議会報告

2015年12月定例市議会代表質問 野々村ひろみ議員

代表質問

◆野々村博美
 39番、野々村博美でございます。日本共産党長野市会議員団を代表して質問を行います。
 9月の市会議員選挙で、私たちは若い2人を含めて3人の新人議員を迎えることができ、7議席に躍進をさせていただきました。平和と民主主義を願う市民の思い、安倍自民党・公明党政権による国民いじめの政治の中で、何とかこの政治を変えてほしいという切実な思いが託された議席であると思っています。
 市民の皆さんの代弁者として質問を行います。是非真摯な御答弁をお願いいたします。

 最初に、市長の政治姿勢について伺います。
 9月19日、憲法違反の平和安全保障関連法が強行採決されました。そして、その内容は平和安全の名にかかわらず、紛れもなく戦争法です。また、憲法解釈を180度覆した閣議決定に基づいた違憲の立法は、内閣と国会による立憲主義の否定で、到底認めることはできません。
 さらに、安倍内閣は、野党が憲法第53条に基づいて要求した臨時国会を開かず、戦争法やTPPなど重要課題の議論も新閣僚の違法献金疑惑などの議論もできない事態となりました。改めて立憲主義を壊す安倍政治への評価と強行された戦争法に対する加藤市長の見解を伺います。
 戦争法は強行されましたが、しかし、反対の運動はますます広がっています。主権者は私たち、自らの力で自由と民主主義を勝ち取ろうと多くの若者が立ち上がり、またママたちも、誰の子供も殺させないと訴え続けています。このママや若者の運動の広がりが国民運動を大きく励まし、新しい日本の歴史を作ろうとしています。
 戦争法は絶対に廃止してほしい、野党は共闘して安倍政権に立ち向かい打倒してほしい、この切実な声に応えて、日本共産党志位和夫委員長は強行採決直後に立憲主義、民主主義を取り戻し、安倍政権を打倒し、戦争法を廃止しよう、そのために国民連合政府を作ろう、野党は共闘しようと呼び掛けました。
 長野市議会では、安保法制の強行に向けて数々の対立がありましたが、しかし、立憲主義を破壊した行為に対しては、議会制民主主義を重んじる議会人としては、連携することもできるのではないでしょうか。民主主義を守ることのできる政治を御一緒に作っていこうではありませんか。

 次に、辺野古新基地建設の強行に関連して伺います。
 沖縄県の翁長雄志知事による名護市辺野古の埋立承認取消しの是非を争う辺野古代執行訴訟の審理が昨日から始まりました。
 裁判で問われるのは、新基地ノーの圧倒的な民意を無視して権力を総動員して、辺野古の基地を押し付けようとするこの国の姿勢です。真の争点は、日本の民主主義の在り方です。また、政府は辺野古周辺3区に対し、新基地に反対する名護市の頭越しに補助金を交付しようとしています。憲法と地方自治を投げ捨て、なりふり構わぬ強行姿勢を浮き彫りにしています。
 民主主義と地方自治を乱暴に踏みにじる安倍政権をどう評価するのか、また、辺野古新基地建設に対する加藤市長の見解を伺います。

 次に、TPP大筋合意に関連して伺います。
 信濃毎日新聞の報道によると、長野県内では阿部知事と77市町村長のうち、反対、どちらかといえば反対としたのは52.6パーセント、賛成、どちらかといえば賛成は16.7パーセントです。大変残念ですが、加藤市長は数少ない賛成派です。25日には、TPPへの国内対策をまとめた政策大綱が発表されましたが、具体的な対策は来年秋までに詰めるという裏付けのないスローガンの羅列です。秘密交渉で大幅に譲歩した大筋合意の全容も明らかにせず、政府が情報を独占したまま、対策なるものを打ち出すのは極めて不当です。
 米などの重要農産品を保護する一定の対策は示しましたが、国会決議さえ踏みにじった交渉であることに変わりはありません。特に、中山間地農業への対策は示されず、長野市の農家にとって大きな影響を受ける野菜や果樹に対する保護策は手薄のものとなっています。日本農業の耕地の集約化などはおのずと限界があり、攻めの農業への転換策などは、具体化できない状況が反映したものとなっています。
 自国民の食料を外国に依存し、豊かな日本の大地を荒廃させ、グローバル企業の利益だけを追求する政治は、亡国の政治の極みです。きっぱりと反対すべきと思います。見解を伺います。また、長野市の米、野菜、果樹など、農業への影響について伺います。

 次に、アベノミクスと消費税増税について伺います。
 アベノミクスの下でパート、派遣など非正規雇用が2年間で160万人増え、全労働者の4割を占め、年収200万円以下のワーキングプアは1,140万人となり、全労働者の24パーセントを占めるに至りました。その一方で、株高による譲渡益などで富裕層は急増し、格差の広がりはますます深刻となりました。
 経済財政諮問会議の資料によれば、安倍政権発足前の2012年度に比べ、14年度までに大企業の経常利益は16.1兆円増えていますが、設備投資は5.1兆円、従業員の給与や賞与は0.3兆円しか増えておらず、一方で企業の内部留保は49.9兆円増え、300兆円を超えました。さらに、安倍首相は法人実効税率を数年で20パーセント台まで下げると発言しています。
 市内のある中小企業では、親会社の単価の切下げによって経営はどんどん苦しくなるばかり、賃金も上がらず、若手労働者が次々と辞めているという深刻な事態も聞いています。どんなに株価をつり上げ大企業に減税しても、内部留保が増えるだけ、非正規雇用を増やし、働く貧困層を作り、社会保障を後退させ、国民の暮らしを破壊していくアベノミクスでは、景気も経済も回復はできません。
 消費税増税の影響が残る中、再来年4月から消費税を更に10パーセントに引き上げようとしています。利益を上げる大企業には減税をし、国民には増税する、これで景気など良くなるはずがありません。消費税増税の中止がいよいよ重要です。消費税10パーセントへの引上げと、アベノミクスへの加藤市長の見解を伺います。

 次に、自衛隊への名簿の提出について伺います。
 過日、フランス、パリで再び同時テロが発生し、多くの罪なき人々の命が奪われました。テロは絶対に許されない行為です。また、改めて武力によって平和を作ることができないことを痛感いたします。
 このテロによって最愛の妻を殺されたジャーナリストのアントワーヌ・レリス氏が実行犯に対して、私たちは君たちに憎しみの贈り物はあげないというメッセージを述べたことが世界に大きな感動を広げています。日本では、戦争法に反対しているママたちの合言葉は、誰の子供も殺させないです。しかし、南スーダンへの警護派遣、国際情勢の緊迫化を考えると、自衛隊が国際紛争に巻き込まれる危険性が一層増しています。
 そういう中で長野市は、今年もまた平成9年4月2日から平成10年4月1日生まれの男女の住所、氏名、生年月日、性別を自衛隊適齢者名簿として自衛隊長野地方協力本部長に提供しました。市民が納得するでしょうか。県内で提供しているのは、僅か飯田市と長野市のみです。
 北海道の旭川市では、自衛隊員が18歳から26歳のお子さんのいるお宅を勧誘に回っているそうです。しかし、この旭川市でも、市が自ら進んで名簿を整理して渡しているのではなく、自衛隊が閲覧して書き写しているのです。
 今後、自衛隊員の募集はますます困難になることが予想され、勧誘は一層強まっていくことが懸念されます。長野市があえて若者を戦場に送るお手伝いをすることは直ちに中止していただきたい、これは市民の切実な声です。加藤市長の見解を伺います。

 次に、市民生活応援の予算編成について伺います。
 私は、6月市議会で200億円を超える基金を持ちながら、見舞金制度の廃止、支所の宿日直の廃止など、市民の切実な願いを切り捨てていると批判してきました。
 これに対して加藤市長は、平成27年度予算で、少子化対策に重点的に予算を配分し、民生費は一般会計総額の32.7パーセントと最も高く、対前年度比3.7パーセント増となった。また、平成24年度と比較すると、43億円増やし、福祉要望に応えるために増加してきたとお答えになりました。
 確かに、他都市より実施が大幅に遅れましたが、子供の医療費の無料化の拡大など前進はいたしました。しかし、民生費が全予算に占める割合は、長野市は32.7パーセント、中核市の平均は40.7パーセントです。中核市平均まで民生費を増やせば、今より100億円以上増やすことができます。長野市の民生費関連予算をせめて中核市平均まで引き上げることを強く要望し、加藤市長の見解を伺います。
 先日、ある市民の方から、うちの妻は1万5,000円の見舞金を待って、待って、待っていたんだよ。もうもらえないんだってね。かわいそうで、長野市もひでえことをするなと嘆かれました。この方の奥さんは透析患者さん、子供さんは重度の障害者です。僅かな見舞金でも待って、待っている、この市民の気持ちがお分かりになりますか。
 先日、家族3人が入水自殺を図る事件がありました。介護心中、介護自殺が後を絶ちません。決して他人事ではないと不安な思いで暮らす多くの市民がいます。この家族も生活保護申請をしていたと報道されました。介護保険の導入時に、介護は社会化されるからという理由で、13万5,000円だった在宅福祉介護料は年々大幅に減額され、今では年間3万5,000円です。他市の状況を調べてみると、長野市は3万円の飯山市に次いで下から2番目の低さです。駒ヶ根市16万円、伊那市12万円、松本市、上田市、中野市、大町市は10万円です。県都長野市の冷たさが際立っています。国の度重なる介護保険改悪により高い保険料を取られ、利用料も取られるのに、いざというときに十分なサービスが受けられません。せめて、経済的な負担を少しでも和らげることができるよう、在宅福祉介護料は、重度者には13万5,000円を支給していた当時の額に戻し、また、各種見舞金制度も復活すべきです。見解を伺います。
 また、孤立死、孤独死の防止のためにも緊急通報システムの利用料は無料化し、大規模な普及に取り組むことを要望します。漂流老人とか、下流老人などという言葉が生まれるほど、今、高齢者の貧困化、孤立化は大きな社会問題となっています。長野市は、県下で最も財政力のある都市です。215億円の基金をこれら事業のために使うことを強く求めます。見解を伺います。

 次に、通学費の支援について伺います。
 中山間地域から市街地への高校に通うバス代は、1か月3万円から4万円も掛かります。6月市議会において、佐藤久美子市議が来年度から活用できる過疎債が適用できるのではないかと質問し、過疎地域自立促進計画を策定する中で検討する旨の御答弁がありました。中山間地域への若者世代、子育て世代への移住、定住を進めていくためにも、高校への通学費補助は必要不可欠であり、過疎債の適用と全中山間地域を対象に、高校通学への交通費補助を実施するよう強く求めます。見解を伺います。

 次に、来年度予算の編成について伺います。
 9月末に来年度予算編成方針が示されました。社会保障制度の大きな後退、年金の引下げ、非正規雇用、貧困の広がりなど、市民の将来への不安感が増すばかりです。しかし、長野市の来年度予算編成基本方針には、福祉や教育予算の重視、弱者への心配りなど、市民生活擁護の姿勢はみじんもうかがうことはできません。住民の苦しみや喜びに寄り添い、希望を発信できる予算編成になるよう、抜本的な転換を求めます。見解を伺います。

 次に、マイナンバー制度について伺います。
 マイナンバーの番号通知が多くの市民に届けられました。誤配や詐欺事件など予想どおりの混乱が起きています。100パーセント漏えいを防ぐ完全なシステム構築は不可能であり、また意図的に情報を盗み取る人間がいるリスクは防ぐことはできません。今後、起きるであろう大量の個人情報の漏えいに対処するためのリスク管理にばく大な税金を投入し、詐欺事件による被害の拡大など、国民にとっては危険極まりないこの制度は、改めて中止すべきと考えます。憲法違反とする訴訟も起こされております。見解を求めます。
 同時に、1月からスタートするこの制度によって、市民生活が危険にさらされることのないよう最大限の対応を求め、質問に移ります。
 全国的には、スタート時にマイナンバーを受け取ることができない人が100万人規模でいると懸念をされてきました。長野市の見通しはどうか、どの程度通知カードが返戻され、今後、どのような対応がされていくのか伺います。また、住民票を移さないまま、家族や夫、あるいはストーカーから逃げているDVの方などもいますが、行政に届け出ることによって、マイナンバー通知を受け取ることができます。居所情報の登録申請をされた方がどの程度いるのか、伺います。また、住所不定者への対応はどうなるのか、伺います。

 各申請書へのマイナンバーの記入について伺います。この制度は大きな危険性が指摘されている中で十分な対策もとられないままスタートすることになり、市民の中には通知カードを受け取りたくないという意見まであります。そういう中で、長野市が国の代弁者として利便性だけを強調して、各種申請書にマイナンバーを記入することを強制したり、マイナンバーカードを作ることを宣伝することのないよう要望します。どう対応するのか、伺います。
 また、生活保護申請に当たっては、住民票がない方もいます。住民票がなくても、生活実態があれば保護受給はできます。マイナンバー制度が導入されたことによって、番号を持たない方が申請もできない事態が起きないよう、強く要望します。長野市はどのように対応されるか伺います。
 また、長野市の窓口で番号が必要な書類と必要でない書類が明確に区別されなければ混乱が予想されます。マイナンバーカードや番号カードを持ち歩くことになると、紛失や盗難のリスクが高まります。いつまでに、どのように市民に知らせていくのか伺います。
 政府与党は、マイナンバーを銀行口座や健康診断などの情報にも結び付ける方針です。健康保険証や図書館の貸出しなどに使う案まで検討しています。しかし、危険極まりありません。長野市独自の利用拡大などすることのないよう要望いたしますが、いかがでしょうか。

 次に、介護保険申請とマイナンバーについて伺います。
 介護保険の申請では、認知症や要介護状態の本人に代わってケアマネジャーらが代行している実態が多くあります。厚生労働省の通知に対して事業者からは、その場合、個人番号が分からないケースでも申請が受け付けられるのか。本来、個人番号の管理事業者ではない介護事業者が番号を集めていいのか。万一、番号が漏れた場合は介護事業所が罰則を受けるのかなどの疑問が噴出していました。
 さらに、厚生労働省の通知を受け、一部の自治体が、今後個人番号の記載がない場合は、申請を受け付けない。介護事業所が申請を代行する場合は、マイナンバーカードかそのコピーを持参するのが義務だと説明し、現場は大混乱になったそうです。
 日本共産党の小池晃参議院議員らが対応をただしましたが、たとえ記入がなくても、行政が住民基本台帳から番号を確認することは可能であり、番号の記載がないことを理由に申請をはねのけることはしないことが確認されました。
 介護事業所に利用者の番号が蓄積される問題を巡っては、番号の管理は求めるが、万一流出しても、故意に漏らしたのでない限り罰則はない。自治体の対応や事業者での番号の取扱いなどについては、11月中に具体的な中身を示す事務連絡を出すとしました。介護サービスの申請、給付に本来必要のない番号の記載を義務付ける矛盾が露呈をしていますが、どのような対応をしていくのか伺います。
 次に、証明書のコンビニ交付について伺います。
 来年10月から住民票の写しと印鑑証明についてコンビニ交付が開始されます。また、今後は戸籍、税についても検討するとされていますが、コンビニ交付に当たっては、当初開発費として約2,500万円、今後のランニングコストとして、J-LISへの負担金500万円、コンビニ委託料1通123円、システムメンテナンスに360万円など、多額の費用が掛かります。コンビニ交付によって、市民の利便性は一定向上するかもしれませんが、費用対効果は期待できません。慎重に行うべきと考えます。見解を伺います。

 次に、地方創生関連事業について伺います。
 現在、長野市は国の進めるまち・ひと・しごと地方創生という地方再生の号令の中で、今年度中に連携中枢都市圏ビジョン、人口ビジョン、地方版総合戦略を作成し、来年度には総合計画を作成するという超過密スケジュールが進んでいます。本来、地方再生のためには何よりも地方自治体が地域住民と共にじっくりと考え、検証し、住民と一緒になって作り上げ、実行していくものでなければならないはずです。
 にもかかわらず、国から求められることは、国の戦略を勘案することで、全国横並びの計画となることが懸念されます。長野市がどのような方針と独自性を持ってこれらビジョンを準備しているのか伺います。

 次に、ながのプレミアム付き商品券の経済波及効果について伺います。
 今年度、地方総合戦略の一環として、地域消費喚起型の財政支援の中で多くの地方自治体がプレミアム付き商品券を発行しました。長野市の利用状況はどうか。また、そのことによる経済波及効果の見通しはどうか伺います。
 連携中枢都市圏構想について伺います。
 来年3月までに連携中枢都市宣言が行われ、議会の議決を経て連携協約締結、ビジョンの策定と公表が行われます。
 この構想については、準備が始められた当初から連携提案事業はどんどん絞られ、6月市議会では、加藤市長から期待が高く、102の提案があったと御答弁がありました。現在は具体化されている事業は45事業に絞られてきました。期待が大きかった割には、事業化が難しかったことが想像されますが、その経過と今後の見通しを伺います。
 また、まだ連携中枢都市圏構想は、今後、高次の都市機能の集積、強化に関わる施策なども盛り込まれていくことになると思いますが、懸念されることは、長野市に都市機能が集中し、周辺が一層寂れていくこと。また、教育や福祉分野で、ただでさえ市職員が減らされている中で、周辺町村への対応が求められれば、長野市民のための福祉や教育のサービスが低下することです。
 例えば、スクールカウンセラー等の共同活用事業などは、福祉的なケアが必要とされる子供たちが増える中で、長野市は独自で配置をしてきました。本来、県がスクールカウンセラーの数を増やして対応すべきであり、必要なら各自治体で責任を持って確保しなければならない分野です。本来、それぞれの基礎自治体や県が責任を負うべき課題が曖昧にされることのないよう、慎重な対応を強く求めます。見解を伺います。

 次に、介護保険法について伺います。
 長野市のアンケート結果と介護労働者の確保について、最初に伺います。
 介護保険法が大幅改定され、新制度の下での介護事業が進められています。今回の改正は、正に4大改悪と言わざるを得ません。1として、要支援1、2を介護保険から外し、市町村事業に移行したこと。2として、特養ホームなどへの入所を原則要介護3以上に限定したこと。3として、利用料を所得によって2割に引き上げたこと。4として、施設の食費、部屋代の補助の基準を引き上げたことです。そして、介護報酬は4.48パーセント引き下げられ、加算や処遇改善加算を取ったとしても、改定率はマイナス2.27パーセントで、介護事業所の多くが経営不安に苦しみ、介護従事者は相変わらずの劣悪な待遇のために離職者が後を絶ちません。
 介護保険をよくする信州の会などがアンケート調査を行った結果では、処遇改善加算を取得したが、介護報酬が下がったために経営は非常に厳しくなっているとか、どんどんシステムばかりが先行して、それに振り回され、現場の職員も国民も置いてけぼりになっている気がする、元に戻してほしい。もっとシンプルな制度にしてほしい。良い介護をと取り組めば、取り組むほど赤字経営になり、悪循環になる。今後、利用料が2割になった人たちが利用を減らす傾向もあり、どうなっていくのか、先行きが分からないなど、次々と改悪に対する不安な声が紹介をされていました。
 また、アンケート調査によれば、特別養護老人ホームでも4月以降、介護報酬改定により減収となり、そのうちの3割が100万円以上の減収、300万円以上の減収が約1割に及んでおり、いかに大きな影響が出ているか分かります。また、入所者の重症化が進み、医療的ケアの必要な人の割合も増え、介護従事者の負担は大きくなっているという実態が報告されています。
 6月の長野市介護保険課が行ったアンケートでも、介護職員が充足していないと答えた事業所は60パーセントを超えており、深刻な実態が浮き彫りになっています。アンケートの結果と長野市の今後の対応を伺います。
 国は、要支援1、2の方を介護保険から外して、市町村が行う新総合事業に移行させ、平成29年の4月までに実施することを求めています。
 私は、繰り返しサービスの質を落とさないよう対応を求めてきましたが、長野市は介護福祉士などの専門職の配置基準を下げた緩和基準サービスAに移行する方向で準備を進めています。事業所説明会の中で、新しくサービスを受ける場合、多様なサービスの利用を促進し、必要に応じて既存サービス相当のサービスにつなげるとし、更に現在、予防給付を受けている方たちに対してさえ、認定期間終了後は基準緩和のサービスに変えるよう指示を出しています。
 しかし、これでは今までどおりの質を維持したサービスの提供はできません。現行相当サービスを基本、中心に構築すべきであり、そのために国に報酬の引上げを要求するとともに、サービスの質を維持し、介護労働者に希望を持って働いてもらうためにも、長野市として独自の上乗せを図ることを強く求めます。そして、その上に立って、地域の皆さんのボランティアなど協力を求め、多様なサービスを提供できるよう、市民に協力を求めていただきたいと思います。見解を伺います。

 次に、特養ホームなどの問題について伺います。
 法改悪によって、要介護3以上でないと特養ホームなど入所できませんが、長野市が認めれば特例入所が可能になります。どのような人を対象とするのか。4月以降の申込みは特例入所14件で、長野市はそのうち2件しか認めていないとのことでした。長野市が認めたケース、認めなかったケースについて伺います。
 日本医療労働組合連合会などのアンケートによれば、特養の事業者の皆さんの今回の入所制限に賛成は22パーセント、反対は38パーセントとなっています。要介護1、2の人たちの行く場所がなくなってしまう。認定結果だけでは、入所の必要性は判断できないという声が多く寄せられていました。また、重度化によって職員の負担が一層増している状況も報告されています。特例入所については、一人一人の状況をよくつかみ、施設側が必要と判断した人たちについては、できる限り認めていくよう要望します。
 また、長野圏域の特養入所希望者は約1,000人です。特養の数が不足していることは事実です。早急に増床を求めますが、今後の計画などお伺いします。
 今年8月から施設入所者の部屋代や食事代など補足給付を受けている人の預貯金調査などが行われ、申請者3,343人の1割に相当する326人が申請を却下され、補助が打ち切られました。この皆さんが今までどおり施設利用できているのかどうか、伺います。
 また、利用料が2割になった方の影響も深刻です。施設からの退所やサービス量を減らすなど、影響が出ているのではないでしょうか。その実態調査を要求します。
 介護保険制度は、今回の改定で終わるものではありません。政府与党は更なる改悪を2020年度の目標で準備を進めています。要支援だけでなく、要介護1、2の軽度者外し、そして利用料は原則2割負担です。マイナンバー制度の活用も視野に入れ、一層自己負担を増やしていく仕組みを作ろうとしています。
 今、地方自治体は国言いなりの介護保険制度に従うのではなく、住民と一緒に介護保険改悪を許さないために声を上げていくべきです。そのためにも、今度の改悪によって、どれほど多くの悪影響が出ているかを把握するため、介護事業者や介護労働者、そして利用者の実態調査をしていただきたいと再度要望し、見解を伺います。

 その他として、権堂のまちづくりについて伺います。
 権堂地域の都市再開発に関する陳情が行われ、加藤市長はマスコミの会見で、権堂地区の活性化は一気に進める方向で注力するとお答えになっています。具体的には何を一気に進めるのか、伺います。
 中心市街地については、この間、多くの再開発を行い、ビルもたくさん建ててきました。トイーゴや権堂イーストプラザも税金を投入して建設してきました。マンションもたくさん建ちました。活性化にどのように役立っているのか、その検証を示していただくことが、今必要ではないでしょうか。その上に立った計画をお示しいただきたいと思います。見解を伺います。
 また、須坂市三木市長が大型商業施設計画について賛成の姿勢を示されました。長野市民の消費者動向にも大きな影響が及ぶ計画となります。今後、どのように対応されていくのか、加藤市長の見解を伺います。

◎市長(加藤久雄)
野々村議員の御質問に順次お答えいたしたいと思います。
 初めに、平和安全関連法制2法の宜野湾市のアメリカ軍普天間飛行場機能の名護市辺野古への移設に関連した御質問にお答えいたします。
 平和安全関連法制2法がさきの参議院で可決し、成立した直後に各報道機関が実施した世論調査の結果などから、必ずしも国民の十分な理解が得られていない状況であると考えます。政府におきましては、法成立後も国民に対して丁寧に説明し、理解を得ていくことが求められていると考えております。

 続きまして、アメリカ軍普天間飛行場機能の名護市辺野古への移設についてでございます。
 政府は、航空機事故や騒音被害といった普天間飛行場周辺住民の生命、身体に対する重大な危険は現実化しており、その解決策として名護市辺野古への移設が必要であると説明しております。
 辺野古への移設につきましては、新聞報道などを見る限りでは、沖縄県内でも移設を容認する意見もあり、賛否が分かれていると認識しております。政府においては、沖縄県の負担軽減に真剣に取り組むことが求められていると考えております。

 なお、政権に対する評価は個々の政策で判断するものではなく、外交や経済政策など総合的に判断するべきものと考えます。その点から申し上げれば、私は、現政権につきましてはおおむね評価するものであります。

 次に、TPPについてお答え申し上げます。
 我が国は、現在、TPPの他にも日中韓の自由貿易協定--FTA、日中韓にインドやタイ、インドネシアなど多くのアジア諸国を加えた東アジア地域包括的経済連携協定--RCEP、日本とEUとの経済連携協定--EPAなどの交渉が行われており、世界経済のグローバル化の流れがあります。我が国の経済が自由貿易体制の下にこれまで発展してきたことを考えますと、自由な経済活動を維持、発展させる上で、国際的な経済連携は不可欠であると考えております。
 政府は、11月25日、総合的なTPP関連政策大綱を決定しました。大綱冒頭の基本的な考え方の中で、TPPがもたらす効果は、これまで海外展開に踏み切れなかった地方の中堅・中小企業にこそ幅広く及ぶとしており、農林水産業に関しましては、成長産業としての力強い農林水産業を作り上げるため、万全の施策を講ずる必要があるとしております。
 私は、市長就任以来、市内各地域の農業の現場を見てまいりました。耕作放棄地の増加など課題はあるものの、果樹を中心として非常に品質の高い農産物が生産されており、農家の皆さんも技術力に自信を持っていることが伝わってまいりました。
 行政といたしましても、安全・安心でおいしい国内農産物を農協や生産者と共にPRし、多くの国民の協力により地産地消を実践し、国内産農産物の消費を拡大する状況を作り上げていくよう、取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、アベノミクスと消費税増税についてお答えします。
 初めに、消費税率の引上げに関する御質問でございますが、国の財政再建と社会保障制度を次世代に引き渡し、子育て支援を充実させていくために消費税増税は、以前にも答弁申し上げましたとおり、やむを得ないものと考えております。
 次に、アベノミクスに関する御質問にお答えいたします。
 現在、国内の経済状況は、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の3本の矢から成る、いわゆるアベノミクスの推進により、企業の業績改善が雇用の拡大や所得の上昇につながり、更なる消費の増加をもたらすという、経済の好循環の実現に向けた効果が現れつつあるのではないかと考えております。
 しかし、国の骨太方針において、有効求人倍率が上昇し、地方でもベースアップを実施する企業が増加する一方で、消費の回復には地域ごとのばらつきが見られるとしているところであります。私といたしましても、まだまだ行き渡っていないなと感じているところでございます。
 そのような状況を踏まえまして、国ではまち・ひと・しごと創生総合戦略に沿って、各地域において稼ぐ力、地域の総合力などを引き出し、地方創生の深化を図るとしているところであり、報道によると、本年度補正予算を編成し、更なる深化を図ることとしております。
 私といたしましても、経済再生と財政健全化に向けたアベノミクスは、地方創生に対する仕組みと共に道半ばであると思いますが、おおむね評価しているところであります。

 次に、自衛隊への名簿の提供についてお答えします。
 自衛隊適齢者名簿の提供は、自衛官募集事務に関わるものでございます。自衛隊法第97条で、市町村長は、政令で定めるところにより、自衛官の募集に関する事務の一部を行うとされ、自衛隊法施行令第120条では、自衛官の募集に関し必要があると認めるときは、市町村長に対し必要な報告又は資料の提出を求めることができるとうたわれております。
 また、提供に当たっては、長野市個人情報保護条例第9条第2項第4号の国又は他の地方公共団体に記録情報を提供する場合における相当な理由に該当するものと判断しております。
 したがいまして、本市におきましては、自衛隊からの求めに対し、自衛隊法及び長野市個人情報保護条例に基づき名簿の提供を行っており、提供した名簿につきましては、使用後、回収しております。
 なお、自衛隊長野地方協力本部にお伺いしたところ、名簿については自衛官募集案内のダイレクトメールを送るためのみに利用し、この名簿に基づく強引な勧誘は行っていないとお聞きしております。

 次に、民生費予算についてお答えします。
 少子化社会、超高齢社会の中で、本市における福祉施策に支出する扶助費及び繰出金の額は年々増加しております。本市における一般会計予算総額に占める民生費の割合は32.7パーセントであり、御指摘のとおり、中核市の平均を下回っております。
 本市の福祉サービス基盤は、特別養護老人ホーム、指定介護サービス事業所といった高齢者福祉施設の設置数や保育所の箇所数は、ちょうど中核市の平均であり、特別養護老人ホームの設置数にあっては、中核市平均を上回っております。指定障害福祉サービス事業所数については、中核市平均を若干下回っておりますが、全体といたしましては、福祉サービス基盤は他の中核市に劣っていないと考えております。
 また、本市の生活保護率は、平成26年4月現在、7.9パーミルで、中核市平均の19.4パーミルを大きく下回っております。このことが、本市の民生費の割合が中核市平均を下回る要因の一つと考えられます。今後、生産年齢人口の減少に伴い、市税収入に期待ができない中では、厳しい財政状況が予測されるところであり、将来にわたり安定した市民サービスを提供していくためには、限られた財源の中で、計画的、効率的な予算配分を行っていくことが重要であります。
 民生費関連予算を中核市平均まで引き上げるとの御要望でございますが、中核市それぞれの事情により予算は作られており、民生費の割合も一つの指標ではありますけれども、福祉施策は総合的に判断すべきものと考えております。市民の意見をよく聴いて総合的に勘案する中で、市民生活の安心・安全を守るために、必要な予算を確保して、本市の福祉の向上に努めてまいります。

 次に、須坂市の大型商業施設計画についてお答えします。
 須坂市で計画されている大型商業施設については、私は、三木須坂市長の立地に向け積極的な支援をしていきたいという発言を重く受け止めております。この計画が実現すれば、北信地域を商圏とする県内最大級の郊外型大型商業施設が出店することになり、本市はもとより、中野市、千曲市など近隣地域の消費者動向に大きな影響が出ると想定されます。消費者の購買行動の変化とニーズが多様化し、既に上田市や佐久市などの大型商業施設を利用する市民がいることや、インターネットによる買物が定着している現在、須坂市に大型商業施設ができることにより、選択肢が更に増え、本市の商業を取り巻く環境は厳しさを増すことになります。
 このような中、中心市街地の大型商業施設や中小商店が協力して魅力を高め、消費者から選ばれるようになることは大変重要であります。市といたしましても、商店街が自らの魅力を高めるための取組を支援するとともに、まちのにぎわいの創出や快適な買物環境の整備など、ハード、ソフトの両面から中心市街地の活性化を図ってまいりたいと思います。
 私から、権堂のまちづくりについて陳情を頂いた際に申し上げた趣旨をお答えいたします。
 11月11日、権堂まちづくり協議会拡大委員会他、権堂のまちづくり団体の方々から、権堂・田町地区活性化事業の推進について、市に対し支援を要望する陳情を頂きました。
 大型店や住宅の郊外立地とともに、中心市街地の求心力が落ちていることについて、市といたしましても危機感を抱いているところであります。中心市街地の活性化は、長野市のまちづくりにとって重要な課題であり、権堂を含めた中心市街地が活性化していくことが、長野市全体の活力の創出につながると考えております。
 御提案は、まち全体に特色を持った街区を配置しつつ、併せて大型ショッピングセンターを設ける構想で、地元権堂町区を中心に、多くの方々の御賛同を頂きつつあるとお伺いしております。
 市も、中心市街地の活性化を図る上で、その重要性を十分認識するとともに、若者や家族連れが熱望する魅力ある店舗の整備や、公共交通に頼らざるを得ない方々の買物場所確保としても、大変歓迎するところであります。
 今回の構想のように、広範囲で多くの方々が関わる物事ほど盛り上がりの機運を捉えて、いたずらに時間を費やすことなく進めていくことが重要であります。
 市といたしましても、B1地区市街地再開発事業等、これまでに実施された事業を検証し、御提案の地元構想を含め、どのような対策や支援が必要であるか検討してまいりたいと考えております。
 ありがとうございました。

◎総務部長(寺澤正人)
初めに、マイナンバー制度についてのうち、マイナンバー制度を中止することについてお答えいたします。
 マイナンバー制度は、行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平公正な社会を実現するため、情報化社会に極めて重要なインフラであると考えております。
 マイナンバー制度は、法律に基づき全国で実施するものであり、本市といたしましても、制度の趣旨を十分踏まえ、適切に準備を進めているところであります。
 市民の皆様が不安を抱かれております個人情報保護対策につきましては、全国的に進められている制度面やシステム面での安全・安心な仕組みにのっとり、万全を期してまいります。

 次に、各申請書へのマイナンバーの記入について、3点お答えいたします。
 初めに、マイナンバーカードを作ることについてであります。
 マイナンバー制度の趣旨からいたしますと、より多くの皆様にカードを作っていただくことが利便性の向上に資するものと思われますが、カードの作成は任意でありますので、この点を踏まえ、今後も制度の周知を図ってまいります。
 次に、各申請書にマイナンバーを記入すること及び市民の皆様へのお知らせについてであります。
 番号法に定められている事務に関係する申請書などにつきましては、個人番号を記載することが各制度において法的に求められております。このため、個人番号の申請書等への記載が始まる来年1月に合わせ、広報ながの1月号でマイナンバーの記入や提示をお願いすること等について、市民の皆様にお知らせするとともに、それぞれの窓口で分かりやすく、丁寧に説明してまいります。
 最後に、長野市独自の利用拡大などについてであります。
 長野市独自のマイナンバーの利用につきましては、法定事務と一体的に事務処理を行っている1事務を条例に定めるため、今定例会に条例案を提出しているところであります。
 長野市独自の利用事務の選定に当たりましては、以下の3点に該当するか等について検討を行ってまいりました。
 1として、法定事務と一連の流れで手続が行われるなど、市民の利便性を確保する必要がある事務、2として、住民票や税証明書等の提出書類を省略することによって、市民の負担軽減とサービス向上を図ることができる事務、3として、国の特定個人情報保護委員会が独自利用事務として、各団体間での情報連携を承認した事務など、相対的に導入の必然性が高い事務であるかという点であります。
 今後、条例で定めていく事務は未定でありますが、これらの点に留意しながら、検討を行ってまいります。

◎企画政策部長(市川専一郎)
私から、初めに地方創生に向けての本市の方針等についてお答えをいたします。
 日本の人口は、2008年をピークとして減少局面に入り、このまま何も手を打たなければ、2100年には5,000万人を割り込む水準まで減少すると推計されております。加えて、地方と東京の経済格差が東京への一極集中と若者の地方からの流出を招いており、人口減少が地域経済の縮小を呼び、地域経済の縮小が人口減少を加速させるという負のスパイラルが進行してしまうという危機感から、国では全国的に地方創生に取り組むとしたところでございます。
 本市におきましても、長野市の創生を目指しまして、長野市人口ビジョンにおける産業や就労などに関する分析の下、今後、5年間に重点的に取り組む施策の指針となる、長野市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定に向けて取り組んでいるところでございます。
 今回の策定作業では、長野市総合計画審議会の下に設置をいたしました多様な分野からの市民参画による、まち・ひと・しごと創生作業部会において、アンケート調査での回答約7,000件や、児童・生徒・学生まちづくり意見交換会などからの御意見255件など、多様な市民の皆様の御意見も参考にしながら策定作業を進めてきたところであり、今後、パブリックコメントを実施する予定でございます。
 本市の総合戦略では、若年層の東京への流出や減少の続く出生数、中山間地域における高い人口減少率などの本市の抱える課題解決のために、本市のポテンシャルを基盤として、次代を担う若者の夢の実現と、多様な地域の魅力の活用を重点ポイントと捉える中で、市民の皆様が地域の魅力に自信と誇りを持ち、オール長野の体制で人口減少に挑めるような独自性を持った施策の構築を図ってまいりたいと考えております。
 また、課題解決のために設定をいたしました5つの目標の中に、共通の課題を持つ自治体との連携として、人口の減少が進む周辺市町村と共に圏域の経済活性化などに取り組む連携中枢都市圏構想を位置付けたこともポイントの一つと考えております。
 総合戦略は、策定することが最終目的ではなく、策定後の取組が大変重要であります。今後、議会や作業部会での御意見も伺いながら、若い世代が希望を持ち、誰もが生き生きと暮らし続けられる長野市を市民の皆さんと共に目指してまいります。

 次に、連携中枢都市圏構想についてお答えをいたします。
 連携中枢都市圏構想における連携事業を検討するに当たりましては、まずは圏域を形成する予定の市町村と長野市の双方から連携したい事業、連携する可能性がある事業など、できるだけ幅広い視点で提案していただいた結果、102の事業がリストアップされました。これらの提案事業の中には、事業の内容が似通っているため統合して実施することが効果的と考えられるもの、県が中心となって取り組んでいただくことが適当なものなどが含まれており、本市が中心となって連携を希望する市町村の担当課と事業内容や実施方法等の詳細について協議を進めてまいりました。
 その結果、現時点において、平成28年度当初から取り組むものとして取りまとめたものが、45の連携事業であります。
 今後、連携して取り組む事業は、その内容、数量とも増減や変更が考えられますので、平成29年度以降の新たな取組や事業の変更等に当たりましては、関係市町村からの申出を随時受け付け、速やかに協議に移行していくこととしており、柔軟かつスピーディーな対応に努めてまいりたいと考えております。
 今後の協議につきましても、それぞれの自治体が担うべき責任を果たし、その自立性を担保しながら連携を深めることができるよう、慎重に協議を進めることとし、中心都市としての役割を果たしてまいりたいと考えております。

◎財政部長(平野智也)
来年度予算編成についてお答えいたします。
 本市の平成28年度予算編成方針は、国の動向、市の財政状況等を踏まえつつ、多様化する市民ニーズに基づく財政需要が拡大の一途にある中で、本市が抱えている課題等に対して、適切な予算配分を行い、将来にわたって必要かつ安定した市民サービスを持続させていくため、従来にも増して計画的かつ堅実な財政運営が求められていることを示すために策定したものでございます。
 特に、市政の喫緊の課題である人口減少の克服による長野市創生を見据え、予算上もこれに対応すべく重点配分を行うこととしております。
 人口減少対策では、守る、育てる、つなぐをキーワードに、定住人口や交流人口の増加及び魅力ある地域づくりを進めることで、元気と活気があふれるまちを目指していくこととしております。
 この施策の推進過程におきましては、福祉、教育等を含め様々な分野の取組が、いわば縦横の糸となり、予算編成方針を踏まえて織り交ぜていくことにより、適切、効果的な行政サービスが提供されていくものと考えておりまして、長野市の未来への希望につながるよう、今後とも進めてまいります。

◎市民生活部長(原敬治)
私から、3点お答えをさせていただきます。
 まず、通学費の補助についてでございますが、人口減少が進む中山間地域では、定住を進める上で高校生の通学費負担が障害となっており、戸隠や鬼無里地区住民自治協議会から助成制度の創出要望を頂いているところでございます。
 また、鬼無里地区では、住民自治協議会独自事業として1人当たり年間1万円の補助を行っているところでございます。
 本市といたしましても、中山間地域の人口減少対策は大きな課題であり、通学費を補助することにより市街地への転居防止となるか、研究を始めたところでございます。
 市立の小・中学校につきましては、通学区が定められており、一定の通学距離を超える児童・生徒に助成をしておりますが、高校生などにつきましては、学校の選択が自由となっていることから、どの範囲まで補助をするのか、自家用車の便乗や下宿をしている生徒への対応をどうするのか、また、中山間地域外の生徒も遠距離通学を行っており、中山間地域と他の地域に住んでいる高校生との公平性も考えなければならず、様々な課題がございます。これら課題をどのように調整するかを含め、高校生の実態調査や、助成をしている他市町村の状況の調査を進めながら、助成制度の研究をしてまいりたいと考えております。

 続きまして、マイナンバー通知カードの配達状況と通知を受け取ることのできない人への対応についてお答えいたします。
 本市では、10月25日に地方公共団体情報システム機構から市内郵便局への差出しが完了し、住民票の住所地に世帯ごと順次配達が開始されたところでございます。11月29日までに1回目の配達が全て完了し、配達ができずに返戻となった通知カードは、11月30日までに8,147通となっています。
 内訳といたしましては、宛て所なしが3,096通、不在連絡票が入ってから7日間が経過しても受け取りにならなかった保管期間経過が4,986通、受取拒否が65通となっております。
 最終的に返戻となる通知カードは、当初想定していた1万5,000通を下回り、全世帯の6.3パーセントに当たります約1万通程度になる見込みでございます。
 返戻となった通知カードにつきましては、通知カード管理簿を作成し、スムーズな交付ができる体制を整え、順次普通郵便で受領依頼の案内を発送しております。これまでに1,760世帯に発送したところ、407世帯に受領していただいております。今後も順次準備が整い次第、案内を発送してまいります。
 なお、3か月程度の保管期間に受領いただけなかった通知カードにつきましては、国への返還手続を行いますので、その後に通知カードが必要な市民の皆様には、再交付の手続をしていただくことになります。
 次に、居所情報登録申請の申請件数についてお答えいたします。
 市町村ごとの登録件数につきましては、国及び県からの指導により非公表との取扱いとなっておりますので、公表は差し控えさせていただきます。
 なお、公表されている登録件数でございますが、申請期限の9月25日までに申請されたもので、全国が26万4,379件、長野県内が2,908件でございます。

 次に、住所不定者への対応についてお答えいたします。
 住所不定者は、住民登録がされていないため、現在、個人番号が付番されておりません。今後、住所設定がされた時点で新規に付番され、住所地に通知カードが送付されることとなります。
 いずれにいたしましても、保管期間の3か月の間に返戻となっている通知カードをより多くの市民の皆様に受領いただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 続きまして、証明書のコンビニ交付についてお答えいたします。
 証明書のコンビニ交付につきましては、現在、住基カードを利用することにより、全国で100の市区町村が実施していますが、マイナンバー制度における個人番号カードの活用により、今後多くの市区町村において導入が予定されております。
 導入のメリットでございますが、全国で4万7,000か所、市内では約170か所のコンビニエンスストアで年末年始を除き、土・日や祝日、朝の6時半から夜の11時まで、どこの店舗でも住民票の写しなどを取得することができ、住民の皆様の利便性はかなり向上するものでございます。併せて、行政窓口事務の軽減も期待できるものでございます。
 また、コスト面からもマイナンバーの個人番号を利用することにより、現行の住基カードを利用したコンビニ交付や自治体独自のシステムによる自動交付機の導入と比べまして、導入コストやカード交付に係る事務コストの削減が期待できるものでございます。
 さらに、システム整備費用やサーバーの保守費用、証明発行センターへの負担金などにつきましても、一定額、一定期間、国の特別交付税措置がされるというメリットも見込まれます。
 このようなことから、本市では、本年9月市議会でコンビニ交付に必要となるシステム整備費をお認めいただいたところでありまして、来年10月のサービス開始に向けまして、万全の準備を進めてまいります。
 なお、戸籍や税証明につきましては、システム開発のコスト面やマイナンバーの自治体間情報連携による需要減などから、今回、交付対象とはいたしませんが、今後、コンビニ交付の利用状況やマイナンバー制度導入による動向を見据え、改めて検討してまいりたいと考えております。

◎保健福祉部長(田中幸廣)
私から、まず在宅福祉介護料についてお答えいたします。
 昭和59年度に介護料支給の事業が創設されてからこれまでの間に、介護を必要とする人の自立を支援し、介護を社会全体で支え合う介護保険制度が平成12年度に、また地域で自立した生活を送るための支援を行う障害福祉サービスの制度が平成18年度に始まり、それぞれ自立支援の充実が図られてまいりました。
 これらの制度が始まる前の平成10年度における本市の高齢者福祉のための特別養護老人ホーム入所措置費、デイサービス、ホームヘルプサービス等の事業費は約36億7,000万円、また障害者福祉のための身体障害者、知的障害者の入所措置費、ホームヘルプサービス等の事業費は、約17億2,000万円でありました。
 平成26年度におきましては、現在の高齢者福祉サービスの根幹となっている介護保険給付費の総額は約292億4,000万円で、平成10年度と比べて約8倍に、また障害者福祉サービスの根幹となっている総合支援法に基づく介護訓練サービス給付費の総額は約51億8,000万円で、平成10年度と比べて約3倍に充実しております。
 こうした状況を踏まえまして、本市においては、在宅福祉介護料の支給額の見直しを段階的に行ってまいりました。平成21年度以降、年額で要介護4又は5に相当する方については3万5,000円、要介護3に相当する方については2万5,000円としております。
 その後も、ケアマネジャーやプランナーによるサービス計画により、サービスの利用が進んできていることから、新たなあんしんいきいきプラン21の策定、そして、障害者基本計画の中間見直しに際し、社会福祉審議会の老人福祉専門分科会及び障害福祉専門分科会の審議をいただきながら、支給の在り方について検討してまいりました。
 その結果、在宅で介護している方の労をねぎらう必要があるため、各分科会からは高齢者、障害者とも、当面は現状の額で継続するという御意見を頂いております。
 今後も、高齢者や障害者の尊厳を守り、自立した生活を支援するため、根幹となっているサービス、基本的なサービスを充実させるよう、必要な財源の確保に努めてまいります。
 また、見舞金につきましても、難病患者に対する見舞金は平成25年度から、また人工透析患者及び在宅酸素療法者に対する見舞金は本年度から廃止いたしました。
 見舞金は、創設当初から20年以上経過し、先ほど申しましたように、障害福祉サービスの充実が図られてきたことなどから、長野市社会福祉審議会の答申を頂いて、廃止したものでございます。
 障害者、障害児の支援につきましては、障害者総合支援法又は児童福祉法に基づく障害福祉サービス体制の充実を図るとともに、市民のお気持ちに寄り添ってきめ細かい相談に努めながら、一人一人に合ったサービスを提供してまいります。
 財政調整基金を取り崩し、福祉事業に財源充当するようにという御提案でございますが、財政調整基金は、年度間の財源の不均衡を調整するために本市条例で積み立てていることから、おっしゃられるような福祉事業の目的のために取り崩すことはできないこととなっていますので、御理解ください。
 少子高齢化が進み、市税収入に大きく影響する経済の先行きも不透明な状況にあります。次の世代も安定した生活を送れるよう、基金はその目的に沿い、いざというときの備えのため大切にしてまいりたいと考えております。

 次に、生活保護申請に当たってのマイナンバーの取扱いについてお答えします。
 議員がおっしゃるとおり、生活保護は住民票の所在地にかかわらず、居住地を管轄する福祉事務所が保護の実施機関とされており、実際に居住実態のある場所で申請をしていただくことになります。
 生活保護事務は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第9条に規定された事務でありますので、申請に当たってはマイナンバーの提示をお願いすることになりますが、マイナンバーの通知カードを失くしてしまったり、受け取っていないなどの事情により、マイナンバーの提示がなかった場合でも、申請を受理し、必要な調査を行った後、保護を開始することになります。その上で、住民登録のない方については、住民票作成の手続等の支援を行っていくこととしております。
 生活保護は、生活保護法第4条に規定されているとおり、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを活用しても、なお最低限度の生活が営めないことということが保護の要件であり、マイナンバーの提示は保護の要件ではございません。
 したがいまして、本市はマイナンバーの提示の有無にかかわらず、保護が必要な方については、生活保護法にのっとり、必要な保護を適切に実施してまいります。

 続いて、介護保険関連の申請の対応と介護施設でのマイナンバー管理についてお答えいたします。
 平成27年9月29日に介護保険法施行規則が改正され、平成28年1月1日から介護保険の申請事項等に個人番号を追加することとされました。厚生労働省から個人番号に関する留意事項が本来、10月中に発出される予定でございましたが、いまだに発出されていないことから、厚生労働省老健局へ介護保険に係る個人番号の取扱いについて照会いたしましたところ、次の留意事項を確認いたしました。
 個人番号の記載がないことを理由に申請書の受理を拒まない。個人番号が空欄の場合は、市職員が確認して記入する。介護施設等が情報を蓄積、保管することは好ましくないといったような内容でありました。
 マイナンバーの取扱いについて、ケアマネジャーや介護事業所に疑問が抱かれているという御指摘でございますので、当面、今申し上げた内容を介護事業所の皆様に周知してまいります。
 なお、留意事項につきまして厚生労働省から正式な通知が出されましたら、その内容を改めて周知徹底してまいります。

 次に、アンケートの結果と今後の対応についてお答えいたします。
 介護職員等に関するアンケートは、6月に実施し、110施設に照会し、81施設から回答があり、回答率は73.6パーセントでございました。このうち51施設、63パーセントが介護職員等が充足していないと答え、64施設、79パーセントが過去3か月以内に募集を行っています。
 介護士については、204人の募集に対し採用人数は147人、採用率72.1パーセント、うち介護職の経験のある者が90人、61.2パーセント、新卒者は33人、22.4パーセントでした。
 看護師については、29施設、35.8パーセントが募集し、41人の募集に対し採用人数は22人、採用率53.7パーセントでございました。
 また、介護士、看護師について、現在も募集中、又は今後も募集する施設が50施設、61.7パーセントと多数ありました。
 各施設とも法令上の人員配置基準は満たしていながらも、余裕を持った職員数を確保したいと考えて募集していると思われます。利用者のサービス向上や休暇取得等による職場環境の改善のためといったお考えもあると思います。
 介護人材確保のための今後の対応といたしましては、アンケートの結果から新卒者の介護職への就職が少ないことが分かってきましたので、県及び関係機関と連携し、市内、県内の介護福祉学科等の設置された学校へ市内介護施設への就職の働き掛けなどが必要と考えています。
 併せて、就職情報サイトおしごとながのの活用により、介護事業所のイメージアップを図ることや、長野県福祉人材センターによる事業者と求職者のマッチング支援や就職相談会の開催などを事業所へ周知してまいりたいと考えております。

 次に、現行相当サービスを中心とした新しい総合事業の構築についてお答えいたします。
 介護保険法改正による要支援1と2の認定を受けている方に提供している介護予防訪問介護と介護予防通所介護は、新しい総合事業に移行することになります。これにより、全国一律の内容で提供している介護予防サービスを新しい総合事業に移行することで提供体制や内容を多様化し、現在よりもサービス内容の選択の幅を広げるというものです。
 どのようなサービスを利用するかについては、地域包括支援センターの職員等が介護予防ケアマネジメントを行う際に、利用者の心身の状態やサービス利用の目標を確認し、利用者と共に必要なサービスの選択を行うことになります。
 新しい総合事業では、利用者個々の状態に合わせて、自立した生活を目指すために必要なサービスを選択できることから、基準緩和のサービスや住民ボランティアによるサービスなどの多様なサービスの利用を促進するものです。
 新しい総合事業開始後でも、介護予防ケアマネジメントの中で、現行相当のサービス利用が適当であると判断される方、あるいは多様なサービスの利用が困難な地域にお住まいの方、こういった方は必要に応じて現行相当のサービスの利用ができます。
 基準緩和したサービスも含め、多様なサービスの内容や実施方法、基準等については現在検討中でありますので、今の時点で利用者の皆様に向けて基準緩和のサービスに変更するような指示は長野市では行っておりません。
 現行相当のサービスの提供に当たりまして、単価は国の定める基準により算定した額以下の範囲で市が定めるものとされています。市独自で上乗せすることは考えておりませんし、国に引上げを要求することも、今のところ考えておりません。
 新しい総合事業は、現行相当のサービスと多様なサービスにより構築する方針です。多様なサービスは利用者が基準緩和したサービスを提供する事業者や支え合いによる活動が広がる中で利用が進むものと考えておりますので、新しい総合事業開始後、しばらくの間は現行相当のサービス利用が中心になるものと想定しております。新しい総合事業への円滑な移行を進めながら、地域の皆様によるボランティア活動等の支え合いの活動づくりについて、御協力をいただいてまいりたいと考えております。

 次に、特別養護老人ホームの入所についてお答えいたします。
 平成27年4月から、原則として要介護3以上の方が入所できるようになりましたが、要介護1や要介護2の方であっても、やむを得ない事情がある場合は、特例的に入所できることになっています。要介護1、2の方が施設に入所の申込みをされた場合、施設では必要に応じ、市に特例入所に該当するか意見を求めることになっております。
 市では、施設入所申込書の写し、在宅でのサービス提供状況、ケアマネジャーへの聞き取り、認定調査での概況、医師の意見等を個別に検証し、県のガイドラインに基づき、特例入所に該当するか回答をしております。
 特例入所の事由があると認めたケースは、認知症により日常生活に支障を来すような影響が大きく、在宅サービスを可能な限り利用しても、なお在宅での生活が困難と認められた方です。
 また、特例入所の事由があると認めなかったケースにつきましては、在宅サービスの利用の余地が見受けられたことにより、特例入所の理由からは外れると回答いたしました。
 入所申込者の多い特養において、在宅サービスを最大限活用しても、在宅での生活を送ることが困難である入所申込者を優先入所させることを目的とした県のガイドラインの趣旨に沿い、意見を求められた申請者が特例入所に該当するか否か回答しております。

 次に、特養の不足、今後の計画についてお答えいたします。
 第6期介護保険事業計画におきまして、可能な限り在宅で生活を続けられるために、在宅サービスの充実を図るとともに、在宅生活が困難となった人のために施設・居住系サービスの基盤整備を促進しております。特に、住み慣れた地域で安心して暮らしていくことができるよう、地域密着型サービスの整備を促進することとしております。
 平成27年3月現在の特養入所希望者は、昨年までの1,600人台から減少しておりますが、1,284人と依然として多い状況です。このうちの919人が要介護3以上で、うち419人が老健施設などに入所していない在宅の方です。
 あんしんいきいきプランの今期の事業計画におきまして、入所施設を600床整備する計画を立てており、既存施設の増床、又は転換及び新規施設の整備をしてまいります。
 今年度既に第1次選考を行い、小規模特養2施設、認知症グループホーム2施設の整備事業者を11月2日に決定したところでございます。引き続き、特養への入所希望者や従事する介護職員の需給バランス等を勘案しながら次の公募を行い、整備事業者を決定してまいりたいと考えております。
 次に、介護保険法改正の影響と実態調査についてお答えいたします。
 介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設とショートステイを利用する方で、低所得の方には食事代、部屋代の負担軽減制度がございますが、この8月から判定基準が変更となり、一定額以上の預貯金等のある方は御自身で御負担いただくことになりました。補足給付申請を却下される方が今までどおり施設入所を続けられるかどうかについて、個別の調査は行っておりません。却下となった方の入所している施設から、8月末から9月にかけて、補足給付認定の問合せを何件か受けておりますが、施設から退所という報告は受けておりません。
 補足給付の対象件数は、制度改正前の7月は3,738件に対し、改正後の8月は3,944件と増加しており、一方補足給付の給付額の方は、7月分は8,865万2,000円に対し、8月分は8,563万8,000円と減少しております。これらの数値からは補足給付の基準変更に伴う影響や因果関係は今のところ分かりません。また、今年8月から一定以上の所得のある方は利用者負担が2割となり、長野市の認定者のうち約10パーセントの方が該当しております。
 利用者負担が2割となった影響につきまして、8月利用分については、高額介護サービス費の給付該当になる方が従来の3倍になっております。このことは、利用負担上限額を超えて支払ったサービス利用料が払い戻されることで、セーフティーネットが利いていることの現れでもございます。
 2割負担の影響について、高額介護サービス費の給付があっても、本来必要とする介護サービスを減らす方がいるのか、平成28年度に介護サービス利用実態調査を行いまして、そこで利用者の意向を伺う予定でございます。
 また、介護サービス提供事業所調査、居宅介護支援事業所調査、地域包括支援センター及び在宅介護支援センターの調査についても、平成28年度に行う予定でございます。

◎商工観光部長(久保田高文)
私から、プレミアム商品券についてお答えいたします。
 国の交付金を活用し、総額24億円を販売したながのプレミアム商品券につきましては、11月30日時点での集計では、利用された商品券の換金総額は19億9,728万7,000円で、換金率は83パーセントとなっております。
 換金額の比率では、大型店での利用が14億2,223万6,000円で約71パーセント、中小店での利用が5億7,505万1,000円で約29パーセントとなっております。前回の平成21年のながのきらめき商品券では、中小店での利用が約20パーセントにとどまったことから、今回はプレミアム分の10パーセントを中小店専用券とするとともに、小さな買物に便利な500円券を新設したことにより、中小店での利用が29パーセントに伸びたものと考えております。
 経済波及効果でございますが、具体的な消費動向に基づく経済効果を国に報告することになっておりまして、今後、商品券の換金実績、利用者のアンケート調査、商品券取扱店のアンケート調査について取りまとめを行います。
 さらに、商品券の利用額など、直接的に喚起した消費額や商品券によって誘発された新規の消費額などについて算出をしてまいります。
 以上のことから、議員御質問の経済波及効果の見通しにつきましては、今のところ把握ができておりませんので、御理解をお願いいたします。
 なお、来年1月11日の有効期限まで残り1か月余りとなっております。折しも本日、新聞折込みがございましたが、商品券が使い残されることのないように、今後、市民の皆様に対してしっかりとPRをしてまいりたいと考えております。

◎農林部長(広沢吉昭)
TPPによる米、野菜、果樹など、長野市農業への影響についてお答えします。
 農林水産省は、11月上旬に品目ごとの農林水産物への影響をホームページで公表しましたので、国の分析に基づいてお答えします。
 米の輸入に関しましては、現行の国家貿易制度が維持されるとともに、1キログラム当たり341円の枠外税率が維持されました。国家貿易による輸入量は、既存の世界貿易機関--WTO枠77万トンの他に、アメリカ、オーストラリアに対して国別輸入枠を13年目までに2か国合わせて7万8,400トン追加設定することになりました。
 農林水産省では、この国別枠の輸入量に相当する数量の国産米を備蓄米として買入れ、市場に流通する主食用米の総量を増加しないようにすることで、価格への影響を防ぐという方針でございます。
 野菜に関しましては、アスパラガスやカボチャは関税は即時撤廃ですが、関税率が3パーセントと低率であることや国産と輸入品の時期的なすみ分けがされていることから、影響は限定的と見込まれるとしています。タマネギに関しましては、現在の関税率の8.5パーセントを段階的に6年目に撤廃するものですが、輸入量の8割以上はTPP不参加国である中国からの物であり、輸入品の95パーセントが加工、業務用に使用され、国産品と用途の差別化が図られていることから、影響は限定的と見込まれるとしています。
 果樹のうち、本市の主要品目であるリンゴにつきましては、11年かけて関税を撤廃しますが、生果--加工しない生の果実は、国内生産量は74万トン、輸入は2,000トン程度で輸入品の割合は約0.3パーセントと、ごく僅かの状況です。リンゴ果汁ですが、国内生産量1.3万トン、輸入量8.7万トンと輸入量は多いのですが、7割を中国産が占めており、TPP参加国からは1割程度の状況です。このことから、影響は限定的と見込まれるとしています。
 農林水産省は、およそ40品目について影響の分析結果を公表しておりますが、政府は年内に経済効果分析結果を公表する予定とのことですので、今後も情報収集に努めてまいります。

◎都市整備部長(轟邦明)
私から、権堂のまちづくりについて、再開発事業が活性化にどのように役立っているか、その検証が必要ではないかについてお答えいたします。
 本市では、これまで市内10地区で再開発事業を行っており、低未利用地や狭小宅地を統合した共同建替えに伴う容積率は従前の約2.6倍となるなど、土地の高度利用が図られてきました。
 また、住宅の整理では、優良建築物等整備事業を含め約940戸が供給され、居住人口の増加が図られたとともに、中心市街地における人口割合が、平成19年では2.31パーセントであったものが平成27年では権堂B1地区を含め2.44パーセントとなり、人口減少の時代にある中で増加傾向となっており、中心市街地の空洞化対策に一定の効果を上げております。
 また、耐火・耐震建築物の整備により、事業区域内の不燃化率は42パーセントであったものが100パーセントに向上するなど、防災面においても寄与しております。
 再開発事業が行われたトイーゴにおいては、生涯学習センターの利用者数も、ここ数年約18万人台と安定しており、中心市街地が子育て支援、国際交流、教育、学習等のため、交流と憩いの場として認知され、定着しつつある状況がうかがえます。
 また、トイーゴ広場の年間イベント開催日が約70日、年間来場者数は約7万人であり、中心市街地のにぎわいの創出に効果を発揮しているものと考えております。
 権堂B1地区市街地再開発事業では、分譲マンション建設によりまちなかの人口が増えるとともに、市民交流センターや市民交流広場がイベント等に使用されることでにぎわいが創出され、権堂地区の東の玄関口として、権堂地区全体の更なる発展に貢献することが期待されます。
 このように市街地再開発事業は、低未利用地や細分化した土地を統合し、防災性に優れた共同建築物の建築及び公園、街路等の公共施設の整備と有効なオープンスペースの確保を一体的、総合的に行い、安全で快適な都市環境を創造する上で有効なまちづくりの一つであると考えます。
 今後も、再開発事業の有効性については、費用対効果も含め多方面から検証を進め、今回、御提案のあった権堂地区も含め、再開発が必要な地区及びより効率的な整備手法の検討を行ってまいりたいと考えます。

◆野々村博美
それでは、再質問をお願いいたします。
 最初に、加藤市長の政治姿勢について伺いたいと思います。
 私は、戦争法に関しては立憲主義を破壊をしていると、民主主義と立憲主義に対して安倍政治への評価はどう考えていらっしゃるかということをお聞きしましたので、改めてそのことについて再質問をお願いいたします。
 それから、辺野古新基地建設の問題については、賛否が分かれているという御認識を示されました。これはもう政治的には決着が付いています。参議院選挙、総選挙を通じて、辺野古新基地建設を推進しようとする勢力は全て選挙で負けてきたわけです。そういう点では、賛否が分かれているという認識は、改めるべきではないかと思います。その点、1点お伺いをしておきたいと思います。
 それから、アベノミクスはおおむね評価をし、道半ばとのことですが、これ以上進めていただきたくないというのが私たちの見解です。アベノミクスの評価については、再度お聞きしたいと思います。
 内部留保だけは増えているけれども、しかし、求人については非正規雇用が中心です。正規雇用にはなっていない。内部留保が決して経済に対していい影響を与えていない。やはり社会に還元するためには、給与を上げていくことが一番であると思います。内部留保の活用ということで、給与を上げる、あるいは下請に対する単価の引上げ、そういうことに対してはどのように考えていらっしゃるか、伺っておきたいと思います。
 それから、これは長野市に直接関係しますが、自衛隊に便宜を図る長野市の姿勢というのは、これは改めるべきだと思います。今、自衛隊、若者でありますその皆さんが実際に戦地へ行かなければならないような事態が進んでいる。そのときに、やはり多くの市民、特に若い人たちのいるお宅では大変心配をしている。そういう中で長野市があえて名簿を全て整理して提供している、ここはやはり決定的に他都市と違っているところです。是非改めていただきたい、改めてそのことについて、市長にお伺いをしておきたいと思います。

◎市長(加藤久雄)
今、議員の方から立憲主義ということにつきましてお話を頂いたわけでございますが、それを含めてまだまだ国民に対する説明が不足しているんではないかというふうには思っております。
 それから、辺野古への移設の問題でございますけれども、やはり沖縄県に負担が非常に多くなっているということでございまして、できれば県外ということもありますけれども、現状では普天間に対する危険が非常に高まっているわけでございまして、そういう意味では、辺野古への移設というものを十分考えられるというふうに思っております。
 できれば、大変沖縄県に負担を掛けるわけでございますけれども、やはり現状ではそういう形でお願いをするというふうにしていかざるを得ないんではないかというふうに思っております。日本の安全という面を考えていけば、そういうふうに考えております。
 アベノミクスにつきましては、お話のようにまだまだ浸透はしておりませんけれども、やはりできるだけ早く地方に浸透できるような形になればというような期待をしております。
 また、自衛隊への名簿の提供につきましては、先ほどお答えしたとおりでございますので、よろしくお願いいたします。

◆野々村博美
基本的に認識が違っている部分もありますので、自衛隊の名簿については、これは本当に大きな市民の関心事にこれからなっていくと思います。長野市の姿勢をただしていただきたい、そのこと再度申し上げて、次に移ります。
 市民生活関連の応援の予算編成についてですけれども、改めて長野市の民生費予算、中核市45市の中で下から7番目、39位です。確かにこの中には長野市の生活保護受給率が他都市より低いという、それは大きな要因であることは、私も認識をしております。
 であるならば、余計にそういうところで、生活保護の受給者の人たちが低い、その分長野市は、民生費予算に他都市に比べたら余裕があるわけですから、もっと多くの人たちに民生費予算を回していく、そういうことを是非申し上げておきたいと思います。
 実際には、捕捉率といいますが、生活保護基準以下で暮らしている多くの人たちがいます。受けていないだけなんです。でもその人たちに少しでも応援をする姿勢を示すことが必要だと思います。
 長野市の予算の特徴として、民生費予算が少ないことと、併せてもう一つ、商工観光費の予算が他都市に比べて高いです。中核市平均が3.3パーセント、長野市は6.7パーセントになっています。約2倍商工観光費については、予算が付けられております。
 これは決して全て悪いと否定するわけではありません。しかし、鷲澤市長、加藤市長と2代続けて民間の経営者の方が長野市は市長になられました。経営感覚を生かしてやっていただくことを決して否定をするわけではありませんが、しかし、市のやるべきことは、お金もうけのための行政ではありません。多くの市民の生活を守る、それが一番長野市がやらなければいけないことなんです。だから、商工観光費、そこが2倍になっている、この事実と、民生費は下から7番目という、この事実を是非重く受け止めていただきたい。
 安倍政権の下で、本当に市民の生活は困窮をし続けています。そういうところにもっと温かい視点を向けていただきたい、そのことを心からお願いをしたいと思います。再度、その問題について御答弁を頂ければと思います。
 それから、在宅福祉介護料ですね、今、本当に大きな社会問題になっています。高齢者の困窮世帯が激増している、その一つの要因が介護保険の導入です。先ほどお話がありました平成10年度、36億7,000万円だった高齢者福祉の関係が介護保険が導入されて今、292億円になったというお話ありましたけれども、これ全て税金で賄っているわけではないはずです。この292億円の中に市民が負担をしている、自己負担の分が相当あるわけです。高い保険料を払い、高い利用料を払い、その結果が292億円にもなっています。その結果、貧困層が一層増えているんです。
 だからこそ、介護保険を利用したくてもできない人たちだってたくさんいるわけですから、是非在宅福祉介護料については、増額をしていただきたい。
 飯山市は、県下の中で一番小さな市です。そこが3万円、そして一番大きな長野市が3万5,000円、下から1番目と2番目、これが事実なんですよ。他の都市は、介護保険が導入されても、ここまで介護慰労金を切り捨ててこなかったんですね。ここにも長野市の冷たい市政が現れていると、私は強く危惧をしております。少しずつでもいいですから、是非この分野を増やしていただきたい、改めて要望をして御答弁をお願いいたします。

◎市長(加藤久雄)
商工観光費の割合、また民生費の割合、それぞれ内容につきましては、一概に他市と比べていいというものでもございません。御意見を参考にしていきたいと、このように思っております。
 ただ、いろいろ含めまして、私も長野市の発展、そして長野市民の幸せのためには全力を尽くしていくという思いについては同じでございますので、よろしくお願いします。
 あと介護につきましては……。
 以上で終わります。

◆野々村博美
思いは同じであるということですので、是非来年度の予算編成にその思いをしっかりと示していただきたいということでお願いをしておきたいと思います。
 それで、中山間地域の子供たちの高校への通学の補助制度については、今、研究、検討しているというお話でした。是非これは早急にやってください。そして、これは地方創生、その中にも大きく関連をしてくることで、移住・定住、これには欠かせません。是非とも来年度実行に移していただくように強く要求しておきたいんですが、来年度に向けてはどうなのか、その辺をお聞きしておきたいと思います。

◎市民生活部長(原敬治)
高校生の通学費でございますが、先ほど御説明したとおり、いろいろな課題がございます。この課題をクリアするには、少しお時間を頂きたいというふうに考えているところでございます。

◆野々村博美
時間的な余裕はないと思います。毎年毎年子供たちが高校へ行くことによって下へおりてしまうお宅が1軒、2軒といることを考えれば、もう一刻も早くこの制度を実現して応援するから、この地でとどまって頑張ってくれと、こういうことを是非長野市の姿勢として示していただきたいと思います。
 それから、介護申請については、事業所の方に通知を出していただくということですので、混乱のないように、是非よろしくお願いをいたします。
 それから、長野市の介護保険のアンケートをとっていただきましたが、しかし、そのアンケート結果から導き出された意見がきちんと専門職は配置しているけれども、しかし、足りているんだが、余裕を持たせるために募集をしていると、この認識がそもそも間違っています。どれほど介護保険の事業者が苦労しているか、そこで働いている人が苦労しているか、この実態を調査してくれというのが介護現場の切実な声なんです。是非そういうことを踏まえて、再度実態の詳細な調査をお願いしたいと思います。
 この皆さんの苦しみが分かりますか、是非部長、お願いします。

◎保健福祉部長(田中幸廣)
先ほど、あんしんいきいきプランの計画の中で施設整備もしていかなければいけないということも申し上げました。その中で、特別養護老人ホーム待機の方の実態の調査ですとか、今既に特別養護老人ホーム等入所施設を経営されているところの介護職員の需給状況の関係ですとか、そういったことを改めて把握して、それからこの600床を増やすという計画をどのようにやっていくか、検討していきたいと考えております。

◆野々村博美
増やすためには介護職の人たちが必要なんです。その人たちが足りないんです。是非しっかり……

»一覧に戻る

年度別に見る

カテゴリ別に見る

議会報告の検索

皆様のご意見をお待ちしております

日本共産党長野市会議員団

長野市緑町1613 長野市役所内日本共産党控室
TEL 026-226-4911(内線3936)FAX 026-266-7882

お問い合わせ
トップへ戻る