議会報告

2014年3月定例市議会 野々村ひろみ議員

議案第一号平成二十六年度長野市一般会計予算案 反対討論

◆野々村博美
 議案第一号平成二十六年度長野市一般会計予算案に反対する立場から討論を行います。
 過日、埼玉県富士見市で、インターネットで探したベビーシッターに子供を預けて男の子が亡くなるという、今まででは考えられなかったような痛ましい事件が起きました。二年しか生きることができなかった男の子、そしてかわいい盛りの我が子を奪われたお母さんの悲しみを思うと心が痛みます。いかに今の子育て環境が深刻なものか、日本中が考えさせられたのではないでしょうか。
 子供を保育することが商売として行われていること、子供を預けなければならないとき、身近に頼れる人がいない、相談できる人がいないという子育て環境、公的保育の不十分さ、インターネットの手軽さと怖さ、小さな命さえも奪ってしまう人間性の欠如、また預ける方も、預かる方も、貧困であったであろうことなど、今度の事件は、日本社会が抱える深刻な問題を改めて私たちに突き付けました。
 来年度、こども未来部がスタートいたします。加藤市長は、日本一子育てしやすい都市を目指すとされました。期待をしています。最も困難な環境を強いられている子供たちに温かな行政の支援がある都市にしてこそ、子育てしやすい都市であると思います。
 さて、私は代表質問でも申し上げたとおり、残念ながら長野市は、弱者に優しい予算の組み方とは言えないと考えています。弱者とは、決して特別な人ではありません。僅かな年金で心細い思いで生活している高齢者、今や三十七パーセントに及ぶ非正規雇用労働者、病人や障害のある皆さん、そして、子供たちなど多くの市民です。
 多くの市民がささやかな楽しみにしている公民館での行事や講座の利用料や使用料を値上げし、子供たちの医療費やインフルエンザへの補助制度の拡充は見送られたまま、また、放課後子どもプランでは明らかに施設が老朽化したり、子供が遊ぶには狭過ぎる敷地であるにもかかわらず、抜本的な改善策はいまだ示されてはいません。また、市民や各種団体への補助金も年々削減をされてきました。
 その一方で、公共施設の老朽化対策と称して、予定していた以上の財政調整基金や減債基金をため込んできました。平成二十三年度、今から二年前の財政推計では、基金は八十億円以上を確保するとしていました。一年前の平成二十四年度では、百億円以上の基金を確保するとしました。そして、今年度財政推計では、何と百五十億円以上の基金を確保するとしました。
 この間、国は、緊急経済対策として、地方への財政支援を強めました。しかし、長野市では、ハード事業にはそれを使ってきましたが、その分余裕ができたであろう財政を市民生活を支援をするために使うことはなく、今までと同じように住民負担を強め、また市民への補助を減らし続けてきました。
 基金のほんの僅か、一億円、二億円でも、市民生活擁護や支援、子育て支援に回せば、もっと市民を励まし、長野市への信頼も、郷土愛も強いものになるのではありませんか。厳しい時代に市民に希望を発信できる長野市政になることを心より願うものです。

 次に、消費税について申し上げます。
 日本共産党は、四月に行われる消費税率八パーセントへの引上げは反対です。政府広報は、増収分の五兆円は全て子育て、医療、介護、年金といった社会保障のために使われますと書き、消費税増税で社会保障財源が五兆円増えるかのような印象を振りまいています。
 しかし、これは欺まんです。実際には、増収分のうち四兆二千億円については、他の税金などによる財源を消費税に置き換えるだけ。さらに二千億円は、増税による物価上昇で消えます。新たに社会保障に回るとしている財源は、僅か五千億円に過ぎません。それすら、待機児童解消の名による保育の質の引下げや、病床の役割の分化の名による入院患者の追い出し強化などの制度改悪と一体です。社会保障は充実などしません。
 社会保障制度を誰もが安心して利用できるようにするという宣伝文句に至っては、真っ赤なうそです。
 安倍内閣は、七十歳になった人の患者負担を七十四歳まで、四月から順次二倍にします。年金支給額も昨年十月分の一パーセント削減に続き、四月分から更に〇・七パーセント減らします。介護保険では、要支援者向けの訪問介護と通所介護を保険給付から外すなど、制度創設以来の大改悪法案を今国会で押し通す構えです。
 更なる改悪メニューもめじろ押しです。社会保障を利用できなくして、国民を不安に陥れるというのが改革の実態です。消費税増税は景気後退を招き、経済も財政も悪化させます。
 一九九七年、消費税率を三パーセントから五パーセントに引き上げた後も税収はかえって減りました。政府広報は、消費税増税後の景気冷え込み対策として、五兆四千億円の新たな経済対策を実施すると言います。二〇一三年度補正予算のことです。
 しかし、その中身は復興特別法人税を一年早く廃止すること、社会保障切捨てを本格化すること、新規大型開発事業に三千億円以上投入すること、一千二百億円の軍事費の計上などです。大企業だけが潤い、中小企業や国民には負担を押し付けるものばかりです。
 低所得者や子育て世帯に一万円の給付金を支給するといいますが、給付は一回だけ、消費税増税による負担は毎日です。国民全体で八兆円、民間研究所の試算で年収三百万円未満の世帯で約五万七千円という大きな負担増を減らすには、ほど遠い対策です。低所得者や子育て世代の負担増を心配するなら、消費税増税そのものをやめるべきです。
 また、今回の消費税の市公共料金への転嫁は、便乗値上げと言わざるを得ないものも含まれております。
 よって、来年度長野市予算に消費税率八パーセントを反映させることには反対いたします。
 以上で議案第一号平成二十六年度長野市一般会計予算案への反対討論を終わります。

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