2014年12月定例市議会代表質問 小林よしかず議員
代表質問
◆小林義和
日本共産党長野市会議員団を代表して質問します。
まず、長野県神城断層地震により被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。また、不眠不休で対応された市職員初め関係者に敬意を表します。一日も早い復旧復興のため、市議会としても全力を尽くさなければなりません。
マグニチュード六・七の神城断層地震は、白馬村を初め長野市内にも大きな被害をもたらしました。私ども日本共産党は、地震直後対策本部を立ち上げ、翌日から被災地の実態調査と被災住民から要望を聴き、その日から市対策本部に一次、二次緊急要望書を提出、市長には来年度予算要望の中で緊急課題を提案、三次分要望書も提出しました。関係部局は、真摯に対応、緊急要望は直ちに実行され、敬意を表します。
現時点での教訓を踏まえ、何点か質問します。
まず、午前の質問にもありましたが、県は被災者生活再建支援法が基準未満で適用されない全壊世帯等に国と同等の災害見舞金を支給し、同制度の対象外の半壊世帯にも五十万円を支給します。市内には多数の半壊、一部損壊住宅があり、多額な修理費が掛かります。県の制度に上乗せして、独自の災害支援を行うこと。
次に、多数のブロック塀等の倒壊、瓦屋根の損壊落下が発生しました。夜間のため、直接の負傷者は多くはありませんでしたが、ブロック塀、屋根瓦の損壊の危険性が改めて認識されました。市内のブロック塀等の実態調査と耐震化助成制度、損壊危険対象の撤去費用の補助制度の拡充をすること。
次に、信里小学校が県の実践的防災教育支援事業の指定校となり、学者や地元住民、PTAの協力で自分の住む集落の危険箇所や防災設備などの情報を収集し、地図にまとめ、電子化して地域との共有を目指す、子どもがつくる防災マップづくりを行っています。
従前から市内の多くの小・中学校で交通危険箇所、不審者出没箇所を加えた地域安全マップを作成していますが、多額な費用も掛かります。子供を守る地域力を高めるため財政的支援を行うとともに、全小学校に広げること。
次に、中心市街地の箱清水等に被害が集中した中で、第一から第五地区では、本庁内の地区担当職員が頑張って対応していますが、市長権限を分掌する支所がなく、支所長もいないことが危機管理上でも問題です。市内他地区の支所の存在は、日常的にも災害時にも住民生活のよりどころとなっています。更なる権限拡充とともに、第一から第五地区に支所を設置すること。
次に、白馬村等では近隣住民の連携や消防団の素早い救助活動で一人の死者も出さなかった。日頃の近隣住民の支え合いが機能しました。では、長野市の消防団員の充足、中山間地域の支所の機能別消防団員制度の現状と役割、職員の自覚と権利保障、また民間企業等が社員の消防団活動を保障する消防団協力事業所表示制度の現状と企業努力の拡大、併せて消防団の詰所や器具置場の耐震化の現状と改善はどうか。
以上、五項目について伺います。
次に、市耐震改修促進計画の期限まで一年四か月。現在七割から八割台の進捗率。小規模社会福祉施設、公民館、住宅などの目標達成は困難です。個人住宅の耐震化が進まない原因は、高齢化や高額な工事費です。住宅耐震改修補助金の増額と寝室だけのシェルター仕様の耐震化などへの助成制度の適用について伺います。
なお、九十パーセント目標達成しても避難所や多数の人が利用する公共施設で未耐震のまま残る施設がありますが、それはどんな施設でしょうか。百パーセント耐震化しないのか、伺います。
次に、本計画は平成二十二年度の長野市防災アセスメントで長野盆地西縁断層帯と糸魚川-静岡構造線断層帯による地震を想定、各種の震度や人的・物的被害を予測しています。そこで、長野盆地西縁断層帯沿線など、リスクの高い地域の建築物、耐震化の進捗率、未耐震建物の棟数と居住人口、空き家軒数など、現状と目標年次の耐震化の到達点、道路とインフラの耐震化状況をお伺いいたします。
次に、建設予定の中央消防署でありますが、地質の専門家に意見をお聴きしました。一八四七年、善光寺御開帳時に発生し、死者八千人以上、三万余の家屋倒壊、六万か所以上の崖崩れや液状化などの甚大な被害を記録した推定マグニチュード七・四の善光寺地震は、長野盆地西縁断層の活動が原因。長野盆地はこの活断層の繰り返しの活動で断層西側が隆起、東側の沈降で形成され、緩やかな地盤変動は、年間一ミリメートル程度の速さで現在も継続。断層活動による両側約五メートルの落差は、現在人工的にならされたが、県庁やひまわり公園付近など、各所で道路の傾斜や宅地の段差として現れている。
中央消防署の建設地は、長野盆地西縁断層の真上、段差地形に位置し、地盤工学的リスクは活断層を境に地盤がずれ、建物が倒壊する危険性がある。活断層の活動性は施設の使用期間中に動く確率は低く、要注意な第四紀断層ではないとの見解もあるが、二〇一一年東北地方太平洋沖地震、マグニチュード九・〇は、西暦八六九年の貞観地震以来の千年に一度の巨大地震と言われていたが、二〇〇八年一月時点、文部科学省長期評価は、三陸沖から房総沖の海溝寄りを震源とする津波地震、マグニチュード八・二前後の発生確率は十年以内で七パーセント程度、であったため、二〇一四年に長期評価の見直しが行われた。発生確率の算定根拠となる科学的知見はいまだ不十分。以上が見解の概要です。
今回、神城地震断層直上の神城地区に甚大な被害が出た。災害時の防災拠点である消防署の地盤工学的リスクの高い場所への建設は暴挙であり、本計画は変更すべきです。専門家の知見に対する見解を含めて伺います。
市長の政治姿勢について三点、伺います。
まず、十一月の沖縄県知事選挙で翁長氏が主張し、沖縄の新しい歴史が切り開かれました。名護市辺野古の新基地建設反対の八割の県民の民意を踏み付け、強権的に新基地建設を進める安倍政権への強烈な審判でした。しかし、安倍政権は今なお、辺野古移設を粛々と進めると言い放つ。これが民主主義国家と言えるのか。憲法が保障する地方自治、自己決定権にも反しないか。民主的に選ばれた市長の見解を伺います。
次は、総選挙とアベノミクス、消費税増税であります。
今回の衆議院議員総選挙は、安倍政権の国民の民意に背く暴走が国民の世論と運動に追い込まれた選挙です。私どもは、この選挙は第一に、消費税率十パーセントの増税ストップ、消費税に頼らない別の道を歩む政治への転換。第二に貧困と格差を拡大したアベノミクスストップ、暮らし第一に経済を立て直す政治への転換。第三に、海外で戦争する国づくりストップ、憲法九条の精神に立った外交戦略で平和と安定を築く政治への転換。第四に原発再稼働ストップ、再生可能エネルギー推進政策の道を開く政治への転換。第五は、沖縄新基地建設ストップ、基地のない平和で豊かな沖縄を実現する政治への転換。日本政府の五つの転換が問われていると考えています。
アベノミクスの二年間で国民の暮らしはどうなったか。正社員が二十二万人減る一方、非正規は百二十三万人増の千九百五十二万人、ワーキングプアは約三十万人増えて一千百二十万人。一昨日発表の毎月勤労統計調査は十六か月連続実質賃金マイナス、貯蓄ゼロ世帯は三十・四パーセント、信濃毎日新聞の衆院選世論調査は、アベノミクスで景気が良くなっていない、が八十パーセントです。暮らしは著しい悪化の一方、資本金十億円以上の企業の経常利益は四兆六百九十六億円も増え、約一億円以上の資産を持つ富裕層は九万人以上増えた。アベノミクスが大企業、大資産家の巨額のもうけを保障する一方、貧困層を拡大、物価上昇と消費冷え込みで景気を悪化させたことは明らかです。
市長に伺います。安倍首相が消費税率十パーセントの一年半先送りを表明せざるを得なかったのは、自ら経済失政を認めたからではないか。今の景気悪化は、円安による物価上昇と消費税増税の結果である、増税不況ではないか。九月議会の市長答弁、アベノミクスは効果が出ている。社会保障経費増に対応するため、既に施行された法に基づく消費税率引上げはやむを得ない。今なお、そう言われるのか伺います。
集団的自衛権行使容認、特定秘密保護法と憲法九条であります。
九月議会で市長は、集団的自衛権行使容認の閣議決定を容認し、戦争する国づくりを容認しました。一方、五月、憲法改正に反対する東北六県市町村長九条の会連合が全国で初めて発足。保革を超え、青森市や米沢市は現職市長が参加。総会アピール、絶対に戦争への道は許さない、この冒頭、私たち市町村長の究極の使命は住民の命と暮らしを守ること、住民を殺す戦争は絶対に反対、と宣言し、正当な憲法改正手続を経ず、閣議決定で憲法九条をなきものにしようとするのは、ナチス以上の手口と断罪し、最後に、この運動を全国の市町村長に呼び掛けたい、と結んでいます。
かつて長野県は、国策に忠実に全国一、満蒙開拓団や青少年義勇軍を満蒙の地に送り出し、悲劇的結末を招きました。しかし、あの時代でも、入植地を中国人から収奪したと知り、ただの一人の村民も送り出さなかった村長がいたことを市長は御存じですか。市民の命と暮らしを守る市長として、東北からの呼び掛けに応えませんか。見解を伺います。
また、九月市議会、市長は、自衛官募集事務で自衛隊への資料提供の事実の公表を検討したいと答弁。公表するのか伺います。長野市が防衛省の一機関として自衛官募集事務を行うことはやめ、住民基本台帳法を根拠とすべきです。見解を求めます。
次に、この十日施行される秘密保護法は、政府に不都合な言論弾圧に利用される危険が大の憲法違反であり、廃止すべきです。信濃毎日新聞が掲載した大学教授等の意見の中に、公文書管理法施行三年、いまだ省庁の思いどおりの情報隠匿と破棄の危険性が高く、国民の知る権利の侵害は明らか、特定秘密保護法の廃止と情報公開、公文書管理制度の定着、充実が先決、公文書作成保存には不慣れの現状では、特定秘密保護法の運用に息詰まる、誤解を恐れずに言うと、日本はまだ法を持てる国になっていない、この良識の声に対する見解も含めてお伺いをいたします。
次に、長野市からの平和の発信についてであります。
まず、十一月十日、十一日、松本市で開催された第四回平和首長会議国内加盟都市会議の初日に参加しました。広島市長に続いて、菅谷松本市長は、平和の大切さを子供たちに伝えるのが我々の使命、と挨拶。過去最高の百三市区村長らが参加。核兵器禁止条約交渉開始の先頭に立つよう、政府に求めました。
松本からの平和のメッセージでは、市文書館特別専門員の講演、残したい松本の戦争の記録、小澤征爾さんや二山治雄さんらのDVD平和メッセージも放映。小学生の平和の詩朗読、広島平和記念式典参加者の感想発表、中高生による平和学習等の発表、歴史に対峙し、平和の大切さを学んで二度と戦争は繰り返さない決意に到達する発表で感動しました。
多くの市民や子供たちが会議の成功に貢献した。参加自治体の平和活動の資料も展示されておりました。
昨年十二月議会で、私は松本会議を歓迎し、松本市に協力し、県下未加盟自治体の加盟呼び掛けや多くの市民、青年が参加できる運動の取組を要望。市長はできる限り協力する、県下六十二加盟自治体と松本の会議を通して連携を図りたいと答弁。しかし、当日、市長も副市長も不参加で、長野市の資料もなかった。本当に残念です。
長野市はどのような協力をされたのか。松本会議の評価、戦争する国づくりに突き進む政府の動きの中、平和の実現と核兵器廃絶にどう取り組むのか、市長の考えをお伺いいたします。
次に、北東アジア平和協力構想です。私ども日本共産党は、北東アジアにある様々な緊張や紛争の火種を憲法九条の精神に立った平和の外交戦略で解決する北東アジア平和協力構想を提唱しました。一言で言えば、東南アジア諸国連合がつくっている東南アジア友好協力条約のような地域の平和協力の枠組みを北東アジアにも構築しようという提案です。この構想が九月、スリランカ開催のアジア政党国際会議第八回総会のコロンボ宣言と、十月、ソウル開催の日韓・韓日議員連盟合同総会共同声明に盛り込まれ、生かされました。
市長に地域の平和協力の枠組みを北東アジアに構築する動きに対する御意見をお伺いをいたします。
翻って、足元の長野市では中国石家庄市との友好交流を重ねていますが、前市長と議会が石家庄市を訪問した際、平和首長会議加盟を公式に呼び掛け、検討するとの返事を得てから三年、加藤新市長が前市長が投げたピンポン玉を元気玉にして返してもらったらどうでしょうか。返事はともかく、友好交流は必ず発展するでしょう。
また、二〇一八年、冬季五輪開催都市韓国ピョンチャンとは積極果敢に友好都市締結へ挑戦していただきたい。日中韓の自治体外交は、必ず北東アジアの平和につながります。市長の答弁を求めます。
次に、松代大本営の地下壕案内板問題です。
庁内の僅か三回の検討で、多くの朝鮮人や日本の人々が強制的に動員されたと言われていると曖昧な表現にされた。しかし、朝鮮人の強制的動員は長野市誌を執筆した大本営地下壕研究の第一人者、元県立短期大学教授の故青木孝寿氏の研究で史実であり、伝聞ではない。市長は、国の責任で調査すべき問題、自治体が踏み込むのは避けたいと言いましたが、説明板の書換えは、長野市自身が踏み込んで史実を曲げたことになる。長野市誌は歴史書ではないのか、市長に問いたい。
私ども市議団が樋口副市長に申し入れたとき、長野市誌に依拠して検討したいと述べたが、逆に長野市誌を否定するようなことになった。では、長野市誌を訂正するのか、これも市長に問いたい。私は、新表記を撤回し元に戻して、長野市誌編さん委員会と専門家や市民が検討すべき問題であると思いますが、見解を伺います。
次は、来年の戦後七十周年に当たって提案します。
まず、市民平和の日のつどいは、戦後七十周年の年にふさわしく企画会社頼みでなく市民のアイデアも募集して、多くの市民や子供たちが参加できる内容にしていただきたい。
例えば、長野空襲資料展示とか、松本市との連携で核兵器廃絶署名に力を入れるとか、如是姫や新幹線延伸、善光寺御開帳とかみ合った内容もどうでしょうか、見解をお聞きをいたします。
次に、長野冬季五輪開会式は善光寺の鐘の音で始まりましたが、八月十五日、終戦記念日に一斉に非戦の鐘を打ち鳴らす宗派もあります。大みそかの除夜の鐘は、耳を澄ませば善光寺平一円に響き渡り、新しい年を迎えます。ヨーロッパの都市を旅すると、まち中に響きわたる荘厳な教会の鐘の音は、旅人の心にも響きます。
私は、さきに善光寺事務局と議会関係者の懇談で、善光寺を中心に仏教会が一致して平和の金を鳴らしてはどうかと提案しました。改めて来年のエポック年、地震で壊れた善光寺鐘楼の修復ができたなら、長野市が仲介の労をとって、平和の鐘を実現できないか伺います。
次は、二代目如是姫像の案内板設置ですが、市長の設置するとの答弁で進められていると聞いています。市議会だよりを御覧になった方が、昭和二十年八月十三日に、長野から別の場所へ疎開しようと駅に来たら長野空襲に遭い、台座の下の防空壕に逃げ込み、駅機関区が空襲される様を見ていたと話してくれ、長野市出身東京在住者からも連絡をいただきました。如是姫は長野駅の象徴的な存在だと認識を新たにしたところです。案内板の内容を伺います。
次に、長野空襲、旧長野飛行場についてであります。毎年八月十三日に市民集会を開催し、粘り強く調査研究してきた長野空襲を語り継ぐ会の冊子、長野が空襲された、や長野市誌に詳述されている長野空襲から来年で七十年。長野空襲は第一期大都市軍事工業地帯、第二期夜間空襲などに続く第三期中小都市の空襲で被害は県下最大。国鉄長野駅、長野機関区、長野飛行場を初め民家も爆撃され、四十七名が死亡。全国で空襲された都市の多くが慰霊碑等で歴史を語り伝えていますが、長野市に慰霊碑はありません。長野機関区等の犠牲者の慰霊碑は、平林の工場に移転されています。
そこで伺いますが、七十周年を迎え、関係市民の意見を聴き、例えば長野空襲と平和をテーマにした野外彫刻を募集し、記念碑とするとか、市公文書館の学芸員の力で長野空襲資料特別展示なども考えられると思います。見解を伺います。
また、旧長野飛行場跡に記念碑は建っていますが、飛行場入り口の二本の門柱や道路として残る川合新田団地内や犀陵中学校周辺の滑走路や旋回路などの痕跡は忘れ去られています。長野市誌では、旧長野飛行場は昭和十六年陸軍が接収し、練習機の訓練に使用。松代大本営建設が始まり、東京や各地の軍機関を結ぶ重要施設に格上げされ、天皇御座所建設までに大型軍用機の離着陸のための拡張工事を迫られ、完成後、空襲されたと。旧長野飛行場の調査と遺跡保存も必要です。
また、平成三年飛行場の上に建てられた犀陵中学校も建設地の歴史を平和学習等の一環として生徒に語り伝えてほしいと思います。見解を伺います。
次は、一年たった市長直轄プロジェクトについてです。
市議会新幹線延伸対策特別委員会は、九月、市長に提言しました。その中から、市観光情報センターの再整備と職員増、ボランティアガイド窓口設置、公共交通利用促進のため、荷物預かりと配送サービス導入、災害等緊急時に交通機関や市の窓口となるセンター職員の役割の明確化や連絡体制の確立、まち歩き観光推進と滞在時間延長の要である店舗等のトイレ貸出システムの早急の確立、通称善光寺東参道への支援体制、まち歩き観光への食文化を効果的に取り入れたコース設定や観光客のオーダーによるガイド案内、案内表記の多言語化や国内在住外国人及び海外旅行代理店へのPRなどインバウンド対策、観光戦略室への専門的人材配置、庁内関係外郭団体の横断的連携と長期的視点で取り組む組織づくり、善光寺御開帳時の深刻な周辺地域の交通渋滞の抜本的な対策、自家用車の交通規制や駐車場利用制限等の検討、全庁を挙げたシティプロモーションの取組と、市民アンケートの実施や市民主体のワーキンググループの設置、以上、実施状況をお伺いをいたします。
次に、市長は中山間地域があるからまちがある、として、昨年就任後、中山間地域を回り、住民自治協議会や支所職員と懇談、実情を把握し、担当部局に活性化策検討を指示し、具体的施策はプロジェクトで決定し、速やかに実行するとしました。しかし、市長一年目の記者会見では、前へ進める一歩が出てこなかったと述べた。なぜか。自己分析と今年度の残期間、そして、来年度予算での具体的な対応をお伺いをいたします。
この延長線上の問題として、次に、地方創生と人口減少社会の考え方、来年度の予算編成方針について伺います。
日本創成会議の報告書で、二〇四〇年までに若い女性が半減する市町村が八百九十六、全国の半分の市町村が消滅する可能性があると決め付け、マスコミがセンセーショナルに報道。これを受けて安倍首相は骨太方針で人口急減、超高齢化を理由に社会保障などあらゆる制度を見直し、公共施設やサービスは都市部に集約してコンパクトシティをつくり、周辺地域や中小市町村は道路などネットワークで結ぶ。一方、東京、名古屋、大阪をスーパーメガリージョン--超巨大圏域にして世界から、ヒト・モノ・カネを集め、国際競争力を強化し、国の役割を外交や防衛などに限定、道州制を導入する。全国町村会は、地方の切捨てであると強く反対しています。
明治大学の小田切徳美教授は、東日本大震災以降、地方へのUターン、Ⅰターンが増え、鳥取県や島根県、消滅するとされた小規模市町村の人口などは増え、若者の田園回帰が反映されていない。奈良女子大大学院の中山徹教授は、日本の人口減の原因は、先進諸国と比べ第一次産業を粗末にした地域産業の衰退と国際化による製造業の打撃にある。安心して子供を産み育てられれば、人口減は防げると。片山善博元総務大臣・鳥取元県知事も、人口減少を理由に森林や水資源を維持し、食料供給を担う離島や農山漁村を切ってはならないとそれぞれ厳しく指摘しています。
市長は、地方創生に素早く反応し、人口減少に挑む市長声明を発し、対策本部を設置、来年度予算編成方針の柱に据えた。紹介した学者、研究者の指摘に対する見解と予算編成方針の方向を伺います。
次に、地域おこし協力隊について伺います。
地方自治体が都市圏から都市住民を受け入れて委嘱する地域おこし協力隊は、一年以上三年までの間、地域に住みながら地域おこし活動の支援、農林漁業の応援、住民の生活支援などの活動を行い、都市部から過疎地域への定住促進と、地域活動支援の二面を持っております。
隊員一人当たり四百万円の特別交付税措置がある。全国では、三年終了後、地域に広範なネットワークを構築し、地域に溶け込み、定住するケースも増えています。長野市は、今年度から特別職非常勤職員として十二名雇用、現在、十一名が活動中であります。三十六パーセントが女性、二十代、三十代が六十四パーセント、平均年齢三十四・五歳と、地域に若い風を起こし、隊員の活動は新聞紙上でも注目されております。
中山間地域十三地区導入が目標ということですが、現時点での地域おこし協力隊の評価と課題、来年度以降の方針をお伺いいたします。
定住促進と空き家対策の条例化であります。本議会に提案された特定公共賃貸住宅と若者向け住宅の家賃や入居要件の見直しの条例案は、中山間地域の空き家解消、定住促進、地域の活性化に期待できます。
一方、国土交通省は、地域優良賃貸住宅制度を活用し、都市郊外の一戸建て空き家を地方自治体が借り受け、子育て中の世帯が住みやすいよう改修し、貸し出す、入居対象者に新婚や妊婦のいる世帯も加えるとの方針だとの報道がありました。現在の市の地域優良賃貸住宅制度の活用状況と、今後の方針についてお伺いいたします。
次に、県内で松本市、飯山市など十一市町村は、空き家の適正管理条例を策定していると報道がありました。撤去だけでなく再利用を図る仕組みも求められます。全国では、農山村の古民家への移住や店舗に変えていく例も増えています。市は、空き家バンク制度の構築、子育て支援、低所得者などへの住宅権を保障する総合的な空き家対策条例の制定を行うべきですが、見解を伺います。
次は、若者の創造力と中心市街地の元気です。
若者による中心市街地のにぎわいや文化の発信も人口減少対策の重要な柱です。旧後町小学校や旧長野市民会館は、歴史や文化財的価値を市民や建築家の多くの方が指摘し、保存と活用を検討しましたが、行政はそれを認めなかった。
一方、善光寺門前で暮らしや仕事の場として空き家、あるいは歴史ある街並みに魅力を見出して、町工場だった建物を貸事務所、あるいはカフェなどに改装して運営する若者たちがいますが、蔵春閣にも価値を発見して演劇を初め様々な創造活動の空間として生かしています。それは芝居小屋がまちの映画館として営み続ける最古のと言われる相生座を生かした権堂のまちづくりにも言えます。
そこで、市は若者の知恵を集める組織づくりや財政も含めた支援ができないか。また、権堂の東の入り口に位置し、住民自治協議会も入る市民交流センターの指定管理者は、東京の株式会社よりも地元で権堂再生計画の中心として活動している株式会社まちづくり長野こそふさわしいのではないか、見解を伺います。
次に、公共ホールによる文化のまちづくりであります。
開館十周年の金沢二十一世紀美術館を視察してきました。兼六園の年間入場者百七十万人に対して百五十万人前後の入館者という秘密はどこにあるか。鍵は美術館の目的がまちと共に成長し、新しい文化の創造と、新たなまちのにぎわいの創出に資する四つのコンセプト、一番目は世界の現在と共に生きる美術館、そして、二番目にまちに生き、市民と創る参画交流型の美術館、三番目に地域の伝統を未来につなげ、世界に開く美術館、四番目に子供たちと共に成長する美術館としたことにあります。
四か所の入り口があって、入館料無料ゾーンも設置され、美術館独自の自主事業の他に市民等の発表の場やワークショップ、また加賀藩前田家の茶室も設置され、伝統美と現代美も融合している。周辺商店街や大学などと連携、運営をしている金沢芸術創造財団は、紡績工場を再生し、二十四時間、市民や若者の芸術活動、あるいは伝統工芸の拠点となっている市民芸術村など、八芸術施設を運営し、文化の裾野を大きく広げています。
市民友の会の会員も二千人、法人会員も九十二社で運営を支えている。学芸員は全て正規職員で、市からの派遣職員も多くおりまして、公的責任も大きく役割を果たしております。
そこで、長野市芸術館は、一地方都市から芸術監督久石譲さんの音楽世界の魅力をどう国内外に発信するのか。市民の交流の広場、音楽文化など、芸術の営みの裾野をどう広げるのか。市民が集う市庁舎と一体の条件をどう生かすのか。長野駅や善光寺、権堂とどうつながるのか。ぐるりん号や長野電鉄、市役所駅前との連携をどうするのか。芸術館周辺の商店街のにぎわいへの貢献など、様々な課題があると思いますが、これに対する見解、そしてオープンに向けた取組の方針をお伺いいたします。
次に、中山間地域活性化と農山漁村再生エネルギー法、鳥獣保護管理法について伺います。
今や原発の危険や地域温暖化の危機、化石燃料の枯渇から再生エネルギーが持続的な未来を開くことは明らかであります。先日、太陽光発電事業投資会社おひさまエネルギーファンドが、信濃の国おひさまファンドを新設し、鬼無里地区で自然エネルギー信州ネット--官民でつくっている、このネットを母体にした信州パートナーズセットが雇用創出などを目的に、地元のNPO法人まめってぇ鬼無里と連携して、鬼無里の不耕作地に太陽光パネルを整備する計画に市民の出資金を募っているとの報道がされました。
実は五月に施行されております農山漁村再生可能エネルギー法は、農林漁業が有する食料供給や国土の保全機能等の発揮に留意し、地域市民共同の再生可能エネルギーの生産で得られた利益を地域に還元し、雇用創出や地域所得向上を図る、地域の多様な関係者の合意形成や施設の導入に必要な資金の地元の調達、こういう課題に応えるものになっていると思います。鬼無里の取組も含めて、市はこの農山漁村再生可能エネルギー法を長野市でどのように活用し、実現をしていく計画であるか、お伺いをいたします。
次に、中山間地域では、人口減少とともに農林業の鳥獣被害はますます深刻になっています。従来は、鳥獣被害防止特別措置法で市町村が主体で対策を行っておりました。今度できる鳥獣保護管理法では、都道府県単位で広域的に野生鳥獣の生態の把握や捕獲を進めることが可能となります。市の鳥獣被害対策は今後どう進めるのか、併せて市の西部方面へ捕獲鳥獣の処理加工場の二つ目の施設を増設と。そして、専門食肉処理の職員の増員も図っていただきたいと思いますが、見解をお伺いをいたします。
次に、市嘱託職員の賃金改善についてお聞きします。
アベノミクスで非正規労働者やワーキングプアが増え続ける中、長野市ではどうか。昨年、私は市長に市立保育園で月給十六万円で働く七十パーセントを占める嘱託保育士の賃金の緊急改善の決断を求め、市長は前向きな答弁をされました。先行した民間保育所の改善はどうなったか、市嘱託保育士の改善はいつ行うのか伺います。
また、再三改善を求めてきた嘱託の図書館司書、博物館等の学芸員など専門職員、事務職員も含めて抜本的賃金改善による官製ワーキングプア解消についてもお伺いをいたします。
次は、子供の貧困対策大綱についてであります。
子供の貧困率は、過去最悪の十六・三パーセント、ひとり親家庭の貧困率は五十四・六パーセントと大変深刻です。政府は、子供の貧困対策大綱を閣議決定し、親から子への貧困の連鎖を断ち切るとしましたが、各種団体が切望した児童扶養手当の拡充、給付型奨学金の導入、就学援助の拡充、子供の医療費の窓口無料、貧困率改善の数値目標の設定などは盛り込みませんでした。
イギリスでは一九九九年、ブレア首相が子供の貧困を撲滅すると公約し、貧困率十六・七パーセントが現在九・五パーセントになった。長野市の貧困率、ひとり親家庭の貧困率の推移はどうか。
子供の貧困率を下げるには、保護者の就労状況の大幅な改善、子供のいる世帯への現物給付が不可欠です。地方自治体は、国に具体策の実現を求めるべきであります。国の子供の貧困対策大綱の評価、市のひとり親世帯の就労の改善や現物給付の取組と成果、来年度予算での改善施策、スクールソーシャルワーカーの増員についてもお伺いをいたします。
最後ですが、道徳の教科化についてとであります。現在、正式な教科ではない道徳の時間を教科に格上げする。信濃毎日新聞社説は厳しく指摘をしております。第一に、教科書は民間が編集し文部科学省が検定する、教科書会社は愛国心を強調した教科書をつくる、価値観の多様性は無くなる、道徳は教科書で学ぶものか、学校内外で様々な社会体験をする、クラス、部活、生徒会、友達、男女、地域、これらの関わりを通して悩みや課題を抱える、それこそ生きた教材、道徳の授業だと。全国仕様の教科書でできると思えない。第二に、教科になると成績が付けられる。心の成長は評価になじまないとしております。
これまで学校現場で努力されてきた道徳教育の取組の評価と国の道徳教科化について、教育委員会委員長の御所見をお伺いをいたします。
以上で質問を終わります。
(三十七番 小林義和君 質問席へ移動)
◎市長(加藤久雄)
大変博学多才な小林義和議員には、市政を超えた広範な様々な観点から大変鋭い質問を頂きまして、誠にありがとうございます。私も大変勉強になるわけでございます。
それでは、議員の御質問にお答えをしたいと思います。
まず、今回の長野県神城断層地震で被災された方に対する本市独自の支援策についてでございますが、まず御質問にありましたように、県におきましては、住宅が損壊した世帯に対する国の支援制度が適用にならない地域において、全壊や半壊と判断された家屋を対象に、国の支援制度に準じ、最大で三百万円の支援を独自に行う見込みでありまして、長野市もその対象となる見込みでございます。
本市では、それに加えまして、居住されている住宅に固定資産税の減免対象となる一定以上の被害を受け、他の公的支援策の対象とならない住宅所有者の皆様に対してお見舞いを申し上げる方向で検討しているところでございます。
また、県では被災した住宅を復旧するための建替えや修繕に利用できる住宅金融支援機構の災害復興住宅融資について災害救助法が適用される白馬村など三村を対象に、基本融資額に対する利子補給を行うとされております。
本市の場合、対象となっておりませんけれども、県と同様に同融資を受ける方に対して利子の一部を助成し、早期復興を支援してまいりたいと考えております。
また、住宅の応急危険度判定で危険と判定され、自主避難されている方のうち、希望される方には市営住宅を一定期間無償で提供することとし、現在、準備を進めているところでございます。
次に、第一地区から第五地区への支所の設置についてお答えします。
支所につきましては、住民票等の証明発行や福祉給付の申請受付など、窓口サービスを行うとともに、地区まちづくり活動の拠点として住民自治協議会を初め、地区住民との連絡調整や活動支援を行っております。また、災害時には防災拠点として、災害情報の収集や伝達、関係機関との連絡調整及び災害相談の受付などの業務を行っているところでございます。
第一地区から第五地区につきましては、市役所本庁舎から距離が近く、また交通の便も比較的良いこともあり、窓口サービスについては、本庁の各課、バスターミナル及び大門連絡室を御利用いただいております。また、まちづくり活動の支援という面では、もんぜんぷら座に活動拠点を設けるとともに、市民活動支援課長を初め担当職員が住民自治協議会や地区との連絡調整、活動の支援を行っております。
今回の地震災害につきましても、担当職員が本庁各課と連絡をとり合いながら、地区内の被害状況の確認や被害者の生活上の支援に関する相談等に対応しているところでございます。
また、来年一月に、もんぜんぷら座内にある住民自治協議会合同事務所が権堂イーストプラザに移転するのに併せ、市民活動支援課の担当職員も本庁から同じビル内の事務室に移り、事務を行うこととしております。これにより、これまで以上により身近に地区との連絡調整や充実した支援を行うことができるものと考えております。そんなことで、現段階では支所設置の必要性は薄いものと考えております。
次に、中央消防署庁舎整備についてお答えいたします。
本事業は、中心市街地を管轄する現中央消防署庁舎の耐震性が確保されておらず、防災拠点としての機能が不十分であることから、市民要望を踏まえ、総合的に検討を行った結果、旧勤労者福祉センター跡地に新築移転することとともに、併せて中心市街地の消防体制の充実強化を図ることといたしました。
議員も触れられている建設地に近接した長野盆地西縁断層に関しては、文部科学省の特別機関である地震調査研究推進本部が歴史記録や調査研究等に基づき、過去の地震活動記録を統計的に処理した地震発生確率などを長期評価結果として、本年四月に公表いたしました。
その中で、平均活動間隔は八百年から二千五百年であり、地震発生確率は今後百年以内までほぼゼロでございました。地震の発生確率はいろいろな見解がございますので、より強固な防災拠点とするため、庁舎の耐震性については、阪神・淡路大震災相当の一・五倍の力に対しても倒壊しない耐震等級三というレベルの庁舎整備を計画しております。
これらの事業展開によりまして、大規模自然災害の発生にも備えながら、平常時における年間約一万件を超える消防救助活動や一万八千件を超えようとする救急需要に対応するため、各種災害の最前線で活動する消防の充実強化を図り、市民の安全・安心の負託に応えてまいります。
次に、沖縄県知事選挙の結果と地方自治についてお答えします。
安倍首相は、普天間飛行場の移設について、この度の沖縄県知事選挙の結果を受けて、選挙結果は真摯に受け止めなければならない。少しでも負担を軽減してもらいたいという沖縄の皆さんの思いは当然強い。地元の理解をいただくことができるよう努力を重ねていきたいと発言されております。
私は、こうした首相の発言から、名護市辺野古への基地移設につきましては、政府において適切に対応されるものと考えております。
次に、アベノミクスに関する御質問にお答えいたします。
現在、国内の経済状況は、円安の進行や消費の落ち込みなどが見られるものの、以前に比べると株価の上昇や円高の是正、また有効求人倍率や民間企業の平均給与が改善傾向にあることなど、経済対策としてのアベノミクスは徐々にではありますけれども、成果を上げつつあるのではないかと考えております。
なお、十月の消費税率引上げの延期につきましては、税制抜本改革法の景気判断条項に基づきGDPの経済状況等から適切に判断されたものと受け止めております。
しかし、まだまだ地方では、アベノミクスによる効果は実感しづらいところであり、さきの臨時国会では東京一極集中を見直し、それぞれの地域の住み良い環境を確保して、地方への人の流れを作るための地方創生関連二法案を成立し、衆議院議員総選挙後に発足する内閣には、速やかに長期ビジョンに基づく総合戦略が示されることを望むところでございます。
消費税率の引上げに関する質問でございますけれども、国の財政再建と社会保障制度を次世代に引き渡し、子育て支援を充実させていくためにはやむを得ないものという、私の考えは今も変わっておりません。
消費税率十パーセントへの引上げ時期の延期が判断されましたが、まずはデフレ脱却に向けて企業収益の改善を雇用、所得や消費の増加につなげていくという経済の好循環への流れを確実にしていくことが重要であると考えております。
次に、東北六県市町村長九条の会連合への参加についてお答えします。
この連合は、憲法九条を守る運動を強化していくため、東北各県の市町村長や市町村長経験者が参加し、結成されたとお聞きしておりますが、憲法九条につきましては、国会初め国民の間にも様々な議論があり、意見も分かれていることから、現時点では、この連合に参加することは考えておりません。
次に、自衛隊への資料提供の事実の公表についてお答えします。
自衛隊への資料提供については、今後、市のホームページで公表してまいります。
次に、自衛隊への資料提供は、住民基本台帳法に基づく閲覧に転換すべきについてお答えします。
自衛隊適齢者名簿の提供は、自衛官募集事務に関わるものでございます。自衛隊法第九十七条で、市町村長は、政令で定めるところにより、自衛官の募集に関する事務の一部を行う、とされ、自衛隊法施行令第百二十条では、自衛官の募集に関し必要があると認めるときは、市町村長に対し必要な報告又は資料の提出を求めることができる、とうたわれております。また、提供に当たっては、長野市個人情報保護条例第九条第二項第四号の国又は他の地方公共団体に記録情報を提供する場合における相当な理由に該当するものと判断しております。
したがいまして、今後も自衛隊法及び長野市個人情報保護条例に基づき提供してまいりたいと考えております。
次に、特定秘密保護法についてお答えします。
私は国の安全保障に関する情報のうち、特に秘匿が必要な情報については漏えい防止を図るための法整備を行うことは、国及び国民の安全の確保を図る観点で必要であると考えております。
なお、この法律については御質問にあります御意見を含め、本年夏に実施されたパブリックコメントにおいても、運用基準等に不安を感じる意見が寄せられていることから、国においては法施行後においても、国民の理解が深まりますよう適正に制度が運用されることが必要と考えております。
また、御質問ありました信毎紙上での特定秘密保護法に対する二人の教授の批判についての見解でございますけれども、記事の内容につきましては、法律に対する学術的な見解でございまして、市長として論評する立場じゃないと考えております。
次に、平和市長会議についてお答えいたします。
先月松本市で開催されました第四回平和首長会議国内加盟都市会議につきまして、私は、アテネマラソン選手団の派遣団長としてギリシャに行っていたため参加できず残念でありましたが、マラソン発祥の地と言われるギリシャの大地を駆け抜ける大勢のランナーを見て、平和の大切さ、すばらしさを改めて実感したところでございます。また、松本市での会議に参加した職員からは、多くの自治体から参加や様々な発表等があり、熱気にあふれた大会であったと報告を受けております。
なお、事務局からは特段の協力要請がありませんでしたので、通常に職員が会議に参加をさせていただきました。
会議においては、松本市内の子供たちから平和に関する取組が数多く発表されたとのことですが、次代を担う子供たちと共に、平和の大切さを考えていくことの重要性を改めて認識した次第でございます。また、最終日には核兵器を廃絶し、戦争のない平和な世界を実現するため、共に行動していくとする総括文書が採択されております。争いのない平和な世界の実現は人類共通の願いであり、同時に困難な課題でありますが、本市といたしましても、他の自治体の取組も参考にしながら、機会を捉えて平和の大切さを発信してまいりたいと考えております。
次に、北東アジア平和協力構想についてお答えします。
御質問にありました北東アジア平和協力構想及び本年開催された二つの国際会議における宣言、声明につきましては、詳細を承知しておりませんので、私からの意見はございません。
次に、平和首長会議への参加を石家庄市に再度打診してはどうかとの御提案でございますが、この件につきましては、一昨年四月に鷲澤前市長が石家庄市を訪問した際に、同会議への加盟について程凱副市長に説明し、検討するとの返事を頂いております。そのことで、現時点では重ねて参加を呼び掛けることは考えておりません。
次に、韓国ピョンチャン郡との冬季五輪開催都市をテーマにした友好都市締結についてお答えいたします。
二〇一八年、冬季オリンピック開催決定都市である韓国ピョンチャン郡とは冬季オリンピック開催都市を共通テーマに新たな交流が図れないかとの観点から、平成二十四年及び二十五年、副市長プロジェクトにおいて検討を行ってきた経過がございます。しかしながら、領土問題や歴史認識の違いなど、両国の関係が冷え込む中、両市の友好交流を図るにはしばらく情勢を注視せざるを得ない状況であるとの判断に至り、副市長プロジェクトでの検討は見送り、ピョンチャンオリンピックに向けた事前合宿誘致などを契機とした交流の可能性について検討することとしました。
現段階では、こうした交流に向けた具体的な検討機会を得ていないのが実情ですが、市内には韓国と独自の交流事業を続けている国際交流団体などがございますので、当面はこうした団体に長野市国際交流推進事業補助金を交付するなどして、民間レベルでの交流促進に向けた支援をしてまいりたいと考えております。
市民レベルの交流の輪が広がり、そこから友好都市締結へと発展すれば、市民が主体となった理想的な交流、締結になるのではないかと考えております。
今週一日に、駐新潟大韓民国総領事館趙建煕総領事が着任の御挨拶にお見えになりました。その席で総領事は、市民レベルでの草の根交流の重要性を述べられていました。私もその意見に賛同するものでありますが、外交問題や国民感情の差異など、両国の間に解決しなければならない課題がまだまだありますので、こうした両国間の様々な情勢、市民の交流に向けた機運の高まりなどを見極めながら、友好都市締結も含めた両市の友好親善の可能性を検討してまいりたいと考えております。
次に、松代大本営地下壕案内板についてお答えします。
長野市誌は、本市の正確な史実や歴史、文化をとどめ、明日のまちづくりの指針となるものと位置付けており、記載内容についての考え方として、朝鮮の歴史研究者の調査報告書を引用する形で記載されている市誌の中の強制については、編さん時に示された当時の歴史の評価と捉えております。
案内説明板の表記につきましては、客観的事実の記載に努め、見解の分かれる分についてはその旨を記載するとともに、簡潔かつ見学者にとって分かりやすい表記とするという見直し方針に基づき、長野市誌の位置付け上、市誌の内容をベースに関連する公的機関等が発行した他の文献も参考にする中で見直しをしたものであり、市誌の記述を否定するものではありません。
強制性については、歴史的評価であり、様々な見解があるため、市としては論争があったことは認めますが、改めて強制があった、なかったという議論には踏み込まないというのが基本的なスタンスであります。また、松代地下壕の建設は、戦時下において推し進められた国家的プロジェクト事業であり、歴史的位置付けや評価は事業主体である国が責任を持って判断し、説明すべきものであると考えております。
このようなことから、今回の説明文は様々な見解があることを認め、事実をそのまま伝えることが管理者としての誠実な姿勢であると考え、見学者それぞれが戦争と平和を考える機会となるよう修正したものであり、市誌の記述を否定するものではありません。そういうことでございますので、専門家や市民が参加する長野市誌編さん委員会等の設置は必要ないと考えております。
次に、中山間地域の活性化の自己分析と今後の具体的な方策についてお答えします。
私は、中山間地域があるからまちがあるとして、昨年の市長就任直後に中山間地域活性化のための市長直轄プロジェクトを立ち上げ、全庁を挙げて活性化に取り組んできたところでございます。農業においては農地流動化や新規就農を促進したり、ソルガムやケールなど新規作物の導入、耕作放棄地対策として長野市農業公社が松代、戸隠、信更地区などで集中的な農家の再生と集約を行い、担い手に貸し付けて実績を上げております。
また、野生鳥獣対策については、捕獲に要する平成二十六年度予算を前年度対比一・七倍にした他、若穂山新田地区で、国庫補助事業を活用して地区全体を電気柵で囲む取組を行い、効果を上げております。
そして、十一月二十五日、初めて開催されました農協、農業委員会、農業公社と長野市との意見交換会では、これらの関係者がスクラムを組んで課題に取り組んでいく、対応していくことを確認をいたしました。
産業におきましては、やまざとビジネス支援事業補助金により雇用の創出に努めておりますが、さらに中山間地域の定住促進策としての移住政策やUターン促進多世代住宅建設補助金の創設に向けた検討を進めているところでございます。しかしながら、すぐに効果が表れにくいことや効果が限定的なことから、特効薬が無いと申し上げたのでございます。
このように人口減少が著しく耕作放棄地が拡大している中山間地域の活性化は、喫緊の課題であります。現在、来年度に向けて予算編成を行っているところでございますが、地域特性を生かした特色のある地域づくりを優先施策の一つとしており、この中で中山間地域の活性化に向け、ワイン用ブドウの栽培支援等の事業の拡充や新たな施策を実施してまいりたいと考えております。
次に、人口減少に挑む市長声明と対策本部についてお答えします。
人口急減、超高齢化の進展は、日本の人口構造上、避けられないものであると認識しており、日本創成会議の報告内容についても、現状を客観的に分析したものの一つとして受け止めなくてはならないと考えております。そこで、私は今、置かれている現状を市民の皆様と共有し、前向きに人口減少社会に対応する必要があると考えるから、市長声明を発表したものでございます。
このことを踏まえて、さきにお示しした平成二十七年度予算編成方針においても、定住人口の増加に向けた魅力づくり、交流人口の増加に向けた賑わいの創出及び地域特性を活かした特色ある地域づくり、に向けた取組に予算を優先的に配分することとし、各部局の横断的な発想により事業構築を図ることとしているところでございます。
本市は、多様な地域特性を持ち、首都圏からの交通の利便も良いなど、市の持つポテンシャルは非常に高いと考えております。これらを、地域資源として十分に活用した魅力ある地域づくりに係る施策を実施していくことで、人口減少に歯止めを掛けていきたいと考えております。
次に、市嘱託職員の賃金改善についてお答えをいたします。
初めに、私立保育所の保育士等の処遇の具体的な改善についての御質問でございますが、平成二十五年度には、保育士等処遇改善臨時特例事業による総額九千万円余りの補助金を活用し、常勤保育士一人当たり約一万円以上の月額賃金の改善が図られております。
次に、市嘱託保育士の賃金改善の取組についてでございますけれども、来年四月からスタートする子ども・子育て支援新制度の趣旨を踏まえ、公立保育所においても職場への定着及び質の高い人材の確保を図るため、国の動向等を勘案し、来年度に向け、嘱託保育士につきましては、待遇改善の方向で検討してまいりたいと考えております。
次に、他の職種についてでございますが、非常勤職員の中には様々な職種があり、その業務の専門性や責任の度合い、職務内容等を考慮して勤務条件を定めております。職種によっては、例えば資格が必要な介護認定調査員などのように正規の新規採用職員の初任給よりも高い賃金となっているものもあります。また、非常勤職員については、賃金以外に育児休業や介護休暇制度を導入するなど、処遇の改善にも努めてきたところでございます。
さらに、国の人事院勧告により正規職員の給与が引き下げられている中においても、非常勤職員については、賃金を据え置いてきたところでございます。
一方、国においては、来年度水準を引き下げる方向で給与制度の総合的見直しが行われるとされておりますけれども、本市の非常勤職員の賃金については、これに追随することは考えておりませんし、併せまして、今後の休暇制度等の処遇面の改善について検討してまいりたいと考えております。
◎教育委員会委員長(近藤守)
私から、道徳の教科化についてお答えいたします。
学校現場におけるこれまでの道徳教育の取組への評価についてですが、学校では道徳の時間において自分自身に関すること、他人との関わりに関すること、自然や崇高なものとの関わりに関すること、集団や社会との関わりに関することについて、多様な考えを踏まえながら、自分の在り方、生き方について考える学習が行われてきております。併せて、各教科の学習や部活動、生徒会、友達や地域との交流体験活動等教育活動全般を通じて価値を自覚し、深め、行為につながる道徳教育の実践が行われております。
なお、本県においては、以前から道徳の授業に用いる教材を教員が自主的に作成し、児童・生徒自身が道徳的価値を自覚できるような指導を行ってきております。
国の進める道徳の教科化についてですが、十月の中央教育審議会の答申において、道徳を特別な教科にすること、それに伴って指導の目標を明確にし、内容をより発達段階を踏まえた体系的なものにすること、検定教科書や記述による評価の導入等について方向性が示されました。その中で、教科書を中心となる教材とし、郷土資料や多様な教材の活用についても重要とされております。
したがって、特別な教科として道徳の授業が行われる場合にも、指導の狙いに則して検定教科書を用いながらも、多様な教材を併用することで児童・生徒の学びは深まるものと考えております。
評価につきましては、内面や人格に優劣を付けるのではなく、学習状況や成長の様子を総合的に評価し、児童・生徒の意欲や可能性を引き出すような工夫をすることが大切になると考えております。
道徳の教科化を契機に、自立した一人の人間として人生を他者と共によりよく生きる人格を形成していけるよう、全教育活動における道徳教育の充実を一層図っていくことが求められていると考えております。
◎教育長(堀内征治)
文化芸術振興に係る様々な課題についてお答え申し上げます。
芸術館建設に当たっては、様々なバックグラウンドを持つ市民の皆様の意見を生かすため、公募による長野市民会館市民ワークショップを組織した他、建築、芸術、劇場運営などに関わる専門家による助言を頂いて、第一庁舎・長野市民会館建設基本計画を初め新市民会館運営管理基本計画、(仮称)長野市民文化芸術会館運営管理実施計画を策定してまいりました。
これらの計画では、新設する芸術館は文化芸術と出会い、ふれあい、創り出す、長野市民の文化芸術交流拠点となることを運営管理の基本理念としており、育む、楽しむ、創る、つなぐという四つの役割を持っております。これを受け、一つ目として、市民が日常的に多様な文化芸術に出会う機会の創出、二つ目として、子供たちを初めとする全ての世代が良質な文化芸術に触れ、豊かな心を育む機会の創出、三つ目として、市民自らが長野らしさを見出し、育む機会の創出、四つ目として、市民が新市民会館に集い、出会い、心を通わせる、多様な交流機会の創出という四つの基本方針を掲げ、運営管理に当たることとしております。
したがいまして、議員御指摘の様々な課題につきましては、ただ今申し上げました芸術館が目指す姿を基本に据え、対応してまいりたいと存じております。
次に、芸術館のオープン前の取組についてお答え申し上げます。
現在、長野市文化芸術振興財団が開館後の事業を計画中であり、まだ施設がない中では実施できることに限りはありますが、今年七月から若手演奏家が各所に出向いて、市民の皆様の身近なところでクラシック音楽をお届けする出張コンサート--音楽キャラバン事業を通じて開館を期待する機運を高め、まちや人とのつながりを創り始めております。
また、十月十二日には、久石譲・新日本フィルハーモニー交響楽団特別公演を開催し、久石ワールドの発信を開始しました。
加えて、中心市街地とのつながりという面では、平成二十四年度から文化芸術推進課が公募市民による街角で音楽を奏でるオープンマイク事業を長野駅コンコースやトイーゴ広場において開催しており、市民の他、観光に来られた方々にも、市民の活動を見ていただけるよう努めております。
また、芸術館は市庁舎との合築となりますので、市役所に来られる方々にも、文化芸術に気軽に触れていただけるような事業や、まちのにぎわいづくりに寄与するような事業の企画に向けて財団と協議してまいります。
この他、市民の皆様の手による個々の事業における企画運営は重要でありまして、財団職員によるサポート体制を充実させる等、市民に開かれた芸術館を目指しております。
さて、一流や高みを目指すためにも、まずは底辺を広げることが大切でございます。しかし、一朝一夕には成し得ないことも事実であり、運営管理実施計画においては、ながの文化ビッグバンプロジェクトと称し、当初二十年という長い期間の目標を立て、本市の文化芸術の振興を考えております。これから芸術館を舞台に繰り広げてまいります事業につきましても、財団と共に長期的視点に立って計画してまいります。
◎総務部長(寺田裕明)
初めに、市民平和の日のつどいについてお答えいたします。
平成二十六年度の市民平和の日のつどいにつきましては、来年二月十四日土曜日にトイーゴ広場において開催することを予定しております。企画の詳細は、今後、長野青年会議所を初め関係者の皆様と検討してまいりますが、毎年実施しております平和首長会議の核兵器禁止条約の早期実現を求める署名コーナーの設置や広島、長崎の被爆の実態を伝える資料の展示は、引き続き実施をしてまいりたいと考えております。
また、同時に開催されております長野灯明まつりとの連携を図りながら、より多くの方に平和や命の大切さを伝えられる内容となるよう工夫を重ねてまいりたいと考えております。
次に、平和の鐘を善光寺平に響き渡らすことができないかとの提案でございますが、長野市内には善光寺を初め、数多くのぼん鐘がありますが、長野市が仲介の労をとり全市一斉に平和の鐘を打ち鳴らすということにつきましては、まずは関係団体の皆様におきまして、十分に御協議いただくことが必要ではないかと考えております。
次に、長野空襲に関する質問についてお答えいたします。
本市では、昭和二十年八月十三日、市内各地が空襲を受け、一般市民の方や国鉄職員の方が亡くなられております。こうした事実は後世に伝えていくことが必要と考えますが、その方法としては、関係資料の保存、収集を中心に行っていくことを考えており、御提案のありました市独自の慰霊碑、記念碑の建立や国鉄職員の方の慰霊碑の移転については、現在のところ予定しておりません。
また、公文書館におきましては、合併町村から受け入れた大量の資料が未整理であることに加え、来年度は現第一庁舎の閉鎖に向けた文書の整理、保管も必要となるため、長野空襲関係の資料を展示、公開していくことは限られたスペースの中では困難であり、引き続き関係資料の閲覧による対応としてまいりたいと考えております。
◎企画政策部長(市川専一郎)
私から、市長直轄プロジェクトのうち、初めに新幹線延伸、善光寺御開帳対策関係につきましてお答えをいたします。
本プロジェクトにつきましては、市長自らがイニシアチブをとり、官民一体となった組織であるウェルカム長野二〇一五実行委員会を組織し、検討を重ねてまいりました。
本年八月には基本計画を作成し、十月には実施計画及び補正予算を決定する他、キャッチフレーズを善光寺御開帳二〇一五、日本一の門前町大縁日と銘打ったものでございます。これらの準備状況につきましては、おおむね順調に進捗しているものと考えてございますが、万全を期して観光客の皆様をお迎えしてまいりたいと考えております。
渋滞対策についてでございますが、中心市街地全体に交通規制の網を掛けることにつきましては、市民生活への影響の他、地図に不慣れな県内外の来訪者の迷走車両が増え、渋滞要因の増加につながります。そのため、四つの段階で自家用車の総量抑制や分散化を図るよう対策を講じてまいります。
まずは、公共交通機関の利用を促し、車の総量を抑えてまいります。北陸新幹線長野経由の利用促進の他、市民の皆様にも公共交通を利用していただくキャンペーンを展開してまいります。
次に、郊外でバス・電車に乗り換えていただパーク・アンド・ライドを積極的に案内、誘導をしてまいります。そして、中心市街地に入りました車には、県庁通り周辺に官公庁等の駐車場を活用し、臨時駐車場を設ける他、沿線道路に看板を設置して民間駐車場へ誘導するなど、渋滞緩和を図ってまいります。
善光寺周辺においては、車の流れを確保するため一方通行規制を実施する他、この規制に併せまして迷走車両を抑制するために上松五差路などの主な交差点に案内看板を設置してまいります。これらの対策を有効に機能させるためには情報発信が重要となりますので、各種メディアの活用や専用ホームページから渋滞状況の画像や渋滞予想カレンダー等の配信を行う他、高速道路パーキングエリア等での看板、チラシの配布など積極的に案内、誘導を行ってまいります。
シティプロモーションについてでありますが、官民一体で構成するながのシティプロモーション実行委員会において民間の十団体から成るワーキングチームを設置し、具体的な展開を検討するなど、その推進を図っております。
市民の皆様の御意見等につきましては、まちづくりアンケート、観光動向調査等の既存の調査結果などを踏まえるとともに、専用のホームページから情報を頂くこととしております。これらを参考にしながら、事業の推進を図っているところでございます。
◎地域振興部長(原敬司)
それでは、私から地域おこし協力隊の評価と、その活用についてお答え申し上げます。
隊員でございますけれども、地域が掲げたミッションにより活動しております。大岡では、地域の皆様の御指導や御協力の下で栽培しました米や大豆の収穫を行い、これからその加工などについて取組時期を迎えております。
信州新町では、複数の農家に出向き、農業について学んでまいりましたが、これからはサフォークの繁殖時期となることから、めん羊の飼養、肥育に取り組んでまいります。
また、農家民泊の受入れの事務、コーディネートを行う隊員でございますけれども、来年の受入れに向けた準備を進めておりまして、事務の省力化などを目指したシステムづくりに取り組んでいるところでございます。
隊員は、地域住民として草刈りや集落の共同作業に関わるだけではなく、地域で開催される行事やお祭りなどにも積極的に参加をしております。また、ひとり暮らしの高齢者の訪問や移送ボランティアなどに取り組むなど、地域の皆様から大変感謝されると伺っております。
地域の皆様も隊員のアイデアを生かした交流体験事業を一緒に実施していきたいと話されるなど、新たな風が吹き始めているということも評価しているところでございます。
次に、来年以降の取組についてですが、未導入地区のうち、住民自治協議会から要望のございました松代の豊栄・西条、七二会、信更、小田切、芋井、中条、この六地区につきまして募集を予定しているところです。今後、東京等で開催されます移住・交流&地域おこしフェアなどで募集のPRや相談、そういうものを行ってまいりたいと考えているところです。
◎こども未来部長(松坂志津子
子供の貧困対策大綱についてお答えします。
本市といたしましても、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されず、また貧困が世代を超えて連鎖しないための子供の貧困対策は大変重要であると考えております。
なお、長野県ではこの大綱を勘案し、本年中に子供の貧困対策計画を策定することとしておりますので、現時点では具体策の実現等を求めるのではなく、県の動向を注視してまいりたいと考えております。
なお、長野市の貧困率及びひとり親家庭の貧困率は把握しておりませんので、御了承ください。
次に、ひとり親世帯の就労の改善や現物給付の取組、成果についてお答えします。
まず、ひとり親世帯の就労の支援としては、就職に有利な看護師等の専門性の高い資格を取得するため、二年以上養成機関等で就学する場合に、生活の負担の軽減を図るため給付する高等職業訓練促進給付金事業と、就業に結び付く特定の講座の受講料の一部を援助する自立支援教育訓練給付金事業がございます。
これまでの支給状況とその成果ですが、高等職業訓練促進給付金事業では、平成二十三年度から二十五年度までの支給者四十人のうち就業者が三十九人、自立支援教育訓練給付金事業では、支給者十人のうち就業者数が四人でございます。
次に、ひとり親世帯への現物給付の取組でありますが、国の制度として支給する児童扶養手当がございます。市独自の制度としては、ひとり親世帯の児童が高等学校等への通学に要する電車・バス代金の一部を援助するひとり親家庭児童高等学校通学費援護金と父母又はそのいずれかが死亡した場合に遺児を養育する母又は父等に支給する遺児等激励金支給事業がございます。
児童扶養手当は、平成二十五年度支給者数二千七百八十九人、支給額十二億二千三百四十万円であり、平成二十一年度の支給額と比較して十二パーセント増となっております。また、ひとり親家庭児童高等学校通学費援護金は、平成二十五年度支給者百七十六人、支給額約八百六十五万円であり、平成二十一年度の支給額と比較して三十八パーセント増となっております。
来年度予算に向けましては、今年度の実績を踏まえた要求に努めるとともに、国、県の動向を注視する中で進めているところでございます。
◎商工観光部長(荒井惠子)
私から、二点についてお答えいたします。
初めに、如是姫像の案内板設置についてでございます。
長野駅前広場改修工事に伴い、如是姫像本体と台座は改修後の駅前広場へ再設置いたします。その際、台座でございますが、一番大きな台座の部分は使用せずに設置することとなっております。このため、再設置する如是姫像近くの植栽帯にこの台座を設置し、側面にステンレス性の説明板を取り付けることとしております。
説明板の概要ですが、説明板は全部で三枚設置をしたいと考えております。一つは、善光寺縁起による如是姫像の由来についての説明板を、これは日本語と英語の各一枚ずつ、それから新たに初代から現代の二代目如是姫像の設置の経過についての説明板を日本語のみで一枚、計三枚を設置する予定でございます。
新たに設置する如是姫像設置の経緯についての説明内容を申し上げますと、明治四十一年に善光寺境内の護摩堂--現経堂ですが、この前に設置され、その後、昭和十一年、善光寺御開帳を機に駅前広場に移されたこと、また、戦時中の昭和十九年、金属類の供出の布令に従い台座を残して供出されたが、昭和二十三年に信者の募金活動により二代目の如是姫像が再建されたこと、そして、今回の駅前広場改修工事に伴い再設置されたというような内容を記す予定でございます。
なお、如是姫像の由来の説明板の内容につきましては、善光寺事務局と、如是姫像の経緯の説明板の内容につきましては、地元末広町など関係の皆様に内容確認を行い、決定しているものでございます。
二つ目でございます。市長直轄プロジェクトのうち、商工観光部に関連する事項についてお答えいたします。
市の観光情報センターにつきましては、常時二名から三名である職員体制を三名から五名に拡大する方向で検討を進めており、営業時間も現在の九時から十八時を必要に応じて前後一時間延長することで、案内機能を拡充できるよう併せて検討しております。
緊急時の職員の役割や関係機関との連携体制についてでございますが、JR長野駅ビル防災センターが既に設置されており、観光情報センターを含め、新たに新駅ビルに附随する施設を一元的に集中管理することで、緊急時におけるより適切な初動対応の体制づくりが整ってきております。
今後、防災センターの初動体制等を盛り込んで策定する防災及び防火管理計画において、観光振興課と観光情報センターが連携して緊急時の対応を行うなど、市の防災計画とも整合を図った内容を明記してまいりたいと思います。
なお、荷物預かり等につきましてですが、ステーションビルMIDORIに宅配業者の受付コーナーができるということから、そちらの窓口で一括してサービス提供を図る予定でございます。
次に、まち歩き観光のガイドにつきましてですが、ガイド活動が九月から始められております。受付窓口としては、駅の観光情報センターを一つの拠点としまして、さらに、もんぜんぷら座一階も活用すると予定しております。
また、街路活動に当たっては、混雑が予想される善光寺御開帳時におけるガイド受付の仕組みやガイドさん個人がお薦めするお店の紹介など、観光客の皆様に満足していただけるようなガイド案内の検討を進めていただいているところでございます。
インバウンドの対策についてでございます。
来年度に官公庁と連携して実施する平成二十七年度ビジット・ジャパン地方連携事業に取り組むこととしております。具体的には、金沢市と共同で海外の旅行代理店などを招いてPRする機会を設ける事業を予定しております。より多くの海外からの観光客の皆様をお迎えできるよう積極的に取り組んでまいります。
次に、店舗等がトイレを貸し出す仕組みというものでございます。
これは長野商工会議所などで構成する長野おもてなし推進ネットワークにおきまして、商店街にも御協力をいただいてトイレを貸し出していただく仕組みを検討しています。
新田町より北の表参道沿いを中心に、今のところ十店舗が協力していただける見込みであり、駅から新田町までの間につきましては、今後依頼していく予定であると伺っているところでございます。
最後に、観光戦略における長期的視野で取り組む組織づくりにつきまして、これは多くの観光客を誘致するためには、市民や観光客の皆さんのニーズに応じた柔軟な対応が求められますので、観光戦略室への専門的人材配置による組織強化や庁内の各部局や関係外郭団体との横断的な連携などによる組織づくりにつきましては、長期的な視野、大局的見地に立ちまして研究を進めてまいりたいと、そのように考えております。
◎農林部長(広沢吉昭)
初めに、農山漁村再生可能エネルギー法についてでございますが、法の趣旨は、農林業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギーの普及促進を図るための措置を講じたものであり、無計画な整備の防止、荒廃農地等の有効活用、また買電収入による地域の活性化、併せて再生可能エネルギーの促進につながるものであると考えております。
近年、太陽光発電設備設置者と周辺営農者とのトラブルの報告や規制等の要望もされており、現在、市では、午前中にも環境部長からありましたが、部局横断的な体制によりガイドライン等の策定に向けた検討に着手いたしました。
本法律は、農地を活用した施設整備において施設の適正な設置と周辺農地の保全につながるものと考えております。
なお、現在、地域主導で進められております鬼無里地区の太陽光発電のケースについて、この法律に基づいて進めてはどうかとの御質問でございますが、この法律は地域全体にわたって発電施設を建設するような場合に、農林業に支障がないように農地の交換などを一括して進めることができる手続などを規定しているもので、鬼無里地区の場合は、限定された小規模な区域での計画でございますので、この法律のスキームによらずに農地法など既存の手続で協議を進めることが可能と考えておるところでございます。
次に、鳥獣保護管理法施行による本市の鳥獣被害対策の進展ですが、長野県では標高が高い地域や県境など、市町村による捕獲が困難な地域において、ニホンジカの捕獲を中心に事業を実施する予定であることから、県による捕獲業務と、本市が猟友会と協力しながら、従前より行ってきた捕獲事業が連携することにより、より一層有害鳥獣対策の推進が図られ、農業被害などの軽減につながっていくものと考えております。
次に、加工施設についてでございますが、若穂地区の野生鳥獣食肉加工施設は、建設場所の確保から始まり、施設の建設、運営の全てを地元の有害鳥獣対策協議会、猟友会、住民自治協議会等からなる若穂ジビエ振興会が主体となって行い、市では建設費に対して支援をいたしました。全国でこれまで建設されている多くの処理施設と同様に、若穂地区においても販路拡大とともに、施設の運営に関わる人材の確保が課題となっており、ジビエ消費拡大のため、地区組織や食肉販売事業者、飲食店等が一体となって解体、加工、ジビエの提供が円滑に進められることが求められております。
また、野生鳥獣については、先月厚生労働省から統一的な指針が示され、県においては、信州ジビエ衛生管理ガイドラインの見直しを検討しているところであります。
本市としまして、これら国、県の動向に注視しながら、今後、他の地区で民設民営として建設される場合を含め、野生鳥獣食肉加工施設に対する支援方法を検討し、協力して野生鳥獣の有効活用を図ってまいります。
◎建設部長(藤田彰)
私からは、三点の御質問についてお答えいたします。
まず、一点目のブロック塀倒壊や屋根瓦損壊対策についてでありますが、長野市ではブロック塀等実態調査を毎年二回、小学校を抽出して周辺の通学路を対象に行っております。道路沿いの危険なブロック塀等の除却に対しては、工事費の二分の一以内、上限五万円を補助する制度がございます。
今回の地震の後、この補助制度について多くの問合せを頂いていることから、現行の補助制度の周知を図るとともに、早期に危険ブロック塀等の除却が進むよう、必要な予算を増額して対応してまいります。
次に、損壊した屋根瓦への対応についてでありますが、これについては、所有者に対応していただくことが基本と考えております。今回の地震後に行った建築物の調査の際にも危険箇所が確認された場合には、所有者に注意喚起や早期の改善などの対応をお願いしているところであります。
今後も、ブロック塀等の調査などに併せて同様に対応してまいりたいと考えております。
次に、二点目の長野市耐震改修促進計画の進捗状況と今後の方針についてお答えいたします。
まず、寝室だけを耐震シェルターとする工事にも補助を適用するという御提案についてでありますが、本市では建物の必要箇所に耐震壁をバランスよく配置し、建物全体を補強する工法で行う耐震補強工事に対して補助を行っております。この方法は、居住者の生命を守ることはもとより、地震時の倒壊による火災の発生や避難路の閉塞を未然に防ぐなどでの効果も大きいと考えており、現在のところ、建物全体の耐震補強を行う、これまでどおりの方法に補助することで耐震化を進めてまいりたいと考えております。
住宅の耐震改修補助金の増額につきましては、現在、工事費の二分の一かつ上限六十万円を補助する制度があり、今年度は更に三十万円を上乗せして上限九十万円を補助しております。この上乗せ措置については、来年度も継続されるよう併せて予算の増額についても、現在国、県に対し要望しているところであります。また、長野市独自で行っております耐震補強促進リフォーム補助金については、来年度も継続してまいりたいと考えております。
次に、耐震化未実施施設とその対応についてでありますが、耐震改修促進計画において、平成二十七年度までに耐震化の目標を九十パーセントとしている市有施設の本年四月一日時点での耐震化率と未実施施設については、小・中学校や社会体育館などの避難施設は九十一・八パーセント、西条小学校体育館など三十六棟、多数の者が利用する特定建築物は九十・九パーセント、緑町駐車場など八棟、小規模な社会福祉施設や公民館などは七十六・一パーセント、城山公民館第一地区分館など四十九棟という状況であります。これらの施設については、今後も引き続き耐震化を進め、将来的には百パーセントを目指してまいりたいと考えております。
なお、現在の耐震改修促進計画は平成二十七年度までの計画となっており、平成二十八年度以降については、今後、見込まれる国、県の計画と整合を図りながら、本市の計画について検討してまいりたいと考えております。
次に、長野盆地西縁断層帯沿線などの建築物の耐震化の進捗率、未耐震建物の棟数と居住人口、空き家軒数などの現状と目標年次の耐震化の到達点の御質問についてでありますが、長野市防災アセスメントでは、長野盆地西縁断層帯地震及び糸魚川-静岡構造線断層帯地震の被害予測として、震度五強以上の強い揺れの範囲が長野市全域に及ぶとされております。このため、長野市耐震改修促進計画については、市域全体を対象として耐震化を進める計画であります。
一方、住宅の耐震化率などの算定の基礎となる数値については、総務省統計局の住宅・土地統計調査の結果を基に算定しておりますが、この統計調査は複数地域でのサンプル調査を基に、長野市全体の推計値として公表されており、各地区ごとの数値は不明であります。
これらのことから、地域を特定したお尋ねのそれぞれの数値についてはお示しすることは困難でありますので、御理解をお願いいたします。
次に、道路などインフラの耐震化の状況でありますが、道路は地震により被災しても、別なルートで代替できるよう道路ネットワーク全体としての通行機能を確保することで対応していきたいと考えております。
橋りょうについては、橋りょう長寿命化修繕計画を策定し、計画的に対策工事を進めております。このうち落橋をした場合、復旧に長期間を要するものや周辺や他の施設へ与える影響が大きいものなど四十五橋について、優先的に耐震化工事を進めることとしており、現在、一橋の工事と三橋の詳細設計を進めております。
次に、三点目の定住促進と空き家対策の条例化についての御質問にお答えをいたします。
最初に、地域優良賃貸住宅制度の活用状況についてでありますが、この制度は国が平成十六年度予算において特定優良賃貸住宅などの公営住宅を補完する公的賃貸住宅制度を再編し、子育て世帯などに対象を重点化し、上質な賃貸住宅の供給の促進を図るため創設された制度であります。
長野市には、再編前の旧制度により建設され、合併により引き継がれた特定公共賃貸住宅が、六団地、五十九戸あり、今後も引き続き維持してまいりたいと考えております。この他市内には長野県住宅供給公社が管理している特定優良賃貸住宅が、二団地、百七十戸ございます。市では、この制度を活用するという取組は現在行っておりませんが、市としては、市営住宅において子育て世代を裁量世帯とし、優先入居の対象とするなどの配慮を行っております。
今後につきましては、市営住宅等について、長野市公営住宅等ストック総合活用計画を進める中で、子育て世代などに配慮した間取り等を計画し、多様な世代の受皿づくりに努めることとしており、現時点で国の地域優良賃貸住宅制度を活用することは検討しておりません。
なお、議員御提案の総合的な空き家対策条例につきましては、現在関係部局において、それぞれの政策目的のため、連携して対応しているところであり、新たな条例の必要性については関係部局間の情報共有を図りながら、国や他都市の状況について注視してまいりたいと考えております。
◎都市整備部長(根津恵二)
私から、通称善光寺東参道への市としての協力や支援体制についてお答えいたします。
善光寺東参道は、善光寺仁王門付近から長野電鉄善光寺下駅を結ぶ延長約五百五十メートルの区間であり、県道と市道から構成され、また都市計画道路としても計画されている道路であります。この道路は、幅員が約五メートルから八メートルと狭い上に、通過車両も多く歩行者にとりましても、通行に不安を与える状況となっております。このような中、東参道の安全対策や活性化策を考える善光寺東参道活性化委員会が組織されました。
同委員会は、独自に先進地視察や現場調査、さらには地元住民によるワークショップ等を開催し、長期的な視点と中短期的な視点における整備計画を提案書としてまとめられました。十一月中旬には、県と市の担当者が招かれ、意見交換が行われたところでございます。問題解決に向け、自発的に地元組織を立ち上げられ、独自に対策を検討いただくような活動があってこそ、行政の支援もしやすく早期の効果が期待できるものではないかと考えております。
市といたしましても、引き続き地元の皆様と意見交換等を続ける中で、県と足並みをそろえる中で協力、支援してまいりたいと考えております。
次に、若者たちの発想を生かした中心市街地のまちづくりと若者の知恵を集める組織づくりや財政も含めた支援についてお答えをいたします。
御指摘のように、善光寺門前における若者たちの取組は近年、大きな広がりを見せており、関係各省庁、他の自治体からも注目を集めている状況でございます。本市も出資するまちづくり会社である株式会社まちづくり長野においては、それら若者たちの発想を取り入れてまちなかの日常体験イベントなどを実施し、中心市街地の活性化に取り組んでおります。
市といたしましても、若者の発想を取り入れたまちづくりは重要と認識しており、継続した取組となるよう連携の仕方、組織づくり、必要な財政支援などを引き続き研究してまいります。
次に、長野市権堂イーストプラザ市民交流センターの指定管理者の指定につきましてお答えいたします。
市民交流センターは、平成二十七年四月一日から指定管理者による管理及び運営を行う予定としていることから、現在、施設のオープンに向けた準備を行っております。
市民交流センターは、長野市公の施設における指定管理者の指定の手続等に関する条例に基づき公募により募集したところ、株式会社まちづくり長野を含む八団体の応募があり、選定委員会において厳正に審査をし、その中から候補団体として東京都に本社がある株式会社オーエンスとなったものでございます。
株式会社オーエンスは、市民交流センターを地域交流の拠点として、地元の団体や市内の学校との連携、協力を図りながら、情報収集と発信、各種イベント等の事業を計画しておりますので、市といたしましても、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
◎教育次長(藤沢孝司)
旧長野飛行場等の調査、保存につきましてお答えいたします。
旧長野飛行場は、市営の飛行場として昭和十四年に開業いたしました。陸軍の飛行訓練場として接収された後、松代大本営の関連施設として滑走路の拡張工事が行われ、終戦によって返還された後には、拡張された滑走路は農地に戻され、また建設当初からの滑走路も市営住宅の建設等に伴って撤去され、施設のほとんどが失われた状態にあることは御承知のとおりでございます。
旧長野飛行場の調査、保存に関しましては、その痕跡がほとんど残されていない現状におきましては、困難と判断せざるを得ません。また、空襲被害を受けた国鉄長野駅等につきましても、同様と考えます。
なお、松代大本営につきましては、国が責任を持って調査すべきものと判断をしております。
次に、犀陵中学校における取組について申し上げます。
本年度、地区住民の御提案を契機に総合的な学習の中で、長野飛行場を題材とした地域調査学習を行い、文化祭で発表した学級があったと伺っております。市教育委員会といたしましては、地域学習は郷土への興味、関心を高め、また自分自身の在り方を見詰めることにつながると考えております。
今後も、各学校の実情に応じて地域に関わる歴史、産業、人物等を題材とした学習の充実を図ることは大切であると認識しております。
◎教育次長(田川昌彦)
私から、防災教育、防災マップづくりについてお答えをいたします。
東日本大震災当日、釜石東中学校の生徒たちは、自主的に校庭を駆け抜け、避難所に駆け上りました。ところが、裏手の崖が崩れそうになっていた様子を見て、生徒は更に高台へ移ることを提案し、間一髪高台にたどり着いて事なきを得ました。自分で状況を判断し、行動することを大切に防災学習を積み重ねてきたことが自らの命を自らが守ることにつながった釜石の奇跡です。
同様に、信里小学校でも児童と保護者、地域の消防団や住民自治協議会が防災マップを共に作ることで、自分の住む地域の危険箇所や災害への備えなどを理解し、災害発生時において自ら判断し、行動することの大切さを学んでおります。この他にも、保育所と合同で避難訓練を行ったり、地域と合同で防災訓練を実施する等の実践に取り組んでいる学校もございます。
本市といたしましては、こうした子供が主体となり、地域と共に取り組む防災教育の在り方を一層広げてまいります。併せて防災マップの作成方法、費用負担や教育上の効果等についても研究してまいります。
続きまして、スクールソーシャルワーカーの増員についてお答えします。
本市では、市独自に任用したスクールソーシャルワーカー一名と、北信教育事務所所属の主に長野市を担当する一名を合わせた二名体制で市内の小・中学校を支援しております。
スクールソーシャルワーカーの業務は、個別相談や家庭訪問、障害者支援、生活保護の情報提供等の福祉的支援、支援会議での助言、外部関係機関との連携調整など多岐にわたっております。
学校では、子供が抱える問題が複雑多様化し、不登校や問題行動が増加しております。こうした問題の背景には虐待や育児放棄、貧困などの深刻な問題を抱える家庭環境があります。本市でもスクールソーシャルワーカーの必要性は、ますます高まっているものと認識しております。
しかしながら、スクールソーシャルワーカーの身分は、国家資格の明確な位置付けがなく非常勤任用であるため、報酬等が不安定なこと、職業として比較的歴史が浅く、人材の育成が追い付かない状況にあり、専門性を持った人材が不足をしております。
本市といたしましては、今後、関係団体や大学における人材養成に期待するとともに、国に対して常勤講師としての職員定数化を働き掛けてまいります。
◎消防局長(島田一敏)
消防団の活動支援についてお答えいたします。
十二月一日現在、本市消防団員数は三千四百二十四人であり、消防団定数三千四百三十人に対する充足率は九十九・八パーセントとなっております。引き続き団員の確保、入団促進が図られるよう積極的に努めてまいります。
機能別消防団員制度の現状と役割等についてでございますけれども、地域防災力の向上を図るため、豊野支所など六支所に職員で編成する機能別消防隊を設置し、現在、機能別団員二十七人と基本団員十七人の四十四人が機能別消防隊員として任命され、管内で発生した災害に対応しております。
本年四月、鬼無里地籍で発生した林野火災では、機能別消防隊がいち早く現場に駆け付け、常備消防、地元消防団と連携し、迅速、的確に消火活動を実施しております。また、関係機関との連携した訓練にも各自が防災意識を持ち積極的に参加するなど、地域防災力として大変重要な役割を果たしております。
機能別消防団員の身分につきましては、一般の消防団員と同様であり、活動中のけが等についても長野市消防団員等公務災害補償条例により補償されております。
機能別消防団員につきましては、今後も体制の維持、関係機関との連携が図られるよう充実強化に努めてまいります。
次に、消防団協力事業所表示制度の現状と制度の充実等についてでございますけれども、この制度は消防団員が二名以上いること、それから、勤務上の配慮があることなどが認定要件となっております。現在、五十八事業所を認定していますが、各事業所においては、特別休暇等の勤務上の配慮がされるなど、御理解をいただいているところでございます。
今後も広く広報を行うなど周知を図り、消防団が活動しやすい環境づくりに努めてまいります。
続きまして、消防団の詰所、器具置場の耐震化の現状と改善についてですが、現在、消防団詰所は八十七棟ございます。このうち建築基準法が改正された昭和五十六年五月以前に建築され、耐震診断が実施されていない建物は九棟ございます。今後は、施設の更新に併せ耐震化を図るとともに、他市の状況を調査研究し、更新計画の作成等検討してまいります。
◆小林義和
質問、答弁に続いて、今回の震災の今、復興復旧の真っただ中にありますけれども、その様々な教訓があろうと思いますが、それらも受け止めた形で、いろんな形で私ども提起もさせてもらった、それに応えてハードの部分、そして子供たちが自ら安全を守っていくということも含めて、そのソフトの部分、教訓をまとめながら検証し、政策化していくということが大事だと思いますし、来年度予算にもそれが反映していくように是非お願いをしたいと思います。
その中で、自衛官募集の事務の問題で、市民の情報がいつの間か提供されている。これは公表するということ、答弁を頂きましたが、基本的にはこれは住民基本台帳法で本来自治という形でやるべきだと思いますが、それを言っておきます。
それから、市立保育園の嘱託保育士の賃金の問題については、前向きに来年度四月からというような答弁でありましたので、早速それを予算化もしながら、今年度四月に保育士が不足していたと いう、こういう事態もありましたから、早くそれを公表しながら、待遇を改善をしていくということをやっていただきたいと。
あと如是姫、観光情報センター、取組をしていただいておりますので、引き続き防災の意味も含めて強化をしていただきたいと、こんなふうに思います。
スクールソーシャルワーカー、あるいは若者のまちづくりへの参加、こういった点についても御答弁いただきましたが、是非その辺を進めていただきたいと思います。
それから、支所の問題ですけど、第一地区から第五地区の問題ですが、市長は支所の重要性を認識していたはずと思いますけれども、これは第一地区から第五地区の住民の皆さんが今回の災害で集中しましたけれども、支所がないということで、いろんな不安もあったり、支所の支所長を含めて情報収集したり、そこの地域の防災拠点になるわけですから、その辺について、住民の皆さんが実際、この震災を経てどういうふうに行動し、どういう要望があったか、市民のそういった震災時のいろんな行動も含めてアンケート調査をするとか、専門家と協力しながら、震災時の動向、それもつかんでいく必要があろうかと思います。その中で支所の役割というものも見えてくるんじゃないかと思いますので、是非お願いをしたいと思います。
それから、中央消防署の問題については、私、専門家--地質の専門家ですが、この点について聞いたんですけれども、構造物の建築の基盤となる支持層の分布深度が五メートル食い違っている可能性があの場所は高いというふうな指摘を受けておりまして、もう地盤調査の調査結果が出ているのかどうか、その辺、状況をどのようにつかんでいるのか、お聞きしたいと思います。
◎消防局長(島田一敏)
地盤調査の関係の御質問いただきましたので、お答えしたいと思います。
地盤調査につきましては、九月議会におきまして、それぞれ地盤調査と、それから基本設計の補正予算をお認めいただいたことでございまして、それ以降、現在、業者が確定いたしまして、現在、地盤の調査が進行している状況であります。その進捗の状況の中では、早い段階で岩盤が当たってきているという報告は受けておりますが、正式な調査の内容については、まだ調査段階ですので、まだしっかりとお答えすることができない状況でございます。
◆小林義和
これは専門家に言わせると、この場所は非常に重要な問題があるということで、地盤調査、地質調査を十二分にやった上で、今後のことについては、再度検討する必要があろうかと思いますので、お願いをしたいと思います。
最後に、市長から長野市誌の問題でありましたけれども、私、実際ここに第一巻長野市誌持ってきました。ここに塚田元市長の刊行の言葉がありまして、この市誌は本市の歴史、そして本市の正確な史実や歴史や文化、これをまとめた本格的な市誌だと、こういう位置付けで編さんをされたものです。
それから、第六巻にも長野飛行場の建設についても、ここにも朝鮮人の強制連行というのが明確に書かれておりますから、こういう市誌が今、市民の長野の歴史として財産として残っているわけです。これをいかに大事にしながら、ここにどういうふうに依拠をしていくかと、その点について、今回の問題含めてもう一度市長から市誌について見解をお伺いしたいと思います。
◎市長(加藤久雄)
塚田元市長の刊行の言葉につきましては、読まさせていただいております。
長野市誌は、本市の史実や歴史、文化をとどめまして、明日のまちづくりの指針となるものでございます。記載内容につきましては、編さん時に示された歴史の評価と捉えておるわけでございます。今回は歴史の評価は踏み込まないというふうに基本としましたので、さきほどお答えしたとおり、否定もしないし、訂正もしないというふうに考えておるところでございます。