2015年12月定例市議会 滝沢しんいち議員2
総務委員会委員長報告の請願第29号安保関連2法の廃止を求める意見書の提出の請願の不採択に反対の立場から討論
◆滝沢真一
日本共産党長野市会議員団、滝沢真一です。
総務委員会委員長報告の請願第29号安保関連2法の廃止を求める意見書の提出の請願の不採択に反対の立場から討論を行います。
請願者である長野市「憲法9条の会」連絡会の請願趣旨では、平和安全関連法は、憲法9条が禁じる国際紛争解決のための武力行使を可能にするもので、憲法違反であること、平和安全の名にかかわらず、その内容は紛れもなく戦争法であること、憲法解釈を180度覆した閣議決定に基づいた違憲の立法は、内閣と国会による立憲主義の否定であることを指摘し、平和安全関連法の廃止と立憲主義の原則を堅持し、憲法9条を守り、生かすことを求めています。
安全保障関連法では、国際平和支援法と重要影響事態法によって、海外で他国の軍隊に対し弾薬補給や武器の輸送などの兵たん支援が可能となっています。米国の海兵隊教本にも、兵たんは戦闘と一体不可分、戦争行動の中心要素と記されており、兵たんは戦争ではないなどという言い訳は、国際社会では、およそ通用するものではありません。
また、日本がどこからも攻撃されていなくても、他国への攻撃を、日本の存立危機事態であると時の政権が判断すれば、集団的自衛権行使を可能としており、正に日本を海外で戦争できる国へとつくり変えてしまう、憲法違反の戦争法にほかなりません。
総務委員会での討論の中で、イエメンの内戦やイラン・イラク戦争を例に出して、邦人輸送、邦人救出のために今回の法律が必要だと言われた議員の方がいました。
しかし、政府は、自衛隊投入には、その場で武力紛争が発生していないこと、領域国が治安維持に当たっていることを条件に挙げており、今回の法律では、自衛隊は戦闘現場での救出作戦を行うことはできません。
また、既に自衛隊法には、緊急事態に海外の邦人を防護し、輸送する規定があります。
安倍首相は、戦争法の成立を受け、アフリカ、南スーダンのPKOに参加している自衛隊の任務を拡大し、駆けつけ警護などを可能にすることを検討しています。
南スーダンでは、政府と反政府勢力との武力衝突で、事実上の内戦状態となっています。国会審議でも、宮崎元法制局長官から、停戦合意が崩れれば、たちまち深刻な混乱を招き、結果的に憲法違反の武力行使に至るおそれが大きいなど、重大な問題点が指摘されており、今最も現実的な危機は、自衛隊員が戦後初めて海外の戦闘で人を殺害したり、自衛隊員からも戦死者が出ることです。
また、戦後半世紀にもわたって歴代政権が、憲法9条の下では集団的自衛権は行使できないとしてきた憲法解釈を、一内閣が独断で覆してしまったことに対しては、圧倒的多数の憲法学者、元内閣法制局長官、元最高裁判事までもが、憲法違反であるとの指摘をしています。どれだけ国会で数の多数を得ていたとしても、憲法違反の法律を作ることは、許されることではありません。
請願に反対する議員からは、国会で成立した法に対して、市議会で反対するのはどうかとの意見がありました。しかし、憲法第99条には、天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負うと記されており、憲法違反の法律が強行されたのであれば、それに対し反対することは、憲法を擁護する立場にある市議会議員として、当然の責務ではないでしょうか。
自衛隊は、憲法9条を行使することで、戦後70年間、一人の戦死者も出さず、戦争で一人の外国人も殺さずにやってくることができました。今度この法律によって海外の戦場へと送り出されるのは、武器を持った自衛隊員、私たちのような若者たちです。日本の若者たちが、海外の戦場で誰かを殺すかもしれない、誰かに殺されるかもしれない、そんな無責任な法律を絶対に許すわけにはいきません。
以上のことから、安保関連2法の廃止を求める意見書の提出の請願の採択を求め、私の反対討論を終わります。ありがとうございました。