2015年6月定例市議会 佐藤くみ子議員
請願第5号集団的自衛権の行使を認める安全保障関連法案の廃案を求める請願について、賛成少数で採択を否決した総務委員長の報告に反対し、請願を採択し、意見書を提出すべきとの立場で討論
◆佐藤久美子
35番、日本共産党長野市会議員団佐藤久美子です。
請願第5号集団的自衛権の行使を認める安全保障関連法案の廃案を求める請願について、賛成少数で採択を否決した総務委員長の報告に反対し、請願を採択し、意見書を提出すべきとの立場で討論を行います。
請願は、戦争やだね長野集会実行委員会、代表は弁護士の和田清二氏が提出したものです。意見陳述は事務局長の田澤洋子さんが行いました。40人以上の傍聴者が駆け付け、審議を見守り、市民の関心の高さを示した審議でありました。
請願趣旨では、6月4日の憲法審査会で自民党など、各党の推薦で参考人招致された憲法学者3人がいずれも憲法違反との見解を示したこと、新3要件が武力行使の歯止めにならないこと、解釈改憲であることが明らかになったと指摘をしています。
そして、関連法案の1本目は、これまでの10の法律をまとめて改変するまとめ扱い法として、集団的自衛権行使を塗り込んでいる。2本目の法案は、これまで時々の特別法を作って外国まで出掛けていったものを恒久的な一般化法に変えるもの。その内容は戦闘現場以外ならどこでも行って、諸外国の軍隊に弾薬提供まですると言っているのですから、憲法で禁止している武力の行使と一体化するわけで、支援の名を語る武力行使そのものだと指摘しています。憲法9条は、武力行使との一体化も禁止しています。
請願に反対する議員からこの点について、最高裁が決めること、新三要件があるから歯止めになる。新三要件を普通に読めば、他国を守るための集団的自衛権を行使できない、飽くまで個別的自衛権の範囲内であるとする意見がありました。
しかし、憲法学者の指摘した違憲の判断、集団的自衛権の行使が許されるというその点について、憲法違反だ。これは、自民党推薦長谷部恭男早稲田大学教授。私も違憲と考える、憲法9条に違反する、民主党推薦の小林節慶応大学名誉教授。定義を踏み越えてしまったというところで、やはり違憲だ、維新の党が推薦した笹田栄司早稲田大学教授と述べており、また3氏は武力行使との一体化が生ずるおそれが極めて高くなる、長谷部氏。一体化そのもの、露骨な戦争参加法案であり、ついていけない、小林氏。私もそうだと思っている、笹田氏と強調しました。
与党が推薦した人まで違憲だと断じたことは、この法案の根幹に関わると、自民党関係者もショックを隠せないと報道されたところであります。新三要件は、実際に歯止めになっていないことは、国会審議を通じても明らかであります。
武力行使をしている米軍への補給、輸送などの軍事支援--いわゆる後方支援の問題であります。
政府が提出している後方支援を定めた2つの法案、重要影響事態法案、国際平和支援法案では、現に戦闘行為が行われている現場では実施しないものとする。ただし、捜索・救助活動については、この限りではないと変更されました。つまりこれまでのアフガン、イラク派兵の際の歯止めを外してしまったのであります。
海外派遣法にあった第2の条件、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域という規定が削除されました。これまで政府が戦闘地域としてきた場所であっても、自衛隊の軍事支援ができるとしています。この変更については、国会で志位和夫委員長の質問に答えて、安倍首相も認めております。
自衛隊が戦闘行為が行われる可能性がある場所まで行くということは、自衛隊自身が相手方から攻撃される可能性がある。これについて、安倍総理は100パーセント無いと私は申し上げたことはございませんと、答弁をしております。長野市民も国民も、テレビや新聞などでこうした法案の危険性を知り、法案の撤回を求め、請願を提出しています。
こうした中で出された請願を歯止めがあるから大丈夫などとどうして言えるでしょうか。それはこの法案整備を促進し、アメリカの要請に応えて自衛隊がどこへでも出掛けていって戦争する国づくりを進める自民党、公明党の政府与党の立場そのものであり、長野市議会がこの請願を否決することは、断じて許されません。
是非とも同僚議員の賛同をお願いし、この請願を認め、意見書を提出できるようお願いをいたします。
以上、委員長報告に反対の立場での討論といたします。