2016年3月定例市議会 あべ孝二議員
入札と公契約条例について
農業、林業問題について
公民館及び生涯学習センターの指定管理の中止について
入札と公契約条例について
◆阿部孝二
28番、日本共産党長野市会議員団阿部孝二です。
市民が主人公の市政、福祉、教育の充実、営業と暮らしを守る立場から質問します。明快な答弁を求めます。
初めに、入札と公契約条例について。
公契約とは、国や自治体が発注する公共工事や委託事業を民間業者と結ぶ契約で、日本国内で労働者1,000万人を超え、その財政規模はGDPの15パーセント、約65兆円から75兆円にも達し、地方での最大の経済活動となります。公契約法、公契約条例は、公共工事、公共サービスなどを民間事業者に発注する際に、低賃金を背景とするダンピング受注を排除し、公共工事、公共サービスの品質確保、事業者間相互の公正な競争を実現することを目的としています。公共工事、公共サービスに働く労働者に適正な働くルールと労働条件を確立し、公共事業を住民生活密着型に転換し、優先して地域中小業者に仕事が回れば、地域経済と雇用の再生、自治体の税収増につながります。賃金下限設定を持つ公契約条例が全国で18自治体に広がっています。
そこで質問します。
公共工事設計労務単価の引上げは、2013年4月に18パーセント、2014年2月に7.6パーセント、2015年2月に4.2パーセント、合計29.8パーセント引き上げられました。平成24年1月に、大工さんは1万6,500円が平成28年2月には2万3,500円で42.4パーセント、内装工は1万7,200円が2万5,200円で46.5パーセント、交通誘導員Bは7,300円から9,700円で、32.9パーセントと引き上げられています。労務単価の引上げに伴う契約変更の工事、役務サービスが何件あり、増額分がどのくらいあり、総額契約額、そのうち新第一庁舎及び長野市芸術館分は幾らになりますか。
また、2016年2月の労務単価の引上げは幾らになりますか。指定管理者関係の労務単価の引上げは、この間行われたか答弁を求めます。
次に、市は、平成25年、平成26年、平成27年に公共工事設計労務単価の改定に伴う変更契約の取扱いについての通知を受注者に出しました。元請と下請間の請負代金額の見直しや労働者の労務単価の引上げが行われた企業があったのか答弁を求めます。
次に、この間、公共工事に絡む不正、独占禁止法違反などの報道がありました。東日本大震災の高速道路復旧工事、舗装工事、旭化成建材のくい工事電流計データ流用、東洋ゴムの耐震強度不足等がありました。長野市のくい地業工事5年間で25工事が角藤、本久、炭平の3事業所を中心に少数参加の入札が行われ、落札率は97、98、99パーセント台の落札で行われました。市民の立場から、競争性、公平性、透明性が分かる入札制度を求めます。答弁を求めます。
次に、随意契約については、この間、50万円から70万円、そして130万円の変更になりました。平成23年度では3,788件で12億5,464万円、平成24年度は3,003件で9億9,495万円、平成25年度では2,776件で9億713万円、平成26年度は2,078件で10億5,913万円、平成27年12月までに1,788件で8億1,004万円になっています。市の登録業者数は、平成21年754社が平成27年には675社に、合併の豊野、戸隠、中条、大岡、信州新町、鬼無里の合計では、107社から90社と減っています。災害が発生すれば地元の業者が真っ先に対応します。建設業界からも強く要請されている地元の業者への公共工事の発注の強化を求めます。答弁を求めます。
次に、TPP問題は、農業だけではなく、公契約、公共調達の市場開放を求められています。都道府県と政令市のみが対象とされていますが、一般市町村も対象とされる可能性は否定できません。公契約に対しては、国外企業にも入札の機会を与えるとしています。共産党市議団は、このようなことは絶対に反対です。市長の見解を求めます。
公契約条例を制定した自治体では、清掃労働者の賃金が上がった、下請の労働者の単価が上がり、地域の募集賃金のアップにもつながったと聞いています。地元の中小業者に仕事が回れば、地域経済と雇用の再生、自治体の税収増につながります。公契約条例の制定について答弁を求めます。
(28番 阿部孝二君 質問席へ移動)
◎財政部長(平野智也)
阿部議員から幾つか御質問を頂いておりますので、順次お答えいたします。
まず、労務単価の引上げに伴います契約変更の件数等についてお答えいたします。
労務単価の引上げに伴う特例措置による工事、業務委託等の変更契約につきましては、受注者との協議によって契約期間中に行うものとしておりますが、別途、設計変更などに起因する変更契約が必要な場合も、このタイミングに併せて行うものとしております。
以上のことから、労務単価の引上げに伴う変更契約について、件数、金額等を把握することは困難ではございますが、参考までに前回の平成27年2月に労務単価等の特例措置やインフレスライド条項の運用等について、受注者宛てに通知したものでございまして、これを受けてなされた設計変更等の要因も含むものでございますが、契約変更件数につきましては41件、増額分につきまして約1億9,200万円、契約総額につきましては約100億7,900万円となっております。
続きまして、労務単価の引上げ等が行われた企業の有無についてお答えいたします。
本市では、公共工事設計労務単価の引上げに伴い、特例措置によって変更契約を締結するに当たっては、対象となる建設工事などの受注者に対し、元請と下請間で締結された請負代金額の見直しや技能労働者の賃金水準の引上げなどについて、適切に対応していただくよう文書による要請をしてまいりました。元請と下請間の請負代金額の見直しや労働者の賃金の引上げが行われた企業があるか否かにつきましては、個別に確認をしていないため承知しておりませんが、元請と下請間の請負代金額や労働賃金が適正であることには配慮すべきものと考えておりますので、今後研究してまいりたいと考えております。
続きまして、市民にとって競争性等が分かりやすい入札制度の導入につきましてお答えいたします。
建設工事の発注につきまして、一般競争入札による場合は、公告により広く入札参加者を募り、一定の資格を有し、かつ参加意思がある事業者によって競争するものとしております。また、事後審査方式や電子入札方式を導入することにより、入札参加者が一堂に会する機会をなくし、落札者が決定するまで、他の参加者が分からないようにするなど、談合等の不正行為が起こりにくい環境の整備に努めております。これらのことから、入札手続の競争性、公平性及び透明性は確保されているものと判断しております。
御指摘のくい地業工事の発注についても同様でありますけれども、これらの入札参加者が恒常的に少数であることも事実でございます。現在、建設工事の発注は市内建設業の振興に寄与する観点から、入札参加資格者を原則として市内本店事業者に限定しておりますが、より一層入札手続の競争性、公平性及び透明性を確保するための方策として、例えば、この要件を撤廃することが考えられますので、今後研究してまいりたいと考えております。
続きまして、地元業者への公共工事の発注の強化につきましてお答えいたします。
建設工事の受注者の選定につきましては、地元の工事種別及び規模に応じた等級格付にある事業者への発注に努めております。指名競争入札や少額の随意契約の場合は、地元事業者を優先して選定するものとしておりますけれども、地元に工事規模に応じた等級格付にある事業者がいない場合や特殊な技術などを必要とする工事において、施工可能な事業者がいない場合には地元以外の事業者が受注する場合もございます。
本市におきましては、地域の基幹産業である建設業の振興にも努めており、地域において重要な役割を担う事業者の育成の観点から、入札制度においても配慮をしているところでございます。
最後に、公契約条例の制定につきましてお答えいたします。
本件につきましては、議員からのこれまでの質問でお答えしてきましたとおり、賃金など労働条件に関する事項は、最低賃金法等の関係法令に基づいて運用されているため、公契約において一定水準以上の賃金の支払を条例によって拘束することは考えておりません。
なお、長野県の契約に関する条例においては、賃金水準を明示しないまでも、基本理念として、契約の締結に当たっては、県の契約の履行に係る業務に従事する労働者の賃金が適正な水準にあることなどに配慮しなければならないとしており、具体的には建設工事において適正な労働賃金の支払を評価する総合評価落札方式が平成28年度から試行されると聞いております。
こういった動向につきましては、本市においても配慮すべきものと認識しておりますので、引き続き県を初め、他団体の状況等を注視しつつ研究してまいりたいと考えております。
◎総務部長(寺澤正人)
指定管理者関係の労務単価の御質問にお答えいたします。
指定管理者の選定においては、応募者に対して、事業計画書、収支予算書等の提出を求めており、人件費につきましては応募者が算出しております。指定管理施設に勤務する職員の賃金につきましては、事業者の経営判断や労使の話合いで決定すべき問題であり、市として事業者が用いる労務単価の基準を定め、その基準により人件費を計上することまでは求めておりません。
なお、指定管理者の選定に当たりましては、社会保険労務士が委員になっており、審査基準に従い労務管理規定が整備されているか、施設を運営できる職員体制か、最低賃金を下回っていないかなどについて審査を行っております。
◎市長(加藤久雄)
TPP協定のうち、地方公共団体の調達に関するものといたしまして、政府機関などが一定基準額以上の物品、サービスを調達する際のルール、手続を規定しておりますけれども、適用団体は都道府県及び政令指定都市とされております。基準額も本年度は物品、サービスなどが2,700万円以上、また、建設工事につきましては20億2,000万円以上とされております。これまでの世界貿易機関のWTOの政府調達協定と同一の内容となっております。
よって、TPP協定の内容につきましては、本市初め地方公共団体に係る現行の国内調達制度に変更が生ずるものではないと認識しております。
なお、協定では、TPP協定発効後3年以内に適用範囲を拡大するための交渉を開始する旨の規定が設けられておりますけれども、国の公表資料によりますと、この規定は州など地方政府の調達を開放していないアメリカなどについて、適用範囲の拡大を意図して提案したものとされております。
よって、我が国では、既に都道府県及び政令指定都市を対象として適用していることから、更に拡大を求められる可能性は低いものとされておりますが、御指摘の今後一般市町村も対象とされる可能性について、現在承知していないところでございます。
◎財政部長(平野智也)
先ほど私から答弁させていただいた中で、阿部議員の質問に答弁漏れがございましたので、改めておわびしますとともに、追加でお答えさせていただきたいと思います。
2016年2月の労務単価の引上げについて、幾らになるかという御質問を頂いた中に漏れておりましたのでお答えいたします。
先ほどの答弁と同じように、労務単価の引上げに伴います特例措置の工事、業務委託等の変更契約につきましては、金額を把握することは困難でございますが、平成28年2月の引上げにつきましても、同様に把握は困難でございます。
ただ、第一庁舎・長野市芸術館建設に係る本体工事につきましては、単価の適用時において既にしゅん工しておりますため、変更契約の対象に今回はなっていないということでございます。
以上でございます。失礼しました。
◆阿部孝二
労務単価がこの間、先ほどお話ししたように、40パーセントを超える金額が上がっています。大工では4年間で7,000円、内装工事で8,000円、交通誘導関係で2,400円、これだけ上がっているんですね。第一庁舎・長野市芸術館の施工体制台帳の話を聞いた中では、この4年間上がっていないということなんですね。安倍晋三氏は、同一労働同一賃金を国会で答弁しているんですね。こういう形の中で実際には、上げられているにもかかわらず、働いている皆さんは上がっていないと。元請が上がっているだけで、下請、二次下請、三次下請が上がっていないということは、これは長野市にとってマイナスではないかと思うんですが、市長の答弁をお願いしたいと思います。
◎市長(加藤久雄)
労務単価の引上げにつきましては、今阿部議員がおっしゃるとおりでございまして、私もそれにつきましては注視しているところでございます。
ただ、現実には調査ができないということを聞いておるところでございます。
◆阿部孝二
調査できないんじゃなくて、調査しないということだと思うんですね。この前も話したように、任意で施工体制台帳の中で、下請、二次下請の皆さんに、元請には通知を出しているわけですから、下請に通知を出して、上がったか、上がらないか聴けば、それは返答が来るはずだと思います。是非、長野市のためにも、そして働いている皆さんのためにも、同一労働同一賃金がきちっとされるように、長野市が指導していただくようにお願いしたいと思います。
農業、林業問題について
◆阿部孝二
次の質問に移ります。
次に、農業、林業問題について質問します。
TPPの大筋合意で、日本は、米や牛肉、豚肉など、重要5品目のうち3割、輸入農林水産物全体では81パーセントの関税撤廃を約束しました。
一方、米国の自動車輸入関税の撤廃は25年先、TPPが発効すれば、日本は文字どおり米国の食い物にされます。辞任した甘利担当大臣が昨年の12月に発表した試算は、実質国内総生産が2.6パーセント増の3.6兆円増え、農林水産業生産減少額は1,300億円から2,100億円としています。しかし、東京大学の大学院教授の鈴木宣弘氏は、農林水産業生産減少額が政府発表の12倍から7倍の減少で、約1兆6,000億円と発表しました。
JA長野県は、県の農産物減少額を392億円、全産業の生産減少額は加工食品も含め717億円、全産業で約1万7,000人の雇用減少と発表しました。個別農産物では、米が30億4,400万円、リンゴ116億300万円、ブドウは42億7,700万円、桃4億2,700万円の生産減少額としていました。
市農業委員会は、建議書で、TPP交渉は最終調整に入っているが、予断を許さない状況にあるとし、農業、農村を取り巻く環境は大変厳しく、農業従事者の高齢化や後継者不足に伴う遊休農地の増加、野生鳥獣被害の拡大など、極めて憂慮すべき状況にあるとしています。基幹産業である農業が魅力ある産業として維持、発展し、農業者や就農希望者及び後継者が希望を持てる環境整備、施策の実施、予算確保を訴えています。
そこで質問します。
TPPの大筋合意に基づく長野市の農業生産減少や加工品を含めた生産及び雇用の影響について伺います。
市農業委員会は、富士見町の新規就農支援パッケージ制度など視察を行いました。パッケージ制度は、指導者、農地、住居をセットで提供し、平成22年度から5年間で新規就農者が34組になり、前期の3倍近い成果を上げています。国の就農給付金、年150万円の5年間終了後に機械設備の確保や所得300万円を目標にしていると聞きました。市としても、専業、兼業、農地面積、農業機械、米、小麦、ソバ、野菜、リンゴ、桃、ブドウ、花き、年金収入、アルバイト、直売、通信販売、支援金、補助金など、また中山間地域、平たん部、観光地域など、地域によって違いがありますが、農地、指導者、住居、農業用倉庫、農業機械などパッケージ制度と年間所得300万円のモデルを作り、新規就農者の拡大を求めます。答弁を求めます。
安倍晋三内閣と自民党、公明党はTPPの大筋合意で進められています。国会は自民党を含め、全会一致で重要5品目は絶対守ると決議しました。決議を守れの立場で市長も反対すべきですが、答弁を求めます。
◎農林部長(広沢吉昭)
2点お答えいたします。
初めに、TPPによる市農業への影響についてでありますが、長野県の農林産物の生産額への影響につきましては、県は2月8日に、影響総額約24億円、率で0.85パーセントの減少が見込まれると公表しました。農業生産額は、現在、都道府県レベルでは調査されていますが、市町村ごとの統計データがありませんので、県の試算を基に品目ごとの影響を申し上げますと、影響が大きいのは畜産で、牛肉がマイナス9.9パーセント、豚肉がマイナス6パーセントですが、本市の主力農産物であります果樹は、品質面で国際的に高い競争力を有していることから、リンゴは0.24パーセント、ブドウは2.6パーセントの減少にとどまり、本市におきましても、県の試算と同様に、影響は限定的と判断しております。
次に、新規就農支援関連についてお答えいたします。
阿部議員から諏訪郡富士見町の新規就農支援に関するパッケージ制度についての御紹介がありましたが、本市におきましても、農業委員、農業改良普及センター、JA、市農業公社などの関係機関と連携して、研修先のあっせん、住宅、農地の情報提供、栽培指導、生活、経営相談などを総合的に行っているところであります。また、営農資金、研修資金については、国の青年就農給付金と市単独事業による給付を行っている他、農業機械の購入費に対する補助金も交付しているところであります。
富士見町の年所得300万円のモデルにつきましては、長野県が示した新規就農者に関する農業経営指標250万円よりも高い経営目標を定めることで、優秀な人材を集め、リタイアする人を少なくしていくという方針とのことであります。
本市では、県の経営指標と同様に、新規就農者の目指す年所得を250万円として、果樹、野菜などの営農類型ごとに10アール当たりの収入、経費などをモデルとして提示しています。リタイアする人を少なくするという富士見町の考え方も参考にしながら、今後とも関係機関と連携して、新規就農者がスムーズに就農、定着できるよう、きめ細かなサポートをしてまいります。
◎市長(加藤久雄)
TPPについてお答えいたします。
我が国では、現在、TPP協定の他にも、EU、日中韓、更に東アジア諸国などとの経済連携協定等の交渉が行われており、世界経済のグローバル化の流れの中にあります。我が国の経済が自由貿易体制の下に、これまで発展してきたことを考えますと、自由な経済活動を維持、発展させる上で、国際的な経済連携は不可欠であると考えております。
なお、国においては、守るべきものは守るとの姿勢で交渉に臨んだものであり、昨年11月に決定した総合的なTPP関連政策大綱の中で、TPPの影響に関する国民の不安を払拭すること、力強い農林水産業を作り上げるため万全の施策を講ずる必要があることなどを政府の取組方針として掲げ、本年の秋を目途に政策の具体的内容を詰める予定でございます。
本市におきましても、今後の国の具体的な施策や県の対策などの情報収集を継続いたしまして、適切に対応してまいりたいと考えております。
◆阿部孝二
長野県が影響額を24億円ということで出されました。しかし、私の方では農協の皆さんが調査したところ、それから鈴木教授の試算に基づいて392億円と、そういう点ではもう一度精査していただきたいと思います。
TPPの影響については、アメリカのマサチューセッツ州にあるタフツ大学の方が、日本のGDPはTPPによって0.12パーセント削減される、それから雇用については7万4,000人が失業すると出されています。そういう点では、改めて調査し直していただきたいと思います。
それから、市長に質問したいんですが、もうかる農業、もうかる農業と盛んに言っていらっしゃると思うんですが、もうかる農業というのは、売上がどのくらいで、どういう規模でもうかるということを言っていらっしゃるのか、是非答弁していただきたいと思います。
◎市長(加藤久雄)
農業は、今まで高齢化が進展している、耕作放棄地が発展している、担い手がいない、もうからない、とにかくマイナス、マイナス、TPPだと、余りに言い過ぎる。努力している方もおられるわけですね。そういう意味で見て、やはり必ず希望を持って、農業は希望がないと言っていますと、もうからないと言っていきますと、担い手もいなくなってしまうんですよ。
そういう意味では、やはり希望を持ってやっていく必要があると。特に、長野県は果樹を中心といたしまして、非常に何と申しますか、1,000万円の農家と申しますか、そういう方がいらっしゃるわけでございます。そういう方をお手本にいたしましてやっていく必要があるだろうと、こんなふうに思っています。
◆阿部孝二
8桁、1,000万円の売上というと、リンゴだけでいくと、10キロ5,000円でいくと、私の試算では、聞きましたけれども、3,000坪の農地が必要だと、そうすると1,000万円の売上になると。こういうような規模というのは、滅多にできないことなんですね。米でいけば、その5倍の面積が必要で1,000万円という状況なんだと。だから、簡単にはもうかるということはないんですね。
だから、今の農家の皆さんが維持し、それから新規就農者は一生懸命頑張っているから、そこに重点を置いて250万円の所得でもきちっと就農ができるように、着実に広げていただくことが就農者を広げることにつながるということだと思いますので、もう一度答弁をお願いしたいと思います。
◎市長(加藤久雄)
8桁農業というのは、一応例で申し上げたわけでございまして、基本的には農業に希望を持てると、そういうことが必要だと、そういう意味で私は申し上げたということです。
◆阿部孝二
希望を持てる農業に是非力を合わせてやっていきたいと思います。
公民館及び生涯学習センターの指定管理の中止について
◆阿部孝二
次の質問に移ります。
市は民間にできることは民間にとして、指定管理者制度の導入を積極的に行ってきました。公民館の指定管理者制度は、住民自治協議会から希望があれば随時説明を行い進めていくとし、この間、長沼、芋井、篠ノ井、信更が指定管理者となっています。指定管理者のメリットとしては、日程を自主的に決められる、自主事業ができる、住民自治協議会と連携ができる、PTAなどとの連携、人材の発掘などが言われていますが、公民館の運営の在り方、住民自治協議会との連携問題であり、改善すべきです。市の公的責任を果たし、住民に公平、平等のサービスを提供すべきです。
今議会に指定管理者への移行の提案が、若槻と更北について提案されていますが、正規職員を無くし、人件費の削減だけ行われています。市は人材の育成、働く人の賃金、退職金、福利厚生の後退、地域の経済の後退を進めることになります。全国的にも指定管理はふさわしくないとし、行っていません。公民館及び生涯学習センターの指定管理の中止を求めます。答弁を求めます。
◎教育次長(藤沢孝司)
公民館につきましては、社会教育法に基づきまして、地域住民の生活に即した教育、また、学術、文化に関する各種の事業を行うことで、人づくり、まちづくりを総合的に推進するものでございまして、また、地域課題の発見、課題解決のための実践の場でもございます。
一方、住民自治協議会は、コミュニティ再生のための地域づくり、人づくりを進め、地域の課題を自ら解決していくための自治組織でございます。このように、住民自治協議会が目指すもの、それと公民館が目指すものは重なる点が多いということで、より地域に密着した運営を行うことができる受任者としまして、指定管理の相手方とするものであります。
また、公民館を初めとする社会教育施設への指定管理者制度の適用につきましては、平成17年1月に館長業務を含め、全面的に管理を行わせることが可能であるという文部科学省の見解も示されているところでございます。
とは申し上げましても、一律、一斉に公民館への指定管理者制度を導入するというものではございません。住民自治協議会の運営体制が整い、また、指定を受けるための準備、活動が熟成した上で受任を希望する地区に対しまして、順次導入していく方針としてございます。
そういう中で、これまで説明会、あるいは勉強会等、延べ116回開催してきたわけでございますけれども、このような中で、長沼地区を初め、4地区との協議が整い、順次移行してきたものでございます。
また、移行後につきましては、公民館長会、職員研修会などを通じまして、社会教育に関する情報提供、また、直営の公民館との意見交換の場を確保してございます。
また、運営に関しましても、生涯学習課の社会教育主事が事業や学習の相談を受ける他、モニタリングも定期的に行いまして、住民のニーズを把握した事業の推進に関する実践的な助言、指導等を行うことによりまして、社会教育法に基づいた公民館事業の遂行を担保しておるものでございます。
生涯学習センターでございますが、これは市民が生涯を通じ、いつでも、どこでも学ぶことができ、その成果を生かすことのできる生涯学習の拠点施設ということで、平成18年10月、トイーゴ内に開館したものであります。この施設は、文化講演会や市民カレッジ等の自主事業や貸館事業が主でございます。利用者は年間18万人を超えまして、中心市街地の活性化に寄与している施設でもございます。また、公民館に比べますと、社会教育法による利用上の制約を受けないということがございまして、より柔軟で幅広い運営が可能というふうになってございます。
今後、指定管理に移行することによりまして、民間の柔軟な発想による事業の展開、また、専門的な知識や技術を生かした運営がなされまして、更に中心市街地の活性化への期待ができるものというふうに考えてございます。
以上の点から、生涯学習センターにつきましては、平成29年4月の指定管理移行に向けて取り組んでいるところでございます。
◆阿部孝二
住民自治協議会が受けた場合に、退職金、有給休暇、病欠、労災の保障について、どうなっているか答弁を求めます。
◎教育次長(藤沢孝司)
住民自治協議会に指定管理をした場合の職員等の取扱いでございますが、それぞれの住民自治協議会の中で決定していただいているものということでございます。
◆阿部孝二
4点について、具体的に把握していないのかどうか。
◎教育次長(藤沢孝司)
勤務条件については、基本的には把握をさせていただいております。
◆阿部孝二
もう一度、4つの項目について、把握しているのか、していないのか。
◎教育次長(藤沢孝司)
基本的には賃金、あるいは福利厚生につきましては把握をしてございます。
◆阿部孝二
ということは、大事な退職金や病欠や有給休暇、労災の保障については全く把握していないと、そうやって指定管理をすると。
私は、先ほど言ったように、公契約条例との関係でいくと、労働者の同一労働、同一賃金をきちっと確保する中で、景気の回復をすることができるし、それから市の税収も上がるということを言ったと思います。是非、長野市がワーキングプアをつくることをしないように求めて質問を終わります。