議会報告

2017年6月定例市議会 阿部孝二議員

請願第19号「子ども・障がい者の医療費完全窓口無料化」意見書提出を求める請願及び請願第20号「国民健康保険療養費国庫負担金の減額措置の廃止を求める」意見書提出を求める請願を賛成少数で不採択とした福祉環境委員会委員長報告への反対討論

◆阿部孝二議員
28番、日本共産党長野市会議員団、阿部孝二です。
 請願第19号「子ども・障がい者の医療費完全窓口無料化」意見書提出を求める請願及び請願第20号「国民健康保険療養費国庫負担金の減額措置の廃止を求める」意見書提出を求める請願を賛成少数で不採択とした福祉環境委員会委員長報告に反対の討論を行います。
 請願者である長野地区社会保障推進協議会も参加する福祉医療給付制度の改善をすすめる会は、子供、障害者の窓口無料化について、2012年で約4万3,000人の署名を集め、その後も、2万から7万の署名を集めて長野県知事に提出し、長野県議会に請願も行ってまいりました。そして、20年間に及ぶ運動の成果によって、窓口無料化が一部実施されることになりました。歓迎と感謝を述べていました。
 しかし、受益者負担金の徴収、障害者は対象外など、完全無料化になっていません。長野県の福祉医療費事業検討会では、9市町村が受益者負担金の廃止を要望し、医師会、歯科医師会及び薬剤師会も少子化対策と貧困対策のため、完全窓口無料化を要望しています。厚生労働省も子供の貧困率は過去最高になっていると言っています。継続的に治療が必要な障害者は、500円の負担は大変ですと訴えています。
 署名はがきでは、1,000円のお金がなくてその日の食事にも困っている家庭があります。保健の先生がお医者さんに連れて行ってくださいと保護者に言っても、お金がなくて行けない状況を目にすることがとても悲しいです。ぜんそくの子供がとても増えています。薬が高価ですぐ治る病気ではない。現金がなければ行けないなど、切実な訴えも紹介されました。
 完全無償化すると、医療に掛かる人が増えることを心配している人がいますが、病気でなければ、病院など行きたくないのは当然であります。早期受診、早期治療により結果的には医療費は少なくなります。今回の請願審査で内容や文章の訂正など御意見を頂き、請願を是非採択していただきたいとの訴えもされました。
 しかし、請願を不採択とした新友会と公明党議員の理由は、未就学児までのペナルティーを撤廃したから子供の窓口無料化を最優先すべき。導入の影響を見きわめてから、負担金の500円のみでなく全体的な視野で行政支援を充実していく必要がある。請願は間違いではないが、一度実施して財源がないからできないと言えないなどの理由でした。
 厚生労働省の発表では、子供の貧困率は過去最悪になり、子供の6人に1人が貧困状態となっています。貧困の連鎖を断ち切るために、市内初め全国各地で子ども食堂が行われています。また、行政からは就学支援が昨年から行われています。小布施町では、小・中学校を対象に朝食をとれない子供を支援するとして、パンなどの朝食を用意する方向で検討していると報道されています。
 医療費の窓口無料化は、全国47都道府県のうち実施していない県はごく少数で、長野県と4つぐらいのところしかありません。長野県や長野市は最も遅れているところです。長野県下で長和町では、町長が高校卒業まで窓口負担なしの完全無料を2018年の早い時期にと表明しました。坂城町はペナルティーを避けるために、該当者に一定の金額を貸し付けて、後で精算する方式を行っています。
 市民の皆さんに対する様々な負担は増え、その負担増は数え切れないほどあります。消費税は、高齢化社会のため、福祉財源のため、社会保障財源のためとして導入され、8パーセントで年間20兆円もの負担になっています。消費税は収入が少ない人ほど負担の重たい税金であります。
 国民健康保険料は、政府が交付金を下げてから負担が重くなり、今年の値上げで長野市の場合のモデルの4人家族で224万円の所得の世帯が40万4,530円の保険料になり、2か月分の収入がなくなる保険料になっています。国民健康保険料の通知が19日から届いています。1日200件近い問合せがあり、既に1,000件近くになっていると聞いています。
 また、介護保険料は毎回増額されるため、介護サービスの利用を制限し、受けたい介護サービスを受けられない方が増えている現状です。水道料金も基本料金を中心に負担が増えています。
 国も市も大企業と高額所得者に特別な減税を行い続けています。平成19年から市民税の所得割は1,000万円を超える納税者に4パーセントの減税が行われて、年間約10億円の減税、10年間で100億円もの減税になっています。法人市民税の法人税割は平成26年度から2.6パーセントの減税で、年間で5億円の減税が行われています。
 日本国憲法の第25条は、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないと規定しています。また、地方自治法第1条の2では、地方公共団体は住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。国は、前項の規定の趣旨を達成するため、国においては全国的に統一して定めることが望ましい事務、全国的な規模で行わなければならない施策及び事業の実施その他の国が本来果たすべき役割を重点的に担い、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体に委ねることを基本として、制度の策定及び施策の実施に当たって、自主性及び自立性が十分に発揮されるようにしなければならないとなっています。
 公明党の山口氏がペナルティーを見直すとの発言は、憲法と地方自治体の目的からすれば、ペナルティーをかけてきたこと自体に謝罪をしなければなりません。市民、住民の切実な要求である窓口無料化を実施している県に対し、1年間で何十億円ものペナルティーをかけてきたことに反省をすべきです。
 今回の請願項目は、高校卒業まで窓口完全無料化を拡大し、また、障害者も対象にするよう求めています。そして、現物給付方式を理由とした減額措置の廃止を求めています。
 改めて各議員さんに賛成を求めて討論を終わりたいと思います。

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