議会報告

2014年3月定例市議会代表質問 野々村ひろみ議員

代表質問

◆野々村博美
 日本共産党長野市会議員団を代表して質問いたします。

 最初に、市長の政治姿勢について伺います。
 二月二十五日から新潟県、群馬県の陸上自衛隊演習場で日米共同演習が始まりました。長野県内の上空をCH53大型輸送ヘリコプターが通過している可能性もあります。九日には、史跡研修と称して長野市に、殴り込み部隊と言われる海兵隊員が訪れる可能性もあります。一九九四年の共同演習の際には、川中島古戦場、善光寺などに四百人の海兵隊員が大型バスで乗り付け、一般観光客に交じって観光をした経過があります。また、過去においては、米軍機が墜落して、民家が炎上するなどの被害もありました。今回の訓練に関しては、飛行ルートも明らかにされておらず、不安が募ります。長野市民の安全を守るためにも、長野市への史跡研修は受け入れるべきではないと考えます。市長の見解を伺います。

 次に、集団的自衛権について伺います。
 安倍首相が集団的自衛権の行使を憲法解釈の変更のみで認めようとしていることについて、憲法改定の是非に関する立場の違いを超え、現代国家の立憲主義、法治主義の大原則が破壊されると批判の声が広がっています。
 集団的自衛権の行使を認めることは、日本が攻撃されなくても、自衛隊が海外に行って戦争できるようになることであり、国の形が大きく変わることです。自衛隊員が海外の戦闘で他国の人々を殺し、殺される事態も生まれかねません。そんな重大なことを一内閣の憲法解釈の変更でやるのは、法治国家の根幹に関わります。加藤市長は、憲法解釈によって集団的自衛権を認め、海外で戦争をする国づくりに突き進むことに対してどのようにお考えになっているのか、見解を伺います。

 次に、アベノミクスと消費税増税について伺います。
 消費税率が八パーセントに引き上げられる四月一日が近づいてまいりました。物価は上がり続けているのに収入は増えず、暮らしは立ち行くのか、仕入れに掛かる消費税分は増えても、そう簡単に値上げできそうにない、結局は身銭を切ることになるなど、国民の暮らしと営業についての不安は募るばかりです。
 先月発表された国民所得統計は、経済の動きが鈍っていることを浮き彫りにしました。政府は四期連続のプラス成長だと言いますが、伸び率は二期連続で大きく鈍化しており、十月から十二月期は予測に比べ半分以下です。原因は、GDPの六割を占める個人消費が駆け込み需要があったのに伸びず、輸出や設備投資も低い伸びだったからです。行き詰まりは余りに明白です。
 経済の動きが鈍い理由は、国民の所得が伸び悩んでいるためです。金融緩和や規制緩和で大企業のもうけを増やせば、雇用も給与も改善するというのがアベノミクスの宣伝文句ですが、実態は全く逆です。大企業のもうけは増えても内部留保に回るだけで、国民の収入は増えていません。こんな中で増税すれば暮らしが破綻するのは目に見えています。消費税増税はきっぱり中止し、国民の所得を増やし、経済を立て直す政策に抜本的に転換すべきです。加藤市長の見解を伺います。

 次に、安倍内閣の教育委員会改革の危険性について伺います。
 安倍政権が進める教育委員会制度改革案は、憲法に則して教育の自主性を守るために作られた教育委員会制度の根幹を改編し、政治権力による教育支配を歯止めなしに拡大しようという、極めて危険な内容となっています。教育委員会から実質的権限を奪い、それを形骸化させるものに他なりません。
 こうした内容が具体化されれば、首長が代わる度にその一存で教育現場が振り回されるという混乱が起こり、子供たちが最大の被害者となるでしょう。この動きは解釈改憲による集団的自衛権行使など、海外で戦争する国づくりと一体のものです。秘密保護法によって、国民の目、耳、口を塞ぐ、NHKの経営委員会人事に見られるように、公共放送を自らの支配下に置く、そして教育制度の改革によって、教育への無制限の権力的介入、支配の道を開く、これらの全体が海外で戦争する国づくりの不可欠の構成部分として強行されようとしています。安倍教育改革案に対する見解を伺います。

 次に、雪害対策について伺います。
 最初に、雪害予防計画と対策の強化についてです。
 被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。今回の大雪も異常気象によるものと分析する気象学者もおり、今後も豪雪による雪害への備えが必要と考えます。幹線道路で車が立ち往生、物流の混乱、孤立集落の発生など、改めて雪の怖さを痛感することとなりました。長野市は、地域防災計画で雪害応急対策計画が作られていますが、全国で起きた被害状況を総合的に分析して、今後に生かし、計画を見直し、対策の強化が必要と考えますが、見解を伺います。

 次に、除雪対策について伺います。
 二月十四日夕方、大雪警報が出され、翌日の朝九時に長野市道路雪害対策本部が設置され、建設部を中心に建設業協会の皆様の不眠不休の道路除雪の体制がとられました。御尽力いただいた皆様に心より感謝いたします。豪雪の中での除雪作業にはおのずと限界があり、市民の生活に大きな影響が出たことは周知の事実です。バス路線である幹線道路でも復旧には一週間掛かっており、万全な除雪対策は大変困難であることを実感いたしました。
 特に、建設産業の低迷と高齢化により、業者による除雪体制の強化も難しい状況です。長野市はかつて旧町村では直営による除雪体制を持っていました。今は全面委託で、全体の状況を把握する体制はとられていないのではないでしょうか。今回の経験を踏まえ、改善する点はどこか、見解を伺います。
 業者による除雪の最大限の努力を要望しつつ、地域力もまた求められていることは事実です。ダンプトラックの貸出事業を地域でどう活用するか、住民自治協議会、隣組組織で話し合っておくことが必要と考えます。また、通学路の安全確保についても、学校、PTA、地域の協力が必要です。また今回、若槻地域では市立長野高校生の協力が、また妻科地域では、信州大学の学生の協力があり、大変喜ばれたとお聞きしました。今後、高校や大学、また若い人たちがたくさんいる事業所などへ協力要請を行っていったらいかがでしょうか。
 また、高齢化が進む地域において、現在、戸隠・鬼無里地域限定となっている雪害救助員制度は切実な願いであり、他地域への適用も要望し、見解を伺います。
 長野市雪害予防計画によると、要支援世帯への除雪援助として民生委員などによる訪問を行い、状況の把握に努め、自力で困難な世帯には地域相互扶助及びボランティアによる除雪、又は建設業協会による有償での除雪など、手段を確保するとなっています。災害時の要支援者への対応は、具体的にどのように把握し、対策をとるようになっているのか伺います。また、今回どの程度の状況把握と支援が行われたのか伺います。

 次に、長野市災害対策本部の設置について伺います

 長野市地域防災計画によると、雪害応急対策計画で四十センチを大幅に超え、更に大雪が予想される場合は、緊急体制として長野市対策本部が設置されることになっています。この規定によれば、本来、今回の大雪に対して対策本部が設置されてしかるべきではなかったでしょうか、検討の経過を伺います。

 次に、支所の対応について伺います。
 雪害応急対策計画によると、災害対策本部の設置前であっても、大雪などにより、住民生活に支障が生じている場合で、危機管理防災監が必要と判断するときは、支所長を本部長とする現地雪害警戒本部を設置するとなっています。そして、雪崩危険箇所のパトロールの強化、要援護者世帯の生活状況の把握を初め、管内の災害情報、住民生活への影響に関する情報の収集及び伝達、雪下ろし作業員など、排雪に関する情報収集と、住民への情報提供を講じるとなっています。
 今回、多くの支所が休日の中ではありましたが、支所の除雪に取り組み、また、十六日には約半数の支所が開設していました。自らの判断で開設していただいたことは評価しますが、長野市全体の判断がなされなかったことは、大変残念です。また、二十四時間体制で対応されたわけではなく、短時間であったと思われます。災害時には、いざというときに備え、十分に危機管理体制をとることを強く要望いたします。また、合併町村の支所の宿日直体制が廃止されたことで、住民の不安は募っています。宿日直体制の復活を求めます。市長の見解を伺います。

 次に、農業被害への対応について伺います。
 ハウスの倒壊は、農業が続けられないという深刻な事態を生み出しました。また今後、雪解け時にリンゴ、桃、梨など、樹木の枝折れ被害が予想されます。国においては、倒壊ハウスの撤去費用を五割の負担をするなど、今までの枠に捉われない補助が約束されましたが、農家負担を減らすためにも、激甚災害指定を県に求め、同時に指定はなくても、激甚災害並みに農家負担を軽減し、再建可能な手厚い支援を求めます。また、再建するにも資材不足も深刻とのことですが、育苗ができないなど新たな被害が出ないよう、万全を期して資材を確保するよう、行政としても手だてを尽くすことを強く要求するものです。見解を伺います。
 豪雪は、今後の気温の上昇で雪崩や地滑り、洪水を誘発することになります。既に松本市では雪崩が発生し、バスがあわや大惨事という事態になりました。危険箇所の事前の把握と住民への情報の周知を徹底することを要望し、見解を伺います。

 次に、来年度予算について伺います。
 来年度予算は、過去最高となりました。要因は、大規模プロジェクトによるものです。このプロジェクト総事業費は、平成二十四年度では一千六百九十三億円の見込額でしたが、来年度予算では一千七百九十六億円となっています。僅か二年で百億円も事業費が膨らんでいます。資材や人件費の高騰、消費税増税の影響が考えられますが、事業費の圧縮をいかに図るかが真剣に検討されなければなりません。
 私たちは、かねてから第四学校給食センターの建設凍結、順次自校給食に移すことで、事業費の平準化が図られることを主張してきましたが、残念ながら自校給食の導入を本格的に検討されることもないまま、給食センターの規模を大きくして、四か所の計画を三か所に減らす計画が示されました。
 そして、非常に残念なことに、懸念していたアレルギー事故が昨日、起きていたと先ほど報告がありました。改めてセンター方式ではなく、自校給食に切り替えることを要望し、予算の平準化の効果についても検証するよう、また灰溶融炉の建設見直しについても検討するよう求めるものです。見解を伺います。

 次に、基金の活用について伺います。
 財政推計の年次ごとの比較を行うと、一年前の推計によれば、基金残高は今年度末百五十六億円の予定です。しかし、今年度決算見込みでは百八十億円を超えます。大変優れた財政運営をしていると感謝したいところですが、ため込むだけでは、市民の暮らしは守れません。厳しい不況下の中で、社会保障費の負担や公共施設の利用料が増やされている中で、もっと市民生活擁護のためにこの基金を活用していただきたいことを強く要望するものです。御見解を伺います。

 次に、高齢者福祉の充実について伺います。
 介護保険法改正が予定されていますが、その中心は特別養護老人ホームは要介護三以上の人しか利用できない。要支援者を介護保険の適用から外し、自治体の地域支援事業に移行するなど、軽度の人を切り捨てることです。さらに、一定の所得があれば、利用料を二倍にし、また低所得者に適用されている介護保険施設の利用料を資産活用を勘案して、軽減の対象外として、利用者の負担を増やすことです。
 長野市民が入所している特別養護老人ホームのうち、入所者の約一割、百七十人が要介護一、二の方です。また、要支援一、二で、介護保険の訪問介護、通所介護を利用しているのは約三千人います。寒い時期は高齢者がお風呂で倒れることが心配されますが、それを防ぐためにも、週一、二回のデイサービスが役に立っています。ヘルパーさんの訪問介護も健康維持には欠かせません。介護予防のための支援があるからこそ、頑張って地域で暮らしていけるのです。改悪に反対するよう強く求めるものです。見解を伺います。
 同時に、改正が行われた場合は、長野市はどう対応していくのか、NPOや市民ボランティアによる支援では、今までのような介護の質の維持はできません。また、通所の支援は、送迎サービスがあるからこそ多くの利用者が使えます。責任を持って介護の質が落ちないように、また必要なサービスが奪われることのないよう、受皿を用意すべきと考えます。その体制を具体的にどのように準備していくのか、伺います。

 次に、孤立防止・見守りネットワーク事業について伺います。
 今年度、孤立防止・見守りネットワーク事業がスタートしましたが、どのように機能しているのか、実態を伺います。また、救急車の出動の中で、孤立死が疑われる事例がどのくらいあるのか、伺います。
 私は、先月、知り合いのお宅に新聞がたまっていると連絡を受け、亡くなっていた家主を発見するという不幸な事件を経験しました。今回だけでなく、この三年間で三人の知り合いが、死後何日かたって発見されました。三人のうちお二人はまだ七十代前半で、お二人とも長い間、親の介護を続けていた男性でした。是非このネットワーク事業を本格化させ、高齢者だけなく、日頃から異変が起きていないか、気付いたら遠慮しないで声を掛け合うよう促していただきたいと思います。見解を伺います。

 次に、緊急通報システムの普及について伺います。
 長野市は、来年度予算で緊急通報システムの設置予算を減額しています。しかし、まだ多くの必要とされる世帯に緊急通報システムは設置されていません。このシステムがあるということも知らない人たちがたくさんいます。改めて、普及を強く要望し、実績と対応を伺います。

 次に、子ども・子育て支援について伺います。
 最初に、子ども・子育て新支援制度についてです。
 現行保育制度は、国と自治体が保育に責任を負う公的責任性の高い優れた制度です。しかし、子ども・子育て関連三法が成立し、二〇一五年度から実施されるよう準備が始まっています。
 新制度は、現行保育制度の仕組みを根底から変えるものです。保育所については、市町村の保育実施責任を児童福祉法第二十四条第一項として残すことができました。しかし、認定こども園、幼稚園など、多様な施設、事業の利用についても給付の対象とはなりますが、児童福祉法第二十四条第二項に位置付けられ、利用者は施設、事業者と直接利用契約を結ぶことになります。
 最近では、小規模保育所は、保育者の半数が無資格者でも構わないという基準を国が決めたことが問題になっています。今後、各市町村が条例で定めることになっていますが、市町村ごとに保育の基準や条件などの格差が広がることが懸念されます。また、新制度の下では、公費が保育以外に流用されることに歯止めがかけられなくなります。人件費を削って、保育以外の事業や株主配当に回すなど、はばかりなくできるようになります。
 また、新制度では、幼保連携型認定こども園に保育所からの移行を促進させる狙いが持たれています。その結果として、児童福祉法第二十四条第一項の市町村責任を形骸化させようとしています。このまま、国の方針どおりに進めば、子供をもうけの対象として、事業者の参入が自由になる一方で、保育に格差が持ち込まれ、子供が乳幼児の段階から差別される事態が引き起こされます。また、非正規の保育労働者が一層増え、労働条件が低下することも懸念されます。
 この新制度の実施主体は市町村であり、長野市です。根底からの制度改正にもかかわらず、十分な準備期間もなく、利用者の理解もないまま、新制度への急ピッチな移行準備が始まっています。新制度の欠点を補い、加藤市長が掲げた日本一子育てしやすい都市となるよう、最大限の努力を要望するものです。
 その第一は、十分な準備や議論がないまま、新制度を性急に実施しないよう求めること。
 二として、実施するのであれば、子供の保育に格差が生じないようにすること。
 三として、認可保育所中心の整備とし、公立保育園の統廃合、民営化、幼保連携型認定こども園への意図的な移行はしないこと。
 四として、保育の利用手続、入所の仕組み、最低基準などについて、現行水準を後退させないこと。
 五として、今までどおりの長野市単独の補助、保育料軽減策は継続すること。
 六として、特に障害児保育などが新制度の下で後退することのないよう特別に配慮すること。
 以上の要望について、見解を求めます。
 また、長野市には待機児童はいないとされてきましたが、実際には幾つかの無認可保育所があります。その子供たちには何らの支援もありません。今回の新制度の下で、これら無認可保育所へは丁寧に説明を行い、子供の権利が平等に保障されるよう、行政の支援を強めていただきたいと思います。見解を伺います。
 また、私立保育協会が運営している若葉保育園については、併設する秋葉保育園とともに老朽化が進んでいます。全国でも数少ない認可の夜間保育所であり、利用者も増えているとのことです。母性保護の観点が無くなり、女性の深夜勤務に歯止めがかからない事態の中で、認可保育園として、若葉保育園には一層の支援が必要と思います。御見解を伺います。

 次に、放課後子どもプランについて伺います。
 国の社会保障審議会児童部会、放課後児童クラブの基準に関する専門委員会報告書案が昨年十二月提出されました。その報告書に沿って長野市の現状を検証いたしました。長野市が早急に改善しなければならないのは、放課後児童クラブの対象年齢が小学校六年生まで拡大されたことです。
 さらに、規模については、現在のガイドラインでも最大七十人までとなっており、報告書では参酌すべき基準とはしていますが、おおむね四十人までが適当と考えられるとしています。
 長野市の現状はどうでしょうか。長野市版放課後子どもプランを作って、学校の空き教室を利用してきましたが、それでも小学校六年生までの留守家庭児童を受け入れることができているところは小規模の学校のみで、ほとんど対応できてはいません。
 さらに、質の高い放課後の生活を保障するために、四十人までがふさわしいとされていますが、その基準をオーバーしているのは四十八か所です。全国的にも利用者数が増え続け、大規模クラブが増えていると言われていますが、大規模とされる五十六人を超えているところは、全体の二十パーセントにすぎません。
 長野市はどうでしょうか。
 九十一か所のセンタープラザのうち、留守家庭のみが対象の箇所が七十三か所で、そのうち大規模とされる五十六人以上のところが三十四か所、四十七パーセントに上っています。さらに、基準の倍である八十人を超えているところが二十一か所もあります。いかに長野市の放課後子どもプランがぎゅうぎゅう詰めで行われているか、明らかではないでしょうか。
 また、体調を崩している子供のための静養室の確保も求めています。
 以前から私たちが繰り返し、学校の空き教室だけの対応では、大規模児童クラブの解消は解決できないことを指摘し、新たな施設整備も含めて検討するよう求めてきました。一日も早く六年生までの留守家庭児童への対応と、適正規模に改善すべきです。子ども新法に照らして、今後どのように改善されていくのか、伺います。

 次に、子供の貧困対策の推進に関する法律について伺います。
 こども未来部が四月からスタートし、相談窓口が一本化されます。子育て支援の起爆剤となるよう期待したいと思います。
 さて、こども未来部の中には、新生児訪問や乳幼児健診を行う保健所健康課は統合されませんでした。しかし、子供の状態を最も早く知ることができるのは、この部署です。健診を受けていない乳幼児や会うことのできない乳児は虐待やネグレクトなど、リスクが高い環境にあります。豊橋市では、ハイリスクの乳幼児を専門に担当する保健師が配置されています。情報を共有し、見過ごすことがないようにこども未来部との連携を強め、また早期の段階で支援の手を差し伸べることができるよう要望します。見解を伺います。また、健診の実態はどうか、所在不明の乳幼児など把握されているのか、対応と状況を伺います。
 さて、昨年、子どもの貧困対策の推進に関する法律が公布され、今年一月に施行されました。今後、生活保護世帯の高校進学率の向上のための具体的な対策などが求められてきます。
 私たちは、かねてより子供の貧困問題が深刻な事態になっていることを指摘し、スクールソーシャルワーカーの増員、生活困窮世帯の子供たちに対する無料塾の実施のための支援など求めてきました。今後、行政は責任を持って、この問題に対応していくことが義務付けられました。また、貧困や虐待から子供を守る、子供の権利擁護の視点をこども未来部設置の基本理念として位置付け、長野市福祉事務所と連携し、専門職の配置も行うよう求めたいと思います。また、生活困窮家庭への学習支援を行政としても早急に具体化すること、またスクールソーシャルワーカーの一層の充実を求めます。見解を伺います。
 また、生活保護の基準が引き下げられ、凖要保護児童・生徒に影響が出ます。私は、就学援助の基準を来年度も今までどおりにすることを求めてまいりました。来年度どのように対応されるのか伺います。

 次に、子供の医療費について伺います。
 開会中の県議会で阿部知事は、子供の医療費補助について、日本共産党石坂県議会議員の代表質問に答えて、県費補助の拡充について、市町村と相談して検討するとしました。県下最低水準となっている長野市の子供の医療費無料化を中学校三年生まで所得制限なしで拡充するよう、改めて強く要望するものです。加藤市長の見解を伺います。

 次に、農業政策について伺います。
 安倍内閣の農政改革では、稲作は大規模化することで生産コストを下げ、十年間で四割削減するとしました。これは現状の全国平均コスト、六十キログラム当たり一万六千円を九千六百円にするというものです。実際に大規模経営している稲作農家は、農機具や肥料が値上がりしている現状を指摘し、机上の計画だと批判します。これ以上の規模の拡大は限界で、どんなに頑張っても、アメリカやオーストラリアの耕作規模にかなうはずがないと嘆きます。
 安倍農政は、生産調整を達成した農家に対して、十アール当たり一万五千円交付してきた直接交付金を半額にし、五年後には廃止します。これは大変な打撃であり、価格保障と所得補償こそ日本農業の再生の道です。TPP交渉では、自民党が自ら掲げたお米など主要五品目は絶対に妥協しないと公約しましたが、それさえも今や風前のともしびの事態です。
 日本農業を潰す安倍農政改革の路線ではなく、中山間地農業を守り、価格保障と所得補償ができる長野市農政を確立していただきたいと思います。そのためにも、地域奨励作物の種類を増やし、補償額を引き上げることも有効です。御見解を伺います。
 特に、高齢化が進み、荒廃農地が増え、有害鳥獣による被害が深刻になっている中山間地農業に対しては特別な支援が必要です。長野市の新規農業者は、平成二十三年度から二十五年度までに九十六人になっていますが、中山間地で農業に従事した人たちはこのうち二十人です。多くが平たん地で果樹を中心に従事しています。それはそれで大事なことです。同時に、条件の厳しい中山間地で農業を頑張ってもらえる人たちに特別な支援体制が必要ではないでしょうか、御見解を伺います。
 また、今年度、地域おこし協力隊事業が導入されましたが、成功させ、他地域にも広げることができるよう、また三年後に補助が無くなっても定住ができるよう、仕事や住宅の確保、子育て支援の強化、農業機材の貸出しや鳥獣害対策の強化、協力隊員同士の交流など、手厚い支援を行っていただきたいと思います。御見解をお願いします。

 次に、女性農業者の育成について伺います。
 長野市議会の女性議員は、毎年農村女性マイスターの皆さんと懇談をしてきました。女性農業者の中には、生産から加工まで苦労をいとわず、地域の女性たちを巻き込んで、優れた起業家として頑張ってこられ、全国表彰を受けた皆さんもいらっしゃいます。お隣の新潟県十日町市では、女子力で地域を元気にしているという実践が女性団体の新聞に紹介されていました。
 東京の大学で法律を学んでいた女子学生の坂下さんは、雪が四メートルも積もるという十日町市の池谷集落に移住しました。坂下さんは、この地域が新規就農者の受入れに熱心で、ノウハウの蓄積もあり、移住に不安はなかったそうです。中越地震のとき、池谷集落では復興ボランティアと地元がつながり、その後もずっと農業ボランティアを受け入れ、雪かきや草刈り、収穫祭に取り組まれ、今でも年間延べ八百人が訪れているそうです。
 今では、新潟県内各地に移住している女性農業者四人が交流を深め、フリーペーパーを発行しています。当面の目標は自分の家と自分の作業場を造ること。将来は結婚してこの地で子供を育てていきたい。山の暮らしは都会のようにお金を掛けなくても、食べ物はあるし、資源を生かして経済を地域で循環する、そんなまちづくりがしたいと夢を語っていました。女子力を生かした中山間地の活性化も視野に行政と地域が協力して、大学生などのボランティアの受入れなど、積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか。長野市の実践などもありましたら、お聞かせいただき、また今後の取組について伺います。
 昨年、農山漁村における再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律が成立しました。農林水産省の説明会には、業者の土地利用に関する質問が目立っているということです。この法律では、市町村に関係者による対策協議会を設置し、基本計画を策定するとしています。導入は荒廃農地が基本ですが、耕作者がいない優良農地でも一定条件の下で設置できるようになります。
 今後、農業経営が厳しい中で、農地の乱開発が懸念されます。自分で設置するか、地域住民が主体で設置することが大切です。開発業者に農地が食い物にされることのないよう、長野市としての方針を持つことが大切と思います。既に鬼無里地域など、地域経済と再生可能エネルギーを考える活発な活動が始まっていますが、そのような方向にこそ、中山間地の新たな可能性があると確信いたします。御見解を伺います。

    (三十八番 野々村博美君 質問席へ移動)

◎市長(加藤久雄)
 野々村博美議員の御質問にお答えしたいと思います。野々村議員におかれましては、日頃、本郷駅前の街頭で大変鍛えられました、その語り口の中、きちんとした調査に基づく課題を、鋭い直球で向けられました。本当に勉強になりました。ありがとうございます。
 初めに、私の政治姿勢についてお答えを申し上げたいと思います。
 日米共同訓練に関しまして、市民の安全を守るためにも、長野市への史跡研修は受け入れるべきではないという質問にお答えをしたいと思います。
 御指摘の史跡研修は、三月八日まで新潟県の関山演習場などで実施されております、日米共同訓練終了後の訓練参加者が近隣の史跡などを私服で見学するものと聞いております。
 本市の史跡などにつきましては、訓練参加者が訪れることがあるかと思いますが、市民の安全を脅かすものではないと考えますので、特別の対応は今のところ考えておりません。

 次に、集団的自衛権についてお答えしたいと思います。
 集団的自衛権は、同盟国などへの攻撃を自国への攻撃とみなして反撃できる権利でありますけれども、政府は、従来より集団的自衛権の行使は、憲法で許容している自衛権の行使の範囲内を超えるものであって許されないとの見解を示してきたところであります。集団的自衛権の行使につきましては、我が国の安全保障に関わる重要な問題であり、今日の国際情勢の下、恒久平和をいかに維持していくかという観点から、国において、しっかりと議論が進められるべきものと考えているわけでございます。

 次に、アベノミクスと消費税増税についてお答えします。
 我が国の経済は、アベノミクス効果によりまして、長く続いたデフレから脱却しつつあります。国内総生産や有効求人倍率などの経済指標も回復基調にあるものと認識しております。また、消費税の引上げは、今後の社会保障に係る安定財源の確保と財政健全化の同時達成を目指し、社会保障・税一体改革を確実に実現するために必要な施策であると考えております。
 国は消費税率の引上げによる反動減を緩和し、景気の下振れリスクに対応するため、五・五兆円規模の平成二十五年度補正予算を編成した他、低所得者への配慮としての簡素な給付措置の実施など、持続的な経済成長につなげるための必要な措置を講じておりました。本市におきましても、これに対応した予算編成を行っているところでございます。
 まずは、早期のデフレ脱却と経済再生が急務であり、国の経済対策の着実な実行が国民所得の向上につながることを大いに期待するとともに、今回の消費税率の引上げにより、社会保障関係経費を確保することが重要であると考えております。

 次に、安倍政権の教育委員会制度改革についてお答えします。
 私は、市長就任以来、人と地域を育てるという思いを大切にし、それが私に課せられた大きな使命であると考え、市政に取り組んでおります。現在、議論されております教育委員会制度改革につきましては、平成二十五年十二月の中央教育審議会からの今後の地方教育行政の在り方についての答申を受けて、与党内で更なる見直し案が検討されており、改革の最終的な形が不明確であることから、注視しているところでございます。
 今回、議論されております中央教育審議会答申及び与党内の小委員会から提出された三つの案、いずれにおいても、教育に関する首長の責任と権限が大きくなっております。これは、今回の改革論議で教育委員会制度における責任の所在の曖昧さという課題解決のために、首長の責任の明確化が検討の視点の一つとなっておりますので、このような状況となったものと考えております。
 教育に関する施策は、市行政にとりまして重要な施策であると、私も考えております。市長が一定の責任を果たすことは当然の責務であり、その責任の所在が明確になることは必要であると考えております。
 なお、その際に教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保に配慮することも、十分考えなければならないことでありますので、市長の独断で進めるものではなく、教育委員会と連携を密にしながら、進めるべきものと考えております。今後、国におきましては、各分野からの意見を尊重して、十分な議論をしていただくことを望んでおります。
 また、国の教育制度改革がどのような形になりましても、長野市の将来を担う子供たちのために、教育環境を整えることが私の責務であると感じます。子供たち一人一人が明るい笑顔と元気があふれ、生きる力を育むことができるまちづくりに取り組んでまいる所存でございます。

 次に、雪害対策についてお答えします。
 今回の大雪での各支所の対応については、地区の実情を把握している支所長が、それぞれの状況に応じ、臨機応変に対応したとの報告を受けております。取り分け、合併地区の支所におきましては、生活道路の除雪の他、管内の災害情報、住民の安否確認など、市民生活を守るために必要な業務を実施したところでございます。
 通常、災害時の対応として、長野市に大雨警報、洪水警報が発令された場合、支所は警戒配備をとり、災害等の発生に備える体制を整えております。しかし、雪につきましては、スキー場を抱える戸隠地区等の中山間部と降雪量が少ない平地部では市民生活に与える影響が異なることから、全市一律ではなく、個々の状況に即して、支所ごとに柔軟に対応することとなっております。
 災害時の危機管理体制については、災害の発生するおそれがある場合や実際に災害が発生した場合に、状況に即して速やかに対応できる体制を整えることが現実的であると考えております。
 また、全支所においては、住民自治協議会長や区長等、地域内の関係者との連絡体制を整えており、支所長が地域の状況を常に把握できる体制を整備しております。
 なお、合併支所の宿日直につきましては、市の災害時の対応について地域住民の理解を得て終了したものであり、復活は考えておりませんので、御理解をお願い申し上げたいと思います。
 今回の大雪は、昭和二十一年十二月の八十センチメートルの積雪以来の大雪でございました。住民にとって身近な支所の対応につきましても、しっかりと検証した上で必要な見直しを行い、今後の災害対応に生かしてまいりたいと思います。

 次に、子ども・子育て支援についてのうち、子供の福祉医療の対象年齢の拡大についてお答えします。
 このことにつきましては、四月に設置するこども未来部におきまして、財政状況や所得制限の在り方、さらに具体的な開始時期など、様々な課題について検討を重ねてまいります。また、野々村議員がおっしゃるように、二月の県議会におきまして阿部知事は、新年度から福祉医療制度の見直しについては検討していきたいとの答弁をしておりますので、本市としても、県の動向を注視してまいりたいと考えております。

◎教育委員会委員長(近藤守)
 安倍政権の教育委員会制度改革についてお答えいたします。
 教育委員会制度改革につきましては、合議制の執行機関である教育委員会、その代表者である委員長と事務の統括者である教育長の間における責任の所在の不明確さ、もう一つは、教育委員会の審議等の形骸化、危機管理能力の不足といった課題が指摘され、議論が始まったものでございます。
 内閣府の教育再生実行会議の提言を受け、中央教育審議会では昨年四月から十二月までの間に審議が行われましたが、私ども教育委員会関係者においても検討を重ね、中央教育審議会の聴取会において代表が出席し、その内容を述べさせていただいております。
 聴取会では、自治会、市町村長会からも意見が聴かれた上で答申に至ったものでございますが、やや政権寄りの結論になったかなと思っております。しかし、答申には別案も併記されており、また現在、与党内では見直し案が検討されるなど、教育委員会制度改革の最終的な形は不明確でございます。今後、国におきましては、地方公共団体や教育関係団体の意向を十分に踏まえて議論を尽くしていただきたいと考えております。
 先ほど市長からも答弁がございましたが、今後の議論を経て、国の教育制度改革がどのような形になったといたしましても、市の将来を担う子供たちが明るく元気で一人一人の生きる力を育むことができるよう教育環境を整えることが、長野市と長野市教育委員会に課せられた責務でございます。
 なお、現在におきましても、市長と教育委員会との連携は密でありますが、今後も市長との意思疎通を十分に図りながら、教育施策に取り組んでまいる所存でございます。

◎危機管理防災監(北島昇)

 私から、雪害対策についての御質問のうち、三点についてお答えいたします。
 まず、全国の被害状況の分析等による対策の強化についてでございますけれども、この冬は山梨県を初め雪の経験が少ない地域においても記録的な大雪に見舞われ、孤立地域の発生など大きな被害を受けました。また、県内外各地で高速道路や幹線道路、鉄道などがストップし、人々の移動だけでなく、食料品などの流通にも大きな影響を与えております。
 こうした被害状況を見ますと、改めて除雪体制の重要性を強く感じます。ただ、現場では事前に一時的に交通を止めて、除雪を優先する方法もあったようでございますけれども、現実的には非常に難しいとの話もお聞きしております。
 孤立地域のお話の中では、買い置いてあった食料等で道路の復旧までの間を過ごしたとのお話がありました。今回は、大雪の影響で流通も滞る結果となりましたけれども、こうしたことは新型インフルエンザ等の流行時にも同じような状況となることが考えられます。いずれの場合にも、食料を初めとする生活必需品を備蓄しておくことは有効な対策となります。本市の備蓄を進めるとともに、市民の皆さんにも買い置きを含めた備蓄をより一層お願いしていかなければならないと思っております。
 こうした全国の事例の把握に加えまして、庁内においても、現在、各部局の対応状況と課題を再調査しており、掌握できていない課題も洗い出す中で、対策の検討、見直しを行うとともに、現在、整備を進めております総合防災情報システムの運用の参考にもするなど、今回の経験を今後に生かし、的確な対応をしてまいりたいと考えております。

 次に、雪害救助員制度の適用範囲と要支援世帯への除雪援助についてお答えいたします。
 雪害救助員派遣事業は県の補助事業で、豪雪地帯対策特別措置法により指定されました特別豪雪地帯を対象として積雪による家屋の倒壊を防ぐとともに、高齢者等の冬期の生活を支援するためのもので、本市では戸隠地区と鬼無里地区が合併以前から対象となっております。
 今年度、住宅除雪支援員派遣事業と名称を改められ、屋根の雪下ろしだけではなく、住居から生活道路までの除雪を対象とするなどの改正が行われましたことから、本市も県の改正を受けまして、対象事業の見直しなどを行いました。
 人命の安全を守る防災事業から、冬期の生活を保障するための事業へと変わってきておりますが、毎年積雪の多い特別豪雪地帯を対象としている点では変わっていないことから、本市といたしましても、現時点では対象地域の拡大は考えておりません。
 続いて、要支援世帯への除雪援助でございますが、大雪に対する支援といたしましては、長野市内には、平成二十六年三月一日現在、八百五十九名の民生児童委員が活動しておりますが、積雪が多いときには、ふだんからの高齢者世帯等への見守り活動に併せ、民生児童委員が要支援者世帯の雪かきをサポートしている地域もございます。
 民生児童委員のみならず、地域ぐるみの除雪対応がとられているところであり、今後につきましても、こうした地区役員等の協力を得まして、要援護者の支援に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、今回の大雪に関して、市民の皆様等からの保健福祉部への相談等は数件ございまして、個々に対応したところでありますが、ボランティア活動として、社会福祉協議会のスノーバスターズプロジェクトも雪かきボランティアを組織し、あらかじめ状況を把握している高齢者や障害者世帯宅の必要箇所の除雪を行いました。
 なお、今年度はボランティア登録者が二十七人で、雪かきの依頼は十件ございました。

 三点目に、長野市災害対策本部の設置についてお答えいたします。
 今回の大雪への本市の対応につきましては、二月十四日の大雪警報の発表と同時に除雪本部を設置し、翌十五日午前九時に警戒体制に当たる道路雪害対策本部へ切り替え、幹線道路など市道約千三百キロメートルの除雪作業に昼夜兼行で取り組みながら、一方で災害対策本部設置の必要性を検討しておりました。
 気象予報では、十五日には雨に変わる可能性も予報されており、午後には徐々に降雪は弱まっていたこと、また十六日早朝には大雪警報が解除されたこと、山間地域での雪崩などの重大な災害は起きていなかったことなどの状況と、災害対策本部設置の体制基準の各項目を勘案した上で災害対策本部までは設置せず、広範囲にわたる交通混乱を防止するために、道路雪害対策本部継続による除雪を最優先で進めることとしたものでございます。
 しかし、今回の対応を振り返る中で、庁内の統括、調整という点では不足な部分があったことや高速道路や新幹線の停止に関する情報収集、発信が不十分であったことなどの課題もあったことから、風水害への対応と同様の全庁的な災害警戒本部の設置について、雪害対策計画に明記していく必要があると感じており、今後の検討に加えてまいりたいと考えております。

◎地域振興部長(西沢昭子)
 私からは、農業政策についてのうち、地域おこし協力隊につきましてお答えいたします。
 御案内のとおり、地域おこし協力隊の事業は、地域おこしなどの地域への支援対策と定住促進対策の二つを同時に実現できる効果的な制度として、新年度から導入してまいります。
 中山間地域の十三地区に希望を募りましたところ、五地区から導入希望がありましたことから、募集を始めたものでございます。現在は、隊員の住宅確保や活動に要する機器の整備などを行っており、四月から地域活動に従事できるよう準備を進めております。
 これらの動向を見極めながら、引き続き、次年度以降も各地区の要望により導入の拡大を図ってまいりたいと考えております。
 次に、任期が終わった後の定住につきましては、平成二十五年度に総務省が行ったアンケート調査によりますと、全体の約六割が定住、若しくは地域協力活動に従事しているとのことでした。このように全ての隊員が定住の方向ではありませんが、市としては、受け入れた隊員の全てが定住できるよう、積極的に支援してまいります。
 具体的な支援策としましては、市内における就職のあっせんや新規就農者への支援、やまざとビジネス支援補助金制度などの市の補助事業も活用いただきたいと考えておりまして、隊員個々に寄り添った支援に努めてまいります。
 また、協力隊員は地域協力活動の傍ら、ふだんから知識や技術の向上、資格の取得などにも当たれるよう、特別職非常勤職員として比較的緩やかな雇用形態としましたので、隊員個人の努力にも期待したいと考えております。
 いずれにいたしましても、地元の皆様と共に、定住につながるよう、必要なバックアップを積極的に行ってまいります。

◎財政部長(山澤謙一)
 来年度予算のうち、基金の活用についてお答えいたします。
 まず、私の財政運営につきまして評価のお言葉を頂きましてありがとうございます。
 さて、本市では現在、特別会計を含め二十九の基金を運用してございます。このうち、特定の事業目的を持った二十六の基金を除いた財政調整基金などの三つの基金は、将来にわたる財政の健全な運営に資することを目的として設置してございます。
 この三つの基金については、この趣旨に基づき、例年、予算編成上必要な財政需要を確定した上で、歳入、歳出の不足額を取り崩すこととしておりますが、国・県支出金の確保や交付税措置のある有利な市債の活用に加え、平成二十四年度においては、国の経済対策に呼応した補正予算を編成したことなどから、財政推計や当初予算額に比べ、取崩し額を圧縮したというところでございます。
 しかしながら、三つの基金の残高そのものは、近年減少傾向にあることから、引き続き、基幹収入である市税の確保とともに、市有財産の有効活用に努め、広く財源確保の検討を行ってまいります。市では、事業のスクラップ・アンド・ビルドやサンセット化の徹底によりまして、事業の緊急性や優先性を十分に吟味した予算編成を行いつつ、基金につきましては、今後、財政需要の増大が想定される老朽化施設の見直しなどに適宜活用していくことを考えております。

◎保健福祉部長(駒津善忠)
 私から、高齢者福祉の充実についてのうち、介護保険の改革と長野市の対応についてお答えいたします。
 平成二十七年度からの介護保険制度の改正につきましては、予防サービスのうち、訪問介護、通所介護を市町村の事業に移行することや特別養護老人ホームへの入所者を原則として要介護三以上に限定することなどを改正内容とする介護保険法の改正法案が国会に提出され、今後審議されることとなっておりますので、その動向を注視しているところでございます。
 本市といたしましては、保険給付や地域支援事業による様々なサービスを適切に利用しながら、高齢者の皆様が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、引き続き、安定した介護保険事業の運営に取り組んでまいります。
 次に、改正が行われた場合の市の対応についてでございますが、介護予防サービスのうち、訪問介護、通所介護は地域支援事業に移行し、これまでの介護予防事業と併せて新しい介護予防・日常生活支援総合事業により、市町村事業として実施することとなります。この総合事業を実施する場合には、事業費の上限が定められており、国では地域支援事業に移行する予防給付分を賄えるように設定するとしておりますが、現時点では明らかになっておりません。国が示す事業のガイドラインや事業費の枠を踏まえて、サービス水準に現状と差異が出ないよう配慮しながら、効果的かつ効率的に介護予防と生活支援サービスが提供できる仕組みとなるよう検討してまいります。

 次に、特別養護老人ホームへの入所者を、原則、要介護三以上とする改正が予定されておりますが、要介護一、二の要介護者についても、認知症高齢者で常時の見守り、介護が必要な場合など、やむを得ない事情がある場合は入所できる特例も設けられております。
 制度改正後の要介護一、二の方の特例入所の判定についても、新たに市町村の関与が求められており、特例入所に関する指針が、本年夏頃に国から示される予定ですので、施設と連携して適切な入所に努めてまいりたいと考えております。

 次に、一定以上の所得のある利用者の自己負担の引上げ、また低所得の施設利用者の食費、居住費への補足給付の要件の見直しにつきましては、介護サービスを利用する一部の利用者にとりまして負担が増すこととなりますので、市民の皆様に十分な周知や説明を行い、御理解をいただかなければならないと考えております。
 平成二十六年度に策定いたします第七次長野市高齢者福祉計画及び第六期長野市介護保険事業計画は、今回の制度改正を踏まえた計画としなければなりませんので、十分検討し、広く市民の皆様や関係機関の御意見を頂きながら、進めてまいります。

 次に、孤立防止・見守りネットワーク事業についてお答えいたします。
 長野市は昨年六月、長野市孤立防止・見守りネットワーク協議会を設立するとともに、中部電力や長野都市ガスなどのライフライン事業者や新聞配達事業者など、計三十七団体と高齢者等の見守りの協力に関する協定を締結いたしました。これは、孤立死の早期発見並びに高齢者等の適切な保護や支援につなげていくもので、事業者の皆様にも協力していただき、地域の見守りを全市的に行うものでございます。
 なお、通報についてはこれまで十四件ございまして、その状況でございますが、九件は入院中又はショートステイ利用中などであることが確認できたもので、残りは親族と連絡をとり病院の受診、入院をしたケースがございます。その他、生活保護受給手続を行ったり、養護老人ホームへ緊急入所をさせて、命の危険を回避したケースがございます。件数は多くないかもしれませんが、着実に効果は出ていると考えております。
 また、御質問がありました救急出動の中での孤立死が疑われる事例についてですが、警察としても統計をとっていないとのことでございます。
 地域の見守りにつきまして、日頃から声掛け等が大切なことでありますが、各支所長にコーディネートをお願いしまして、地域ごとにネットワーク会議を開催していただいております。地域のお隣同士の日常的な見守り、御近所の様子を何となく気に掛ける、無理のない緩やかな見守りが大事なことでございます。
 ネットワーク会議により、見守り意識の啓発や自分たちが何ができるのか、何か異変があったときの地域での連絡先はどこなのかなどを確認していただくことで、地域の見守り機能が高まることを期待しているところでございます。
 突然死は防ぎようがありませんが、こうした見守りの取組によりまして、二次的な同居者の衰弱死を防いだり、たとえ不幸にしてお亡くなりになったとしても、少しでも早く発見して差し上げることも人間の尊厳に関わることで、非常に大事なことであると考えております。

 次に、緊急通報システム設置事業についてお答えいたします。
 平成二十三年一月から旧合併地区ごとのシステムの違いを統一するとともに、安否確認センサーによる生活の見守りなど、これに対応する新たなシステムを導入しておりますが、旧制度の下で利用しておりましたNTT製の緊急通報装置本体の機器も活用しながら、現在まで運営しております。
 平成二十六年度予算が平成二十五年度予算に比べて、二十五万七千円ほど減額となっておりますが、このNTT製の緊急通報装置本体の機器十三台分の七年間のリース期限が到来したことによりまして、賃借料が減額となったものでございます。
 緊急通報システムの設置台数は、平成二十三年三月末の九百三十八台が平成二十五年十二月末には千百四十九台と順調に台数が伸びております。これは、民生委員の皆様が、日頃の訪問活動の中で見守りを必要と感じた皆様にお勧めいただいた成果であると考えています。
 なお、来年度は、千二百三十台分の利用を見込んでおります。
 一方、障害者につきましては、平成二十三年三月末で九十八台であったものが、平成二十五年十二月で九十九台と横ばいの状態となっております。来年度は百六台分を見込んでいるところでございます。
 対象者につきましては、高齢者は六十五歳以上のひとり暮らしの高齢者と七十五歳以上の高齢者のみの世帯、障害者については、ひとり暮らしの重度身体障害者と日中独居の重度視覚障害者等でございます。
 孤立防止・見守りネットワーク事業による外部からの緩やかな見守りと併せまして、直接本人の身体の状況を見守る緊急通報システムは、今後も見守りの重要なシステムの一つと考えております。
 見守りを必要とする方全てに設置いただけるようにするため、広報ながのによる周知の他、一月に各地区の民生児童委員協議会定例会で事業の説明をして協力依頼を行ったところでございます。また、障害者の皆様には、身体障害者手帳を交付する際、障害福祉サービスガイドを使って制度の御案内をしております。今後も、高齢者や障害者の皆様に安全・安心な生活を送っていただくため、緊急通報システムの普及啓発に努めてまいりたいと考えております。

 次に、子ども・子育て支援についてのうち、平成二十七年度から本格施行となります、子ども・子育て支援新制度への移行に際しての御要望がございましたが、これについてお答えいたします。
 この新制度では、平成二十六年九月頃までには、五年を一期とする本市の子ども・子育て事業計画案を取りまとめるとともに、各種基準条例の制定、費用、利用者負担の検討などを終えなければ、十月からの入所手続などの実務作業を行えなくなるという緊急かつ重要な取組でございます。
 事業計画の策定や利用者負担の設定などに際しましては、児童福祉、教育、双方の観点を持った方々や子育て中の保護者等から構成される社会福祉審議会児童福祉専門分科会において、慎重かつかっ達な御議論を現在もいただいております。性急に進めることのないよう十分配慮するとともに、本市の全ての子供に対して、質の高い教育、保育が提供できるよう目指してまいりました。
 事業計画の策定に当たりましては、教育、保育の量の見込み、及び確保方策について、児童福祉専門分科会や関係機関等と十分に議論を重ね、議員の皆様からの御助言も踏まえながら、本市としての方針を決定してまいります。
 なお、公立保育所の統廃合及び民営化につきましては、長野市公立保育所の適正規模及び民営化等基本計画に基づきまして、保護者の皆様の御理解の下、着実に進めてまいります。
 保育の利用手続や最低基準などについては、国から順次情報が提供されてまいりますが、本市の現行の水準を踏まえ、子ども・子育て支援の充実の観点から適切な対応に努めてまいります。
 私立保育所、幼稚園等への市単独補助や利用者負担の軽減策、これにつきましても、国から示される公定価格に基づき、本市としての方針を決定し、障害児保育につきましても、本市の責任として後退することのないよう十分配慮してまいります。

 次に、認可外保育所への支援の強化についてでございますが、保育所での保育は、条例で定める設備及び職員等の基準を満たした認可保育所で行うことが望ましく、市単独で認可外保育施設の補助制度を創設する緊急性は極めて低いと考えております。新制度では、市町村は教育、保育に係る量の見込みを把握し、その確保方策を検討することになっておりますので、認可外保育施設の利用についても実態を把握し、支援の在り方について調査研究を行ってまいりたいと考えております。

 次に、若葉保育園への支援についてでありますが、県内唯一の認可夜間保育所、若葉保育園は、社会福祉法人長野市私立保育協会が管理運営を行っており、日曜、祝日及び年末年始を除く午前十一時から午後十時まで開所し、朝は午前七時半から、夜間は午前零時三十分まで延長保育を実施しております。
 本年二月一日現在の入所状況は、三歳未満児二十人、三歳以上児二十八人、計四十八人の子供が入所しており、保護者の世帯はひとり親家庭が比較的多い状況となっております。若葉保育園に対しましては、夜間の保育所運営費の加算等として、夕食に係る費用や保育士等の職員が夜間に勤務する体制を確保するための人件費等の費用を国の基準により支弁しております。現在、国の子ども・子育て会議において夜間保育所加算に係る公定価格の見直しも検討しておりますので、国から新たな基準が示された際には、本市としても適切な対応に努めてまいります。
 また、園舎の老朽化が進んでいることから、管理運営主体が改築又は修繕を行う際には、市としても必要な支援をしてまいりたいと考えております。

 次に、子どもの貧困対策の推進に関する法律についてお答えいたします。
 現在、乳幼児健診等は、保健センターを中心に実施しておりますが、一方で高齢者などからの健康相談などの業務も行っており、保健センター業務量の約半分を占めております。このため、母子保健関係の業務をこども未来部に移管した場合、保健センターでは二つの部局の業務を受け持つことになりまして、業務分担や指揮命令系統をどうするかといった課題が生じてまいります。また、保健師などの専門職員は、保健所健康課に集中して配置しておりますので、本庁のこども未来部に業務を移管した場合、これらの専門職員を本庁と保健所の二か所に配置する必要があり、人材確保や職員数の増加による業務効率の面でも課題がございます。
 したがいまして、母子保健関係の業務につきましては、こども未来部の設置当初は移管せず、これらの課題を踏まえながら、更に来年度検討を行う予定で、新たに設置するこども相談室を中心に部局間の連携を密にする中で、市民サービスの向上が図れるよう対応してまいりたいと考えております。
 虐待等のハイリスクと思われるケースにつきましては、医療機関からの情報提供、はじめまして赤ちゃん事業、乳幼児健康診査等により早期把握に努めておりまして、継続的な訪問、相談等の支援を行っております。
 はじめまして赤ちゃん事業の未訪問者等につきましては、地区担当保健師が健診受診状況や保育園への入所状況を確認し、未把握の子供につきましては、要保護児童対策協議会へ情報提供し、対応することとしております。
 なお、乳幼児健診の状況でございますが、平成二十四年度の乳幼児健診対象者数九千三百六十七人のうち、期間内に受診をしなかったのは三百七十一人、四パーセントほどになりますが、その後の調査によりまして、三百七十人については病院での受診や保育園への入所状況が確認できており、現在未把握の子供は一人で、引き続き、地区担当保健師が訪問調査を継続中でございます。
 平成二十七年四月から施行になります生活困窮者自立支援法では、生活困窮世帯の子供への学習支援などが任意事業として盛り込まれております。平成二十六年度から県と共同で自立相談支援モデル事業を実施する予定でありますが、この事業を実施していく中で、学習支援の必要性を検討するとともに、他市の取組事例を参考にしながら研究してまいりたいと考えております。
 なお、こども未来部の子育て支援課は、家庭児童相談員やケースワーカーを配置することとしております。この子育て支援課に設置されるこども相談室には、保健師、保育士等の資格を有する職員を配置いたしますので、共に連携をとりながら虐待などの問題にも対応し、引き続き、児童の権利を擁護してまいりたいと考えております。
 また、国で作成されます子どもの貧困対策に関する大綱や県の動向も注視しながら、関係各課との密接な連携の下に、教育や生活の支援等の施策を検討し、子供の将来がその生まれ育った環境に左右されることのないよう、子供の貧困対策を推進してまいりたいと考えております。

◎環境部長(小林博)
 私からは、大規模プロジェクト事業のうち、灰溶融炉の見直しについてお答えいたします。
 長野広域連合では、本市及び千曲市に計画しているごみ焼却二施設それぞれに、灰溶融施設を設置することとしております。灰溶融施設につきましては、従前より地元住民を初め、市民などへの説明会や議会などで、その必要性や効果を申し上げてまいりましたとおり、溶融処理を行うことによりダイオキシン類等の低減、焼却灰の減容化や最終処分場の延命化、路盤材活用など、溶融スラグの資源化が図られるものでございます。
 また、須坂市に計画の最終処分場は、溶融処理をしたスラグ等を埋め立てることを前提に地元と協議を進めており、溶融処理をしないとすることは、長期にわたり事業計画の説明や意見を交換し、理解を求めてきた地元住民との信頼関係の崩壊にもつながりかねないものと考えております。
 事業費の圧縮につきましては、本市に計画のごみ焼却施設の規模につきまして、先月開催の広域連合理事会において、処理能力を日量四百五十トンから四百五トンに見直しすることが決定されました。
 灰溶融炉の規模につきましては、今後、事業者選定において参加希望事業者からそれぞれの提案、ヒアリングを踏まえ、十分な検討や評価を行い、決定することとしております。また、広域連合では、事業方式を公設民営のDBO方式とすることを決定し、安全な運転管理とともに事業費の圧縮にも努めていくこととしております。
 ごみ焼却施設の整備に当たりましては、焼却だけでなく、最終処分も含めた総合的な視点で判断し、進めていくことが最良であると考えております。

◎農林部長(三井和雄)
 農業関係についてお答えいたします。
 まず、雪害対策についてのうち、農業被害への対応についてお答えします。
 激甚災害の指定につきまして、県では災害の状況をしっかり把握した上で、必要があれば、国に要請していきたいとしております。
 今回の大雪による農業被害に対しましては、国も被害の大きさを認識し、災害関連資金の無利子化を初めとして、既に通常の激甚災害制度以上の手厚い農家への支援策を次々と打ち出しております。市としましては、それらを活用し、被災農家が一刻も早く復旧できるよう最大限の支援をしてまいりたいと考えております。
 また、再建資材の確保につきましては、午前中にも申し上げましたが、既に二月二十一日に県が関係機関と緊急会議を開きましたが、大雪被害が関東甲信を中心に広域に発生していることから、資材の需要が急騰しており、対策について引き続き県に対して要請してまいります。
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 次に、農業政策についてのうち、安倍内閣の農政改革についてお答えします。
 国では、今回の米政策の見直しにより、飼料用米等の新規需要米の作付けの拡大、不作付地を解消して水田をフル活用することなどを前提にして、所得が向上すると試算しておりますが、報道によれば、今までどおり主食用米を作り続ければ、補助金の減額などで所得が減ることが推測されるとしています。
 この政策転換は、本市の大規模農家にも大きく影響するものと思われますが、一方では自家消費を主とした小規模農家は、生産数量目標の制約を受けずに米作りができることから、それほど大きな影響とはならないと推測しております。
 また、本市は従来から多様な条件を生かし、高品質な果樹の産地として発展してまいりました。後継者不足などの課題を抱える中で、持続的、発展的な園芸産地を構築していくため、本市の基幹作物であるリンゴ、桃、ブドウについて、より収益性の高い新品種の導入や新技術の導入等に対する支援を行い、果樹産地としてのブランド力の更なる向上につなげ、農業振興を図ってまいりたいと考えております。
 次に、地域奨励作物の品目拡大や補助額の引上げについてですが、国の資料によりますと、国の経営所得安定対策による交付対象者を、平成二十七年度から認定農業者等に限定することになり、本市が実施してまいりました対象作物を販売している農家には、国の交付金と合わせた水稲並みの所得確保という枠組みを維持することは非常に難しくなってまいります。
 このため、新しい経営所得安定対策の内容を十分に精査し、その上で地域奨励作物支援事業の在り方について検討してまいりたいと考えております。

 次に、中山間地農業の特別支援についてでありますが、御指摘のとおり、新規就農者の多くが平たん地での就農となっております。しかし、その新規就農者九十六名のうち、Iターン・Uターン者が十七名いらっしゃいます。その就農地を見ますと、十七名中七名--約四割ですが、中山間地域での就農となっております。
 このような状況でありますが、新規就農者への支援という点につきましては、就農場所にかかわらず、市内一律の支援内容となっておりますが、中山間地に就農された場合には、中山間地域に限定した中山間地域直接支払事業、中山間地域の特色を生かした作物の導入事業、また農業機械化助成事業で共同の場合、小型機械の導入等、平たん地への就農より有利な制度があり、新規就農者への各種支援に加えて、これらの制度が活用できることから、その周知に努め、有効に活用していただくよう支援してまいります。

 次に、女性農業者の育成についてお答えいたします。
 農業ボランティアは、ふれあいの中から生まれる農業への理解と愛着など、単なる労働力の提供を超えた深いつながりが生まれることが期待されるとともに、中山間地域の活性化につながると思われます。
 本市における農業ボランティア受入れの活動事例は、残念ながら把握しておりませんが、それにつながる可能性があるものとして、地域資源を活用した都市と農村の交流事業である農家民泊や都市部の住民を誘致した農業体験交流が実施されております。農家民泊、農業体験共に年々参加者が増加しておりますので、議員から御紹介いただいた事例も参考に、これらの事業が農業ボランティアに結び付くかどうか、研究してまいりたいと考えております。

 次に、農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律と中山間地の活性化についてお答えします。
  この法律は、昨年十一月に公布され、今年一月下旬に国主催の説明会が開催されました。その説明では、市の役割として基本計画の作成、実施のための協議会の組織、運営等がありますが、国の基本方針の詳細が示されていないため、今後、国及び県の動向を注視してまいりたいと考えております。
 議員が懸念されている農地の乱開発の抑制につきましては、おおむね十ヘクタール以上の集団的農地及び生産力の高い農地は、農地法では第一種農地に区分され、農地転用は原則不許可となっております。その一方、再生可能エネルギー発電設備の整備を促進する区域内の第一種農地であっても、相当期間耕作されず、今後も耕作の見込みがない等の農地であれば、農地転用が可能となっております。
 個人や地域住民が主体で設置する方針を持つべきとの御提案についてですが、地域住民が主体的に行うことにより、売電利益を地域に還元でき、地域の活力向上及び持続的発展につながると考えられますので、御提案を考慮しながら、基本計画策定に関与してまいりたいと考えております。

◎建設部長(藤田彰)
 私からは、雪害対策のうち、除雪対策の強化と今後の対応についてお答えいたします。
 最初に、全体の除雪状況を把握する体制についてでありますが、市では今回の大雪に際して、二月十四日から除雪本部を立ち上げ、翌日の二月十五日から二十四日までの十日間にわたり、長野市道路雪害対策本部を設置し、二十四時間体制をしき、道路パトロールなどにより除雪状況の把握を行うとともに、市民の皆様からの問合せに対応いたしました。
 この中で、除雪の進捗状況の把握を行っていたところ、中山間地域の一部においてスクールバスの安全運行に支障があり、休校せざるを得ないことが確認されたため、県との連携などにより対処し、一日で解消することができました。また、平地部においては、路肩に寄せられた雪が車道を狭め、路線バスが運休する原因となっていたことから、中山間地域の除雪が一段落したところで、これらの地域に重点配備してあった排雪に必要なロータリー除雪機などをバス路線に集中的に投入し、昼夜にわたり排雪作業を行いました。
 排雪作業には時間を要しましたが、二十二日土曜日までには、順次路線バスの運休区間を解消し、翌週の二十四日月曜日からは、ぐるりん号を含め、全てのバス路線が通常運行となりました。また、長野市建設業協会には、遅れていた中央通りや長野大通りの歩道の排雪作業や、ダンプトラックの貸出事業に対応するため、応援体制をとっていただきました。このように、全体の除雪状況の把握に努め、できる限りの対応をしてきたところでございます。
 しかし、市民からの多くの問合せで、雪害対策本部の電話がつながりづらい状況となり、除雪業者からの進捗状況の報告に支障が出るなど、連絡体制の確保などの他、歩道や生活道路の除雪などにも課題があったと考えております。今回の状況を踏まえ、除雪体制の見直しを含め、今後検討してまいりたいと考えております。
 また、長野市道の管理延長は四千三百六十九キロメートルに上り、全ての市道を市が除雪することは困難なことから、バス路線を中心とした幹線道路の延長約千三百キロメートルについて、百三十一社への委託により除雪作業を実施しており、その他の生活道路については、地域にお住まいの皆様に除雪の協力をお願いしているところでございます。
 市では、今回の大雪に際して、市民の皆様にホームページを通じて、改めて除雪への協力のお願いや排雪場所の案内を行うとともに、住民自治協議会へ生活道路の排雪のための運転手付きダンプトラックの貸出事業の活用について改めて周知したところ、今回二十二件の御利用がありました。
 生活道路の除雪については、自助、共助、公助による市と連携した地域での協力体制づくりと機運の醸成が重要であると考えております。今後は、今回の経験を踏まえ、住民自治協議会や学校関係、あるいは事業所などに事前の働き掛けやPR等を強化、充実させ、除雪への御理解と御協力をいただけるよう、これまで以上に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、雪崩などの危険箇所への対応についてでありますが、市では今回の大雪に際し、市道の除雪への対応を行うとともに、雪崩注意報が発令されたことや県からの通知を踏まえ、雪崩災害に対する警戒を強化することといたしました。
 雪崩発生のおそれが確認された市道二路線については、通行止めの措置を講じた他、市内の雪崩危険箇所四百四十一か所については、二十四日から二十六日に点検パトロールを実施いたしました。点検の結果、注意が必要な箇所が四か所確認されましたので、現地に雪崩への注意を喚起する看板を設置して警戒しておりましたが、昨日までに特に注意を有するというレベルではなくなっております。
 また、排雪により用排水路などが雪で閉塞してしまった箇所もあったことから、浸水被害に警戒をしておりましたが、先週からの気温の上昇などにより雪解けが進み、現在はおおむね解消されております。また、融雪による市道の路肩決壊の災害が二か所で発生いたしましたので、応急処置を実施するとともに、今後は早期復旧に努めてまいります。
 市民の皆様への情報の周知については、雪崩に対する警戒を呼び掛けるため、総務部では防災無線、市ホームページへの掲載、ツイッターへの書込み、教育委員会では学校保護者宛ての安心・安全メールのツールを用いて注意喚起をするなどの周知を行いました。また、土砂災害危険箇所については、全戸配布されている防災マップにより周知を行っているところでありますが、今回の大雪を機に雪崩危険箇所の情報についても、住民自治協議会等を通じて周知を行ったところでございます。今後も、引き続き雪崩や土砂災害等について、警戒を強化してまいります。

◎教育次長(藤沢孝司)
 私からは、大規模プロジェクトの見直しのうち、センター方式ではなく、自校給食への切替えにつきましてお答えいたします。
 (仮称)第四学校給食センターの建設につきましては、平成十四年に発生したO26の集団感染事例以来、調理食数の適正化を図るため、まず(仮称)第四学校給食センターを建設し、その後、老朽化の進んでいる第三及び第一学校給食センターを順次改築する必要があるとし、計画を進めてきたところでございます。
 この計画につきましては、昨年十一月の加藤市長の就任に伴いまして、学校給食センターの全体計画に過大なところはないか、無駄はないかにつきまして、改めて検討を始めておるものでございます。この検討の中で、厨房機器の能力の向上やスムーズな作業動線の整備によりまして、効率的に安全・安心で安定した給食の提供ができることから、(仮称)第四学校給食センター整備後の他の学校給食センターの改築計画を見直す必要があると考えております。
 具体的な見直し内容につきましては、配送時間や児童・生徒数の推移によります配送エリアの見直し、また給食センター間の地理的なバランス等を考慮し、今後検討してまいります。
 自校給食に切り替えることによる予算の平準化の効果についてでございますが、自校給食への切替えに伴う施設整備費並びに運営管理費が多額に上ること。また、施設整備に相当の期間が必要となるとともに、施設整備中に新たな施設更新が巡ってくるというようなことから、予算の平準化は図れるものの、効果は望めないと考えておりますので、御理解をお願いいたします。

 次に、子ども・子育て支援についてのうち、放課後子どもプランにつきましてお答えいたします。
 平成二十四年八月に子ども・子育て関連三法が成立し、放課後子どもプランのうち、留守家庭児童を対象とした放課後児童健全育成事業--いわゆる放課後児童クラブにつきましては、対象学年が六年生までに拡大され、また同事業の設備及び運営につきましても、市町村が条例で基準を定めることとされております。今後、国から示される基準を踏まえまして、本市におきましても、本年九月をめどに制定する予定であります。
 現在の児童の受入れにつきましては、学年など対象児童の拡大は学校施設を活用し進めておりまして、平成十九年に国から示されました放課後児童クラブガイドラインの児童一人当たりの生活スペースを目安に、小学校区ごとに施設の受入条件を決定しております。
 また、留守家庭の六年生までの受入れができている小学校区につきましては、現在、市内五十五校区のうち二十四校区でありますが、これまで学校や施設等との協議を進めまして、来年度には新たに八校区を加えまして三十二校区で実施、また四年生、または五年生への拡大も四校区を予定してございます。
 引き続き、新制度の施行予定であります平成二十七年度には、できるだけ多くの小学校区で六年生までの受入体制を整備するとともに、現在策定中の長野市子ども・子育て支援事業計画の計画期間であります平成三十一年度までの五か年の中で利用者のニーズに対応できるよう、関係機関との調整を進めてまいりたいと考えております。
 厚生労働省の放課後児童クラブ事業の実施状況調査によりますと、実施場所について、全国の半数以上が学校の空き教室や学校敷地内の比較的規模の小さい独立した専用施設で行われておりますが、本市では、特徴といたしまして児童館、児童センターを活用した事業を実施しているため、一施設で多くの児童を受け入れております。
 現在、児童館、児童センターにおきまして、利用児童が多い時間帯などの実情に合わせ、必要な職員配置の下、集会室や図書室など複数の部屋に分けて使用し、過密とならないよう配慮した運営に努めております。
 また、学校施設におきましても、多目的教室など広い部屋を活用している場合は、同様に活動ごとの複数の集団に分割しております。加えて、体育館、またグラウンド等につきましても活動場所といたしまして、安全に遊び、伸び伸びと体を動かせるよう配慮してございます。
 本市の放課後子どもプランがぎゅうぎゅう詰めで行われているとの大規模クラブの施設数の割合に基づく御指摘につきましては、他の自治体との実施場所やその部屋数、また面積等が異なることから単純に比較はできないと思いますが、本市と同様、各自治体とも運営上の配慮、あるいは工夫によって対応しているものと認識しております。
 以上のように、本市では現在、部屋数や面積などを考慮した上で適正な集団規模での活動となるよう努めているところでございまして、引き続き、児童の安全性に配慮した運営を行ってまいりたいと考えております。
 今後につきましては、指導員の数や集団の規模など、本市が新たに条例に定める基準に沿いまして、子供たちの情緒面への配慮や静養スペースを含めた安全性の確保の観点など、子供の視点を大切にしながら、適正規模による運営となるよう、引き続き努めてまいります。
 長野市版放課後子どもプランの基本方針の下、学校施設の更なる活用によりまして、平成二十七年度の新制度の本格施行に向け、子供たちが健全に遊び、学ぶことのできる、安全で安心な居場所となるよう推進してまいりたいと考えております。

教育次長(中村正昭)
 私から、子どもの貧困対策の推進に関する法律のうち、まずはスクールソーシャルワーカーの充実についてお答えいたします。
 本市では、平成二十四年度より社会福祉士、精神保健福祉士の資格を持つスクールソーシャルワーカーを独自に配置し、家庭や行政、福祉関係施設などと連携しながら、子供を取り巻く環境の改善に取り組んでいるところでございます。このような取組により、家庭の状況が改善し、不登校児童が登校できるようになった事例もございますけれども、支援を必要としている子供や家庭は増えているのが現状であります。
 平成二十五年度当初は、市独自で配置した一名と県教育委員会や北信教育事務所の一名の二人体制でしたが、八月から北信教育事務所に一名増員となり、現在三人体制で支援に当たっているところでございます。
 今後は、スクールソーシャルワーカー間の情報共有を更に進めるとともに、学校や他機関との連携を強化し、より充実した支援ができるよう努めてまいります。

 続きまして、生活保護基準引下げに伴う本市の就学援助基準についてお答えいたします。
 生活保護基準額の引下げは、準要保護者の認定に影響が生じるものですが、平成二十五年度においては、国からの通知も踏まえ、本市においてはその引下げを準要保護児童・生徒の認定には反映させておりません。平成二十六年度においても、国の方針に基づき、本市の基準も対応してまいりたいと、現在、考えているところでございます。

◆野々村博美
 再質問を行わせていただきます。
 農業被害への対応についてですけれども、国が激甚災害並み以上の支援も行うということですが、大切なことは、例えば上田市では、農家負担なしで再建できるようにするという方針が示されているかと思います。長野市は、この間、御答弁を聞いていると、国や県の対応を見て決めていきたいんだということを繰り返しおっしゃられているんですけれども、長野市としてはどういうお考えなのか。どこまで農家の負担を減らそうと考えていらっしゃるのか、その辺をちょっと明確に示していただければと思うんですけれども、いかがでしょうか。

◎農林部長(三井和雄)
 長野市の考えを明確にということでございます。
 現時点で何割までということは、まだ申し上げられません。と申しますのは、国は一定の再建については五割というような数字を出してまいりました。それを受け、県ではその枠組みの中でどれだけのことができるか、市町村とも連携しながら考えてまいりたいと、今急ぎ取りまとめているという状況でございますので、飽くまでもそれを見て、その策が出ましたら、急ぎ考えを決めてまいりたいと思っております。

◆野々村博美
 今までですと、県の支援というのは、市町村の支援、市町村の二分の一を県が負担するという状況だったと思います。ですから、長野市がどれだけやるかが影響が出てくるわけですから、是非市としてのしっかりとした方針を持っていただきたい。加藤市長の御答弁をお願いいたします。

◎市長(加藤久雄)
 大変な農業被害が出ているということでございまして、農業委員会からも、農業協同組合協議会からもですね、これに対して支援要請がまいっております。私どもといたしましては、お答え申し上げましたのは、農機具等のいわゆるパイプハウスですね、ビニールハウス等の破損につきましての撤去、これについての補助、またそれを切断するための器具の支援、それから農業共済がございますので、それが早期に支給できますよう、これに対する支援をお話ししました。
 ですから、これで全部というわけにもなかなかいかないわけでございますが、そこら辺は担当部局の方でお答えさせていただきます。ありがとうございます。

◎農林部長(三井和雄)
 議員御指摘のとおり、県は市町村の事業費の二分の一以内と。これは今回も変わっておりません、今のところ。ということで、その枠組みをしっかり県がお示しされてきた時点では、私どもとしても、きちんとした数字は出してまいりたいと、こう思っております。

◆野々村博美
 一定の年齢になってから、新たに借金を背負うというのは本当につらいことです。農家の方がもうやりたくないというような気持ちに今、なっているわけですから、そういうことのないように、全面的に支援するから頑張ってほしいという、そういう思いを届けていただけるように、是非きちんとした支援策を示していただきたいと思います。
 それで、これは加藤市長は、今まで建設資材の社長ということでしたので、これは要望ですけれども、是非資材が不足しているという状況ですので、是非市長の今までの経験も生かして、最大限資材の調達に御尽力をいただきたいということを心からお願いしておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それからですね、今回の雪害に対しては、長野市は災害対策本部を設置しなかったと、検討していただいた経過はあるようですけれども、しかし、実際には長野市地域防災計画、それによると、今回は雪害対策本部を設置すべき状況であったと思います。雪というのは、解けますので、今の段階では長野市は確かに他都市に比べたら、山梨とかそういうところに比べたら少なかったかもしれませんけれども、しかし、私は今回、雪害対策本部を設置していただいた方が本当に大きな大災害になったときに、こういう経験が必ず生きてきたと思うんですね。一つ一つの災害に危機管理意識を持って対応していただくことが何よりも大事ではないかと、そして一つ一つ、そのときにどういう対応が支所や各部局で行われたか、それをきちんと検証していくことによって、大きな災害に備えることができたと思うんです。
 ですから、過小評価することなく、どんな災害にも危機管理意識を持って対応していただきたいと思います。そのことについて、再度御答弁を頂きたいと思います。

◎危機管理防災監(北島昇)
 先ほどもお答えいたしましたけれども、今回の対応につきましては、若干足りなかった点があったと、それは感じてございます。
 その中で、地域防災計画、今回これを受けまして見直しを考えてございます。その中で、先ほど申し上げましたけれども、まず災害警戒本部を設置するというのを明記いたしまして、それで対応しながら状況を判断し、重大な災害等起きましたら、災害対策本部に速やかに変更していくという体制をとってまいりたいと考えてございます。

◆野々村博美
 是非今回の教訓を踏まえて、次に備えていただきたいと思います。

 基金の活用についてのところで、私は余り評価をした覚えはないんですけれども、大企業の内部留保と違って、是非、財政調整基金は市民のためにもっと活用していただけないかという思いを述べさせていただいたつもりであります。
 財政推計、今年度の分はまだ今、発表されておりませんので、どういう推計がされたかは分かりません。一年前と二年前の財政推計の状況を見てみました。
 二年前に出された財政推計では、例えば平成三十三年の基金残高がどのくらいあるか、推計された額が百十七億円でありました。ちょうど一年前の財政推計による基金残高は、平成三十三年、何と二百六十二億円に上っています。さらに今年度、現在の平成二十五年度末の基金残高、先ほど申しましたけれども、一年前の推計によれば、百五十六億円だったものが、実際には百八十億円を超える財政調整基金、残高は見込まれるということでありますので、これよりもっと大きくなるんではないかと推計がされます。
 基金は確かに今後の支出が大きくなる中で大切なものでありますけれども、しかし、市民の今の暮らしの状況、この不況下の中で、あるいは社会保障費の負担が非常に大きくなっている中で、単に老朽化した施設のためにこれをとっておくという考えではなく、このうちの一部を取り崩してでも、市民の生活を擁護するという、そういう立場に立って、是非とも財政運営はしていただきたいと思います。再度、その点についてお伺いいたします。

◎財政部長(山澤謙一)
 平成二十五年度の財政推計につきましては、近日中に御説明をさせていただきたいと思いますので、その点、お待ちいただきたいと思います。
 基金残高についてですが、増えているではないかという御質問、御懸念があるわけでございますが、これは国の補正予算を活用した経済対策等によりまして、有効活用している結果、若しくは事業化において、事業の圧縮を図っている結果というもので伸びているということでございますので、単に蓄えているということではないというものでございます。
 今後においては、先ほど申し上げましたとおり、施設の老朽化が全国的に大きな懸念材料でございます。長野市の場合は一般会計の方で、今後四十年間全て替えれば五千八百五十八億円という数字が出てございます。それは全ての場合ですが、いずれそういったものをどうしなきゃいけないのかということを考えていかなければいけないということで、私ども財政といたしまして、既に今後お示しします財政推計の中では、平成二十七年以降において、一定額基金から取り崩すことによって、施設の改修もしながら、どれだけの基金が維持できるかということをお示しをしていきたいと考えておりますので、そちらでの説明をお待ちいただければと思っております。

◆野々村博美
 今、格差の広がりというのは本当に深刻です。そういう中で、加藤市長は弱者に対する支援も行うと、優しい市政をしていくんだということをおっしゃっていただいております。しかし、残念ながら予算編成を見る限り、ここは本当にそういうものが現れているんだなというのを実感する箇所というのはなかなか、現段階ではなかったというのが私の実感であります。
 加藤市長、お金をためることは決して悪いことではなく、老朽化に備えていくことも確かに大切ですけれども、格差の広がりの中、子供たちも貧困にあえいでいる中、高齢者も本当に今、苦労しています。施設にも入れない、介護保険をいっぱい使えばお金がいっぱい掛かる。僅かな年金もどんどん削られている、介護保険料はどんどん増やされている、こういう中で本当にみんな不安な思いで暮らしているわけですから、この基金も使って、少しでも市民生活擁護の財政運営もしていくんだという姿勢を示していたただければと思いますが、いかがでしょうか。

◎市長(加藤久雄)
 野々村議員から基金をもう少し使えということでございます。おっしゃるとおりですね、格差の問題、また老齢医療の問題といろいろあるわけでございます。
 今、財政部長がお話し申し上げましたようにですね、一時的に今、こういう形になっているわけでございまして、将来のためのこの設備投資のためにとっているということでなくて、やはり前々から申し上げているように、今いらっしゃる市民の皆様を守る、そしてまた、いわゆる二十年先、三十年先の市民に対しても負担を過度にかけないと、これが基本でございまして、そういう意味でいきますと、今、過度にあるからといって使うとかですね、そういう形でなく、やはり平均的に将来も踏まえた中でバランスをとってやっていきたいと、こういう考えでございますので、よろしくお願いします。

◆野々村博美
 中までは期待をしてお聞きをしていたんですけれども、最終的には財政部長と余り変わらなくなってしまったのかと、非常に残念です。本当に今、厳しい社会状況です。是非とも市民生活擁護の観点をしっかり据えてお願いしたいと思います。
 また、介護保険の改正の中で、先ほど御説明ありましたが、後退はさせないというような御答弁も頂きました。しかし、実際には、全国で中央社会保障推進協議会が全国の市町村にアンケートをとっています。その中で、三割を超える自治体が訪問介護、通所介護を市町村事業に移行する政府の方針について不可能だと、こういう回答をされています。それほど自治体負担が大きい今回の介護保険の改正になっているわけです。
 先ほど、確かに介護保険、最大限やっていただくということだったかと思いますけれども、それでもやはり今、介護保険の中でやっているものを完全に長野市の単独事業としてやっていくだけの財政保障というのはまだ示されていないわけですね。そういう中で、是非国に対して改正をやめていただくということと、それからやる場合は、財政支援を国にしっかりと求めていただきたいと思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。

◎保健福祉部長(駒津善忠)
 通所介護、訪問介護が、地域支援事業--いわゆる市町村事業の中へ移行するというような中で、現在、給付の割合が大体四パーセント上限ということになっております。その上限につきましては、これまた国の方で決めてくるわけですが、今、訪問介護、通所介護の給付費が大体三・二パーセントぐらいになります。
 それが地域支援事業に移っていきますと、もう〇・八パーセントしか余裕がないというようなことで、この上限を上げていただかないことには、議員おっしゃるとおり、各自治体の中でも、訪問なり通所がやっていけないというようなことになるという形で、実際に上限がどのぐらいになるかというのは、これから示されてくるということですので、それをはっきり見ながら、やはり国の財政支援はこれはしっかり求めていきたいとは思うんですが、それが示された中で、私どももできるだけ検討していきたいと考えております。

◆野々村博美
 本当に高い介護保険料を負担し、いざ介護が必要になったときは、十分なサービスが受けられない、保険あって介護なしという実態にますますこの改正によって拍車がかかってしまうというのは、本当に心配しております。是非、国に対しても、しっかりとその辺の財政措置を求めていただくよう、心からお願いをしておきたいと思います。

 最後にですけれども、先ほど除雪体制の御説明がありました。本当に不眠不休で御努力をいただいたこと、心より感謝いたします。私も地域を歩くのは針のむしろのような状況で、この地域には議員いないからな、なんて言われるようなこともありまして、本当に市へ電話するのも、もう皆さんの御苦労も分かっていますので、本当に切ない状況でありました。
 確かに除雪を市だけに求めることは不可能であると思います。ですから、いかに情報発信し、また地域力を高めていくかということがとても大事になってくると思います。
 先ほどお話しありましたけれども、生活道路などについては、例えば支所ごとに様々な話合いを行っていただくとか、行政区をまたいで道は当然つながっているわけですから、支所ごとというわけにはいかないかと思うんですけれども、例えば、いざそういう雪害などあった場合は、支所に地域の皆さんが情報を集中して、そこの支所から市へ上げていただくとか、支所機能と連携した対策というのをもう少し強化していくという方法もあるのではないかなと思うんですけれども、その辺も是非、御検討いただきたいと思います。いかがでしょうか。

◎建設部長(藤田彰)
 今回の雪については、やはり生活道路の辺りが非常に課題が残ったなと思っております。市民の皆さんの協力をいただきながら、自助、公助というのが基本だと思いますけれども、やはりそれだけではやっぱり対応できないというものがあると思います。
 今回の状況を、地域の住民自治協議会の皆様等にお話を聴きながら、今後、市としてどんなことができるのか。また、住民自治協議会の皆様もどんなことができるのか。その辺も含めて、お話を伺いながら、今後の検討に生かしてまいりたいと思っています。

◆野々村博美
 是非、災害弱者と言われる皆さんへの支援も併せて、しっかりと今回の教訓を生かして検証していただくよう心からお願いをして、質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。

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