2018年6月定例市議会 ◆黒沢清一議員
小・中学校の在り方について
市の職員の勤務改善について
小・中学校の在り方について
◆黒沢清一議員
12番、日本共産党長野市会議員団、黒沢清一です。
市民の皆さん、父母の皆さん、子供たちの願いを実現する立場で質問いたします。
小・中学校の在り方について伺います。
長野市活力ある学校づくり検討委員会では、少子化に対応した子供にとって望ましい教育環境の在り方について、審議のまとめ案を発表し、パブリックコメントも実施しました。市民の皆さんの関心も高いと思いますが、パブリックコメントにどのぐらいの数が寄せられて、どのような内容だったか、伺います。
(12番 黒沢清一議員 質問席へ移動)
◎教育次長(永井克昌)
長野市活力ある学校づくり検討委員会では、13回開催された中で答申案の取りまとめを行い、4月16日から5月21日の間にパブリックコメントを実施し、67名の市民の皆様から114件の御意見が寄せられるなど、関心の高さを実感しております。
(発言する者あり)
◎教育次長(永井克昌)
寄せられた御意見がどのような内容であったかにつきましてですけれども、6月20日に開催されます第14回長野市活力ある学校づくり検討委員会で御審議いただく資料として、現在取りまとめ作業中でありますので、事前の公表を差し控えさせていただきますので、御理解をお願いいたします。
◆黒沢清一議員
内容については、また、是非検討していきたいと思いますが、大変多くの数が寄せられて、関心も高いことだったというふうに思います。
そういう中で、審議のまとめ案の中で、審議の中で見えてきたこととして、小学校高学年以上では、集団の中で学ぶこと、専門的な学びや多様な経験が大切ではないか。少なくても、小学校高学年以上は、学年に複数の学級が望ましいのではないか。そして、一方では、できる限り地域に学校を残したいと意見を集約しています。
こうした審議のまとめ案を背景に、信濃毎日新聞の3月13日の投書欄、建設標で次のような内容の投書がありました。本紙によれば、長野市の活力ある学校づくり検討委員会で、教育環境の在り方として、各学年に複数の学級が望ましいという案が浮上しているようです。自分の生まれた地域に学校が存在することが大切です。学校統廃合は、予算削減になっても、将来的には更に過疎化を助長し、少子高齢化に拍車を掛けますという意見でした。
また、5月の市民と議会の意見交換会では、参加した保護者から、やはり、2月23日の信濃毎日新聞の記事、長野市の小規模校、複数学級化狙い、小学校5、6年生は統合案という記事を読んだが、5年生から遠くの小学校に行かざるを得ないんですかという不安の声が出されました。審議のまとめ案が独り歩きしないようにすることと同時に、児童・生徒の成長を保障する視点を据えることと、子育てをする環境をどうつくっていくかが大切だと考えますが、見解を伺います。
◎教育次長(永井克昌)
初めに、本審議のまとめ案が本編1ページの初めにありますように、いわゆる学校の統廃合や規模適正化等の配置計画の類いではないことを確認させていただきたいと思います。
審議のまとめ案の取扱いについてでございますが、議員がお話をされたように、多様性ある集団の中での学びが必要であると、できる限り地域に学校を残したいという意見が共有されております。
加えて、それぞれの地域に応じた小・中学校同士の学びの場の必要性や、小学校低・中学年期までは地域の見守りの中で育つことが大切であること、通学距離も配慮したいこと、地域や幼稚園、保育所、認定こども園との連携ができる環境を確保すべきこと等の意見もございました。
また、家庭と地域、幼稚園、保育所、認定こども園、小学校、中学校、高校との連携に加え、事業所等と連携し、協働することで、より子供を育てる環境が整っていくのではないかと考えております。
なお、寄せられた御意見や長野市活力ある学校づくり検討委員会の答申につきましては、今後、市議会、小・中学校の在り方調査研究特別委員会に御報告し、調査・研究をいただきまして、少子化に対応した、子供たちにとって望ましい小・中学校の在り方について共に考える所存であります。
◆黒沢清一議員
今お話がありましたように、是非、今後のこういうパブリックコメントを初め、貴重な意見を是非生かしていただきたい。
日本の小学校の学校規模ですけれども、学級規模ももちろんですけれども、学校規模ですが、世界から見れば非常に高いというのが現状だというふうに思います。イタリアが平均で140人、フィンランド101人、フランス99人、日本は318人が平均です。長野市は、小学校でいうと361人が平均になると思います。ですから、日本の規模は世界から見てどうなのかということを、是非参考にしていただきたいと思います。
続いて、小・中学校教員の長時間勤務の改善について伺います。
ある小学校で教える青年教師は、普通の日でも朝7時過ぎから夜8時まで学校にいます。管理職が早く帰ってと言いますが、むかつく、早く帰れるような仕事量じゃないと嘆きます。父母、保護者の皆さんからは、本当は先生に相談したいこと、聞いてみたいことがたくさんあるのに、いつも忙しそうで、いつ相談したらいいか分からないという声も出されます。父母、保護者の皆さんが、悩みを持っていても孤立している親も多く、子供と一緒に困っていることも少なくありません。
教員のこうした忙しさは、保護者の対応ができないばかりか、教員の仕事である授業の準備ができないことです。極端な話、午前中で授業が終われば、今のような長時間労働は考えられません。英語の授業の導入によって、先行実施している小学校では、今まで水曜日は5時間授業でしたが、今年度から6時間授業にしました。清掃の時間もカットして、水曜日は午後3時の下校にして、その後の会議、職員会の時間を確保しているのが現状です。
全国実態調査によれば、小学校教諭は1日4時間25分の授業をしています。国は、勤務時間の半分は授業準備に充てるを教員配置の基準としてきました。4時間25分の授業は8時間50分の勤務となり、1日7時間45分という法定勤務時間に収まっていません。1976年の全国調査では、授業時間は1日3時間28分でした。
今、仕事は朝8時からびっしり続いて、5分休みや20分休みも子供に対応しています。給食は数分でかき込んで採点、子供の下校時間以降、授業準備が可能ですが、休憩を除くと25分しかありません。25分の間にどうやって次の日の授業準備を行えというのかという、畑野君枝衆議院議員の国会での質問に、各教育委員会にしっかり取り組んでいただけるよう通知した、業務効率化などかみ合わない答弁でした。
そこで伺います。今年の4月から、各学校では校務支援システムがスクールオフィスから校支援に変更されました。このシステムは非常に使いにくい、実務が煩雑になっているという声があると聞いています。各学校の状況、またタイムカードなどを導入したということですが、教員の勤務実態をどう把握しているのか伺います。
市内小・中学校の教員の勤務時間割り振り制度について、実態はどうなっているのか。昨年の6月市議会定例会で、教育次長は、割り振りの運用について更に煮詰めていきたいという答弁でした。具体的な運用は現場で生かされているか、伺います。
県教育委員会は、教職員の長時間勤務時間の30パーセント縮減を掲げていますが、市教育委員会の長時間勤務の縮減の具体的な方策を伺います。
◎教育次長(永井克昌)
まず、校務支援システムについてお答えいたします。
昨年度2月から、市内小・中学校に段階的に導入を始め、本年度4月から本格稼働している新たな校務支援システム、校支援につきましては、情報の一元化により、教職員の事務処理について負担軽減、校務の効率化を図ることを目指して導入したものでございます。
入力した児童・生徒の情報や行事についての情報が連動し、各種予定表や児童・生徒名簿、出欠簿、保健関係の書類等が効率良く作成できたり、回覧板機能の活用により職員間の連絡を効率化し、会議の精選や時間短縮を図ったりすることができる校務支援システムとなっております。
しかしながら、初期の機能不良により、教職員の皆様には御迷惑をお掛けしております。その都度、事業者に改善を依頼し、可能な限り速やかに不具合の解消を行ってまいりました。今後は、各校からの要望を基に、より使い勝手の良いシステムとなるよう、改善、改良を進めることで、必ずや教職員の業務改善に資するシステムになるものと考えております。
教職員の勤務実態の把握につきましては、これまでもコンピューターへの入力やタイムレコーダーの利用等により、勤務時間の把握に努めてまいりましたが、本年度末までに勤務時間を把握するための機器を全ての小・中学校で導入することといたしました。機器による客観的な勤務実態の把握をすることで、教職員の長時間勤務の縮減や意識改革につなげてまいりたいと考えております。
次に、教職員の勤務時間の割り振りについてお答えいたします。
本市では、勤務時間の割り振りを昨年8月から本格実施し、県教育委員会、校長会と連携しながら、実効性のある制度となるように進めてまいりました。本年度は、昨年度の実績を参考とし、各校で年間計画に該当業務及び割り振り先を明示することで、確実に割り振りが行われるようにしております。
最後に、市教育委員会としての長時間勤務の縮減に向けた具体的な方策についてお答えいたします。
本市では、平成27年度から3年間で、平成26年度比30パーセントの時間外勤務時間縮減という県教育委員会の目標に沿って、各校で時間外勤務時間の縮減を進めてまいりました。昨年度の4、5月調査では、本市の小学校では1か月間の時間外勤務時間の平均は約57時間、中学校では約72時間となっており、県の目標である30パーセント減にまでには至っておりません。しかし、教職員の中に削減への意識が生まれてきているのは確実であると認識しております。
先ほど述べたタイムレコーダー等による勤務時間の客観的な把握に加え、本年度より部活動指導員やスクール・サポート・スタッフを配置するなどの人的支援を行うとともに、これまで3日間だった学校閉庁日を5日間に拡大し、教職員がまとめて休暇を取りやすい環境を整えるなど、順次働き方改革を進めてきております。
今後も、県が策定した学校における働き方改革推進のための基本方針を踏まえ、本市における基本方針の策定作業を進めると同時に、各種調査の精選、法律分野の専門家についての研究などを進め、議員御指摘の授業準備等、教員が本来の業務にしっかりと取り組めるよう、働き方改革を進めてまいる所存です。
◆黒沢清一議員
今の答弁の中で、勤務時間の割り振りに関して、ちょっと具体的な話はなかったと思うんですけれども、割り振りがうまくいっているのか、まだ十分でないのかという、そういう答弁はなかったと思うんですが、実態はどうなんでしょうか。
◎教育次長(永井克昌)
昨年度末に各学校に、事前の段階で翌年度の年間計画に、該当業務と、割り振り先となる日はここにしようということをそれぞれの月に位置づけるようにという指示を出したところ、全ての学校でそういうものが記載されてきており、今、まだ6月の段階ですけれども、既にそれぞれの学校で実行には移されていると認識しております。
◆黒沢清一議員
多分、そういう割り振り先をあらかじめ明示する、それは大変な前進だというふうに思います。ただ、実際はどうなっているのかという、付けたけれども実際はどうなっているのかというのをまた是非、実態を調べていただきたいと思います。
続けて、再質問ですけれども、3月市議会定例会で教職員定数改善の意見書採択を、大半の教職員の皆さんは歓迎しています。県や国に教職員の定数改善を引き続き働き掛けていただきたいということと、それから、英語専科の配置など、市でも是非独自の配置を求めますが、見解を伺います。
◎教育次長(永井克昌)
学校現場では、生徒指導や保護者への対応、各種会議への参加等の対応など多忙化する中で、新学習指導要領に対応していくためには、授業準備の時間や、これまで以上に教職員の研さんが求められます。
このような時間を確保するためには、教職員の働き方改革を進めるとともに、教職員定数を改善することは大変重要なことでありますので、今後も引き続き、県を通して国に働き掛けてまいります。
英語専科の配置につきまして、今年度、県の加配で2名が市内の小学校に配置されており、校内はもとより、近隣の学校の教職員にとってモデルとなる授業を日々提供しているところでございます。市独自の加配については、現在のところ考えておりません。県の英語専科加配による授業や、増員したALTとのTT授業等を通して、小学校の外国語活動を充実してまいります。
市教育委員会といたしましては、引き続き、県を通して国に、英語専科加配についても拡充を求めてまいりたいと考えております。
◆黒沢清一議員
是非引き続き、声を上げていただくということ、そのものが現場を励ますということにもつながりますから、是非お願いしたいということと、それから先ほどの校支援、これが逆に学校現場を混乱させたり、それから忙しくさせたりという状況であるとすれば、それはやっぱり業者を含めて、是非対応していただきたいと思います。
この教員の働き方というのは、国でも今、大変問題になっていますけれども、教員の働き方というのは子供の生活と非常に密接に関わっている、当然のことですけれども。子供にとっても、休み時間に友達と一緒に遊んだり、放課後みんなでおしゃべりをしたりという、一見ちょっと無駄なように見えることも、子供たちにとっては非常に、授業の時間と同じぐらい大事だと思うんです。遊びは子供の主食ですという、そういう指摘をする人もいますけれども、それを奪うようなことに、教師、教員自らそうなってはまずいということを、是非認識をお願いしたいと思います。
続いて、次に移ります。
就学援助制度の小学校入学準備金、中学校修学旅行費用の事前支給実施について伺います。
昨年度から、小学校6年生のうちに中学校入学準備金が事前支給となって、該当の児童、保護者はもちろん、現場の教職員も大変喜んでいます。
昨日も答弁ありましたように、できるだけ早く、小学校の入学準備金についても実施するという答弁を頂き、これも大変うれしいことでございます。
もう既に全国では、この小学校入学準備金の事前支給を2016年度以前から実施と、それから2017年度から実施を合わせると4割を超えていると。お聞きしたところ、全国の中核市の中でも、今年度の実施予定も含めると43市あるということで、是非前に進めていただきたいと思います。
同時に、中学校3年生の修学旅行費用の事前支給、これも以前から求めていますけれども、是非、これも同様に進めていただきたいと思いますが、見解を伺います。
◎教育次長(松本孝生)
就学援助制度の新入学児童生徒学用品費のうち、新中学校1年生に対しては、平成30年4月中学校入学者から小学校6年生時の3月に前倒し支給いたしました。小学校1年生への事前支給につきましては、実施する自治体が増えてきておりまして、対象者の把握方法や、申請受付から支給までの事務処理の流れの構築など課題を整理し、できるだけ速やかに事前支給ができるようにしてまいりたいと考えております。
次に、中学校の修学旅行費につきましては、定額支給の新入学児童生徒学用品費とは異なり、学校ごとに掛かる経費が違うため、旅行後の実績に応じた実費を支給しているところでございます。事前支給した場合には精算が必要となりまして、不参加となった場合には5万円を超える多額の返納金が生ずることになるなど、保護者、学校の負担が増えることになります。
これまでも、就学援助費の返納が生じた場合、金額的には数千円であっても、速やかな返納に応じていただけないケースもあり、課題の一つと考えております。また、中学校3年生の4月、5月の修学旅行が多い本市におきましては、旅行年度の前年度の支給が必要となることや、実態としては、修学旅行に備えて、中学校1年生のときから毎月旅行積立てをしている学校が多く、毎月の積立てに合わせて支給しないと保護者の負担軽減にはならないことなど、実施に当たっての課題が多いものと考えておりますので、御理解をお願いいたします。
市の職員の勤務改善について
◆黒沢清一議員
この中学校の修学旅行は、子供たち、生徒が希望してやっているわけじゃなくて、学校の教育課程として実施しているわけですから、やはりこれは学校の責任、市の責任として是非検討していただきたい。課題はもちろんあると思いますけれども、是非よろしくお願いいたします。
次に、市の職員の勤務改善について伺います。
市の職員の心因性疾患による長期病休者は、平成22年度32人、これ以降、増え続けて、平成28年度が59人、平成29年度が55人と大変多くなり、減っていません。また、月に2から4回の健康管理医による相談、週2回の非常勤保健師による相談、随時の医務保健師による相談実績を見ると、平成28年度が1,454件、平成29年度が1,553件と、平成22年度の848件の倍近くになっています。相談の内容はどんな傾向があったのか、伺います。職員の勤務時間は、職種、職場によって実態が違うのか、伺います。
また、長時間勤務の原因についてどう捉え、どう改善するのか、市長の見解を伺います。
◎総務部長(倉石義人)
初めに、相談内容の傾向についてですが、医務保健室で実施しております職員のメンタルヘルスに関する相談業務では、長期療養休暇前の相談、療養期間中の面談、復職後のフォローアップに伴う面談が全体の半数以上を占めております。また、職員のストレスチェック制度による高ストレス者に対する面談も含まれていることから、近年の相談件数の大幅な増加は、長期療養休暇者の増加が主な要因であると考えております。
近年の相談内容の傾向といたしましては、業務量が多いことに伴う精神的な負担感の他、周囲の職員と比較して自分の業務量が多い、職場内でバランスを欠いているといった相談や、係長等への昇任後の能力的な不安感、仕事と家庭生活とのバランスがとれないといった内容が増加しております。また、職務経験が浅い20歳代の職員の他、40歳代の相談も増える傾向が見られます。
具体的な相談内容としましては、20歳代の職員では、職務適性に対する不安や上司、同僚との人間関係といった内容が多く、40歳代では、複雑さが増している業務に対応できない、昇任に対する不安感といった内容を訴える例が増えております。
特に、職場内の人間関係につきましては、職員の年代間で考え方が相違するといった相談も多く、世代間の意識のギャップも課題になっていると考えております。
この他、複雑多様な市民ニーズへの対応や、職員に対する市民からの期待感に不安を感じるといった相談も見られ、相談内容は多岐にわたっている状況でございます。
次に、職種別の職員の1人当たりの勤務時間、取り分け時間外勤務の平均時間数を平成29年度実績で見ますと、土木職の時間数が他の職種に比べて突出した結果となっております。これは、昨年6月から10月にかけて各地区で発生した豪雨災害に伴い、業務が増加したことによるもので、被害箇所の道路、河川等の現場調査や工事の設計、積算など、災害復旧事務に多くの時間を費やしたものの他、設計、積算ミスの防止対策に取り組んだことも要因であると考えております。
こうした特殊要因により時間数が押し上げられた土木職を除けば、その他の職種間の勤務時間数に大きな違いはございませんでした。
次に、職場ごとの時間外勤務につきまして、平成29年度の実績としましては、最も時間数の多かった所属は選挙管理委員会事務局でありまして、全所属の月平均7.9時間に対し39.1時間でありました。これは、昨年10月に2つの選挙が行われたことが主な要因であり、限られた期間内に集中して業務が発生したものでございます。
その他、時間外勤務が多かった所属とその要因を申し上げますと、先ほどの豪雨災害の影響が大きかった維持課を初めまして、予算編成時に業務が集中する財政課、また、国の制度等が複雑化する一方で、市民からの相談の多い障害福祉課などが挙げられ、時間外勤務が多い所属とそうでない所属といったように、所属間でばらつきがあるのが実情でございます。
◎市長(加藤久雄)
長時間勤務につきましては、現在、国会において働き方改革関連法案が盛んに議論されている中におきまして、国全体が注視している大きな課題であり、本市におきましても、長時間勤務の解消に向けた取組を進めているところであります。
長時間勤務、つまり時間外勤務の発生要因につきましては、本市の状況を分析したところ、住民異動が集中する3月から4月、あるいは税の切替え時期に当たる4月から6月、さらに予算編成時期に当たる10月など、例年特定の時期に業務が集中し、発生しているものがございます。また、選挙事務や国体などのイベント開催のように短期間に集中して実施せざるを得ない中で発生するものもあり、さらに、近年の傾向といたしましては、新たな計画の策定業務や市民からの複雑な相談など、単純な業務量ではなく、質的なものが原因となって生じているものが増えております。
このような中、個々の職員の時間外勤務の実態からは、健康を害する危険が高いとされる月100時間を超える時間外勤務を実施した職員が、平成29年度実績で延べ66人おり、特定の職員に業務が偏る状況も見られ、健康被害防止の観点から早急に改善すべき課題だと考えております。
この課題を解決するためには、いかに組織全体でカバーするか、業務をバランス良く配分するかが重要であります。また、特定の時期や期間に業務が集中することを避けるためには、組織全体の業務の平準化が必要だと考えております。
例えば、職員の業務内容を再度見直し、比較的業務が落ち着いた時期に、他の部署を応援できるような体制を構築する。さらに、繁忙期に集中する業務の期限を延ばし、業務を分散化させることで時間外勤務の集中を緩和するなどが考えられます。
また、このような検討を進める上で、できるだけ直接事務を担当する職員の声を取り入れるため、6月1日の部課長会議におきまして、職場全体で話し合うよう指示したところであります。業務上、時間外勤務により対応せざるを得ない場合もあるわけでありますが、ストレスにつなげないためには、仕事が忙しくとも仕事にやりがいを持てること、仕事が楽しいと職員が感じられることが大切であります。多くの職員がそのように思える、風通しの良い職場となるよう、所属長を中心に長時間勤務の改善に努めたいと考えております。
◆黒沢清一議員
市長も今言っていましたけれども、特に月100時間を超える時間外勤務を実施した66人は、これは放置を絶対してはならないと思います。今、国で確かに働き方改革の関連法案について審議されていますが、昨日も地方の公述会が開かれて、埼玉の公述会で4人の方が、どなたも賛成の意見はありませんでした。これが新聞報道でされていましたけれども。ですから、今、国の働き方改革は、私は真っ向から逆なものであるというふうに思っています。
先ほど、答弁の中に、昨年、確かに同日選挙もあったりして、このことについてはもう既に私達も指摘していますけれども、やはり同日選挙にすべきではなかったかということは提案したわけです。大変な選挙管理委員会事務局の皆さんのこともあったし、それから土木職の皆さんも本当に懸命に、昨年は大変な水害の中で、本当に御苦労されたと思います。
ただ、今分かっていることも答弁された中で、この100時間はもちろんですけれども、意識改革だけでは絶対にこれは駄目だと思いますので、是非、定数の改善を初め、業務量の改善等、是非改善を進めていただきたいと思います。
続きまして、松代大本営予定地跡について伺います。
長野市では、松代大本営予定地跡の保存、公開の改善を進めてきました。この間、駐車場の確保など様々なことに対して、安全対策を初め年間約800万円の予算を計上してきています。保存対策についても、浮き石を定期的に除去したり、崩落危険場所を補強するなどしてきました。しかし、見学者が増大する度に、壕内の気温が上昇して結露現象によって風化が進んで、更に安全確保のために保存対策をしなければならないと。そうすると、現状の改変が起きざるを得ないと。
そこで、NPO法人の松代平和祈念館、以下祈念館と言いますけれども、史跡として位置づけて、科学的な保存技術に基づいて対策を講じてほしい。そして、平和のために公開するという立場に立った見学の利便確保と、周辺住民の生活の保障などを求めてきました。
これまで、祈念館は松代大本営予定地跡を文化財保護法の対象物とすることを長野県と本市に要請してきました。これに対して市は、重要度は十分認識していると。しかし、国の判断を待ちたいと。しかし、文部科学省は国の判断がなくても、市ができるなら進んで指定をするようにと。
そういう中で、昨年もこの祈念館の皆さんが市にも要請をされています。副市長も大変重要であるというふうに、平和のことを考える貴重な機会であるということも答弁されています。
そこで、松代大本営予定地跡が法によって整備されて、平和のために活用されるよう、史跡として位置づけられるよう求めますが、見解を伺います。
さらに、舞鶴山の地震観測所が閉鎖になって、長野市は、いわゆるこの天皇御座所予定地跡を是非受け入れてもらいたいと思いますが、見解を伺います。
◎教育次長(松本孝生)
御指摘のとおり、松代大本営予定地跡の文化財指定につきましては、国が平成15年に詳細調査を実施して以来、史跡指定の動きに進展が見られない状態となっております。
松代大本営予定地跡は、第二次世界大戦末期において国策として行われた事業であったことから、史跡としての評価と位置づけは国において行われるべきものであり、本市といたしましては、国が実施した詳細調査報告の刊行について進捗を注視するとともに、文化財指定の前提となる調査報告書の公表について、これまで国に要望し、問合せをしてきたところでございます。
松代大本営予定地跡は日本史において評価されるべき国レベルの遺跡であり、とりあえず市の史跡としておくという選択はないものと認識しております。本市といたしましては、国による評価が定まるまでの間、保存に努めていくことを基本方針とし、平和利用の一助となるよう、安全に、多くの皆様にありのままの姿を見ていただくための安全対策工事やトイレの設置などの利便性向上を進めてきているところでございます。
◎商工観光部長(高橋要)
私から、舞鶴山地震観測所の受入れについてお答えいたします。
舞鶴山地震観測所につきましては、現在も地震観測を継続しているものの、地震解析業務が気象庁本庁に移管されたことにより無人化となっております。このことに伴い、建物内部へ入ることができなくなったことから、気象庁では定期的な施設見学会という形で対応しているところでございます。
この地震観測所の取扱いにつきましては、気象庁からは、地震解析機器及び保管資料等の整理を行った後に、業務に使用しなくなった施設については財務省に移管していきたいという方針は伺っておりまして、私どもも定期的にその進捗状況を確認しているところではございますが、現時点において、移管までにはまだまだ時間を要するということでございます。
こうした状況でございますことから、施設等の受入れにつきましては、引き続き国の動向等を注視しながら、対応を検討していきたいと考えております。よろしくお願いします。
◆黒沢清一議員
地震観測所については譲渡したいと言っているわけですから、そこの辺りを是非また研究していただきたいと思います。
それから、県下ではもう既に国や市町村で登録されているところは3つあるわけですから、松本市の国の登録のものと含めて、ここの辺りも是非、今後研究していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。