2016年12月定例市議会 滝沢しんいち議員
請願第21号安保法制の廃棄を求め、併せて、南スーダン派兵の自衛隊の即時撤退を求める請願を不採択とすべきものとした総務委員会委員長報告に反対の立場から討論
福祉環境委員会委員長報告の請願第26号について
請願第21号安保法制の廃棄を求め、併せて、南スーダン派兵の自衛隊の即時撤退を求める請願を不採択とすべきものとした総務委員会委員長報告に反対の立場から討論
◆滝沢真一議員
14番、日本共産党長野市会議員団、滝沢真一です。
請願第21号安保法制の廃棄を求め、併せて、南スーダン派兵の自衛隊の即時撤退を求める請願を不採択とすべきものとした総務委員会委員長報告に反対の立場から討論を行います。
請願者である長野市憲法9条の会連絡会の請願趣旨では、南スーダンでは停戦合意が成立しておらず、PKO参加五原則に反する事態であるとし、また、最近の立法措置は、米軍とのシームレスに活動する自衛隊の能力を向上させるものだとした稲田防衛大臣の発言から、安保法制下では、米軍と一線を画するのではなく、一体化した活動を目指すことになるとして、かえって軍事的緊張を高めたにすぎないとして安保法制の廃棄と南スーダンに派遣されている自衛隊の即時撤退を求めています。
請願に反対した委員からは、南スーダンPKO実施計画において、自衛隊の安全を確保できなければ撤退する項目が入れられたことで、もう少し情勢を見極める必要がある、南スーダン政府も派遣同意がなされている、との意見が出されました。しかし、今年7月、自衛隊が駐屯する南スーダンの首都ジュバでは、政府軍、反政府軍の大規模な武力衝突が発生しました。民間人数百人が死亡しただけでなく、国連PKO--UNMISSの関連施設も攻撃を受け、中国軍の兵士2人が死亡しました。重大なのは、この武力衝突の中で、派遣同意がなされているとした南スーダン政府軍が国連関係者の滞在するホテルを襲撃し、殺害、略奪、レイプなど残虐行為を行ったことです。UNMISSへの敵対行為は続発しています。
11月10日付けの国連の報告書によれば、政府と政府軍による地位協定違反、UNMISSに対する敵対的行為が46件発生しています。南スーダンPKO実施計画では、受入国の同意が安定的に維持されているとの条件を設けていますが、南スーダン政府軍からの国連関係者、UNMISSへの攻撃はとても受入国の同意が安定的に維持されている状態とは言えません。
また、南スーダンの人権問題を担当する国連人権委員会の専門分科会委員長は、今月14日、理事会特別会合で演説し、南スーダンは全面的な民族間の内戦に陥る危機に直面している、地域全体を不安定化させかねない、と警鐘を鳴らしました。もはや国連PKO参加五原則が守られている状態ではありません。国連は1990年代以降、住民保護を全面に打ち出して、PKO部隊が交戦主体となる道を選びました。
しかし、日本は交戦権を否認する憲法が存在する以上、交戦主体となることはできません。安倍政権が強行した憲法解釈でも、この点はクリアされていません。政府軍との交戦の危険がある南スーダンでの任務拡大は憲法9条がある限り、許されることではありません。
また、東日本大震災、熊本地震で国民の命を守るために力を尽くした自衛隊員を日本の自衛とは関係のない海外の戦場へ送り出すなど、許されることではありません。
以上のことから、請願第21号安保法制の廃棄を求め、併せて、南スーダン派兵の自衛隊の即時撤退を求める請願の採択を求め、私の反対討論を終わります。
福祉環境委員会委員長報告の請願第26号について
◆滝沢真一議員
福祉環境委員会委員長報告の請願第26号についてなんですが、この請願に賛成の立場で採択すべきものとしての意見は委員長報告にあるんですが、反対の意見は載っていないのですが、委員会の中ではどのような反対の意見が出されたのか教えてください。
◎福祉環境委員会委員長(小林治晴)
滝沢真一議員からの委員会において不採択とすべきとの意見はなかったかということでございますが、不採択とすべきとの意見はございませんでした。
◆滝沢真一議員
つまり、この請願に反対した委員の皆さんは、市民から出された請願に、自分がどうして反対するのか意見も出さずに不採択としたということでよろしいですか。
◎福祉環境委員会委員長(小林治晴)
意見が出尽くしたと判断して採決を行いました。