2016年3月定例市議会 滝沢真一議員2
請願第1号安保関連2法の廃止を求める意見書の請願を不採択とした総務委員長報告に反対の立場から討論
◆滝沢真一
請願第1号安保関連2法の廃止を求める意見書の請願を不採択とした総務委員長報告に反対の立場から討論を行います。
請願者である長野市憲法9条の会連絡会の請願趣旨では、改定PKO法によるアフリカ・南スーダンPKOの任務の拡大、国際平和支援法による対IS軍事作戦などのアメリカの戦争に日本が引きずり込まれることの危険性を指摘し、安倍首相が国会において戦力不保持を規定した憲法9条2項の改定、削除に言及したこと、国民の批判を思考停止だと開き直り、憲法擁護義務を無視する姿勢をあらわにしたことから、憲法に基づいて政治を行う立憲主義と民意に基づいて政治を進める民主主義の秩序を日本社会に一刻も早く回復することが求められているとし、全ての兵器による戦争の放棄を強く訴え、全世界の恒久平和を希求し、ここに長野市を平和都市とするとした長野市平和都市宣言を引用し、1、戦争法である平和安全関連法を速やかに廃止すること、2、立憲主義の原則を堅持し、憲法9条を守り生かすことを求めています。
請願に反対した委員からは、新三要件が守られている限り、戦争には行かないと思っているとの意見がありました。しかし、安倍首相は既に南スーダンに派遣している自衛隊に対し、任務の付与について検討していると発言しています。
南スーダンでは、2013年に内戦状態に入って以降、戦闘が全土に拡大し、数万人が殺害、200万人以上とも言われる避難民が発生し、昨年8月の和平合意も全く守られていません。また、政府軍兵士による殺りくや略奪、PKO要員への攻撃が繰り返されており、避難民を収容する国連保護施設が襲撃され、国連が政府軍兵士の関与を指摘する声明を発表するなど、泥沼状態に陥っています。
日本共産党の笠井亮衆議院議員が入手した防衛省の内部文書によると、政府は駆け付け警護の作戦の具体例として、文民を拘束した相手勢力の狙撃や射殺まで想定していることが明らかになっており、自衛隊員が現地人と交戦し、戦後初めて殺し、殺される危険性は避けられません。
国際平和支援法では、米軍などの外国軍に対する兵たん、協力支援活動を行う根拠として、1、活動の根拠となる国連決議が存在すること、2、脅威を除去するために国際社会が共同して対処していること、3、日本が主体的、積極的に寄与する必要があることの3つを挙げており、対IS空爆支援では1、2の要件は満たされていることを政府も認めました。問題は3、政府の判断次第です。
オバマ政権は昨年秋、既にIS空爆支援を要請しており、来年発足する米新政権の要求次第で再浮上する可能性もあります。これまで米国の武力行使に対し、国際法上違法な行為として反対したことのない日本政府の判断に全てが懸かっています。
県内世論調査では、45.7パーセントが安保関連法が憲法に違反していると思うと答え、違反していると思わないの23.1パーセントを大きく上回りました。安倍首相が言及する憲法改正についても、世論調査では読売、産経ともに反対が多数を占めています。憲法9条の下では集団的自衛権は行使できないという憲法解釈を一内閣の独断で180度転換し、海外で武力行使が可能となる法律が作られたことに憲法擁護義務を負い、全ての兵器による戦争の放棄を強く訴えた長野市平和都市宣言をした長野市の議員として反対すべきではないでしょうか。
以上のことから、安保関連2法の廃止を求める意見書の請願の採択を求め、私の反対討論を終わります。