議会報告

2013年3月定例市議会 野々村ひろみ議員

請願第四号難病患者への見舞金給付制度存続を求める請願を不採択とした福祉環境委員会委員長報告 反対討論

◆野々村博美
 請願第四号難病患者への見舞金給付制度存続を求める請願を不採択とした福祉環境委員会委員長報告に反対す
る立場から討論を行います。
 改めて、特定疾患患者等見舞金支給事業の見直しについて、一連の経過を調べてみました。
 まず、社会福祉審議会に諮問されたのが、昨年六月四日、平成二十四年度第一回審議会です。このとき、見舞
金支給事業を見直したいとする事務局説明に対して、社会福祉審議会の委員からは縮小の方向ではなく、拡大と
いう考え方が入っていかなければならないという意見が出されています。時代に合わないという一言を理由にす
るのではなく、利用者の状況を十分勘案して状況を踏まえた上で検討してほしいとも要望が出されました。これ
に対して事務局は、現時点では調査していない。障害者福祉専門分科会で指摘などあれば、検討していきたいと
答えています。
 そして、この審議会に引き続き開催された第一回障害者福祉専門分科会では、不公平感があるので見直しても
いいと思うが、低所得者に対しては支給してもよいのではないかという意見が出されています。また、会長から
は縮小するという提案が事務局側から出されたが、審議会の本会では拡大を考えてもよいのではないか、アンケ
ートをとったらどうかという意見が出たと紹介し、次回事務局案を出してもらいたいとしました。
 そして、八月二日に開かれた第二回障害者福祉専門分科会では、事務局案として現金給付の見直しが示されま
した。この分科会では、見直し案は妥当という感じとされ、本来第三回専門分科会を開いて結論を出す予定でい
たのに、二回の審議のみで見直しが了解された形になりました。
 その後、十一月十六日、長野地区社会保障推進協議会から鷲澤市長に、保健・医療・介護・福祉に関する要望
書が提出され、担当課と懇談が持たれました。幾つかの要望事項と共に、特定疾患見舞金制度の廃止についても
、患者の声が反映される機会が持たれていない、再度検討してほしい旨、要望が出されました。
 私も同席をいたしましたが、このときの健康課職員からの回答は、現在、社会福祉審議会において審議中とい
うものでした。しかし、その時点では、専門分科会の審議は終了し、あとは本会での答申案の発表の段階に入っ
ていたのです。
 そして、今年一月二十四日には、見舞金支給事業を廃止する答申案を報告しました。
 これに対して、審議会委員からは、今まで支給されていた人からは、切り捨てられ感がある、適切な説明はど
う行われているのかという質問が出され、理事者からは、正式決定後知らせる、障害者総合支援法で難病の方に
は非常に大きな前進が得られたというメリットがあるので、そこをお知らせしたい。きめ細かに心のサポートな
どできるよう、財政課に予算要求しているところと答えています。
 その後、今回請願を出された長野ウイルス性肝炎友の会の皆さんが、患者本人の意見を何も聴取することもな
く結論を出されたことに大きな怒りを感じ、鷲澤市長に直接、見舞金支給を継続してほしいと要望がされ、懇談
をいたしました。
 そこで、改めて患者さんたちが自分の闘病生活などをお話しされました。体を悪くしたが、多くの皆さんに助
けられた、今は恩返しのためにボランティア活動を命ある限りやっていこうと思っているとか、障害者総合支援
法で福祉サービスが受けられるようになったと、繰り返し言われてきたが、私たちがそのサービスを使うのは劇
症肝炎や末期の肝臓がんになり、余命幾ばくかというとき、そうならないために長くてつらい治療を続けている
と訴えられ、現段階では、障害者総合支援法で救われない多くの難病患者がいることも明らかになりました。鷲
澤市長は、その患者さんたちの声をしっかり聴かれ、なるほどねとおっしゃられました。
 審議会の一連の流れを改めて振り返ったとき、審議会委員から求められても、患者さんたちの声を全く聴こう
としなかったこと、審議が終了しているにもかかわらず、まだ審議中で声が反映されるかのような態度をとって
ごまかし、繰り返し患者さんたちが障害者総合支援法の恩恵を受けるわけではないと訴える声を無視し続けてき
た理事者の姿勢に大きな怒りを禁じえません。
 福祉環境委員会で請願人として陳述された田渕さんは、自らの病名を明らかにし、長くつらい闘病生活を淡々
と訴えられました。全ては劇症肝炎や肝臓がんにならないために続けている治療です。僅か一万五千円の見舞金
であっても、ボランティア活動に積極的に参加をし、前向きに生きていく上での支えであり、廃止になると聞き
、心がしおれてしまったと話されました。
 今回の経過を振り返ったとき、社会福祉審議会の在り方が問われていると思います。多くの専門的な委員に参
加していただいていますが、十分その機能が発揮されているのか、ということです。市長からの諮問について、
深く審議いただける運営の仕方を考えていただきたい、福祉制度を後退させていく隠れみのとして使うことは絶
対に許させないと痛感をしております。
 市庁舎・市民会館の総事業費は何の説明もなく十七億円ぽんと引き上げられ、難病で苦しむ皆さんへの僅かな
見舞金はばっさりと削減をする、本当に冷たい長野市政の実態であると改めて痛感をしております。
 是非とも良識ある議員各位の本請願への賛同を心から訴え、私の請願採択への訴えとさせていただきます。

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