議会報告

2013年12月定例市議会 小林よしかず議員

議案第百五十四号工事変更請負契約の締結についての報告 反対討論

小林義和
 議案第百五十四号工事変更請負契約の締結について、長野駅善光寺口駅前広場整備工事でありますが、委員会での決定の時点で、私は追加資料等の報告の提出を要求し、その報告を精査、検証した上で、本会議の採決で最終的に判断をする旨、発言をしておきました。

 本日午前中の建設企業委員会委員長の報告では、この議案に対して事前の調査が不足していたのではないかとの意見がありました。今後、市においては、工事を行うに当たり、当初設計の段階から地質や周辺環境等の調査や経費の精査を十分行った上で、工法や工種を比較検討し、適正な事業費の見積りに努めるよう要望いたしましたという報告であります。この時点では、議論を集約した形で一定の議論の反映をして、良識的な、ある意味では厳しい指摘もされておりました。

 しかし、私、その後、要望していた資料等について提出された報告もありました。また、情報収集もした中で、総合的に判断をいたしました結果、私は改めて本議案には反対すべきという結論に達しまして、その立場を表明し、討論をしたいというふうに思います。

 委員会論議の中で、理事者からは新たに本整備工事発注に当たり参考にしたという駅周辺既存地質データ一覧及びデータ箇所の現場写真等の資料、親くい打設工法比較検討一覧表が提示をされまして、説明がされました。

 その内容は、仮設土留め工は巨石の破壊という土質状況、それから低騒音、省作業スペースなど、これらを主な理由にして、アースオーガー工法からアレックス工法に変更する。そのために二億二千七百万円の増額。地下通路解体方法は低振動、低騒音、低粉じんという、周辺環境に及ぼす影響を理由に大型ブレーカーからワイヤーソーマシンに変更すると。そのために八千万円の増額。融雪施設工は地下水量が確認できたことにより、工種追加で七千五百万円の増額。あとは労務及び材料単価の上昇と消費税率による変更で二千八百万円の増額。総額四億一千三十九万一千三百円、四十二・八パーセント、一・五倍近い大幅増額でありました。

 これは、事前に会派に説明のあったとおりだったわけですけれども、十二月六日の会派説明で庶務課の資料として出されたものがありましたけれども、そのときの変更理由は、設計時の調査結果を上回る大きな石が施工予定地に含まれていることが判明し、仮設土留めの施工方法が変更となったこと等に伴い、増額の必要が生じたものという形で記載をされておりました。

 しかし、委員会提出の新たな資料等による説明で明らかになったことは、設計時の地質調査といっても、実際には調査は行われず、駅ビルMIDORI、あるいはホテルメトロポリタン建設時の、これJR所蔵のものかと思いますけれども、そのデータ、それから東西地下道建設時、市の建設ですが、市所有のデータなどを参考にし、大きくても直径三百ミリ程度の玉石混じりのれき層しか存在しないとしておりまして、実際に主要な地下工事となる箇所、現在の長野電鉄地下駅と地上の駅前広場を結ぶ階段のある箇所、そして、東西地下道南側地点の新たに今度エスカレーターなどを設置する箇所ですけれども、この箇所の地質データは全く示されませんでした。存在していなかったということであります。つまり今回、玉石が出土した部分の地質データがないにもかかわらず、改めてその施工予定箇所の地質調査を行っていなかったこと。

 したがって、当初説明の設計時の調査結果を上回る巨石が施工予定地に含まれていることが判明したとする、この説明、記述は、事実と異なると言わざるを得ないこと。また、変更理由とされた低騒音や低粉じん、省作業スペースという条件は、今になって改めて現場の環境が変わったわけではなく、当初からこれは自明のことであったことなどであります。

 私は、このようなことが明らかになった下で、地質、土質データがないまま工事を発注し、掘ってみたら一メートルぐらいの玉石が幾つか出てきたから契約を変更し、工法を変えるとし、また低騒音、低振動、省作業スペースの問題も、これも当初から分かっていることですが、これもとって付けたような理由にしたことに対する疑問とともに、以前の長野電鉄地下駅工事は、公共工事の部分もあったことも指摘もしながら、本当に当時の地質調査データの存在を調査したのか、あるいは本当になかったのか、あったなら提示をしていただきたい。これらについて、本会議までに改めて報告を求めるという条件の発言を委員会でいたしまして、採決には参加をいたしました。

 そして、十二日になって理事者から、設計段階で事前に長野電鉄に確認したが、データがないとのことだった。十二日に再度長野電鉄技術部に確認したが、四十年以上経過しており、データは現存してないとの返事を受けたというメモが私ども議員にファクスされました。

 この委員会以降、改めて判明したことは何であったのか、私なりに整理しますと、一つは主要な工事部分の地質データがないまま、新たな地質調査もしないまま工事の入札を行ったということが明確になった。二番目は、長野電鉄地下化の工事は、地上に出る部分は県営工事だったと思うんですが、県の公共工事であるということでありまして、施工後は市に移管されたというような状況でありますが、県にデータがあるかもしれない。しかし、それは調査をしないままであったこと。

 さらに、今回の変更契約では、工期についても平成二十七年の三月十五日から三月三十一日に十五日間延長されている点なんでありますけれども、これについても理事者の説明など、調査もした中で、JRの駅ビル工事が遅滞しているために、広場整備工事の工期をぎりぎり三月三十一日まで延ばさざるを得ないという、そういうことが背景にあるということが判明をいたしました。
 工事費の高いアレックス工法にしたのであれば、十分、一メートルの玉石なるものに対応することができて、また大型のものじゃなくて、アレックス工法ですから、仮囲いの高さも現在のままで良いということになるので、むしろ私は工期は短縮されるのではないかというふうに考えざるを得ないというふうに思うんです。ところが、そうではなくて、工期が年度ぎりぎりまで延長されると、それであるならば、労務費などを初め工事費は、むしろそのことについても増額になると予想をされるというふうに考えました。

 こう考えて、実はJR駅ビル工事の遅滞という問題も、今回の変更契約の必要性のもう一つの重要な理由になっていたのではなかったかという臆測さえ禁じえないのであります。

 以上、申し上げましたですけれども、委員会論議終了後、明らかになったこういった今回の異常とも言える契約変更の背景を考察するならば、残念ながら本議案には賛成できかねるという結論に至ったわけであります。

 そこで、本変更契約議案については、私は委員会に差し戻し、新たな情報、資料を含めた再審査をすべきであるということを申し上げ、委員長報告への反対討論といたします。

 議員各位の賢明なる御判断を期待をしたいというふうに思います。

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