議会報告

2014年3月定例市議会 小林よしかず議員

新幹線延伸対策特別委員会の中間報告

新幹線延伸対策特別委員会委員長・小林義和
 私から、新幹線延伸対策特別委員会の中間報告をいたします。
 本委員会は、昨年九月に設置され、新幹線延伸を控えたまちづくり、新幹線延伸を契機とした新しい観光市場への戦略、新幹線延伸に対応した公共交通の整備、長野市の有形無形の財産を生かしたブランド化への取組を重点的調査研究事項として、先進地視察、観光に関わる団体関係者の参考人招致、在住外国籍市民との意見交換会を実施してまいりました。
 初めに、新幹線延伸を控えたまちづくりに関連したハード面の整備について二点申し上げます。

 一点目は、長野駅善光寺口駅前広場の整備についてであります。
 市は、平成二十七年春の新幹線金沢延伸と善光寺御開帳に合わせ、本市の顔にふさわしい魅力ある景観をつくるため、現在、長野駅前広場の整備を進めております。
 新駅ビルと一体的に整備する大びさし、列柱は、イベント時には様々な演出が可能となる構造であり、ウェルカム長野二〇一五実行委員会を初め長野駅善光寺口利活用ネットワークが、その利活用を検討するとのことであります。
 ついては、市民の意見が十分反映された四季折々の長野らしい演出とするために、関係者への助言等積極的に支援するよう求めるものであります。

 二点目は、長野市観光情報センターの再整備についてであります。
 新幹線金沢延伸に伴い、首都圏の観光客に加え、北陸・関西方面からの観光客が増え、観光情報センターの利用者の増加が見込まれます。
 ついては、同センターを観光客にとってより利便性の高い施設とするために、職員配置の増強、多言語パンフレットの充実などの整備を進めるよう求めるものであります。
 併せて、まち歩きを楽しむ観光客に対応するために、長野駅構内に加えて、中心市街地にも観光案内所等を設置することを求めるものであります。

 続きまして、新幹線延伸を控えたまちづくりに関連したソフト面の整備について申し上げます。
 まち歩き観光の推進についてであります。
 まち歩き観光を推進するため重要となるボランティアガイドについては、長野市善光寺表参道ガイド協会が、本年二月に実施されたNAGANO検定の合格者を対象に募集を行い、観光客に善光寺周辺のガイドを行うものであります。
 本委員会が行政視察を行った伊勢市では、伊勢商工会議所が実施する検定、お伊勢さんの上級合格者が伊勢神宮内の定型コースを案内するだけではなく、観光客と相談しながらニーズを酌み取りコースを設計する、オーダーメイド型観光ガイド事業を展開しております。研さんを積んだガイドは、民間の旅行会社等の需要も多く、独立採算のビジネスモデルとして成功しているとのことであります。
 ついては、本市においても、伊勢市などの先進地事例を参考に、ガイド育成等についての研究を進めるよう求めるものであります。
 併せて、まち歩きコースを検討する中で、学生などの若い世代と情報交換等連携を図り、学生や観光客の視点から本市の食などを効果的に取り入れたコースの研究を進めるよう求めるものであります。
 また、まち歩き観光を推進する上で、観光客が滞在時間を延ばし、安心してまち歩きを楽しむためには、トイレの整備等も重要であると考えるところであります。公衆トイレの設置及び改修、案内の充実を図った上で、さらに長野おもてなし推進ネットワークや関係部局との連携を密にし、店舗等がトイレを貸し出す仕組みを確立するよう求めるものであります。

 次に、新幹線延伸を契機とした新しい観光市場への戦略に関連して申し上げます。
 インバウンド対策についてであります。
 平成二十五年、日本への外国人旅行者が、一千万人を突破しました。国においては、さらに訪日外国人旅行者二千万人を目指し、観光立国の実現に向け取り組んでいることから、国内におけるインバウンド市場は拡大するものと考えられます。本市においても、新幹線金沢延伸に伴い、富山空港及び小松空港からのアクセスが向上することから、外国人観光客を増加させる絶好の機会であると考えます。
 ついては、新幹線を利用した観光ルートを積極的にPRすることで本市への誘客につなげるため、海外の旅行代理店に本市の魅力ある観光資源を売り込み、観光ルートの商品化を積極的に推進するよう求めるものであります。
 本委員会では、先月、本市を国際都市として広く海外にPRする具体策を調査するために、在住外国籍市民との意見交換会を実施いたしました。
 本市のリンゴ、おやきなどの食や、松代などの歴史と文化あふれる観光地は、外国人にとって非常に魅力的であるとの意見が出されました。また、本市の観光資源を効果的にPRするためにも、約三千四百人の在住外国籍市民を本市のセールスマンとして海外に情報発信してもらう取組や、全国各地に暮らす外国人もターゲットとした観光PRを展開する取組が必要との提案が出されました。
 ついては、インバウンド対策を検討するに当たって、外国人から意見を聴くことは大変有効であると考えることから、意見交換会やアンケート等の手法を用いながら、様々な意見、提案等を参考に、効果的なインバウンド対策を検討するよう求めるものであります。

 次に、新幹線延伸に対応した公共交通の整備に関連して申し上げます。
 長野駅をハブ駅とした二次交通の利便性の向上についてであります。
 長野駅を下車した観光客を市内の各観光地へ周遊させるためには、バス等の二次交通が非常に重要であると考えるものであります。
 伊勢市においては、バス事業者と連携して各観光地を結ぶ参宮バスやCANばすを運行することにより、公共交通機関の利用者が増加するなどの成果を上げております。
 本市においても、観光客が利用しやすい時間帯におけるバスダイヤや運行ルート等の研究を行うとともに、長野駅におけるバス乗り場の分かりやすい案内表示の設置を検討するよう求めるものであります。

 最後に、長野市の有形無形の財産を生かしたブランド化への取組に関連して申し上げます。
 ながのシティプロモーションについてであります。
 新幹線金沢延伸を控え、長野駅を単なる通過駅とさせないためには、全国に本市の魅力をPRし、交流人口を増やす取組が重要であります。また、平成二十七年の善光寺御開帳の際は、情報媒体を通じたPRの機会が増加することから、全国に本市の魅力を知ってもらうまたとない好機であり、個別事業を実施する各部局が連携を密にし、全庁挙げてシティプロモーションに取り組む必要があると考えるものであります。
 ついては、シティプロモーションを推進するに当たり、大型観光キャンペーン等の採用について関係者へ働き掛けを行うなど効果的なPRを展開するよう求めるものであります。

 以上委員会の調査研究による現時点での成果を踏まえ、中間報告をいたしました。
 平成二十六年度には、市長直轄プロジェクトである新幹線延伸・善光寺御開帳対策プロジェクトが、本格的に始動することから、同プロジェクトに関連する本委員会の要望を各事業に反映させ、実現を図るよう求めるものであります。
 結びとなりますが、本委員会では、今後、交通事業者などの民間団体との意見交換会や参考人招致、現地調査などを行いながら、新幹線金沢延伸を契機として本市の交流人口をより増加させるための施策の調査研究を進めてまいります。併せて、効果的な観光戦略を進めるための庁内組織の在り方についても調査研究を進めてまいります。
 以上で中間報告を終わります。

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