2017年6月定例市議会 滝沢真一議員
放課後子ども総合プランの無料継続について
児童館・児童センターについて
過疎地域高校生通学費補助事業について
生活保護費の過払いについて
公共料金の市民負担増について
放課後子ども総合プランの無料継続について
◆滝沢真一
14番、日本共産党長野市会議員団、滝沢真一です。
市民こそが市政の主人公という立場から質問を行います。明確な答弁をお願いします。
まず、放課後子ども総合プランについて。
放課後子ども総合プランの有料化について伺います。
長野市では、来年4月から放課後子ども総合プランが有料化されます。子供の貧困が社会問題化し、若い世代を中心に低賃金な非正規雇用が横行し、夫婦共働きが当たり前となる中、放課後の子供たちが誰もが安心して安全に過ごすことができる居場所が今、正に求められています。長野市が行ったアンケート調査からも明らかなように、このままでは利用したくても利用できない子供が出てきます。全ての子供にお金の心配なく放課後の居場所を確保すべきです。改めて放課後子ども総合プランの有料化の撤回を求めます。
来年4月から実施される有料化によって、これまで放課後子ども総合プランを利用してきた家庭のうち、どれだけの子供たちが放課後子ども総合プランを利用しなくなるのか、実態をつかんでいるのか伺います。また、施設によっては、有料化による負担を抑えるために、おやつの提供をやめることを検討しているなどの話を聞きました。有料化による保育内容の変化、子供たちへの影響の実態をどうつかんでいるのか、現状と今後の対応を伺います。
◎ こども未来部長(上杉和也)
放課後子ども総合プランの利用者負担の検討に当たりまして昨年6月に実施しました保護者アンケートでは、利用料の負担をお願いするとした場合の利用継続の意向をお尋ねしております。利用をやめるとの回答は13.4パーセントでしたが、この時点では本格的な審議に入る前であったため、利用料や減免の内容等に関する具体的な情報の提供をしておりませんでした。その後、長野市社会福祉審議会児童福祉専門分科会において、利用者負担の導入に当たってはきめ細かな配慮が必要として、減免についての御意見を頂いたところでございます。
これら審議を経まして、長野市社会福祉審議会から、特に経済的な理由では、児童扶養手当を受給する世帯や就学援助受給世帯、また、多子世帯の2人目、3人目の同時利用など、内容についての答申があり、この答申を尊重して減免の対象及び減免割合について大幅な拡大をしたところでございます。
これから説明会等を保護者の皆様に実施していく現段階で、平成30年度から放課後子ども総合プランを利用しなくなるとする児童数の把握はできませんが、減免等の提供する情報の内容が具体的になっていることから、アンケートを実施しました昨年の状況とは異なってくるものとも考えております。
次に、利用料の導入による保育内容の変化等の現状と今後の対応についてお答えします。
昨年度のおやつを提供している施設の状況は、児童館・児童センターでは27か所、64パーセント、子どもプラザでは9か所、18パーセントとなっております。
おやつについては、保護者からの、提供してほしいという意見、おやつを食べてくると夕食がとれなくなるという意見など様々な意見を踏まえ、放課後の子供の活力面や夕食との時間帯等も考慮して、各小学校区の運営委員会で提供の方針を決めているところでございます。来年度の方針につきましても運営委員会での協議となりますので、現在、まだ実態の把握はできておりません。
なお、放課後子ども総合プラン事業は、おやつだけでなく、遊びや交流など多様な活動の機会を通じて子供たちの成長に影響を与えるものと考えております。平成30年度から利用料を御負担いただくに当たりましては、長野市社会福祉審議会の答申にも、プランの充実を利用者に実感いただけるよう努めることとの意見が付され、また市といたしましても、子供たちにとってより良い環境、サービスを提供することを基本としておりますことから、今後の対応におきましても子供たちにも充実を感じてもらえるよう、ハード、ソフトの両面から取組を加速させてまいりたいと考えているところでございます。
◆滝沢真一
これから説明会を行っていくということですし、おやつなどの実態についてもまだ今の段階で現状は把握できていないということなんですが、ただ、これ来年の4月から有料化が始まるわけですよね。その前に、実態をきちんとつかんだ上で放課後子ども総合プランを実行していかなければ、始まってからではいろいろ影響が出てきてしまうと思うんですが、放課後子ども総合プランをどれだけの子供が利用しなくなるかというのは、これからの説明会を通してきちんと実態をつかんでいくんですか。そこを伺いたいと思います。
◎ こども未来部長(上杉和也)
説明会につきましては、御意見を頂戴する場にもなるかとは思いますけれども、ただそこで数をまとめることができませんので、どういう御意見があるか、やめるというような御意見が出てきた場合には、その事情とか理由をお伺いすることになるかと思います。ただ、例年入れ替わりがあるわけですけれども、そのやめた方が全て有料化に伴ってやめたのか、いろいろな御事情でやめたのか、それはちょっと分かりませんので、やるとすればきちんとしたアンケート等をとらざるを得ないと思います。ただ、その時期にもよりますので、そういうことについて、どういう形でやるかは今後検討してまいりたいと考えております。
児童館・児童センターについて
◆滝沢真一
有料化してから、使えなくなってしまった子供がいた、本当は使いたかった、こういうことがないように、きちんと実態を把握して、その子供たちへの対策をきちんと行っていただくよう要望したいと思います。
次に、児童館・児童センターについて伺います。
これまで長野市は、児童館・児童センターを学童保育の場所としてだけ利用してきました。しかし、本来児童館・児童センターはゼロ歳から18歳までの子供たち誰もが無料で利用できる施設です。厚生労働省の児童館ガイドラインでは、児童館の職員について、館長を置き、児童館の運営を統括すること、児童館には児童厚生員を置くことなどが求められています。一方、放課後児童クラブ運営指針解説書では、児童館の中で放課後児童クラブを実施する場合は、専用区画を設置し、専任する複数の放課後児童支援員等を配置することなどを求めています。
児童館・児童センターには、放課後児童クラブとは別にその役割があります。放課後子ども総合プランに登録した児童だけしか使えないのであれば、18歳未満の全ての子供を対象とし、遊び及び生活の援助と地域における子育て支援を行い、子供を心身ともに健やかに育成するとした児童館・児童センター本来の目的を果たすこともできません。児童館・児童センターに放課後児童クラブとは別に専属の職員を配置し、全ての子供が無料で過ごすことのできる居場所として開放すべきではないでしょうか。見解を伺います。
◎こども未来部長(上杉和也)
児童館・児童センターは、児童福祉法が定めます児童福祉施設の一つである児童厚生施設であり、児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、又は情操を豊かにすることを目的とする施設と定めております。長野市児童館の設置及び管理に関する条例では、本市の児童館・児童センターの目的を児童福祉法と同じに定めております。
本市は、昭和40年代に、まず幼児のみを対象とする幼児保育児童館を建設し、その後、当時いわゆる鍵っ子と言われた留守家庭児童が急増した時期から、主に留守家庭児童対策として小学生を対象とした学童児童館の整備を市内各地区で進め、現在は市内に42の児童館・児童センターを設置しております。
この間、平成9年の児童福祉法の改正では、児童厚生施設等を利用して児童の健全な育成を図る、放課後児童健全育成事業が法的に位置付けられましたが、対象児童はおおむね10歳未満と規定されておりました。こうした経緯から、本市では児童館・児童センターは主に低学年の留守家庭児童が利用してきた経過がございます。
また、平成20年度以降増やしてまいりました小学校の余裕教室を使っての子どもプラザは、主に高学年が利用している結果でございます。
なお、児童福祉法では、平成27年度から放課後児童健全育成事業の対象児童が小学校に就学している留守家庭児童と変わりまして、小学校6年生まで拡大されておりますが、本市では今年度から留守家庭児童についても全学年の受入れができております。
児童館・児童センターに放課後児童クラブとは別の職員を配置との御指摘ですけれども、児童館・児童センターには、現在職員は施設の責任者としての館長と他1名の2名の職員を配置しております。また、放課後子ども総合プラン事業には、児童40人ごとに2人以上の職員を配置しておりますことから、それぞれの職員が配置されているということとなっております。
児童館・児童センターは、先ほど申し上げました経緯もあり、主に留守家庭児童を中心とした放課後子ども総合プランの場として利用されておりますが、将来的には学校の余裕教室の徹底的活用を進めていく中で、各児童館・児童センターの利用状況等を見ながら、その機能を広げてまいりたいと考えております。
◆滝沢真一
将来的には広げていきたいということだったんですが、今現在、この児童館の目的を果たすということで言えば、子供たちの居場所としてのこの児童館の役割を果たせていないわけですよね。この放課後子ども総合プラン、登録をしてお金を払った人たちだけじゃなくて、全ての子供がきちんと使える施設として使ってほしいと思っています。
この間、何度も質問の中でやってきましたけれども、この放課後子ども総合プラン、長野市版としてやってきたことによって多くの矛盾が生まれています。全国的には無料で行われている放課後子供教室、これは本来、学童保育ではなく、どの子供も無料で使える制度です。また、バスを待つ間の利用が有料になってしまいます、今回のままだと。これは児童館が本来の役割を果たしていれば、解決することができるはずです。ここに長野市版としてきたための矛盾が生まれています。長野市版放課後子ども総合プランとする、この制度設計自体が間違っているんだということを私は言いたいと思います。この制度設計自体をきちんと見直して、学童保育、それから児童館・児童センター、それぞれの役割を果たすべきじゃないかと考えます。もう一度見解を伺います。
◎ こども未来部長(上杉和也)
先ほども申し上げましたとおり、長野市の放課後児童健全育成事業と放課後子供教室をセットにした今の仕組みというか設計でございますけれども、これはいろいろなメリットもございます。同じ子供たちが同じ場所で一緒に遊べると。留守家庭、あるいは留守家庭でないという区別なしに、みんなが一緒に遊べることも大きな特徴となっております。また、放課後子供教室につきましても、週1回、2回という機会を捉えてやるものですけれども、長野市の場合はベースに放課後児童健全育成事業がございますので、平日毎日みんなで遊ぶことができるのも特徴でございます。その中で長野市としてはこういう制度設計をしてきた、またこういう制度設計があるから、これだけ多くの子供たちを待機児童なしに受け入れることができたということもございます。例えば、他市の状況を見ますと、1年生から3年生までは受け入れているんだけれども、高学年はまだ受け入れていないとか、それぞれの市のいろいろな事情がございます。また、国においても地域の実情に合わせて制度設計をある程度幅広く認めていただいている部分もございますので、今の仕組みをうまく活用しながら、今後もより良い子育て環境をつくってまいりたいと考えております。
過疎地域高校生通学費補助事業について
◆滝沢真一
今、いろいろなメリットもあるということで、留守家庭児童の子供もそうじゃない子供も一緒に遊ぶことができるという話がありましたが、それこそが本来の児童館の役割なんじゃないでしょうか。今まで無料だからこそいろいろな矛盾含めて、それでもいい制度として子供たちが使うことができた。今度それが、使いたいときに使えない子供が出てくる、そういうことだけは絶対に起こしてはいけないと思うんです。是非全ての子供たちに対して放課後の安心な無料の居場所を求めたいと思います。時間もないので、次に進みます。
次に、過疎地域高校生通学費補助事業について伺います。
本年度から過疎地域自立促進特別措置法に基づく戸隠、鬼無里、大岡、信州新町、中条の5つの地域に居住し、市街地の高校へ、バスの通学定期を利用して通う生徒を対象に、1か月の通学定期の額が1万8,000円を超えた部分に対して1万円を限度に補助する制度が始まりました。これについては、この間、合併地区の住民自治協議会からも強い要望が出されており、住民が待ちに待った制度がようやく実現することとなりました。しかし、市街地の高校までの距離が遠く、通学費が家計に大きな負担となっているのはこの地域だけではなく、中山間地域全体の問題です。今後、事業の更なる拡充が必要と考えます。
3月市議会の市長の答弁では、中山間地域全体への拡充については、引き続き、国や県の動きを視野に入れ、新たな財源の確保を探りつつ、この事業の効果を見極めながら対応していきたい、こういうことでした。しかし、中山間地域の子供たちは減り続けており、もはや待ったなしの状況です。私の出身地、七二会では、2015年に川中島バス市場線が廃止となり、国道から離れた場所に住んでいる高校生の市街地への通学は、親の車がなければ困難となってしまいました。高校生への通学費補助は、利用者の負担軽減だけでなく、公共交通機関の維持存続、中山間地域への子育て世代の移住・定住の促進など、中山間地域で暮らす全ての住民のためになります。一刻も早い制度の拡充を求めます。見解を伺います。
また、バス路線のない中山間地域から自家用車で高校へ通学している家庭へのガソリン代の補助を求めます。見解を伺います。
◎地域・市民生活部長(竹内好春)
過疎地域高校生通学費補助制度の中山間地域への拡充についてお答えいたします。
義務教育とは異なりまして、生徒が保護者と相談の上、学校を選択する高校に関しましては、自宅から遠距離の高校へ通うことも可能となり、それに伴う通学費が家計に大きな負担となっている世帯があることは承知しております。しかしながら、このことに関しましては中山間地域に限ったことではございませんで、市街地に居住し、遠方の特色ある高校に通学している世帯についても全く同様の状況でございます。
今年度から始めました過疎地域高校生通学費補助事業では、このように高額となる高校生の通学費の負担軽減、公共交通機関の維持存続、それから過疎地域における当該家庭の転居の防止、さらには移住・定住の促進を目的に、補助対象者を過疎地域に居住する生徒の世帯に限定して実施させていただきました。
その理由の一つとしては、平たん部に比べ、地形や生活条件に大きく隔たりのある中山間地域、中でも過疎地域自立促進特別措置法に基づく戸隠、鬼無里、大岡、信州新町、中条の5つの過疎地域につきましては、旧市域の中山間地域の更に周辺部に位置しており、市街地から特に遠距離な地域であることが挙げられます。
また、2つ目としましては、必要な財源につきまして、有利な起債である過疎債を活用できるのは、補助対象者の居住地が過疎地域に限られているという2点がございます。
この事業は本年度開始したところであり、現在、申請を受け付けている状況にございます。中山間地域への拡充につきましては、有利な財源が見当たらない中では、まずは今後の利用状況、それから費用対効果等を十分検証した上で検討してまいりたいと考えております。
次に、中山間地域の高校生の通学方法につきましては、バス等の公共交通機関を利用する他、保護者の中には自衛策として市街地への通勤車両に子供を同乗させ、送り迎えしているケースも少なくないと聞いております。
バス路線のない中山間地域から自家用車により市街地の高校へ通学している家庭へのガソリン代の補助との御提案でございますけれども、自宅から最寄りのバス停又は駅までの送迎であれば、廃止されたバス路線の代替という面はございますが、高校までとなりますと、最寄りのバス停から市街地の交通結節点までとする現在の補助制度との矛盾が生じてまいります。また、通勤の際に最寄りのバス停などへ送迎した場合、かえって遠回りとなってしまう場合がある他、そこからのバス代も新たに生じてしまうことになります。さらに、通学定期券に対する今回の補助とは異なりまして、通学の回数をいかに正確に把握するかなど、金額の算出に当たりましてどのように制度設計すればいいかなどの課題も多くございます。現状では、御提案の補助については極めて難しいものと考えておりますので、御理解をお願いしたいと思います。
生活保護費の過払いについて
◆滝沢真一
今後の利用状況を調査して、費用対効果も調査してということなんですが、先ほども言ったんですけれども、中山間地域から路線がなくなってからだったり、子供がいなくなってからではもう遅いんです。市長も中山間地域に特に力を入れていく、それから子育てに力を入れていくという中で、やっぱり誰もが安心して長野市どこに住んでも学ぶことができる、子育てすることができる、そういう市政をつくっていくためにも、これ強く要望したいと思いますし、きちんと検討していただきたいと思います。
次に、生活保護費の過払いについて伺います。
生活保護費の過払いと、この返還請求について伺います。
福祉事務所の手違いなどによって生活保護世帯に本来の額より多く保護費を支給した後に、生活保護法第63条に基づき、多く支給した分の返還を求める、こういう事態が全国で相次いでいます。国が定める保護費は、日々の暮らしを支えるにはぎりぎりの額です。ほとんどの保護世帯が多く支給されたことに気づかず消費し、返還が困難となっていると聞きました。長野市でもこのような事態が起こっており、皆さん非常に苦労していると聞きます。
東京地裁では、同じようなケースで2017年2月1日、生活実態、当該地域の諸事情に照らし、返還金の返還をさせないことが相当であるとして、福祉事務所からの生活保護費過払い全額返還処分を取り消す判決が下されました。生活保護法第63条では、被保護者が、急迫の場合等において資力があるにもかかわらず、保護を受けたときは、保護に要する費用を支弁した都道府県又は市町村に対して、すみやかに、その受けた保護金品に相当する金額の範囲内において保護の実施機関の定める額を返還しなければならないとされています。つまり、資力がない場合は過払い保護費の返還を求められるものではなく、憲法に保障された最低限度の生活を害してまで返還を義務付ける条文ではありません。そこで伺います。
長野市では、福祉事務所の手違いなどによる生活保護費の過払いによる返還請求はどの程度行っていますか。また、市も一人一人の実情に応じて返還を求めていると思いますが、実際の請求額は過払い分の総額に対してどの程度ですか。請求分に対し、実際に返還された額はどの程度ですか。
◎保健福祉部長(竹内裕治)
生活保護費の返還につきましては、議員からもお話がありましたとおり、生活保護法第63条で費用返還義務について規定しています。生活保護の被保護者には、生活保護の基準額から収入額を差し引き、残りを保護費として支給されます。支給された保護費の返還が生じる場合としては、障害年金が遡って支払われた、遺族年金などが支払われていたことが後になって分かった事例等がありました。
これらの事例を含み、支給された生活保護費の返還請求につきましては、平成27年度、387件、5,924万3,978円となっております。
次に、実際の請求額は過払い分の総額に対しどの程度かについて申し上げます。
厚生労働省社会・援護局保護課長通知の、生活保護費の費用返還及び費用徴収決定の取扱いについてにおいて、返還が生じた際には、就業するために必要な資格取得費や自立更生に充てるための経費は控除できるなどとされております。本市では、被保護者の実情に合わせ、必要と認められる控除をした上で返還すべき過払い額として算定し、その同額を請求しているところであります。
請求分に対し、実際に返還された生活保護費につきましては、平成27年度、4,242万596円、返還率71.6パーセントとなっております。
◆滝沢真一
東京都では、返還金の返還をさせないことが相当であるというこの判決を受けて、職員に対して研修を行ったといいます。長野市では、この判決を受けて、職員に対し何か新しく研修をしたり、そういうことは行っていますか。また、この生活保護費の過払い、それとそれに伴う返還請求、このような事態を起こさせないために何をするのか。ここが大切になってくると思うんですが、例えば今、1人当たりの仕事量、大変増えています。ケースワーカーの増員だったり、それから保護世帯に対して生活保護費が一体幾ら支給されたのか、きちんと明細を作って渡すなど、具体的な対策を行うべきと考えますが、長野市としてこういう事態を今後起こさないため、どういう対策を行っていくのか、是非伺いたいと思います。
◎ 保健福祉部長(竹内裕治)
東京都の判決は判決として注視しているところでございますけれども、私どもといたしましては、生活保護法第63条では、資力があるにもかかわらず保護を受けたときは、保護に要する費用を返還しなければならないと定められておりますことから、本市の福祉事務所におきましては、この法令を遵守するとともに、被保護者の方とは会話を重ねながら、生活の実情ですとか本人の状態を捉えまして、一方的に返還を求めることはなく、分納の方法等も紹介しながら、了承を得た上で返還を求めているところでございます。特段この判決に基づいた形での研修は行ってはおりません。
また、この返還請求を減らすためにはどのようなというお話がございました。平成28年度からは、ケースワーカーが作成したケースファイルの保護決定調書や、あるいはケース記録等のチェックを今まで査察指導員1人でやっておったんですが、その1人体制から2人体制に変えてチェックを強化しているところでございます。
◆滝沢真一
是非一人一人の生活実態、状況に合わせて、きちんと被保護者と相談しながら進めていただければと思います。
それから、済みません、1つだけ確認をしたいんですが、資力があるにもかかわらず受け取った場合、返還しなければならないということだったんですが、資力がない場合、それから憲法で規定された最低限度の生活、これがきちんと送れない、こういう場合においては返還を求めないということでよろしいでしょうか。ここ確認をお願いします。
◎ 保健福祉部長(竹内裕治)
先ほども申し上げましたとおり、本人の状態ですとか生活の実情を捉えまして、一方的に返還を求めることなく、分割納入の方法もございますので、そういった方法を紹介しながら、了承を得た上で返還を求めているところでございます。
公共料金の市民負担増について
◆滝沢真一
ちょっとなかなかはっきりとは答えてもらえませんでした。本当に返還することができない、こういう人についてはきちんと生活実態を捉えて対応してもらいたいと思います。
次に、公共料金の市民負担増について伺います。
この間、社会保障制度の改悪、年金の削減、低賃金な非正規労働者の増加など、国の悪政によって余りにも国民生活は苦しめられてきました。格差が拡大し、子供の貧困が社会問題になる中、今こそ地方自治体が一人一人の暮らしに寄り添った政治を行わなければいけない、こういうときではないでしょうか。
しかし、この間、長野市では、水道料金、国民健康保険料、老人憩の家、おでかけパスポート、スポーツ施設の値上げ、放課後子ども総合プランの有料化など様々な公共料金の値上げ、有料化が行われてきました。加藤市政の4年間、これだけ景気の悪い中で、余りにも市民負担を増やし過ぎではないでしょうか。このままでは、長野市の財政の前に市民の生活が破綻してしまいます。市民生活が良くならなければ消費は落ち込み、地域経済もますます冷え込むばかりです。今、長野市がやらなければいけないことは、国の悪政によって格差と貧困が広がる中、高齢者、社会的弱者、子供たちなどにきちんと寄り添った市政を行うことじゃないでしょうか。少しでも消費に回すことで地域経済を活性化させるべきと考えます。加藤市長の見解を伺います。
◎市長(加藤久雄)
私も、滝沢議員が御心配されております格差の拡大、6人に1人が相対的貧困ということにつきましては、これは政治として全力を挙げていかなければならないというふうに考えております。
今、生活保護の話が出ましたけれども、長野市は今、8.2パーミル、つまり1,000人に8.2人、長野市で3,200人ほどの生活保護の方がおられると。また、ひとり親世帯の54パーセントが相対的貧困、それに伴う先ほどのお話の子供の貧困、こういうことでございまして、昨日もお話ししましたように、この問題に対しても長野市としても全力でやっていきたい。特に貧困の連鎖を断ち切る、それから社会的弱者に対しまして支援と自立を全力を挙げていくと、これについては考えておるわけでございます。その中で、今のご質問にお答え申し上げたいというふうに思っています。
少子高齢化が進行する状況におきまして、社会保障関係費は増大の一途であり、引き続き厳しい財政運営が予想される中で、安定的な行政サービスを持続して提供していく必要があります。国の試算におきましては、今後、現役世代1.3人で1人の高齢者を支えなければならなくなるほど、私たちの子や孫といった将来世代は、今以上に大変な時代を担うことになるわけでございます。彼らには過度な負担を強いることのないよう、我々現役世代が担うべき荷を責任を持って受け持つ必要があるものと考えております。
市民の負担が増えることにつきましては、負担の公平性の観点などから、有識者や公募委員を含む審議会に諮問を行いまして、議員の皆様に御説明いたしまして、各方面の御意見を頂きながら市として決定したものでございます。市民に御負担いただいた利用料金などは、高齢者や子供へのサービスの提供、施設の維持管理など、必要な施策を実施するための財源となるものでございます。将来にわたりまして市民生活に欠かせないサービスをしっかりとつなげていけるよう考えていきたいと思います。
◆滝沢真一
平成28年度の長野市の当初予算のうち、使用料及び手数料が占める割合は、中核市47市中、上から6番目です。そこに値上げされた水道料、国民健康保険料が更に掛かってくることになります。是非市民生活に寄り添った市政をお願いします。
以上で終わります。