2017年9月定例市議会 黒沢清一議員
願第35号「福祉医療制度の現物給付の長野市独自での適用範囲拡大」を求める請願を不採択とすべきとした福祉環境委員会委員長報告への反対討論
◆黒沢清一議員
◆13番(黒沢清一議員) 13番、日本共産党長野市会議員団の黒沢清一です。
請願第35号「福祉医療制度の現物給付の長野市独自での適用範囲拡大」を求める請願を不採択とすべきとした福祉環境委員会委員長報告に反対の立場から討論を行います。
この間、長野市では子供の医療における対象年齢の拡大や国庫負担金減額措置についての意見書提出を行ってきました。さらに、長野市の担当部署、議会関係者の御理解や御尽力に対して、請願者も感謝の意を表明しております。
請願者は、長野市においても県の水準を上回る制度にしていただき、子供や障害者等がお金の心配なく安心して、医療、福祉を受けられるよう、福祉医療制度の一層の充実を求めています。
請願の審査の中で、長野市は財政調整基金を取り崩すなど厳しい財政運営の中で、平成30年8月からの状況も含めて、行財政全体のバランスを見ながら、一つ一つ進めていく必要があるという意見がありました。
しかし、県下の各市町村は財政が厳しいのはどこも同じです。しかし、子供の医療費の現物給付の導入範囲を県水準、つまり中学卒業より拡充し、18歳年度末までとする自治体は31町村あります。子供、障害者、ひとり親などへの拡充の意向がある自治体は13市町村が拡充を検討しています。また、受給者負担金を廃止する予定の自治体は5町村あります。
福祉医療給付の改善をすすめる会が県下77市町村に対して行った子供、障害者等の福祉医療給付の意向調査の結果では、県の方針転換が市町村に更なる制度拡充を促していることが一定程度明らかになりました。
回答した市町村の47パーセントが県水準よりも、現物給付の範囲を拡充すると答えており、県水準、現行維持の41パーセントを上回っています。
また、深刻な子供の貧困が進む中で、その克服のためにも、子供の医療費の完全無料化は喫緊の課題です。障害のある人の80パーセント以上が相対的貧困とされる122万円を下回っているという調査結果もあります。
医療費を心配し、受診を控えて病状が悪化してしまう例が少なくありません。県は窓口の受益者負担金、1レセプト500円を導入し、今後も続けるとしています。
500円くらいは払えないことはないだろうと考える人もいます。しかし、500円がなくて掛かれないという子供は実際にいます。完全無料化すると、休日、夜間の受診が増え、医療崩壊につながるという意見もあります。しかし、群馬県では2009年10月から、中学卒業までの医療費を完全無料化しました。実施直前の4月から9月までの半年間と、実施後翌年の同期間の診療時間以外の受診件数の調査結果を見ると、実施後のほうが7.3パーセント減っていました。
ぜんそくの親子も昼間、発作が起こったのにお金がなくて我慢していて、夜になって悪くなって掛かったということが何回もあったそうです。窓口無料化でそういうことが無くなっていくのは間違いありません。
請願者の願いや意図を酌みとって、議員各位の本請願の採択への御賛同をお願いして、討論といたします。