2014年9月定例市議会 佐藤くみ子議員
本市議会定例会におきまして、福祉環境委員会に付託されました諸議案並びに請願の審査の結果報告
◆福祉環境委員会委員長・佐藤久美子
私から、本市議会定例会におきまして、福祉環境委員会に付託されました諸議案並びに請願の審査の結果につきまして御報告申し上げます。
審査の結果につきましては、お手元に配布されております福祉環境委員会決定報告書のとおり決定した次第であります。
次に、委員会において論議され、市当局に要望いたしました主なる事項について申し上げます。
初めに、議案第九十三号平成二十六年度長野市一般会計補正予算のうち、歳出、第四款衛生環境費、第二項環境総務費について申し上げます。
本補正予算では、本市の電気自動車充電設備設置モデル事業として、長野県次世代自動車充電インフラ整備ビジョンに基づき、電気自動車の充電設備を道の駅中条に設置する経費が計上されております。
道の駅中条を選定した理由として、多くの観光客が長野・白馬間のルートを通行することや、充電設備の利用者が充電時間を利用し、売店や飲食店等を利用することが見込めることなどを挙げております。
ついては、同ビジョンの整備箇所に指定されている他の観光地においても設置を検討するよう要望いたしました。
次に、環境部の所管事項について申し上げます。
リサイクルハウスの設置費用に対する補助金についてであります。
市では、ごみの減量と再資源化を促進するために、区又は資源回収団体がリサイクルハウスの設置に要した経費に対して、申請に基づき補助金を交付しているものの、現在、受理している申請分で、既に本年度の予算に達しているとのことであります。
市においては、地区から補助金に対しての要望が多いことから、本年度中の申請に対応する補正予算の計上等を検討するよう要望いたしました。
次に、生活部の所管事項について二点申し上げます。
一点目は、斎場新設事業のうち、松代新斎場建設工事についてであります。
本事業は、本市のプロジェクト事業に位置付けられていることから、本委員会において事業の進捗状況を調査するために、今定例会前の閉会中においても所管事項調査をしております。
松代新斎場については、本年度末の供用開始を目途にくい地業工事を進めておりましたが、建設地内に予想以上の転石が点在し、工事の障害となったことから、建築主体工事等と合わせて工期を約五か月間延長せざるを得ないとの説明がありました。
委員会調査の中で、建設工事に着手するに当たり、敷地内三か所のボーリング調査を行ったとのことだが、百二十五本のくいの半分以上が転石に干渉し、さらに芯ずれを起こしたくいについて、打ち直し等の補強工事を余儀なくされたことは、事前の地質調査が不足していたのではないかとの意見がありました。
市においては、今後、市全域の地質データを集積するとともに、庁内部局間での情報の共有化に努め、地質の状況を十分把握した上で工事に着手するよう要望いたしました。併せて、工期の遅れ等の事態が想定される場合には、速やかに議会に対して状況を報告するよう要望いたしました。
二点目は、長野市民病院の地方独立行政法人化についてであります。
市当局において長野市民病院の新たな経営形態として地方独立行政法人化の検討を進めた結果、経営の自由度をより高めることができ、今まで以上に患者の立場に立ったより良い病院づくりに取り組むことができる地方独立行政法人への移行が必要であるとの報告がありました。
委員会調査の中で、地方独立行政法人化により期待できることとされている、患者の視点を踏まえた病院運営が可能となることや、サービスや医療の質が向上することなどに理解しつつも、これらについては、長野市民病院の現行の形態においても十分達成しているのではないかとの意見が出されました。
指定管理者である私法人を、市が新たに設立する公法人へ移行するという公営企業型の地方独立行政法人では全国で初めての手続であること、また、医療圏における他の公的医療機関との連携や役割分担を考慮する中で、長野市民病院の機能を十分検討する必要性があることから、地方独立行政法人への移行に当たっては、今後もメリット、デメリットを細部にわたって検証しながら、慎重に進めるよう要望いたしました。
次に、保健福祉部の所管事項について二点申し上げます。
一点目は、介護職員に対する相談窓口の設置についてであります。
現在、約百五十万人が従事している介護職員については、二〇二五年度には、更に約百万人が必要との推計がされている中、労働条件や職場環境等を理由とする介護職員の高い離職率が問題となっているところであります。
市においては、こうした状況を踏まえ、介護職員の職場への定着を図るために、様々な悩みに対応する相談窓口の設置について検討するよう要望いたしました。
二点目は、臨時福祉給付金の周知についてであります。
本年四月の消費税率の引上げに際して、低所得世帯の負担を緩和するために給付措置を行う臨時福祉給付金については、八月末現在で、申請率は約六十一パーセント、支給額は約四億一千二百万円とのことであります。また、市は、当初の見込みより申請率が低い状況にあることから、申請受付期限を十月十五日から十二月二十六日まで延長するとのことであります。
市においては、あらゆる媒体を通じて市民へ一層の周知を図るとともに、必要に応じて電話等により個別の勧奨を行うなど、申請率の向上に努めるよう要望いたしました。
次に、こども未来部の所管事項について二点申し上げます。
一点目は、保育所の耐震診断についてであります。
市内には、建築基準法に基づく現行の耐震基準が導入された昭和五十六年以前に建てられ、いまだ耐震診断が済んでいない保育所が存在しております。
地震が頻発している昨今の状況を踏まえ、子供や保護者に安全・安心な保育環境を提供するために、早急に耐震診断を行い、耐震化工事や改築等の必要性について検討するよう要望いたしました。
二点目は、子育て支援先進都市長野の実現に向けた取組についてであります。
市は、全国から本市に移り住んで来たくなるような魅力的な子育て支援先進都市長野を標ぼうしているものの、実現に向けた具体的な取組がなかなか見えてない状況であります。
少子化に伴う人口減少社会の到来に際しては、既存の施策にとらわれない、新たな魅力ある施策が求められることから、市においては、庁内関係部局が連携を密にし、子育て支援に取り組むよう要望いたしました。
次に、請願の審査について申し上げます。
初めに、請願第三十三号「手話言語法(仮称)」制定を求める意見書の提出を求める請願について申し上げます。
本請願の審査に当たっては、参考人の出席を求め、趣旨等の説明及び質疑を行いました。
本請願については、請願文の一部について請願者及び紹介議員の了承を得て、お手元に配布の請願訂正願のとおり訂正した上で審査を行った結果、請願者の願意を酌み、全員賛成で採択すべきものと決定いたしました。
続きまして、請願第三十四号福祉医療費の窓口無料化を求める県への意見書提出を求める請願について申し上げます。
本請願の審査に当たっては、参考人の出席を求め、趣旨等の説明及び質疑を行いました。
採択すべきものとして、群馬県を初め、子供については三十七の都府県で、障害者については三十の都道府県で福祉医療費の窓口無料が実施されている。手持ちのお金が無くても安心して病院に掛かるためには、窓口無料化が是非必要である、との意見が出されました。
また、保健福祉部に対して、委員から質疑が出され、福祉医療費の窓口無料化に伴う市の財政負担等について説明がされました。
その主なものとして、国民健康保険国庫負担金が約一億三千万円減額調整されること。健康保険組合等からの約五千万円の附加給付金が停止されること。さらに、一レセプト当たり五百円の受給者負担金を無料にした場合には、約三億五千万円の市の財政負担が生じることなどであります。
以上の論議を踏まえ、採決を行った結果、賛成少数で不採択とすべきものと決定いたしました。
続きまして、請願第三十五号長野医療圏域の災害医療確保体制の充実強化を図るため、新たな災害拠点病院の指定を求める意見書の提出を求める請願について申し上げます。
まず、採択すべきものとして、災害時は想定外のことが起こり得る。今ある災害拠点病院を補完するという必要性に鑑み、請願を採択すべきだ。長野医療圏は、人口が約五十五万人を超え、かつ、広範囲な医療圏であることから、千曲市及び坂城町を含む長野医療圏の南部地域に災害拠点病院は必要であり、また、長野松代総合病院は災害拠点病院としての機能が整っている、との意見が出されました。
一方、継続審査とすべきものとして、来月、県で長野医療圏における災害医療会議が開催されると聞いている。その会議の内容を見て結論を出すべきではないか、との意見が出されました。
以上の論議を踏まえ、継続審査について諮ったところ、賛成多数で継続審査とすべきものと決定いたしました。
最後に、請願第三十六号危険ドラッグの根絶に向けた総合的な対策の強化を求める請願について申し上げます。
まず、採択すべきものとして、昨今、インターネットで危険ドラッグを簡単に購入することができるため、特に若者の間で乱用が広がっている。県内でも危険ドラッグの使用により、五人が死傷する痛ましい交通事故が起きている。こうした状況を踏まえ、請願を採択すべきだ、との意見が出されました。
一方、不採択とすべきものとして、東京都は危険性の高い薬物を速やかに規制できるよう条例の改正を行う予定と聞いている。危険ドラッグの対策強化に向けては、条例の規制で十分効果があることも想定される。まずは、そうした効果の検証をすべきではないか、との意見が出されました。
以上の論議を踏まえ、採決を行った結果、賛成多数で採択すべきものと決定いたしました。
以上で報告を終わります。