2015年6月定例市議会 あべ孝二議員
32行政区の随意契約について
住宅耐震化と住宅リフォーム補助事業について
障害者の雇用促進について
国民健康保険について
32行政区の随意契約について
◆阿部孝二
36番、日本共産党長野市会議員団阿部孝二です。
市民が主人公の市政、福祉、教育の充実、営業と暮らしを守る立場から質問を行います。明快な答弁を求めます。
県情報政策課によると、物価の影響を加味した実質賃金の県内指数、2014年、2015年と2年連続で低下、物価上昇分を上回る賃上げが、個人消費の拡大を生む好循環には至っていない。
帝国データバンクは、円安関連倒産が37件に上り、前年同月比で17か月連続増えていると伝えています。
年金暮らしの人は、年金が僅かに増えたが、社会保障、介護保険料12.5パーセントの値上げや生活必需品、食料品の値上げなどで一層生活が苦しくなっている。
安倍晋三内閣の暴走政治から市民の暮らしを守るための政治が求められています。市経済の活性化で、市民、業者の暮らしを守る政策が必要です
。
初めに、32行政区の随意契約について伺います。
3月市議会で行政区ごとの70万円までの随意契約の発注状況、事業所、工事ごとのランクなどについて、管理はしていないと答弁をされました。
そこで、70万円以下の随意契約の32行政区ごとの発注状況、工事名、工事額、工事業者及びランクの管理を求めます。
次に、平成23年の50万円以下の随意契約3,788件中、地元、又は近傍で、かつ事業規模に応じた等級格付にある事業所に2,540件、67パーセント発注していますが、災害工事及び緊急性のある工事以外の工事の100パーセントを地元業者に発注し、地域の活性化を進めるべきです。
そこで、32の行政区ごとに工事を分け、32の行政区ごとの入札参加資格業者、土木・建築はEランク、電気、舗装、管、その他のCランクに発注する制度を提案しますが、答弁を求めます。
3点目として、合併町村の随意契約の実態、工事数、地元業者への発注数、業者のランクについて答弁を求めます。
財政部長(平野智也)
建設工事の受注者の選定につきましては、少額の随意契約や指名競争入札による場合、活力ある地域経済の発展に寄与するため、参加資格者名簿の工事規模に応じた等級格付にある地元の事業者とするように努めております。
ただし、地元に該当する事業者がいない場合や、特殊な技術などを必要とする工事におきまして、施工可能な事業者がいない場合、さらには緊急の必要があるなどの場合は、地元以外、又は格付が上位の事業者とする場合もございます。
また、事業者の選定は、慎重を期して工事ごとに、所属長を委員長とする業者選定委員会を開催して行い、それぞれに管理をしているところでございます。
以上のことから、発注状況、事業者、工事ごとのランクなど、全体の管理は行っていないところでございます。
また、発注を行政区ごとに、格付が最下位の事業者に限定することも、工事の内容によりましては、施工可能な事業者がいない場合などがあるために、困難なものであると考えております。
最後に、合併地区の発注状況でありますが、過去に調査を行った平成23年度に、当時50万円以下としていた少額の随意契約3,788件のうち6地区のものは、848件となっております。このうち地元、又は近隣で、かつ工事規模に応じた格付にある事業者に発注したものは499件で、全体の約59パーセントとなっております。
なお、今後につきましても、入札及び契約の透明性、公平性及び競争性が確保されるよう、適切に対応してまいりたいと思っております。
◆阿部孝二
32の行政区、それで業種、それからランク等について、管理しないという答弁ですかね。
◎財政部長(平野智也)
現在のところ、そのように考えてございます。
◆阿部孝二
管理しないということは、第三者的に、それから議会にも示せないということになれば、透明性、競争性が明らかにならないということになるのではないでしょうか、再度答弁を求めます。
財政部長(平野智也)
管理しないという表現が不適切だったかもしれませんが、実際、随意契約でございますので、各事業担当課ごとに管理、把握しておりますので、全体として総括して管理する予定はないということで御説明した次第でございます。
◆阿部孝二
では、管理していることの中身の中で、先ほども言った、平成23年度の調査で59パーセントになっていますが、先ほど答弁されたように、これが60、70、80になる可能性もあると思うんですが、そこら辺のところの検討はされるのですか。
財政部長(平野智也)
将来の状況につきましては、そのときにまた考える必要があるかもしれませんが、今現在におきましては、32区ごとに詳細に管理していくということは、実態を踏まえながら考えると、今のところは、そのようになってはいないかと思っております。
住宅耐震化と住宅リフォーム補助事業について
◆阿部孝二
32の行政区ごとにきちっと管理できるようにしていただきながら、議会でも、それから地元業者にも、明確に発注できるような体制を整えていただくように強く要望します。
◆阿部孝二
次に、住宅耐震化と住宅リフォーム補助事業についてお尋ねします。
市民と地元業者に大好評だった住宅リフォーム補助事業は、平成23年度、24年度で終了し、平成25年度から住宅耐震改修事業、限度額60万円に上乗せ分、限度額30万円と住宅耐震補強促進リフォーム補助事業限度額10万円を実施しました。実施状況は、目標の50パーセントにも達していません。原因は、施工主が高齢で収入が限定され、総事業費に対する個人の負担が重く、支払いができないと予想されます。
そこで、平成25年、26年の目標及び予算に対する実績と問題点及び平成27年度予算の目標達成計画についてお尋ねします。
次に、市の耐震診断対象建物の件数、簡易診断終了件数、精密診断終了件数、耐震改修件数、未終了件数及び計画目標と対策についてお尋ねします。
次に、市は建築全体の耐震工事を対象に行っていますが、市民の生命を災害から守る立場から、最小限の耐震補強工事への転換、研究を行うべきではないですか。
また、耐震補強リフォーム補助事業を、耐震だけではなく、対象を一般に広げることを求めます。答弁を求めます。
建設部長(上平敏久)
住宅の耐震化と住宅リフォーム補助事業についてお答えをいたします。
まず、事業の目標及び予算に対する実績でございますが、平成25年度の住宅耐震改修事業は、目標80件、予算7,200万円に対し、実績が96件、8,196万円、また住宅耐震補強促進リフォーム補助事業は、目標が80件、予算800万円に対し、実績が64件、610万1,000円となっております。
次に、平成26年度の住宅耐震改修事業は、目標が80件、予算4,800万円としておりましたが、国の交付金の削減や、当初1件当たり限度額60万円を見込んでいた事業が、国の補助制度見直しにより、30万円の上乗せが継続され、補助件数を調整することで、実績47件、4,080万9,000円となったものです。
また、これに併せ、住宅耐震補強促進リフォーム補助事業は、目標が80件、予算800万円に対して、実績が39件、374万9,000円となっております。
平成26年度のリフォーム補助事業ですが、利用率は事業費ベースで約47パーセントとなっておりますが、住宅耐震補強工事をされた方の8割の方が利用され、特に高齢者の方の割合が高く、高齢者の負担軽減にもつながっているものと考えております。
また、今年度については、昨年度発生した長野県神城断層地震により、耐震化の要望が多く寄せられたことから、予算を拡充し、両事業とも100件分の予算を計上し、耐震化を進めております。
なお、課題といたしましては、後ほど数字をお示ししますが、耐震診断をされた方の多くが耐震補強工事に至っていないことと考えております。
今後も広報ながのや耐震促進パンフレットの配布などにより、市民への防災意識の啓発を図るとともに、更に住宅の耐震化を推進してまいります。
次に、市の耐震診断、耐震改修等の件数及び計画目標と対策についてお答えします。
本市で平成17年度から実施した住宅の耐震診断件数は、平成27年3月末現在で、簡易耐震診断は2,610件、耐震補強工事の実施を前提といたします精密耐震診断が1,538件となっております。
この精密耐震診断のうち耐震性ありと判断されたものは21件で、逆に耐震性なしと判断されたもののうち耐震補強工事を実施した件数は467件、残りの1,050件が耐震改修まで至っていない未終了件数となっております。
また、総務省の平成20年住宅土地統計調査によると、市内の住宅総数約14万5,000戸に対し、耐震性がないと推計する耐震診断対象建物の件数は約4万戸あり、この結果を基に、本年度4月時点での住宅耐震化率は、約77.2パーセントと推計しております。
なお、長野市耐震改修促進計画では、本年度中に住宅の耐震化率を90パーセントにする目標としておりましたが、この達成目標は、現時点では非常に厳しい状況であります。
このため、平成28年度以降につきましては、今後の耐震化対策も含め、国の動向や県の計画と整合を図りながら、本市の計画について検討してまいりたいと考えております。
次に、住宅の耐震化について、最小限の耐震補強工事への転換、研究を行うべきではないかとの御提案ですが、住宅の一部を補強する最小限の耐震補強工事では、地震時の倒壊による火災の発生や避難路の閉塞などに対し、防災面の効果が余り期待できないことから、これまでどおり建物全体を耐震補強する住宅に補助することで、耐震化を進めてまいりたいと考えております。
また、住宅耐震補強促進リフォーム補助事業を、耐震だけではなく、対象を一般に広げるとの御要望でございますが、4年前に行った住宅リフォーム補助事業は、当時の非常に厳しい経済状況の中、実施したものであります。
現在の長野県内の経済状況は、日銀松本支店によると、住宅投資は底がたく推移しており、個人消費は穏やかに回復傾向にあるとの判断が出ている状況であることから、現時点では、緊急的な経済対策として、住宅耐震補強促進リフォーム補助事業の補助対象を一般に広げることは考えておりませんので、御理解をお願いしたいと思います。
◆阿部孝二
平成25年、26年の実績の中で、総事業費と補助金の金額と自己負担の金額についてお尋ねします。
建設部長(上平敏久)
まず、住宅耐震改修事業につきましては、利用された方の平成25年度、26年度の工事費の平均は192万5,000円、補助額平均は85万9,000円、自己負担額平均は106万6,000円でございます。
次に、住宅耐震補強促進リフォーム補助事業につきましては、平成25年度、26年度の工事費の平均は104万2,000円、補助額平均は9万6,000円、自己負担額平均は94万6,000円でございます。
また、住宅耐震改修事業と住宅耐震補強促進リフォーム補助事業を併せて利用した方の平均では、工事費は267万6,000円、補助額は92万7,000円、自己負担額は174万9,000円で、自己負担率は65.4パーセントでございます。
◆阿部孝二
今、答弁していただいたように、工事額がかなり負担になり、そして自己負担がありますので、是非、建築関係業者ともよく相談しながら、対象を絞れるようにやっていただきながら、目標達成するようにお願いしたいと思います。
障害者の雇用促進について
◆阿部孝二
次に、障害者の雇用促進について伺います。
福祉環境委員会は、岡山県総社市の障がい者千人雇用事業について視察してきました。障害のある方が社会に参画し、住み慣れた地で安心して暮らすことができるためには、多くの就労の場が必要であり、総社市では、平成23年度から27年度までの5か年で1,000人の障害者の雇用を目指す取組が進められています。
雇用政策を国に任せるのではなく、市を挙げて障害者雇用に取り組むため、市事業者の責務と市民の役割を明記した総社市障がい者千人雇用推進条例を制定しました。市独自に総社市障がい者千人雇用センターを設置し、未就労の障害者の掘り起しや、障害者を雇用する新たな企業の開拓、また企業と障害者の間に入り、橋渡し役としても活動しています。
平成23年4月では、福祉的就労100人、一般就労80人、計180人、平成27年4月では852名、平成28年3月までには1,000人の雇用を達成する見込みです。
そこで、長野市での18歳から65歳までの障害者数、そのうち就労可能者数、現在の就労状況、法定雇用対象事業者数と就労者数及び法定雇用達成事業者数、未達成事業者数、法定雇用達成の就労者数について、また障害者雇用推進条例の制定、雇用センターの設置について答弁を求めます。
市長(加藤久雄)
平成27年3月31日現在の本市における18歳以上65歳未満の障害者数は、身体障害、知的障害、精神障害の手帳交付数の合計が8,562人でございます。そのうち多くの人が障害福祉サービスの就労継続支援などの福祉就労を含めて就労が可能であると考えられております。
現在の就労状況は、まず市内で福祉就労の事業所に従事している人は約1,200名でございます。
また、民間企業の障害者雇用につきましては、本市に区域を限定した数値はありませんけれども、本市及び近隣市町村を管轄する長野、篠ノ井及び須坂の公共職業安定所の平成26年度の状況でございます。従業員50人以上の事業者数は443、就業者数は10万331人、そのうち障害者は2,001人、障害者雇用率は1.99パーセントとなります。
なお、法定雇用率2パーセントを達成するには、あと6人増える必要があります。
平成21年は、事業者数が386、就業者数は8万7,842人、そのうち障害者1,502人、障害者雇用率が1.71パーセントでありました。この5年間で障害者数及び障害者雇用率が上昇しております。
また、平成26年において、法定雇用率を達成している事業者数は、443事業所のうち241事業所、達成率は54.4パーセントであります。
平成21年は386事業所のうち197事業所、達成率が51%でしたので、こちらも上昇しております。
本市の障害者雇用の取組といたしましては、障害者本人に向けて、市内8か所に設置する障害者相談支援センターの相談員や21か所の就労移行支援事業所の就労支援員が就労などについてアドバイスを行い、就職後のフォローアップも行っております。
また、長野市障害福祉ネットにおきましても、障害者就労と職場定着についての情報を共有しております。
事業者に向けましては、市のホームページで障害者の雇用義務などを周知するとともに、長野市企業PR、就職情報サイトおしごとながのを開設いたしまして、障害者の求人情報も掲載していただいております。
雇用センターの設置につきましては、市内にはハローワーク長野の隣に厚生労働省所管の長野障害者職業センターがありますので、市独自のものを設置するのではなく、関係機関と連携を深めながら、障害者雇用に向けた課題に取り組んでまいりたいと考えております。
また、条例の制定につきましても、これまでの取組によりまして、障害者の雇用者数、雇用率とも上昇が続いている状況でございますので、当面は考えておりませんけれども、更に障害者雇用が推進するよう研究してまいりたいと考えております。
◆阿部孝二
総社市との関係でいけば、あと5,000人以上の就労が可能だと思うので、それも是非、長野市を中心にしながら努力していただくようにお願いしたいと思います。
国民健康保険について
◆阿部孝二
次に、国民健康保険について伺います。
医療保険制度の改悪法が、自民、公明、維新等の賛成多数で成立しました。改悪の中身は、国民健康保険の財政管理を都道府県に移行し、保険料の引上げ、徴収強化など、後期高齢者医療では保険料の軽減特例の廃止、入院給食費は1食260円から460円に値上げ、紹介状なしの大病院受診は定額負担を5,000円から1万円などの新たな負担が掛けられようとしています。
昨年の消費税の増税は、国民に7兆5,000億円もの大増税を行い、社会保障の財源と言ってきたのに、全くうそとでたらめで、医療制度の改悪です。市民への影響について答弁を求めます。
次に、全国知事会、市長会、市町村会と国との合意により、保険者に対し公費拡充等による財政基盤の強化として、毎年3,400億円の財政支援が行われることになりました。
支援策は、①として、2015年度から低所得者対策として約1,700億円、②2018年以降は更に国費を毎年約1,700億円支援する、2015年度では、保険者支援として1,664億円と、財政安定基盤の造成として200億円が計上されました。長野市に対し支援金が幾ら来るのか、一般会計からの繰入額は、前年度に比較して幾らか答弁を求めます。
次に、現在でも国保料は負担能力を超えた保険料になっています。ひとり暮らしの国民年金受給者、月5万円は年収60万円、所得ゼロ、その方は7割減免でも年間保険料は1万7,784円になります。所得110万円、夫婦と子供1人世帯は年間保険料24万5,250円になります。国からの支援と一般会計からの繰入れを活用し、減免減額制度の拡大を求めます。答弁を求めます。
保健福祉部長(田中幸廣)
国民健康保険法等の改正につきまして、順次お答えをいたします。
去る5月27日に、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律が成立しました。
この改正は、国民健康保険を初めとする医療保険制度の財政基盤の安定化、負担の公平化等の措置を講ずるものでございます。
健康保険全般に関わる主なものとして、入院時の食事代につきましては、入院と在宅療養の負担の公平を図る観点から、1食260円の負担額を、平成28年度から360円に引き上げることとされましたが、低所得者の210円、あるいは100円、これは据え置くこととなっております。
また、平成28年度から紹介状なしで特定機能病院等の大病院を受診する場合には、外来の機能分化を進める観点から、原則として患者に定額負担を求めることとなり、金額につきましては、今後検討することとなっております。
国民健康保険に関しましては、運営の在り方が見直され、平成30年度から都道府県が財政運営の責任主体となり、国保運営に中心的な役割を果たすこととされました。詳細につきましては、政省令や県の条例などで規定されることから、現段階では明確になっておりません。国や県の動向を注視してまいります。
また、市町村の役割につきましては、資格管理を初め保険料の賦課徴収、保険給付や保険事業など、地域におけるきめ細かい事業を引き続き担うものとされておりますので、市民の皆様にとって利便性は変わらないものと考えております。
国保財政基盤強化のための支援金は幾ら来るかについてお答えいたします。
国、県からの財政支援の拡充が、6月3日の政令により正式に決定いたしました。国保特別会計の歳入は、現段階の試算では、保険者支援分として国、県からの支援金約2億円、市負担分約7,000万円の合計約2億7,000万円の増加が見込まれます。
支援金等を活用しての保険料の減額についてお答えいたします。
他市では、支援金が増加する分、従来の法定外繰入れを減額するという方針を決めているところもあると聞いております。
本市の保険料は、平成24年度から据え置きとなっており、阿部議員が例示された夫婦と子供1人世帯では、本市の保険料は中核市の保険料の平均より年額で4万8,000円ほど低くなっております。これは、本市では一般会計から特別会計に、法定外繰入金として13億円余りを繰入れしていることが、主な理由と考えられます。この金額は、他市と比べ多額なものとなっておりますので、支援金の活用につきましては、慎重に検討してまいりたいと考えております。
◆阿部孝二
一般会計からの繰入れについては、努力していただいていることに感謝しながら、しかし、それを活用しながら、是非減額をしていただきたい。