議会報告

2013年12月定例市議会代表質問 原田のぶゆき

代表質問

原田誠之
 日本共産党長野市会議員団を代表して質問します。
 さきの参議院選挙では、日本共産党は、憲法改悪、消費税増税、原発再稼働、TPP交渉参加など、安倍政権の暴走政治ストップの受皿となり、自共対決の立場から対案を示し、要求に基づく一致点で共同し奮闘する中、前進することができました。日本共産党への熱い期待に応え、市政の場でも、国の悪政から市民の暮らしを守るために、全力で奮闘することを申し上げ、質問に入ります。

 初めに、市長選挙の結果についてであります。
 私ども日本共産党は、思惑のない、きれいな市民の共同の組織、みんな、わくわくプロジェクトに、政党としては唯一参加し、菅田敏夫候補の必勝を期して奮闘しました。三期十二年の鷲澤市政の大型公共事業や民営化を推し進める財政の在り方を、子育て支援、中山間地対策、農業の活性化、脱原発、再生可能エネルギーの推進、安心して暮らせる長野市にと、具体的に対案を示し、政策論戦をリードし戦いましたが、三十一万有権者に思いを浸透させることができませんでした。今後、掲げた公約実現目指し、市民と共に全力を尽くすものであります。
 今回の市長選挙は、低投票率で四十二パーセント、投票の権利を留保した有権者が多かったことを痛感するとともに、市長も全有権者で見れば、十八パーセントの支持でした。八割を超える有権者に耳を傾けた市政運営が求められます。市長選の結果を真摯に受け止め、今後の市政運営に生かすべきですが、いかがですか。

 次に、市長の政治姿勢について伺います。
 まず、憲法と地方自治の精神が生きる市政運営についてであります。
 憲法第二十五条は、何人も法の下に文化的な最低限度の生活を営む権利を有しとし、地方自治法では、住民の安全と福祉、健康に資すると明記しています。ところが安倍政権は、消費税増税を前提に、税と社会保障の一体改革で、医療、介護、子育て、年金など全面的な制度改定と日程まで盛り込み、社会保障改悪プログラム法案を自公政権で強行しましたが、自助努力と痛みを強いるものであり、許されるものではありません。
 市長は、市政運営に当たり、常に憲法や地方自治の精神を念頭に、日々生活に苦しむ市民の暮らしの防波堤となり、文字どおり人に優しい市政を目指し、市民を応援していただきたい。見解を伺います。

 次に、特定秘密保護法案についてであります。
 昨夜、私ども市会議員団は、トイーゴ広場で三百人を超える市民と共に採決強行するなと、抗議の集会に参加をしてまいりました。安倍自公政権は、国民世論の七割から八割が反対、慎重にというときに、衆議院で特定秘密保護法案を強行採決しました。
 この法案は、国民の目と耳、口を塞ぎ、国民の知る権利、言論・表現の自由を脅かし、憲法の基本的原理を根底から覆す歴史上まれに見る悪法です。秘密を決めるのは行政機関の長で、防衛大臣、外務大臣、警察庁長官で、特定秘密とは何かのルールもなく、恣意的に無制限に秘密の範囲が広がります。しかも、何が秘密かも明かさない、それも秘密。正に暗黒社会への逆戻りです。地元紙も、みんなの党、日本維新の会などが修正に応じているが、本質は全く変わっていないと指摘しています。
 ついに、自民党の石破幹事長は、ブログに市民の法案反対の行動を本音むき出しで、大音量で人に恐怖を与える、民主主義とは路線を異にするとして、市民運動をテロ呼ばわりし、この言動に国会七野党は、表現の自由を脅かされかねないと、共同で石破幹事長に抗議の声明を発しています。元自民党幹事長、官房長官の野中広務さん、元幹事長の古賀誠さん、新聞、放送などマスコミ、ジャーナリスト、キャスター、コメンテーター、元外交官、弁護士、日本ペンクラブ、演劇人、宗教者、学者、研究者などなど、反対の世論は広がる一方であります。
 特定秘密保護法案に対して、市長は、地元紙に何とも言えないとコメントしていますが、松本市の菅谷市長を初め多くの首長は、暮らしに影響するとして、慎重審議との回答が多数となっています。市長は、市民の七、八割を超える反対、慎重の声に耳を傾け、見識を発揮し、廃案にすべき、せめて審議を慎重にということを国に求めるべきであります。この法案は、一般市民も地方自治体でも等しく対象となりますが、長野市は市民に開かれた市政を目指し、情報公開条例を持っていますが、制度への影響はないのでしょうか、見解を伺います。

 次に、来年四月からの消費税増税についてであります。
 安倍政権の来年四月からの消費税大増税は、税率八パーセントで八兆円の増税、年金など社会保障負担増は十兆円で、史上空前の負担の押付け、再来年十月からは十パーセントへの引上げです。大企業の法人税減税など論外であります。長野市の来年度一般会計予算編成でも、大型公共事業を含め消費税が上乗せされ、重くのし掛かります。市内の中小零細業者からは商売はやっていけない、東北の被災者からも、復興の妨げになる、との切実な声であります。
 増税は必要という人も、来年四月からの増税は、経済を悪化させると懸念し、反対の声は七割から八割と圧倒的です。市民の暮らしと経済を守る立場から、少なくとも来年四月からの消費税増税はやめるよう、国に求めるべきであります。市民一人当たりの消費税増税分の負担額と市財政の影響額はどうか、併せて見解を伺います。

 次に、脱原発をめざす首長会議参加について伺います。
 福島第一原発事故の汚染は、広範で長期的な健康と環境被害をもたらし、いまだに十四万人が避難生活を余儀なくされています。除染と汚染水処理の見通しはままならず、安全神話は完全に崩壊しています。
 心ある全国の自治体首長から、自治体首長の第一の責任は住民の安全・財産を守ること、この事態に黙することなく、原発に依存しない社会、脱原発社会を目指し、速やかに再生可能エネルギーを地域政策として実現することを積極的に進めていかなければなりませんと、脱原発首長会議への参加を呼び掛けています。趣旨を受け止め、市長も脱原発をめざす首長会議への参加をするよう求めます。
 また、長野市から約九十キロメートルの柏崎刈羽原発は周辺に活断層があり、しかも度重なる重大な事故を起こしています。一度事故となれば、風向き次第で長野市への影響も否めません。柏崎刈羽原発の再稼働反対の立場を表明すべきと思いますが、見解を伺います。

 次に、若者の雇用対策について伺います。
 日本共産党長野県議会若者雇用対策室の聞き取り調査では、正規雇用で朝九時から夜八時三十分まで十一時間三十分拘束、月給十二万五千円、職場に残業という概念はない、突然辞めろ、明日から来なくていいと言われたなど、市内にもある長時間労働やパワーハラスメントが横行するブラック企業は、若者を初め働く人間を過酷な労働に追い立て、使い捨て、使い潰すことが社会的問題となり、厚生労働省も調査をしています。
 長野県も働き方について、事業所と非正規労働者の調査を行いました。その結果によれば、非正規社員が三十四・八パーセント、年収二百万円以下が七十二パーセント、職業を選んだ理由は、正規社員として働ける会社がない、他に仕事がないが三十九パーセント、会社への要望では、賃金アップが八十七パーセント、雇用の継続が三十三パーセント、行政への希望は、最低賃金と賃金アップ、正社員雇用の拡大、非正規雇用を守る法律を求めるが多数となっています。
 そこで伺います。市長は、若者を使い捨てにする働き方をどのように思っていますか。長野市でも、県の調査を参考に実態を把握し、労働法規を守らせるのは国や県と言わず、離職率が高いなど問題のある企業には、行政指導を行い、企業や経済団体に要請すべきであります。また、深刻な雇用実態の中、雇用対策室を課に戻し、労働行政の強化を求めますが、見解を伺います。

 次に、大規模プロジェクトの見直しと財政運営について伺います。
 十大プロジェクトへの一千八百億円の税金投入、さらに、公共施設白書では、今後一兆円規模の改修と更新が必要としています。今こそ市民の暮らし優先に税金の使い方を抜本的に改めることが求められています。
 長野市の十大プロジェクトを初めとする公共事業は、資材の高騰、人件費の値上がりなどによる事業費の拡大で、今後の財政運営と市民の後年度負担が懸念されます。市長は、事業の見直しのため、プロジェクトを立ち上げるとしています。その額は事業費の拡大に比べれば、僅かな額と言わざるを得ません。不要不急を見極め、思い切った十大事業の見直しが必要です。
 そこで伺います。まず、プロジェクト事業最適化検討委員の助言、指導についてであります。
 目的は、ランニングコストの低減、使いやすさ、利便性向上としています。しかし、予算の範囲内として事業の可否に踏み込んでの検討ではありません。市長の議案説明で、プロジェクト事業の検証の第一歩として現場視察を行い、無駄はないか、華美な設備はないか、検証、点検で将来負担を少なくしたいと発言しています。将来負担を考慮と言うなら、可否を含めた見直しこそ必要ではないでしょうか。また、検討委員は市民からも公募し、情報の公開と透明性ある検討を求めますが、見解を伺います。

 次に、庁舎・市民会館及び周辺整備事業と見直しについてであります。
 事業費は、労務単価や資材の高騰で十七億円も跳ね上がり、さらに、百五十三億円余となり、これから東京オリンピック招致に関わる労務単価や資材高騰などで事業費が膨れ、財政への影響も懸念されます。また、市長も指摘していた立体駐車場、植栽、道路など、周辺整備事業の詳細と事業費は明らかではありません。本体事業費や周辺整備事業の全体計画と総事業費について明らかにしていただきたい。また、本事業を精査し、事業費の圧縮など見直しを求めますが、見解を伺います。

 次に、灰溶融炉計画の中止についてであります。
 約二十億円の灰溶融炉を含め、建設費は二百四十四億円余、灰溶融炉のランニングコストは毎年約五億五千万円で、前の市長は、溶融炉は好きでない、電力を食うので採算が悪い、と正直な議会での答弁であります。
 全国の平成二十三年以降、灰溶融炉なしの建設計画は十三施設、灰溶融炉を休止した施設は八施設です。京都市では、今年八月、完成後の引渡し寸前に溶融施設の心臓部でトラブルが連続し、契約を解除するなど、溶融炉計画の中止・休止は、いずれもコスト高で自治体の財政を圧迫、安全性も保障できないなどが理由です。このような全国の動向をどのように受け止めているのか。安全性も担保できず、コストも高く無駄で危ない灰溶融炉は、きっぱりと中止すべきです。見解を伺います。

 次に、第四学校給食センター建設はやめ、順次自校方式に移行することについてであります。
 国の行政指導や老朽化が著しいこと、安全、効率がいいとして、平成二十八年度供用開始を目指し、土地を含め一万二千食の第四学校給食センターを四十三億円税金投入で建設をし、引き続き第三・第一学校給食センターの建設をしようとしています。
 しかし、計画段階から市民への情報提供が乏しく、市民からは、今なぜ四十三億円も投資して一万二千食の給食センターなのか、と疑問と批判の声が出てくるのも当然であります。私ども、党市会議員団は一貫して市長への予算要求や議会で、食育、地産地消、アレルギー対策などに対応できる自校給食に順次移行すべきと提案してきました。
 群馬県高崎市では、心通う自校方式を広げるとして、合併した地域も含めて計画的に自校給食に移行しています。それは、センター方式よりも自校方式の方が建設費もランニングコストも、効率、経済性がいいからであります。
 建設については、三十年前のことですが、センター方式では二か所新設で土地代含めて十六億円、単独方式では、中学校十七か所で十四億二千万円で一億八千万円経費節減になったとのことです。
 維持管理費については、二〇一〇年の高崎市議会の一般質問から調査しました。高崎市内九十三の学校と園のうち、自校給食方式が五十八校と園で二万三千六百九十人、センター方式は三十五校と園で八千六百八十四人を対象に実施しています。維持管理費は、二〇一〇年度の予算ベースで需用費、役務費、委託料、工事請負費、備品購入費など、合計では自校方式は五十八か所で二億七百万円、一か所当たり平均で三百五十万円ほど。センター方式では、三十五か所で一億九千万円で、一か所当たり五百四十五万円で、その差は自校方式の方がセンター方式よりも一か所当たり百八十七万円低いとのことです。
 手厚い職員体制で実施している自校方式は人件費増はありますが、雇用の拡大となり、地域での消費も大きく、地域内の経済波及効果は抜群といいます。合併地区のセンター方式を毎年二校ずつ自校方式に移行しており、地元の農家は、もっと給食に納入しようと意欲が高まっているとのことであります。
 温かくおいしい給食を教育の一環として受けることができるよう、長野市も自校給食の良さに学び、思い切って大規模な一万二千食、四十三億円もの巨大投資の計画はやめ、順次自校給食への移行に踏み切るべきです。高崎市の取組をどう受け止めるか、自校方式とセンター方式の効率について、高崎市などの数値を参考に試算をしていただきたい。また、学校給食運営審議会を初め、児童・生徒、父母、学校関係者など、市民の声を広く聴く機会を設けることを求めます。見解を伺います。

 次に、学校給食のアレルギー対応と食育についてであります。
 長野市は現在、アレルギー対応はできておりません。これは待ったなしです。個別対応が必要なアレルギー対応食は、命を大事にする緊急課題です。市の指針や対応マニュアル、予算や人も含めた体制の整備が求められます。実施を困難にするセンター化や民間委託はアレルギー対応にはなじみません。市教育委員会の受止めと具体的な対応を求めます。
 小・中学校の頃に安全で手作りのおいしい料理を食べていたか、旬の食材や地産地消、伝統的な食文化について考えられたか、の経験のあるなしで、将来大きな違いとなって現れる。学校で共通の体験ができるのが学校給食で、その給食を通した教育が食育だと、専門家の指摘です。センター化ではできない食育ではないでしょうか。お答えください。

 次に、子育て支援について伺います。
 まず、子ども支援部新設についてであります。
 市長は、子育て世代が全国から移り住んできたくなるような魅力ある子育て支援先進都市、長野を目指すとして、子ども支援部の新設を掲げ、早ければ来年四月からの実施とのことです。子供たちが健やかに成長できるよう、これからの具体的施策に大いに注目と期待をしながら質問します。
 今、貧困と格差の広がり、過度に競争的な学校教育、いじめ問題と自殺、増えている児童虐待など、長期にわたる自民党政権の子育てに冷たい政治と社会のゆがみが子供たちに不安を与え、子育ての困難を拡大しています。また、子供や教育にお金が掛かり過ぎる、が親たちの声であります。子育ての経済的負担の軽減を図り、社会全体で子育てを支える総合的支援が必要です。このような子ども支援部の新設をするとともに、この精神を生かしている子供の権利条例制定を求めますが、見解を伺います。

 以下、具体策について伺います。

 まず、子供の医療費無料化についてであります。
 国の医療制度の相次ぐ改悪で、患者の自己負担は増える一方です。経済不況で医療費が家計に重くのし掛かり、お金の心配をしないでお医者さんに行きたい、は実感です。せめて子供たちは安心して医療を受けられるように、との声は切実です。長野市議会九月定例会では、子供の医療費給付対象を小学六年生から中学三年生までとの請願が全会一致で採択されました。
 長野市だけが小学校六年生までというのは、加藤市長の子供への思いとは相反します。長野県内全ての市町村は所得制限なしで無料にしています。市長はそのことを認識しているはずですが、来年四月新設の子ども支援部で検討し、早い時期に具体化をしたい旨、午前の本会議での答弁でありました。市長は、長野市は県都であり、長野市の発展だけを考えるのではなく、リーダーシップをとる責務があると言われました。その気持ちを具体化するためにも、長野市も中学卒業まで、所得制限になしで速やかに実施することを求めます。県内全て所得制限なしでやっております。対象者人数と必要経費などを含めて見解を伺います。

 次に、長野市版放課後子どもプランの充実について伺います。
 この事業は、留守家庭を対象とした児童館、児童センター及び児童クラブでそれ以外の希望者を対象に、空き教室利用の子どもプラザで、いずれも放課後の子供たちが安全・安心して過ごせる居場所を提供するとしています。しかし、現状では小学二年生、三年生で頭打ち、児童にも父母にもつらい思いを強いることになっております。
 働く親たちが増えている現状から、国の子育て新法では小学六年生まで受け入れることを義務付けています。今後、長野市の放課後子どもプランの抜本的改善が求められますが、見解を伺います。子供支援を掲げている新市長の下、空き教室などと言わず、新設、増設、老朽化施設の改修など、具体的に改善を求めますが、見解を伺います。

 次に、福祉行政について伺います。
 最初に、生活保護についてであります。
 貧困と格差が広がる中、生活保護を受給したくともできずに苦しい生活を我慢している実態があり、深刻です。取り分け安倍政権は、税と社会保障の一体改革で、保護費の予算を約六百七十億円削減し、受給制限を行っています。国会でも、申請に当たり、親族の援助が保護受給の要件、として大きな問題となりました。扶養義務の履行についての照会文書や親族に送った扶養届書には、勤務先、月収、資産、負債などの記載に加え、給与明細書やローン返済予定表まで要求するものとなっております。
 親族に対する調査を強化し、申請を締め出せば自殺や孤独死など増えかねません。保護申請、受給は、国民の当然の権利という立場で、丁寧な窓口対応を求めます。また、国に対して、水際作戦を合法化する生活保護法の改悪をやめるよう要請すべきであります。
 また、保護基準の引下げで影響の出る制度はどのくらいあるのか。特に、子供の就学援助については、対象が狭められることが懸念されておりますが、どのくらいあるのか。引き続き長野市は基準を引き上げ、影響のないようにすることが必要です。見解を伺います。

 次に、老人憩の家の統廃合についてであります。
 市内十か所で平成二十四年度の利用者は十九万六千人で、高齢者の心身の健康の増進、教養の向上とレクリエーションの格好の居場所で、元気の源です。また、地域の老人クラブや各種団体も利用しており、安くて気軽に行けると好評です。
 ところが、急傾斜地や土石流警戒区域を理由に統廃合を検討している対象施設が、茂菅、若槻、新橋の三か所といいます。いずれも利用者が楽しく利用し、周辺には住民も生活しております。老朽化しているなら改修し、危険箇所なら移築などで、利用者の利便を図るべきであります。何よりも対象施設の利用者や地域住民に情報を提供し、住民の納得や合意を前提で対応すべきです。見解を伺います。

 次に、福祉灯油の支給についてであります。
 高齢者など弱者にとっては身にこたえる季節です。物価は上昇し、灯油も配達価格はポリタンク一缶二千円弱で、異常な値上がりのまま続いており、厳しい生活を余儀なくされております。
 平成二十年の灯油の急激な値上げの際は、福祉灯油の支給で助かっています。長野市の寒さも半端ではありません。低所得者の中には、高齢者や病気など、暖房が欠かせない人が多く、命や暮らしを守るために福祉灯油の支給は待ったなしです。信濃町や飯綱町など、既に各自治体では始めております。住むところが違うだけで、弱者への差別はしてほしくはありません。速やかな対応を求めます。見解を伺います。

 次に、都市内分権について伺います。
 市長は、支所機能の強化を打ち出し、職員や住民と懇談を始めました。地域課題には支所は臨機応変に対応し、住民のお手伝いをと強調しています。そして、支所長に決裁権を持たせ、地区の特色を生かした事業展開できるようにしたい、と熱く語っています。
 支所はまちを元気にする拠点であり、支所長は住民自治協議会とともに車の両輪で、地域おこしの要としての任務を担っております。そこで、支所も支所長も財源を含め権限を旧一表支所のような機能にしたらと思いますが、市長は具体的にどう強めようとしているのですか、実態の伴う対応を求めますが、見解を伺います。

 次に、中山間地と地域振興についてであります。
 市長は、中山間地がなくなれば、まちは駄目になる、守らなければならない、プロジェクトチームを作って対応、と発言しており、前向きの姿勢に注目をしています。中山間地は、農業や文化を育み、国土を守る貴重な宝です。住民や職員と共に協働して、中山間地の地域振興に力を尽くしていただきたい。
 そこで伺います。人、物、自然など、地域資源を活用したやまざとビジネス支援補助金事業が行われています。一部の事業者のビジネスを支援し、もうけさせるという発想では、地域の活性化には結び付きません。地域住民の要求に寄り添い、力を引き出し、住民と一体で事業を起こしていくという観点が欠かせません。まき需要、里山整備、雇用創出など、地域に貢献するとして、飯綱高原の再生可能エネルギーの地産地消推進事業は、住民の理解が得られていないとして、補助対象から外しました。住民と一体で事業を起こし、まちづくりに貢献するという観点が欠落していたのではないでしょうか。今後、実現の可能性について十分検証し、対応を求めますが、見解を伺います。

 次に、農業問題について伺います。
 TPP参加反対についてであります。
 TPP交渉は、大詰めを迎えています。日本は、聖域としている米、牛乳、牛肉、乳製品など重要五品目の関税が二十年、三十年掛けて段階的に引き下げる案が浮上し、政府は国民に隠れて実質的協議を進め、なし崩し的にTPP参加を強行しようとしています。
 県内、市内の中小農業関係者からは、価格競争に勝てるのか。アメリカ、オーストラリアなどとは規模が違う。長野市は七割以上を占める中山間地で、中小の農業生産者が多く、農業は立ち行かなくなってしまう、と切実な声であります。
 長野市でも、二つのJAや農業委員会、医師会や消費者団体などが反対を表明しています。市長は、市内中小農業者を初め関係者の声を受け止め、TPP参加断念を国に強く求めるべきですが、いかがでしょうか。

 次に、国の農業政策と中山間地農業について伺います。
 国はTPP参加を前提に、米の政策転換を決めました、安倍政権の日本再興戦略では、大規模化で、生産コストを四割削減、を打ち出しています。労賃確保できる価格は六十キログラム当たり一万六千円ですが、四割削減で六十キログラム当たり九千六百円の米を作らないと、農政の対象にはしてくれません。中山間地で効率のいい大規模農業は不可能です。持続可能な農業のために、長野市の主要品目、米、リンゴも含め、中小農家の営農を支える対策が急務です。地域奨励作物支援事業の品目の拡大、奨励金は元に戻し、所得と価格の補償制度の充実、新規就農者など働き手を増やすため、奨励金や研修費、営農資金など、新規就農者支援事業の充実を求めます。
 また、野生鳥獣対策に猟友会や電気柵への助成の充実、広域のため県と連携し、調査研究で総合対策を行い、また、処理施設の拡充とジビエ販売対策にも力を入れることを求めます。また、注目の市長直轄のプロジェクト中山間地活性化対策については、農、工、商、大学、研究者などと連携・協働し、六次産業化やブランド化など、推進すべきと思いますが、見解を伺います。

 次に、学校給食センターの地場産農産物の利用拡大について伺います。
 九月市議会で、学校給食センターの地場産農産物利用拡大を求めましたが、その際、契約栽培など考慮し、農協などと協議すると答弁しています。農業委員会の加藤市長への建議書でも、栄養教諭や教育委員会、給食会、食品事業者などを構成員とした学校給食物資委員会を設置し、食育と地産地消へ結び付けることを要望としています。引き続き積極的な取組を求めますが、現状の取組などお聞かせください。

 次に、三登山の産業廃棄物について伺います。
 昭和六十二年、三登山の坂中地籍に当時ホンダ工業が、自社廃棄物の埋立てとして開始され、平成十一年に関連事務が長野県から中核市の長野市に移管されました。長野市は地区住民の要望に応え、立入調査や周辺の湧水の検査など定期的に行い、現状では地下水への影響は少ないと報告されています。
 しかし、去る十月十八日の地元説明会では、産廃敷地内のボーリング調査はできないか、土壌検査はできないか、一度汚染されれば元には戻らない。福島原発のことを考えれば、住めなくなってしまう。林道によって負の遺産を背負い込んでしまった。今では、地元の立入りさえできない。被害を被るのは地域の住民だ。立入りや土壌検査で監視のできるようにしてほしいとの声は痛切でした。住民の声に真摯に応えていただきたい。また、今後の対応を求めますが、見解を伺います。

    (三十九番 原田誠之君 質問席へ移動)

◎市長(加藤久雄)
 原田議員さんの迫力ある御質問にお答えしたいと思います。

 初めに、市長選挙の結果についてお答えをしたいと思います。
 今回の市長選挙の投票率が四十二・〇〇パーセントと、前回の四十八・八二パーセントを下回ったことは、とても残念でありますが、公職の選挙の投票率が下落傾向にあると言われている中で、八年前の市長選の三十六・九六パーセント、十二年前の三十九・五九パーセントを上回ったことも事実であります。
 また、五人の新人候補者による激戦の中で、私自身の投票率が全体の四十四パーセント、五万六千四百二十四票を得たということは、大きな数字であり、市民の皆様の期待をひしひしと感じております。これは選挙戦で訴え続けました私の経験やネットワーク、そして私の選挙公約に対する有権者の皆様の評価であり、支持の現れであるものと考えております。ただ一方、他の候補者への投票総数七万一千八百一票という数字につきましては、謙虚に受け止めなければならないものと考えております。
 なお、選挙戦を通して感じましたことは、中山間地の高齢者の方々の関心が高かった一方で、若い人たちが政治と自分の生活との関わりを希薄に思っているのではないかということでございます。選挙中も信州大学を初め学生の皆さんと若い人たちともゆっくりお話をしましたけれども、どうしても選挙の傍観者としてなっていると。将来、自分に関わることだということをよくお話をし、また今後も若い人たちともお話をしてみたいというふうに考えております。
 私といたしましては、市政を広く見渡し、市民の皆様との対話を重視し、できるだけ多くの市民の皆様との対話の機会を設け、多様な市民の皆様への思いへの配慮を十分に尽くしながら、今後の市政運営に当たってまいりたいと考えております。

 次に、憲法と地方自治の精神が生きる市政運営についてお答えします。
 政府は、去る十月一日の閣議において、種々の経済指標を確認し、経済状況等を総合的に勘案した上で、予定どおり来年四月から消費税率を五パーセントから引き上げ、八パーセントとすることを決定しました。多額の長期債務を抱える我が国にとりまして、財政を再建し、厳しい歳出削減などにも取り組む必要がありますが、今回の消費税の増税は、持続可能な社会保障制度の確立を図るため、安定した財源の確保に向けて踏み出した確かな一歩であると考えております。
 また、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案、いわゆるプログラム法案が去る十一月十九日、衆議院で可決後、参議院に送付され、今国会で成立する見通しであります。この法律により、受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度の確立を図るため、少子化、医療、年金、介護など、各分野についての改革が推進されるものと考えております。
 私の市政運営についてでございますが、憲法が定める地方自治の本旨に基づき制定された地方自治法において、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものと規定されている地方公共団体の役割を果たすべく、自ら先頭に立ち、市民の皆様と力を合わせ、民間感覚を持って人にやさしい市政を目指すことはもちろんのこと、「市民と共に笑顔あふれる県都・長野」をつくってまいる所存でございます。

 次に、特定秘密保護法案についてお答えをしたいと思います。
 私は、国の安全保障に関する情報のうち、特に秘匿が必要な情報については、漏えい防止を図るための法整備を行うことは、国及び国民の安全の確保を図る観点から必要であると考えております。
 なお、この法案については、国民の間にも多くの議論があることから、今後、特定秘密の範囲を初め、特定秘密の指定等を検証する、いわゆる第三者機関の在り方や適正な運用方法の確立など、国民の不安や懸念を払拭し、国民の理解が得られるものになるよう、十分に審議を尽くす必要があると考えております。

 次に、廃案を国に求めるべきとの御質問ですが、国会において、国の安全保障上の秘密保護の必要性と、情報を広く国民に公開することの必要性、また国民の知る権利との関係など、様々な観点で審議していることから、引き続き審議内容を注視してまいります。

 次に、法案が成立した場合の本市の情報公開制度への影響についてでございますが、防衛、外交など国の特定秘密に当たる情報を本市が保有することは想定していないことから、現時点では、通常の市政運営における情報公開制度について、特に影響はないものと考えております。

 次に、消費税増税についてお答えします。
 消費税率の引上げは、今後の社会保障に係る安定財源の確保と財政健全化の同時達成を目指す、社会保障・税一体改革を確実に実現するためであり、消費税は、地域的な偏在が小さいことから、最も適切で有効な財源であるものと考えておりますが、引上げのタイミングなど、社会経済に懸念があることも事実であります。
 そのため、政府では、消費税率の引上げによる反動減を緩和し、景気の下振れリスクに対応するとともに、その後の経済の成長力の底上げと好循環の実現、持続的な経済成長につなぐための経済対策パッケージを打ち出し、その一環として競争力の強化策、高齢者・女性・若者向け施策、復興、防災・安全対策の加速から成る五兆円規模の新たな経済対策を策定することとされています。
 また、市民税非課税者と六十五歳以上の老齢基礎年金受給者等に対しては、臨時的な措置として簡素な給付措置を導入するとともに、年収約五百万円以下の住宅購入者に対し、住宅取得に係る給付措置を実施するなど、家計への影響にも一定の配慮がなされているものと認識しております。
 まずは、早期のデフレ脱却と経済再生に向けた道筋を確かなものとし、財政健全化を進めていくことが急務であり、消費税率の引上げが、そのための推進力となることを期待しております。
 消費税の増税分が、国全体で一パーセント当たり二・七兆円と試算しますと、市民一人当たりの消費税増税分の負担額は年間六万円程度になると思われます。また、長野市財政への影響額においては、引上げによる駆け込み需要や買い控えといった消費動向等を考慮せずに試算した場合、法人等の決算時期と地方消費税交付金の交付時期のタイムラグ等があることから、平成二十六年度は、前年度予算比で約二億円増収となる約四十三億円を見込んでいるところでございます。

 次に、脱原発をめざす首長会議への参加についてお答えします。
 脱原発をめざす首長会議に参加してはどうかとの御提案でございますが、私は、原子力発電の是非については、電力の安定供給、電力料金の安定に大きな役割を果たしていることも踏まえつつ、今後の国全体のエネルギー政策の在り方や、地球温暖化への対策などの様々な課題を更に十分に議論し、判断していくことが必要であると考えております。このため、できるだけ早期に原発をゼロにするという方向性を持ち、活動する同会議への参加は、現時点では予定しておりません。

 次に、柏崎刈羽原発の再稼働に反対の立場を表明すべきとの御質問でございますが、この問題につきましても、電力の安定供給の確保を初め、様々な課題を検討した上で結論を出すことが必要と考えております。現時点での賛否の表明は考えておりません。
 なお、本市におきましては、昨年九月に策定した地域防災計画において、新たに原子力災害対策計画を盛り込み、万一の原発事故等に備えているところであります。
 今後も、国の原子力災害対策指針や長野県防災会議の原子力災害対策部会及び同作業部会での検討状況に注目しつつ、本市の対策をより充実してまいりたいと思います。

 次に、若者の雇用問題についてお答えをしたいと思います。
 私は、企業経営者として、希望と夢を抱いて入社してくる若者は、それぞれの職場を元気に、そして明るくする宝石の原石だと考えております。しかし、その原石を磨いて宝石にするのも、ただの石にするのも、それぞれの職場と新入社員自身の双方の努力が不可欠で、具体的には、職場の人材育成と社員の自己研さんが必要であると考えております。
 企業が経済のグローバル化等の環境変化に対応する中、非正規雇用の労働者の増加がクローズアップされていますが、国の調査では、国全体の正規雇用の労働者数は二〇〇〇年代半ば以降、大きく減少しているわけではないという統計が出ております。
 非正規雇用の増加は、産業構造の変化、具体的にはサービス業等の第三次産業の増加により、多様な働き方が求められ、非正規雇用の需要が高まったことが要因の一つと考えられております。
 お尋ねの若者の使い捨てが疑われる企業、いわゆるブラック企業についてですが、国が長時間労働の抑制に向けた取組を強化し、九月には、全国一斉電話相談や、若者の使い捨てが疑われる企業等への、労働基準監督署の集中監督指導を実施したとのことでございます。
 また、本年四月から労働契約法の改正により、非正規雇用者は、雇用契約の更新により、通算五年を超えた場合は、雇用期間の定めのない雇用契約への転換が可能となり、非正規雇用者の雇用の安定が図られるとともに、企業にとっても人材の確保、定着等の効果が期待されております。
 このように労働政策は、企業活動の規模が国全体であり、社会保障と密接に関係しております。御質問の企業に対する行政指導を行い、企業、経済団体に要請することについては、現在、国の権限においてなされておりますが、今後、国や法改正の動向を見極めながら対応してまいりたいと考えます。
 本市としては、変化する経済情勢や産業構造等の将来を展望する中で、労働施策を推進していく必要があると考えていることから、各産業間で横断的に検証し、労働施策を展開していくことが効率的であると考えるため、当面は産業政策課の中で更に労働行政の強化を図ってまいりたいと思います。

 次に、大規模プロジェクトの事業の見直しと財政運営についてのうち、プロジェクト事業最適化検討委員の助言、指導についてお答えします。
 プロジェクト事業の検証でありますが、議会で御承認いただき、また、ごみ焼却施設やその関連施設のように地元合意の下で建設を進めているものもありますので、事業の可否を含めた見直しを考えているものではございません。
 プロジェクト事業の検証につきましては、将来の世代が過度な負担を負わないよう、施設内容の中に無駄はないか、ランニングコストの低減を中心に、より一層の使いやすさ、利便性の向上が図れないかという観点から検証を行うものでございます。しかしながら、庁舎・市民会館周辺整備のように、まだ全体計画が決まっていないものについては、十分に精査してまいりたいと考えております。
 また、プロジェクト事業最適化検討委員についてでございますが、施設内容等についての助言、指導を施設の建設等に高い知識と経験を要する方にお願いすることから、公募は考えておりません。
 情報の公開についてでございますが、施設ごとに検証結果がまとまった段階で、公表してまいりたいと思います。

 次に、子ども支援部新設と子供の権利条例制定についてお答えします。
 子ども支援部については、私の市長就任に当たっての公約であり、早急に取り組む必要があると考えたもので、現在、来年四月の組織新設に向けて、子ども支援部に集約する業務範囲などの調整を進めております。
 具体的には、保健福祉部、教育委員会から福祉、保健、教育の分野の子供に関係する業務を移管する予定ですが、組織体制の検討に当たっては、子供やその保護者にとって利用しやすい組織づくりを念頭に検討を進めております。
 また、障害者団体などの関係団体の意見をお聴きする中で、子供の発達に不安を抱える保護者の方から、ライフステージごとに相談窓口が変わる、適切な相談窓口にうまくつながらないなどといった声がございます。
 このため、子供に関する相談を最初に受け止め、相談の内容により必要に応じて関係部署との調整を行う子供に関する総合的な相談窓口を設置し、部署や担当間で十分に情報伝達や連携が行える体制としていきたいと思います。
 次に、子供に関する条例の制定については、新年度設置する子ども支援部において所管する予定ですが、新たな子ども・子育て支援事業計画の策定への取組などとともに、結婚、妊娠、出産、育児の切れ目ない子供・子育て支援の総合的な施策の充実、強化を図る中で検討してまいりますので、御理解をお願いいたします。


◎総務部長(寺田裕明)
 私から、新第一庁舎及び新長野市民会館の建設事業についてお答えいたします。
 両施設につきましては、本年八月の臨時会におきまして、本体工事九本の契約締結を御承認いただき、工事に着工したところでございますが、全国的な建設需給のひっ迫や職人不足などにより、本年度の建設労務単価が大幅に上昇したことに伴い、国が全国に通知した労務費の特例措置について、対象工事の事業者と協議いたしました結果、労務費の増加分が合計二億三千三百万円となりましたことから、本議会において、本体工事に係る債務負担行為限度額の変更をお願いしているところでございます。この労務費増加分を加え、これまで百五十一億円としていた建設事業費は百五十三・五億円になる見込みでございます。
 お尋ねの全体計画と総事業費でございますが、本体工事完了後に、既存の第一庁舎の解体工事とロータリーや植栽、広場等を整備する外構工事、またじゅう器等の備品購入を予定しており、これらはお示しした事業費において計画しております。併せまして、周辺整備事業として、立体駐車場の整備、周辺道路の整備、第二庁舎のレイアウト変更に伴う改修、駐車場有料化整備の四項目を予定しており、これらはお示しした事業費には含まれていないため、それぞれの整備の規模や形状等を検討した上で、具体的な内容と費用をお示ししてまいります。
 本事業につきましては、市長から立体駐車場を平面にしてイベントスペースが確保できないかなど、今後行うことになる周辺整備の部分で見直す箇所がないか検討を指示されており、見直しの具体的な内容や課題について検討に着手したところでありまして、見直しにより来庁者や利用者に影響がないかどうかを含め、新たに設置するプロジェクト事業最適化検討委員の意見や助言も頂きながら、検討してまいります。
 なお、現在、労務費の上昇や資材の高騰により、全国的に工事の入札不調は依然続いておりまして、御指摘のように、今後オリンピック関係の工事や震災復興等により、職人不足、資材高騰など、建設需給が更にひっ迫し、事業費が上がる可能性も否定できないわけでございますが、現時点では具体的に見込むことができないため、影響が明らかになった時点で議会に御相談したいと考えております。

◎地域振興部長(西沢昭子)
 私から、都市内分権についてのうち、まず支所の権限と職員体制の拡充についてお答えいたします。
 支所は、住民に一番近く、窓口サービスに加えて、地区のまちづくりや緊急時の防災拠点としての役割があり、大変重要な施設であると考えております。
 支所長には、地域の声をよく聴くとともに、地域住民の先頭に立って地域のPRを進めることなどによって、地域を元気付けていくよう指導をしているところであります。
 支所のうち旧一表と旧二表、連絡所と合併支所で職員体制や予算執行などに差異が生じております。これは、その立地ですとか、管内の状況等、これまでの経緯によるものでございます。支所は、地域の活性化のため、住民自治協議会と連携し、地域のマネジメント機能を発揮するために、まず本庁との連携の強化や迅速な判断ができる体制を構築していくことが重要であります。
 支所長の権限強化につきましては、現在の人員体制を維持する中で、地域の課題に臨機応変に対応できる手法について、地域の実情を知る支所長とじっくり相談しながら、支所の体制の整備充実を図ってまいりたいと考えております。

 続きまして、中山間地域の地域振興についてお答えいたします。
 やまざとビジネス支援補助金制度を検討していく上で、基本としたことは、従来の延長線上での施策の拡充だけではなく、提案者の自由な発想により、今までになかったような斬新なアイデアを発掘していくことを念頭に置き、応募者についても市民に限定することなく、広く募集してまいりました。
 そのような中で、地域との連携体制につきましては、いわゆる努力義務として盛り込んでおりました。
 来年度からは、本年度の状況を参考に事業採択に当たっては、まず二次審査で内定した事業の該当地域での説明会を行うことといたします。次に、住民自治協議会から事業が地域にもたらす影響等を御検討の上、意見書を提出していただきたいと考えております。そして、市は、その意見書を受け、最終的に事業の採択を決定してまいります。
 このような見直しを行うことで、地域との連携を一層進め、真に地域に必要とされる事業の採択を行ってまいりたいと考えております。したがいまして、飯綱高原の事業につきましても、この見直したルールに従い、審査等を行うようになります。
 いずれにいたしましても、今年度から始めたばかりの補助事業でありますので、地域の皆様の御意見などをお聴きする中で、より良い補助制度としてまいりたいと考えております。

◎保健福祉部長(駒津善忠)
 私からは、子育て支援と福祉行政についてお答えをいたします。

 まず、子育て支援のうち、子供の医療費無料化の対象年齢の拡大につきましてお答え申し上げます。
 県内他市の状況を見ますと、原田議員さん御指摘のとおり、十九市のうち長野市だけが小学生までの給付対象であることは承知しておるところでございます。福祉医療制度の財源は県補助が二分の一でございますが、補助の対象年齢は、入院が小学校三年生まで、通院につきましては小学校就学前までとなっていることから、最近の対象年齢の拡大に伴い、市単独費が増えている状況にございます。
 御質問の所得制限なしで中学三年生まで拡大した場合ですが、受給資格対象者数はおよそ九千八百人、給付額は約一億一千二百万円を見込んでおり、ここに毎年の経常経費として、医療機関への事務手数料などが必要となり、さらに拡大する初年度におきましては、システムの改修費用などが見込まれ、合わせて初年度では一億五千万円弱の事業費が見込まれます。拡大した場合は、この金額全てが市単独費となるわけであります。
 なお、県補助の拡大については、以前から市長会等を通じ強く要望しておりますが、大変厳しい状況となっております。
 御質問のあった中学生までの拡大につきましては、今後も調査を進め、来年四月の新設に向けて検討されている子ども支援部におきまして、財政状況や所得制限の在り方、さらに具体的な開始時期など様々な課題について検討を重ね、結論を出してまいりたいと考えております。

 次に、福祉行政についてのうち、生活保護についてお答えいたします。
 生活保護事務においては、これまでも相談員、ケースワーカーがその方のお話を十分お聞きする中で、世帯の状況を把握し、保護申請となってまいりますので、今後も法令にのっとり適正に事務を遂行し、丁寧な窓口対応に努めてまいります。
 生活保護法改正につきましては、今国会に提案され、十一月十三日に参議院で可決され、現在、衆議院で審議中でございます。改正案の中で、申請は書面を提出することや保護申請に必要な書類を添付しなければならない規定が設けられておりますが、現在も事情がある方について認められております口頭申請についても、従来同様に認めることとする予定であり、改正法案は、特別な事情があるときはこの限りでないと加えられており、基本的には、これまでの取扱いと変更がないものと考えております。また、改正法案には就労自立給付金等の就労・自立の促進に関する改正も含まれており、国会の推移を見守ってまいりたいと考えております。
 保護基準の引下げで影響が出ると考えられる制度につきましては、国の就学援助を初め国の制度も含め三十五ほどございます。
 就学援助につきましては、教育次長から答弁を申し上げます。

 次に、老人憩の家の統廃合についてお答えいたします。
 老人憩の家では、六十歳以上の市民の方に浴場や広間等でくつろぎながら交流をしていただいております。一方で、老人憩の家の年間利用者数は年々減少傾向が続いており、平成二十四年度の利用者数は十九万六千六百三十八人で、平成十八年度の利用者数二十三万二千八百九十九人と比較いたしますと、約三万六千人、十六パーセントほど減少をしておる状況でございます。
 平成二十五年三月から一か月間、利用者アンケートを実施し、千四百五十人の利用者の方から回答を頂きました。このアンケート結果によりますと、利用頻度が二日に一回以上の方は八百十九人で五十六パーセントを占め、このうち、毎日利用されている方は百七十四人、二十一パーセントと、利用者が固定化している傾向であることが分かりました。
 また、茂菅、若槻、新橋の憩の家につきましては、耐用年数を超過しており、設備の老朽化も進んでおります。さらに、昨年度、旧耐震基準である若槻、新橋の耐震診断を行ったところ、補強が必要という結果も出ております。この他にも、茂菅と若槻の一部の箇所につきましては、土砂災害特別警戒区域に、新橋の一部の箇所は土砂災害警戒区域に指定されている状況でございます。特に、特別警戒区域内は、土砂災害防止法によりまして、衝撃に対して安全な外壁にすることや、急傾斜地の場合は、建築物の間に鉄筋コンクリート造の塀等を設置することなどの費用負担が必要となってまいります。
 これらの課題に対する対応策を検討するため、長野市社会福祉審議会老人福祉専門分科会の委員の皆様に施設の現状を把握していただくため、現地を視察していただいたところでございます。また、来年度は、次期の第七次長野市高齢者福祉計画の策定年度に当たることから、老人憩の家の今後の在り方について、長野市社会福祉審議会で審議いただくことを予定しております。
 なお、在り方を検討する際には、高齢者実態調査や利用者アンケートによりまして、市民の皆様や憩の家の利用者の皆様に御意見を頂きながら、進めてまいりたいと考えております。

 続きまして、福祉灯油の支給についてお答えいたします。
 本市では、平成二十年一月から三月にかけまして、生活保護受給世帯や市民税非課税世帯で、かつ、七十五歳以上の高齢者のみの世帯、重度の心身障害者のいる世帯などに対しまして、灯油等購入費助成事業を実施いたしました。その際は、急激な原油価格の高騰が国民生活を直撃したため、国が緊急対策の基本方針を示し、国からの財政支援を受けて実施したものでございます。
 当時の灯油価格は、その前の年と比較いたしまして、シーズンで一世帯平均一万円を上回る急激な負担増となったものでございます。
 それに対しまして、近年、高値は続いておりますが、現在、灯油価格は安定しており、この価格が今期も続いたとすれば、今シーズンは、昨シーズンの平均価格と比較いたしますと、三千円弱の負担増と見込まれるところでございます。
 このように、急激な負担増ではないこと、また国からの支援方針が打ち出されていないため、市単独での助成は予定しておりませんが、今後も国の動向等を注視してまいりたいと考えております。

◎環境部長(小林博)
 まず、大規模プロジェクトの見直しと財政運営についてのうち、長野広域連合が計画しているごみ焼却施設の灰溶融施設についてお答えを申し上げます。
 灰溶融施設は、焼却灰を溶融処理し、容量の減容化による最終処分場の延命化、ダイオキシン類等の低減、また路盤材活用などの資源化などの効果があり、必要性についてはかねてより議会及び説明会等で説明をしてまいりました。
 灰溶融炉を設置しない事例としましては、民間を含む他の施設での溶融やセメント原材料などへの資源化、十分な埋立量を有する最終処分場の確保などによるものがあります。また、建設計画中止につきましては、諏訪南行政事務組合や川崎市、長崎県壱岐市などの事例を把握しておりますが、いずれも最終処分場の確保や焼却灰の外部処理など、安定した処理が担保されたものによるものでございます。
 また、御質問の中にありました京都市が設置を中止したロータリーキルン式灰溶融施設は、炉を回転させながら石油等の燃料を使用し、焼却灰を溶融するもので、把握した範囲では、ごみ溶融施設での採用事例は、全国で五か所のみでございます。
 一方、長野広域連合が計画しております施設は、炉を固定したまま、ごみ焼却により得られた電気により溶融するもので、国内で最も多く採用されている方式であります。また、焼却設備と溶融設備を分離した方式であり、両設備が一体のガス化溶融炉と比べ、万が一のトラブルにも両機能が停止するリスクを回避できる他、焼却灰を溶融せずに直接セメントの原材料として資源化することも可能であります。
 なお、京都市ではその後ですが、直営と広域二つの最終処分場の確保により、安定的な灰処分が可能なことから、方針の変更に踏み切ったとお聞きしております。
 また、灰溶融炉施設の事故は、昨年までの過去十か年で十八件の事例を把握しております。把握した範囲ですが、その主な原因は、溶融炉の構造や材質に起因するもの、人為的な操作ミスによるものなどで、いずれも原因が究明されております。また、平成十九年度以降の五年間に本市に計画の溶融炉と同じ方式により稼働した日量五十トン以上の処理能力の十施設では事故事例の報告はなく、安全性は確実に確保されていると考えております。
 なお、須坂市に計画の最終処分場は、溶融スラグによる埋立てや施設規模を前提として地元協議を行っており、仮に焼却灰のまま埋め立てることになりますと、計画している使用可能年数は半減し、新たな処理方法の検討が必要となってまいります。
 ごみ処理施設の整備に当たっては、経済性だけでなく、最終処分も含めた総合的な視点で判断すべきであり、現行のごみ処理広域化基本計画に基づき進めていくことが最良であると考えております。

 次に、三登山の産業廃棄物につきましてお答え申し上げます。
 長野市坂中地籍にあります株式会社ホンダ開発の事業地において、かつて解体業を営む同社の前身であるホンダ工業による自社廃棄物の埋立処分が行われました。昭和六十二年から埋立てが開始されましたが、当時の廃棄物処理法では、埋立面積が三千平方メートル未満の安定型最終処分場については、届出や許可は不要であり、平成十一年に長野市が中核市となり、長野県から廃棄物関連事務が移管される際には、届出義務のない安定型のミニ処分場として、法的に問題のない状態であり、また埋立ては既に終了したものであります。
 当時埋め立てられたものは、家屋解体で生じた廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、瓦れき類の安定五品目と言われる廃棄物であり、これらは埋立処分後も生化学的に安定しているものであることから、周辺土壌や地下水への影響は極めて少ないと考えております。
 したがいまして、敷地内でのボーリング調査、土壌検査につきましては、現状では必要がないものと判断しております。また、平成十一年から現在まで継続して実施しております周辺の湧水等の水質検査は今後も継続し、地下水汚染の監視を行ってまいります。
 なお、これまでの水質検査では、有害物質等は検出されておらず、また、地下水汚染の指標となります水質項目についても、その数値に経年変化はなく、異常は認められておりません。
 住民による事業地への立入要望につきましては、施設が所在する坂中区は、事業者との協定により施設への立入検査を行っておりますが、監視指導する市職員であっても、法で定める範囲において立ち入ることが認められているものであり、それ以外の者については事業者の了解がなければ、その土地や施設に立ち入ることは困難であると考えております。
 このようなことから、坂中区以外の地域の住民の立入りの要望については、市が実施しております水質検査の結果や立入検査の状況を説明会などで御報告させていただきたいと思います。
 今後も、継続して立入検査や水質検査を実施し、積極的な情報公開に努めてまいります。

◎農林部長(三井和雄)
 農業問題についてお答えいたします。

 初めに、TPP参加反対を国に強く要請することについてであります。
 安倍首相が本年三月にTPPの交渉参加を表明して以来、聖域としている農業分野の重要五品目を関税撤廃の対象外とすることを前提とし、七月から交渉を開始し、その後、協議が重ねられております。
 この中で、先月下旬、ソルトレークシティで行われた交渉参加十二か国の主席交渉官会合においては、関税撤廃を含めて極めて高い水準の自由化を求めている米国との協議がにらみ合いが続いている状況であり、日米間の対立が激しいことが明らかにされております。
 また、数値や品目は公表されておりませんが、日本の関税撤廃、削減など、品目ごとの扱いを示す提案--いわゆるオファーに対し、各国の要求--リクエストがそれを上回っているなど、日本の農業分野に対する自由化圧力が高まっていることが示唆されております。
 報道によりますと、米国は重要五品目についても猶予期間は設定するものの、関税撤廃を求めているとのことですが、交渉内容の詳細については明らかにされておりませんので、今後の展望は不透明と言わざるを得ない状況であります。
 この交渉の年内妥結を巡り、最大の山場とされるシンガポールでのTPP閣僚会合が目前に迫っており、農業関係者等が懸念している合意に一気に近づく可能性もあることから、これまで以上に交渉経過を注視しながら、TPP参加断念を国に求めるべきか判断してまいりたいと考えております。

 次に、国の農業政策と中山間地農業についてお答えいたします。
 まず、地域奨励作物支援事業ですが、本事業は平成十六年度から、一つとして農地の遊休荒廃地化の防止、二つとして食料自給率の向上、三つとして地産地消の推進を主たる目的として、平成二十二年度からは、国の交付金と合わせ、水稲並みの所得確保による農業者の経営安定のために、小麦、大豆、ソバを奨励作物として、出荷量に対し奨励金を交付してまいりました。
 国の交付金である経営所得安定対策について、十一月二十六日に、平成二十六年度以降の制度設計の全体像、農政の改革方向に関する資料が示されました。それによりますと、産業政策として担い手の経営安定を確保することを目的に、平成二十七年産から交付対象を認定農業者、集落営農、認定就農者に限定して交付されることとなります。
 これにより、当市が本事業により実施してまいりました、対象作物を販売している農家には国の交付金と合わせた水稲並みの所得確保、という枠組みを維持することは非常に難しくなってまいります。
 今後、新しい経営所得安定対策の内容を十分に精査し、その上で地域奨励作物支援事業の在り方について検討してまいりたいと考えております。

 次に、新規就農者支援事業の充実についてですが、市独自の事業として、就農促進奨励金と新規就農者支援事業、また国の青年就農給付金事業、この三事業により行っておりますが、国の制度内容が充実していることから、できるだけそちらへ誘導をしているところでございます。しかし、とはいえ、国の制度は親元での就農の場合、給付対象とならないため、全国より、この要件の見直し要望が数多く寄せられたことから、国では要件緩和を現在、検討しているところでございます。その他にも、新規就農者を確保するため、市単独事業として農業機械購入への補助や営農資金借入れへの利子補給などの支援を行っております。
 今後も関係機関と連携し、新規就農者の確保、支援に努めてまいります。

 次に、野生鳥獣対策でございます。
 猟友会や電気柵への助成の充実につきましては、現在、駆除、個体数調整などに対する捕獲報奨金の交付やライセンス取得への補助などによる猟友会への支援、また、電気柵、防護柵の設置については、購入経費の十分の四を地区の有害鳥獣対策協議会に補助するなど、支援を行っております。また、市域が広範囲にわたる本市では、地域ごとに被害の状況も違うため、それぞれの地域に合わせた対策が必要となります。
 野生鳥獣には、ニホンジカのように行動範囲が広く、市町村域を越えて移動する獣種もおりますので、県の野生鳥獣被害対策チームと連携し、市町村域を越える広域での野生鳥獣被害防止対策についても、効率的な方法を研究してまいります。
 処理施設の拡充についてですが、若穂地区の野生鳥獣食肉加工施設につきましては、事業計画、設計、建設を全て地元事業住民が行い、地域が一体となって施設の運用をしております。そのような体制が整い、要望があった場合には支援を検討してまいりたいと考えております。
 また、ジビエの販売体制につきましては、現在、JAグリーン長野が中心となり、国の補助事業である食のモデル地域育成事業を活用し、ジビエの商品開発、マーケティング、ジビエの販路拡大、PR等の事業を進めているところであります。
 本市としては、国の補助事業が開始されて一年程度が経過する来年九月頃をめどに、施設の運営状況、ジビエの販路及び消費状況、野生鳥獣の捕獲状況などの検証を行い、今後の在り方について検討してまいります。

 次に、農商工連携につきましては、長野市地産地消推進協議会及び長野市農業公社と連携し、ホテル、飲食業などの実需者と生産者の情報交換会を開催するとともに、県が開催するマッチング商談会への積極的な参加を生産者に働き掛けております。
 また、六次産業化につきましては、県が窓口となり、国の六次産業化法に基づく各種制度により支援を行っており、市内でも八事業者の計画が認定を受けております。
 本市の支援策としましては、農産物加工施設等支援事業及び農産物直売所支援事業により、農産物加工による高付加価値化や直接販売による農業所得の向上を図っているところでございます。
 さらに、研究機関などとの連携につきましては、農業委員会からの建議もあり、生産から加工、販売まで含めた新たな商品開発及びその原料となる農作物の発掘などについても、研究を進めてまいりたいと考えております。

 次に、学校給食センターでの地場産農産物の利用拡大についてお答えいたします。
 まず、農協との協議についてですが、契約栽培方式による地場産農産物の利用拡大に当たりましては、安全性、品質管理及び必要量の確保といった面から、栽培指導を行える技術員がおり、集出荷体制が整っている農協の関与は不可欠と考え、各農協に契約栽培導入に当たっての課題、問題点の洗い出しをお願いをいたしました。それを受け、十一月二十一日に市農業政策課と両農協担当者による契約栽培導入のための検討会を開催し、協議を行ったところでございます。
 この結果、契約栽培導入に当たって、安全・安心な農産物の確保を前提として、その適正な価格の決定方法や、納入時期や数量の把握から生産者への栽培依頼、実際の納入までの進め方、また必要量が確保できない場合の農協間での連携、余った農産物に対する対応など、更に検討が必要となったことから、現在、再検討をいただいており、これにつきましては、年度内の取りまとめを目指しております。
 今後、検討案がまとまり次第、教育委員会と農協との協議の場を設け、適正かつ安定的な契約栽培方法の導入に向け、調整してまいります。

 次に、給食現場と生産者との情報共有についてですが、十月十一日には、長野市と長野市地産地消推進協議会の共催により地場産食材への理解を深めていただくため、給食センターや保育園の栄養士等と農協や生産者との懇談会及びほ場視察を実施したところでございます。
 今後とも、市内産農産物の収穫時期や生産量、給食センターが必要とする品目、規格などについて情報を共有する場を設け、事業者と生産者の相互の理解を深めていただくことにより、地場産農産物の利用拡大の推進を図ってまいりたいと考えております。

◎教育次長(藤沢孝司)
 私から、第四学校給食センター建設中止についてのうち、順次自校方式に移行することにつきましてお答えを申し上げます。
 まず、高崎市の取組をどう受け止めるかとの御質問でございますが、給食施設の整備方法につきましては、各自治体の判断で進められるもので、本市といたしましては、調理、消毒、洗浄、職員体制など、あらゆる面で効率的に運営でき、衛生管理においても質の高い設備が整備できるとともに、経済性を追求した施設整備が可能となる方式といたしまして、センター方式を基本とし、整備を進めるものでございます。

 (仮称)第四学校給食センターの建設につきましては、平成十四年に発生した腸管出血性大腸菌O26の集団感染事例の際に、国立感染症研究所から、現在の施設の規模に対して調理食数が過剰な状態との指摘を受け、調理食数の適正化を図るため、それ以来、調査検討を進めてきたところであります。
 市教育委員会といたしましては、調理食数の適正化を図るため、まず(仮称)第四学校給食センターを建設し、その後、老朽化の進んでいる第三及び第一学校給食センターを順次改築する必要があると判断したものであります。

 次に、給食施設の建設費や維持管理費の試算について、高崎市の例を挙げて御要望いただきました。このうち、維持管理費では、平成二十四年度決算額をベースに、本市の学校給食センターと共同調理場の一食当たりの経費で比較いたしますと、人件費を除く維持管理費につきましては、第一、第三、豊野の学校給食センターでは二億七千七百三十五万円となりまして、年間の提供食数は四十九校で四百九十万六千七百四十一食でございますので、一食当たり約五十六円となります。五か所の小規模な共同調理場、こちらにつきましては、電気料、上下水道料は、学校分との区分ができないことから、学校予算に計上されておりまして、共同調理場分の維持管理費に算入されておりませんが、維持管理費は千四百四十八万円で、提供食数は十校で十七万八千九百一食でございますので、一食当たり約八十一円となります。
 このように、共同調理場の方が給食センターに比べまして、一食当たり二十五円高く、大規模学校給食センターが提供している約四百九十万食の経費増分を単純計算をしただけでも、年間一億二千万円強の維持管理費の増ということになります。
 なお、建設費につきましては、また諸条件を勘案の上、試算をしてまいります。

 次に、市民の声を広く聴く機会を求めることにつきましてお答えをいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、センター方式による学校給食につきましては、平成十四年以来の長期にわたる検討を経て、議会の御了解もいただいておりますので、改めて現時点での意見聴取は考えてはおりません。御理解をお願いいたします。
 なお、現在、検討しておりますアレルギー対応食の提供につきましては、学校給食センター等運営審議会を初めとしまして、児童・生徒、保護者、また学校関係者の皆様の声を聴きながら進めてまいりたいと考えております。

 次に、大規模給食センターにおける学校給食のアレルギー対応と食育につきまして、お答えを申し上げます。
 現在の第一学校給食センター、第三学校給食センターは、施設が老朽化し、狭あいであるため、専用の調理室や調理器具等の施設整備ができないことから、アレルギー対応は困難な状況でございます。
 こうした中、学校給食におけるアレルギー対応は重要であると認識をしておりまして、(仮称)第四学校給食センターの建設に当たり、専用の調理室を整備する予定であることから、運営体制を含め対応食の実施に向けて積極的に検討してまいりたいと考えております。
 学校給食におけるアレルギー対応食の実施には、アレルギー物質の混入を防ぐため、通常食と完全に分離した食材の搬入、また食器の洗浄や消毒、職員の作業動線、また専用の調理室などが必要であることから、より安全で効率的な運営とあらゆる面で高度な管理が可能なセンター方式におきまして、十分に対応が図れるものと考えております。
 また、対応食の調理につきましては、直営においても、また委託においても、栄養士の管理、指導の下に的確な調理が行われることから、運営方式による違いはないものと考えております。

 次に、食育についてでございますが、学校への食育の導入は、社会の変化に伴い、家庭での食生活が変化してきたため、子供たちの食生活を健全なものにしようとするものでありまして、大切な取組であると認識しております。
 本市の学校での食育の推進は、学校ごとに食の指導に関する全体計画を策定いたしまして、各教科や総合的な学習の時間、また学校行事や学級活動などで指導をしております。その際、家庭や地域とも連携を密にする中で、児童・生徒への食に関する指導を計画的に行っております。
 その中で、学校給食は生きた教材として活用していただいておりまして、市の学校給食センターでは、特に収穫期である九月から十一月にかけて、地域食材の日というようなものを設けるとともに、季節や伝統的な行事に合わせた献立の作成、児童・生徒が給食献立の作成に関わるお楽しみ献立などによりまして食育の推進に取り組んでおり、自校方式でも、センター方式でも、果たす役割は同じであると考えておりますので、御理解をお願いいたします。
 食育の原点は、やはり家庭にあると感じております。昨今、学校での食育に重点が置かれがちでありますが、家族が食卓を囲んで共に食事をとるということを初め、改めて家庭での食育の推進にも目を向けるべきであると考えております。

 次に、長野市版放課後子どもプランの充実についてお答えいたします。
 総合的な放課後対策事業として推進をしております、長野市版放課後子どもプランにつきましては、希望する全児童の受入れを目標とし、まずは全五十五小学校区へのプラン早期導入を目指し取り組んでおります。現在は五十一校区で実施しておりまして、順次可能なところから、小学校施設を活用した放課後の居場所の拡充を図っております。
 児童の受入れに当たりましては、留守家庭児童の受入れを優先しておりますが、教室の保有数や使用状況、児童数の推移など、各小学校で異なることから、現在の受入状況でありますが、六年生までが二十四校区、五年生までは七校区、四年生までは十一校区、三年生までは九校区となっております。
 昨年成立しました子ども・子育て関連三法では、放課後子どもプラン関係のうち、留守家庭児童を対象とした放課後児童健全育成事業の対象学年について、これまでの三年生から六年生までに拡大することとされております。また、市町村は子ども・子育て支援事業について事業計画を新たに策定し、提供体制を計画的に確保していくことなどが責務とされました。
 これらを踏まえまして、本市では、現在、平成二十七年度からスタートする子ども・子育て支援事業計画を策定中でありまして、この計画の中で、法に基づく六年生までの留守家庭児童の受入れ目標を学校区ごとに設定し、計画的に拡充を進めることとしております。
 今後の更なる児童の受入れに当たりましては、放課後対策事業のための専用の教室を確保するだけではなく、放課後使用することの少ない特別教室などを利用することとしております。このため、引き続き学校の理解、協力を得て、学校施設を活用した更なる居場所の拡充を進め、新たに策定する子ども・子育て支援事業計画の下、留守家庭児童の受入れを優先しながら、長野市版放課後子どもプランの最終目標であります、希望する全ての児童の受入れを目指してまいりたいと考えております。
 放課後の居場所につきましては、今後も、既存の児童館、児童センターと学校施設を活用してまいりますが、活用に当たりましては、安全・安心を最優先しながら、少しでも快適な環境が提供できるよう、計画的な修繕、改修を行ってまいります。

 次に、福祉行政の生活保護に係るものの中で、就学援助につきましてお答えいたします。
 準要保護児童・生徒を認定する基礎となります生活保護基準の引下げは、平成二十五年八月に始まりまして、三回に分けて段階的に行われることとなっております。しかし、本市におきましては、平成二十五年度の就学援助については、国からの通知も踏まえまして、生活保護基準の引下げを準要保護児童・生徒の認定には反映させておりません。
 今回の引下げによる影響についてでありますけれども、本年度当初の準要保護児童・生徒数三千六百五十二人でありますが、これで試算いたしますと、引下げが行われた場合、平成二十六年度は当該児童・生徒数のうち約百二十人、三パーセント程度が就学援助の対象外になると思われます。

 平成二十六年度以降の準要保護児童・生徒の認定基準の設定につきましては、国や他市の動向を見極めた上で、また判断してまいりたいと考えてございます。

原田誠之
 たくさんあるんですけれども、再質問させていただきます。

 最初に、市長の特定秘密保護法案の問題で、大変気になる御答弁でありました。安全保障上は必要だと思っているということであり、さらに、いろんな問題があれば、第三者機関で対応をすればいいんじゃないかというふうなことを言われますけれども、第三者機関対応といっても、第三者機関を決める人を決めるのも国でありますから、本当にちゃんとチェックができるということは、あり得ないということであります。
 何よりもですね、これだけ短い期間--約一か月間の間にこの法案が浮上してから約一か月です。空前の反対の声があります。まず、なぜこうなっているのか、市長にお伺いしたいと思うんです。

◎市長(加藤久雄)
 原田議員さんから、先ほどの私の考えについて疑問があるということでございますが、先ほどお伝えいたしましたように、国の安全保障に対する情報のうち、特に秘匿が必要な情報については、漏えいを防止するための法整備を行うことは、国及び国民の安全の確保の点から必要であると考えております。
 この今の第三者機関も問題ではないかということでございますけれども、いろいろ申し上げていると全てが駄目になってしまう問題でございまして、個人情報保護法につきましても、やはり、どこまでが個人保護情報であるかということもございまして、なかなかそこら辺の特定が非常に難しいというふうに思っております。

          (「答えてない」と呼ぶ者あり)

◎市長(加藤久雄)
 なぜ、これだけの多くの反対が起きているかということでございますけれども、それは反対する方は反対されるということでございまして、これは、それ以上はございません。

原田誠之
 全く納得できないんですけどもね、いずれにしろ、学者、文化人、研究者、マスコミの皆さんも同じですけれども、最近は、国連人権委員会からも表現の自由を抑制するものだと、法案に疑義を呈し、法制定にブレーキをかけております。承知していますよね。
 それから、問題は、結局一部の政治家の恣意的判断で、秘密が際限なく広げることも可能と、さらに秘密を漏らした人も、知ろうとした人だけじゃなくて、そそのかし、先導、あおった人も罰せられる。つまり自民党の石破幹事長が言ったように、集会をやった、呼び掛ければ、それもテロ行為だということで、厳しい罰則規定にはまっていくというわけでありますから、本当に、これは基本的人権のじゅうりんと、暗黒社会になってしまうじゃないかということで、厳しい指摘があるわけでありますので、しっかりそのことを念頭に置いてもらいたい。併せて、今、余りにも強行しようとしていますから、野党七党みんなが、今まで賛成というような人も含めて、強行断固反対ということで結束をしております。是非、市長、そのことをよく念頭に置いて、改めて認識をしっかりしていただきたいというふうに思います。

 それから、若者の雇用の問題については、先ほど市長は、ブラック企業について明確なことは言いませんでしたが、今、非正規労働者がうんと多い、それはサービス業が多いというふうに言われましたが、現実は、例えば、トヨタ自動車も日産自動車も、大企業は抱えている非正規労働者は、三十五パーセントも抱えているんです。圧倒的にその部分、多いということも是非認識していただいて、この改善をしなきゃいけないし、結局労働者派遣法がこういうふうにされておりますし、市内で、現実に本当に安心して働くことができないような、そういう労働環境がありますから、これも、是非国のことだと言わないで、市民でありますから、しっかりやってもらいたいというふうに思います。

  
 あとの学校給食の問題でありますけれども、いろいろと御答弁いただきましたが、ちょっと数字について、改めてよく私も資料をもらって分析しないと、何とも言えませんけれども、ただいずれにしろ、第四学校給食センターを四十三億円も掛けてやるということでありますけれども、次に第三学校給食センター、第一学校給食センターの建替えも計画しております。ある意味で、ちょうどいい機会でありますから、是非これ、自校方式に移行できるよう検討をする必要あるんじゃないかというふうに思うんです。
 私ども日本共産党長野市会議員団は、一貫して中山間地から順次自校方式に移行せよという提案をずっとやってまいりました。多分承知はしていると思います。是非、今後、自校方式を視野に入れて、学校給食における長期のビジョンを示すべきじゃないかと思うんですけれども、その辺を含めて改めて見解を伺います。

◎教育次長(藤沢孝司)
 先ほど申し上げたとおり、基本的にセンター方式で進めていくということで長野市は考えておりますが、自校方式につきましても良さも多くあろうかなというふうに思っておりまして、その辺の良さにつきましては、十分センター方式の中でも生かしていくように心掛けていきたいというふうに考えております。

          (「中山間地」と呼ぶ者あり)

◎教育次長(藤沢孝司)
 中山間地の共同調理場方式でございますけれども、それは基本的には従前どおりの維持をしていこうというふうに考えございます。

原田誠之
 先ほど教育次長は、アレルギー対応については、現状ではできていないというふうに言われました。結局、大規模がゆえの問題だというふうに思いますけれども、これはもう第四学校給食センターを造ればいいという話にはなりませんので、一刻も早く速やかな対応をしなければいけないと、こういうふうに思いますので、是非よろしくお願いしたいというふうに思います。
 併せて、何はともあれ、これだけのいい機会でありますから、是非、高崎市は高崎市というふうには言わないで、詳細な検討をしてやってもらいたいと。これだけの一万二千食という大規模なものであるからこそ、余計に立派なものを造らなきゃならないという、こういうふうになると思いますので、改めてこの機会に自校給食への移行への対応を求めておきたいというふうに思います。

 それから、放課後子どもプランの問題でありますが、平成二十七年度からというふうに言われましたけれども、国の新法は今すぐと言っちゃいませんが、しかし、六年生まで事業を義務付けているのは、結局働くお母さん方がうんと増えていることもありますので、一刻も早く留守家庭については、その保障しなきゃいけないと、こういうふうに思います。
 私が言いたいのは、さっき計画を立てると言いましたが、本当に具体的に年次計画をしっかり立てていただいて、予算をつぎ込み、着実に前進できるように改めて確たる対応をできるように、御答弁を願いたいというふうに思います。

◎教育次長(藤沢孝司)
 放課後子どもプランにつきましては、先ほど法律も変わってきたということで、実際の施行については、まだ条件付きというようなこともありますけれども、いずれにしても、長野市とすれば、最終的には希望する全児童の受入れを目指すということでございますので、それに向けて着実に拡充してまいりたいと考えております。

原田誠之
 子供の医療費の問題でありますが、先ほど順次検討していくというふうに言われましたけれども、もう長野市以外全部、所得制限なしで実際にはやっております。長野市は大長野市でお金がないなんてことは言えるはずはありませんので、あえて所得制限を付けてやる必要は全くありません。
 市長も子供に対しては、本当にしっかりやっていきたいというふうに言っているわけでありますので、私は是非ひとつ県都長野市が模範を示すどころか遅れているわけでありますから、所得制限なしで医療費無料化を実現できるようにしていただきたいというふうに思います。
 それから、就学援助の問題でありますが、三千六百五十二人の準要保護児童・生徒がおられますけれども、そのうち百二十人、三パーセントが対象外となりますと言われましたが、これでは、当然、市教育委員会はこれに対する対応をするだろうと思います。しなきゃ、またならないというふうに思っておりますけれども、具体的に、その方向を明らかにしていただきたいというふうに思います。

◎教育次長(藤沢孝司)
 平成二十六年度以降の準要保護関係の認定の設定につきましては、国や他市の動向を見極めた上で、今後判断してまいりたいということでございます。

原田誠之
 先ほど農林部長は、地産地消の問題で対応すると言われました。これ確実に本当に、さらに福祉関係、病院関係含めて対応できるようにしっかりお願いをして質問を終わらせていただきます。

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