議会報告

2013年3月定例市議会 佐藤くみ子議員

議案第一号平成二十五年度長野市一般会計予算案 反対討論

◆佐藤久美子
 議案第一号平成二十五年度長野市一般会計予算案に反対の立場から討論を行います。
 安倍内閣が打ち出した経済政策、いわゆるアベノミクスは、一、無制限の金融緩和、二、大型公共事業のばらまき、三、大企業応援の成長戦略によって、長野市の補正予算は六十七億八千万円と、かつてない大型補正となりました。
 現時点で、経済情勢を見ると、金融緩和方針を受けた円安で輸出大企業の収益は一時的に見れば改善し、株価上昇で富裕層が消費を増やして百貨店などの高級品の売れ行きが伸びています。大型公共事業についても、一時的には景気浮揚効果はあります。しかし、いずれもバブル的なもので、本格的な経済の建て直しにはつながらないものです。それどころか、危険性が出てきています。
 一つは、財政出動で財政危機がより深刻化していることです。
 二つは、物価上昇目標と金融緩和で資金が供給されていますが、賃上げの動きはごく一部にとどまり、実体経済に回らない結果、株、不動産、原油、穀物などの投機マネーとなっています。国民の所得は増えずに、投機や円安によって石油や食料品などの価格が上がれば、暮らしにとっても大きな打撃になるという危険な局面に入りつつあります。
 三つは、今、規制緩和の名で出されてきているのは、正社員の解雇もより自由にできるようにするという、解雇規制の緩和を初めとする労働法制の規制緩和で、正にこの間、労働者の賃金を減らしてきた元凶です。
 実は、アベノミクスの三本の矢の他に、隠された矢が二本あります。一つは、年金、生活保護を初めとする社会保障の大改悪であり、もう一つは、来年四月の消費税の増税です。この二つが強行されれば、今の一時的な景気浮揚も吹き飛ばす打撃を暮らしと経済に与えることになります。財務省などが公共投資に予算を付けようとする背景には、一時的にせよ、形だけでも景気を上向きにさせ、消費税の増税の実施に持っていこうという狙いがあるからです。
 こうした国政の動きを見据えて、長野市は市民の暮らしを守る防波堤の役割を果たし、福祉増進のために施策を進める必要があると考えるものであります。
 まず、市役所第一庁舎・長野市民会館の建設費十七億円の増額は、根拠が不明瞭であります。
 一つの理由として、建設資材の高騰が理由とされましたが、仙台などで大震災前と比較して、昨年十月時点で三割、生コンクリートが上昇するなど、東北被災地での資材高騰が起きていますが、長野でも、全国でもそうしたことは起きていません。結局、無理な建設地の条件と二つの施設合築のためと考えますので、賛成できません。また、この事業計画の経過の中で、権堂B1地区再開発事業が進められています。四十七億円の総事業費のうち、公費の支出については認めるわけにはいきません。また、既存の大型店舗の今後の動向が大変危惧されるところでもあります。
 (仮称)第四学校給食センターの設置は、一万二千食の規模になるとのことですが、食育の観点からも、雇用の面からも計画を撤回し、アレルギー児が増える中、自校給食など、保護者や児童から喜ばれる給食の在り方を検討すべきであります。
 職員の適正配置、また、嘱託・臨時職員の任用、賃金等についても引上げを含め、検討すべきであります。
 また、民営化方針の下に公立保育園の全園民営化、今後十年間で五園を民営化する方針ですが、子育ての拠点として、公立保育園の果たす役割はますます重要です。全園民営化の方針は見直しを行うべきです。
 指定管理者制度についても、地元の雇用の確保、安定が切実な要望になっている中で見直すべきだと考えます。
 住宅リフォーム補助事業の成果は、補助金一億七千四万二千円で一千三百九十七件、工事請負金額は十八億二百五十六万八千五百十七円で、一件当たり百二十九万円になり、経済波及効果は二十三倍と言われ、四十一億円にもなります。これに勝る制度は見当たらない中で新年度はこれを廃止し、住宅耐震補強リフォーム補助金制度を実施され、対象経費の十五パーセント、限度額十万円、八十件の予算になっていますが、住宅全体でなくても、一部の耐震補強を認め、仕事おこしと雇用拡大につなげるべきと考えます。
 以上、幾つか問題点を指摘し、一般会計予算の反対討論といたします。

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