議会報告

2014年9月定例市議会 小林よしかず議員

請願第二十七号集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を求める意見書提出の請願を不採択とした総務委員長報告 反対討論

小林義和
 請願第二十七号集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を求める意見書提出の請願を不採択とした総務委員長報告に反対する立場で、また先ほど否決をされましたけれども、総務委員会に付託をされておりまして、一括審議されました請願第二十六号、二十八号、二十九号、三十号、そして継続審査となっておりました五号、十三号、十四号も含めて、請願者の思いを含めて討論したいと思います。
 これらの請願は、長野市平和委員会、長野市「憲法九条の会」連絡会、秘密保護法やだネット長野、新日本婦人の会長野支部、長野地区憲法擁護連合等から提出をされました。いずれも思想、信条を越えて多くの長野市民が参画し、平和憲法を守り、恒久平和を願う市民団体であり、いずれも安倍政権の集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回し、閣議決定に基づく法整備等を行わないよう、国に意見書を提出することを求めておりました。
 さて、これまでの歴代政府は、憲法第九条の下に容認される自衛権の行使は、自国を防衛するために必要最小限の範囲にとどめるものとし、集団的自衛権の行使は、日本に武力攻撃がなくても、密接な関係国と共に武力を行使することであり、自衛のための必要最小限度の範囲を超えるので、憲法上許されないとしてきました。
 自衛隊は、発足後六十年経過しましたが、この間、他国の人を一人も殺傷することもなく、自衛隊員の中からも一人の犠牲者も出していません。これは憲法第九条の下、海外で武力行使をしてはならないという憲法上の歯止めが働いたからに他ならないということも、今や自明の理であります。
 しかし、安倍内閣の閣議決定は、歴代政府の憲法解釈を百八十度変更するものであり、その内容は正に明文改憲に等しく、憲法第九条を形骸化するものであります。このことは、三月、六月、九月、全ての議会で市民団体から出された請願が指摘をしておりまして、紹介議員となった私ども日本共産党長野市会議員団も採択を求めて委員会等で議論し、反対討論等で主張してきたことでありますから、これ以上多くは申し上げませんけれども、日本国憲法は日本軍国主義が二千万人のアジアの人々、三百十万人の日本人を犠牲にした、さきの悲惨な侵略戦争を反省し、人々の平和と民主主義の希求の中から生まれたものであります。
 戦争のない平和なアジアと世界を願い、平和都市宣言を行う長野市の議会は、安倍政権の閣議決定による憲法解釈の変更に抗議をして、閣議決定そのものの撤回こそ、今求めなければならないのではないでしょうか。
 自民党の元幹事長など保守の立場の政治家も次々と安倍首相の暴走に警鐘を鳴らし、私どものしんぶん赤旗にも登場し、そして法律の専門家であります弁護士や憲法学者の皆さんの間からも学問的、そして理性的、科学的な立場から反対の声がずっと上がり続けています。
 日本弁護士連合会の集団的自衛権の行使容認に反対する決議では、従来の政府見解は、憲法第九条第一項が戦争放棄、第二項で戦力の不保持と交戦権の否認を規定しているその前提には、憲法第九条の下で許容される自衛権の発動について、一、我が国に対する急迫不正の侵害--武力攻撃が存在すること。二、この攻撃を排除するため、他の適当な手段が無いこと。三、自衛権行使の方法が必要最小限の実力行使にとどまること。この三要件に該当する場合に限定している。明確に指摘をし、憲法の諸原理を尊重する立場から、憲法第九条によって禁じられている集団的自衛権の行使を政府が従来の解釈、見解の変更によって容認をする。あるいは、集団的自衛権の行使を容認する憲法違反の法案の立法に強く反対をすると、日本弁護士連合会は決議を出しております。また、弁護士出身の政治家もたくさんおりますけれども、公明党の山口代表は一体何を考えているのか、お聞きをしたいものであります。
 また、閣議決定後、憲法研究者百五十七人が憲法解釈変更による集団的自衛権行使を容認する閣議決定に抗議し、撤回を求める声明を発表しました。その声明、そして談話は、行使容認は、日本が武力攻撃されていないのに他国の紛争に参加して、武力行使に踏み切るという点においては、従来の政府見解から明白に逸脱するもので、憲法違反として積み重ねられてきた政府見解を国会審議や国民的議論もなく、内閣の判断で覆す暴挙であり、閣議決定は立憲主義に反すると、厳しく指摘をし、これまでの集団的自衛権行使されてきたのはベトナム戦争、アフガン戦争のようにアメリカが行う戦争であり、このような戦争に自衛隊が参加すれば、他国民を殺し、また殺される、国内でテロが起きる、こういうことにもなる、国民の生命の危険が高まると、このようにも指摘をし、憲法第九条の根本的変質に他ならない、速やかな撤回を強く求めると、憲法学者の皆さん方が声明を発表いたしました。
 この間、全国自治体の議会では、百五十七議会が次々と憲法解釈による集団的自衛権行使反対の意見書を可決をし、七月一日の閣議決定後も、新たに今度は閣議決定撤回を含む意見書可決の動きもとどまることを知りません。八月三十一日現在、百九十一議会になっております。長野県では七十七市町村中、過半数を超える四十一議会が反対の意見書を可決をし、国に送っています。九月議会が始まっておりますが、九月十九日--先週の金曜日現在、把握できたところでは、更に五つの議会が意見書を可決して、現在百九十六議会に上っておりまして、日本国憲法が保障する地方自治の力、この勢いはとどまるところを知りません。
 国民世論は、どうでしょうか。最新の九月四日の読売新聞調査でも、集団的自衛権を限定的に使えるようになったことに賛成が四十三パーセント、反対が四十八パーセントで、反対が読売新聞でも上回っております。
 八月三十一日に行われた佐賀空港への自衛隊オスプレイ配備計画が持ち上がった佐賀県の県民世論調査、最新の調査でありますけれども、集団的自衛権行使容認反対が五十八・七パーセントで、賛成が二十九・二パーセント。
 また、一つ紹介しておきますけれども、山形市の市長、この九月議会で答弁をいたしましたけれども、平和都市宣言都市の市長として、閣議決定は受け入れられるかと問われた市長が、山形市の平和都市宣言を全文読み上げた上で、集団的自衛権行使容認はこれに逆行するものだと明言したそうであります。
 長野市民の中にある声を二点紹介をしたいと思いますが、八月十五日、終戦の日の信濃毎日新聞、日本を戦争に参加させる集団的自衛権の行使は許しませんという全面広告が掲載されました。御覧になった方も多いかと思いますが、これは海外で戦争する国づくりを許さない意見広告実行委員会が行ったもので、敬称略ですけれども、作家の井出孫六、前阿智村村長の岡庭一雄、憲法学者の奥平康弘、無言館館主の窪島誠一郎、桜井甘精堂会長の桜井佐七、ジャーナリストの本多勝一、安曇野ちひろ美術館常任顧問の松本猛、元信州大学学長の宮地良彦、守谷商会相談役の山根敏郎、児童文学作家和田登などなど、著名な方々が呼び掛け人となっておりまして、実に三千百六名、匿名の人もいますが、百十二名もいるんですけれども、市民のこういった連名で掲載されたものであって、空前の規模の新聞広告となりました。
 次に、長野市の子供たちはどう考えているのでしょうか。長野市ボランティアセンターの長野ボランティアかわらばん編集委員会が発行していますボランティアかわらばん八月号を議員各位は御覧になったでしょうか。
 若者九名が集まって開いた座談会、戦争って、初めて考えてみたというテーマで、三時間にわたって白熱した議論の真髄を記事にしたものであります。是非全文読まれることをお勧めしますが、一部だけかいつまんで紹介しますと、その中に集団的自衛権って、というテーマがありまして、みんなペンネームで発言しておるんですけど、べえずという人が今の日本は憲法で戦争しない国となっているけれども、集団的自衛権を認めることによって、同盟関係にあるアメリカがどこかの国から攻撃を受けた場合に、日本もその国を攻撃できるようになるということ、と解説すると、いろいろな意見が出てきまして、山先生という人が大本営の保存活動でいろいろな人の意見を聴いて感じたのは、僕たちは戦争を無くしてほしいという願いを託された世代だということ、と述べ、べえずという人が、ここにいる人は全員戦争に反対、それを覆さないと、戦争はできないとまとめて、あとは長くなりますので、はしょりますが、最後に、日本が戦争しない国にするにはどうしたらいいというテーマで議論がされたんですが、もこみちさんという人が国を代表して話をするのは選挙で選ばれた人、戦争に反対なら同じ考えの人をしっかり選挙で選ぶ、それがまず自分たちができることと言いますと、ネイマールさんが世界で戦争しているところは、子供も鉄砲を持って戦っている。僕たちはすごく幸せ、それをみんなが感じられるようになったら、平和な未来が築けるんではないかなと応じて、はるかさんという人が世界全体が戦争をしないように考えられるようにならなければ駄目と意見を出して、はるさんが日本から戦争しないようにアピールしていけばいいと、発言をしたと。
 ごく一部なんですけれども、私はこれを読んで、本当に長野市の未来にも明るい展望を持つこともできましたし、長野市のボランティアセンターがこのような特集を組まれたこと、心から敬意を表したいというふうに思います。
 さて、討論の最後になりますが、紹介をしたい一文があります。新聞各紙に最近、十代の若者の投稿が相次いでおるんですけれども、七月六日の朝日新聞大阪朝刊に掲載された香川県の十二歳の中学生の僕らの未来、大人が決めるなという一文です。
 憲法の解釈を変えて、集団的自衛権の行使を認める閣議決定がなされました。新聞やテレビのニュースを見る度に危機感を覚えます。学校では歴史の授業で戦後日本の不戦の歩みについて学んできました。でも、今自分が生きているこの時代が戦前のように思えてなりません。憲法九条の改正に向け、着々と準備が進められているように思えるからです。
 平和憲法が骨抜きにされれば、僕たちは大人になったとき、戦争に行かなければなりません。僕は戦争には行きたくないです。人を殺したくないです。紛争の解決には武力行使以外の方法があると思うし、そういう姿勢を世界に示せる日本であってほしいのです。
 子供たちに夢をと口癖のように言う大人が僕たちが戦争に行かなければならないような判断をするのは許せません。子供を、孫を、戦争に行かせたいですか。政治家の皆さん、一度立ち止まって未来を生きる僕たち、若い世代のことを考えてください。
 日本の未来を託すべき若い世代の人が人を殺したくない、この叫び、選挙権を持たない子供たちの声なき声、私たち真摯に受け止めるなら、今、山形市長のみならず、平和都市宣言を行う長野市の議会がどのような行動をすべきか、それはもうもはや明らかではないでしょうか。安倍政権の集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回し、閣議決定に基づく法整備等を行わないよう国に意見書を提出することを求める趣旨の請願、五号、十四号、十五号、二十六号、二十七号、二十八号、二十九号、三十号、八本に及ぶ市民の戦争する国にするなという切実な声を全て採択し、国に意見書を提出することであります。
 議員諸氏の賢明なる御判断を求め、委員長報告への反対討論を終わります。

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