議会報告

2016年12月定例市議会 佐藤くみ子議員

放課後子ども総合プランの無料継続について

学校図書館司書について

災害から命と暮らしを守ることについて

総合事業の利用者の送迎について

放課後子ども総合プランの無料継続について

◆佐藤くみ子議員
12番、日本共産党長野市会議員団、佐藤久美子です。
 日ごとに寒さが増してくる中で、市民の暮らしに寄り添った温かい答弁を求めます。
 また、午前の西村議員と重なる部分がありますが、御容赦ください。
 放課後子ども総合プランの無料継続について伺います。
 私は、児童館、児童センター、子どもプラザ無料継続を求める立場から質問します。
 加藤市長は、現在の最重要課題は人口減少対策として、少子化対策、子育て支援を力強く掲げています。現在、利用料が無料となっている放課後子ども総合プランは、その少子化対策、子育て支援の力強いメッセージとして市民に受け止められています。
 少子化の原因は様々あり、対策には費用も労力も必要であることは容易に市民も理解できます。しかし、子供がいる家庭が負担するのは当たり前、子供に税金を使ってもらって申し訳ないといった意見や感情を行政が誘引し醸成していくのは、少子化対策とは最も遠いところにあるのではないでしょうか。放課後子ども総合プラン無料を継続し、安心して子育てができる長野市をつくっていくべきではありませんか。所見を伺います。
 11月21日に開かれた長野市社会福祉審議会児童福祉専門分科会では、全国の利用料減免制度の概要、本市中山間地域の状況や、利用者負担の導入を想定した登録児童数のシミュレーションを説明、また他市の状況の補足として、世田谷区の事例で長野市と全国の制度設計の違いを説明されました。
 11月7日に示された全国中核市の状況は、47市中で無料は長野市のみ、盛岡市と富山市は民間施設のみ有料、前橋など6自治体は施設ごとに設定、その他38自治体は有料化と報告されました。ところが、世田谷区の事例に見られるように、事業の名称は様々ですが、全国では児童の安全な居場所として児童館や放課後子供教室などは無料であり、放課後児童健全育成事業が有料になっているのが一般的です。全国と長野市独自の制度設計の違いを十分踏まえた上での議論になっているのか見解を求めます。
 長野市は、放課後児童健全育成事業と放課後子供教室を合わせて、平成20年4月から長野市版放課後子どもプランが実施され、平成27年度から放課後子ども総合プランに移行しました。確かに本年4月から全小学校区でプランの実施は実現しましたが、地域格差は歴然で、緑ケ丘小学校と下氷鉋小学校ではまず留守家庭の全学年受入れを目指すとして、留守家庭児童のみ全学年での受入れは29校区、受入れ調整中で吉田小学校、昭和小学校では3年生から6年生に拡大したのは28年度であります。留守家庭児童を受け入れた上での希望児童を受け入れているのは23校区だけであります。学校規模によっても地域によってもこれだけの差があります。公平性を言うなら、まず長野市内全ての学校で必要な子供たちがこの制度を利用するようにすることこそが行政の責任ではないでしょうか。
 また、この放課後子ども総合プランの利用ができないと働くことができない、子育てができない市民がいる中で、公平性の観点との理由で負担導入することに市民の理解は得られません。しかも、子どもプラザも含めて有料化となれば、利用者は激減するだろうとの関係者の声も聞かれます。芋井地区のように、スクールバス利用のために全員帰宅時間をそろえるために利用している子供たちもいます。今、長野市がやるべきは、全ての必要な子供たちが放課後子ども総合プランを利用できる環境を整えること、そして厚生労働省の放課後児童健全育成事業と、文部科学省で進める放課後子供教室の合併事業ではない制度設計が必要ではないでしょうか、見解を求めます。

◎こども未来部長(上杉和也)
 初めに、放課後子ども総合プラン無料を継続して、安心して子育てができる長野市をつくっていくべきではないかとの御質問についてお答えします。
 本市は、子供に関する施策の一元化を図るこども未来部の創設を初め、子育て支援施策の拡大、新規実施を行い、予算の重点配分をしてきました。安心して子育てができる長野市をつくっていくためには、子育て支援はもとより、保健、福祉、教育など子供に関わる政策分野の総合力を発揮し、切れ目なく支援していくことが肝要であり、そのためには、財政が厳しさを増す中においても財源の確保に努めながら、バランスよく持続的に事業を進めていくことが必要であると考えております。
 こうした中、放課後子ども総合プランにおきましては、今後、施設整備や支援員の確保などを計画的、持続的に進めるため、またプランの利用者と利用していない方との公平性の確保の観点から、利用者負担についての検討が必要と判断し、長野市社会福祉審議会に諮問をいたしたところでございます。
 なお、10月18日の第3回長野市社会福祉審議会児童福祉専門分科会において、利用者負担はやむを得ないとの合意がなされ、現在、利用者負担額、延長利用料、減免等の審議に移っているところでございます。利用者負担につきましては、来年に予定されている答申を尊重し、市の方針を決定したいと考えているところでございます。
 続いて、全国と長野市独自の制度設計の違いを踏まえた上での議論になっているかとの御質問にお答えいたします。
 今回の放課後子ども総合プランの利用者負担の審議に当たりましては、まず本市の現状を御理解いただくことからスタートし、中でも本市の放課後子ども総合プランの特徴として、全ての希望する児童を対象に、放課後児童健全育成事業の開設日数、職員配置及び面積要件の基準を適用しながら、放課後子供教室の多様な体験、交流活動の提供を目指していることを御説明しております。
 また、中核市及び県内市に加え、全国の放課後児童クラブの利用料金の状況を児童福祉専門分科会にお示ししてまいりました。その中で、他市では本市と異なる形態での放課後児童の居場所を提供しているとの御意見も頂きました。これを受け、中核市の放課後児童クラブの運営形態の状況を一覧でお示しするとともに、特徴のある運営をしている自治体の事例も紹介させていただきました。全国の自治体には、それぞれの経緯や実情に合わせた様々な放課後の居場所づくりがあることや、本市と他市との事業の運営形態の違いなども踏まえて御審議をいただいていると考えております。
 また、児童福祉専門分科会では、委員のお一人から、一長一短であり、どちらにもいい点がある。長野市方式も、地域一体となりすばらしい取組だと思うとの御意見も頂いております。
 次に、長野市が今やるべきは、全ての必要な子供たちが放課後子ども総合プランを利用できる環境を整えることとの御指摘にお答えいたします。
 今年度における54小学校での受入れの状況等につきましては、先ほどの議員の御質問のお話の中のとおりでございますが、そのうち留守家庭児童が5年生までの受入れとなっています緑ケ丘小学校及び下氷鉋小学校の2校については、来年度から全学年に拡大する予定となっております。これによりまして、全ての小学校区で留守家庭児童の全学年の受入れ態勢が整うことになります。
 また、全ての小学校区で希望児童までの受入れを可能とする時期の目標を平成31年度中と設定し、現在、各校区の運営委員会、小学校、プランの実施施設等と協議をしているところですが、今後もこの達成に向け整備に取り組んでまいります。
 最後に、放課後児童健全育成事業と放課後子供教室の合併事業でない制度設計が必要ではないかとの御質問にお答えいたします。
 本市の放課後子ども総合プランとしての特徴は、放課後児童健全育成事業の基準をもって放課後子供教室の求めるサービスまで提供することにあります。放課後児童健全育成事業を利用しながら、放課後子供教室の多様な体験や交流活動にも参加すること、放課後子供教室の際にも放課後児童健全育成事業の面積基準と職員配置を確保することで、より安全・安心な居場所を提供するという両事業のメリットを最大限に生かしたものとして設計されている、これが大きな特徴となっております。
 これを合併事業でない制度設計にするため、元の2つの事業に分離をしますと、先ほど申し上げました長野市としての大きな特徴が失われることとなってしまいます。国は、総合的な放課後対策として両事業を連携又は一体的に行うことを推進しておりますが、本市のプランはいわばこれを先取りしてきたものでもあると考えているところでございます。

◆佐藤くみ子議員
 10月18日の児童福祉専門分科会で有料を容認したという報道がありましたけれども、しかし、そのときには他の中核市がほとんど有料というような資料が示された中での議論、そして、しかも長野市と、それから他の中核市との区別がしっかり理解されない中での議論になったのではありませんか。その点についてもう一度お願いします。
 それから、2,249人のアンケートのうち、放課後子ども総合プランが有料になると利用をやめざるを得ないと答えた方が13.4パーセント、301人おられました。子供たちが安心して過ごす居場所がなくなってしまうというこの声に、こども未来部はどう応えるのでしょうか。2点についてお願いいたします。

◎こども未来部長(上杉和也)
 お答えいたします。
 初めに、10月18日の長野市社会福祉審議会児童福祉専門分科会の際に、長野市と違って他の中核市では有料となっているという資料が出ているということですけれども、これは各中核市、まちまちなものの中で、例えば中核市でも放課後子供教室、これは毎日ではなくて週何日かやっていると。それは無料であったりとか、あるいは放課後児童健全育成事業、これは有料であったり、あるいは公設は無料であるけれども、民設は有料であったりと、いろいろなものがございました。そのため、一覧にしたときに、有料か無料かというところでは、通常時間が有料となっているところについては有料ということでお示ししたわけでございますけれども、その後、公設の場合は無料のところもあるというようなこともお伝えをしてきているところでございます。それぞれの市に特徴があるものですから、一つ一つの御紹介はできないものですから、一覧表でお示しをしたわけでございますが、その中でも特徴のあるところについてお示しをしたり、あるいは一部無料になっているものもあるということもお知らせをしてきたところでございます。
 続いて、アンケートの結果で、利用者負担となればやめるというお答えが13パーセント少しいるという御質問でございますけれども、このアンケートをとった時点では全く、仮に有料となった場合にという質問でございまして、例えば減免制度だとか、いろいろな詳細な制度についてはまだ設計をしていませんので、単純に有料となった場合どうなるかというアンケートでございます。その後、経済的な面での減免だとか、多子世帯での減免だとか、いろいろな減免制度を入れていくことで、このパーセントというのは変わってくるものと私は考えておりますが、いずれにしましても、制度設計の中で、有料になって経済的な事情等により制度を利用できない方がないような方策というものは今後検討していく必要があると考えているところでございます。

◆佐藤くみ子議員
 今、部長が言われましたが、ないようにするというのは有料にしないということです。それよりもまず行わなければならないのは制度設計のほうであります。最初に切れ目ない支援が必要だと言われましたが、私たちはこの放課後子ども総合プランの無料継続を子育て世代の皆さんと一緒に何としても求めて今後も運動を進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 部長にもう一度お伺いしたいんですが、この有料化の検討を今すべきなのか、制度設計が先ではないか、このことについてもう一度所見を伺います。

◎こども未来部長(上杉和也)
 お答えいたします。
 制度設計につきましては、今現在、先ほど申し上げました放課後児童健全育成事業と放課後子供教室とを一体化したものが出来上がっております。これは長野市にとっても、今までやってきた中で、安全・安心な居場所づくりという意味では非常に大きな効果があるものと私は思っております。したがいまして、利用者負担の検討については、いろいろなタイミングがあるかと思いますけれども、ここで検討していただくということは必要であると思っています。

◆佐藤くみ子議員
 私はこの有料化、とんでもないことだと思います。子供たちが安心して過ごす無料の居場所がなくなってしまう、このことについて真摯に受け止めていただきたいと思います。

学校図書館司書について

◆佐藤くみ子議員
 次に移ります。
 学校図書館司書について。
 図書館司書の雇用について、9月市議会で新年度から長野市の雇用とするとの方針表明に、長い間の関係者の思いが実ったと深い感慨を覚えました。平成20年の議会質問で、私は合併前の豊野町学校司書が、1日8時間で年間163日、1,304時間の雇用から、合併後には5時間、180日、900時間と404時間も削減される状況になり、議会で長野市全体の底上げを提案しました。また、司書の存在によって図書館が不登校の子の居場所となり、それからクラスへ行けるようになった事例も紹介しました。また、学校の中で、テストの点数で子供を見ない大人の存在、それは養護教諭も同じですが、保護者も生徒も心強く思っていたということも聞いています。引き続き、子供たちや教職員の求める資料提供を初め、読書教育、利用指導教育で情報活用力が育つ図書館環境になるよう、改めてお願いいたします。
 市による雇用によって、図書館司書はフルタイムで働くことができるようになるのでしょうか。私はせめて子供たちが学校にいる間は、図書館に司書の先生がいてくれることが必要と考えますが、所見を伺います。
 また、平成27年の学校図書館法の改正によって、速やかに新法の施行の状況等を勘案し、学校司書としての資格の在り方、その養成の在り方等について検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとありますが、長野市の学校司書の養成、研修について、今後の方針を伺います。

◎教育次長(熊谷久仁彦)
 学校司書の任用についてお答えをいたします。
 学校司書の方々には、学校長から業務を委託される現在の形態の中で、図書館の運営に加えて、児童・生徒や保護者と信頼関係を築き、子供たちの学校生活を支える役割をも担っていただいてきております。しかし、身分の保障を初め様々な課題があり、その解消に当たっては、議員の皆様を初め多くの方々の御要望がありました。その解消のために、平成29年度から学校司書を市教育委員会の任用とするように準備を進めてきているところです。
 学校司書が市教育委員会の任用となることで、通勤費や出張旅費の支給、年次有給休暇が取得できるなど、待遇面で改善されることとなります。一方、地方公務員法第35条及び第38条が適用となり、職務に専念する義務が生じてくるとともに、他の職を兼務することはできなくなります。
 なお、勤務時間の運用に当たりましては、現在の年間1,050時間以内を引き継ぐよう検討しておりますが、この勤務時間は学校の実情に応じて割り振りができますので、学校運営の中で弾力的な運用も可能であると考えています。このような運用の中で、児童・生徒への対応をどのようにできるか工夫していただきたいと思います。
 なお、市教育委員会では、新たな任用形態となる平成29年度から、学校司書の勤務状況や業務内容などの状況の把握に努めてまいります。
 次に、学校司書の養成、研修についてお答えします。
 平成27年4月に施行されました改正学校図書館法において、国及び地方公共団体は、学校司書の資質向上を図るため、研修などの実施に努めることとなっております。市教育委員会ではこの趣旨にのっとり、市教育センターと連携し、資質の向上を図るために学校司書の役割を学ぶ研修を年に数回実施するよう計画しております。また、市立図書館と連携し、読み聞かせ、蔵書の修理などの研修を計画しております。

◆佐藤くみ子議員
  私のところに現場で働く人からの手紙が届いています。熱意を十分生かせるよう、強く要望します。

災害から命と暮らしを守ることについて

◆佐藤くみ子議員
 災害から命と暮らしを守ることについて伺います。
 長野県神城断層地震から2年がたちますが、長野市内の復興状況はどうか伺います。
 平成26年11月22日、22時8分、長野県北部を震源地とするマグニチュード6.7の地震で、住家被害は全壊4棟、半壊44棟、一部破損は1,413棟になりました。公共施設や道路など被災の復興状況はどうか、また住家の復旧はどうか伺います。義援金の配分、使途、県と市の見舞金の支給についても説明願います。
 一部破損の住家改修については、1円の公費支給もありません。地震から2年たった時点で、その後の調査をきちんとしておくべきだと考えます。家を直すことができない人、よそに移住した人、保険も含め自己資金で改修した人、現状把握が今後の災害教訓になると考えますが、所見を伺います。
 災害はいつでもどこでも起きることを前提に、防災対策を強化すべきです。市長も提案説明で、震度7クラスの地震が起きると約2,000人が亡くなり、9割以上が建物倒壊による圧死と想定、たとえ被災しても人命が失われることがない防災体制を確立すると述べられました。
 住宅の耐震化が必要な家屋でも、経済的理由から耐震化工事に踏み切れない状況があります。市の補助金を活用しての耐震補強工事は、最近3年間の平均は年間70件前後、平均工事金額186万円、補助金額は60万円で、残り126万円が自己負担、平成32年までに更に2,710件の耐震改修が必要とされていますが、60万円の補助額を引き上げるべきではないか、所見を伺います。
 また、平成21年6月市議会で、阿部議員が東京品川区の例を取り上げ、一部屋30万から40万円の耐震シェルターのための整備補助を関係機関と開発するよう提案しました。補助額の引上げ、あるいは負担の軽減でシェルターの検討をすべきではないか見解を伺います。
 今の10倍のテンポに引き上げないと、目標に届かないと思いますが、具体的な施策について所見を伺います。

◎危機管理防災監(西澤清己)
 私から、長野県神城断層地震の復興状況についてお答えをいたします。
 初めに、被災者への義援金の支給状況ですけれども、市が募集した義援金323万2,656円と、県募集分から長野市に配分された義援金2,152万1,537円を合わせた総額は2,475万4,193円となり、県の配分方法に合わせ、全壊の住宅被害世帯を1ポイント、重傷者2名及び半壊の住宅被害世帯を0.5ポイントとして分配をいたしました。
 次に、県と市の見舞金ですが、それぞれ住家の被害を対象としており、県においては全壊、半壊の被害世帯48世帯に対し、被害の程度や再建の方法に応じ、総額で3,612万5,000円を支給しております。また、市では、県の見舞金の対象とはならない半壊未満の被害のうち、一定以上の被害に対しまして3万円又は1万5,000円の見舞金を支給しており、件数はそれぞれ205件、1,049件となり、総額2,188万5,000円を支給いたしました。
 次に、復興状況につきましては、市の管理する道路、河川等の復旧は既に完了しており、公共施設につきましては、耐震補強工事を併せて行っている鬼無里公民館の上里分館、両京分館及び平成30年度に供用開始予定の鬼無里小・中学校校舎を除き、主な施設の復旧は完了しております。
 一方、住家の復旧状況ですが、住家の被害は県の見舞金の対象となった比較的規模の大きなものから、市の見舞金の対象の中でも屋根や主体構造に大きな影響がないものなど、被害の程度は様々であり、復旧の方法や時期なども所有者の判断で行われ、また見舞金の使途はプライバシーに係る部分であることから、市では復旧状況としては把握はしておりません。
 その他といたしまして、住家の損壊などにより生活が困難になった方々への対応につきまして、住宅の確保を最優先に考えまして、被災後、速やかに市営住宅や教職員住宅を20世帯に提供いたしましたが、長野県神城断層地震から2年がたち、入居されていた皆様も各自生活を再建され、この12月に退去予定の3世帯を含め、18世帯が順次退去されるところであります。
 このような状況を総合的に見ますと、一定の復興は成し得たものと考えております。しかしながら、御指摘にもあったとおり、今後の災害への教訓として、経験をした災害についての被災の状況、市の対応、市民生活への影響、社会経済への影響などを収集して整理をいたしまして、被災時の経験や知恵を次世代へ継承していくことは大変重要なものと考えております。
 本市においては、昨年度実施した防災アセスメント調査において、長野県神城断層地震の被害状況、行政の対応などの取りまとめを行いまして、調査結果につきましては、本年度実施している長野市地域防災計画の見直しに反映させるものであります。
 また、長野県神城断層地震の被害状況や防災アセスメント調査の結果から、人的被害の多くが建物倒壊によるものと考えられるため、住宅の耐震化については自助の部分が大変重要であることを、活き生きみんなでトークや出前講座など、あらゆる機会を活用して市民の皆様に啓発活動を行っているところでございます。
 防災対策では、これまでの災害教訓からも分かるとおり、住宅の耐震補強や家具の転倒防止など、自分や家族の身は自分で守るといった自助、防災マップ作成や避難行動要支援者の支援などの活動を通じましてコミュニティを活性化させ、地域や近隣の人がお互いに協力し合う互助、共助、そして本市災害対応などを初めとする公助の活動、この三位一体による防災体制を確立することが重要であると考えております。
 災害は、いつどこで発生してもおかしくない状況でございます。本市におきましても、全ての災害に対し常に危機感を持ち、またいつ災害が起きても対応できますよう、今後も引き続き市民、地域と共に防災体制の更なる強化を図りまして、災害に伴う地域での死者ゼロを目指して、災害に強いまちづくりを進めてまいりたいと考えております。

◎市長(加藤久雄)
 お答えいたします。
 東日本大震災以降、我が国においては大規模な地震が頻発しているということから、私は各地で行っております、活き生きみんなでトークにおきまして、地震災害に対し、自宅の耐震化や家具の転倒防止などの必要性と、どのように備えをしたらよいか、もう一度考えていただきたいと市民の皆様にお話をして、防災意識の啓発に努めてまいりました。
 国では、熊本地震以降、耐震化率の向上など防災対策の強化を図ることで良質な住宅ストックを形成することなどを目的とした住宅ストック循環支援事業を平成28年度第2次補正予算により10月から実施しており、旧耐震基準の住宅の断熱工事などと共に耐震改修工事を行うエコリフォームに対しまして、最大45万円の補助を行っております。また、県は、県内市町村と共に住宅耐震化に対する支援策について検討を進めております。本市といたしましても、遅れている住宅の耐震化について、今後更に推進する必要があると考えております。
 長野県神城断層地震以降、住宅の耐震化への要望が本市に数多く寄せられており、所有者自ら耐震化へ取り組もうという機運は高まっている一方で、住宅の耐震改修工事の費用負担の大きいことが耐震化の進まない最大の阻害要因であると考えております。このような中、住宅耐震改修工事の補助額の増額につきましては、現在、担当部局に対し、検討するよう指示しているところでございます。
 次に、耐震改修工事費用の負担軽減のため、耐震シェルターの検討をすべきではないかとの御質問でございます。
 住宅の一室を部分的に耐震化する耐震シェルターにつきましては、6月市議会での御質問以降、県内他市町村の状況について研究してまいりましたが、県内で耐震シェルターに対し独自に補助を実施している市町村においても実績は少なく、耐震シェルター補助に対する市民ニーズがあるかは今のところ不明であります。今後、県や他市町村の動向も注視し、防災上の有効性も含めまして、引き続き研究してまいりたいと考えております。

◆佐藤くみ子議員
 60万円のこの補助の引上げについては、是非早急に検討いただきまして、経済的な理由で耐震化工事に踏み切れないような状況がないように、是非安全性を最優先に引上げの検討を早急にお願いいたします。
 先ほど、危機管理のほうから説明をいただいたんですけれども、一部破損の住家改修についてなんですが、この全体の状況については、かなり取り組めない状況もあると私は認識しております。そういう中で、現状把握の必要性についてはどのように考えておられるか伺います。
 それと、さっきの市の見舞金は被災者全員に支給されたのでしょうか。対象者全員に支給されたのかどうか、その点について伺います。

◎危機管理防災監(西澤清己)
 お答えをいたします。
 一部損壊等の現状把握につきましてですけれども、やはり個人住宅の部分につきましては、復旧の方法や時期などにつきましても個人の判断、また所有者の判断で行われておりますので、判明は非常に困難かと考えられます。
 それから、また後段の見舞金に関しましては、該当者のお宅全てにということなんですけれども、これは申請方法なんですけれども、半壊世帯以上になりますと、長野県の支給条項にのっとりまして支給をされておりまして、またそれ以外につきましては市で支給をしておりましたけれども、申請に必要な書類を書いていただいて、平面図と写真を付けていただいて、福祉政策課で受付をやっておりましたけれども、こちらに申請のあったお宅に関しまして3万円、それから1万5,000円という部分でも支給範囲を広げさせていただきまして、これは平成27年のことなんですけれども、支給をしております。

◆佐藤くみ子議員
 市の見舞金が支給されるようになったことについては評価をいたします。ただ、残念ながら全員ではなく、89.8パーセントの支給率と聞いております。是非全員に支給されるよう、書類を整えることが困難なお宅にも是非支給をお願いしたいと思います。
 それと、やはり一部損壊が一番厳しい状況です。これは熊本地震でもそうなんですが、公費の支給対象にならないために、大変な御苦労をされております。これは、是非今後とも、県、国とも含めて支援の方法を検討いただきたいというふうに思いますし、現状把握については、できるだけ把握をするようお願いしたいと思います

総合事業の利用者の送迎について

◆佐藤くみ子議員
 次、総合事業の利用者の送迎です。
 総合事業の利用者の送迎で、各地域で介護予防を進める上でネックになっている問題が利用者の送迎です。例えば、豊野町の生き生きデイサービスを継続して実施する場合、送迎サービスが課題になっています。中山間地域からも送迎の課題が指摘されています。長野市社会福祉協議会で行っている地域たすけあい事業の福祉移送サービスを利用することは可能か、長野市はどのように指導していくのか、見解を伺います。

◎保健福祉部長(田中幸廣)
 総合事業の通所型サービスにつきましては、事業者が提供するサービスと住民が主体となって提供するサービスがあります。事業者が提供するサービスは、総合事業が始まる以前の介護予防サービスに相当するものと基準緩和サービスがあります。いずれも事業者による送迎を利用することができます。一方で、住民主体サービスは、利用者自らが移動手段を確保するか、サービスを提供する団体が送迎を行うことになります。
 御質問の長野市社会福祉協議会が実施している地域たすけあい事業の福祉移送サービスは、長野市福祉有償運送運営協議会において協議の上、利用範囲を定めて、北陸信越運輸局の長野運輸支局の登録を受けております。医療機関、介護施設等への通院及び入退院、機能回復訓練施設等への通所を利用範囲としておりまして、住民主体サービスの提供場所への移動手段として利用することは難しいのが現状です。
 サービスを提供する団体が送迎する場合は、事故発生時の対応はサービス提供団体が行うことになります。このことを出前講座やモデル地区での意見交換の中で住民の皆様にお伝えし、現時点では慎重に検討するように指導しております。
 総合事業は始まったばかりでありまして、今のところボランティア団体で送迎サービスを提供している事例が全国的にもほとんどないため、総合事業に関する研修の場などで引き続き情報収集を行いまして、良い事例がございましたら、その情報を住民の皆様に随時提供してまいりたいと考えております。

◆佐藤くみ子議員
 お言葉ですが、今の状況ではいい策がないということでしょうか。

◎保健福祉部長(田中幸廣)
 新しい総合事業になりましても、現行相当サービスの通所型、それから基準緩和の通所型につきましては、従来どおり送迎がございます。後段で申しました住民主体サービスの場合は、やはり事故が発生したときの賠償問題が課題だと認識しております。そのことについて、今いろいろな情報を集めているところでございますので、どうしても御自分で歩けない方は、地域包括支援センターとプランを作りますけれども、その場合は現行相当か基準緩和型を御利用いただくことになるかと思います。

◆佐藤くみ子議員
 特に中山間地は移動手段がないと出ていけません。それは、結局ひきこもりになって、かえって介護が重くなるということでありますので、是非とも指導をお願いしたいと思います。
 以上です。

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