議会報告

2015年6月定例市議会 原田のぶゆき議員

総務委員会委員長報告の請願第6号戦争につながる安全保障関連2法案を廃案にするよう国に意見書を提出することを求める請願の不採択に反対の立場から討論

◆原田誠之
 39番、日本共産党長野市会議員団の原田誠之です。
 総務委員会委員長報告の請願第6号戦争につながる安全保障関連2法案を廃案にするよう国に意見書を提出することを求める請願の不採択に反対の立場から討論を行います。
 請願者である新日本婦人の会の請願趣旨は、いつでも、どこでも、米軍主導のあらゆる戦争に自衛隊が参加し、日本が直接攻撃されていなくても、平時から集団的自衛権の行使に至るまで、どんなときにでも米軍を支援することが可能になること。自衛隊が地球規模で戦闘の場に行き、武器を使用し、殺し、殺されることが現実になること、世界に不戦を誓った憲法9条を壊し、戦後日本の国の在り方を根底から覆すものと指摘し、廃案を求めております。
 請願団体の子育て中の若いお母さんが、総務委員会で参考人として意見陳述を行いました。総務委員会委員以外の議員の皆さんにその要旨を紹介したいと思います。
 この法案により、私は子を持つ母親として今、我が子の未来に希望を見出せなくなる事態が突き付けられていることに不安がいっぱいです。実際、戦闘地域まで行くのは誰ですか。また戦乱が続く地域に行くのは誰ですか。アメリカと海外で武力行使するのは誰ですか。安倍首相でも、大臣でも、国会議員でも、ここにいらっしゃる市会議員の皆さんでもなく、私の夫や若者、そして子供たちです。今、きらきら輝いている子供たちが米軍からの要求で世界のし烈な戦場に派兵されていくのです。子供を殺されるために、人を殺すために育てている親がどこにいますか。そんな親はいません。私の子は、将来、お母さんの好きなシュークリーム屋さんになると夢を話してくれました。この無邪気でかわいい子供たちの手に銃を持たせるわけにはいかないのです。何としても、守らなければならないのですと、痛切な訴えです。
 さらに、長野市でも大小様々な集会、デモ、街頭宣伝行動が行われています。戦争反対、憲法9条を守れと声を上げています。市民の声を市政に届けるべき市会議員の皆さん、市民の声を聴いてください。市民を危険にさらすような法案を押し付けないでください。私たちはこの法案を許すわけにはいきません。このままでは、子供たちを戦場に送らなければならない未来がやってくるかもしれないのです。日本の子供たち、世界の子供たちの未来を守ってください。日本人が武器を携えて海外へ行くようなことは、絶対にやめてほしいと心から願っています、との訴えです。
 この思いは、国民多数の思いであり、さらに戦争法案に関わる自民党のマスコミへの言論抑圧と重なり、日本列島が騒然としております。新友会や公明党議員の皆さん、事態の動きを真摯に受け止め、廃案の選択こそ賢明なる態度ではないでしょうか。
 さて、大きな問題となりました新三要件であります。憲法9条は、1項、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄、2項、陸海空軍その他の戦力は、保持しない。交戦権は認めない。つまり憲法9条は、武力は持たない、戦争はしない、他国で戦争しても協力はしないと決めているのであります。この憲法があるからこそ、この70年間日本はただの一人も他国民を殺傷せず、殺されもせず、今を迎えております。
 新三要件は歯止めがあるので憲法9条を守ることができるとしていますが、にもかかわらず、総務委員会ではどうでしょうか。
 新三要件を普通に読めば、我が国の存立も脅かされ、国民の命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるという場合、また危険を排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るに適当な手段がない。さらに必要最小限の実力行使にとどめるとしているので、集団的自衛権ではない。個別的自衛権の範囲だと言っております。
 今度の法案は、アメリカが世界のどこであれアフガン戦争、イラク戦争のような戦争を引き起こした際、これまで政府が戦闘地域と呼んでいた場所まで自衛隊を派遣し、米軍への軍事支援をできるようにするものであります。
 戦闘地域まで行けば、自衛隊が相手から攻撃されることになる。攻撃されたら、武器の使用をする、これは安倍首相も認めました。非戦闘地域での活動が建て前であったイラク派兵でも対戦車弾、無反動砲などで重武装している自衛隊が応戦をすれば戦闘そのもの、憲法9条が禁止している武力の行使になることは明らかであります。
 自衛隊を危険な地域に送れば、間違いなく戦死者が出るとイラク戦争当時の柳澤内閣官房副長官補の発言です。同盟国が戦争したら、日本の存立危機と判断すれば、政府は後方支援を理由に弾薬や燃料の補給、武器や兵員の輸送、壊れた戦車の修理などは国際的には兵たんと呼ばれる活動で攻撃の一番の目標とされるのは、軍事の常識です。自衛隊が後方支援、つまり兵たんをしている場所が戦場になるのであります。
 米軍教科書には、兵たんは戦闘と一体不可分と書かれており、武力の行使と一体でない後方支援など世界では通用しません。
 安倍首相は、安全保障環境の根本的な変容として、繰り返し持ち出しているのがホルムズ海峡の機雷封鎖による石油途絶問題であります。ホルムズ海峡を巡る情勢変化によって日本の存立を脅かす現実の危険が生まれているのか、中谷防衛大臣は、中東地域の安全保障環境の変化が直ちにホルムズ海峡の航行に影響を及ぼす危険があるというわけではないと見解を示しています。
 首相がこの問題を持ち出すのは、機雷掃海活動の分野で、自衛隊の能力が優秀であって、その活用をアメリカが望んでいるからでありますと、前日の前柳澤内閣官房副長官補が指摘しております。アメリカの言いなりに海外での武力行使に乗り出す違憲の戦争案は廃案以外にありません。
 戦争している同盟国アメリカの要請があれば、日本存立危機事態としてどこへでも自衛隊を派遣し、日本が攻められていなくても、必要最小限の武器の使用は武力行使でないとして戦闘に加担することは、集団的自衛権そのものです。武器を使っても武力行使でないなどと言っているようでは、会期を幾ら延長しても、分かりやすい説明をと言ってみても通用しません。
 総務委員会で武力の行使については、戦闘地域に出掛け、攻撃されたら、必要最小限の実力行使は、武力行使に当たらない、これは公明党委員の言い分です。そこで、攻撃されたら応戦することになる。撃ち合いに成らざるを得ない。必要最小限の実力行使は武力行使ではないのか、誰が決め、どの程度のものかとただしたが、納得できる答弁はありませんでした。
 委員会室を埋めた傍聴者からは、とんちんかん、意味不明だとの声が寄せられております。納得できる説明もなく、道理もない法案を数の力で押し通すことは許されません。
 請願者の願意を酌み、本請願、戦争につながる安全保障関連2法案を廃案にするよう国に意見書を提出することを求める請願の採択を求め、議員各位の、取り分け新友会、公明党議員の皆さんの御賛同を心より訴え、私の反対討論とします。

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