2014年12月定例市議会 佐藤くみ子議員
請願第三十九号介護従事者の処遇改善を求める請願並びに請願第四十号安全・安心の医療・介護の実現と夜勤改善・大幅増員を求める請願について、不採択とすべきものとした福祉環境委員会委員長報告 反対討論
◆福祉環境委員会委員長・佐藤久美子
請願第三十九号介護従事者の処遇改善を求める請願並びに請願第四十号安全・安心の医療・介護の実現と夜勤改善・大幅増員を求める請願について、不採択とすべきものとした福祉環境委員会委員長報告に反対し、請願を採択し、国に意見書を提出すべきとの立場で討論を行います。
関連がありますので、請願第三十九号の審議の場で討論をいたします。
介護従事者の労働条件や職場環境等を理由とする離職率の高さについては、九月の福祉環境委員会の審査の際にも問題が提起され、委員長報告に反映されました。介護労働者の賃金が低いことで、結婚してもやっていけるかどうか不安、利用者さんから喜ばれるなどやりがいはあるが、ゆとりがなくて人手が欲しいなどなど、私の身近な職員からも声が聞こえてまいります。
団塊世代の人々が全て七十五歳以上になる二〇二五年のピークには、現在よりも八十万人多い介護従事者が必要と言われており、処遇改善と人材確保は喫緊の課題であります。しかも、離職率は十六・六パーセントと高く、長く働き続けられる環境を整えることが急務であります。
本日の報道では、介護報酬について財務省は四パーセントの引下げを求める一方、厚生労働省は微減を求め、一月半ばの予算案閣議決定に向け、調整するとのこと。財務・厚労省とも、処遇改善加算を拡充することでは一致するが、その他のサービス報酬引下げ幅の方が大きいため、報酬改定全体ではマイナスとも言われています。来年は、三年に一度の見直し時期に当たり、今、この時点で意見書を提出するのが重要ではないでしょうか。
不採択とすべきとする意見の中で、国が進めている施策の延長線で改善を求めるのが望ましいと請願を不採択としましたが、現場で働く人々のその方々の声を反映し、国へ意見書を上げることが、介護職員の確保や専門性を生かした介護が市民のサービス向上につながるものであり、当然市議会として意見書を上げるべきだと考えるところであります。
請願第四十号安全・安心の医療・介護の実現と夜勤改善・大幅増員を求める請願について、もう少し様子を見るべきではないか、国の動きの中において意見書を上げるべきではないとの意見があり、結果、請願を不採択としたとのことであります。
医療の現場は、慢性的な人手不足が深刻です。請願提出に当たって県医労連は、昨年九月から十一月に調査を行い、労組に加盟している看護師、保健師、助産師ら六千人のうち三千六十二人の回答を得たそうです。休憩時間がきちんととれているのは、日勤で十四・四パーセント、準夜も深夜も一割未満、そういう中でミスやニアミスの体験があるのは八割近くとのことです。また、二十五歳から二十九歳の看護職の方が仕事を辞めたいといつも思う人が十八・六パーセント、時々思う人が五十六・二パーセント、計七十四・八パーセントに上ります。こうした実態を調査した中での請願を不採択とするのは、現実を見ない、現場の声を聞かない姿勢ではないでしょうか。実際の現場で働く人々にアンケートを行ったことに基づいた請願、これに基づいて国に意見書を上げることを求めています。私たち自身も家族も、医療や介護のサービスは最も切実な願いの一つであります。市民にとっても、これは同じことであります。
請願を採択し、意見書を国に上げるよう同僚議員の御賛同をお願いして、反対討論といたします。