議会報告

2017年9月定例市議会 阿部孝二議員

請願第36号健康長寿を目指し、市行政、市議会が食に対する意識啓発に積極的に取り組むことを求める請願を採択すべきとした福祉環境委員会委員長報告への反対討論

◆阿部孝二議員
28番、日本共産党長野市会議員団、阿部孝二です。
 請願第36号健康長寿を目指し、市行政、市議会が食に対する意識啓発に積極的に取り組むことを求める請願を採択すべきとした福祉環境委員会委員長報告に反対の討論を行います。
 請願趣旨には、市の糖尿病予備群の割合が国や長野県の平均より高いことを指摘していますが、第三次長野市健康増進・食育推進計画--ながの健やかプラン21の資料によると、平成26年度の主な疾患の受療率で、人口10万人当たりで一番多いのは、高血圧性疾患で、全国530人ぐらい、長野県では520人ぐらい、その次が悪性新生物--がん、3番目に糖尿病で、全国より長野県のほうが少なく、160人ぐらいでした。
 平成26年度国民健康保険特定健康診断の結果、ヘモグロビンの年代別割合から算出した糖尿病予備群の割合は、全国よりも高くなっています。しかし、長野市は、特定健康診断で糖尿病予備群等のヘモグロビン6.5以上の方、999人に対し、生活習慣を直すため、個別に訪問し、指導を保健所が行っています。
 生活習慣病の原因が食べ過ぎとして糖尿病に至る前の食後高血糖が起こり、動脈硬化性疾患、認知症、がんの発育因子として影響するので、野菜を先に食べると効果が期待できるとして、保健センターが実施しているベジファースト、サキベジ推進協議会が取り組んでいるサキベジ運動がある。また、請願項目に食事の初めに野菜を先に食べることなどをうたっています。
 第二次長野市食育推進計画で、食事バランス等に配慮した食生活を送りますでは、配慮した食生活を送っている人の割合は、策定時36.7パーセントが直近値64.6パーセントで、目標の60パーセントを達成しています。
 朝食に野菜を食べる人の割合では、策定時49.9パーセントが直近値73.6パーセントで、目標の70パーセントを達成しています。昼食の場合、25歳から35歳で、策定時59.4パーセントが直近値77.7パーセントで、目標の70パーセントを達成しています。
 毎日野菜を食べる人の割合は、平成21年と平成27年の比較で、16歳から24歳、25歳から39歳、40歳から64歳、65歳以上の分類で、朝食、昼食、夕食に分けた調査でそれぞれ増えています。朝食で一番低いのは、25歳からの層で52パーセント、高いのは65歳以上の93パーセント、昼食で低いのは16歳からの層で73パーセント、夕食は65歳以上で98パーセントでした。
 評価として、食事のバランス等に配慮した食生活を送っている人の割合及び朝食、昼食に野菜を食べている人の割合は大きく改善し、目標を上回りました。
 年代が上がるにつれて、朝食、昼食、夕食とも、毎日野菜を食べる人の割合が高くなっています。野菜の1日の摂取目安量350グラムに対し、全国摂取297グラムに対し長野市は299グラムで、長野市民は多くとっています。
 課題と今後の方向性として、市民一人一人が栄養バランスに配慮した食事を習慣的にとることが大切なため、主食、主菜、副菜の組合せなど、栄養バランスに配慮した食生活を実践する市民を増やしていくことを目標に掲げ、引き続き取り組んでいく必要がある、と示されています。
 生活習慣病の予防や改善のための食事や運動を継続的に行いますの項目では、実践では平成23年度と平成26年度の比較では、メタボリックシンドロームの該当及び予備群の人の割合は、一定の改善はされていましたが、1日の平均歩数は悪くなって、歩数が少ない結果でした。
 課題と今後の方向性からは、生活習慣病やメタボリックシンドロームを予防するためには、食生活の改善のみならず、身体活動等を含めた生活改善が必要と示されています。
 請願事項に、市行政と市議会に、野菜を先に食べること、糖尿病予備群の減少、健康長寿延伸にふさわしい姿勢を市民に積極的に発信することを求めています。
 サキベジ--食前野菜療法の健康への作用、文献からの整理から科学的に証明されていることで、食物繊維が豊富な野菜をとることで、血糖値の改善が期待されるが、主菜に含まれている肉や魚などのたんぱく質や脂質も胃内停留時間を延長する効果があるため、食物繊維と同様に炭水化物の前に摂取することで、血糖上昇抑制効果があるとしています。
 デメリットとして、食物繊維が小腸から脂溶性ビタミンや脂質、ミネラルの吸収を低下させる可能性もある。穀物の食物繊維が糖尿病発症リスクを低減させるが、他の食物繊維との関係は明らかでない、との指摘もあります。
 野菜の摂取で、一人一人の食事の食べ方を示すことはいかがなものか、議論の中でこの内容が請願にふさわしくないことも指摘し、また総合的に健康問題を取り上げるべきだと、他市の先進例も示されました。
 今月10日に、信毎の健康フォーラムが駒ヶ根市で開かれ、国民健康保険中央会元常務理事の田中一哉氏は、長野県の平均寿命が男女共に全国1位、年齢調整死亡率が男女共に全国最低、高齢者の就業率トップ、後期高齢者の医療費が低いなど、健康長寿県・長野の秘密をテーマにして行いました。
 長野県は、健康長寿日本一だと思っていますが、なぜ日本一になったのか。自分の健康は自分で守るをスローガンに60年近く活動してきた保健補導員さんの組織があったからこそと思います。
 また、自らの健康、家庭・地域の健康を私たちが守ると、主婦ボランティアが自主的に活動しているのは、全国でも長野県だけです、と言っています。
 市は、住民自治協議会の設立と合わせ、必須事務と選択事務に分け、保健補導員制度を選択事務にしたことにより、平成21年度で委嘱制度を廃止しました。これにより、各区からの保健補導員が二千数百人いなくなりました。市民の健康を総合的に計画し、実行し、目標を達成していることと、更に強化しなければならない課題もあります。
 市保健所と関係課が連携して取り組むことを求め、請願に反対の討論とします。

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