2012年12月定例市議会 原田誠之議員
長野市農業の取組について
農業振興条例について
子育てへの一層の支援について
孤独死・孤立死問題について
おでかけパスポートの電車への使用について
人権政策について
長野市の再生可能エネルギー先進市化とやまざと振興計画について
市内の景気の動向と雇用について
皐月保育園の建設について
長野市農業の取組について
◆原田誠之
三十九番、日本共産党長野市会議員団の原田誠之です。
まず、長野市農業の一層の取組について伺います。
一九六〇年代、国内自給率六十パーセントが、農産物の輸入自由化、食管法の廃止など、六十年続いた自民党農政で四十パーセントに急落し、民主党政権で五十パーセントを目指すも、三十九パーセントと低迷です。
長野市は様々な施策を展開し、耕作放棄地の解消など農業振興に取り組んでいますが、一進一退です。
先日、テレビで宮城県大崎市の米づくりが放映されていました。他産業並みの労賃を考慮すれば、米は一俵一万六千六百円でなければ採算が合わない。大崎市では、農協や温泉組合、地域のNPOなどと共同し、農家から一俵二万四千円で買い取り、販売しています。耕作放棄地も解消に向かい、農家も地域も活性化しているとのことです。
長野市は、地域奨励作物支援事業や新規就農者支援事業、農作業支援事業などの施策を展開していますが、耕作放棄地は年々増え続け、二十二・七パーセントと高い位置を占めています。
全国各地で特性を生かして農業支援をしていますが、何よりも個々の農家への再生産に見合う価格と所得の補償です。大豆、小麦、ソバの奨励金を当初の価格に戻し、品目も拡大し、新規就農者支援事業も魅力がありますが、急速に進んでいる高齢化と耕作放棄地の増加を考慮すれば、助成金を更に引き上げ、また家賃補助など抜本的見直しと、農作物がふさわしい価格で販売できるように、一層の販路拡大に力を入れることなどが必要です。見解を伺います。
◎農林部長(小林正幸)
初めに、地域奨励作物支援事業についてお答えをいたします。
この事業は、平成十六年度から、農地の遊休荒廃化の防止、食料自給率の向上及び地産地消の推進を目的に、小麦、大豆、ソバについて、出荷量に応じて奨励金を交付し、その生産拡大を図ってまいりました。
平成二十三年度からは、国の農業者戸別所得補償制度の本格実施により、小麦、大豆、ソバに対する国からの交付額が大幅な増額となっております。この制度は、生産費が販売価格を上回っている品目を対象としており、再生産が可能となるよう所得を補償しているものであります。
また、地域奨励作物支援事業は、開始当時と比較しますと、栽培面積の大幅な増加によって本市の財政負担が高まっているため、本事業の推進にブレーキがかからないよう配慮しながら単価を設定していく必要があると考えております。
以上のことから、現時点では当初の単価に戻すことは困難であることを御理解いただきたいと思います。
また、対象品目につきましては、本制度の目的に照らし検討を進めておりますが、現状においては現在の三品目以外に適当な品目が見当たらないことから、来年度も三品目で実施するよう検討をしているところでございます。
次に、新規就農者支援事業は、平成二十三年度から開始したもので、まだ二年目を迎えたところであります。このため、家賃補助など金額の見直しは考えておりませんので、御了承をいただきたいと思います。
なお、国でも本年度から同様の事業を開始しており、市の制度より給付額が高いなど就業者にとって有利であるため、今後もできるだけ国の制度の対象となるよう指導を行ってまいります。
また、農産物等の販売拡大につきましては、現在、県外の市場や消費者に向けた市内農産物の積極的な情報発信等を進めております。今後は、さらにインターネットショッピングモール--(仮称)ながのマルシェを開設するなど、市内農産物の販路拡大につながる施策を進め、売れる・もうかる農業の実現に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆原田誠之
平地の優良農地が耕作放棄地になっていくのは、本当に忍びありません。地域奨励作物支援事業は一種の所得補償でありますので、極めて有効です。抜本的な見直しは、長野市の農業を立て直すぐらいの魅力があります。再考を求めます。十年で三百人の新規就農者は、前倒しで達成できるような思い切った対応も必要じゃないかと思いますので、御検討をお願いいたします。
農業振興条例について
◆原田誠之
次に、農業振興条例について伺います。
市長は、条例制定について、農業委員会と懇談した際、総合計画に掲げてあり、条例は不要としつつ、有効性、必要性を検討すると答えました。現場で汗して農業を支えている権威ある農業委員会の建議書に対して、不要との発言に厳しい批判がありましたが、しかし検討はするとしました。当然です。
小諸市農業委員会に視察に行き、小諸市農業農村振興条例の経過と内容を聞きました。基本理念には、食料は健康で充実した市民生活を営む源とし、安全で安心な地元農産物を安定的に生産、地元の農産物の消費を促進、景観の形成、水源のかん養、自然環境の保全などを明記、学校給食は自校で、食材は基本的には地元産で賄われているとのことです。食の位置付け、生産、消費、販売、環境保全など、条例により農業を重要な基幹産業に位置付け、農家を励ましています。
長野市でも、農業に一層の活力を生み出す源となる条例を制定し、農業を市の基幹産業として位置付けることを求めますが、見解を伺います。
◎市長(鷲澤正一)
農業振興条例についてお答えをいたします。
本市では、昨年、農業委員会からの建議を受け、農業委員、農業委員会事務局及び農業政策課のメンバーによるプロジェクトチームを設置し、条例の有効性、必要性について検討しております。
これまでに、本市を除く全国四十の中核市及び県内十八市を対象に、条例の設置状況等につきまして調査を行い、回答のあった市の中では七市が制定しており、四十五市が不制定でありましたが、制定の効果や影響がはっきりしないことから、現在、制定市に対し、農業振興を示す指標、数値等について追加の調査を行っております。
また、制定の予定の無い市の主な理由としましては、各市の総合計画や基本計画等で掲げた施策を実施することにより、条例の制定が不要との回答が多くありました。
本市でも、第四次長野市総合計画の農業分野で、未来に向けた農業の再生・振興、中山間地域の農業振興を基本施策として策定し、農業振興を図っております。さらに、総合計画を受けて長野市産業振興ビジョンを策定し、計画の具体的な事業を推進しております。
条例を制定し、農業を市の基幹産業として位置付けるとの御提案でございますが、本市は恵まれた自然条件や都市近郊型農業の利点を生かし、果樹、野菜、キノコなどを中心に発展してきており、重要な産業であることは十分に認識しております。
また、農業は、付加価値を付けるなどのアイデアにより収入を上げることができる魅力ある産業であるとも考えております。更に成長する産業に育つよう、農業の法人化や六次産業化などの施策を積極的に推進しているところであります。
このため、農業振興条例につきましては、総合計画や産業振興ビジョンとの整合性や条例制定の有効性、必要性について十分検証した上で、制定の是非について判断してまいりたいと考えております。
以上です。
◆原田誠之
県や農業委員会で、是非、農業の活性化、それから農家の皆さんへの励ましということも含めて条例を作っていただきたいというふうに言っておりますし、市長も不要とは言いつつも、検討はするというふうに言っていますので、是非ひとつ庁内で具体的に検討をしていけるように要望しておきます。
子育てへの一層の支援について
◆原田誠之
次に、人に優しい長野市について伺います。
まず、子育てへの一層の支援についてであります。
少子化に歯止めがかからず、長野市の将来人口推計でも減少の一途となります。社会的現象では済まされない問題があります。理由の一つは、希望する数まで子供が産めないことです。その根拠のトップは、子育てや教育にお金がかかり過ぎるで、内閣府調査でも五十六・三パーセントです。不安定雇用の増加、労働者世帯の収入減など、国民生活が大変であることが背景にあります。
長野市でも、子育てへの経済的支援を強め、安心して子供を産み育てられる環境づくりが求められています。
ちなみに、南牧村では、児童手当を三歳未満児年間十八万円、三歳以上は十二万円、中学生には十二万円を支給。また、下條村では、小学校から高校まで医療費無料、出産祝い金を第三子以降に十万円支給、保育料は一律十パーセント引下げなど手厚い支援をし、大勢の子供たちが生まれ育っていると首長さんの自慢です。
住んでいてよかった、長野市に住みたい、そんな都市間競争をしたいものです。長野市は、事務事業の見直しで数ある温かい事業が次々と削られてきましたが、子育てで自慢ができるよう、市単独の児童手当給付制度などの創設、医療費はせめて中学三年生まで窓口で無料、保育料の大幅な引下げ、無認可保育園への補助制度の復活など、小さい自治体でもきらりと光る優れた事業の教訓を生かしていただきたい。見解を伺います。
◎保健福祉部長(駒津善忠)
本市は、第四次長野市総合計画後期基本計画の重点施策の一つとして、子育ち・子育て環境の整備を位置付けており、また、ながの子ども未来プランでは、子供を産み育てることへの喜びを実感することができる家庭と社会の実現を目指し、総合的な子育ち・子育て支援策を実施しております。
まず、市単独の児童手当給付制度の創設についてでございますが、国と地方が役割分担をして総合的に実施していくことが必要だと考えており、児童手当などにつきましては、国の責任で全国統一した制度で実施をし、地域子育て支援センターなどにつきましては、市町村が実施していくことが望ましいと考えておりますので、市単独の制度を創設する考えはございません。
次に、医療費の中学三年生までの窓口無料化についてですが、本市では、今まで小学三年生までだった福祉医療制度を、今年十月から小学六年生まで拡大をしており、小学四年生以上に対する部分の県の補助が無い現状では、中学三年生までを対象に拡大することは困難と考えております。
また、窓口の無料化につきましては、現在の償還払い方式が県内市町村における統一した給付方式として行われておりますので、この方針を尊重してまいりたいと考えております。
次に、保育料の大幅な引下げについてでございますが、本市の保育料は、国の示す保育料基準に基づきまして、十六階層の保育料基準を定めており、また国の示す保育料基準よりも平均で約二十八パーセント軽減をしております。子育て世帯の負担に十分配慮をしていると認識しておりますので、更なる引下げは考えておりません。
次に、無認可保育園への補助制度の復活についてでございますが、待機児童がいない本市の現状を踏まえますと、無認可保育園への補助を復活する必要はないものと考えております。
いずれにいたしましても、子育て支援については、単に経済的負担の軽減だけでなく、総合的かつ計画的な子供・子育て支援施策が重要だと考えておりますので、御理解をお願いいたします。
以上です。
孤独死・孤立死問題について
◆原田誠之
次に進みます。
孤独死・孤立死問題について伺います。
先月十一日、長野地区社会保障推進協議会は市長に対し、保健、医療、介護、福祉などに関する要望書を提出し、関係理事者と懇談しました。長野市では、実態はつかめないとのことですが、全国で孤独死、孤立死が相次いでいます。背景には、急速に進んでいる貧困の拡大があります。
子供との同居率は、かつて五割が今は四分の一以下で、高齢者世帯のみが急増です。そのうち、生活保護基準以下で暮らしている人で生活保護を受けているのは、一割半程度であります。何よりも窓口の申請を受け止め、保護を受けやすくすること、また声を上げられない人にどう働き掛けるか。介護サービスを受けている人は全国的には十三パーセント、八割以上の高齢者は対応できていない状態です。
そこで、何らかの生活困窮のシグナルが出ている場合、行政がキャッチできるようシステム化が求められます。駒沢第二団地では、行政の隙間を埋めようと、自主的にひとり暮らしの高齢者が安否を知らせるために、自分たちで作った輪をドアに下げる、今日も元気だ輪の活動が始まっています。長野市民新聞でも、住民同士のつながりが希薄なことから、輪の有無で安否確認を行い、孤独死防止のための見守りと地域のきずなづくりを目指していると報道されました。
県営住宅は最後の住みかだと、ひっそり生きようとする人が多く、人との付き合いを拒んでいた人も、せめて生きているよとのあかしに、輪を出すだけの小さな行動で、少しずつ表に出てくるようになった、老人会に参加する人も増えてきたと関係者は喜んでいます。しかし、冬場は戸締まりとなり、心配とのことです。
宇都宮市の社会福祉協議会が視察に来て、これに学び、全市で取り組みたいと言ったそうであります。市内には対象地域が多くあります。教訓を生かし、全市に広げ、必要な予算措置をすべきと思いますが、見解を伺います。
◎保健福祉部長(駒津善忠)
お答えをいたします。
少子高齢化、核家族化等により、単身世帯や二人暮らし世帯が増加し、地域のつながりも希薄化する中で、世帯が社会から孤立し、死亡後相当期間放置された後発見される、いわゆる孤立死を防ぐためには、身近な地域で気付くことが大切でございます。
本市では、ひとり暮らし高齢者などの安否確認の対応策として、緊急通報システム設置事業の他、友愛活動の自宅訪問活動事業に対する補助などにより支援をしております。
また、今年三月には、電気・ガス・水道事業者などに対し、生活に困窮されている人を把握された場合の生活保護制度の紹介や情報提供を依頼いたしました。個人情報保護の課題もありますので、現在、民間事業者が、どのような状況のときにどこへ通報するかなどの基準等について、他市の取組を参考にしながら、市社会福祉協議会などと研究をしているところでございます。
駒沢第二団地での、自分たちで作った輪を毎日ドアに下げて安否を知らせる、今日も元気だ輪の活動は、地区で自発的に始められた取組で、ひとり暮らしの高齢者などを自分たちの地域で見守っていく手段として機能しております。
そこで使用される輪についても、市販のものを購入するのではなく、地区の人たちが集会所に寄り合って手作りをしており、それにより地域のきずな、コミュニケーションが生まれたとのことで、地域福祉活動の実践として大変すばらしい例だとは思いますが、全市に一律に広げることにつきましては、地域によってそれぞれの実情や考え方がございますので、地域で自主的に取り組んでいただきたいと考えております。
以上です。
◆原田誠之
当然、これを押し付けるわけじゃありません。教訓を生かせと、こういうふうに言っております。
住民自治協議会でも、団地に対する協力のための対応をするようでありますけれども、是非、支援と教訓を広めていただきたいというふうに思います。
おでかけパスポートの電車への使用について
◆原田誠之
次に、おでかけパスポートの電車への使用についてであります。
再三要望してきましたが、高齢者の社会参加への一層の支援になります。ICカードに交換中ですが、この機会に少しでも早く電車にも利用できるよう、事業者に要請をしていただきたいと思います。見解を伺います。
◎保健福祉部長(駒津善忠)
お答えをいたします。
おでかけパスポート事業は、高齢者福祉施策として、高齢者の積極的な社会参加を促すとともに、バスの利用促進を図るため実施している事業でございます。
電車への利用拡大の御要望につきましては、事業者である長野電鉄と協議を行いましたが、バス会社と同様に平均運賃の約三十パーセントを負担することはできないこと、また電車路線が他市を通過していることから、乗り換えの確認や無人駅での乗車・降車時の確認、料金精算の方法などの運行実務面から実施困難な問題があること、長野市を営業エリアとする他の鉄道会社と足並みをそろえた中で取組をしたいことなどから、対応は困難との回答を頂いており、市としても電車への利用拡大は難しいと考えております。
おでかけパスポートは、大変多くの高齢者の皆様に御利用いただいておりまして、今後も持続可能なサービスとして継続するため、公共交通であるバス利用の促進及びおでかけパスポート事業の在り方について、バス事業者とともに検討してまいりたいと考えております。
以上です。
◆原田誠之
是非、ひとつ粘り強く事業者に要請を、引き続きしていただきたいというふうに思います。
人権政策について
◆原田誠之
次に、人権政策について伺います。
昭和四十二年、部落解放審議会条例施行、同五十一年、部落解放都市宣言が掲げられ、同和問題を中心に人権問題に取り組んできました。
この間、同和対策事業として、団体補助金を初め特別な予算を計上、確認・糾弾会が行われ、橋のない川の上映の際には、上映阻止で、部落解放同盟の暴力行為による妨害は目に余るものがありました。にもかかわらず、国や県は同和対策をきっぱりとやめました。我が党市会議員団も、長野市での団体補助金廃止、同和予算の大幅削減、市部落解放同盟役員と職員の給与二重取り指摘など、不公正を正すため一貫して取り組んできました。ようやく四十五年目にして、人権同和対策推進から同和の二文字が削除され、人権政策推進に大きく変わりました。
先日、基本方針審議の際、ある審議委員は、様々な人権問題がある、差別だけが人権ではない、人権相談に関わる審議委員は、同和の相談は少なく、いじめのSOSが多い、人権問題は幅が広い、同和問題だけではなく人権政策を行った方が良い、人権の概念は広い、人権政策の中に同和を位置付ければ、市民から共感が得られるなどの発言が相次ぎました。
審議会の議論から、基本方針の精神を重く受け止め、部落解放都市宣言は人権宣言に改正し、人権を尊び差別のない明るい長野市を築く条例は、基本方針の精神を生かし抜本的な改正を行うこと、また人権同和教育研究の全校指定と子ども人権同和教室は廃止し、社会人権同和教育についても、基本方針の精神にのっとり、改めることを求めます。
また、基本的人権を尊重した庁内の人権政策推進協議会の推進体制の名称にふさわしく、人権同和政策課は人権政策課への名称変更を求めます。見解を伺います。
◎保健福祉部長(駒津善忠)
人権政策についてお答えをいたします。
まず、都市宣言と条例改正についてでございますが、部落解放都市宣言は、同和問題の解決を重要な市民の課題と受け止め、昭和五十一年四月に制定したものでございます。その後、今日まで三十六年余にわたり取り組んでまいりましたが、今なお差別事象が発生しており、見直しは慎重に行う必要があると受け止めております。
同和問題を含めたあらゆる人権問題の解決を願い、人権都市宣言に改めることにつきましては、今後、人権を尊び差別のない明るい長野市を築く審議会に諮って御意見をお聴きし、検討してまいりたいと考えております。
次に、人権を尊び差別のない明るい長野市を築く条例の改正についてでございますが、条例の附則では、審議会は条例の改廃について必要があると認める場合、又は条例施行の日から五年ごとに検討することを定めております。しかし、同和問題に関わる差別事象が今なお発生している状況から、見直しの審議は行われておりませんでした。このため、今後、審議会に諮り、検討してまいりたいと考えております。
次に、全校の研究指定校と人権同和教室の中止についてお答えをいたします。
人権政策推進基本方針は、現在、パブリックコメントを実施中でございまして、年度末をめどに策定したいと考えております。このため、学校の人権同和教育研究指定校及び子ども人権同和教室につきましては、基本方針の策定後、名称、内容、在り方等を検討してまいります。
また、社会人権同和教育についても、同様に基本方針に基づき、名称等を含め、検討してまいります。
次に、人権政策課への名称変更についてでございますが、審議会では当事者の委員等から同和問題の窓口がなくなることに対する不安を強く訴えられており、住宅新築資金等貸付金に係る回収等の事務も残っておりますので、関係団体等の御意見もお聴きしながら、課の名称について検討してまいります。
以上です。
◆原田誠之
私は、審議会を傍聴しましたけれども、審議会委員の全てとは言いませんが、多くの皆さんは同和のみで人権政策を進める必要はないと。本当に今、大事な段階に来ていますので、この審議会の皆さんの声を十分生かした内容で、庁内でも検討をしていただきたいというふうに思います。
長野市の再生可能エネルギー先進市化とやまざと振興計画について
◆原田誠之
次に、長野市の再生可能エネルギー先進市化とやまざと振興計画についてであります。
即時原発ゼロへは国民の八割の声であり、もはや押しとどめることはできません。再生可能エネルギーへの転換で、一層の力の入れ時ではないでしょうか。
信州大学工学部の小水力発電の権威、池田特任教授は、長野県は自然エネルギーの埋蔵量は全国三番目で、すばらしい環境にあるとのことです。県は二〇二〇年度までに、太陽光など自然エネルギー発電能力を現行より五から十五パーセント増やし、二〇五〇年度までには、県内で必要な電力量を発電可能とする目標を掲げました。
長野市でも、太陽光発電への一層の助成などで、設置促進はもちろん、中山間地域の条件を生かし、河川や湧水、農業用水など豊富な水源を活用し、小水力発電や間伐材による木質バイオマス発電など、研究と実践のための特別対策室をつくるなど、県が示す目標のように、市内で必要な電力量の全てを発電可能とする目標を持ち、具体化すべきではないでしょうか。
再生可能エネルギーの雇用効果は、原発の十二倍と言われています。やまざと振興計画の中に位置付ければ、中山間地域の活性化にも大いに役立ちます。見解を伺います。
◎市長(鷲澤正一)
再生可能エネルギーの導入ということについてですが、平成二十二年度から環境部環境政策課内に地球温暖化対策室を設置し、検討しております。本年度は、再生可能エネルギー導入調査・研究事業を実施しており、低炭素なまちづくり実現のため、本市の特性に合ったエネルギーについて、小水力発電などの立地可能性を探る基礎データの収集を行っております。
まず、太陽光発電については、東日本大震災や固定価格買取制度の影響から、市民の皆様の導入意欲が高まっており、本年度は十一月末現在で、昨年同時期を約四十パーセント上回る補助金交付申請がございました。
長野市地球温暖化対策地域推進計画に定めた、二〇二〇年までに市内の戸建て住宅の十五パーセントに当たる一万四千軒に導入するとした中間目標に対し、現在約五千五百軒で、その進捗率は三十九パーセントであり、目標達成に向けて順調に推移をしているというふうに思っています。
また、市有施設への設置についても、新築又は改築に合わせて実施しており、現在、学校など三十六か所に設置しております。
次に、小水力発電についてでございますが、県全体での埋蔵量は大変恵まれているようでございますが、個別に調査してみますと、年間を通じて安定的な水量が確保できる場所が少ないことに加え、発電する場所と電気を使う場所とが離れているために、実現に至らないケースが非常に多いのが現状であります。
また、木質バイオマス発電については、市内では大規模な設備が民間で導入されており、今後は導入しやすい分散型の小規模なシステムの導入について調査を進めてまいりますが、現段階ではメーカーなどの開発の動向を注視している状況でございます。
お話の、長野県がエネルギー自給戦略として設定しようとしている発電の導入目標は、県内全域の電力会社の大規模な水力発電や、既存の小水力発電を含めた発電容量を前提にしておりますが、本市のように電力消費量が多い一方で、既存の水力発電容量が小さい地域に当てはめるのは、無理があるものと考えております。
本市では、地球温暖化対策地域推進計画の見直しに合わせ、重点施策の検討とともに、改めて再生可能エネルギーの導入目標を設け、取り組んでまいりたいと考えております。
また、再生可能エネルギーの導入は、地域資源を活用した農林業などの振興にもつながることから、やまざと振興計画の中でも、既に木質バイオマスエネルギー推進事業として盛り込んでおり、今後は将来的なまちづくりを見据えた上で、同計画のその他の事業にも反映できる施策を検討してまいります。
以上です。
◆原田誠之
これから注目の産業分野になります。対策室というふうに私ちょっと質問したのですが、改めて、あるというふうに言われておりますけれども、一層の強化をして、特別な対応をしてほしいと思いますが、その辺いかがでしょうか。
◎環境部長(小林博)
お答えいたします。
先ほどの市長答弁にありましたとおり、環境部内で特別な室をつくりまして、庁内、それから関係機関、県、国等の情報も収集しながら、より導入の可能性の高いものから着手していきたいというふうに思っております。また併せて、民間での研究状況その他についても情報収集して、本市に生かせるものを是非酌んでいきたいというふうに考えております。
以上です。
◆原田誠之
中山間地域おこしも、しっかり改めて位置付けて、是非取組を強めていただきたいというふうに思います。
市内の景気の動向と雇用について
◆原田誠之
次に、市内の景気の動向と雇用について伺います。
電機・情報産業の大企業は、収益悪化を理由に、工場廃止、縮小など、大規模なリストラで退職強要、遠隔地配転が横行しています。隣町の信越富士通は、来年一月一日付けで解散し、百二十人は県外へ配転です。長野市から通勤の従業員を初め下請などに影響は無いのか、救済などふさわしい対応を伺います。
また、就職内定率は低水準で、全国的に高卒は四十一パーセント、大卒は六十三・一パーセントです。深刻な若者世代の雇用実態を企業任せにするわけにはいきません。高等学校教職員組合の先生方も、県経営者協会に就職支援の要請をしています。社会人の第一歩が失業者で、不安定な非正規雇用では、希望も何もありません。市立長野高校を初め市内高校生など、就活への支援を求めますが、見解を伺います。
また、厳しい経済状況の中、大勢の障害者と雇用契約を結んで就労支援をしているながのコロニーの福祉工場は、仕事確保が求められています。幾度か議会で要望してきましたが、具体的支援について伺います。
◎商工観光部長(小山耕一郎)
お答えいたします。
まず、電機・情報産業の大規模なリストラに関する市内事業者等への影響につきましては、関係機関にも問い合わせてみましたが、現在のところ、信越富士通株式会社の事業再編及びその子会社であります北信電子株式会社の解散以外には把握できておりません。
この信越富士通株式会社の事業譲渡等の再編に当たり、会社側が九月から十月にかけて社員と個別面談をされたとのことで、配置転換に応じられない社員約百人が、この十二月末をもって離職する模様でございます。そのうち、長野市に住所がある離職予定者は、十六ないし十七人とのことでございます。
離職予定者に対する支援につきましては、ハローワークが主体となって、就職活動や雇用保険制度についての離職前説明会を開催したり、在職中からの再就職活動を円滑に進められるように、信越富士通内におきまして、ハローワークの出張相談を行ったと聞いております。今後も、求人情報の提供、求人開拓の実施、就職訓練の受講あっせんなどの再就職支援が予定されております。
続きまして、新卒者への就職支援につきましてお答えします。
県立高校生への支援につきましては、長野県が就職希望者の多い高校等に就職指導サポーターを配置し、就職情報の提供、就業意識の高揚等を図っております。
また、長野市立長野高等学校へは、産業政策課職業相談室のキャリアコンサルタントの資格を持つ相談員を派遣しまして、生徒の希望に応じて、進路全般に関する個別相談や就職希望者に対する指導を行っております。
長野市立長野高等学校になってから就職希望者数は減少しましたが、本年度もこれまで延べ二十九人の生徒の利用がありました。特に、就職の面接試験に向けた対策に力を入れたこともありまして、就職希望者六人全員が就職内定を得られております。
御質問いただきましたとおり、依然厳しい就職状況下でありますので、まだ就職内定を得ていない大学生、短期大学生等に対する支援のため、今年度初めて、マッチングフェアinながの--学生のための就職面接会を、この十二月二十二日に開催いたします。市内に本社又は勤務先があり、正規職員を求人中の二十五社が参加しまして、学生等に会社の説明をする他、希望者には面接をするというものでございます。
また、相談員が個別に、学生の面接就職活動の悩みや履歴書作成等の相談に応じる面接直前相談会の開催も予定しております。
さらに、これから就職活動を行っていく学生向けの支援といたしましては、本年度も実施しました職場見学ツアーや就職活動応援セミナーを今後も計画しまして、学生の就職に対する意識を高めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◎保健福祉部長(駒津善忠)
私からは、福祉施設への支援についてお答えをいたします。
本年十月現在、障害者就労施設である就労継続支援事業所は、市内で四十の施設となっており、この事業所には雇用契約を締結するA型の事業所と、締結をしないB型の事業所がございます。A型の事業所には、ながのコロニー長野福祉工場も含まれており、これらの施設では、自主製品の生産を除く作業を全て受託作業で賄っており、昨今の厳しい経済情勢の中で、各施設とも一つでも多くの作業を確保するため、日々努力をされているところでございます。
本市としましては、障害者雇用を取り巻く社会情勢を考慮しながら、事業所への支援策を行っており、ながのコロニーにつきましても、市有財産使用料の減免や施設建設費の補助を行う等、円滑で安定した施設運営について支援をしているところでございます。
なお、平成二十五年四月からは、国や地方公共団体等が障害者就労施設等の提供する物品、サービス等を優先的に購入、調達することを進める、いわゆる障害者優先調達推進法が施行となるため、物品等の購入、調達の増進を図るとともに、障害者の雇用促進と安定した施設運営について支援をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆原田誠之
今の信越富士通の場合、十六から十七人が長野市に在住をされているということでありますが、ハローワークでの対応は当然でしょうけれども、長野市でも、それなりのふさわしい対応をしていただきたいということ。それから、もう既に三菱電機が撤退など、過去に大変苦い経験もしておりますけれども、長野市が誘致をしたものについては、十分注視しながら、こういうことのないような対応を求めておきたいと思います。
また、高校生については、職場見学ツアー、大いに結構でありますが、必要に応じて何回か繰り返してもらいたいと思います。
それから、福祉施設の問題ですけれども、印刷工場での受注に関して、特別な入札への配慮というものは、あってほしいわけですけれども、その辺いかがでしょうか。
◎保健福祉部長(駒津善忠)
お答えをいたします。
印刷受注に配慮があってもいいのではというようなお話でございますが、現在、印刷業務契約の中では、長野市に全五十社ございます中で、ながのコロニーの占める割合は上位五番目となっております。その福祉工場だけに特化するわけにはいきませんので、今のところ今までの現状で御理解をお願いしたいと存じます。
皐月保育園の建設について
◆原田誠之
次に移ります。
次に、皐月保育園の建設について伺います。
北部地域の子育ての拠点、皐月保育園は、建築から三十七年経過し、耐震補強か改築かが迫られています。現在、県道長野豊野線の拡幅工事中で、東豊線まで延長の際には、皐月保育園に道路敷がかかります。皐月保育園の改築等にも関わる道路拡幅工事の進捗状況はどうか。また、県に工事の促進などを求めます。早期の耐震補強、改築が必要な保育園の建設について、用地取得も含めて、今後の対応について見解を伺います。
◎建設部長(藤田彰)
県道長野豊野線の拡幅工事の状況についてお答えいたします。
県道長野豊野線は、徳間地区において整備済みの都市計画道路東豊線の先からJR三才駅間について、全体計画延長千四百メートル、全幅十四メートルの二車線の両側歩道付きの計画で、平成二十二年度から県により道路改築事業が進められております。
この事業は、昨年までに市立長野高校側の歩道が完成し、現在は同校付近の交差点部の工事と、北側の用地買収及び埋蔵文化財調査が進められております。
皐月保育園は、一級河川駒沢川と堂万川の合流部にあり、保育園の敷地に一部かかる形で都市計画ルートが設定されております。
今後、事業を進めるためには、河川の一部付け替えなどが必要となり、河川や橋りょうの計画位置によって、必要とされる用地幅が大きく変わります。
県では今後、詳細な検討を進めて具体的な道路計画を作成するとしていますが、市といたしましては、県に対し、早期に計画を提示し、今後、保育園をどうするのかの方針を示していただくようお願いするとともに、事業促進についても、併せて要望してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◎保健福祉部長(駒津善忠)
私からは、耐震補強等に関しましてお答えを申し上げます。
皐月保育園は、旧耐震基準の建物でございますので、必要な耐震補強工事又は改築が必要な保育所でございます。しかし、園舎等の一部が現在の都市計画道路の東豊線延長区間上にあることから、進捗状況等を勘案する必要があると考えております。
皐月保育園前後の未整備区間を含む都市計画道路につきましては、建設部長がお答えいたしましたように、具体的な道路計画を策定していく状況でありますので、県の動向を注視しながら、関係課と連携を図っているところでございます。
なお、長野市の耐震改修促進計画に基づきまして、園児の安全確保を早期に図る必要もございますので、耐震補強工事又は移転を含めた改築工事等についても検討してまいります。
◆原田誠之
ちょっと微妙な問題があるんですが、ただ耐震化は早くやらなければいけない。しかし、道路工事に関わって、実は用地の買収が心配なわけです。時間がかかりますので、そういう意味で道路を早く整備することと併せて、用地の買収に関わり、地元とよく相談をして、一刻も早い用地取得の準備もしなければいけないと思いますので、その辺いろいろと考えながら前へ進めてもらいたいというふうに思います。よろしくお願いします。