社会保障の財源とうそとごまかしで引き上げてきました。実際は、大企業中心に法人税減税の財源に充て、市の2017年度決算では、法人税0.5パーセント引下げで5億円の減収になっています。
昨年、核兵器禁止条約が成立し、世界から非人道的兵器--核兵器の廃絶の第一歩が進みました。全県下では加藤市長を初め、77市町村長全員が核兵器廃絶の署名を行っています。
しかし、安倍政権は核兵器廃絶に背を向け、アメリカの核の傘で守られる考えで、2009年1月のオバマ前米政権の核削減に反対し、核体制の強化を兵器名まで挙げて求め、沖縄への核貯蔵庫建設を打診され、これを容認していたことが共産党の調査で分かりました。
2018年の防衛白書では、歴史的な米朝首脳会談など、朝鮮半島の平和の流れをほとんど無視し、北朝鮮の核・ミサイル開発に、これまでにない重大かつ差し迫った脅威として、防衛費予算約5兆3,000億円を計上し、イージス・アショアを導入、オスプレイの配備など、軍事一辺倒に行い、憲法9条改悪の明言もしています。
被爆国日本は、被爆者の声に寄り添い、憲法9条に基づく外交を世界の国々に行い、核兵器のない、戦争のない、世界を築く責任があります。加藤市長自身の核兵器禁止条約とアベノミクスの考えについて答弁を求めます。
◎市長(加藤久雄)
初めに、核兵器禁止条約についての考えを申し上げたいと思います。
日本政府の対応といたしまして、これまでも国連総会に対しまして核兵器廃絶決議案を提出し、採決をいただくなど、核兵器のない世界の実現に向けて取り組まれております。唯一の戦争被爆国である我が国が核兵器のない世界に向けた取組をリードしていく姿勢の現れであると感じております。
私は、今後も政府において適切に対応していくものと考えております。
次に、アベノミクスの考えについてお答えいたします。
これまでも申し上げてきましたように政権、あるいは政治に対する見解、評価については、個々の政策や事象で判断するものではなく、飽くまでも総合的に判断するものと考えております。このような点から申し上げれば、アベノミクスにつきまして、おおむね評価するとした、これまでの考えに変わりはありません。
◆阿部孝二議員
加藤市長自身が核兵器廃絶の署名を行いました。その思いはどういう考えで署名をしたのか、お聞かせください。
◎市長(加藤久雄)
唯一の戦争被爆国として、我が国が核兵器のない世界に向けて取組をリードしていく姿勢、そういう意味では、私もそれに賛同しております。
◆阿部孝二議員
署名とその答弁で、是非とも核兵器をなくす努力を是非やっていただくようにお願いしたいと思います。
アベノミクスの問題で、先ほど言いましたが、加藤市長の答弁は、我が国の経済においては、GDPの拡大、企業収益が改善しているという、こういう趣旨でありました。
実際には私が言っているのは、大企業が大もうけをして、労働者に賃金が回っていないという状況なんですが、その実態は確認というか、認識はありますか。
◎市長(加藤久雄)
私も企業経営をしてまいりましたが、やはり安定した経営を永続して続けると、そういう意味では、適切に給料等を含めて配分をしていく中でやっていくということでございます。
そういう意味では、大企業だけでなくどの企業も自分の企業を守るという中で内部留保というものは考えていくと。その中で、適切に社員に対しても、給料等を含めて対応をさせていただいているということでございます。
アベノミクスにつきましては、安倍政権誕生以来、極端な円高から今の状況になってきておりますし、全体的に日本企業が非常に安定的になっておりますし、長野県の企業、中小企業を含めて非常に今、仕事が忙しいと、こういう状況になっておるわけでございますので、大企業だけでなく中小企業まで、ある程度回ってきているということでございます。そういう意味では、おおむね評価しているという、今までの評価と同じでございます。
◆阿部孝二議員
アベノミクスの評価というよりも、大企業の内部留保が過去最高だということは認識していて、労働分配率が少ないということはニュースでも出ているんですが、そこの認識は一致していますか。
◎市長(加藤久雄)
大企業ということでなくて各企業につきましても、同じような形で対応をさせていただいているということでございます。
各企業それぞれ内部留保につきましては、それぞれの企業の経営者の考えの中でやっているわけでございまして、会社を潰したら、これは企業のトップの責任というふうになるわけでございまして、永続的に企業を続けていくということでございます。
内部留保が多いかどうかということにつきましては、私は各企業の事情であるというふうに考えております。
◆阿部孝二議員
私たちのお金、66兆円も使って大企業と株を扱う企業に保障しているということは、最後に言っておきたいと思います。
入札問題について
◆阿部孝二議員
入札問題について質問します。
低入札価格調査制度等の見直しの説明を受けました。現在、総合評価落札方式で最低制限価格を設定し、公共事業の適切な価格による工事が行われています。今後は調査基準価格を設定し、新たに失格基準を設け、これ以下は失格とします。
今度の制度は、今までの最低制限価格の失格より更に低価格になり、下請業者への支払や工事の質の低下などのおそれがないか、答弁を求めます。
次に、入札参加業者の障害者雇用率についてお伺いします。
市の入札参加業者は、工事請負関係でAランク413者、Bランクで554者、工事に関わる業務委託433者があり、物品購入では2,319者が登録されています。ランクの低い業者は対象になりませんが、A、Bランクは対象になるはずの法定雇用率を達成しているのか、不足しているのか、不足で罰金を支払っているのか、答弁を求めます。
次に、公共工事は施工体制台帳の提出が義務付けられ、元請と一次、二次、三次等下請の契約書を添付しなければなりません。市は工事の中間検査、完了検査を行っています。完了後に一次等の下請についての領収書の提出や確認をしていません。元請業者と下請業者が契約どおりに工事も代金支払も履行しているか確認すべきです。答弁を求めます。
◎財政部長(清水啓太)
まず、総合評価落札方式の見直しについてということでお答えします。
総合評価落札方式につきましては、入札価格と併せまして工事成績や地域貢献度などの入札価格以外の評価項目をそれぞれ点数化しまして、その合計点数が最も高い者を落札者とする制度でございます。
今回の低入札価格調査制度の適用に伴う見直しによりまして、総合評価落札方式の入札価格の点数は、調査基準価格の1点のみを最高点といたしまして、それよりも入札価格が高くなっても、逆に低くなっても、いずれの場合でも点数が低くなるように設定するものでございます。
また、ダンピング防止として入札価格が一定基準以下の場合には、失格とするものとなっております。
これにより入札価格につきましては、その事業者が契約金額が目減りしてしまうような低い価格で応札するということは考えにくいものと想定されます。
このようなことから、総合評価落札方式につきましては、施工実績や高い技術力を持つ事業者が適正な価格で受注することは可能であり、下請業者への不適切な支払や工事の質の低下に直接的につながるおそれはないものと考えておりますが、本制度につきましては、今月から運用を開始したばかりでございますので、今後、実績を積む中で見直しの効果や影響を確認してまいりたいと考えております。
次に、入札参加業者の障害者雇用率についてお答えします。
本市が2年ごとに行っております競争入札参加資格審査申請の際には、総従業員数の報告は求めておりますが、障害者の方を何人雇用されているかというところまでは求めておりませんので、障害者の法定雇用率の達成の有無や罰金の支払の有無については、当部では把握しておりません。
これらの入札参加登録事業者に対しまして、法定雇用率を満たさないことによりまして、直ちに欠格とすることは適当でないとの判断から参加申請の要件とはしていないためでございます。この辺は、国でも県でも同じような取扱いになっております。
ただし、個別には本市の発注する事後審査型一般競争入札では、地域への貢献度等に係る評価点において、また総合評価落札方式では、価格以外の評価点におきまして、それぞれ法定雇用率が適用となる事業者が同率を達成している場合や法定雇用率が適用とならない小規模な事業者におきましても、障害者を雇用していると申出を頂いた場合には、評価点を加点することによりまして、入札参加事業者の障害者雇用の促進につながるように努めているところでございます。
◎建設部長(金井良雄)
次に、公共工事における下請契約の確認についてお答えいたします。
公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の改正により、下請契約を締結した全ての工事において、受注者から施工体制台帳が提出されており、添付されている下請契約書の写しにより、適正な金額で下請契約が締結されているか、担当部局におきまして確認しております。
確認に際しましては、国が定めた施工体制台帳等活用マニュアルなどに基づき、国や県と同様に対応しているところでございます。
下請事業者の適正な賃金の確保が図られることは大変重要なことと考えておりますので、今後も施工体制台帳の提出及び確認の徹底を図ってまいります。
◆阿部孝二議員
新しい基準を設けることについては、今後、実施の中で検討していくということですので、実績の評価を是非議会にも報告していただくようにお願いしたい。
Aランク、Bランクの関係の雇用状況なんですが、今全国的に、また後で質問事項でありますけれども、雇用率を達成しているかいないかというのは、社会的な責任問題なんですよね。確かに国・県は同様ということを言っていますけれども、これだけ大問題になっていることについて、やっぱり長野市として調査すべき、提出を求めるべきだと思いますので、答弁をお願いしたい。
それから、もう1つ、施工体制台帳の資料を頂いたんですが、近年増加している維持・修繕費等の小規模工事等も含め徹底すると。ただ、その中で手抜き工事や一括下請、不当な中間搾取などを防止するということで、下請業者を保護する意味があるわけですよね。
私も経験の中では、中間で大きく搾取されたり、いろいろなトラブルがあったりということがありますので、長野市の融資制度の中で設備資金を融資するときには必ず見積書が出されますけれども、融資が完了した後は、契約金額が分かるものを提出することになっているんですよね。
一方でそういうことをきちっとやりながら、こっちではやらないという点ではまずいと思うので、再度答弁を求めます。
◎財政部長(清水啓太)
入札参加者の障害者雇用率について、再度お答えしたいと思います。
先ほどの入札参加資格の要件のところで、本市は法定雇用率を満たさないことによりまして、直ちに欠格と、失格とすることは適当でないと申し上げましたが、繰り返しになりますが、国--国土交通省と長野県におきましても、同様に障害者の法定雇用率を参加条件、入札参加の資格要件、欠格要件とはしていないというのが現状でございます。
ただ、議員がおっしゃるように、そういった障害者の雇用率の関係、非常に大事な観点と思いますので、我々としましては、また、そうした観点から、先ほど申し上げたとおり、地域貢献度の評価であったりとか、総合評価において、障害者の法定雇用率について評価しまして、達成している事業者の受注機会を高めるとともに、法定雇用達成への企業の取組を促しているところでございます。
御理解のほど、よろしくお願いしたいと思います。
◎建設部長(金井良雄)
ただ今の下請契約につきまして確認せよという、そんなようなお話でございます。
先ほども答弁させていただいたとおり、私ども、施工体制台帳に添付されております下請契約書、この写しを国・県と同様に施工体制台帳等活用マニュアルに基づきまして、しっかりと確認しておりますので、御理解のほどよろしくお願いしたいと思います。
◆阿部孝二議員
再質問で監査委員にお聞きしたいんですが、見積書と契約書と領収書の違いを簡単にもし言えたらお願いします。
◎監査委員(鈴木栄一)
特に監査がお答えするような話ではありませんけれども、今の全体のお話の中で、阿部議員の御質問の元請業者と下請業者の関係が正常でないものがあるんじゃないかと、こういうことですが、今の監査基準では、全国統一の監査基準になりますけれども、これについては下請の領収書だとか、元請業者と下請業者の契約書、こういったものについては、特に提出を求めるということはないわけであります。
そんな中で、それぞれの書類については当然、契約書に基づいての内容でございますので、それについては割愛させていただきます。
◆阿部孝二議員
加藤市長にお願いします。
契約書と領収書と違うと思うんですが、その辺の考え方を教えていただきたいと思うんです。
◎市長(加藤久雄)
契約書と領収書が違うということでございますが、契約したものは領収書と一致するというのは、私の考えでございます。契約書と領収書でございますので、契約金額で契約をすれば、領収書はそのとおりになるというふうに、私は思っております。
◆阿部孝二議員
市長の答弁のとおりなんですが、それが違う場合があるから、領収書を求めてくださいということを言っているもので、契約書どおりに領収書が発行されれば、それで問題はないんですけれども、たまたまそういう問題があるから、領収書をきちっと出すようにということですので、再度要求しておきます。
障害者の雇用問題について
◆阿部孝二議員
障害者の雇用問題について質問します。
政府は、障害者雇用促進法に基づく雇用制度で中央省庁が対象障害者の雇用数を3,460人水増しと発表しました。雇用者6,867人が3,407人で雇用率が2.3パーセントから1.19パーセントになり、法定雇用率2.3パーセント以下になりました。
その後、衆参両院、国会図書館、裁判所、37府県でも水増しや不適切査定が行われたと報道されています。市は障害者手帳で確認していると報道されています。
初めに、国や地方自治体の水増しについての見解を求めます。
イとして、障害者法定雇用率は国、地方自治体で2.3パーセントから2.5パーセントになりました。民間企業は従業員45.5人以上に適用され、2パーセントから2.2パーセントになります。
長野市、上下水道局、教育委員会の障害者雇用は、平成28年2.5人不足、29年3人不足、30年16.5人不足で年々増えています。障害の内容では、知的障害者と精神障害者の雇用はほとんど進んでいません。今後の取組について答弁を求めます。
長野市内の企業の法定雇用率は、平成27年2.06パーセント、28年2.10パーセント、29年2.11パーセントの横ばいで、目標は達成していません。目標に達していない企業数と罰金の支払状況及び今後、目標達成の市の方針及び支援について答弁を求めます。
エとして、障害者就労施設等から物品等の調達について、市が目標を持って拡大しています。平成29年度目標が1,200万円に対し1,227万2,000円で目標達成し、13の事業所から調達しています。市の財政的規模や調達品目などから更なる調達と、事業所の拡大で障害者が自立できる賃金を確保することが求められています。答弁を求めます。
◎総務部長(倉石義人)
初めに、国や地方自治体の障害者雇用率の水増しについてお答えいたします。
障害者雇用制度は、障害者雇用促進法に基づき障害者が自立できる社会を築くことを目的として、障害者を一定割合以上雇用することを義務付けたものでございます。
障害者雇用を推進すべき行政機関におきまして、今回このような障害者雇用率の水増し問題が発生していることは、障害者の方を初め多くの国民の信頼を失うこととなり、同じく障害者雇用に率先して取り組むべき本市といたしましても、非常に残念に感じているところでございます。
本市の障害者雇用率は、残念ながら、法定雇用率に達しておりませんが、単なる数字合わせで終わらせるのではなく、障害者が働きやすい労働環境を整え、雇用を確保するといった本来の目的の達成に向け、引き続き努力してまいります。
次に、今後の障害者雇用の取組についてお答えいたします。
本市では、身体障害者を対象として正規職員の採用枠を設け、毎年度選考試験を実施しております他、非常勤職員としても障害者の雇用を進めているところでございます。
しかしながら、民間企業等の雇用情勢が好転した影響もあり、募集に対する応募が少ない状況であります。また、今年度法定雇用率の引上げが行われましたことから、本市といたしましても、障害者雇用の拡大に向け、新たな取組を開始しているところでございます。
本市では、従来から身体障害者を中心に雇用してまいりましたが、より多くの方を雇用できますよう、精神障害者や知的障害者についても雇用を広げていく必要があるものと考えております。
しかしながら、採用に当たりましては、個々の障害者の方と市役所の業務をいかにマッチングするかといった課題等もあり、現状なかなか進んでいないことも事実でございます。
このような中で、できるだけ雇用につなげることができるよう、ハローワークに募集方法等を相談したり、また知的障害者の雇用については、障害者福祉施設に協力を依頼し、施設外就労から開始して雇用につなげていけるような取組を行っているところでございます。
更に今後は、今まで各所属で行っておりました非常勤職員の採用について、障害者雇用に関するものを一括して行い、就業可能な業務のある所属とマッチングさせていくなどの検討も進め、雇用の拡大を図ってまいりたいと考えております。
◎商工観光部長(高橋要)
私から、法定雇用率に達していない市内の企業数と罰金の支払状況、今後の市の方針及び支援についてお答えいたします。
まず、市内企業の状況につきましては、長野労働局が非公表としているため把握しておりませんが、平成29年12月に長野労働局が公表した県内の状況では、障害者の法定雇用義務がある企業1,525社のうち、雇用率の達成企業は929社で、全体の60.9パーセントといった状況でございます。
次に、本市の支援につきましては、現在、障害者の他、生活困窮者などの就労・定着支援のための職業相談を長野市就労相談団体連絡会議というものを組織し、ハローワークを初め長野圏域障害者就業・生活支援センターや長野障害者職業センターなどの関係機関と連携しながら実施しております。
企業側への支援といたしましては、安定的な就職が困難な求職者の常用雇用を促進するため、国のトライアル雇用奨励金等を活用して試行的に雇用した者を引き続き雇用する事業者に対し、市が独自に奨励金を交付し支援しております。
また、障害福祉課では就労を希望する障害者と企業との橋渡しをするため、企業の採用担当者や福祉施設に参加を呼び掛け、懇談会の開催を計画しております。
障害者法定雇用率に係る指導・監督は、都道府県労働局の管轄となっておりますが、本市でも長野労働局を初め、関係機関と連携し、企業、市民に対する周知啓発を図ることで、障害者の雇用の場が一層拡大するよう努めてまいります。
◎保健福祉部長(竹内裕治)
障害者就労施設等からの物品等の調達につきましては、毎年度調達方針を作成し、目標を設定して行っております。
平成29年度の調達実績は、13の事業所から1,227万2,000円となり、このうち印刷、清掃などの役務が1,189万5,000円と多くを占めております。毎年度順次拡大しておりまして、平成30年度の目標は1,300万円としたところでございます。
今後は、調達金額と共に調達先の事業所についても拡大を図っていく必要があると考えております。そのためには発注側のニーズと受注側のノウハウをマッチさせていくことが必要であると認識しております。
また、賃金・工賃水準を安定的なものとするためには、物品購入などの一時的なものよりも、清掃業務などの年間を通じた恒常的なものを増やしていく必要がございます。
引き続き調達の拡大に向け、庁内への働き掛けを強化してまいります。更には長野市障害ふくしネットなどを通じまして、施設等における賃金・工賃水準を引き上げる取組を促すなど、受注者側への働き掛けも行い、障害者の自立の促進につながるよう努めてまいります。
◆阿部孝二議員
障害者の雇用の問題でいくと、長野市もそうなんですが、障害者の働く権利を奪っているということにつながると思うんですが、その見解をお聞きしたいと思います。
◎総務部長(倉石義人)
先ほども答弁申し上げましたが、我々といたしますと、職員の採用について応募をいただいている中で採用をしておるという状況でございます。
決して障害者の雇用の機会を奪っているという認識ではございません。残念ながら、雇用できていないという状況というふうに考えております。
◆阿部孝二議員
市と教育委員会、それから上下水道局で実際には障害者の雇用人数が少ないわけですよね。実際には応募しても、雇用ができなかったという原因があるんであれば別ですが、どういう努力をして雇用がこれだけ少ないのか、具体的に示していただきたいと思うんですが。
◎総務部長(倉石義人)
具体的な努力ということでございますが、議員の御質問にもございましたが、16.5人不足という平成30年度--本年度ですね、増えましたのは、法定雇用率自体が昨年度よりもポイントが上がってしまったという状況もございます。
そういう中で、先ほども申し上げましたが、障害者雇用、身体障害者にとどまらず、知的障害者、精神障害者につきましても、その雇用のマッチングを図って拡大していこうという努力はしておるつもりでございます。その部分については、今後にかかる部分もあると思っております。
◆阿部孝二議員
法定雇用率というのは、最低ラインなんですよね。そこの認識がやっぱりちょっと違うと思うんですね。大勢のアンケートの中では、事業所もそうですが、障害者自身が正規雇用を求めて、アンケートの結果、出ていると思うんです。そういうところに応えられないということは十分承知していただいて、その努力を一生懸命重ねてもらうということをお願いしたいと思います。
住民自治協議会について
◆阿部孝二議員
住民自治協議会についてお尋ねします。
都市内分権の推進により、住民自治協議会がスタートして10年が経過しました。多くの事務が移行され、地域の自主的な取組も行われています。しかし、地域格差が広がり、住民の負担の強化など、課題も明らかになってきました。
川中島町住民自治協議会では、区長がまち全体の青少年育成グループなどの責任者や役員となっています。この仕組みは川中島だけでなく、住民自治協議会に共通し、総務、予算、福祉、安全、環境、地域振興、青少年、文化、教育、その他独自の行事など多彩な取組が行われ、その責任者や副責任者などを担っています。
区長の活動範囲が区から地域の責任を担うことになり、人材の確保、後継など一定の困難を抱えていると聞いています。
アとして、市としては、今後、住民自治協議会の役員と区長との関係及び人材確保の考えをお聞きしたいと思います。
イとして、中核市54自治体の調査では、自治基本条例制定は18自治体になっていますが、市としては、基本条例制定について検討すべきと考えますが、答弁を求めます。
◎地域・市民生活部長(増田武美)
まず、住民自治協議会の役員と区長との関係でございます。
地区住民自治協議会の会長職に区長が就いている地区は32地区中17地区ございまして、半数以上となっております。また、多くの地区で総務部会長を兼務している他、他の部会長や各種団体の長を務めている地区もございます。
このようなことから、地区によっては区長の負担が重いので、これを軽減するために組織の見直しを進めていただいているところでございます。
人材確保でございますけれども、まずは、今申し上げたように役員の負担軽減を行っていただいて、併せて現在の地区活動内容を見直し、必要な事業を見極めるとともに、組織のスリム化も必要であるというふうに考えております。
少子高齢化、人口減少により、人材確保は課題の一つとして知恵を出し合って対応していかなければならないと考えておりまして、引き続き住民自治協議会と課題を共有しながら対応してまいりたいと思っております。
住民自治協議会のスタートから10年目を迎え、各住民自治協議会の取組も地域に根ざした活動として、また継続的、自律的な活動として定着してきております。また、地区の課題解決や活性化に向けた活動に熱心に取り組んでいただいておりますので、今後も引き続き、持続可能な住民自治協議会の活動について、支所長を中心に市全体で支援してまいりたいと考えております。
次に、自治基本条例の制定につきましてお答えいたします。
平成27年4月に策定しました第三期長野市都市内分権推進計画では、自治基本条例の制定は、住民自治への市民意識の高まりを見極めながら検討していくこととしております。
長野市では、既に住民との協働により、地区独自の活動が定着しております。また、組織や役割分担、業務内容、報酬についても、市と情報共有しながら、地区住民の合意形成を得る中で、地区の実情に合わせた内容としてお決めいただいております。
このことから、市として統一した基準を示すことは、地区住民活動が定着し、地区として決定したことにかえって逆行することとなるおそれもあるため、自治基本条例の制定によるのではなく、自分たちの地域のことは自分たちでつくるべく、各住民自治協議会の自律性を尊重し、積極的にまちづくりに取り組めるよう支援してまいりたいと考えております。
◆阿部孝二議員
住民自治協議会と区長と連絡とりながら、また意見も聴きながら、予算要求なども含めながら人材確保のためにお願いしたいと思います。
市営住宅について
◆阿部孝二議員
市営住宅について。
先般、高齢の御夫婦の方から、今井ニュータウンに3回連続応募したが落ちたと、何とかならないかと言われました。この3年間の募集状況は平成27年6.0倍、28年5.65倍、29年4.69倍で、年度ごとの最高倍率は21.3倍、24.5倍、20.3倍と狭き門となっています。
格差と貧困、高齢化社会では、安価な市営住宅は重要な役割を担っています。市民に安心して入居できる制度を一層充実していかなければなりません。
アとして、改修予算は3年間の平均120戸前後で約7,000万円、募集可能な未整備空き家が252戸ありますので、年間200戸の募集、1億1,000万円の予算で、平均倍率2.85倍ぐらいの整備を行うことを求めます。
イとして、2017年に民法が改正され、2018年3月には国土交通省が賃貸住宅標準契約書を改定し、経年劣化による修繕費は貸主負担に変更し、2020年に施行することになりました。
これに伴い、市営住宅のふすまや畳などの修繕費は今後どうなるのか。また、外付けエレベーターや風呂の設置、電気のかさ、網戸などの整備についてもお伺いします。
ウとして、保証人がいなくて応募して辞退をした人が平成28年3件、29年1件あったと聞きました。保証人を見付けるのは、今後一層困難になることが予想されます。保証人なしで入居できる仕組みを考える必要があります。例えば、長野県信用保証協会に市・県営住宅の保証部門を設け、入居者に家賃と一緒に保証料を毎月納めてもらうなど創設することの答弁を求めます。
◎建設部長(金井良雄)
初めに、市営住宅の募集可能な未整備空き家の整備についてお答えいたします。
平成29年度の市営住宅の募集の状況ですが、柳町団地などのエレベーターや浴槽が整備されている団地は、最高倍率20.3倍、平均倍率10.1倍と人気が高くなっております。
一方、浴槽などの整備が整っていない団地については、最高倍率は5.7倍であり、平均倍率が1.7倍と低くなっており、中には募集しても応募がない団地もありました。募集可能な未整備の空き家252戸の中で、エレベーターや浴槽が整備されている戸数は1割程度しかないため、募集しても設備の整った団地に応募が集中してしまう傾向があります。
議員御指摘のとおり、募集戸数を増やし、住宅に困窮している世帯に必要とする住居を提供することは重要と考えておりますが、通常の壁クロスの張り替えや天井塗装などの修繕を行い、単に募集戸数を増やすだけでは、平均倍率を下げることはできないと思われます。
このようなことから、適正な募集戸数に合わせた整備と改修費を確保するとともに、返目団地全面改善事業や今年度から実施する浴槽が無い住戸にユニットバスを設置する等の住環境整備の改善を積極的に進め、応募者が入居しやすい環境を整えることで、平均倍率を下げていきたいと考えております。
次に、民法改正に伴うふすまや畳などの改修についてですが、御指摘の国土交通省が作成した賃貸住宅標準契約書は、民間賃貸住宅を想定したものであり、契約書の改正によりふすまや畳などの修繕は、貸主の負担と明確化されました。しかし、現在の公営住宅については、市営住宅の設置及び管理に関する条例により、畳の表替え等は入居者の負担としております。
今後は、民間の実施状況を踏まえ、修繕の負担区分について検討してまいります。
次に、外付けエレベーターと風呂の設置についてでありますが、一昨年より返目団地で全面改善事業による整備を実施しております。
これまで返目団地には、5階建ての建物にもエレベーターが設置されておらず、高齢者の皆様も重い荷物を持ち階段を上がる必要がありましたが、全面改善事業により、エレベーター設置を行っております。併せて全面改善事業では、浴室のユニットバス化も実施しており、高齢者や障害者を含む入居者全員が快適に暮らせる住環境の整備を進めているところであります。
なお、昨年12月にしゅん工した1棟目の25-2号棟の改善工事では30戸が整備され、現在工事を進めている2棟目の24-1号棟では、更に24戸が整備される予定となっており、返目団地の残りの建物につきましても、計画的に改善工事を実施してまいりたいと考えております。
また、網戸の設置についてでありますが、大規模な改善工事や入居時の修繕工事に合わせて実施してまいります。
しかし、住居内の照明器具の設置につきましては、入居者の負担としておりますので、御理解をお願いしたいと思います。
次に、保証人なしで入居できる仕組みについてですが、市営住宅の連帯保証人については、入居者の債務の保証等をしていただくことで、市が住宅を管理運営するためにも、また入居者が安心して住み続けるためにも非常に重要なことと考えております。
議員御提案の家賃保証会社の活用につきましては、連帯保証人の確保が困難な入居者においては有効な方法であり、市においても家賃滞納のリスクを軽減できるという利点があります。しかし、現時点では、市内において適正な業務を行う家賃保証会社の情報がなく、家賃保証会社において公営住宅を対象とした実績が全国的に少ないことから、今後の活用につきましては、国や県の動向を注視しながら、他都市の導入事例を参考に検討してまいりたいと考えております。
◆阿部孝二議員
市もそうですが、全国でもそうですけれども、中小企業に無担保無保証人融資制度が行われていて、現在、長野市でも特別小口資金で1,250万円までは無担保であり、無保証人であります。平成28年度の末では、268件で9億630万円を保証しています。
是非とも県と相談しながら、保証人なしの制度を是非創設していただきたいと思いますが、再度答弁を求めます。
◎建設部長(金井良雄)
先ほども答弁をさせていただきましたけれども、今回の制度につきましては、国や県の動向、これらをしっかりと注視しながら、やはり他都市の導入事例を参考に今、検討するということでお願いしたいかと思っております。
保証人なしで入居する仕組みでございますけれども、具体的には、全国で54社登録されているということでございますけれども、実際、市営住宅を対象とした業務を行っているか、その詳細な情報については不明ということでございます。
このようなことから、今後はそのようなことで、導入については、他都市の事例を参考に検討したいということでよろしくお願いしたいと思います。
◆阿部孝二議員
是非よろしくお願いします。
消防関係について
◆阿部孝二議員
消防関係についてお尋ねします。
西日本豪雨災害では、改めてハザードマップなどによる災害対策と猛暑続きの対応が求められ、消防署、消防団の役割は一層重要になっています。
アとして、消防職員の中に大型免許等の取得がないため、消防車両を運転できない署員が100人を超えていると聞きました。免許取得のため、費用の半額援助で自己負担10万円から13万円掛かり、休日を利用して年間15人から20人をめどに進めていますが、業務に必要な免許は、個人負担なしの特別有給休暇で対処すべきですが、答弁を求めます。
イとして、先日、地元紙に掲載された消防団活動の負担についての記事を見ました。意義とやりがいがある一方、負担なことは何ですかの問いに、ポンプ操法とラッパ吹奏の大会、お盆と年末年始の警戒などが挙げられています。市の消防団員の本音や今後の消防団活動をどのようにしていくのかなど、また、団員にアンケートを直接とることも必要ではないか、答弁を求めます。
ウとして、消防団員の報酬が中核市54団体中、下から2番目の年1万8,000円、中核市平均の52パーセントにとどまっています。交付金は1団員当たり3万6,500円交付されています。今後の報酬引上げについて伺います。
◎消防局長(根岸伸幸)
自動車運転免許制度につきましては、平成19年6月に中型免許、平成29年3月に準中型免許の新設があり、消防職員の免許取得状況は、大型357名、中型83名、準中型31名、普通10名となっております。
このような中、消防局が所有する大型車両は8台であり、配置場所が4署所と限定的ですので、運用上の問題はございません。また、大型自動車又は中型自動車の運転免許証の取得を促進し、消防業務の遂行に必要な機関員を確保するため、職員の自動車学校への派遣に必要な事項を定めた大型自動車等の運転免許の取得に関する規程に基づき、予算の範囲内で大型自動車等の運転免許の取得に要する費用の全部又は一部を公費で負担することとし、必要な署所から優先的に派遣しております。
しかし、自動車運転免許証につきましては、業務命令としての派遣ではなく、飽くまでも取得を希望している者の中から人選し、派遣しているのが現状です。個人的に取得している者も含め、個人の資格となる意味合いもあることから、なるべく多くの希望者を派遣できるように、本年度は大型及び中型免許の取得に16人派遣いたしました。
今後も計画的に職員を派遣し、将来にわたって消防業務の遂行に必要な運転免許取得者の確保を図ってまいりたいと考えております。
次に、消防団員の活動と報酬の引上げについてお答えいたします。
地域防災力の中核である消防団の活動は、ポンプ操法やラッパ吹奏大会は、技術の向上と士気高揚を図る目的で開催され、お盆を中心に地区の花火大会等の警戒や年末警戒などは、地域とのきずなを深め、地域防災推進に対する住民の理解を得るとともに、社会貢献を図れるよう活動いただいているものでございます。
議員御指摘のように、どちらもやりがいがあると言われている一方、負担もあることも承知しております。
そこで、消防団本部からも特定の人に負担が集中することないように各分団へ指導しておりますが、消防団活動のアンケートも必要と考えられますことから、消防団本部に提言してまいりたいと考えております。
消防団員の報酬額につきましては、地方交付税の算定基準額及び中核市平均額と比較すると、本市の額は低い状況で、長野県内の平均額とほぼ同額というのが状況でございます。
しかし、中核市の中で面積は平均の約2倍、団員定数は地域実情により、平均の約2倍を要する本市としては、一概に同じ中核市として比較することはできないことを御理解いただきたいと思います。
年報酬の増額は必要であるという認識を持っておりますが、国では東日本大震災において多数の消防団員が犠牲になったことを踏まえ、消防団員の安全確保と装備の充実を図り、消防団員の士気向上に資することとしています。しかし、本市の安全装備品の配備状況は十分でないのが現状でございます。
このような状況とともに消防団本部からの強い要望もあったことから、現在は年報酬増額より災害等の現場で最前線に立つ消防団員の身の安全を守るため、個人装備の充実を優先させていただいているところでございます。
いずれにいたしましても、全てのものを充実強化させることは必要だとは思いますが、消防団本部と共にスクラップ・アンド・ビルドの考えも取り入れ、総合的な見地から検討をしてまいります。
◆阿部孝二議員
財政部長にお聞きします。
消防団員の報酬1万8,000円で、交付金が3万6,500円と、是非上げてほしいんですが、財政部長の見解をお願いしたいと思います。
◎財政部長(清水啓太)
予算の関係ですので、今、概算要求の時期ですので、これから予算の要求をお聞きして、その中で先ほどもちょっと申し上げましたけれども、全体の中で社会保障関係費であったりとか、その他の経費を見ながら、その範囲内でやれることはやっていきたいと思いますが、まずは一義的には消防局で、先ほど答弁ありましたけれども、何を重要視するか、何を選択するかというところにかかってくると思いますので、協力しながらやっていきたいと思います。
◆阿部孝二議員
両方重視して財政要求してください。
農業問題について
◆阿部孝二議員
農業問題について質問します。
農林水産省は、2017年度食料自給率を38パーセントと発表しました。過去2番目の低い水準で、主要国では例のない低さであります。
国は米の生産の補助金を無くし、支援策を後退しました。国の政策についての見解を求めます。
市は、地域奨励作物や新規就農者支援、農家子弟への支援、長野市農業研修センターの運営などを行い、価格保障や就農者の拡大を行ってきました。しかし、何といっても、認定農業者1人当たりの従事者所得500万円、就農後1人当たり所得250万円を稼げる経営形態を実現することが求められています。市の対策と目標達成についての答弁を求めます。
その他として、台風21号による農業被害状況と被害救済政策についてお伺いします。
◎農林部長(横地克己)
初めに、国の政策に対する見解についてお答えします。
農林水産省は、平成29年度のカロリーベースの食料自給率が、前年に天候不順で減少した小麦、てん菜の生産が回復する一方で、食料消費全体に占める米の割合が減少したことなどにより、前年度と同じ38パーセントになったと公表いたしました。
これを品目別に見ますと、米の自給率は97パーセントですが、小麦は14パーセント、大豆は28パーセントとなっており、米以外の穀物の生産量が少ないことが主な要因の一つとなっております。
このため、国においては高齢化、人口減少などによる米の消費の減少が今後も見込まれる中で、需要に応じた米の生産を推進するとともに、食料自給率、食料自給力の維持向上を図るため、水田活用の直接支払交付金により、飼料用米、麦、大豆などの戦略作物の生産拡大を進めている他、飼料用米の多収品種化やソバ、菜種の作付けの取組を産地交付金で支援しております。
また、諸外国との生産条件の格差により不利がある麦、大豆、ソバなどの国産農産物の生産、販売を行う農業者に対しまして、畑作物の直接支払交付金が交付されております。
市といたしましては、食料の安定供給の確保と農業の持続的な発展を目指す国の政策を踏まえながら、本市の農業振興を図ってまいりたいと考えております。
次に、農業経営に関する所得の目標につきましては、5年後の所得を認定農業者においては年間500万円、新規就農者においては年間250万円を目標としております。この目標の達成に向けて、認定農業者や新規就農者は、農地の集積・集約による経営規模拡大、生産性を向上させるため、農業機械の導入や新品種導入による品目転換に取り組んでいるところでございます。
市では、長野市農業公社を通じた農地の貸付けによる経営規模の拡大や認定農業者に対する農業機械化補助金の補助率のかさ上げなどの支援の他、ブドウの新品種やリンゴ新わい化栽培といった新技術の導入に対しても支援をしております。
また、国の制度により、認定農業者には農業経営基盤強化資金の5年間無利子化や農業者年金の保険料補助を行っている他、新規就農者に対しては、年間150万円の交付金を研修中の2年間及び営農開始後5年間交付しております。
市といたしましては、所得目標の達成に向けて、県の農業改良普及センターや農業協同組合などの関係団体と連携しまして、計画の中間年で課題のフォローアップをするなど、経営改善の指導を行うサポート体制を充実させてまいります。
最後に、台風21号による農業被害状況と被害救済政策についてお答えします。
台風21号の影響により強い風が吹きまして、長野市内でもリンゴなどが落果する被害が出ました。被害に遭われました農家の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
被害状況につきましては、地域によって差が見られますが、被害面積はリンゴが233ヘクタール、梨が1.8ヘクタールでございまして、被害額は合計で1,800万円余りと推計されております。これは速報値でございますので、変わる可能性がございます。
支援につきましては、市には農業協同組合等が行う農作物等災害緊急対策事業の経費に対して補助する制度がございますので、今後の被害状況調査を踏まえて、農業協同組合等と協議しながら対応してまいりたいと考えております。
◆阿部孝二議員
認定農業者の500万円の所得と新規就農者の250万円の所得達成人数というのをもし把握できていれば、答弁求めたいです
◎農林部長(横地克己)
5年後の所得目標に届いているかというお話でございますが、天候や病害虫の影響などで農業経営はリスクが大きいため、必ずしも5年後の所得目標に届かない農業者もいるのも事実でございまして、それと人数については、把握はしておりません。