議会報告

2013年6月定例市議会 あべ孝二議員

経済文教委員会に付託されました諸議案並びに請願の審査の結果についての報告

◆経済文教委員会委員長・阿部孝二
 私から、本市議会定例会におきまして、経済文教委員会に付託されました諸議案並びに請願の審査の結果につきまして御報告申し上げます。
 審査の結果につきましては、お手元に配布されております経済文教委員会決定報告書のとおり決定した次第であります。
 次に、委員会において論議され、市当局に要望いたしました主なる事項等について申し上げます。
 初めに、議案第六十六号平成二十五年度長野市一般会計補正予算のうち、(仮称)長野市民文化芸術会館運営準備事業について申し上げます。
 本議案の審査に当たっては、経済文教委員会と市役所第一庁舎及び長野市民会館調査検討特別委員会との連合審査会を開催いたしました。本市議会においては、連合審査会の形態で議案の審査を行うのは初めてのことであり、(仮称)長野市文化芸術振興財団の設立に係る経費及び組織体制について質疑を行い、特に今後の財団の運営面について理解を深めることができました。

 続きまして、農林部、農業委員会の所管事項について、三点申し上げます。
 一点目は、ため池の耐震性の点検についてであります。
 市内には百八十八か所のため池があり、規模や災害時の周辺への影響を考慮し、優先度の高いものから、順次点検を実施していくとのことであります。平成二十五年度は、県で実施するものが三十四か所、国の補助事業を活用して市で実施するものが四十か所予定されており、平成二十五年度の補助事業となるよう調整中のものが三十七か所、平成二十六年度に実施予定のものが七十七か所ある、との説明がありました。
 点検を行った結果、措置が必要となるため池については、安全性を高めるため、速やかに対応するよう要望いたしました。
 二点目は、凍霜害等による農作物の被害への対応についてであります。
 四月二十一日から二十二日にかけて長時間にわたり氷点下となったこと、また、五月上旬までに何度か降霜があったことから、果樹を中心とした農作物に凍霜害が発生しました。五月三十一日時点では、市内の被害農家戸数は二千八十七戸であり、被害額は、ながの農業協同組合管内では五千四百四十二万円、グリーン長野農業協同組合管内では二億九千六百二十三万八千円、共和園芸農業協同組合管内では八百八十一万五千円で、被害総額は、約三億六千万円にのぼっております。
 さらに、ひょう害による農作物への被害も大きなものであります。
 農作物等の被害を受けた農業者が融資機関の農業災害対策資金を借り入れた場合に、被害農業者の金利負担の軽減を図る利子補給のみならず、燃焼材の購入費等に対する助成など、農業者のための柔軟な対応を要望いたしました。
 三点目は、野生鳥獣対策についてであります。
 野生鳥獣による被害は、今年に入り一層拡大しており、電気柵や防護柵による対策に加え、生息数を調査した上での個体数調整による対策が必要な状況になってきております。個体数調整を行うためには、猟友会の方々の協力が不可欠であります。長野市鳥獣被害防止計画では、狩猟期間中はイノシシ、鹿等は補助対象にならないと定められておりますが、野生鳥獣の個体数の減少につながるよう、狩猟期間中においても補助対象とするよう要望いたしました。
 また、芋井地区にある射撃場は、昭和五十九年に県が設置し、平成十四年に廃止したもので、平成十五年から長野地方猟友会が管理しております。射撃場の老朽化は著しい状況であり、県は、平成二十五年度から補助率二分の一、限度額二百万円とする施設整備の補助制度を施行したとのことであります。猟友会の方々が、今後も射撃の練習場所を確保できるよう、市としても、射撃場の整備に対する支援を検討するよう要望いたしました。

 続きまして、商工観光部の所管事項について申し上げます。
 産業集積と企業誘致についてであります。
 市では、企業誘致の積極的な推進による地域経済の発展と雇用の創出に取り組んでいるところであります。
 こうした中、東京都内に本社がある日本無線株式会社が、都内の工場を閉鎖し、その一部を長野日本無線株式会社の敷地内に移転する計画をしており、これにより約一千人の雇用が見込まれるとの説明がありました。移転に伴い、従業員の住宅の確保など、幾つかの課題もあることから、市としても、できる限りの支援を行うよう要望いたしました。
 また、産業団地については、川合新田産業用地が残る三区画のうち二区画の分譲が内定し、最後の一区画は商談中、また、綿内東山工業団地の最後の一区画、豊野東部工業団地の残る三区画のうち二区画については、それぞれ商談中とのことであります。引き続き、積極的に企業の誘致活動を行うよう要望いたしました。

 続きまして、教育委員会の所管事項について、三点申し上げます。
 一点目は、教職員の体罰についてであります。
 昨年、大阪市において、教職員から体罰を受けた男子高校生が自殺するという問題がありました。これ以降、教育現場における体罰は、社会的問題として大きな関心が寄せられています。このような中で、文部科学省が行った体罰の実態把握調査等により、本市においても、二十五件の体罰事案を把握したところであります。この事態を重く受け止め、体罰の根絶に向けた適切な対策を講ずること、また、教職員の資質向上に向けた研修等の充実を図ることを要望いたしました。
 二点目は、学校校庭への雨水の貯留についてであります。
 学校校庭への雨水の貯留は、小・中学校三十九校の校庭に一時的に雨水をためるものであり、雨水流出抑制を図る一つの方法であります。しかし、排水に時間が掛かったり、校庭に水たまりができ校庭の状態が悪化するなど、児童・生徒の校庭の使用に支障が生じることもあるとのことであります。学校校庭に雨水を貯留した場合の対応については、関係部局と連携を図り、排水後の復旧に要する費用の予算措置を講ずるよう要望いたしました。
 三点目は、小・中学校施設の耐震化についてであります。
 全小・中学校施設の耐震化の完了は、平成三十一年度までとのことでありますが、児童・生徒の生命を守るためには、小・中学校施設の安全を確保することが極めて重要であります。引き続き、積極的に耐震化事業に取り組み、できるだけ早期に全小・中学校施設の耐震化が完了するよう要望いたしました。
 続きまして、請願の審査について申し上げます。
 最初に、請願第八号「義務教育費国庫負担制度の堅持」を求める請願について申し上げます。
 本請願については、請願者の願意を酌み、全員賛成で採択すべきものと決定いたしました。
 次に、請願第九号「ゆきとどいた教育」の前進を求める請願について申し上げます。
 まず、採択すべきものとして、三十人以下学級を実施することにより、教育指導をする上でも、生活指導をする上でも、少人数の方がまとまりがよく、一人一人の面倒を見られるので、ゆきとどいた教育ができるとの意見が出されました。
 一方、不採択とすべきものとして、県では、国とは別に、三十五人以下学級を推進しており、今年度は中学校三年生まで拡大されている。三十五人以下学級の導入の成果を踏まえた上で、あるいは、検証を行った上で、三十人以下学級への移行を検討していくべきであり、時期尚早ではないかとの意見が出されました。
 以上の論議を踏まえ、採決を行った結果、賛成少数で不採択とすべきものと決定いたしました。

 次に、請願第十号「教育費無償化」の前進を求める請願について申し上げます。
 まず、採択すべきものとして、非正規労働者が全国で一千七百万人となり、所得の少ない人が増え、保護者は苦労して子供を学校に通わせている。教育費は、国が責任を持って予算化すべきである。奨学金制度についても、多くの国は、貸し付けて卒業したら返してもらうという日本のような仕組みではない。お金がなければ勉強できない、ということがないような教育環境をつくるべきだとの意見が出されました。
 一方、不採択とすべきものとして、奨学金制度については、新聞報道で、日本学生支援機構が奨学金の支給を見直すという記事があった。その主たる理由は、学ばない学生が多すぎるというものであった。やむを得ない事情がある学生がいる一方で、そうでない学生が増えているということであり、奨学金の支給の認定を厳しくする動向があるようだ。大学でも、ノートの書き方から教えるという状況があると聞く。全ての学生がそうではないことは承知しているが、総体として、この請願を採択することはいかがなものかとの意見が出されました。
 以上の論議を踏まえ、採決を行った結果、賛成少数で不採択とすべきものと決定いたしました。

 次に、請願第十一号地域高校の「三十人以下学級」を求める請願について申し上げます。
 まず、採択すべきものとして、市街地の高校を希望する生徒が大勢いる中で、中山間地域にある地域高校の存続が心配だと言われている。三十人以下でも勉強ができる仕組みづくりをしたいという請願であり、学校は地域を活性化する役割を持っているということも含めて、採択していただきたいとの意見が出されました。
 一方、不採択とすべきものとして、市内の地域高校で言えば、コース別では三十人以下となっており、ゆとりある教育になっている。本請願の内容は満たされており、現実にそぐわないのではないかとの意見が出されました。
 以上の論議を踏まえ、採決を行った結果、賛成少数で不採択とすべきものと決定いたしました。
 以上で報告を終わります。

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