2015年3月定例市議会 佐藤くみ子議員
小林義和議員外4名より提出の議案第1号平成27年度長野市一般会計予算の組替え修正案の賛成討論
◆野々村博美
日本共産党長野市会議員団佐藤久美子です。
私は、小林義和議員外4名より提出の議案第1号平成27年度長野市一般会計予算の組替え修正案の賛成討論を行います。
市長は、平成27年度予算は人口減少の克服に全力で取り組む予算と銘打たれ、少子化対策、健康寿命延伸や移住・定住の促進を図り、定住人口の増加、交流人口増加を目指すとしています。また、地域特性を生かした特色あるまちづくりに予算の重点化を図ったと強調されたところです。
子育て世代の切実な要望に医療費無料化の年齢拡大があります。入院については、中学3年生まで、本年4月から実施されることになり、これは一歩前進ではありますが、多くは通院医療費の年齢拡大が要望されているところです。
修正案では、民生費、児童福祉費、福祉医療費に中学3年生までの通院に係る医療費を無料とするための1億2,700万円を増額しました。
市長も答弁の中で述べておられましたが、長野県内でこの制度に所得制限を設けている自治体は皆無で、長野市議会で一部会派が所得制限を設けるよう意見を付けた経過がありましたが、私たち共産党市会議員団は、子供たちは社会の宝の立場から、所得制限を設けることなく、長野市内の全ての子供たちを平等に福祉医療の対象にすべきだと提案しています。子供を産み、育てるための支援は早急に行うべきとの立場であります。
同じく民生費の老人福祉費、老人福祉総務費に高齢者外出移動支援のおでかけパスポート事業補助金は値上げすることなく、利用者負担額を現在と同額とするため1,833万円を増額しました。移動手段を保障し、公共交通の利用促進を進めるこの事業が市民からどれほど喜ばれているかは、市長も御存じかと思いますが、市街地の周りに広がる中山間地域との交流は長野市が掲げる均衡ある発展に大いに寄与するものであり、値上げのための見直しには反対であります。
浅川ダムについては、建設差止め裁判係争中でありますが、3月19日に浅川右岸の地滑りが発生し、長野県による調査が行われたところです。その上、さらにダムサイトの左岸の深い亀裂のために県議会ではコンクリートミルクを注入する補正予算が約1億円計上、議決された経過もあり、今後も税金を投入し続ける懸念が指摘されています。ダム推進の団体補助金を削減し、安全性の検証を求めるものであります。
中央消防署及び(仮称)鶴賀消防署整備費合わせて1億926万1,000円の減額は、長野盆地西縁断層上の建物であるため、災害防災拠点としては最適地とは言えず、減額するものであります。
教育委員会の基礎学力調査委託料については、過度な競争主義教育の促進につながるものとして削減、子供たちはテストの点数だけで評価されたくない思いを内に秘めています。
以前、学校図書館司書の方から話を聞いたとき、子供たちは司書の先生にほっとして、ありのままの自分を出させると言うそうです。テストの点数で評価しない大人が学校にいることが、子供に安心感を与えているとも言われました。
子供を育てるために選ばれる都市として、過度の競争からどの子も分かる喜びにあふれる学校をつくるために、小・中学校の今後の在り方を検討し、市立長野中学校設置に向けた事業費の計上は、市民の十分な議論がなく、時期尚早と言わざるを得ません。
そして、子供の成長にとって、また食育の観点からも、学校給食の自校化を進めることが重要で、地域の特産物も生かせる道であります。大規模な学校給食センターの建設は、子供にとっては魅力的なものではありません。この建設事業費の削減は当然です。
また、嘱託職員の所得向上のため、1人当たり1万円の増額を提案していますが、人は城であります。さらに責任と誇りを持って、市民奉仕に尽くされるよう望むものであります。
人口減少の克服に取り組むために、子育て世代を応援すること、子育てをするなら長野市と選ばれる魅力あふれるまちをつくること、それを進めるためには市街地、中山間地域共に均衡ある発展が必要で、地域の特性を生かした魅力を磨くことだと考えます。そのために市民の合意と熱意でまちづくりを進め、支所の役割はますます重要だと考えるところです。
ヒューマンインフラを充実させ、長野市を選ばれるまちにすることを訴えて、修正案の賛成討論といたします。