議会報告

2015年3月定例市議会 佐藤くみ子議員

介護保険法改悪に伴う市民への影響について

保育園の民営化と施設の建替えについて

森林整備を通じた地域振興策について

小中学校の統廃合としなのきプラン29について

豊野・中山間地域の振興策と課題について

◆佐藤久美子
日本共産党長野市会議員団佐藤久美子です。
 豊野・中山間地域の振興策と課題について、5点伺います。
 平成17年の合併から10年、22年の合併から5年になります。今、改めて人口減少対策として地方創生が叫ばれていますが、合併の検証は行われたのでしょうか。急速な人口減少と地域経済の衰退の原因をどのように分析しているのか、所見を伺います。
 豊野駅の進捗状況について伺います。
 社会資本総合整備計画に位置付けられ、期間は平成24年度からの5年間、その中で南口広場整備事業も盛り込まれ、2億5,100万円の全体事業が盛り込まれていましたが、平成28年度までに完成するのでしょうか。
 3月14日からしなの鉄道へ移管されますが、南口ロータリー整備はいつまでに完成するのか。また、県道拡幅を含め北側整備の進捗状況はどうか、伺います。
 長野市やまざと振興計画と今後について。
 市内13地区の中山間地域振興策として、やまざと振興計画が策定され、平成28年に向けた目標値も設定され、新年度予算にも移住・定住化対策や地域の特色を生かした産業の育成に予算計上もされています。この計画の評価と課題について、所見を伺います。
 地震や水害などに対する地域での防災体制が整っていると感じる市民は、平成23年時点で32パーセント、平成28年は50から70パーセントの目標になっているが、実態はどうか。中山間地域での防災体制の課題はどうか、伺います。
 公共交通機関が利便性と環境負荷の軽減を考慮しながら整備されているとした人が22.8パーセント、平成28年までの目標が25から50パーセントとなっています。おでかけパスポートの定額制から従量制への変更はこれに反するものです。
 高齢者や子育て世代が地域で安心して暮らせるよう、医療体制や保健福祉サービスの確保を図るとしていますが、鬼無里支所まで100円から360円で3.6倍になるなど、本当に安心して暮らせるでしょうか。
 長野市総合調整会議において施策の調整を図ったのか、福祉分野だけでなく市街地から行く人が減り、温泉施設の利用客の激減等大きな影響があるが、検討はどうされたのか、伺います。

(35番 佐藤久美子君 質問席へ移動)

◎ 企画政策部長(市川専一郎)
私から、合併の検証等につきましてお答えをいたします。
 平成17年の合併から10年が経過をし、合併時に策定をいたしました合併建設計画は、計画期間が今年度末をもって満了となります。また、平成22年合併時に策定をいたしました合併基本計画は、まだ計画期間が残っておりますが、5年を経過しておりますので、それぞれの計画の進捗状況を来年度まとめて整理をしてまいりたいと考えております。
 これらの計画の進捗状況に合わせまして、合併による行財政への影響や合併による住民生活への影響、そして、市としての一体性の確立や地域の発展などにつきましても、平成の合併としてまとめ、検証してまいりたいと思います。
 人口減少と地域経済の衰退の原因をどのように分析しているかとのお尋ねでありますが、人口につきましては、国勢調査の他、住民基本台帳によりまして、地区別人口の推移を把握しておりますので、人口減少の動向把握及び分析はある程度可能かと考えております。
 しかしながら、経済につきましては、景気にも左右されますし、エネルギーコストや為替相場など外部要因の影響も受けやすく、合併地区に焦点を絞った狭い範囲での経済の分析となりますと、得られるデータ量が限られ、その実態把握は限定的なものになると思われますことから、その原因を分析することはなかなか難しいのではないかと考えております。

◎都市整備部長(根津恵二)
私から、豊野駅周辺の整備の進捗状況についてお答えをいたします。
 豊野駅南口広場整備につきましては、国土交通省所管の社会資本総合整備計画の中で、関連事業として実施する計画でおりましたが、計画の根幹となる基幹事業である善光寺表参道地区都市再生整備計画が本年度で終了となるため、この計画においての実施は困難となりました。
 そこで、豊野駅南口広場整備につきましては、事業の目的や効果を考えると、道路整備交付金を活用した地域再生計画に組み入れて、事業を継続をすることが最も有効であると判断し、地域再生計画の変更を国に提出したところであります。
 市といたしましても、まずは南口ロータリー部分の早期供用開始を目指し、計画目標の平成28年度に完了となるよう、引き続き国へ事業費確保の要望をしてまいりたいと考えております。
 次に、駅北側の県道村山豊野停車場線の拡幅事業につきましては、長野建設事務所が今年度、現地測量を実施いたしました。今後、本格的な事業に向けて、地元協議を行う予定と聞いております。
 また、市で実施する駅北側の道路整備につきましては、県事業の進捗状況を見ながら、実施時期について検討してまいりたいと考えております。

◎地域振興部長(原敬治)
それでは、私から、長野市やまざと振興計画についてお答え申し上げます。
 やまざと振興計画は、中山間地域の活性化を図るため平成22年度に策定し、平成25年4月には、第四次長野市総合計画後期基本計画及び分野別個別計画との整合性を図るため改定を行ったところでございます。
 過疎化が進む中山間地域は、市街地と比べ人口減少、少子高齢化が顕著に進んでいることから、コミュニティ機能の低下が顕在化するとともに、農林業などの担い手不足から耕作放棄地や荒廃した森林の増加等が年々深刻さを増しつつあること。また、野生鳥獣による被害の急激な増加は、耕作意欲を根底から消失してしまう、深刻な状況となっていることなどが課題となっております。
 こうしたことから、中山間地域の活性化については、市長直轄プロジェクトに位置付け、部局横断的に検討を進め、地域おこし協力隊、ケールの試験栽培、農地の集約化などの施策を新たに実施したところでございます。
 これら施策を計画の中に取り入れることで、中山間地域における各種事業をふかん的に見ることができ、それぞれの事業の進捗状況を確認することで、新たな施策の展開につながっていくものと考えております。
 しかしながら、中山間地域の活性化は、すぐに効果が現れにくいことや効果が限定的なことから、特効薬がないと申し上げざるを得ない状況でもございます。
 このような状況下ですが、新年度におきましては、議員御質問にありますような事業をやまざと振興計画に取り入れ、その事業成果を検証しながら、中山間地域の活性化を図ってまいりたいと考えております。

◎危機管理防災監(越正至)
私から、やまざと振興計画の目標値に対する実態と中山間地域での防災体制の課題についてお答え申し上げます。
 計画では、地震や水害などに対する地域の防災体制が整っているという市民の割合について、平成28年度の目標値を50から70パーセントの間に設定しており、平成23年度の基準値32.5パーセントに対して24年度は33.7パーセント、25年度が36.1パーセントと、目標値に向かって上昇傾向にあると言えます。
 これは、危険渓流等の対策や道路・河川改修、防災行政無線設置などのハード対策が進んでいることに加え、防災マップの全戸配布や災害用備蓄品の計画配備、自主防災組織の強化など、ソフト対策も併せて行うことで、地域の皆様が防災、減災についてより身近に感じていただいているのではないかと考えております。
 一方、中山間地域特有の課題としては、集落が孤立した場合の状況把握と、通信手段の確保、救助・救出活動や物資搬送などが挙げられます。
 これらにつきましては、支所を中心とした初動指揮能力の強化や支所、防災拠点への分散備蓄などにより、防災対策の充実、強化を図ってまいります。
 また、今年度県において土砂災害防止法に基づく地滑りに関わる区域指定の説明会を順次開催しております。県の指定後には、土砂災害ハザードマップを市で作成し、対象住民に配布することとしております。この機会を通じて御自身の周辺の危険箇所と避難の方法等の確認をお願いしてまいりたいと考えております。

◎保健福祉部長(寺澤正人)
おでかけパスポート事業についてお答えいたします。
 おでかけパスポートは、高齢者の健康づくり、生きがいづくりの推進と積極的な社会参加を促すとともに、バスの利用促進を図るため、市内路線バス事業者と共同で実施している事業でございます。
 この度の見直しは、高齢者人口の増加、消費税率の引上げによる運賃改定等のため、事業総額の増大が予測されることに対応するためのものでございます。
 次期長野市高齢者福祉計画の策定に当たり、社会福祉審議会老人福祉専門分科会において検討を重ねていただきました。庁内におきましては、総合調整会議等で各部局と協議してまいりました。中山間地域の温泉施設利用者の影響については、具体的に協議いたしませんでしたが、関係部局を含めた組織の中で検討しております。
 見直し案は、乗車運賃の3割程度を御負担いただき、最低負担額を110円とするものでございます。
 御指摘のとおり、長距離の路線を御利用いただいた場合は、現在の定額100円と比較すると、差が大きくなります。この負担感を軽減するため市民の皆様から御理解をいただき、御利用いただける仕組みとするよう、本年10月の実施に向けて改めて検討いたします。

◆佐藤久美子
豊野駅の南口ロータリーですが、道路交付金の整備となりますが、28年度の完成ということで解釈してよろしいか。そして、それは地元に説明されているか、そのことだけ再質問させてください。

◎都市整備部長(根津恵二)
豊野駅南口のロータリー整備につきましては、先ほど申し上げましたとおり、平成28年度を目標に頑張ってまいりたいと思っております。
 また、地元への説明ということにつきましては、予算がこれでいろいろ詰まってまいりましたので、地元へもしっかり説明をしてまいります。よろしくお願いいたします。

◆佐藤久美子
防災体制については、神城断層地震で独自調査も行っている地域もありますので、是非それらを参考にしていただきたいというふうに思います。
 おでかけパスポートの見直しはしないよう、強く求めて、次の質問に入ります。

保育園の民営化と施設の建替えについて

◆佐藤久美子
 保育園の民営化と施設の建替えについてです。
 公立保育園の民営化方針について、長野市公立保育所の適正規模及び民営化等基本計画では、平成34年度までに民営化の選定基準16園ありますが、見直しはないのか。また、1年1園の方針は変わりないのか。保育園民営化による財政効果を打ち出していますが、平成24年度までの効果と活用について説明を求めます。
 平成29年度までに、公立5保育園の民営化を進める計画だが、委託・移管の場合の園舎の建替えについて補助制度の見直しはないのか。以前は、園舎を建て替えて民間に委託することが行われていたが、国の補助がないため、県が2分の1負担で、市と法人が4分の1負担となっている。定員100名で約3億円の園舎とすると、民間法人は7,500万円の負担となる。16園の中で、安茂里、山王だけでなく、中御所、若槻、中央、豊野みなみなども老朽化が進み、建替えの必要性もあるが、市の補助金増額は検討されていないのか、所見を伺うものです。

◎こども未来部長(松坂志津子)
初めに、民営化園選定基準に基づく、公立保育所民営化対象16園の見直しについてお答えします。
 16園のうち前期計画5園については、現在、民営化に向けた手続を進めており、残りの11園については、前期計画の進捗状況等を勘案し、来年度、後期計画を作成する中で対象園の見直しを含めて具体的な進め方を決めることとしております。また、1年1園の方針についても、後期計画の中で再検討をいたします。
 次に、平成24年度までの民営化による財政効果とその活用についてお答えします。
 これまでに民営化した三輪、川田、下氷鉋保育園は、現在、公設民営園であり、人件費等の縮減効果はあったものの、これまでのところ財政上の大きな効果は生じておりません。
 今後、園舎等を運営受託法人に移管し民設民営園に移行した後は、国、県から私立保育所運営に対する負担金が支給され、財政効果が生まれてくるものと考えております。
 次に、補助制度の見直し及び市の補助金の増額についての御質問にお答えします。
 国等の手厚い財政支援を活用して、老朽化した園舎を改築し、保育環境の改善を図ることを民営化の目的の一つとしております。
 したがいまして、施設移管に伴う園舎の建替えについては、現行の安心こども基金、又は平成27年度に創設される予定の仮称でございますが、保育所等整備交付金を活用することを基本に考えておりますので、今後、設置主体となる社会福祉法人等の具体的な意向を踏まえ、改築に伴う補助金についても、老朽化した園舎の建替えが円滑に進むよう、適正な対応に努めてまいりたいと考えております。

◆佐藤久美子
貧困と格差が広がる中、公立保育園の役割は一層重要になっています。私たちは、公立保育園全てを民営化する方針には反対であります。ただ、このままですと、地元の民間への委託ではなく、資金力のある大手の参入を促すことになると、懸念をするものであります。
 そういう意味で、是非補助制度の充実についても、検討を願いたいと思います。
 それから、先ほど部長が人件費の縮減のみというお話で、私たちは民営化する大きな効果、活用はないと考えておりますので、その辺についても、是非再検討を願います。
 続きまして、鬼無里地域の神城断層地震被害と復旧について伺います。
 地震発生前の鬼無里中学校の校舎、体育館の耐震診断の結果と改修計画はどうなっていたのか。Ⅰs値0.3のまま地震被害に遭ったわけだが、校舎は安全性に問題がないと言えるのか。危険とされた体育館は解体するのか。また、今後の使用や在り方に保護者を中心に不安が広がっているが、市教育委員会としての方針を示し、地域との協議を進めるべきではないか。
 ふるさとの館の復旧はいつになるのか。宿泊施設として、移住体験などにも活用できる施設だが、今後の活用計画についてはどうか、伺います。

◎教育次長(藤沢孝司)
私から、鬼無里中学校につきましてお答えを申し上げます。
 学校施設の耐震化の対策につきましては、平成18年度までに実施しました耐震診断結果に基づきまして、優先度の高い建物や建築年等、老朽化した建物から順次今、進めてきておりまして、鬼無里中学校におきましては、耐震診断の結果、校舎、体育館共に耐震化の優先度ランクは、A、B、Cの3段階がございますが、そのうちの中間のBということでございます。
 また、建築年が校舎が昭和44年、体育館が昭和37年ということから、平成20年度に計画をした段階におきましては、補強工事ではなく改築を前提として、平成30年からの事業着手を考えておったわけでございます。
 その後、全体的な事業の前倒しによりまして、平成25年度に耐力度調査を実施をしまして、その結果を基に耐震化対策の方法について検討していったものでございます。
 次に、校舎の安全性でございますが、軽微な修繕により被災前の状態に復旧することができましたが、耐震性そのものにつきましては、被災前からも満たしてはいないということから、まずは耐震化対策を最優先として検討しなくてはならないと考えております。
 耐震化対策の方法でございますが、鬼無里中学校の生徒数が減少見込みの中での望ましい学習環境の在り方や長野市公共施設白書の考え方などを踏まえまして、議員御指摘のとおり、今回の地震による被災によって、住民の皆様が不安を抱いているということをもちろん承知しておりますので、市の考え方を明らかにした上で、早急に地元の皆様と協議してまいりたいと考えております。
 なお、体育館の解体につきましては、鬼無里中学校の耐震対策の全容を定めた中で結論を得てまいりたいと考えています。

◎商工観光部長(荒井惠子)
私から、ふるさとの館の復旧と今後の活用計画についてお答えいたします。
 ふるさとの館の復旧の時期でございますが、今回の地震により、建物につきましてはサッシや障子の破損、外壁や内壁に割れ目が入るなどの被害がございました。また、建物周辺の地盤にも数か所に亀裂が入っていることから、排水管及び合併浄化槽にも被害があるものと推測されます。
 今後、地質調査などにより地盤復旧や建物などの修繕費用などを明らかにする中で、復旧を含め施設の方針を検討してまいりますことから、現時点では復旧の時期は未定となってございます。
 今後の活用計画につきましても、同様でございます。施設の方針と併せまして、議員御提案の移住体験施設などについても含めて、早急に検討してまいりたいと考えております。御理解をお願いをいたします。

◆佐藤久美子
まず、校舎に今、生徒たちは通っています。その体育館の問題について、全容を定めた中と言いますが、いつまでにそれは行うのでしょうか。

◎教育次長(藤沢孝司)
今現在、中学生については、小学校の体育館を活用していただいているということでございまして、そういう中で、まず今、申し上げたとおり、耐震化対策、これをどうやっていくか、これが一番の喫緊の課題であると思っておりますので、その辺が全体のめどと言いますか、耐震化対策の手法等が決まった中で、体育館について具体的にどうするか、決めていきたいと思っております。

◆佐藤久美子
後でまたもう一度、この件については質問させていただきます。

森林整備を通じた地域振興策について

◆佐藤久美子
森林整備を通じた地域振興策について伺います。
 東日本大震災と原発事故以降、再生可能エネルギーとして木質バイオマスへの取組が加速しています。新年度初めて鬼無里モデルとしてまきストーブの購入補助が実現し、地域で喜びの声が上がり、私も昨年、議会で取り上げた立場から、一歩前進と評価いたします。
 最近、林業グループ大岡森林塾主催、信州大学地域戦略センター共催による地域づくりシンポジウムがあり、NPO法人地域再生機構理事森氏の講演と、木質バイオマス利用と地域づくりで鬼無里と大岡の取組も発言されました。
 また、七二会森林整備クラブ主催の自伐型林業については、NPO法人土佐の森・救援隊理事長中嶋氏を招いての講演もあり、森林整備を通じての地域振興策に関心が高まっています。
 市域の63パーセントが森林で、間伐が必要な21年から50年の人工林が1万ヘクタール辺りある長野市でこれらを活用して雇用の創出ができないか、所見を伺います。
 講演では、一般個人や団体が対応可能になったとき、一大産業としての発展があると紹介をされています。退職した人、趣味の人などにチェーンソーの扱い方や間伐、主伐の方法など、人材を育てるための研修に行政の力をと強調されました。
 鬼無里でのまきストーブ購入補助を大岡、七二会に拡大することを提案しますが、所見を伺います。
 また、まきを求めている人と山を持つ人との出会いの場を企画し、少しでも山に人手が入り、材木の利活用と森林の整備で地域振興ができるのではないか、所見を伺います。


我が国の木材需要は、年間おおむね7,000万立方メートルで推移をしております。安価な外国産材が7割強を占めているのが現状でございます。
 こうした中、国におきましても、平成32年までには国産材の自給率50パーセントを目指し、平成21年に森林・林業再生プランを作成するとともに、平成22年には公共建築物木材利用促進法が施行されました。
 本市におきましては、平成23年8月に長野市公共建築物・公共土木工事等における木材利用促進方針を策定いたしまして、可能な限り木材の利用を促進するとともに、木質化に努めておりまして、平成26年度におきましては、長野駅の大びさしと列柱の建設において、長野市産材が使用されておりますが、依然として木材価格の低迷が続いている状況におきまして、新たな雇用を創出する状況にはなっていないのが現状でございます。
 こうした中で、間伐材等の木質バイオマス資源としての活用を通して、身近な里山整備と地域の活性化のため、地域の皆様が活動組織を構成され、取り組まれている鬼無里地区を対象モデルとしてまきストーブ、まきボイラーの購入及び設置にかかる費用に対し補助事業を導入することにいたしました。
 今後、本事業の効果等を検証しつつ、他地区への導入について検討してまいりたいと考えております。
 次に、山林所有者とまき使用者とのマッチングについてでございますけれども、これは里山整備には大変有効な事業であると思いますけれども、森林作業は大変危険を伴う作業でもございます。また、近年、森林整備に対する意識の希薄化や相続が進む中で、境界が分からない、山は持っているが場所が分からないなどの問題が表面化しております。
 この事業を行うためには、所有者の皆様の御理解と御協力がないと進められないわけでございまして、今後、これらを含めまして研究してまいりたいと存じております。

◆佐藤久美子
地域にはやる気になって頑張る県補助を受ける森林グループ15グループがあります。安全講習や研修、また技術的指導など、より一層の人的支援を求めますが、見解を伺います。

◎農林部長(広沢吉昭)
市では、市民の皆様を対象に趣味の林業講座を毎年7月から11月の間、日曜日に5回のコースで開催し、チェーンソーの使い方や立木の伐採方法を学ぶ機会を設けている他、地域の要請に基づき職員を派遣して枝打ちや間伐などの森林整備や安全講習の指導を実施しておりますので、是非御活用をいただきたいと思います。

小中学校の統廃合としなのきプラン29について

◆佐藤久美子
次、小中学校の統廃合としなのきプラン29について伺います。
 まず、統廃合の問題です。
 1月27日、文部科学省が公立小・中学校の統廃合の促進を狙った手引を各自治体に通知しました。学校の統廃合は、子供の通学を困難にし、大規模化で学ぶ条件が悪化するおそれがあるだけでなく、地域社会の在り方にも関わる問題で、機械的に統廃合を加速させることはあってはならないと考えますが、所見を伺います。
 文部科学省が学校規模の適正化の基準を見直すのは約60年ぶりです。小学校で6学級以下、中学校で3学級以下の学校について、統廃合の適否を速やかに検討する必要があるとしています。
 また、通学についても、小学校4キロメートル、中学校6キロメートル以内という従来の基準を引き続き妥当としつつ、スクールバスの導入でおおむね1時間を目安とする基準も加えました。遠方の学校への統廃合を促すための条件緩和です。
 しかし、子供たちには様々な問題が生じます。学校は住民にとっても文化的な活動を初め、地域の交流や防災の拠点となるなど、重要な役割を持っています。地域から学校が無くなれば、地方創生どころか、人口減、超高齢化に拍車を掛ける悪循環にもなりかねません。
 1月8日の記者会見で市長は、全市的に幼保小中高一貫教育も含めて、長野市モデルとして検討に入っていると述べていますが、具体的な何を検討しようとしているのか伺います。
 また、平成26年度の補正予算の前倒しの中で、4人の特命担当指導主事--連携推進ディレクターを派遣する事業が盛り込まれていますが、何を基準に派遣を行うのか。手引は、学校規模の適正化は行政が一方的に進める性格のものではなく、地域と共にある学校づくりの視点を踏まえた丁寧な議論が必要とも述べています。
 今、国は財政を縮小させるために大幅に減らせるとの試算も示しています。地域の実情を考えずに財政だけを統廃合をする姿勢は、本末転倒と言わなければなりません。学校の規模や配置は子供の教育にとってどうなのかを第一にすべきと思いますが、所見を伺います。

◎教育次長(田川昌彦)
議員の御質問4点についてお答えをいたします。
 まず、統廃合についての考え方についてですが、市教育委員会では、少子・人口減少社会における学校の在り方を考えるに当たり、学校は学習者である子供のためにあるという考え方を基に、児童・生徒の学びや成長にとって、どのような教育が必要かを考えることが出発点であると認識しております。
 したがって、議員御指摘のとおり、機械的に統廃合を加速させてはならないと考えております。
 2点目の長野市モデルとしての検討内容についてですが、長野市モデルは児童・生徒のキャリア発達という視点で学びをつなぎ、幼保小中高の各学校が一貫性、系統性のある教育を目指すものです。
 その中で、自立した18歳を先に見据えて、どのような小・中学校の円滑な接続ができるかを検討してまいります。
 3点目の新事業におけるディレクターの派遣基準についてですが、多様な学校環境と地域性を有する本市には、小・中学校の接続にも大きく分けて4つのタイプがございます。複数の小学校から1つの中学校に進学するタイプ、複数の小学校から複数の中学校に進学するタイプ、校舎が隣接している1小学校から1中学校に進学するタイプ、敷地が離れた1小学校から1中学校に進学するタイプです。
 新たに取り組む地域発活力ある学校づくり推進事業では、連携推進ディレクターをこの4つのタイプのモデル中学校区に派遣をします。そして、地域と共に教育の質的向上を図る方策や魅力ある地域づくりと一体化した方策の両面から検討し、活力ある地域発スクールモデルを作ってまいります。
 最後に、学校の規模や配置等について、学校の在り方についての考え方ですが、少子、人口減少社会に対応した児童・生徒が豊かに学び合える活力ある学校の形を児童・生徒の学びや成長にとってどうかという点を最優先に、地域の特色と資源を最大限生かしながら、地域と共に描いてまいります。

◆佐藤久美子
実は、1月8日の記者会見で市長が、鬼無里中学校の体育館のことについて、体育館を改築していくことの是非も含めて検討する良い機会と発言をされました。行政側は良い機会と捉えていますが、住民にとっては、自宅の再建も困難な状況もあり、また改修も負担が大きいということで、大変切ない、悲しい状況だったわけであります。ここに大きなギャップが生まれました。
 私は、市民に心を寄せて協議することを求めるものですが、教育長の見解を伺います。

◎教育長(堀内征治)
鬼無里中学校の件では大変御心配をお掛けしております。健気に子供たちが対応しているということに、非常に私どもも感心し、また有り難く思っているところでございます。
 その上で今、非常に苦慮しているのは、体育館の問題でございますが、この体育館につきましては、今、小学校のものを使うということで、その方法について、子供たちの極めて苦労している面をできるだけ容易にするように努力をしているというところでございます。
 そしてまた、先ほど藤沢教育次長が申し上げましたように、耐震を第一優先としながら、今後の鬼無里地区の小・中学校の在り方を考えていくということにつきましては、教育委員会のみならず、地域の皆様の御意見を十分伺ってやっていかなければいけないということでございますので、その今、対応をするためのいろいろな資料提供をしていくという準備をしているところでございまして、その中でなるべく早く、この方向性について決めていきたいと思っているところでございます。
 今の状況の中で、子供たちができるだけ安心してできるような、そういう工夫は教職員共々、私どもも一緒にやってまいりたいと考えておりますので、御理解を頂戴できれば有り難いと思います。

◆佐藤久美子
市民のところに寄り添っての協議をお願いいたします。

 しなのきプラン29についてです。
 平成24年4月に策定された教育振興基本計画は、平成28年度までの5年間の取り組むべき施策を掲げています。今回示されたしなのきプラン29は、基本計画とどう結合させるのか。今、なぜこのプランが必要なのか、分かりません。
 プランの策定は、計画策定委員は関わらず、子供、保護者、教職員、住民の意見を反映したものでもありません。耳塚教授に学力テストの分析をお願いし策定したとのことですが、所見を伺います。
 また、中学生の学力を付けるという課題があることは分かりますが、具体的な施策が見えません。本当に確かな力を付けることができるのでしょうか、所見を伺います。

◎教育長(堀内征治)
市教育委員会では、本年度実施しました全国学力・学習状況調査を丁寧に分析した結果、様々な成果と課題が明らかになりました。
 そこで、これまでの学力向上施策の見直しを図るため、教育に関わる課題や子供たちに育むべき力等を分析しまして、新たな学力向上施策を策定することといたしました。
 教育振興基本計画は、長野市教育大綱を基本理念として、今後の本市の教育の方向性と施策の展開を体系化したものでありまして、しなのきプラン29は、教育振興基本計画に基づく具体的な事業を学力向上という視点で整理したものであります。
 したがいまして、本プランの作成の際には、教育振興計画策定委員のような外部の有識者等による策定委員会を設置することなく、教育委員会事務局内で策定いたしました。
 ただし、校長会、教頭会、教員への事前説明会等からの意見や学力分析の第一人者であるお茶ノ水女子大学副学長耳塚教授の御助言、大きな成果を上げている先進市の取組等を参考にいたしました。
 今後は、市民の皆様はもとより、多くの関係者の御意見を伺いながら、本プランの3年ごとの見直しに反映させてまいりたいと思っております。
 本プランでは、C学力と定義しました子供たちの意欲、態度を大切に考えております。このC学力の向上を図るためには、子供たちの学びの質や広がりの保障、学びをつなぐ幼保小中高の連携、安全で安心な教育環境の整備等が必要であり、家庭や地域の協力も欠かすことはできません。さらに、教員の力量向上も重要であり、あらゆる角度からのC学力向上策が求められます。
 このC学力の具体的な取組といたしましては、学校ではしなのき授業スタンダードと銘を打ちまして実践いたします。
 これは1時間の授業の中で、キャリア教育につながるC学力の育成を意識した活動を取り入れていくというものでございまして、この授業を日常的に積み重ねていくことがC学力向上につながるものと考えております。
 市教育委員会では、市民の皆様にも本プランの内容を御理解いただき、家庭や地域、学校からの御協力を得ながら、しなのきプラン29の推進に当たりまして、明日を拓く深く豊かな人間性の実現につなげてまいりたいと考えております。

◆佐藤久美子
公立小学校を卒業する生徒は何人で、私立中学校、附属中学校、屋代中学校へ行く生徒は各何人で、公立中学校へ進まない生徒は何人いますか。
 小学生が中学校へ行って、本当に学力低下が起きているのか。現場の意見などを踏まえた検証も必要ではないのか。今まで以上に学力テスト偏重になっていくのではないか。この点について所見を求めます。

◎教育次長(田川昌彦)
平成25年度の数値で申し上げますと、市内の公立小学校を卒業した児童はおよそ3,600人でした。そのうち、約92パーセントのおよそ3,300人が市内の公立中学校に進学し、約8パーセントの300人が市外、県外への転出、私立、県立、国立等の附属中学校、特別支援学校と長野市立の中学校以外に進学をいたしました。
 また、今年度初めて中学入学直後に標準学力検査NRTを実施いたしましたところ、どの教科も全国平均を上回っており、この中学1年生が小学校5年、6年になったときに行った結果と大きな差は見られませんでした。
 しかし、中学3年生で実施する全国学力・学習状況調査は、近年、全国平均を下回っており、小学生が中学校へ行って学力低下が起きていると考えられます。
 議員御指摘の現場の意見を踏まえた検証についてですが、来年度5月と10月には、各学校の代表者による学力担当者会を新たに開催し、学力向上に係る情報交換を行う予定でおり、その結果をしなのきプラン29における分析や授業改善等に反映させ、今後の検証に生かしてまいります。
 今後、中学生の生活習慣や家庭学習の改善、課題探求型の授業の充実等による意欲、態度に当たるC学力を伸ばし、子供たちの知・徳・体をバランス良く育んでまいりますので、議員御指摘の学力テスト偏重にはならないと考えております。

◆佐藤久美子
分母が同じではないということですね。ですので、やはりそこについては、もっと細かな検証が必要だと思います。本当に同じ子供が中学校へ行ったら、がくんと学力が落ちているのかどうか、そこの検証が必要だと思います。
 ただ、人格形成において数字に現れないものも非常に重要であります。私はそのことを言いたいのです。全て数字化されるものではありません。ですので、全体を見てほしい。
 そのことをお願い申し上げまして、質問を終わります。

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