議会報告

2012年12月定例市議会 阿部孝二議員

◆阿部孝二
 三十六番、日本共産党長野市会議員団阿部孝二です。日本共産党長野市会議員団を代表して、市民が主人公の市政、福祉と教育の充実、営業と暮らしを守る立場から質問しますので、明快な答弁をよろしくお願いします。
 共産党長野市会議員団と共産党長水地区委員会は、先日、二〇一三年度予算要求で重点・各分野別二百項目を超える要求書を市長に提出しました。来年度予算に反映することを再度要求します。

 初めに、鷲澤市長の政治姿勢について伺います。
 日本共産党は、十二月十六日投開票の総選挙に当たって、総選挙・政策日本共産党の改革ビジョンを発表し、六十年続いた自民党型政治のゆがみを断ち切り、国民が主人公の新しい日本をつくるため、訴えを出しました。三年前の選挙で民主党にだまされた、自民党には戻りたくない、どうしたらいいのか、多くの国民、市民の思いではないでしょうか。
 今や、民主党は自民党とうり二つの政党となりました。たくさんの新党が登場し、政策そっちのけで選挙目当ての離合集散と政党の渡り歩きが行われています。民主党政権は、国民の大多数が反対した消費税大増税、原発再稼働を行い、財界が中心の政治と日本の農業と経済を破壊するTPPを推進し、沖縄県が島ぐるみで反対しているオスプレイの配備を行うなど、アメリカ言いなりの自民党型政治を推進してきました。そして、この古い政治が一九五二年以来六十年も続いてきました。今や、経済でも外交でも日本が解決を求められている問題に答えが出せず、国民、市民に展望を示すことができなくなっています。 日本共産党は、日本が直面するあらゆる問題で解決策を示したビジョンを掲げ、国民、市民が主人公の政治経済の実現を目指します。この改革ビジョン十のうち五点について市長の見解を求めます。
 一つ目は、デフレ不況からどう抜け出すか。国民の所得を増やし、内需を活性化する。二つ目は、社会保障充実と財政危機の打開。消費税増税に頼らない別の道を提案します。三つ目は、即時原発ゼロの実現を。エネルギーと日本経済の未来を開きます。四つ目は、TPPに絶対反対を貫き、主権を尊重する互恵平等の経済関係を広げます。五つ目は、憲法改悪を阻止し、平和、人権、民主主義の原則を国政全分野に生かします。市長の見解を求めます。

 次に、大手電機メーカーの大量リストラについて伺います。
 大手電機メーカーでは、経営危機を口実に十三万人とも言われる規模のリストラが進められています。今回のリストラは労働者の生活を犠牲にし、経営基盤の強化、高収益確保を目的としたものです。
 主要企業十九社は、今年三月期の有価証券報告書によると、内部留保が二十六兆円になっています。NECの社長は一万人の人員削減で業績を回復し、四円の株配当を行うと公言。人権無視の違法、非道の退職強要を行っています。内部留保の僅か二・五パーセントを取り崩すだけで、年収五百万円とすれば十三万人のリストラを回避することができます。このリストラは、県内の大手製造業四社にも、工場の統廃合で約六百人の人員削減を行うとされ、地域経済にも大きな影響を与えます。
 日本共産党は、大企業はその社会的責任を果たし、ルールある経済社会を実現すべきと考えます。市の見解を伺います。

◎市長(鷲澤正一)
 阿部孝二議員さんの御質問のうち、私の政治姿勢についてお答えをいたします。
 初めに、日本共産党の改革ビジョンに対する見解とのことでございますが、今回の総選挙における政党の個別の公約に関することについては、コメントを差し控えさせていただきます。

 私は、前々から申し上げているとおり、社会保障と税の問題については、持続可能な社会保障制度の確立の上では避けては通れない課題と考えております。その上で、消費税率の引上げは、景気動向等による影響も少なく、将来にわたって安定した税収を確保できることから、社会保障制度の安定的な財源確保のためには最も適切で有効な手段ではありますが、その一方で、私としては還付金付き消費税方式の導入などの低所得者対策も合わせて検討する必要があると考えております。
 ここ数年、こういう主張を私としては申し上げているつもりですが、なかなか力不足でございまして、とても世論にはなっていないことは事実です。
 そこで、まずは経済、社会が疲弊しないよう内需の拡大を目指した十分な景気対策を講ずるとともに、国民各層が納得できる制度設計のために十分な議論を尽くすことが重要であると考えております。

 次に、即時原発ゼロの実現とエネルギーと日本経済の未来についてお答えをいたします。
 私は、エネルギーとしての原子力そのものを現時点で全否定すべきと結論付ける前に、もう少し奥の深い議論が必要であると常々申し上げてまいりました。原子力発電については、電力そのものの供給の安定性の確保を初め、国全体のエネルギーの在り方から、経済活動、家計、地球環境等、社会全体に大きな影響を及ぼすため、広い視野から詳細な検討が求められます。
 仮に、原子力発電所を全廃した場合は、当面の電力を火力発電で賄うことによる温室効果ガス排出量の増加、天然ガスなどの燃料の輸入増加に伴う巨額の費用の発生、電気料金の上昇による企業の競争力の低下や家計の圧迫、企業の海外移転に伴う産業や雇用の空洞化、原子力技術・人材の喪失などが懸念されるとともに、廃炉後の道筋についても核燃料の処理等を含め、長期間にわたる対応が不可欠となります。
 再生可能エネルギーの利活用については、七月から固定価格買取制度が始まったこともあり、太陽光を中心に設置件数や発電規模は大きく伸びておりますが、エネルギー全体に占める割合は僅かに過ぎません。
 このようなことから、国全体のエネルギーの在り方については、再生可能エネルギー電気の普及策と運用策の確立、供給の安定性の確保を初め、複合する多くの課題に対して一つ一つ解決の道筋を付けていく中で結論を導き出すべきであると考えます。
 しかしながら、現段階ではまだ情報も議論も十分とは言えず、将来の持続可能な社会を目指して様々な知恵を出す中で、バランスのとれたエネルギー政策を構築できるよう、今後も更に議論を尽くす必要があると考えます。

 次に、TPPについてお答えをいたします。
 私は、我が国の経済が自由貿易体制の下に発展してきたことを考えると、今後も自由な経済活動を維持、発展させるためには、国際的な経済連携協定は不可欠であると考えております。しかしながら、我が国がTPPに参加する明確な意義が国から示されておらず、農業などの産業だけでなく、雇用や医療を初めとする我が国の様々な制度や国民生活にどのような影響が出るのか、依然不透明な部分が多くあると感じております。
 こうした中で、国においてはTPPと日中韓自由貿易協定、いわゆるFTAですが、それからASEANプラスシックス、三か国プラスインド、オーストラリア、ニュージーランド、こういうものを基礎とした東アジア地域包括的経済連携、これはRCEP、アールセップというんだそうですが、これを同時並行的に推進することとしておりまして、先頃、協定締結に向けた交渉の開始が宣言されたところであります。この他、カナダとのEPA協定に向けた交渉や欧州連合、いわゆるEUとのEPA交渉入りに向けた協議も進められております。
 私としては、TPPを初めとした包括的な地域経済統合にこだわるのではなく、二国間でのFTA、EPAなどの締結を進めていくという選択肢もあるのではないかと考えております。また、国内の世論調査でも六割の方がTPP交渉参加について慎重な対応を望んでいることから、TPP以外の選択肢も視野に入れて検討を進めるとともに、一層の情報提供を求めるものであります。

 次に、憲法改正についてお答えをいたします。
 憲法は我が国の最高法規であり、我が国の平和と反映は憲法の遵守によりもたらされたものであると考えております。ただし、憲法は将来にわたり変えることのできない、いわゆる不磨の大典ではなく、国会での議論はもとより、国民の間で様々な議論が交わされる中で、改正の必要が生じた場合には正当な手続を経て改正されるものであると考えております。憲法につきましては、その基本理念であります国民主権、基本的人権の尊重、それから平和主義を堅持する中で、国民に幅広く支持され、国民の意思が十分に反映されるものでなくてはならないと考えております。

 次に、大手電機メーカーの大量リストラについてお答えをいたします。
 大手電機メーカーが未曽有の赤字を計上し、経営危機にひんしていることは既に周知の事実であります。国内のデフレに加えて記録的な円高が続く中、多くの企業にとっては極めて厳しい経営状況にあり、日本経済全体がその立て直しに向けて懸命の努力を続けているところであります。
 企業にとっての内部留保の多くは、設備投資に充てられるなど企業活動を支えているものであり、これをすぐさま取り崩して雇用経費に充てるということは難しい面が多々あることが想像されます。企業そのものが倒産してしまっては元も子もなく、更に多くの失業者を生じさせ、経済不安を助長する面もあることから、内部留保をどう扱うかは、一般的に申し上げて企業経営者の判断に委ねられるべきものだと考えております。
 なお、私見でございますが、日本共産党さんがかなり前から主張されているこの内部留保の問題ですが、それに関する御意見はいまだに世論を形成するには至っておらず、自由主義経済における企業活動というものの実態とそぐわない面があるのだろうというふうに、私は感じております。
 企業存続のためといえども、リストラが地域経済に与える影響が小さくないことは承知しております。本市といたしましては、引き続き企業誘致活動や空きオフィス等のあっせんなどを積極的に進めるとともに、融資制度を初めとする様々な中小企業への支援事業、雇用の創出や確保への取組を充実させることが、市内企業の経営活動を活性化させ、ひいては日本経済全体を支えていく一助となるものと考えております。
 私からは以上です。

◆阿部孝二
 次に、ふるさと雇用再生特別事業など、事業の継続と雇用の確保について伺います。
 平成二十三年度は、ふるさと雇用再生特別基金事業、緊急雇用創出事業、重点分野雇用創造事業、震災等緊急雇用対応事業で新規雇用の失業者四百四十四人が就労しました。事業終了ということで継続しないとしていますが、必要な事業の継続や就労計画を進めるべきではないでしょうか。市の見解を求めます。

◎商工観光部長(小山耕一郎)
 私からは、ふるさと雇用再生特別事業など、事業の継続と雇用の確保についてお答えさせていただきます。
 ふるさと雇用再生特別事業等は、リーマンショックの後、雇用失業情勢が大変厳しくなったことを受け、離職した方の雇用機会を創出するため、各都道府県が造成した基金を活用しまして、本市でも雇用の受皿を作り出してきたものです。既に、ふるさと雇用再生特別事業、緊急雇用事業は昨年度末をもって終了し、今年度も継続されております震災等緊急雇用対応事業につきましても、東日本大震災の被災者を雇用する場合等一部を除いて本年度末で終了となります。
 これらの事業は短期間の雇用ではありましたが、本市におきましてもこれまでに延べ千三百三十人に上る雇用を生み出し、一定の成果を上げてまいりました。この制度は終わりとなりますが、制度を活用して実施しました事業の中で継続が必要と思われます事業につきましては、今後も予算化について検討してまいります。
 就労計画の御質問につきましては、長野市産業振興ビジョン後期振興計画の中で、雇用支援に係る重点プランとして二つの事業を展開していくこととしております。
 一つ目は、職業相談室を充実させ、職業相談、カウンセリング件数を五年後には五十パーセント増にすることを目標にしております。二つ目は、生徒・学生の職業観育成事業です。キャリア教育の際に相談員を要望に応じて派遣する他、庁内での学生・生徒のインターンシップの受入れ、市内企業の職場見学ツアー等により、職業観を育成することを目指しております。
 さらに、本年度の新規事業として、来年三月の大学卒業予定者等と求人中の企業との橋渡しをしますマッチングフェアinながの--学生のための就職面接会を今月二十二日に開催します。これは、一人でも多くの若者に市内に勤めていただくこと、また企業には将来を背負って立つ優秀な人材の獲得を目的として実施するものです。
 雇用を確保するために最も有効なことの一つとして、経済活動が活発化し、景気が回復することが不可欠と考えますが、市といたしましては、市内産業を育成し、雇用機会の創出ができるよう、今後も国や県、関係機関などと連携して就業支援に努めてまいります。
 以上でございます。

◆阿部孝二
 次に、大規模プロジェクト事業の見直しについて伺います。
 市民合意のない市庁舎、市民会館建設について。
 市庁舎、市民会館の建設は、玄関棟が解体され、市民の合意のないまま着工の準備が進められています。この建物が、将来禍根を残すものになるのではないかと今なお懸念を持っています。狭い敷地に大きな建物を建設することにより、使いづらい設計です。都会とは違い、寒さの厳しい長野市において、南向きになっていない構造も問題です。改めて、この建設事業を強行したことに対し抗議をし、市の見解を伺います。

◎総務部長(寺田裕明)
 新第一庁舎及び新市民会館の建設につきましては、平成二十年度以降、市の方針を随時説明し、市民の意見を伺い、議会とも十分に協議しながら、長い時間をかけて方針を決定してまいったものであり、市民会館の建設地を現在地に変更し、庁舎と合築とした建設基本計画につきましても、同様の手続を経て議会と協議の上で決定したものでございます。したがいまして、これまでの経過を踏まえ、計画に沿って着実に事業を進めてまいります。
 設計は、公募プロポーザル方式で選定された設計者と地元の設計協同組合がJVを組んで当たっており、建設の諸条件や気候風土なども設計者と協議しながら進めております。
 八月に決定いたしました基本設計では、限定された敷地条件の中でも庁舎と市民会館の機能や動線が効率的に確保されており、両施設の合築のメリットを生かした適切な配置になったものと考えております。また、基本設計のパブリックコメントでは、意見のほとんどは施設の詳細に関する前向きな意見や提案でございました。現在、これらの意見や議会特別委員会の要望等に留意しながら実施設計を行っており、本市のシンボルとなる庁舎、市民会館の整備に向け着実に準備を進めてまいります。
 私からは以上でございます。

◆阿部孝二
 次に、権堂B1地区市街地再開発事業の見直しについて。
 権堂B1地区再開発事業のマンション八十戸、立体駐車場八十台の建設に反対します。市の見解を求めます。

◎都市整備部長(原田広己)
 私から、見直しについて御質問のありました権堂B1地区市街地再開発事業についてお答えいたします。
 本再開発事業は、中心市街地、取り分け衰退が顕著になっている権堂地区で、再生を図る計画の核事業に位置付けられたものであります。住宅・業務・商業・広域施設から成る複合施設を駅近くの利便性が高い地域に整備することで、まちなか居住の促進と地域コミュニティの再生を図り、中心市街地の活性化を目指すものであります。
 住宅施設は、公共広場を囲む南北二棟の建物のうち、アーケードに面した十四階建ての南棟で八十二戸を提供し、併せて八十二台が駐車できる居住者専用の立体駐車場を確保するものであります。これにより、権堂町では約三割の定住人口増加が期待でき、地域コミュニティの充実が図れるものと考えております。
 さらに、商店街で進めている若者やまちの商店主による活性化に向けた様々な取組と相まって、権堂周辺の商業の活性化にも役立つものと考えております。
 事業を進める市街地再開発組合では、十月二十二日、権利変換計画が県に認可され、現在、建物の補償、明渡しとともに十一月中旬から建物の解体工事に着手いたしました。今後も、市街地再開発組合とともに着実な事業進捗と活性化が図られるよう、行政も必要な支援をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆阿部孝二
 次に、第四学校給食センターの建設計画は中止し、自校給食を進めていくことを求めます。市の見解を求めます。

◎教育次長(三井和雄)
 私から、三点についてお答えいたします。
 初めに、大規模プロジェクト事業の見直しのうち第四学校給食センターではなく、順次、自校給食に切り替えることについてでございます。
 (仮称)第四学校給食センターの建設につきましては、平成十四年に発生した腸管出血性大腸菌O26の集団感染事例を受け、調理食数の適正化を図るため、新たに(仮称)第四学校給食センターを建設する必要があるとして調査検討を進めてきたところでございます。
 市教育委員会といたしましては、まず(仮称)第四学校給食センターを建設し、その後、老朽化の進んでいる第三学校給食センター及び第一学校給食センターを、順次、改築する必要があると判断したものであります。
 自校給食に切り替えることにつきましては、センター方式、自校方式それぞれメリット、デメリットがございますが、いわゆるセンター方式が調理、消毒、洗浄、職員体制などあらゆる面で効率的に運営でき、衛生管理においても質の高い経済性を追求した施設整備が可能になる方式であることから、今後も共同調理場方式を基本とし、自校給食への転換は考えておりません。

◆阿部孝二
 次に、公契約条例制定について伺います。
 野田市は、公契約条例を全国に先駆けて平成二十一年九月三十日に公布しました。前文で、低入札価格の問題で労働者の賃金の低下を招く状況を改善し、公平かつ適切な入札を通じ、豊かな地域社会の実現と労働者の適正な労働条件が確保されることは国が必要な措置を行うべきとしながら、先導的に締結することで豊かで安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与する決意で制定しましたと述べています。
 公契約の範囲として、一、予定価格が一億円以上の工事又は製造業の請負の契約、二、一千万円以上の工事又は製造以外の請負契約のうち市長が特別に別に定めるもの。適用労働者の賃金は、公共工事設計労務単価の八十パーセントとし、市一般職員の給与を基に最低額を決め、平成二十四年度は一時間当たり大工さんで千九百三十円、施設の清掃に関する等は八百二十九円です。二十五年度から五パーセント程度の値上げを実施すると聞いています。
 そこで、お尋ねします。
 まず、工事予定価格が五億円以上の工事又は製造の請負及び三億円以上の平成二十年度以降の年度ごとの工事件数について。次に、契約予定価格が五千万円以上の工事又は製造以外の平成二十年度以降の年度ごとの契約件数について、上述の各請負工事業者の事業所の失業者及び障害者の雇用状況について。次に、公契約条例の実施について、答弁を求めます。

◎財政部長(山澤謙一)
 公契約条例制定についてお答えいたします。
 平成二十年度以降における工事の請負契約件数については、各年度ごとに、平成二十年度は三億円以上五億円未満が四件、五億円以上が二件、以下同様の順番で申し上げますと、平成二十一年度は三件と五件、二十二年度は三件と三件、二十三年度は三件と一件、二十四年度は九月末現在で三件と五件で、合計では三億円以上五億円未満が十六件、五億円以上が十六件という状況でございます。

 次に、平成二十年度以降における、予定価格五千万円以上の契約課が行なっております工事請負契約以外の一般業務委託契約に係る件数につきましては、平成二十年度は八件、二十一年度は十件、二十二年度は七件、二十三年度は七件、二十四年度は九月末現在で七件で、合計で三十九件でございます。

 次に、請負事業所の失業者及び障害者の雇用状況につきましては、本市が発注する請負契約等への入札参加にこの雇用状況を資格認定での要件としていないなど、契約条件としては用いてございません。ただし、障害者雇用につきましては、一部の事後審査型一般競争入札及び総合評価落札方式では、地域への貢献度等に係る評価項目及び価格以外の評価項目の中で、評価項目としているという状況でございます。

 最後に、公契約条例の実施につきましては、議員からの本年三月議会での質問に対する私からの答弁のとおりでございますが、公共工事におけます労働条件は、事業者と雇用者が関係法令に基づき対等な立場で決定されるべきものでございます。賃金や労働条件に関する事項は、最低賃金法や労働基準法などに基づいて対応すべきものであり、発注者がこれに介入すべきでないと考えてございます。
 本市では、不当な低価格での受注により、労働者や下請事業者へのしわ寄せ等を招くことがないよう、適正な労務単価により設計を行い、発注に際しましては最低制限価格を設定するなど、契約履行に最低限必要とされる価格を確保するよう努めております。
 御提案のとおり、公契約に関する全国的な取組につきましては、全国で初めて千葉県野田市が公契約条例を制定し、公契約に関して定めている状況でございます。また、長野県におきましては、本年六月議会での公契約条例に関する質問に対しまして、阿部知事の方から有識者の意見も聴いた上で今年度中に公契約の在り方、県としての方向性を出していきたいという答弁があったようでございます。
 こうした状況を踏まえまして、今後におきましても、国や他の地方公共団体の動向を注視してまいりたいと考えております。

◆阿部孝二
 次に、塩漬けの市有財産の活用と今井ニュータウンの土地利用について伺います。
 平成二十三年度市財務書類によると、売却可能土地百六十八億二千九百二十五万円、建物三十二億七千四百四十七万円になり、市の未利用地等有効活用検討委員会で売却、貸付けを含めた調査検討を行っていると聞いていますが、検討委員会は非公開ということで、検討がされているのか議会にも市民にも全く分かりません。
 そこで、アとして土地建物を十年以上所有している塩漬けの取得価格、売却価格及びその差額について。また、未利用土地の地域の人が参加する(仮称)地域活用検討委員会の結成について。イとして、この十年間の土地建物の取得、売却の推移について。取得価格、売却価格、面積、取得目的及び利用について。ウとして、検討委員会で検討した結果、売却及び利活用になった土地建物は、この十年間にどのくらいになったのかについて、具体的に答弁を求めます。

 次に、今井ニュータウン南側の土地利用について伺います。
 戸建て分譲用地になっている土地は、一部賃貸し駐車場、イベントなどの臨時駐車場、地域のどんど焼きに利用されています。当初の目的の戸建て分譲の見通しは無いと思われます。土地中央から西側には、残土・土砂が大きく積まれたままになっています。一九九八年二月の冬季オリンピック開催後、十四年が経過していますが、検討委員会ではどう検討したのですか。土地の取得価格と普通財産売買評価額について。

 川中島町公民館建設予定地もありましたが、公民館は現在地での建て替えが進んでいますが、この土地についての検討はどうなっていますか。地域の少年サッカーチームに関わっている方から、整備してサッカーができるようにしてほしいとの要望がありました。(仮称)地域活用検討委員会の設置について答弁を求めます。

◎財政部長(山澤謙一)
 続きまして、市有財産の活用についてお答えをいたします。
 貸借対照表におけます売却可能資産は、未利用地等有効活用検討委員会で検討されています未利用地だけでなく、国、県を含めて貸付けを行っている物件や職員住宅、山林なども含まれております。また、利活用の方針が決定されている物件で、閉鎖、用途廃止などをされましてから十年以上経過しているという物件はございません。

 次に、未利用土地の地域の人が参加する検討委員会の結成についてですが、市の所有する未利用物件につきましては、将来的に市の事業予定地としての利用も考えられるため、将来の利用見込みや経費も含めまして、総合的に検討する必要があること、また日頃寄せられています市民の皆様からの御意見も参考としながら検討していることから、御質問のような委員会の設置につきましては現時点では想定してございません。
 次に、この十年間の土地建物の取得、売却の推移、取得目的及び利用については、売却可能資産のこの十年間の売却実績は土地のみで百十一件、面積は約五万四千平方メートル、売却価格は約十一億五千万円となっております。売却可能資産は数十年前から所有していたものが多く、取得価格を明記してある資料が少ないことから、取得価格を明示することは困難でございます。
 また、この十年間に取得した主な土地は、公園、幹線道路、工業団地などの用地で、建物はもんぜんぷら座などでございます。
 次に、検討委員会で売却及び利活用になった土地建物のこの十年間の状況についてでございますが、これまでに事業用地として土地二十五件、約三万九千平方メートル、建物九件、約二千百平方メートルを利活用した他、一般競争入札等により土地二十件、約二万平方メートルを約四億円で売却いたしました。
 以上でございます。

◎建設部長(藤田彰)
 私から、今井ニュータウンの土地利用についての外三件の御質問にお答えいたします。
 まず、今井ニュータウンの土地利用についてでございますが、今井ニュータウンは都市計画に準ずる事業として行う一団地住宅建設事業として、国、県から承認され、租税特別措置法の適用を受けて土地を取得したものでございます。現在、一部臨時駐車場等で使用されている南側の土地については、戸建て住宅分譲予定地として位置付けられておりますが、その後の社会情勢等から実施には至っていない状況でございます。
 この土地については、使用目的を持った土地としていることから、庁内に設置してある未利用地等有効活用検討委員会の検討対象とはなっておりません。

 次に、土地の取得価格と売買評価額についてでありますが、当時の土地取得価格は総額約十四億八百万円で、本年四月の路線価から推定した現在の評価額は約九億五千五百万円となります。

 次に、公民館予定地についてでありますが、過去に川中島町公民館を建設する地元要望があったとき、今井ニュータウンの南側土地の一部に公民館建設を検討した経緯がありますが、平成二十年、地元において現在地で建設する方針が決定され、今日に至っております。したがって、今井ニュータウンにおける当時検討された公民館の建設候補地については、当初計画どおり戸建て分譲予定地のままでございます。
 これらの土地につきましては、当面、駐車場等の暫定利用を行いながら、庁内において引き続き活用方法等について総合的に検討してまいりたいと考えており、先ほどの財政部長の答弁にもございましたとおり、御質問のような委員会の設置につきましては現時点では考えておりません。

◆阿部孝二
 次に、長野広域新ごみ焼却施設と環境行政について伺います。
 先日、長野広域連合議会で、ごみ処理広域化計画の三施設の建設年度を四年遅らせ、二〇一八年度に延期するとの報告がありました。これは、建設予定地の地元同意と納得がされていないことを反映したものです。大豆島に建設予定のA焼却施設は、地元住民団体が千名を超える住民の署名を集め、建設についての住民アンケートの実施が要望されたままで放置されている中で、約九十億円の焼却施設周辺環境整備計画と併せ、焼却施設の計画概要が地元説明され、市長は年内の合意を求めています。
 しかし、説明会では、周辺環境整備ではなく、現計画への反対意見も多く出ているようです。今、住民運動は、ばく大な周辺整備や現計画の白紙撤回を求める署名活動に発展しています。広域連合議会では、民間委託で作成されたA焼却施設整備計画書の内容の説明がされていないと大問題になったとのことで、私ども議員団は、これまで再三にわたって危険で、無駄な灰溶融炉の廃止や建設の合意は全住民の声をよく聴くことなどを求めてきました。
 改めて、灰溶融炉の建設は行わないこと、詳細な灰溶融炉の概要と建設費、ランニングコストなど費用対効果、全国での灰溶融炉の事故や建設計画からの撤退の状況及び地元住民が求める住民アンケートなどによる住民総意の把握方法について、また住民が求める現ごみ処理計画を白紙撤回し抜本的に見直すことについての考えをお伺いします。

 次に、ごみ処理手数料有料化後の形態別収集状況についての変化はどうなっているのですか。次に、事業用ごみの減量状況、推移について。次に、資源回収推進事業の推進でごみ減量の促進と生ごみモデル地区の拡大、全ての行政区の取組についても答弁を求めます。

◎環境部長(小林博)
 私からは、ごみ焼却施設と環境行政について順次お答えいたします。
 長野広域連合が計画しておりますごみ焼却施設につきましては、最終処分量の縮減や資源化率の向上などに効果があることから、灰溶融施設の設置を計画しております。処理方法は、焼却設備と溶融設備を分離して行うストーカ式焼却プラス灰溶融方式であり、両施設が一体のガス化溶融炉と比べまして、万が一トラブルなどが発生した場合にも、両機能が停止するリスクを避けることができる他、焼却灰を溶融せず直接セメントの原材料として資源化することも可能であります。
 建設費につきましては、ごみ焼却施設全体建設費二百四十三億円のうち灰溶融施設につきましては、他施設の契約事例から十五億円から二十億円程度と試算しております。ランニングコストにつきましては、溶融に係る経費を公表している既存施設から推計し、年間約三億円から四億五千万円程度を見込んでおります。
 費用対効果ですが、灰溶融は有害物質の低減化、焼却灰の減容化、資源化などの効果があり、ごみ処理施設の整備に当たっては、経済性だけではなく最終処分を含めた総合的な視点で判断すべきものであり、現行のごみ処理広域化基本計画に基づき進めていくことが最良と考えております。

 次に、全国の灰溶融施設の事故につきましては、過去十年間に発生した十八件の事例を把握しております。その主な原因は、溶融炉の構造や材質そのものに起因するもの、また不適切な運転など人為的なミスによるものであり、いずれも原因が究明されております。また、平成十九年度以降の五年間に、本市で計画されている施設と同様の方式により稼働しました日量五十トン以上の処理能力を有する十施設につきましては、事故事例の報告は無く、安全性は確実に確保されているものと考えております。

 次に、灰溶融施設の建設計画からの撤退状況につきましては、全ての事例を把握することは困難でございますが、最終処分場の新たな確保や灰の全量外部処理などにより計画を変更いたしました諏訪南行政事務組合や川崎市、それから長崎県の壱岐市などの事例を把握しております。
 次に、住民総意の把握方法でございますが、現在、区ごとに開催しております説明会では、住民アンケートなどの実施を求める意見が出されておりますが、施設の受入れを判断されるのは建設候補地の地域の住民の皆様であり、市及び長野広域連合が今行うことは、広域ごみ焼却施設の計画概要とごみ焼却施設周辺環境整備計画案について詳細に御説明申し上げ、住民の疑問や不安に対し考え方を丁寧に示し、計画の内容を御理解いただくことであります。
 その上で、地域として可否を判断される方法は行政が決めるものではなく、長年にわたり検討を重ねてこられた地元組織の考え方や説明会などでの意見などを基に、まずは地域において検討され、その方法を決定されることが最良であると考えております。

 次に、現処理計画の白紙撤回と抜本的な見直しについてでございますが、管内の既存施設が直面している老朽化などの現状や、再三申し上げてまいりましたごみ処理広域化の有効性や必要性などから、現行の計画により推進し、早期に新たなごみ処理体制を構築することが急務であり、引き続き早期の建設同意に向け最大限の努力を行ってまいります。

 次に、家庭ごみ処理手数料有料化後の形態別収集状況につきましてお答えします。
 ごみの収集には直営収集及び委託収集があり、その他直接持ち込まれる外来があります。可燃ごみ、不燃ごみ、資源物の総量につきましては、平成二十一年十月の家庭ごみ処理手数料有料化制度導入前の平成二十年度と平成二十三年度を形態別に比較しますと、直営収集は十パーセントの減、委託収集は七パーセントの減、外来は九パーセントの減でございます。また、資源物も含めた収集量の全体では七パーセントの減で、うち可燃ごみが十二パーセントの減、不燃ごみが十四パーセントの減、一方、分別の推進により資源物は二十六パーセントの増となっております。

 次に、事業系のごみの減量状況につきましては、平成十五年度のごみ量約五万二千トンをピークとしまして年々減少し、平成二十三年度は約四万トンで、ピーク時と比較しまして二十四パーセントの減量が図られております。

 次に、資源回収推進事業の推進と生ごみモデル地区の拡大のうち、初めに資源回収の状況でございますが、約五百の団体で実施され、その回収量は平成十八年度から集積所での回収量を上回っております。本年八月には、古着などの布類の回収拡大に向け、資源回収業者と情報交換を実施するとともに、実施団体に対し積極的な回収をお願いしているところでございます。
 また、大型生ごみ処理機を活用したモデル事業につきましては、芹田若里中央区で平成二十一年十一月から実施しておりますが、生ごみを処理機まで運ぶ手間がかかるなど、新たな利用者の拡大につながっていない状況であります。しかしながら、地域ぐるみで生ごみを資源化する有効な事業であるため、他の地区への拡大も含め積極的に取り組んでまいります。
 一方、家庭から排出される生ごみ処理につきましては、生ごみ処理機補助金の交付、さらには段ボール箱を活用した生ごみ堆肥化講座を昨年度は六十三回開催し、本年度も継続実施しており、引き続き家庭内での生ごみの自家処理を推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆阿部孝二
 次に、福祉行政について伺います。
 まず、生活保護行政について。厚生労働省は、全国で生活保護を受けている人が八月時点で二百十三万一千十一人となり、過去最多を更新したと発表しました。政府は、二〇一三年度予算の概算要求で、生活保護の見直しを初め最大限の効率化を図ると閣議決定をしました。全国で基礎年金だけの受給者は八百二十九万人、就学援助受給者は百五十六万人、うち準要保護者百四十一万人、年収二百万円以下の労働者一千万人以上、完全失業者三百万人になっています。
 生活保護補足率は、イギリス九十パーセント、フランス九十一・六パーセント、ドイツ六十五パーセントと比較し、日本では十五パーセントから二十パーセントで、現在の受給者の三倍はいるとのことです。生活保護は国民の権利であり、生活保護基準は憲法第二十五条の健康で文化的な最低限度の生活を保障する物差しで、切下げは各種制度に影響を与えます。最低賃金、国民健康保険・介護保険料と減免制度の問題、公営住宅家賃、就学援助、保育料、税金の減免などに影響を与えます。
 そこで、一つ目として、市は国に対し生活保護の改悪をやめさせ、充実を求めるよう要請すること。二つ目として、生活保護相談は本人の立場に立ち、人権を守るため、職員の増員と相談体制を充実すること。

 次に、就労支援について。就労支援については、市が発注する公共工事や業務契約、指定管理事業者の協力を得て行うこと。

 次に、福祉灯油について。冬の福祉灯油と夏の冷房の電気代の実施について。

 次に、難病患者等見舞金支給事業の継続について。特定疾患患者等の心身の苦痛を慰め、激励するための見舞金の継続を求める。

 次に、お茶のみサロンの充実について。各地区で実施しているお茶のみサロンを常設型のお茶のみサロンとして設置し、ひとり暮らし、高齢者の憩いの場と生きがいの場をつくることを提案します。答弁を求めます。

 次に、孤独死の防止対策について。さいたま市は、孤独死の再発を防ごうと、要支援者の早期発見のための通報等のガイドラインを作成し、ライフライン等の九事業者と協定を結びました。事業者は、電気、ガスを初め新聞社、宅建協会支部、生協、県住宅供給公社です。
 ガイドラインは、要支援状況にあっても自らSOSを出さない、あるいは出せない要支援者を早期に発見するため、関係者の声を集めて市が独自に作成。事業者が日常の業務の中で訪問先の生活の異変に気付き、安否確認や支援を必要とする人を発見した場合に、通報のガイドラインに従って人道的な立場から市などへの通報に協力するものです。市としてもガイドラインを作成すべきですが、答弁を求めます。

◎保健福祉部長(駒津善忠)
 私からは九点ほどお答えを申し上げます。
 まず、福祉行政についてお答えを申し上げます。

 初めに、生活保護行政についてのうち、生活保護制度の見直しに係る国への要請についてお答えを申し上げます。
 厚生労働省では、生活保護制度における扶養義務や医療費などの不適切な受給、また国民年金より上回っている生活保護基準額などの課題について、現在、社会保障審議会で制度の見直しが審議されております。これに併せて、多様な就労機会による就労支援の強化などの新たなセーフティーネットの導入も生活支援戦略として検討されているところであります。また、財務省でも医療費の一部自己負担化と後発医薬品使用の義務化などについて、財政制度等審議会で審議されております。
 本市といたしましても、国民に不公平感が高まりつつある中で、制度の見直しが必要であると考えておりますが、現在、国では関係団体、市町村長の代表などによる審議会で審議中でありますので、本市としては国への要請は考えておりません。

 次に、職員の増員と相談体制の充実についてでございます。生活保護相談の受付件数は年々増加している状況であります。相談体制については、面接相談員を平成二十一年度に一名増員し、現在二名を配置しております。また、ケースワーカーは今年四月に二名、十月には一名増員し、現在二十六名となっておりますが、必要に応じて面接時に同席をし、生活保護の相談を受けております。
 相談に来られる方は、生活に困窮されていることはもちろんですが、就労に結び付かない方や社会生活になじめない方など、生活面で不安を抱えている方がほとんどでございます。この他、生活保護を受給することに抵抗を感じている人もいることから、相手の立場に立った上でお話をよく聴き、状況を把握する中で適切な助言を行っております。
 今後も、職員の適正配置に努め、相談体制の充実を図ってまいりたいと考えております。

 次に、就労支援につきましてお答えをいたします。
 より効果的、効率的な就労支援を行うため、本市と長野公共職業安定所との間で協定を締結し、生活保護受給者等に対する就労支援を行っております。その結果、稼働収入の増加によって生活保護が廃止となった世帯は、平成二十二年度は四十七世帯であったものが、平成二十三年度は八十一世帯で、三十四世帯、七十二・三パーセントの増となっており、自立支援に一定の成果が見られました。
 議員さんから御提案のありました市が発注する公共工事や業務契約、指定管理事業者等に就労支援の協力を得ることに関してでございますが、生活保護受給者などの雇用について、受注者に協力依頼することや契約等の条件に位置付けることは、事業者の自由な事業活動を制限するおそれが懸念されること、また指定管理者制度においては、団体にある程度の自由度を与え、民間のノウハウを活用するものであることから、制度の目的に沿わないと考えられます。
 このように、契約上においての制限があることから、今後も職業安定所との連携を図りながら就労支援に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、冬の福祉灯油と夏の冷房の電気代の助成についてお答えを申し上げます。
 平成二十年一月から三月まで、市民税非課税世帯等一定の要件を満たす低所得世帯の生計を支援するために、灯油等購入費助成事業を実施いたしました。前回の助成事業は、急激な原油価格の高騰が国民生活を直撃したため、国が緊急対策の基本方針を決定し、それを受けて実施したものでございます。現在、灯油価格は昨年同時期と同じレベルであり、緊急的状況ではないと判断をしておりますが、国において何らかの動きがあれば、その方針に沿って対応を図りたいと考えており、市単独での助成制度の創設は考えておりません。
 また、夏の冷房の電気代補助については、夏の節電への呼び掛けや市民の皆さんの節電意識の高まりの中、冷房の使用による電気代の負担増に対しての市単独の助成制度は考えておりません。

 続きまして、難病患者等見舞金支給事業の継続についてお答えを申し上げます。
 特定疾患患者等見舞金支給事業は、昭和五十六年から難病治療への精神的負担の軽減やお見舞いの意味も込め、年一万五千円を支給しております。しかしながら、難病と言われているものは多数ありますが、そのうち医療費助成の対象となっているものは一部の患者に限られており、見舞金の支給対象者もその医療費助成対象者と同じで一部に限られ、不公平感がございます。
 また、難病患者は、これまで制度の谷間にあり障害福祉サービスは受けられませんでしたが、障害者総合支援法によって障害福祉サービスが受けられる予定となっております。さらに、医療費助成については、助成対象を約四百疾患へ大幅に拡大する方向で厚生労働省において検討されております。これらの状況の下で、現金給付は時代にそぐわなくなってきていることから、見舞金の見直しについて長野市社会福祉審議会に諮問し、障害者福祉専門分科会において廃止の方向が示されております。
 本市では、専門分科会の審議内容を踏まえ、今後は現金給付ではなく、障害者総合支援法による福祉サービス及び相談支援を充実してまいります。特に、相談支援につきましては、専門医による医療相談会、患者・家族の研修交流会、訪問指導等をこれまで以上に充実してまいります。
 なお、在宅酸素療法を行っている方、慢性の腎疾患により人工透析を受けている方については、見舞金を継続してまいります。

 次に、お茶のみサロンの充実についてですが、お茶のみサロンは、ひとり暮らし高齢者等に対して外出や近隣住民との交流を図る機会を提供することを目的として、長野市社会福祉協議会が推進しており、地域公民館等の参加者が集まりやすい身近な場所で開催されております。地域によって開催日や回数は様々ですが、茶話会で交流を図ったり、軽い体操やレクリエーションなどを行い、市内三十二地区で五百八十一グループが活動しており、サロンを開催したグループ等には助成金が交付されております。
 常設型の御提案を頂きましたが、お茶のみサロンは地域の共助による活動であることから、無理の無い範囲で開催していただくことが良いのではないかと考えております。市においても、地域のボランティア団体が実施する、ふれあい会食事業に補助をし、高齢者の閉じこもり防止や見守り活動につなげております。また、老人憩の家、老人福祉センター等では、憩いの場、生きがいづくりの場を提供しており、お茶のみサロンの会場を提供するとともに、施設の指定管理者が自主事業としてお茶のみサロンを開催しているところもございますので、こうした既存施設もできるだけ御利用いただきたいと考えております。

 次に、孤独死の防止対策について、さいたま市のようなガイドラインを本市も作成すべきとの御質問にお答えを申し上げます。
 さいたま市では、今年二月に一家三人が餓死と見られる状態で数か月後に見付かりましたが、この家庭は住民登録が無く、どこにも相談されることのなかった行政情報が全く無い世帯であり、高齢の方でも障害のある方でもなかったとのことです。そして、このような孤独死の発生を防ぐために検討組織を立ち上げ、ライフライン事業者などの民間事業者が異変を察知した際に通報するためのガイドラインを作成し、十月に協定を締結したとのことであります。
 本市では、今年の三月に電気・ガス・水道事業者などに対し、生活に困窮されている人を把握された場合の情報提供を依頼し、また六月には直接電力会社を訪問し、再度、連携、連絡の協力依頼をしております。ガイドラインにつきましては、現在、本市においてもライフライン事業者や宅配などの民間事業者が、どのような状況のときにどこへ通報するのかなどの基準等について、他市の取組を参考にしながら市社会福祉協議会などと研究をしているところでございます。

◆阿部孝二
 次に、保育行政について伺います。
 まず、公立保育園の民営化撤回について。長野市公立保育所の適正規模及び民営化等基本計画素案が九月に発表され、民営化対象園の選定基準として、一つとして民営化後もおおむね六十人以上の園児数が継続して見込まれる、二つとして民営化直後に耐震補強工事や改築、大規模修繕等が必要ない、として民営化の対象を十六園とし、毎年一園程度実施していくとしています。
 また、第五で公立保育園の役割で、民間にできることは民間にとの前置きがありますが、公立保育園の役割は、児童福祉法第二十四条の保育に欠ける子供について市町村が保育をすることです。今の保育が、一人一人の子供にかなう保育水準を高めていくことが必要で、民営化することではありません。
 貧困と格差の広がり、母子家庭の拡大、幼児虐待など公立保育園の役割がますます重要になっています。民営化計画を撤回し、四歳児、五歳児の保育士配置基準を国の基準の三十人から二十人規模への引下げと、嘱託職員の正規職員への移行を行うべきです。答弁を求めます。
 次に、子育て新システムについて。新システム関連法、子ども・子育て関連法は、民主・自民・公明三党の民意踏み付けの増税談合によって、社会保障・税一体改革の一環として八月十日に成立しました。新システムについては、保育団体を初め多くの反対運動が全国に広がる中で強行されたものです。
 その内容は、一つ目には保育に対する公的責任後退、児童福祉法第二十四条第二項に規定されている認定こども園や家庭的保育事業、いわゆる保育ママ制度、ビルの一室などを活用する小規模保育事業などを整備、事業所の誘致によって必要な保育を確保するための措置を講ずればよい。児童福祉法の見地から大きく後退したものになっています。
 二つ目には、保育所建設補助金の廃止。待機児童解消は口実に過ぎなかった。
 三つ目には、保育所探しが保護者の自己責任になってしまうと大きな不安と批判の声が広がった。直接契約制度も基本的には原案どおり導入された。反対の声を無視できなくて、附則で当面の間は市町村が窓口になり、空きのある施設やサービスを調整、あっせんするとしています。
 四つ目には、親の就労時間によって子供の必要な保育時間を決める認定制度も残されています。
 五つ目には、幼稚園への企業参入は断念したが、営利企業の参入、保育の営利化や産業化の流れも基本的には変わっていません。財界の要請に応えた規制緩和の推進では、保育の質の低下が起こり、子供たちの保育環境の格差を押し付け、命や健康を脅かす事態も起こしかねません。
 新システムの実施を断念させ、公的保育の充実の方向へ転換させることが必要です。答弁を求めます。

◎保健福祉部長(駒津善忠)
 次に、保育行政についてお答えを申し上げます。
 初めに、公立保育所の民営化計画撤回についてでございますが、行政が行うべき事業についても、民間が実施主体になることでサービスの水準や効率性の向上が図られる場合は、それらを民間に委ねていくことは本市の基本的な考えでございます。
 現在、本市には認可保育所が八十三園ございますが、その半数以上が私立で運営をしており、保育所保育指針に基づき民間ならではの独自の保育理念や発想力を生かし、多様な保育ニーズに迅速かつ柔軟に対応した保育サービスが提供されております。
 認可保育所については、本市が私立保育所等を含めて保育に欠ける判定、保育所への入所決定と入所調整、特別な支援が必要な子供に対する保育の利用勧奨、支援、入所措置を行うとともに、必要な指導等を行い、保育の質の確保を図っておりますので、保育を必要とする子供に対し必要な保育を提供する責任を十分果たしております。
 このことから、公立保育所の主な役割は、民間では運営が困難で地理的に他の保育所との統廃合等が困難な施設を維持し、保育サービスを提供すること並びに市全体の未就園の子育て家庭への支援の充実を図ることと考えております。
 本市の公立保育所の民営化については、限られた財源、人材等を有効活用することが本市の保育及び子育て施策を充実するために必要不可欠と考え、現在、社会福祉審議会の児童福祉専門分科会で御審議いただいており、民営化の考え方については御理解をいただいておりますので、公立保育所の民営化計画を撤回する計画はございません。

 次に、四歳・五歳児の保育士配置基準の見直しについてでございますが、平成二十七年度から本格施行される新制度の制度設計等を議論する国の子ども・子育て会議の動向を注視し、適切な対応に努めてまいります。

 次に、嘱託保育士の正規保育士への移行についてでございますが、本市においては正規職員数の適正化を進めている中、保育士の増員については嘱託職員等の活用により対応をしており、民営化計画の進捗状況を見極めながら、必要な正規職員についてはその確保に努めてまいります。

 次に、子育て新システムについてですが、新システムにつきましては、住民に身近な市町村が地域の実情に応じて地域の裁量により地域の子育て支援施策を実施できることから、基本的に賛成であるとして、現金給付と現物給付のバランスに配慮した制度構築を求め、併せて十分な事業費を確保するよう国に要望をし、市議会の皆様方も同様な趣旨の意見書を国に御提出いただいております。
 修正をされました子ども・子育て関連三法は、関係団体等の御意見を反映して子ども・子育て新システムを修正したもので、質の高い幼児期の学校教育及び保育を総合的に提供できる仕組みとして、認定こども園制度の改善、認定こども園、幼稚園及び保育所を通じた共通の施設給付等の創設、地域の子ども・子育て支援施策の充実を図るとしており、新たな財源を基に住民に身近な市町村が事業主体となるなど、基本的な事項は変更がありませんので、国の動向を注視して必要な準備をしてまいりたいと考えております。

◆阿部孝二
 次に、教育行政について伺います。
 いじめの無い学校づくりについて。今年四月から九月までに、全国の国公私立の小・中・高校が把握したいじめの件数は十四万四千五十四件に上り、昨年度一年間の七万二百三十一件と比べ倍増したことが文部科学省のいじめ緊急調査で分かった。
 県下では千三百四十九件で、昨年度は九百十四件との報告です。昨年自殺した大津市の生徒の父親は、驚くべき数字だが氷山の一角かもしれない、十四万件のうち教師は何件知っていたのか、どの学校にもいじめがあるはずと捉えて、教師は子供と向き合ってほしいとの報道がされていました。
 日本共産党は、いじめの無い学校と社会をとの提案を行っています。提案では、今日のいじめは、人間の関係を利用しながら恥辱や恐怖心を与え、思いどおりに支配しようとするもので、時には子供を死まで追い詰める事件に発展し、ネットによる中傷、傷害、性暴力、恐喝などの犯罪ともつながっているとしています。多くのいじめ被害者は、その後の人生を変えてしまうような心の傷を受け、大人になっても恐怖で社会に出られないほど後遺症に苦しんでいます。
 いじめは、いかなる形をとろうとも人権侵害であり、暴力です。しかも、いじめはどの学級にもあると言われるほど広がっています。責め合うような言葉を交わしたり、遊びやふざけとして人が傷付くことを楽しんだり、その様子を周りで見ていたり、こうした風潮が日常のものになれば、子供たち全体の成長に暗い影を落とすことになります。
 いじめをなくすため、様々な取組の提案をしています。
 一つ目は、いじめの対応について相談があったとき、全職員で情報を共有し、保護者に伝え、連絡を密にすること。いじめアンケートは無記名で、内容は自分が嫌なことをやらされたことがあるか、給食をよそうとき避けられる人がいるかなど、具体的に尋ねる。
 二つ目には、運動会を通じて団結ができ、いじめになりそうになってもやめなよと声が掛かるようになった。一つのことを一緒に取り組む子供たちの達成感や信頼関係は、いじめをなくす上で大きな力を発揮します。農業体験や収穫祭、生徒会や学級での自主的ないじめを解決する活動も大切です。
 三つ目には、いじめられている子供は、命の危険にさらされていると言っても過言ではありません。安心して学校に来られるように対応するとともに、心身を犠牲にしてまで学校に来ることはないことを伝え、安全確保を優先します。いじめる子供には、いじめを反省し、いじめをしなくなり、人間的に立ち直るまで徹底した措置とケアを行います。児童相談所などの専門機関、心理臨床家や医師等の専門家、被害者団体などと連携をすることが大切です。
 四つ目には、教員の多忙化の解消。過労死を超える残業時間の解消。研究教育などは教職員の参加で整理し、子供と向き合う時間を保障すること。
 五つ目には、国連子どもの権利委員会は、日本政府に再三過度に競争的な教育制度の改善を勧告しています。全国学力テストや市独自のテストなどの競争原理につながるものは実施しないこと。
 六つ目には、就学援助の徹底と修学旅行の不足分の助成、学校徴集金の軽減、文化芸術鑑賞のための予算確保について答弁を求めます。

◎教育次長(中村正昭)
 私から、教育行政についてのうち、いじめの無い学校づくりについての御提言について、本市の状況を基にお答え申し上げます。

 第一に、いじめの対応についてでございますが、相談を受けた教職員は、管理職、関係教職員で経過を共通理解した後、全教職員で情報を共有化しております。また、被害児童・生徒や保護者の思いを聴きながら事実を確認し、連絡を密にしております。場合によっては、全保護者への連絡等も必要と考えております。いじめに関するアンケートにつきましては、記名の有無や内容等について、学校ごとに実態把握しやすいよう対応しております。

 第二に、一つのことを一緒に取り組み得られる達成感や信頼関係は、いじめを無くす上でも大切であると捉え、学校全体で取り組む行事等も取り入れております。また、児童・生徒自らがいじめを無くしていこうと考え、児童会、生徒会の活動としていじめ撲滅運動に取り組んだりしている学校もございます。このような活動事例を報告書にし、各校に配布し、活動の促進を図っております。

 第三に、いじめられている子供の安全確保を第一に考え、その子の思いや願いを聴きながら、安心して登校できるよう解決を図っております。また、加害児童・生徒ともしっかりと向き合うことが大切と考え、事実を詳細に確認した上で、その行為やそれを受けた児童・生徒の心情を考えさせ、行為の重大性の認識と反省を促し、なぜいじめてしまったのかなど、自分を振り返ることや謝罪の方法などについても共に考えながら指導しております。また、状況により専門機関等と連携しております。

 第四に、教員が子供と向き合うことはとても大切と考えております。そこで、本市では、校務の効率化を図り、教員向けのポータルサイトの充実や配布物の精選等、教員の負担感を減らすように努めております。さらに、この十二月から新しい校務支援システムを全校に導入し、校務に関わる入力作業を大幅に簡素化しました。これらにより、教員が子供と向き合う時間が増すことを期待しているところでございます。

 第五に、全国学力・学習状況調査は単にテスト結果を比較するものではなく、児童・生徒の学力や学習状況を把握、分析し、指導改善に生かすために行われており、今後も参加する予定でございます。
 また、本市としましては、引き続き標準学力検査--NRTを実施し、客観的なデータを基にした学習指導の改善を通して、児童・生徒の学力保障を図ってまいります。

 第六に、就学援助は経済的理由によって就学が困難な児童・生徒に、学用品、医療費等必要な援助を行うものであり、本市においても、要綱を定め必要な援助を行っています。修学旅行費もその一項目としており、学校徴収金の軽減については、県教育委員会の学校徴収金の基本的な考え方についてに準拠し、調査研究を行い、保護者の経済的負担の軽減に努めてまいりたいと考えております。
 文化芸術鑑賞については、毎年、校長会主催の芸術鑑賞音楽会開催に際し、その経費への補助を行っております。また、本年度から子どものための文化芸術プログラムを実施し、これらにより子供たちの感性や創造力を養い、情操教育の促進を図っております。
 議員の御提言に対しましては以上でございますが、いじめの問題は未然防止が重要であります。そして、起きてしまったいじめの早期発見、早期解消が重要と考え、市独自のアンケート調査やQ-Uを用いての学級集団一人一人の児童・生徒の状況把握に努めているところでございます。これからも、子供たちが明るく笑顔で登校できる学校づくりを進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆阿部孝二
 次に、福祉医療の拡充と子供のインフルエンザワクチン接種への補助制度の創設について。福祉医療の無料化を中学校義務教育まで実施を求めます。高齢者のみのインフルエンザ千円負担の制度を義務教育の中学生まで新設し、実施をお願いしたいと。

◎保健福祉部長(駒津善忠)
 最後に、教育行政についてのうち、福祉医療の拡充と子供のインフルエンザワクチン接種への補助制度の創設についてお答えをいたします。
 福祉医療制度における乳幼児等の対象年齢については、平成二十二年度において小学三年生まで拡大をいたしましたが、少子化対策、子育て支援が喫緊の課題であることなどから、昨年十月に長野市社会福祉審議会に対し見直しの諮問を行い、答申を頂き、その答申を尊重しまして、本年十月から小学六年生まで拡大実施したところでございます。小学四年生以上の拡大部分は県の補助が無く、全額長野市の単独事業として実施をしているものであり、対象年齢を更に中学生まで拡大することは困難と考えております。

 次に、子供のインフルエンザワクチン接種への補助制度の創設についてお答えいたします。
 子供のインフルエンザワクチン接種は、かつて中学生までを集団接種で行ったこともございましたが、平成六年度の予防接種法の改正で定期予防接種から削除をされました。削除された理由は、インフルエンザの流行の状況、ワクチンの有効性及び予防接種後の副反応を考慮して削除されたものであります。インフルエンザワクチンの効果について申し上げますと、大人については七十から八十パーセント、就学前の子供については二十から三十パーセントと言われております。
 本市においては、定期予防接種として位置付けられたもの及び国においてワクチンの有効性及び安全性が確認され緊急促進事業で国が推奨している予防接種を公費負担しているとこころでございます。また、インフルエンザ脳症よりも、ヒブ又は小児用肺炎球菌により感染する細菌性髄膜炎の方がり患数が多く、かつ、感染した場合には後遺症の危険性が高くなっております。このため、国において、ヒブ及び小児用肺炎球菌の定期接種化を予定しており、本市としては、これら重症化のリスクが高い細菌性髄膜炎を予防するワクチンを子供たちが確実に接種できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 このことから、子供のインフルエンザワクチン接種は、保護者の負担により接種していただきたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◆阿部孝二
 次に、通学路の安全対策について。通学路の安全対策について、毎年PTAや地域の皆さんで通学路の危険箇所調査が行われています。小学校区で幾つ要望が出され、解決されたのか、今後の計画はどうなっているか、答弁を求めます。

 次に、長野市立博物館の充実について。来年度に博物館の耐震診断の調査が行われると聞きました。博物館ができて三十一年経過し、合併して多くの管理が必要になってきていると思います。常設展示室入場者は、平成二十三年度は三万三千二百五十二人、前年度より一万人増えています。博物館には展示場、収蔵庫、教室、プラネタリウム、事務所などがありますが、十分な面積の確保がされていません。博物館見学者の駐車場確保や古戦場からの分かりやすい道などの整備が必要です。学芸員の確保や正規職員体制などの計画について答弁を求めます。

◎教育次長(三井和雄)
 次に、通学路の安全対策についてお答えいたします。
 各学校におきまして通学路を選定するに当たりましては、学校職員とPTA役員が実際に道路の状況や交通事情を確認した上で決定をしており、安全パトロールの実施など児童・生徒が安全に道路を通行できるように努めているところであります。
 今年度は、このような毎年実施してきた対策とは別に、国が定めました通学路における緊急合同点検等実施要領に基づき、小学校の通学路について合同点検を実施いたしました。この点検では、各学校において合同点検が必要であると判断した百二十一か所について実施をし、百六十の対策案を作成し、十一月末現在で路側帯のカラー舗装やミラーの設置など三十九の対策を実施済み又は実施中であります。
 また、残る百二十一の対策案のうち、道路管理者及び地元警察署が実施する対策案九十六につきましては、十一月三十日付けで各機関に要望したところであり、市教育委員会といたしましても継続的な対策の推進について働き掛けてまいります。
 なお、合同点検を実施した箇所以外の危険箇所については、各校が、あるいは地域活動において関係機関への働き掛けを行っているものもあると思われ、市教育委員会といたしましては、それらの全ての状況は把握しておりませんが、今後、必要なものにつきましては、解決に向けて関わってまいりたいと考えております。

 次に、長野市立博物館の充実についてお答えします。
 博物館は、合併により分館、付属施設が十二館に増加しました。そこで、分かりやすく魅力ある博物館を目指し、またより効率的な運営を図っていくために、今年度から分館、付属施設の統廃合を含めた博物館の再編基本計画策定に取り組んでおります。
 議員御指摘の、博物館内施設の十分な面積の確保がなされていない件でございますが、現在、特に不足している収蔵施設などにつきましては、分館、付属施設の統廃合によって生ずる既存施設の有効活用を行う中で対応してまいりたいと考えております。
 また、博物館見学者の駐車場の問題ですが、五年前により近い場所に駐車場を取得したことにより、通常は十分な駐車スペースを確保しております。さらに、本年度は身障者用駐車場の整備を実施しておりますが、今後は八幡原史跡公園や駐車場から博物館への分かりやすい案内看板の設置など、周辺整備を進めてまいりたいと考えております。

 次に、学芸員の確保や正規職員体制につきましては、これまでも不足している専門分野の学芸員の確保に努めてまいりました。今後も、長野市として必要な学芸員のバランスを考え、適正な職員配置に努めてまいります。
 以上です。

◆阿部孝二
 次に、住宅リフォーム補助事業の継続について伺います。
 景気は、円高、デフレなどによる不況が続いています。建設関係では、消費税増税を前に仕事があるとも聞いていますが、建設業界は危機的状況が続いていることは確かです。市は、この間、住宅リフォーム補助事業に約一億八千万円支出し、経済波及効果として二十三倍の約四十億円を超える効果になっています。来年度も継続し、地域経済の活性化、耐震補強の促進を行うべきです。また、持ち家以外は対象外としていますが、市営住宅や県営住宅もリフォーム補助対象にして快適な住環境を援助をすべきですが、答弁を求めます。

 次に、市営住宅の整備計画について伺います。
 市民の暮らしは、年金の削減、格差と貧困、非正規雇用などで収入が減ってきています。市営住宅の整備、耐震補強工事などで入居者の要望に応えることが求められています。市営住宅のうち、耐震診断未実施が約六十五戸ありますが、今後の計画を教えてください。また、空き家で募集されていない住宅は幾つありますか。今後の計画をお答えください。

 次に、支所機能についてお伺いします。
 市は、南部の七支所に配置している土木技術職員を集約して、篠ノ井地区に事務所を設ける検討を行っていると報道されました。今年もゲリラ豪雨で古牧地区、篠ノ井地区、鬼無里地区などで被害がありました。他の地域でも、いつゲリラ豪雨で被害が起こるか分かりません。市南部地域は広範囲な中山間地域を抱えている地域でもあります。土木技術職員の充実を行い、ゲリラ豪雨による災害地域の解消工事促進計画を行うべきです。答弁を求めます。

◎建設部長(藤田彰)
 次に、住宅リフォーム補助事業の継続についてお答えいたします。
 地元経済活性化のための緊急経済対策として、昨年度から二か年の限定措置として実施しております住宅リフォーム補助事業については、このまま経済情勢に大きな変動が無ければ、今年度をもって終了することが基本であると考えております。
 御質問の耐震化の促進という観点につきましては、本市では建築物の耐震化率を平成二十七年度までに九十パーセントとすることを目標としております。平成二十三年度の耐震化率は、市有施設については八十パーセント、特定建築物については七十八パーセントとなっており、これらについてはおおむね順調に耐震化が進んでいると考えております。しかし、住宅については、二十三年度の耐震化率は七十二パーセントにとどまっており、目標の達成は非常に厳しい状況にあります。
 本年九月市議会定例会において、松田光平議員さんへの答弁でも申し上げましたが、現在、住宅の耐震改修には工事費の二分の一かつ上限六十万円を補助する制度がありますが、今後、これまで以上に住宅の耐震改修を促進していくためには、インセンティブとして耐震改修に関連した住宅リフォーム補助制度としていくことも一つの方法として考えられることから、国の動向等を見ながら総合的に検討してまいりたいと考えております。
 御提案の、市営住宅及び県営住宅もリフォーム補助の対象とすることにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、緊急経済対策としての住宅リフォーム補助制度は今年度をもって終了することが基本であると考えておりますこと、また市営住宅及び県営住宅は公営住宅法により入居者が行う模様替えや増築等は制限されていることから、これについては考えておりませんので御理解をお願いいたします。

 次に、市営住宅の整備計画についてお答えいたします。
 まず、耐震診断についてでありますが、市営住宅の管理戸数は現在三千五百九十戸となっております。これまで、耐震診断や耐震補強工事については積極的に取り組んできており、耐震診断実施率は九十一・一パーセント、新耐震基準により建設されたものを含めて耐震化率は八十五・四パーセントとなっております。耐震診断未実施の住宅は六十七棟二百五戸あり、構造別では簡易耐火構造が四十二棟百六十八戸、木造が二十五棟三十七戸となっております。
 これらの耐震診断の予定については、簡易耐火構造の住宅は平成二十六年度までに完了する予定でおります。木造住宅につきましては、昭和三十年代に造られたもので、耐用年限が過ぎており老朽化が進み、解体することを前提としていることから、耐震診断は予定しておりません。
 なお、耐震性を確保できない住宅については、現在策定中のストック総合活用計画に基づき、今後、建て替えや統廃合を進める中で、入居者の住み替えを誘導してまいりたいと考えております。

 次に、市営住宅の空き家につきましては、現在、五百八十五戸ございます。このうち耐用年限が過ぎ、団地の建て替えや廃止を前提に募集を止めている住宅が二百二戸、また入居者間のトラブル防止や入居者が亡くなられるなどして一定期間募集を停止している空き家が八十七戸で、これら空き家として管理せざるを得ない住宅は合計二百八十九戸となり、これは空き家全体の約五割に当たります。

 この他、募集可能な住宅は二百九十六戸ございますが、このうち約六割に当たる百七十四戸が住宅の損傷が激しく、修繕に多額の費用を必要とします。このため、限られた予算の中、募集を前提に修繕を行う住宅は入居希望者が多い団地を優先して実施し、募集しても入居につながりにくい団地については、入居希望の状況を見ながら修繕を行っている状況であります。
 今後につきましては、昨日の三井議員さんへの答弁と重複いたしますが、現在策定中のストック総合活用計画に基づき、中・長期的には建て替えや統廃合を進め、また当面維持していく住宅については、バリアフリー化や設備更新等を計画的に行い、住宅の質を高めることにより入居に結び付けてまいりたいと考えております。

 次に、支所機能の充実についてお答えいたします。
 昨日の塩入議員さんへの答弁と一部重複いたしますが、市では昨年度、本庁と支所機能の在り方に関する関係課検討会議を設け、支所業務の見直しの方向性として、現在の二十七支所体制は維持するものの、地理的条件、業務効率性等を踏まえ、建設・土木、産業振興等の業務拠点について検討を進めることといたしました。
 今年度は、担当部局を中心に、この見直しの方向性に沿って具体的な検討を進めることとしており、建設関係の業務については、現在、建設部において道路、河川、維持の三課の業務分担を含め、見直し作業を行っているところでございます。今後、関係部局を含め更に検討を進め、より効率的で緊急時にも対応可能な建設行政の執行体制を構築してまいりたいと考えております。

 次に、ゲリラ豪雨による災害地域の解消工事の促進についてでありますが、まず市街地における浸水被害を防ぐため、市では下水道事業による雨水きょ計画に基づく幹線排水路の整備を進めております。しかし、その整備率は平成二十三年度末で三十一パーセントにとどまり、整備が遅れている状況であることから、来年度以降は雨水事業に関わる予算などの拡充を図り、雨水きょの整備を重点的に進めるとともに、雨水流出抑制のための調整池や貯留・浸透施設などを取り入れた総合的な雨水対策を一層推進してまいります。
 また、中山間地域においては、過去に実施した道路防災点検により抽出された道路のり面の危険箇所などについて、計画的に道路防災事業を実施し、災害の未然防止に努めるとともに、豪雨等により災害が発生した場合には、迅速に応急対応を行い、早期復旧に努めてまいります。
 以上でございます。

◆阿部孝二
 それぞれ答弁いただいたんですが、再質問させていただきます。
 最初に、大手電機メーカーの大リストラ等についてであります。
 質問の中にもちょっと書いたんですが、二十六兆円の内部留保があり、五百万円の年収で一年間十三万人が確保できるということで、内部留保の二・五パーセントですね。確かに、それぞれの事業所で内部留保をどう使うかということはあるんですが、ただ簡単にリストラ、人員削減をしていいのかというのが一番の問題だと思うんですよね。
 リストラ、人員削減については、いろんなプロセスがあると思うんです。経済の中で、景気の中で大変な状況があるわけですが、しかし今までため込んだものについてどう使うか、又はリストラする前に株の配当をやめるとか、役員の給料を削減するとか、経営の合理化をするとかで、最後に手を付けるものが人件費ということだと思うんですが、そこの見解、鷲澤市長の方から再度答弁をお願いします。

◎市長(鷲澤正一)
 基本的に、内部留保というものがあるから今の程度で済んでるということです。今の企業が大リストラをやらなきゃならないということは、内部留保っていうのは、もっとはっきり言えば、内部留保っていうのは利益を上げて税金を払ったその残りですから、その残りを積み立ててきてるわけでしょう。何十年という長さの間に積み上げてきてるもので、それは個人財産なんですよ。企業にとっては個人財産。いいですか、企業っていうのは誰のものかっていう問題からいうと、あれは個人財産なんです。
 ですから、私は、そういう意味では、それは確かに常識として、それは飽くまでも個人のもので、個人というか法人のものなんです。それをただ取るということになると、それは別に何か法律を作るなり何なり考えてやってもらわない限り……
   (発言する者あり)

◎市長(鷲澤正一) ちょっと黙っててください。私が今しゃべってる最中です。
 私は、そういう面でいいますと、リストラというのは飽くまでも、今具体的に申し上げると、工場を例えばやめて売って、それによって退職金を払うとか、そういうこともやってるわけですよ、現実に。そうじゃないですか。退職金を払うために、それはいろんな退職金制度があるわけですから、それに対して今までの内部留保を崩すっていうのは、内部留保にはいろんなものがありましてね、決してお金、現金だけじゃなくて、内部留保というものが例えば土地になったり工場の施設になったりしてるものがあるわけです。そういうものを売り払って払うというのは、これはある意味では阿部議員のおっしゃる一つの方法としてそういうものをやってるということでしょうね。それは、そういうこともやりながら、今何とかして企業の存続を考えてるということじゃないでしょうか。
 私は、そういう面からいっても、確かに人員削減をするのは最後の手段だというふうに私も思います。現実にそうだと思います。やってます。私はそう思ってます。
 それから、配当とか役員の賞与とか、これはもう役員賞与なんかも相当、それはそれぞれの会社の考え方ですから、私は中身までは知りませんけども、それは減らしているはずです。当然のことだと私は思ってます。
 以上です。

◆阿部孝二
 鷲澤市長が答弁した中身は、地元の中小零細業者の考え方で必死でやってる中身なんですよ。資本金十億円以上の大企業は、そういう考え方とは全く違うと思うんですね。そこのところをよく見ていただきたいと思うんです。資本金十億円以上の大企業は、この一年間だけで一兆五千億円の利益を上げてるんです。長年じゃないんです。一年間だけなんです。それで二百六十六兆円がたまり込んでるんです。
 地元の中小零細業者は、本当に必死で頑張ってます。自分の給料をもらわなくても、母ちゃんの給料やらなくても、自分の年金や生命保険を解約しても、従業員の給料を払って何とかしていこうと、そういう努力をされているんです。しかし、大手は違うんだっていうこと、認識を改めて市政を考えていただきたいと思います。
 それでは、ちょっといろいろあっていけませんので、次に財政部長が取得価格が分からないっていうことをちょっと言われたんですが、これはどうして分からないのか。全部分からないっていうことはないと思うんですが、なぜ分からないという答弁をしたのか、ちょっと答弁を求めます。

◎財政部長(山澤謙一)
 お答えいたします。
 売却可能資産の取得価格の関係でございますが、これは財務書類の中でも示してあるんですが、売却可能資産につきましては、公表資料にも記載してあるとおり、既存の決算統計の数値を活用しているものでございます。そういたしますと、昭和四十三年度以前に取得したものが計上されてこないということがございまして、先般のような答弁をさせていただいたというものでございまして、その上で今後、固定資産台帳をまとめるというのが責務となってございますので、課題になっているところでもございます。
 以上でございます。

◆阿部孝二
 そうであれば、昭和四十三年度以前のものと以降のものについて、分かるものがどのくらい、分からないものはどのくらいということで、きちっとしてもらいたいんですが、その辺の答弁、再答弁をお願いします。

◎財政部長(山澤謙一)
 お答えいたします。
 財務書類の方には、そこまで取得価格は出してございませんので、売却可能資産としての額になっているわけで、そこまで取得価格を分ける正規の必要性が今のところないということで、今現在出してないというものでございます。
 以上でございます。

◆阿部孝二
 最近の市の財務関係では、資産、負債との関係で、毎年説明されてると思うんですね。資産、負債との関係でいけば、資産がどうなってるのか、負債がどうなってるのかという期首残高と期末残高がそれぞれ出てくるはずなんですが、そういうことからすれば必要なものであると思いますので、再度答弁をお願いします。

◎財政部長(山澤謙一)
 財務書類の中で議論する上で重要なのは、売却可能資産としての額が幾らであるかということでございまして、取得時において幾らであったかということは、今後の収支の中では大きな影響ではないというものと思っております。
 以上です。

◆阿部孝二
 財政部長、本当にそれでいいんですか。建設部長が説明した今井ニュータウンの取得との関係でいくと、十四億円の取得で、それで売却可能っていう点でいけば九億五千万円と、こういうふうになってるんですね。市民の税金で取得をして売却したときに、市民の税金が有効活用されてるかどうかっていう問題が市民としては出てくるわけなんで、売却だけがいいなんていうことであれば、財政部長、まずいんじゃないですか。

◎財政部長(山澤謙一)
 先ほどの御質問は、財務書類の収支のところでの御質問でございましたので、その点では取得価格は関係ないという趣旨で申し上げたつもりです。その取得価格が、全く関係ないという御説明をしたつもりはございません。さらに、冒頭申し上げましたとおり、現実問題といたしまして、数十年前の資産、幾らで購入したかというのは分からないというのも、これも事実でございます。そういったものも踏まえまして、今後はこういう財産台帳の整理に当たりまして、適切に対応していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

◆阿部孝二
 じゃ、分かるものと分からないものをはっきりさせてください。

◎財政部長(山澤謙一)
 お答えいたします。
 分かるものといたしましては、昭和四十四年度以降に購入し、決算統計に計上されているものは明らかでございます。それ以前のものにつきましては、一部のものについては分かる、分からないものもあるというような状況でございます。
 以上です。

◆阿部孝二
 質問の中に出てるんですが、それでは分かるものの取得価格と今売却可能な価格の分かるもので、価格が幾らかっていう点での答弁をお願いします。

◎財政部長(山澤謙一)
 お答えいたします。
 今、手元には数字を持ち合わせてございません。さらに、一部のものの取得価格だけを積み上げたところで、それがどういう数字を成すものかということにおきまして、余り意味のあるものではないというふうに考えております。
 以上です。

◆阿部孝二
 大変失礼ですよね。私が質問して答弁を求めてるんで、必要ないという答弁の仕方はないと思うんですが、再度お願いします。

◎財政部長(山澤謙一)
 お答えいたします。
 先ほども御答弁いたしましたとおり、現状、手元にそのような数字は持ち合わせてはございませんので、答弁の方は致しかねる状況でございます。
 以上です。

◎市長(鷲澤正一)
 この問題は、私も市長になった当時、ちょっとおかしいなというふうに思ったことは事実です。ただし、全部、もっとはっきり申し上げると、分からないものは分からないんです。なぜ分かんないか。例えば、一番具体的なことを申し上げますと、昭和四十何年頃ですか、四十三年以前のものということになりますと、例えば長野カントリークラブの土地っていうのは、あれは市有地ですよ、長野市の、そうでしょう。長野市の市有地、あれどうやって取得したかっていうと、あれは芋井村の時代に芋井村が持ってきて、合併のときに持ってきたものなのです。その価格というのは、別に幾らなんだっていうことについては原価はありません。無いんです。ですから、分からないというふうに今、財政部長は答えてるわけです。
 それは、芋井村の問題だけじゃないですよ。あらゆるものについて、例えば今、我々の知ってるところで言えば、私の家の近隣の城山小学校とか、そういうところの土地だって、そんな前のものの土地価格は帳簿に無いんです。じゃ、どうするんだということになると、私はやるべきだと思ってたんですが、土地評価額を全部評価してもらうということ以外ないんです。ところが、それをやってもはっきり言うと余り価値が無い。どういう価値があるか。価値が無いんですよ、調べたところで。幾らですって出るかもしれない。出るかもしれないけれども、そのことはそんなに意味があるものではない。
 私は、恐らく財政部長が意味が無いと言ったのは、そういう意味だと思うんです。ですから、それは意味が無いということで私も分かったというふうに申し上げたわけであります。それは、それこそ私が十年前に市長になったときにそういう話をいろいろしたことは事実。ただ、国の方も昭和四十三年以前のものについては、それは分からないんだからしようがないねという、しようがないというよりも、逆に言うと出すこと自体が不正確ですよ。
 もっと言うと、それをやることによって、出すならば、不動産鑑定士に頼んで全部やってもらうよりしようがないですね。それには、物すごい膨大な金がかかるんですよ。そんなことをやることにどういう意味があるかっていう点では、私は仕方がないねということを申し上げている。私は、財政部長の言っていることを補完するという意味で申し上げました。
 以上です。

◆阿部孝二
 先ほど言いましたように、分かるものはどのくらいあって、分からないものはどうだと。分からないものについては、税務署の考え方とすれば売却の五パーセントが取得価格ってなってるんですよ。だから、分からないものは分からないで答弁すればいいの。しかし、提案してっていうかな、質問してるものについてきちっと答えてほしいっていうのが私の考え。取得価格が分からなくていいなんてとんでもない話で、市の財産は皆さんのものじゃないんですよ。市民のものなんですよ。
 どうやって利活用するのかっていうことが問題なんです。だからこそ、未利用地等有効活用検討委員会の討議がどうやってなされているのか、構成や、それで頻度としてどのくらい行われているのか、答弁してもらいたいと思います。

◎財政部長(山澤謙一)
 未利用地等有効活用検討委員会の開催状況等の御質問でございますが、必要に応じまして年に数回、二度三度開催しているという状況でございます。検討委員会の中の個別具体的な内容につきましては、この委員会の議事の性格上、利害関係が生ずる場合もございますので、詳細につきましては答弁は差し控えさせていただきます。

◆阿部孝二
 それでは、今井ニュータウン南側の土地の利用の問題についてなんですが、戸建てはもう二十万円以下じゃないと売却してもなかなか販売はできないと思うんですね。そうなると、かなりの金額が取得価格からいけば、公園や道路を造れば大変な損害になるということにはなると思うんですが、先ほど言ったように、残土と土砂がいっぱい積まれていて、利活用も何もできない状況になってるんですよね。それは知ってると思うんで、地元の少年サッカーに関わっている方から、整地をして活用できるようにしてほしいという要望があったんですが、それについての答弁をお願いします。

◎建設部長(藤田彰)
 お答えいたします。
 先ほども答弁いたしましたが、この土地については、都市計画に準ずる事業を行う一団地住宅建設事業ということで、国、それから県から承認されて租税特別措置法の適用を受けて土地を取得したと、こういう形になっております。そうしますと、他に売却するというのもちょっと、そういうことではなくて、他の利用を考えるとしても、国、県の承認を受けた計画の趣旨に沿ってやっぱり考えなければいけないというふうに思っております。
 そういうことで、そういうことを含めて利用の仕方については総合的に検討してまいりたいと、こんなことを思っております。
 それから、サッカーができるようにしてほしいという御要望があるということでございますけれども、これまでそのような相談は私どもの方へ来ておりません。そういうことで、具体的な内容が今把握できておりませんので、後日、関係の皆様からお話を伺いたいと思っております。
 以上でございます。

◆阿部孝二
 是非、整地をしていただくようにして、何でも使えるようにしていただくようお願いしたいと思います。
 それじゃ、教育委員会の方で、教師の多忙の問題について、前回も私から質問したと思うんですが、過労死を超える八十時間以上の教員の実態があると思うんですね。そういう点では、その解消のためにどういう取組がされているのか。そして、研究指定や研究テーマ、Q-Uなどいろいろな課題があるわけですが、職員会でそのことについて職員の皆さんが賛成して参加するのか、それとも上からの押し付けで仕方なくやらなければならないのか、そういう問題が出てくると思うんですが、そこに対する教職員の皆さんや考え方、また教職員の就労時間を少なくするための対策を具体的に答弁をお願いしたいと思いますが。

◎教育次長(中村正昭)
 時間外勤務が八十時間を超えるという問題ですが、勤務時間の管理は基本的に校長が行うものでございますけれども、そういうことが起きないように、各学校の校長に対して、これは県教育委員会とともにですけれども、具体的には今それぞれの教員が朝何時に出勤して、何時に帰ってというのを付けてもらって、時間の管理をするようにしております。
 それぞれ、学校では数年前からこの時間外勤務を減らすということで、職員の会、学校では職員会議とか、その精選、それからそれが例えば職員会等が延びた場合には、校長の方は勤務の割り振りをしているわけですけれども、会議の精選をしたり、放課後の学級事務の時間を増やすようにしたり、以前よりは、例えば毎週行っていた職員会とかを月一回にするとか、そういうような取組を進めているところであります。
 それから、様々なQ-U調査、今Q-Uのことを具体的に取り上げていただきましたけれども、これは私がつかんでる範囲内ですけれども、多くの先生方からは有り難いというか、大事な把握、子供たちの実態をつかむ上で大事なものだという御意見を頂いております。そういうふうに承知しているところでございます。
 ですので、各学校で、そういう職員の間でどうするこうするということで意見は様々ありますけれども、大方の先生方からはQ-U等については賛同を得ているというふうに承知しております。
 以上でございます。

◆阿部孝二
 一学期、二学期、期末それぞれテストが行われて、子供たちの様子は先生が直接知ってると思うんですよね。今の話だと、八十時間を超える長時間労働を無くす方向には全くなっていないと。具体的に、今後、教職員の皆さんとどうするのか、もう一度答弁を求めたいと思います。

◎教育次長(中村正昭)
 時間外勤務を減らすように、教育委員会としても各学校の校長に指導しております。校長の方では、勤務時間をしっかりと付けて、八十時間を超えるようなことがないように引き続き指導をしたり、会議の精選に努めるようにしていきたいと思います。
 以上であります。

◆阿部孝二
 大豆島のごみ焼却施設の関係なんですが、住民の合意っていうのはどういう形でとられるのか。住民の皆さんの中には、住民投票をやるのが一番いいんではないかという提案もされていますが、住民投票についての答弁を求めます。

◎環境部長(小林博)
 先ほどの答弁の中でも申し上げましたが、確かに住民説明会をやっていく中では、アンケートであるとか住民投票っていう意見は頂いております。先ほどの繰り返しになりますが、決めること自体は、一番は受入れ先の大豆島地区の方の判断になると思うんですが、決定方法については行政から、上からやれというものではないというふうに考えております。
 地元におきましても、平成十七年に長野市から建設候補地の選定の報告と協力依頼をした後に、長年にわたり地元で検討組織を立ち上げられ、検討してこられました。ですから、そういう中での地元、地域としての考え方。それから、説明会、これ先月の十七日から十二月二日まで、これは大豆島地区七区で十三回実施しております。その他にも、役員や地権者を対象とした四回の会議をやってるんですが、特にこの大豆島七地区の会議には、各地区の区長さん以外の区長さんや副区長さん等の役員さんも参加して、住民の方がどのような意見を出されてるかというのを把握されております。
 また、併せて実施しておりますパブリックコメント、これは現在、十二件来ておりますが、その内容についても支所長を経由しまして、どんな意見が来てるというものを地域の方に流すような形で努めております。そういうことから、決定方法は、基本的には行政が決めるものではなく、実際に検討組織の考え方、それから説明会の意見を基に地域において検討され、地域においてその方法を決定することが最良であるというふうに考えております。
 また、併せて明日八日には全市民を対象とした説明会を行うんですが、翌九日の日曜日には、改めて大豆島全域を対象とした説明会を開催いたします。それにつきましては、都合により出席できなかった方であるとか、あるいは対象となった説明会ではなかなか意見の言えなかった方等についても参加して、まずは計画の内容を御理解いただくという趣旨で努めてまいります。
 以上です。

◆阿部孝二
 景気は良くなっていない状況の中で、長野市が発注する工事や業務委託については有効活用する。そして、失業者を増やさないように雇用を進めていく。障害者も雇用する。そういう中で、市が役割を果たしていかなければいけないと思います。
 以上で終わります。

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