議会報告

2014年3月定例市議会 あべ孝二議員

請願第二号「特定秘密保護法」の廃止を求める請願を総務委員会委員長報告で不採択とすべきものとした報告 反対討論

◆阿部孝二
 請願第二号「特定秘密保護法」の廃止を求める請願を総務委員会委員長報告で不採択とすべきものとした報告に対し、反対討論を行います。
 請願者は、秘密保護法やだネット長野代表田澤洋子さんであります。その他に同様な請願が、第三号特定秘密保護法廃止意見書の提出を求める請願、日本国民救援会長野支部支部長今井義幸さんの請願。請願第四号「特定秘密保護法」の廃止を求める請願、長野県平和委員会代表宮澤彰一さん。意見陳述では、田澤洋子さんと長野県平和委員会の事務局長の豊田さんが意見を述べました。
 委員長報告には、不採択とすべきものとして、昨年十二月の意見書で強く求めたとおり、国民の皆さんが安心していただけるように、しっかりとルールを明確にしてやっていくベきだと思うので、今回の請願については、賛成しかねると報告書には書いてあります。
 昨年十二月の意見書で強く求めた中身については、恣意性を排除する、適正な運用を行っていく、検証が可能な実効性のある機関の設置を求める意見書が提出されています。しかし、国会で議論されている中身の問題についていけば、指定、監視は首相の指揮下に全て置かれて、第三者的な機関としては、全く機能が果たされていないというのが討論の中で明らかになりました。
 日本共産党の赤嶺議員が安倍晋三首相に対し、重要な情報の秘密指定を行い、その秘密指定の監視、検証も首相の指揮下で行われることを明らかにしました。
 特定秘密保護法では、政府の行う特定秘密指定をチェックする第三者機関として行政府内に、保全監視委員会、独立公文書管理監、情報保全監察室を設置するとしています。三つの機関の指揮監督権限は全て内閣総理大臣にあると答弁されています。特定秘密の中で最も数が多いとされる情報収集衛星の画像や、国家安全保障会議に係る情報も内閣総理大臣が秘密指定をすることができます。これでは、首相が自分で秘密を決めて、それが適切か自分でチェックすることになります。恣意的な秘密指定を防ぐことは到底できないと思います。
 自由民主党、公明党、日本維新の会、みんなの党の四つの党は、昨年十二月、国会に秘密の運用状況等を監視する委員会の設置を合意し、超党派によって海外視察を行いました。アメリカ、イギリス、ドイツの各国議会には、軍や政府機関の情報活動、スパイ活動を含む監視する委員会が置かれています。しかし、秘密の内容や妥当性をチェックする機関ではそもそもありません。委員会への情報提供義務などは認めていても、秘密の内容が適当でない場合に、行政府に指定解除を求める権限は全くありません。
 日本の場合、国会の求めに応じて秘密を提供するかどうかは、政府側に大幅な裁量があり、国会の行政監視権は著しく制限されます。特定秘密保護法では行政機関の長、官僚などが安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めれば、一切の提供を拒否できるからです。
 国会の最高機関性を否定する、このような法律を成立させた後になって、国会による監視の議論を始めること自体が本末転倒で、その役割も名ばかりになることは目に見えています。
 国際ジャーナリスト団体の国境なき記者団の世界報道の自由度指標というものが発表されました。日本は昨年の五十三位から順位を下げ、世界百八十か国・地域中五十九位に転落しました。その理由は特定秘密保護法で国家秘密漏えいが厳罰化されたのが理由です、と述べています。また、昨年、東京電力福島第一原子力発電所事故に関する情報アクセスに問題があるとして、前年度は二十二位から五十三位へと急落しているのが現状であります。
 長野県では、一月二十四日の信濃毎日新聞に意見広告では、二十四人の呼び掛け人に応えて、個人四千四百九十三人、団体で三百八十六団体が、私たちは特定秘密保護法の廃止を求めます。憲法を改悪し、戦争する国につながる特定秘密保護法から私たちの平和と人権を守りましょうと、安茂里にいらっしゃる親里千津子さんや田澤洋子さん、それからカトリックの宮沢さん、守谷商会相談役の山根さん、革新懇の山口光昭さんや児童文学作家の和田登さんたちが呼び掛け人になり、意見書が出されました。
 その中には、国民の多くの反対や慎重主義の声を無視し、民意と議会制民主主義を踏みにじって、安倍内閣と自由民主党、公明党両党が強行採決した特定秘密保護法、防衛、外交、有害活動、テロ防止等を管理する行政機関が、国民に知られたくない情報を特定秘密に指定し、マスコミを統制し、萎縮させ、国民の目、耳、口を塞ぐ特定秘密保護法。何が秘密かも秘密にされ、秘密を漏らした公務員、取材、調査した報道関係者、国民、国会議員さえ厳罰に処する特定秘密保護法。特定秘密を扱う人の適正評価は、私たちの身辺にも及び、一市民が特定秘密と知らずに写真を撮ったり、何気ない一言さえも罪に問われることになりかねません。
 国民のプライバシーや表現の自由も脅かす特定秘密保護法。長野県では今後予想される米軍のオスプレイ機の飛行ルートが県の上空を通るとしても、その情報は特定秘密に指定されれば、県民が知らないうちに、命と暮らしが脅かされます。日本国憲法の国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を根本から踏みにじる特定秘密保護法は断固として廃止すべきと一面、二面広告で出されました。
 今、私たちが考えていかなければならないのは、第二次世界大戦、太平洋戦争の戦後の生い立ちであります。あの戦争では、あらゆるものを秘密にされ、戦争に駆り出され、国民が三百十万人犠牲になり、アジアの人々二千万人が犠牲になりました。六十八年が経過する中で、日本は、日本国憲法、世界にも誇れる憲法を作り、核兵器を無くす、また戦争を二度と繰り返してはならない、戦争で犠牲者を出さない、これが私たちの歩んできた六十八年ではないでしょうか。
 今、安倍晋三内閣は積極的な平和外交と言っていますが、憲法を変え、第九条を変え、第九十六条も変え、そして、自衛隊を国防軍に変えて戦争できる国にしようというが一連の流れであります。一つ一つの法案の中身に対し、平和への道をきちっとさせていくことが、私たちの責任ではないでしょうか。
 委員長報告で不採択とすべきものとした報告に対し反対討論を行い、各議員の賛成を求めて反対討論とします。

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