議会報告

2012年12月定例市議会 佐藤久美子議員

りんごの湯の指定管理者の指定について 反対討論

■佐藤久美子
 三十五番、日本共産党長野市会議員団佐藤久美子です。
 議案第百五十七号長野市豊野健康増進型コミュニティ施設豊野温泉りんごの湯の指定管理者の指定について、委員長報告に反対の立場から討論を行います。
 提案はりんごの郷運営企業体構成団体株式会社オーチュー、FunSpace株式会社、所在地東京都渋谷区代々木二丁目十八番三号、代表取締役片野忠彦氏に、平成二十五年四月から五年間の指定管理を指定するものです。
 まず、豊野温泉りんごの湯の指定管理者については、選定方法も含め強く再考を求めるものです。その理由は以下のとおりです。
 まず、第一は、露天風呂の休止が一年六か月にわたり、住民サービスの低下が著しいことです。入館者数は最高時--平成十九年ですが、二十七万四百三十七人から、平成二十三年二十万九千三百九十九人と大幅に減っています。明らかに住民サービスの低下です。
 次に、スケールの堆積について、指定管理者と長野市の責任は重大です。市は指定管理者の責任は問わないとしていますが、それでは一体誰の責任なのか、明確にすべきであります。一般質問の中で取り上げましたが、スケールの除去は日常業務の温泉施設運営のイロハのイであり、電子波処理装置は付けても効果が無ければ、専門の業者に委託することもできたはずです。二年に一度のスケール除去の業務仕様書は、一体何を根拠に作られたのか、現場を見て指導すべきです。
 豊野町との引継ぎ時に問題があったとの答弁でしたが、平成十七年一月一日から設置者は長野市であり、その下で前指定管理者は専門業者への委託も含めてスケール除去を実施していた事実があり、行政が知らなかったはずはありません。引湯管の点検箇所についても、設計書を見て確認しているのか、市の監督・指導責任を厳しく問うものであります。
 次に、市民の負担という観点からも問題であります。源泉のメーターを遠隔操作で施設の事務所内で確認できる年間三百万円の委託費用が高額だと利用を中止しながら、ポンプ設置などには千六百七十二万六千五百円、また今後のスケール除去に三千万円かけるということです。経費削減を優先し、平成二十年から指定管理者を地元から変更したことが、結局こうした事態を招いているのです。
 次に、今回の指定管理者公募に対し、露天風呂の再開を条件にしていなかったことも重大な問題です。露天風呂の営業をしないという条件で、事業計画を作成することを指示したと説明されましたが、募集要項にはそうした記述はありませんし、入館者のアンケートを見ても、露天風呂の再開は要望が強く出されています。もし、今の湯量が不足で、露天風呂が再開できないのであれば、循環による運営も考えるべきです。いずれにしても、あるべき形態を維持するための方策を真剣に検討すべきであります。
 私は五年前の十二月議会で、当時のJAから指定管理者が変更されるということで質問に立ち、この問題を取り上げました。そのときの市長答弁で、選定理由を積極的な事業展開で市の収入増が見込める提案、PR活動の展開で広域的な誘客も期待できると述べられ、地元の業者育成の観点から指摘したことに対しては、地域の活性化に地元企業の育成は不可欠、今後も積極的に参加をとも述べておられました。五年たって、このような事態を招いていることに痛切な思いであります。
 指定管理者制度の導入について、民間のノウハウを活用し、施設運営の中で住民サービスの向上と経費削減を目的に導入されてきましたが、その施設設置者である長野市の管理監督の責任は重大であります。施設指定者選定の在り方について、今後、施設白書の作成に併せて見直しもされるようでありますが、地域の振興と雇用の拡大、地域企業の育成につながることを特に求めておきます。
 りんごの湯の指定管理者について、問題が無く評価Aだったにもかかわらず、地元の業者から県外業者に変更したのが平成二十年の変更でした。今回は大きな問題を抱え、その打開策も示されず、露天風呂の再開を応募の条件にもしなかったことは、重大であります。
 議員各位の賛同を得て、この指定管理については再公募されることを望むものであります。
 以上、反対討論といたします。

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