議会報告

2014年12月定例市議会 原田のぶゆき議員

子供の医療費窓口無料化について

市立長野の中高一貫教育導入について

農業問題について

農家子弟を初め新規就農者について

(仮称)長野市農業研修センターについて

市営住宅の住み替えについて

子供の医療費窓口無料化について

◆原田誠之
 通告の(一)は、割愛します。
 まず、子供の医療費窓口無料化について伺います。
 人口減少と少子化が大問題の中、子供を産み育てながら働き続けられる環境改善は焦眉の課題です。
 そこで、子育てで欠かせないのが子供の医療費です。我が党市議団は、新年度の予算編成に向け市長に要望いたしました。全国の三十七都府県、障害者は三十都道府県、県内でもほとんどの市町村が実施しています。
 急に具合が悪くなり、手元に現金が無いときでも、窓口無料なら病院へ駆け付けることができます。子供は緊急のときが多く、安心して病院に行けるように、窓口無料は親にとっては痛切な願いです。県下で七万を超える父母や障害者からの署名が知事に渡されています。
 窓口無料にすると安易に医者に行く患者が増えるとし、国は国庫負担分の減額というペナルティーを市町村に科しており、やりたくてもできない市町村もあります。
 県内では、ペナルティーがあってもなお実施している市町村が多数派で、しかも高校卒業まで実施のところもあります。所得制限なしで、中学卒業まで窓口無料化を実施すべきではありませんか、見解を伺います。

    (三十九番 原田誠之君 質問席へ移動)

◎保健福祉部長(寺澤正人)
 窓口無料化の御提案を頂戴いたしました。
 本市の福祉医療制度は、長野県内市町村の統一方式として実施しているもので、一旦窓口で医療費を支払っていただき、後日、一レセプトにつき五百円の受給者負担金を差し引いて給付する自動給付方式で実施しております。
 医療費窓口無料化は様々な課題がございます。無料化した場合、国からの国民健康保険療養費等国庫負担金及び普通調整交付金が減額されます。また、多くの健康保険組合では、患者が自己負担した医療費に対して独自に付加給付金を支給する制度を設けております。
 無料化になりますと本人の自己負担がないため、健康保険組合は付加給付金を本人に支払う必要がなくなり、結果として、健康保険組合が今まで間接的に負担していた付加給付金相当の医療費を本市が福祉医療費として病院に支払うことになり、市民の負担が増えることとなります。
 こうした課題がありますので、本市といたしましては引き続き現在の自動給付方式を継続していきたいと考えております。

 次に、対象年齢の拡大につきましては、平成二十四年十月に入院、通院共に小学校三年生までから小学校六年生までに引き上げております。子育て世帯における経済的負担が軽減され、安心して医療機関を受診できる環境が整いつつあると考えます。
 しかしながら、子育て中の若い世代からは、更なる対象年齢拡大の要望がありますので、できるだけ早期に対象年齢を中学校三年生までを視野に、引き上げたいと考えております。

◆原田誠之
 今の答弁、所得制限なしでしっかりやっていただくようにすべきでありますけれども、併せて、診察、薬局での五百円の負担金の廃止など、順次実施してもいいと思いますけれども、その辺もお答えください。

◎保健福祉部長(寺澤正人)
 限られた予算の中で、子供を産み育てながら働き続けられるような子育て支援施策を持続しなければなりませんので、先ほど答弁申し上げましたとおり、窓口無料化は課題が多く、考えておりません。
 五百円の負担金につきましては、受給者の皆様が共に制度を支え合うため負担していただいているもので、廃止は困難と考えております。
 対象年齢の拡大につきましては、昨年九月市議会定例会で、対象年齢を中学校三年生まで拡大を求める請願が採択されております。少子化対策の一環として、子育て世帯の経済的負担を軽減することは必要でありますので、できるだけ速やかに実施できるよう、財政状況など様々な角度から検討しております。
 請願の中で所得制限を設けることも含めて検討するよう求められておりますので、低所得者の経済的負担の軽減の観点及び制度を持続していく観点から、所得制限も検討し、対象年齢の引上げをできるだけ早期に実施したいと考えております。

◆原田誠之
 群馬県では、中学卒業までどこで受診しても窓口で医療費は掛からない。しかも、一九七三年にゼロ歳を対象に始まり、徐々に拡大してきました。国からのペナルティーは、二〇一二年度で約十二億円、県と市町村が半分ずつ負担することで制度を維持しており、この制度によって群馬県医療機関では、慢性的な疾病の患者の受診数が増えたといいます。また、県の担当者は、導入の目的であった保護者の負担軽減や早期受診による重症化の防止ができていると、その役割を評価しています。
 県内の福祉医療給付制度の改善を進める会の会長さんは、定期的に通院する必要のあるぜんそく患者の中には、医療費を理由に中断してしまうこともある。医療へのアクセスを保障するためにも、窓口無料は優先順位の高い事業だと言っています。早期受診で重症化を防ぎ、医療費が心配で中断する心配のないことは明らかであります。
 議会で同趣旨の請願が採択もされております。改めて実施を求めますが、市長、いかがですか。

◎市長(加藤久雄)
 本市の福祉医療制度は、県内の統一方式として自動給付方式で実施しております。県並びに県市長会及び県町村会で構成する福祉医療費給付事業検討会においても、制度の基本的な枠組みである自動給付方式は見直さないことが確認されております。本市といたしましても、この方針を尊重してまいりたいと思います。
 なお、子供の医療費の無償化など社会保障サービス水準は、本来、国が責任を持って法令整備、税制措置等を実施すべきであると考えております。しかしながら、国の法令整備が実現するまでは、当面の措置として県内のサービス水準が統一できるよう、県の補助制度の拡大を要望しているところでございます。

◆原田誠之
 県内市町村のほとんどと言っていいほどやっております。市長の思い入れで、こども未来部を職員の努力もあって短期間で立ち上げました。所得制限なしの医療費無料化についても、市長が決断をすれば、職員は財源をつくるために知恵も発揮すると思います。是非、市長、この立場で決断をすべきじゃないでしょうか、もう一度お答えください。

◎市長(加藤久雄)
 決断いたしますときは決断をいたします。今の国の制度は、自治体が独自に窓口無料化をした場合には、国からの交付金が一億円以上も減額されてしまうということでございまして、市民全体にとって不利益となります。したがいまして、国が責任を持って子育て世帯の経済的負担の軽減をすることを要望しております。
 先ほどの中学生の問題につきましては、寺澤部長がお答えしたようでございます。よろしくお願いします。

◆原田誠之
 他市町村でやっております。いろいろ言わずに、よく学び、子供たちが安心して育つ環境整備で、他市には負けない市政運営を求めます。

市立長野の中高一貫教育導入について

◆原田誠之
 次に、市立長野の中高一貫教育導入について伺います。
 九月議会で佐藤久美子議員は、この問題で幅広い関係者の意見を聴取するなど、拙速に進めないよう求め、教育長は、幅広い方々から御意見を伺いながら魅力ある中高一貫校の在り方について慎重に検討との答弁です。
 全国的には課題も多く、香川県のある高校では、実施五年で破綻、募集停止したところもあると聞きます。なぜ中高一貫校を目指すのかが問われています。
 そこで伺います。中高一貫校をなぜ設置するかということでありますが、平成九年中央教育審議会答申で、二十一世紀を展望した我が国の教育の在り方について、と中高一貫教育の意義と導入が提言されました。中高一貫教育は、様々な利点があるが、特にゆとりのある学生生活を送ることを可能にするということの意義は大、このため、中高一貫教育を享受する機会をより広く提供していくことが適当、入学者を定める方法については学力試験を行わず、学校の個性や特色に応じて、抽せん、面接、推薦等の様々な方法を適切に組み合わせることが適当と言われていますが、こんな形をとるのか。長野市の全ての六年生を募集対象に、市立長野で中高一貫校をなぜ今なのか、中教審方針が出されたからなのか、見解を伺います。

◎教育長(堀内征治)
 平成二十五年度の中高一貫校は、全国で四百五十校ございまして、本年度も川崎市立川崎高等学校附属中学校が開校した他、来年度以降も札幌市、さいたま市、横須賀市等で中高一貫校の開校が予定されております。
 また、平成二十二年度に文部科学省が実施した中高一貫教育に関する実態調査では、中高一貫教育導入により、異年齢交流による生徒の育成、学力の定着と向上、教職員の指導力の向上、保護者の満足度等で成果があったと報告されております。
 市立長野中高一貫教育基本計画案発表後は、市民の方からのお問合せが何件かあり、中学校の受験に対する質問の他、学校の選択肢を増やしてほしいという意見を頂きました。
 また、先日実施いたしました市立長野中高一貫教育導入のパブリックコメントでは、中高一貫教育の特色を生かした教育が可能ではないか等の御意見を頂いております。それ以外にも校長会、長野市PTA連合会、市内私立高校等、多くの団体に伺い、新たな選択肢を提供することになる、あるいは、長野市モデルの取組は良いと思う、などの御意見を頂きました。
 これらのことから、長野市内に初めて設置する公立の中高一貫校に対するニーズの高さを実感し、また、御理解もいただいたものと受け止めております。
 一方、本年度より県では、長野県第二期高等学校再編計画の検討が始まりました。県立高校の改革に後れることなく市立長野の改革を行い、健全な維持と発展を図る必要があると考えております。
 さらに、市立長野中高一貫校の設置は、単に中高一貫校を設置するものではなく、幼保小中高の円滑な接続により、子供の学びと育ちを支える長野市モデルの中高の接続部分を担うものでございます。
 義務教育の現場で問題となっている小一プロブレムや中一ギャップを解消し、中学校卒業までに自立した十八歳になるための基盤をしっかりつくり、高校に送り出すことを目指すものであり、市立長野はその実証をする場になります。
 現在、学力向上や不登校等は喫緊の課題であり、市立長野中高一貫教育を含む長野市モデルの取組は、長野市の教育のレベルアップのために早急に導入することが必要であると考えております。
 また、生徒の募集範囲につきましては、現在検討を進めている最中でございます。

◆原田誠之
 中教審では、ゆとりある学校生活の利点があるとしましたが、全国的に受験競争の低年齢化、エリート進学校化が危惧されたため、国会で受験エリート校にしないと附帯決議がされ、入学選抜に当たって学力検査を行わず、小学校からの調査書、適性検査、作文、面接などで適切に選抜できるとしていますが、現実には高い倍率になり、入学のために小学校から受験競争が起こっており、受験競争の低年齢化には問題があります。
 佐藤議員指摘のような、一部児童が集団で引き抜かれ、地元中学校を空洞化させる懸念もあります。逆に、周辺中学校の教育の向上にマイナスとなるのではないか、どうしても設置しなければ長野市教育のレベルを引き上げることができないのか、見解を伺います。

◎教育長(堀内征治)
 平成二十三年度中央教育審議会報告書の中高一貫校へ入学した生徒への調査結果によりますと、自分の進路について保護者と相談する機会を持ちながら、保護者でなく、自らが選択して進学したという傾向が高くなっており、生徒が主体となり学校を選択している様子がうかがえます。
 しかしながら、国会の附帯決議や中央教育審議会の答申でも、受験競争の低年齢化に配慮が必要であるとされていることから、議員御指摘の点につきましては十分に検討しなければならないと考えております。
 そのために、適性検査等につきましては、単なる知識の量や計算力を問うものではなく、小学校までの積み重ねが正しく評価されるものにするなど、目指す生徒像に応じた多様な方法を組み合わせ、他の中高一貫校の状況も踏まえながら、過度な受験競争にならないよう十分に工夫してまいります。
 次に、一部優秀な生徒が引っ張られ、地元中学が空洞化するのではないかという御懸念につきましては、市内の私立中学校等の周辺の公立中学校の状況から見て、顕著な影響はないと考えております。
 次に、どうしても設置しなければレベルを引き上げることはできないのかという点につきましては、先ほども申し上げましたとおり、現状を打開するためには、幼保小中高の連携を強化して、教育の改善に取り組むことが重要であり、早急に実施すべきことと捉えております。
 なお、人口減少社会における定住人口増加に当たっても、教育環境の充実は重要であり、中高一貫を含め選択肢が多いことは、長野市への移住を考える方にとっても大きな関心事であり、早期の対応が望ましいと思っております。

◆原田誠之
 教育環境の準備はどうなるのか。中学校では、技術家庭や木工室、給食室も必要ではないか。給食の施設整備だけでなく、クラブや部活動などはどうなるのか。また、中学は二クラス六十人を併設校で募集した場合、地元中学への影響をどう考えるのか。遠距離通学など自宅からの通学のできない生徒が生じるのかどうか。どのように対応するのか、伺います。
 教育は全ての子供たちに平等にその機会を保障することが重要で、受験競争の激化、低年齢化を生み出し、公立学校ではありながら、通学なども含めて、経済的な理由などで差別化されるようなことはあってはなりません。教育の場でありながら、子供たちを巻き込んで振り回すようなことのないよう求めます。教育長の見解を伺います。
 さらに、カリキュラム作成や指導など、具体的に現場で教職に当たるのは、校長先生初め職員です。中高一貫教育導入についての情報の共有が必要です。職員には導入そのものも含めて十分な情報提供と、職員の要望を初め意見交換のできる機会を求めますが、見解を伺います。

◎教育長(堀内征治)
 中学校の教育環境整備につきましては、ホームルーム、技術室、給食施設は、既存の校舎の改修等により十分対応できると考えております。家庭科教室は既存の教室を共用するなど、中学生と高校生がゆとりある環境で生活できるよう整備いたします。
 また、部活動につきましては、他校を参考に現在検討を進めているところでございます。幅広い異年齢交流が中高一貫校の特色ですので、中高生が一緒に活動できる部活動も検討してまいりたいと存じます。
 次に、周辺の中学校への影響につきましては、募集人員が六十から七十人の範囲であることから、大きな影響はないと考えております。

 次に、遠距離通学につきましては、現在、市立長野に遠距離から通学している生徒も在籍していることから、保護者の御協力をいただく必要はあるものの、長野市全域からの通学は可能であると考えております。
 次に、教育の場でありながら、子供たちを巻き込み振り回すことのないようにとの御指摘について御説明申し上げます。
 中高一貫校は、生徒、保護者が六年間の一貫した教育課程や学習環境の下で学ぶ機会を選択できるようにすることにより、中等教育の一層の多様化を推進し、生徒一人一人の個性をより重視した教育を目指すものとして導入されました。
 学校も内容により選択される時代となり、選択肢が増えることは時代の要請に沿ったものと考えます。また、近年の中高一貫教育の受験状況を見ると、多くの志願者があり、児童、保護者のニーズは高いと思われますが、長野市内に新しい中高一貫校を設置するに当たっては、説明会を丁寧に行うことにより的確な情報提供に努めてまいります。

 最後に、現場の先生方との情報の共有につきましては、昨年度からの長野市立長野高等学校あり方検討委員会の審議内容を初め、先生方には常に情報を提供してまいりました。導入につきましては御了解をいただき、現在は導入後の具体的な姿について御意見を伺いながら検討を進めているところであり、今後も意見交換をする機会を定期的に設けてまいりたいと存じております。

◆原田誠之
 長野市教育のレベルを引き上げ、普及するためとして、課題の多い中高一貫教育導入の必要性については、いささか問題があるように思います。

農業問題について

◆原田誠之
 次に、農業問題について伺います。
 長野市の農業は、小規模経営で、しかも中山間地を抱えた家族農業で、食料や安全な水、空気の供給、国土保全、美しいふるさとの景観を維持するという役割を担って今に至っています。ところが、安倍首相は地方再生を掲げ、地域経済の活性化と言いながら、大幅譲歩のTPP交渉の推進、農業経営の規模拡大、企業の農業参入の促進、減反政策の廃止、農協や農業委員会の弱小化など、家族農業や小規模経営に背くもので、長野市農業の実態と懸け離れた農政で、長野市の農業振興とは相入れません。
 農業関係団体から、長野市農業の振興のため農業振興条例を作ってほしいとの要望を受け、議会の総意で関係団体の意見を聴取、アンケートも行い、中山間地や家族農業を応援する条例が議会提案までこぎ着けました。この条例に魂が入るのは具体的な振興計画でありますが、計画が作られても、家族農業を脅かすTPPなど安倍農政が推進されれば、条例は生かされません。農業委員会、農協など関係団体と共同して、TPP交渉から撤退せよと安倍首相に求めるべきであります。
 また、米価暴落への緊急対策も欠かせません。リンゴも安くなっております。生産費を償うことのできる価格保障、所得補償政策を国に要求すべきですが、市長に伺います。

◎市長(加藤久雄)
 TPP問題につきましては、原田議員から昨年の十二月議会でも御質問を頂いたわけでございました。そのときも申し上げたわけでございますが、我が国の経済が自由貿易体制の下に発展してきたことを考えますと、今後も自由な経済活動を維持発展させるには、国際的な経済連携協定は不可欠であると考えております。
 TPPへの参加に伴い、価格の安い外国産の農産物が流通することによって、国内農業への影響が見込まれますけれども、安全・安心でおいしい国内産農産物を農業者がPRし、多くの国民が地産地消の取組を実施する状況をつくり上げていくことが重要だと考えております。
 次に、米価の低迷につきましては、国において緊急対策として米の直接支払交付金の支払いを年内に繰り上げるなどの措置を講じております。
 米の消費が減少し在庫がだぶついていることが、本市といたしましても、国の食料政策に沿って、作物の転換の推進と市内での米の消費拡大に取り組んでまいります。
 御指摘のリンゴの価格につきましては、一時的にシナノスイートなどの中生種が安い時期がありましたけれども、主要品種のふじの価格は例年並みに推移しております。
 農産物の価格保障、所得補償政策については、国政レベルにおいて、経営所得安定政策、直接支払制度、農業共済事業などが制度化されることであり、本市といたしましても、地元農産物のブランド力の更なる向上によりまして、価格変動の影響を受けにくい農業構造の確立を目指してまいりたいと考えております。

◆原田誠之
 日本の農業を破壊するTPPは断じて許す訳にいきませんので、市長はその立場に立っていただきたいと思います。

農家子弟を初め新規就農者について

◆原田誠之
 次に、農家子弟を初め新規就農者についてであります。
 農業が好きで、長野市に移り住み農業経営をしています。借家住まいで家賃まで支払って頑張っております。何よりも農業は天候に左右され、収入も安定しません。地域に根を張り、粘り強く農業を続け、住み続けられる仕組みが求められます。月十万円の助成には家賃分も含まれているとのことですが、十年で三百人、やめないで子供を産み育て、農業で生活ができ、定着できるよう家賃補助制度を設け、抜本的な支援策を求めます。再三再四の要望ですが、いかがですか。

◎農林部長(広沢吉昭)
 新規就農者に対する支援につきましては、国の青年就農給付金事業においては年間百五十万円を最長七年間、市単独事業である新規就農者支援事業においては、年間最大百二十万円を最長五年間給付しておるところでございます。一か月当たりの金額に直しますと、国が十二万五千円、市が十万円となっております。
 これらの給付金は、研修中及び就農後の経営が不安定な期間において、収入の変動リスクをカバーするためのもので、使途の制限はなく、家賃も含め、全ての生活資金や経営資金に充てることができるものでございます。このため、給付金の額は、家賃などの生活費が多いか少ないかにかかわらず、固定額として、新規就農者はこの給付金の額を念頭に置いて経営計画を立てることとしておるところでございまして、家賃については、農業収入と給付金を合わせた総収入から支払うべきものですので、家賃だけを抜き出した補助制度は考えておりません。

(仮称)長野市農業研修センターについて

◆原田誠之
 次に、(仮称)長野市農業研修センターについて伺います。
 高齢化や後継者不足で担い手が減少しているので、研修センターを整備し、多様な人材を新たな担い手として育成するとし、定年帰農者や市民、農業公社のお手伝いさんなど、農業に興味を持つ人のための育成で、専門の農業技術者の指導もあり、期待したい事業であります。
 しかし、農業従事者を育成する農業起こしへの新たな四億円の公共投資は巨額です。専門の技術員を配置し、農業の重要な拠点の役割を担うために正規の農業技術員の配置を求めますが、見解を伺います。
 また、農業参入を希望する企業への支援ですが、中山間地域の活性化に取り組む企業に提供するとしていますが、利益を求める企業にとっては、天候に左右され、コスト高でリスクが大きく、撤退など懸念されます。企業支援については、効果に疑問があります。集団営農など、地域に根差した経営体の育成など検討すべきですが、見解を伺います。

◎農林部長(広沢吉昭)
 農業研修センターの職員配置についてお答えします。
 研修センターの管理運営につきましては、研修修了後の農地のあっせんなど、新規就農に向けた総合的な支援が可能となるよう、長野市農業公社による運営を想定しており、農業に関する専門的な知識を有する常勤職員の配置が必要と考えております。
 その他、非常勤職員として、近隣の農業大学校やJA等関係機関と連携し、必要に応じ講師として依頼していきたいと考えております。

 次に、農業参入を希望する企業への支援についてお答えします。
 今後の本市の農業を考えると、専業農家による大規模化だけでは支えていくことは困難であることから、研修センターは多様な担い手を育成することをその設置目的としております。その一つとして、企業も大きな役割を果たすものであり、市内のほとんどの企業が中小企業であることを考えると、農業という新たな業種への事業の拡大は、中小企業に対する支援にもつながり、結果として農業振興にも資するものと考えております。

◆原田誠之
 農業委員会や農協など関係団体の意見なども十分聴きながら進めていただきたいと思います。

市営住宅の住み替えについて

◆原田誠之
 次に、市営住宅の住み替えについてであります。
 市は、市営住宅等の耐震診断を行い、構造上、耐震補強工事が難しいことや、老朽化により除却や建替えが予定されていることから、順次耐震性のある住宅へ住み替えをお願いし、対象者百七十一世帯に通知されました。移転は五、六年掛けて行うとしています。
 住み替えを求められ、通知を受けた住人はどうしたらいいのか、気持ちも休まらないとの声が寄せられています。老老や独居暮らしの方が多く、住み慣れた現在の居場所から勝手の分からないところに移り住むなど考えられないと深刻です。
 安心して暮らすことのできる配慮が必要です。住民一人一人の納得と合意で進めるよう丁寧な対応を求めますが、見解を伺います。

◎建設部長(藤田彰)
 市では、耐震性が不足しており、補強工事が困難な市営住宅などに入居されている皆様に対して、できるだけ早く耐震性のある安全な住宅へ住み替えていただくよう、本年九月、文書にてお知らせをし、今年度中をめどに団地ごとの説明会や戸別訪問による詳細の説明を行っております。
 住み替え先住戸については、御希望をお聞きする中で、可能なものについては同じ団地内の住戸をあっせんしており、団地内に空き住戸が無い場合には近傍の団地を紹介してまいりたいと考えております。また、建替え計画のある団地については、御希望により、建替え後再び同じ団地にお戻りいただけるよう配慮してまいります。
 なお、市では、建替えに際して、引っ越し費用として一定額を補償する他、家賃の上がることが想定されますので、他の市営住宅などに移っていただく場合には一定期間を設け、段階的に住み替え先の住戸の家賃に合わせていくなど、負担軽減にも配慮してまいります。
 今後、入居者の皆様お一人お一人に対して丁寧な説明を行い、個別の意向調査などを通じて御希望をお聞きしながら、個々の事情にできる限り配慮するなど、きめ細かな対応に努めてまいりますので、御理解の上、御協力をお願いいたします。

◆原田誠之
 高齢者や障害者も結構多い団地がたくさんあります。住み慣れた住民と共に団地周辺に居住できるよう、今、答弁ありましたけれども、十分な検討を求めて、質問を終わります。

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