2018年9月定例市議会 滝沢真一議員
マイナンバーカードの利用拡大と連絡室の廃止について
長野市民病院における差額ベッド料の徴収について
市民プールの統廃合について
保育士の確保と処遇改善について
マイナンバーカードの利用拡大と連絡室の廃止について
◆滝沢真一議員
14番、日本共産党長野市会議員団、滝沢真一です。
市民こそが市政の主人公という立場から、質問を行います。
まず初めに、マイナンバーカードの利用拡大と連絡室の廃止について伺います。
市は、利用者の減少が続く大門連絡室とバスターミナル連絡室を今年9月末日をもって廃止し、廃止によるサービス低下を防ぐため、コンビニ交付手数料の引下げなどによって、コンビニ交付の拡充を図るとしています。
両連絡室の証明書交付件数は、2017年度、大門連絡室で6,604件、バスターミナル連絡室で7,560件、合計1万4,164件に上ります。一方、マイナンバーカードによるコンビニ交付は、サービスが本格的に始まった2017年度、長野市全体でも5,740件にすぎません。また、2018年度のコンビニ交付は、新たに始まる戸籍証明、所得証明を含め、コンビニ交付手数料の引下げによる利用促進、マイナンバーカードの普及促進が市の予想どおりに進んだとしても、市の見込みでも合計1万件にとどまっています。これは長野市全体で見ても、2つの連絡室の利用者数にすら及びません。
そもそもコンビニ交付サービスは、マイナンバーカードを持っていることを前提としており、現在の交付率では全市民のたった9.6パーセントしか利用することができません。また、市のマイナンバーカード交付見込みは、たとえ目標どおり進んだとしても、2020年度スタート時点で5万枚、この時点でも87パーセントの市民はコンビニ交付を利用していません。利用者が減ったとはいえ、多くの市民が連絡室などの窓口を利用しており、コンビニ交付はもとより、マイナンバーカード自体を市民が必要としているとは言えません。
この状況下で、大門、バスターミナルの2つの連絡室を廃止することは、明確な市民サービスの低下と言えるのではありませんか。見解を伺います。
マイナンバー制度を巡っては、日本年金機構で125万件に上る個人情報流出が起こるなど事件が相次ぎ、情報管理への不安などから、カードの普及は全国的にも完全に頭打ちです。現状では、圧倒的多数の市民は、マイナンバーカードを申請せずに窓口を利用しています。
今後もマイナンバーカードの急激な増加を期待できる状況にはなく、とても市民が求めているものとは思えません。大切なのは、マイナンバーカード普及のためにカードの利用対象をひたすら広げ、コンビニ交付サービスを押し付け、市の窓口を減らしていくことではなく、市民が必要とするサービスを提供すること。たとえマイナンバーカードを持っていなくても、身近に市の窓口があり、証明書等の交付を受けられる環境を維持していくことではないでしょうか、見解を伺います。
◎地域・市民生活部長(増田武美)
初めに、大門及びバスターミナル連絡室の廃止についてお答えいたします。
両連絡室は、市民窓口課の出先窓口で、証明書の発行が主な業務でありますが、交付件数は年々減少しており、平成29年度とピーク時を比べますと、大門では約2分の1、バスターミナルでは約4分の1に減少しております。
また、本市では平成28年から、住民票の写し及び印鑑登録証明書のコンビニ交付サービスを開始いたしました。本年10月からは、戸籍証明と所得証明の交付を開始する予定でございまして、これによりまして、両連絡室で取り扱う証明書の約9割がコンビニエンスストアで取得可能となります。こうした状況を踏まえ、本市では両連絡室の在り方について検討いたしました。
まず、利用件数につきましては、今後も減少が予想されます。また、比較的近距離に本庁がある他、周辺にはコンビニエンスストアも多いため、今後、マイナンバーカードの普及率やコンビニ交付の認知度を高めていけば、コンビニエンスストアでの交付は更なる増加が見込まれます。また、長野市公共施設マネジメント指針においても、証明書発行等の窓口業務は、施設に頼らないサービス提供も検討していくものとしております。こうしたことから、両連絡室につきましては、廃止することとしたものでございます。
なお、コンビニ交付の利用に当たりましては、マイナンバーカードが必要となりますが、交付率は10パーセント程度にとどまっております。そのため本市では、おおむね10名以上の御希望があれば、市内各所に職員が出向き、マイナンバーカード申請を補助するサービスを開始いたしました。また、両連絡室周辺の第一地区から第五地区におきましては、職員による出張申請受付を昨年9月から12月に実施いたしました。
今後も、こうしたサービスを実施していくことで、マイナンバーカードの普及、コンビニ交付の利用促進を図ってまいります。
次に、コンビニ交付を押し付けるのではなく、身近な市窓口を利用できる環境を維持すべきとの御質問でございます。
本市では、本庁や支所の窓口には業務に熟知した職員を配置し、申請、届出の受付、証明書の発行、相談業務などに当たっております。この窓口でのサービスに加え、本市ではコンビニ交付サービスを実施しております。
コンビニ交付は、早朝から深夜まで、土・日、祝日を含め、日本全国で証明書の取得が可能であり、サービスの提供範囲が大きく広がっております。また、利用件数も徐々に伸びており、身近な市民サービスとなりつつあります。
今後も、市民の皆様の要望をお聞きしながら、引き続き窓口でのサービス向上に取り組んでいくとともに、コンビニ交付についてもPRに努め、利便性の更なる向上を図ってまいります。
◆滝沢真一議員
今、コンビニ交付を更に推し進めていくということを言われましたけれども、先ほどから言っているように、マイナンバーカードは、今、市民のたった10パーセントの人しか持っていないんですよ。その人たちしかコンビニ交付というのは使うことができないんです。
大門とバスターミナルの連絡室は、確かに利用者は減っています。それでも、長野市全体のコンビニ交付と比べても、多いんですよ、こっちのほうがいまだに。
そういう中で、どうして今この時点で10パーセントの人しかコンビニ交付を利用できないのに、この2つの連絡室を廃止してしまうのかと、このタイミングはおかしいんじゃないかということを言っているんです。見解を伺います。
◎地域・市民生活部長(増田武美)
繰り返しになりますが、今回、廃止しました2つの連絡室につきましては、比較的近距離に本庁がある他、周辺にはコンビニエンスストアも多いため、今後、マイナンバーカードの普及やコンビニ交付の認知度を高めていけば、コンビニエンスストアでの交付が更に増加されることが見込まれます。
また、市の公共施設マネジメント指針においても、施設に頼らないサービスの提供を検討していくものとしておりますので、こうしたことから、両連絡室につきましては、廃止するとしたものでございます。
◆滝沢真一議員
今の時点で、この2つの連絡室の窓口での交付を利用している人たちにとって、コンビニ交付は代わりにならないんです。ほとんどの人が、マイナンバーカードを持っていません。それから、これから利用を拡大していけばと言いますけれども、これからいろんな利用の拡大、さっきからお話になっていますけれども、市のこれから更に増えていくという見込みでも、2020年度のスタート時点で5万枚ですよ。87パーセントの市民はカードを持っていません。
そういう中で、たとえマイナンバーカードを持っていなくても、きちんと市のサービスが受けられる、そういうものをつくり上げていかなければいけないんじゃないでしょうか。多くの市民はマイナンバーカードを持っていなくても、困っていないんです。別に必要だったら、皆さん作ります、マイナンバーカードを。そういう中で、マイナンバーカードを持っていなければ困るような、そんな市にしていってもらっては困るんです。
是非マイナンバーカード、たとえ持っていなかったとしても、同じようにサービスを受けられる、そういう環境をつくっていくべきじゃありませんか、もう1回見解を伺います。
◎地域・市民生活部長(増田武美)
これも繰り返しになりますけれども、身近な本庁や支所の窓口には業務に熟知した職員を配置して、申請届出の受付、証明書の発行、相談業務などに当たっております。
今回のこの窓口でのサービスに加えて、本市ではコンビニ交付サービスを実施しておりますので、窓口のサービスを減らすというものではございません。
◆滝沢真一議員
これ以上やっても長くなりますけれども、サービスを減らすというものではございませんと言いましたけれども、圧倒的多数のマイナンバーカードを持っていない人にとって、この2つの連絡室の廃止はサービスを減らしています。
それから、これからマイナンバーカード、どんどん新しく使えるようにしていくんでしょうけれども、多くの人たちは、マイナンバーカードを別に望んでいません。そこに対して、多くの市民が持っていない、望んでもいないものに、財政が厳しいと言いながら、市民の税金をどんどんつぎ込んでいく、そういうことに今、私、非常に疑問を感じています。これについて、引き続きやっていきたいと思います。
長野市民病院における差額ベッド料の徴収について
◆滝沢真一議員
長野市民病院における差額ベッド料の徴収について伺います。
厚生労働省は、2018年度の診療報酬改定に伴い、3月5日、関係機関に通知を出しました。この通知では、差額ベッド料を求めてはならない場合の具体例として、特別療養環境室以外の病室の病床が満床であるため、特別療養環境室に入院させた患者の場合を明記、他の部屋が満室という理由では請求できないことを初めて盛り込みました。
差額ベッド料が発生する特別療養環境室は、良い環境を求める患者が自ら選んで入るというのが原則です。6月市議会定例会では、野々村議員からの、当市議団も以前このような相談を受け、その都度、料金について返還を認めてもらっている、今回の通知を踏まえ改善したのか、との質問に対し、保健福祉部長からは、普通室が満床の場合には、厚生労働省の定めに基づき、患者さんの御理解と同意をいただいた上で個室に入室していただいていますとの答弁がありましたが、非常に曖昧な分かりにくい答弁です。
これは、厚生労働省からの通知どおりに、普通室が満床で個室に入室していただく場合には、差額ベッド料は求めていないという意味なのか。また、御理解と同意をいただいた上でとは、何に対しての理解と同意なのか伺います。
◎保健福祉部長(竹内裕治)
差額ベッドは、より良い療養環境を望まれる患者さんや症状や個人的な事情により個室を望まれる患者さんの選択の機会を広げるため、保険外併用療養費制度に基づく医療サービスの一つであります。長野市民病院においても、差額ベッドを68床有しており、全て個室となっております。
前回定例会の一般質問における私の答弁の中で、普通室が満床の場合には、厚生労働省の定めに基づき、患者さんの御理解と同意をいただいた上で個室に入室していただいていると申し上げましたのは、個室を利用される場合は、使用料を頂くことを患者さんへ御説明し、よく御理解いただいた上で、患者さんの自由な選択と同意を前提に個室へ入室していただいているということであります。
また、御事情によりどうしても普通室を希望される方については、一時的に個室に入室いただき、できるだけ早く希望の普通室に入室していただけるように努めており、その場合は個室使用料を頂いておりません。この件についても、前回の定例会で答弁したとおりでございます。
3月5日付けの厚生労働省の通知に、特別の料金を求めてはならない事例として、満床を理由に個室に入院させた場合が新たに追加されたことについては、議員のおっしゃるとおりでございます。
ただし、その後、7月20日付けの厚生労働省の通知によると、この新たな事例を追加したのは、他病院において過去に、患者に対する十分な説明がないまま、特別料金を徴収するなどの不適切な事例があったことから、個室の提供に当たっては、患者へ明確かつ懇切丁寧に説明することが必要であるとの考え方を明確化するのが目的で、取扱いそのものを変更したわけではないとしております。
さらに、この7月20日付けの通知では、明確かつ懇切丁寧に説明し、患者が個室への入院に同意していることが確認される場合には、普通室の病床が満床であっても、特別の料金を徴収することは差し支えないとしており、長野市民病院における個室使用料の徴収は適正なものであると考えております。
◆滝沢真一議員
今、患者さんに対して明確かつ懇切丁寧に説明ということがありましたけれども、じゃ今、普通室は満室ですと、個室に入っていただくことになりますが、満室の場合には個室の料金を求めない、払わなくても入れるんですよということを患者さんには伝えた上で、それで料金ももらっているんですか。
◎保健福祉部長(竹内裕治)
満室の場合には、個室に入る場合、料金が発生しますけれども、それでよろしいですかと確認をした上で入っていただくということでございます。
ただし、どうしても普通室のほうがいいというお話でございましたら、先ほども申し上げましたように、一旦は個室に入っていただきます。ただし、その後、調整する中で普通室に入っていただきます。その際は、個室の料金は頂かないということでございます。
◆滝沢真一議員
そもそも厚生労働省の通知は、特別の料金を求めてはならない場合を書いているんですよね。料金を取る前提で有料になりますけれども、いいですかと言った時点で、もう料金を求めていると思うんですけれども、この通知に反していると思うんですが、そもそも患者さんは、満室の場合には料金を求められないんだと、払わなくても入れるんだという事実を知らないまま、有料ですよと言われて入っていることになりますが、それの一体どこが懇切丁寧なんですか。
◎保健福祉部長(竹内裕治)
3月の通知をよく読み解くと、料金を求めてはならないという場合は、患者の選択ではないんです。いわゆる同意がない場合でございます。その同意がない場合の事例の一つとして、普通室が満室のときというのがあるということなんで、逆に言えば、満室のときに患者の同意があれば、料金を求めてもよいということになります。
◆滝沢真一議員
患者さんに、お金を払わなくても入れることを教えもせずに、同意も何もないでしょう。
これ時間ないんで、次にいきますけれども、これも、この後も委員会でもやっていきたいと思います。
市民プールの統廃合について
◆滝沢真一議員
市民プールの統廃合について伺います。
市は、現在9施設ある屋外市民プールを1期と2期に分け、将来的には3施設まで削減する統廃合案をまとめました。
市民プールの統廃合に当たっては、学校プールの利活用も含めて検討されてきた経過があります。しかし、今年の余りに猛烈な猛暑の中、多くの小学校が危険だと判断し、夏休み中のプール開放を中止する事態となりました。これは今年だけの特別な事態ではありません。これから先も地球温暖化などによる気温の上昇が予想されます。こんなときだからこそ、安い値段で気軽に泳げる市民プールの役割が発揮されるのではないでしょうか。
猛暑の中、学校プールが利用できないという事態を受けた上で、統廃合案にこだわらず一つ一つの市民プールについての在り方をもう一度検討し直すべきではありませんか、見解を伺います。また、今年の小学校のプール開放の状況とサンマリーンながのを含めた市民プールの利用状況を伺います。
私たち、日本共産党長野市会議員団はこの夏、幾つかの市民プールを視察させていただきました。とても整備の行き届いたきれいなプールもある一方で、古く使えなくなった監視台が撤去されずに残されている、滑り台が使えない状況で放置されている、木の根がタイルを浮き上がらせ、立入禁止区域のあるプールもありました。
整備せずに施設が劣化すれば、利用者が少なくなるのは当然です。もっと市民プールを活用するべきです。施設管理者として市が責任を持って利用者を増やす努力をするべきではないでしょうか。老朽化し、利用者が少なくなったプールをただ廃止するのではなく、細かい部分でも必要な施設整備を行い、もっと市民が行きたくなるような施設環境を整える必要があるのではありませんか、見解を伺います。
◎文化スポーツ振興部長(倉島明)
初めに、猛暑や地球温暖化を受け、市民プールの在り方をもう一度検討すべきとの御質問にお答えいたします。
御指摘の学校プールが使用できないほどの猛暑につきましては、屋外市民プールにとっても同様でございます。大変運営が厳しい状況でございます。
水温や水質の維持、熱射による利用者の体調不良のリスク、更にはプール監視員にとっても過酷な環境でございまして、運営自体が危ぶまれる状況でもございます。
この度お示しいたしました統廃合案につきましては、社会情勢の変化や人口減少、少子高齢化に伴い税収の大きな伸びが期待できない中、中核市の中でも多くの保有量を有する屋外プールの全てを維持することは難しいことから、時代の変化に対応して、選択と集中によって存続するプールの長寿命化や機能向上等に投資しながら、猛暑や少子高齢化の中でも、将来にわたって安全・安心なプールを維持していくためのものでございます。
取り分け、40年前の右肩上がりの時代に市民サービス向上のために建設した屋外市民プールにつきましては、市民ニーズが大きく減少しております。平成7年から9年までの平均利用者数が約14万人、これに対して平成27年から29年までの平均が7万5,000人と、20年間で46パーセントとほぼ半減しております。これは個別のプールで見ても2割から7割と、全てのプールで利用者が減少しております。
大きな要因といたしましては、屋外市民プールの利用の中心である子供やファミリー層を含む40歳代以下の人口構成比が平成7年と平成30年の住民基本台帳の人口で見ても、約13パーセントほど減少しているという点が挙げられ、こうした傾向は今後も続くことが予想されます。
また、需要やトレンドが変化しておりまして、日焼けとか紫外線を極端に避ける傾向、あるいは夏のレジャーが多様化し、屋内プールで健康づくりというニーズは増えている一方で、屋外プールの需要は減っているところでございます。
こうした状況を市民の皆様に御理解いただくために、一つ一つのプールについて利用状況や施設の運営コスト、改修・改築コストなどの客観的なデータを指標として、学校の授業でも利用しているなど個別の事情を加味した上で、統廃合案を作成したものでございます。
次に、サンマリーンながのを含む今年の市民プールの利用状況についてお答えいたします。
まず、屋外プールでございますが、今年度休止しております芹田市民プールを除いて、利用者数の合計は5万6,698人でございます。昨年に比べて3,376人の減少、比率では5.6パーセントの減少となっております。
内訳ですけれども、増加したプールは3つで、北部市民プールが6,664人、20.3パーセントの増、犀南市民プールが4,797人で、28.6パーセントの増、茶臼山市民プールは4,610人で、7.7パーセントの増になっております。
減少したプールは5つございます。青垣公園市民プール、2万401人で18.1パーセント減、城山市民プールは1万2,280人で4.5パーセントの減、安茂里市民プールは6,345人で9パーセントの減、鬼無里市民プールは843人、6パーセントの減、信州新町市民プールは758人、12.7パーセントの減という状況でございます。
一方、屋内プールですが、通年利用でありますため、4月から8月までの利用者数になりますが、アクアウイング6万5,290人ということで、昨年は大会があったため、現時点では5.3パーセントの減になっております。南長野運動公園のプールは2万6,163人で1.1パーセントの減、サンマリーンながのは夏休みを中心に大変盛況でございまして、11万336人に御利用いただいております。
次に、市民が行きたくなる施設環境の整備を考えるべきとの御質問にお答えいたします。
市内には大小様々な体育館、グラウンド、テニスコートなど数多くのスポーツ施設があるため、限られた予算の中で、必要な整備に優先順位を付けながら取り組んでいるところであります。
屋外市民プールにおいては、青垣市民プールのトイレ、シャワーの更新、幼児プールの床や遊具の塗装の塗り替え、犀南市民プールの滑り台の改修の他にろ過装置とか、ポンプとか、配管の修繕など老朽化への対応や利用者の安全性の確保に努めているところであります。
また、ソフト面でも指定管理者が各プールにおいて、子供水泳教室とか、水中宝探しとか、水の事故を想定した着衣泳教室などの開催や子供たちに人気の大型浮輪の貸出しなど、利用者を増やす工夫をしております。
しかしながら、今後の少子高齢化の進行と併せ、需要の大きな伸びはちょっと見込めないものと考えております。加えて耐用年数による再整備を考慮すると、今後10年間で約16億円の改修整備費が掛かると試算しておりますことから、現状のようにプールを維持し続けることは難しく、安全・安心で気軽に使える屋外市民プールを残していくために、統廃合は避けて通れないものと考えております。
◎教育次長(永井克昌)
今年の小学校のプールの開放状況についてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、今年の夏は日中の気温が連日30度を超える猛暑に見舞われ、熱中症予防の観点から、計画していたプール開放を全面的に取りやめた小学校は29校ございました。その他にも開放日数を減らしたり、開放時間を比較的涼しい午前中のみにしたりするといった対応がなされました。
また、計画どおり開放した学校についても、気温、湿度、ふく射熱から算出される暑さ指数を用いてその日の可否を決定するなど、熱中症の予防に十分配慮してプール開放が行われました。
◆滝沢真一議員
確かにプールの利用者が半減しているというのはそのとおりです。ただ、半分以上に、9つある屋外のプールを3つにしちゃう、この統廃合案は幾らなんでも強引なんじゃないかなと思うんです。
今年もプールを見て回りましたけれども、本当に地元の子供たちが楽しみに使っていました。是非、本当に暑くなった中での利用状況だったりもいろいろ考えながら、一つ一つもう一回、きちんと考えていただけたらなと思います。
保育士の確保と処遇改善について
◆滝沢真一議員
保育士の確保と処遇改善について伺います。
現在、保育士不足は長野市だけでなく、全国の自治体が抱える課題となっています。本市には3校の指定保育士養成施設があり、卒業後は約半数の学生が市内の保育所等に就職しているとのことです。しかし、保育士の賃金は、全産業と比較して月額約10万円低く、非正規職員の占める割合も高くなっています。厚生労働省の調査でも、勤務年数が短く、早期離職者が多い傾向が指摘されています。
そんな中、愛知県では県内の研究者や保育団体などが愛知県保育労働実態調査を行いました。これは配布数が1万1,653、回答数が1万646、1地域の民間で行う保育労働実態調査としては、全国最大規模とのことです。
労働時間の調査では、月時間外労働は平均16.6時間、うち13時間はサービス残業、その上、持ち帰り残業している人が78パーセント、また労働時間内に事務時間が設定されていない、設定されていても極めて短いとの回答が多く、賃金への不満も非常に多くなっていました。
この調査から勤務時間内に業務が終わらず、時間外労働が常態化している、未払いが疑われる時間外労働が存在し、勤務時間管理も不十分であるなど、いろんなことが明らかになってきました。
本市でも、職員自身から直接現場の実態を調査し、それにのっとって労働時間、人員配置などの改善を行うべきではないでしょうか、見解を伺います。
また、長野県社会福祉事業団の資金貸付等事業の内容がとても充実しているとのことですが、長野市内でどの程度利用されているのか伺います。
◎こども未来部長(北原千恵子)
初めに、保育現場の実態調査を行い、保育士の労働時間や人事配置等の改善を行うべきではないかとの御意見についてお答えいたします。
保育所は、労働基準法の保健・衛生の事業所の一つに位置づけられておりまして、公務の職場であっても、労働基準法や労働安全衛生法が適用されるため、保育所に従事する職員については、労働基準監督署が労働基準の監督機関となっております。
また、労働基準法及び労働安全衛生法は、事業所ごとに適用されるため、労働基準監督署に対する届出、報告、安全衛生管理体制の整備など、保育所単位で行うことが原則となっております。
本市の公立保育所に対しましては、平成26年8月に、長野労働基準監督署による調査が実施されまして、改善が必要となる項目について是正勧告書を頂いております。
具体的には労働基準法第36条に基づく、いわゆるサブロク協定の届出がないまま、保育所の職員に時間外労働を命じていること。常時50人以上の職員がいる保育所での衛生管理者の選任が行われていなかったことなどの指摘がございました。
いずれも労働基準法における地方公務員の適用除外の解釈や事業所の捉え方に相違があったことが要因でございます。
このうちサブロク協定については、保育・幼稚園課と各保育所の代表者で構成される長野市職員労働組合保育園改善委員会との間で適正な労働時間や休憩時間の確認、時間外勤務及び休日勤務の上限並びに時間外勤務命令の発令基準などを約半年間にわたり協議を続け、各保育所の代表者とサブロク協定及びその細則に当たる確認書を締結し、長野労働基準監督署へ届け出いたしました。
労働基準監督署からは、タイムカードを利用した確実な労働時間の把握を求められたため、従来の押印のみの出勤簿とは別に、労働基準監督署の示す様式に基づき、始業時間や終業時間、休憩時間等を明記した出勤簿を作成し、適切な労働時間の管理に努めております。
また、締結した協定の実効性を担保する取組として、保育・幼稚園課内に保育現場の労務管理に係る相談や苦情を受け付けるヘルプデスクを設置した他、保育・幼稚園課の管理職による園長、保育主任への労務管理研修や担当者による定期的な職場への巡回指導等を直接実施しており、適切な労働時間管理が行われていることを確認しております。
労働安全衛生法関係につきましては、勧告に基づき衛生管理者の選任及び労働基準監督署への届出を行った他、規模の大きさにかかわらず、全ての公立保育所について安全推進者及び衛生推進者を選任するとともに、安全衛生年間計画書を作成し、定期的に安全衛生委員会を開催するなど、労働環境の維持・改善に努めているところでございます。
本市では、今後とも労働基準法等の関係法令及び保育現場に働く職員との協定に基づき、適正な労務管理を行うとともに、現場の実情に応じた人事配置等に鋭意努めてまいります。
次に、長野県社会福祉事業団の資金貸付等事業の利用実績についてお答えします。
この貸付事業は、平成28年度に創設された制度で、保育士修学資金貸付事業や就職準備金貸付事業など、5種類の貸付事業がございます。
このうち、最も利用が多い貸付けは、保育士資格取得のための学費等を貸し付ける保育士修学資金貸付事業で、平成29年度の実績は、長野県内で112名の利用があり、そのうち長野市内は21名となっております。
次に利用が多い貸付けは、未就学児を持つ保育士に対する保育料の一部貸付事業で、長野県内で12名、長野市内で6名となっております。
◆滝沢真一議員
この愛知県の調査で非常におもしろかったのは、園長が把握をしている労働時間と実際の現場職員の答えに大きな差があったということです。実際に現場で働いている人たちの声を吸い上げて、働きやすい環境をつくること、これからも是非よろしくお願いします。
以上で終わります。