2011年12月定例市議会代表質問 野々村ひろみ議員
鷲澤市長の政治姿勢について
来年度予算編成と大規模プロジェクトの見直しについて
AC長野パルセイロのJリーグ準加盟について
鬱病対策と自死予防の取組について
防災対策の充実について
公共交通について
まちづくりについて
子育て新システムについて
介護保険法の改正と第五期長野市介護保険事業計画について
その他
◆野々村博美
38番野々村博美でございます。日本共産党長野市会議員団の代表質問を行います。
最初に、鷲澤市長の政治姿勢について伺います。
鷲澤市長の政治姿勢について
◆野々村博美
消費税増税に向けた動きが急速に進んでいます。野田首相は公約違反をごまかそうと、法案成立後、増税の実施前には国民の審判を仰ぐと言っていますが、前回の総選挙で民主党が、衆院議員の任期中は消費税を増税しないと約束したものを裏切るものです。
低所得者ほど負担が重く逆進性が高い消費税の増税は、究極の庶民いじめの増税です。政府は社会保障のためと言いますが、社会保障と税の一体改革は、年金、医療、介護など社会保障を軒並み後退させながら増税を押し付けるものです。8兆円の増税、そして法人税減税は8兆円、国民を苦しめるだけの消費税増税を認めることはできません。必要な財源は、軍事費などの歳出の抜本的な見直しと、法人税減税の見直しなど、大企業や大資産家に応分な負担を求めることで確保すべきです。鷲澤市長の見解を伺います。
◎市長(鷲澤正一君)
野々村博美議員さんからの御質問にお答えをいたします。
初めに、私の政治姿勢についての御質問のうち、まず消費税増税についてお答えをいたします。
消費税の増税につきましては、本年6月の社会保障・税一体改革成案において、2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げ、当面の社会保障改革に係る安定財源を確保するとされており、現在、国において法案化に向け、鋭意検討されております。
少子高齢化の進展に伴う年金、医療、介護など、今後の社会保障制度に対する国民の不安を払拭し、将来にわたる安心・安全を担保するためには、消費税の増税は避けて通れない喫緊の課題であると考えておりますし、年金を除く様々な社会保障サービスを行っている地方公共団体にとっては、地方消費税は貴重な財源となっております。
また、国の債務残高は、本年度末に
日本の消費税率は、先進諸国の中で極めて低いレベルにあり、20%以上の税率を適用している国も多くあるわけでございます。また、消費税率の1%分は
しかしながら、一方で消費税の増税は逆進性、すなわち低所得者層への影響が大きくなることが懸念されるところでございますが、この逆進性を解消するために、私としては、一橋大学名誉教授の中谷巌さんが提唱する還付金付き消費税の導入が必要であり、逆進性を克服する最善の改善策であると考えております。
なお、食料品など生活必需品の税率を特例で低目に設定する軽減税率の導入につきましては、対象品目の線引きが難しい上に、事業者の事務負担も大きく、そして何より税制を複雑にすることから、賛同しかねるところであります。やはり税制は極力簡素であるべきと考えております。
いずれにいたしましても、日本の財政は危機的な状況にあることを国民共通の認識とするとともに、国においては、現在検討されている消費税を含む税制の抜本的な改革の法案化を急ぎ、国会の場で大いに議論していただき、一刻も早く国民的な合意形成を得ることが何よりも重要であると考えております。
◆野々村博美
次に、TPP交渉参加について伺います。
野田首相は、国民の反対意見の広がりを無視して交渉参加の表明を行いました。守るべきものは守ると言っていますが、米国などTPP参加の9か国で全ての関税・非関税措置の原則撤廃が大枠合意されており、外務省が慎重な検討を要するとしている遺伝子組換え作物の表示など、21交渉分野でも検討の余地はなく、自由化原則に沿った具体化が進みます。牛肉のBSE対策での輸入制限の緩和、国民皆保険制度を崩壊させる混合診療の解禁など、きっぱり拒否できる保証はどこにもありません。
また、TPPに参加すれば、地方の公共事業にも外国企業の参入が広がり、地元建設業界が大きな打撃を受けるおそれがあります。政府や都道府県、政令指定都市が発注する公共事業は、一定の規模以上のものについて、外国企業にも入札を開放することになっています。現在、TPP交渉参加諸国のうち最も低いもので約7億円。日本がTPPに参加した場合、このような低水準が求められる懸念があります。鷲澤市長は基本的には賛成と11月初旬の記者会見で述べられていますが、その後の情勢などを考慮され、改めてTPP参加に対する見解を伺います。
◎市長(鷲澤正一君)
次に、TPP問題についてお答えをいたします。
11月9日の定例記者会見以降については、11月11日に野田首相が、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入ることを表明いたしましたが、その後、大きな状況の変化はないものと理解をしております。
TPP問題については、11月14日開催の長野市農政懇談会や11月24日配信のメルマガかじとり通信の中でも、私の考え方を申し上げてきたところでありますが、我が国の経済が自由貿易体制下で発展してきたことから、TPP自体を直ちに否定すべきではないという基本的な考え方に変化はありません。私は今は立ちどまることなく、勇気を持って一歩前に出てみるときではないかと考えておりますが、TPP参加自体に賛成しているということではなく、交渉に参加していくことは、必要であると申し上げてきたところでございます。
一方で、TPPの交渉分野は、21分野と大変幅広い上に、野田首相が交渉参加表明の際に、何が何でも国益を損ねてまで参加することはないと述べられておりますが、議論の前提となるTPP参加による多方面への影響なども、国の統一見解として依然ほとんど開示されていない状況でございます。
また、TPP参加により特に大きなマイナスの影響が予想されております農業分野について、我が国の農業や農業者をどのように守っていくのかという点について、国において具体的な方策を示すとともに、地方経済全体に与える影響にも配慮した慎重な対応が必要であると考えております。
このため私としては、情報収集に努め、TPP参加による多方面への影響などを国の統一見解として開示するとともに、交渉の経過や結果を国民にしっかりと伝え、農業の在り方を含む将来の国の形、そのために選択すべき進路について十分に議論した上で、参加・不参加の結論を出されることを切望し、期待するものでございます。
◆野々村博美
次に、原発問題について伺います。
野田政権は、福島第1原発事故によって、今なお多くの福島県民と国民、子供たちが放射能汚染にさらされ、将来の健康被害におびえ、安全な食料の確保にも、風評被害も含めて支障が出ているにもかかわらず、エネルギーを原発に頼る姿勢を続けています。
また、原発の致命的な欠陥は、大量の使用済み核燃料が安全に処理できないという問題ですが、この破綻している核燃料サイクル計画に巨額の資金を投じています。脱原発に対する鷲澤市長の見解を伺います。
◎市長(鷲澤正一君)
次に、脱原子力発電についてお答えをいたします。
福島第1原子力発電所の状況は、幸い事故後に新たな爆発事故等の大きな問題は発生しておりませんが、いまだ収束に向かって明るい見通しが立っておりません。
また、原子力発電を巡っては、議員さん御指摘のとおり使用済み核燃料の処理や核燃料サイクルといった課題も、解決に至っていないのも事実であります。さらに、空間放射線量が高い、いわゆるホットスポット、それから米を初めとする農産物などの安全性、下水道汚泥焼却灰の処理など様々な放射能汚染問題が発生しております。
このような中で、脱原発問題に関して、私としては6月の市議会定例会でも申し上げましたが、当面は国民の理解を得る中で、現在の原子力発電所を徹底的に安全性を高め、その一部を活用しながら、同時に国家を挙げて節電や省エネルギー活動と代替エネルギーの開発・普及に最大限に取り組み、可能な限り原子力への依存度を低くすることが、今後必要な政策ではないかと考えております。
なお、代替エネルギーの確保に関しては、昨年7月から再生可能エネルギー特別措置法による電力固定価格全量買取制度が導入されますし、将来にわたってのエネルギー政策の在り方に関して、国のエネルギー・環境会議等において、原発への依存度低減に向けたシナリオの具体化や、分散型エネルギーシステムへの移行などが検討されておりますので、これらの動向に期待しているところでございます。
来年度予算編成と大規模プロジェクトの見直しについて
◆野々村博美
次に、来年度予算編成と大規模プロジェクトの見直しについて伺います。
東日本大震災の影響によって、合併特例債を起こすことのできる期間が、被災市町村以外でも合併後10年から15年に延長されます。
長野市において、今回の特例措置を適用する事業があるのか。また、全体の見直しが行われているのか伺います。特に市役所・市民会館の建設建て替え計画は合併特例債を使うために、平成26年度までにしゅん工するという前提条件の下に進められてきました。しかし、住民投票条例制定の動きが起きるなど、市民合意がない計画であったことは明らかであり、前提条件も変更されたわけですから、当然、全体の計画も見直されてしかるべきです。
この基本計画を一旦白紙に戻して、当面は建て替えのための基金を使って、市役所第1庁舎については直ちに耐震補強とバリアフリー化など内部の改修を行い、市民会館については、建設を先に延ばして十分な検討を行うべきと考えます。見解を伺います。
◎総務部長(小林隆之君)
私から、まず来年度予算編成と大規模プロジェクト事業の見直しについてのうち、市役所第1庁舎・長野市民会館の建設についてお答えをいたします。
両施設につきましては、平成20年度以降、建て替え、耐震改修を含めて検討し、広く市民に説明し、意見をお聴きするとともに、議会とも十分協議をして進めてまいりました。現在地で一部合築を基本とする建設基本計画につきましても、議会各会派や市民意見をお聴きして決定したものでございます。
このように、長い期間と経過を経て決定している上、庁舎及び市民会館の老朽化及び耐震化の対策は喫緊の課題であり、旧市民会館の解体に伴い、市民の発表や鑑賞の場となる新たな文化芸術拠点も早急に整備していく必要があることから、当初の計画に沿って平成26年度までに着実に整備を進めてまいりたいと考えております。
現在、基本設計に着手したところでございます。第1庁舎は、市の防災拠点機能の強化や市民窓口サービスの向上を図ることができる施設として整備し、市民会館は文化芸術の拠点施設として、また災害時には避難所としても使えるよう整備を図ってまいります。
◆野々村博美
次に、大規模プロジェクト事業の見直しと長野市財政について伺います。
長野市は、平成24年度から3年間、大規模プロジェクト事業が集中します。また、平成20年度、97億円だった市債借入額が、22年度では125億円になり、26年度には247億円にまで急増します。その上、財政調整基金を平成20年度から26年度までの間に100億円取り崩しますが、それでもなお歳出が歳入を上回る赤字経営となります。今後、市債残高が大幅に増え、基金も減っていく中では、財政の硬直化が進み、市民が望む施策が後退することが懸念されます。
現に、おでかけパスポートや老人憩の家の利用者負担の増大、在宅福祉介護料の更なる減額が検討されています。思い切った大規模プロジェクトの見直しが求められています。長野駅東口周辺整備事業や小・中学校の耐震化事業、斎場建設などは緊急課題でありますが、ごみ処理施設の規模の見直しや灰溶融炉の建設の中止、また周辺整備の再検討などが必要です。見解を伺います。
◎財政部長(山澤謙一君)
私の方から2点の御質問についてお答えさせていただきます。
まず、合併特例債の発行期限延長に伴い、特例措置を適用する事業や現行計画全体の見直しがあるかとのお尋ねについてお答えさせていただきます。
国は、今臨時国会において、合併特例債の発行期限を5年間延長し、被災地以外は15年間にする特例法改正法案の成立を目指しております。
本市では、小・中学校の耐震化事業を初め様々な事業の財源として、合併特例債を有効に活用してまいりました。建設事業分の発行限度額313億円に対し、本年度までに県の同意を得られた合併特例債活用事業の平成26年度までの発行見込額は、第1庁舎・市民会館建設事業も含め299億円でございます。各事業での増工等を見込んで、ほぼ全額を平成26年度までに活用する予定となっております。
本市の今後の合併特例債活用事業は、老朽化等に伴う耐震化事業が中心であり、既に着手済みのものを含めて早期の対応が必要でありますことから、計画に沿った着実な整備を図ってまいりたいと考えております。
また、今回の特例法改正法案の趣旨は、東日本大震災に伴う影響を鑑みたものであり、現時点では合併特例債の活用計画を変更、延長するような特段の事情は見出しにくく、計画の見直しに向けた検討は行ってございません。
次に、大規模プロジェクト事業が今後3年間に集中することへの御懸念とごみ処理施設等の事業再検討についてお答えいたします。
大規模プロジェクト事業は、平成26年度までがピークとなる見込みで、一時的には市債借入額が元金償還額を上回り、市債残高が増加するとともに、基金の取崩しにより財政調整基金等の残高が減少することになります。
しかしながら、将来の財政需要に備えて、「入りを量りて出ずるを為す」の基本理念の下に行財政改革を鋭意推進し、限られた財源の有効活用を図りながら効率的な財政運営に努めてまいりました結果、必要な体力固めができているものと考えてございます。
また、平成27年度以降は、順次、大規模プロジェクト事業が終了することとなり、歳出規模が縮小することで、市債残高の減少や基金の増加が可能となってくるものと見込んでございます。引き続き、行財政改革に積極的に取り組み、効率的な財政運営に努めながら、将来にわたって必要かつ安定した市民サービスの提供と、健全財政の堅持に努めてまいる所存でございます。
なお、ごみ処理施設等の事業再検討についてのお尋ねでございますが、安定的なごみ処理体制の確立は、正に喫緊の課題であると認識してございます。長野広域連合では、ごみ処理広域化基本計画を改定し、時代の流れや実情に対応した見直しを図っております。
また、ごみ焼却施設候補地周辺の環境整備につきましては、地域の意向をできるだけ反映しながら進めていく予定でございます。
いずれにいたしましても、本市が計画しております8つの大規模プロジェクト事業は、早急に整備を要する重要施設であり、引き続き重点的に必要な財源を配分することにより、計画に沿った事業の着実かつ円滑な推進を図ってまいります。
以上でございます。
AC長野パルセイロのJリーグ準加盟について
◆野々村博美
次に、AC長野パルセイロのJリーグ準加盟について伺います。
AC長野パルセイロは、JFL第2位というすばらしい結果を出し、長野市は11月末、Jリーグ準加盟のため支援する方針を文書で交付しています。準加盟のためには、本拠地の自治体の支援とスタジアムなどの条件を満たす必要があり、観客席はJ2で1万席以上の確保が求められます。
日本共産党長野市会議員団は、スポーツを軸にした新たな長野市の発展のためにも、ホームスタジアムを整備し、支援することには基本的に賛成です。しかし、スタジアム整備には概算で約60億円の費用が必要とのことです。国からの補助金については、確定的ではないようですが、財源をどうするのか。新たな借金や一般会計で全面的に負担することは困難です。市庁舎・市民会館建設を初めとする大規模プロジェクトを見直し、延長された合併特例債の活用も一つの方策ではないかと考えます。見解を伺います。
◎企画政策部長(湯原正敏君)
私から、AC長野パルセイロのJリーグ準加盟についてお答えをいたします。
AC長野パルセイロが準加盟申請を行う際に必要となりました、行政が支援姿勢を示した文書作成の基礎資料とするために、Jリーグ基準を満たすスタジアム整備が法的に可能であるか調査をした結果としまして、南長野運動公園総合球技場の改修を前提に検討することがベターであるという結論が出されたところでございます。
支援文書を交付するに当たりまして、議員の皆さんに御説明をいたしました事業費は、この可能性調査の際に、事業者から提出された概算事業費をお示ししたものであり、南長野運動公園総合球技場の改修後の詳細な仕様の下に積算されたものではございません。
したがいまして、今後は懸念される駐車場不足等の課題とともに、改修仕様の他、財源の確保の検討を進め、整備に係る年次計画を策定した上で、財政への影響を考慮しながら事業を進めてまいりたいと考えております。
なお、合併特例債の活用との御提案でございますけれども、現在予定している事業へ活用することによりまして、発行可能額の上限に達する見込みでありますので、現時点においては、財源として想定できないものと考えております。
私からは以上でございます。
<再質問>
◆野々村博美
当初、各会派への説明の中では、都市公園として整備をする場合は、国からの補助が2分の1あるというような御説明がありましたが、実際にはその可能性が低いのではないかと思われますが、その辺どのように考えていらっしゃるのか。
また、駐車場の整備も必要ということになれば、示された60億円以上の額が必要となってまいります。どのようにそれを、年次計画で行うことは当然ですけれども、合併特例債を使わないとすれば、どのような形で、市民負担がない形でこの財源を確保するのか、その辺、具体的なお答えをお願いしたいと思います。
◎都市整備部長(原田広己君)
都市公園として整備する場合に、整備費が2分の1であるのか、また財源についてどうなっているのかというお尋ねが、まずあったかと思います。
サッカー場を都市公園の事業として整備する場合ですが、施設についての国の補助率は2分の1と決められております。ですから、これにのっとるということでございます。
それから、今の公園の補助事業の財源でございますが、県の方と御相談をしましたら、なかなか今、私どもも今、篠ノ井中央公園もやっているということで、県全体の中でなかなかお金が回ってこないので、難しいねというお話がございます。
<再々質問>
◆野々村博美
AC長野パルセイロ、Jリーグ準加盟のためのホームスタジアムの整備ですけれども、やはり2分の1の国の補助というものの可能性は、非常に難しいのかなということで、大変心配になるわけです。そうなると、やはり今後3年間、ただでさえ大規模事業が集中をし、
これはやはり大規模事業そのものを見直して、先送りできるものは先送りして、緊急にしなければならないものに、しっかりと財源措置をするというのが、当然のやり方ではないかと思います。
さらに、市民負担もこの間増やされてきました。行政改革の下に幾つも幾つも補助金が削られたり、福祉サービスも後退をするということが行われてきているわけです。やはりそういうことを考えた場合、これ以上市民負担を増やして財源を確保するというようなやり方は、絶対にしてはいけない。しかし、スポーツを軸にしたまちづくり、本当に多くの市民の皆さんにスタジアムに行って応援していただく、長野市が一体となって盛り上がっていく、そういうためには、私たちはAC長野パルセイロを是非応援したいと思います。
そのためにも、やはりきちんとした財政を確保するということは、これは長野市の責任なわけですから、是非、大規模プロジェクト全体を見直していただいて、財源をきっちり確保する、それは責任を持ってやっていただきたいと思います。市民にしっかり説明ができるやり方で財源を確保していただきたいと思います。これは市長に御答弁をお願いしたいと思います。
◎市長(鷲澤正一君)
パルセイロの話で、スタジアムのことについて、2分の1の補助は難しいのではないかということです。これは法律としてはあるんですから、これは十分私どもとしては可能性があるというふうに思っています。別にそういうことになっていますので。ただ、確かに現状で、今の状況の中で、すぐこちらへ予算が回ってくるかどうかということに関しては、確かに疑問はありますけれども、その辺はこれから、そういう可能性があるので、私どもとしては、それを追求していくということであります。
あと、いずれにしても、財政の確保というのは、もうこれが一番基本的な問題ですけれども、まだ全然これからの話ですから、これについては財政への影響を考慮しながら、事業は進めていくということでお考えをいただいて結構です。
以上です。
<再々々質問>
◆野々村博美
やはりAC長野パルセイロ、南長野運動公園の整備については、これは大至急、財源見通しを示していただくことが非常に大事だと思います。これは応援をしていくためにも、早く出さなければいけないと思いますので、是非お願いいたします。既に南長野運動公園は、2分の1の国の補助を取って造っているわけですから、これはもう出せないと言われても、それはそれで仕方がないのかなという気もいたしますので、その辺、責任を持ってお願いしたいと思います。
鬱病対策と自死予防の取組について
◆野々村博美
次に、鬱病対策と自死予防の取組について伺います。
今定例会冒頭で追悼の儀を行っていただきましたが、私たちは大切な同僚議員を鬱病による自死によって失ってしまいました。今、日本全国で自らの命を絶つ人たちの数が年間3万人を超え、大きな社会問題になって久しい事態です。国は自殺対策基本法を制定し、自死は個人の問題ではなく、社会の問題であるとして対策に当たっていますが、その効果はまだ具体的には見えてきません。救うことのできる命を救わなければなりません。一人の市民として、行政として何ができるのかを真剣に考え、失われた命に報いたいと思います。
有効性が検証されている自死予防対策の中で、特に効果が高いと言われている分野があります。その一つが精神科を専門としない、小児科を含めたかかりつけ医の研修の充実です。
第2は、学校の教師、地域の保健、福祉、介護に関わる人たち、多重債務者、消費者相談、労働相談などに関わる人たちへの研修を充実し、早期発見、早期対応を図るためのゲートキーパーの養成です。ゲートキーパーとは、地域や職場、教育などの分野において、自殺のサインに気付き、見守りを行い、専門相談機関につなぐ役割が期待される人材です。
第3は、今注目されている認知療法、認知行動療法の普及です。本年4月から診療報酬として収載されました。実施者養成の研修も広げていただきたいと思いますが、これらの取組状況を伺います。
また、不眠と鬱に着目した睡眠キャンペーンが実施され、「お父さん、眠れてる?」というポスターが市庁舎内にも張られており、注目される取組でした。富士市では、中高年男性のための鬱病予防対策として睡眠キャンペーンが取り組まれ、2週間以上続く不眠は鬱のサイン、かかりつけ医に相談しようというキャッチフレーズが住民向けに発信されました。
新潟県の旧松之山町では、新潟大学と地元の開業医、保健師さんがチームを組んで、1980年代半ばから高齢者の自死予防に取り組み、10年後には自死率が3分の1になりました。秋田県のモデル市町村では、秋田大学の研究チームが、住民アンケートを基に住民向けの健康教育を行い、50%も自死率が減少しています。
このような先進的な取組もありますが、必要なメニューはそろっているけれども、それぞれの取組はいまだ不十分です。是非、長野市として積極的な取組をお願いいたします。長野市の傾向、今後の重点課題などを伺います。
◎保健所長(小林文宗君)
まず、鬱病対策と自殺予防の取組についてお答えいたします。
初めに、かかりつけ医の研修の取組状況についてですが、鬱病等の自殺の危険性の高い人の多くが、医療機関の受診につながっていないという現状に対し、早期発見に努め、精神科医につなぐ取組を促進する必要があります。
そこで、本市では平成22年度に、医師会との共催による鬱病かかりつけ医対応力向上研修を実施したところですが、今年度も2月に研修会を予定しております。また、12月1日から長野市医師会と更級医師会の御尽力によりまして、かかりつけ医から精神科医への紹介システムを稼働いたしました。本市としましても、医師会等と連携し、治療が必要な方の受診を支援してまいりたいと考えております。
次に、ゲートキーパーについてですが、本市でもその養成が重要と考え、平成21年度から民生委員や市民を対象に、出前講座などによる研修を行い、現在まで約1,800人の御参加がありました。今後も研修会を開催し、自殺防止対策に取り組んでまいります。
御指摘の学校の教師、地域の保健、福祉、介護に関わる方々、また多重債務や労働相談などに関わる方々等へも、今後、研修を予定しております。
次に、認知療法、認知行動療法の普及に向けた実施者養成研修の取組状況についてですが、今年度は1月に職員が厚生労働省主催の研修への参加、2月には、かかりつけ医や関係職種を対象に、認知行動療法の研修会を予定しております。今後も研修会等により認知行動療法の普及に努めてまいります。
次に、長野市の自殺の傾向でございますが、多少の変動はありますが、自殺者は毎年80人前後を推移しており、中高年男性の割合が高くなっております。心に関する相談は女性に多く、相談につながらず、自殺に至る男性の割合が高いのが現状で、全国的にも同様の傾向にあります。
今後の更なる取組としましては、1つ目として、心の相談専用電話を初めとする相談機会の充実を図るとともに、平成21年度から開催している自殺対策推進ネットワーク会議による連携体制の継続。2つ目として、自殺の動機として、健康に次いで経済・生活問題が多いことから、様々な問題に関する相談窓口を掲載したリーフレットを広く活用し、多重債務や就労等のそれぞれの問題に関する相談ができる環境づくり。3つ目として、職場へのメンタルヘルス出前講座と産業保健関係者への研修等を通じ、働き盛りの男性に向けての自殺予防対策を推進してまいります。
さらに、自殺未遂者は再度自殺行為を繰り返す危険が高く、それを防ぐための適切な治療や相談支援等が重要であることから、多くの救急患者を扱う市内の医療機関との連携体制について検討してまいりたいと考えております。
防災対策の充実について
◆野々村博美
次に、防災対策の充実について伺います。
3月11日の東日本大震災の教訓を明らかにして、地域防災計画の抜本的な見直しが求められています。自治体として取り組むべきと考える課題について伺います。
最初に、原発事故に対応する新たな施策は、どのように盛り込まれるのか伺います。
◎総務部長(小林隆之君)
続きまして、防災対策の充実についてのうち、原発事故への対応についてお答えをいたします。
長野市地域防災計画は、防災上の課題に対する検討や、前回見直しからの新たな災害における対応、また国、県の防災対策の動向などを反映させるため、今年度見直しを行っております。
長野県におきましても、地域防災計画の見直しが進められており、原子力の専門家も委員に含めました原子力災害対策部会、これを設置しまして、原子力災害対策について検討を行っております。
長野市から一番近い柏崎刈羽原子力発電所を持つ新潟県におきましては、半径30から
長野市におきましても、長野県の地域防災計画の策定動向等を注視しながら地域防災計画の見直しを進めており、原子力事故への対応につきましては、原子力災害対策編を新設いたしまして、その中に施策を盛り込んでいく予定でございます。
◆野々村博美
次に、土地利用の適正化と公共施設の安全性の確保について伺います。
東日本大震災の際、液状化による深刻な建物被害が数多く発生しました。液状化の危険性がある地域や地滑り地帯への住宅建設の制限や、市街地、住宅地での緑地、公園、生産緑地の確保は重要と考えます。現況と見解を伺います。
また、学校、保育園、福祉施設は安全な場所に設置されているのでしょうか。砂防指定地や地滑り防止区域など法指定区域、あるいは危険箇所に設置されている公共施設はないのか伺います。また、設置されているとすれば、その情報が市民に伝えられているのか、災害時の対応などについて、日頃から周知されているのか伺います。長野市は26年前の地附山地滑り災害で特養ホームの26人のお年寄りの命が奪われた苦い経験があります。繰り返すことのないよう万全の対策をお願いいたします。
次に、小規模公共施設を含めた公的施設の耐震化とその財源について伺います。
小・中学校の耐震化に加え、小規模公共施設についても耐震化促進計画が策定されました。遅過ぎた感はありますが、早急に取り組まれることを要望し、その財政見通しを伺います。
◎総務部長(小林隆之君)
続きまして、公共施設の安全性の確保についてお答えをいたします。
砂防指定地と地滑り防止区域につきましては、市内では多数の区域が指定されております。これらの法指定区域や危険箇所に設置されている公共施設がないかとの御質問でございますけれども、これらの区域等に含まれている施設が、山間地を中心に多くございます。その施設等の情報につきましては、長野市防災マップに掲載してお知らせをしております。また、県のホームページでございますけれども、しんしゅうくらしのマップでも確認することができるようになっております。
土砂災害につきましては、土砂災害防止法が施行され、特に人や建物などに被害を受けるおそれがあるこれらの区域につきましては、県が基礎調査を行いまして、市内では平成18年度から土石流と急傾斜地の崩壊について、土砂災害警戒区域等の指定を、これまでに
災害時の対応などの周知等につきましては、県による指定に当たっては、関係住民の皆様を対象に土砂災害に関する各種情報について説明会を行っております。市では、土砂災害発生のおそれのある区域を抱えている地域にお住いの皆様や施設に対しまして、土砂災害に対する知識を深め、いざというときには自ら円滑かつ迅速な避難をしていただくことにより、土砂災害による被害の軽減を図ることを目的に、土砂災害ハザードマップを作成して配布するとともに、防災行政無線や戸別受信機の整備を進めております。
その他、毎年、土砂警戒区域の指定を受けた地域の中から地区を選定いたしまして、住民自治協議会、関係機関など多くの地元の方々の御参加をいただいて、土砂災害を想定した訓練を実施しております。今後も、あらゆる機会を捉えて、土砂災害に対する知識や対応などにつきまして周知を図ってまいります。
◎建設部長(倉澤孝君)
私から、防災対策の充実についての御質問のうち、3点お答えいたします。
最初に、液状化の危険性がある地域や地滑り地帯への住宅建設の制限についてお答えいたします。
本市では、地震防災マップにおいて、液状化の可能性がある地域を示した液状化危険度マップにより、倒壊等の危険性について注意喚起を行っております。液状化が予想される地域における建築行為の際は、地盤の改良や特殊な基礎工法を採用することで、液状化に対する安全性を確保するよう周知を行っております。
また、地滑り地帯については、地滑り等防止法により危険箇所を指定しておりますが、区域内の建築行為を制限するものではなく、県知事の許可行為となっております。
また、土砂災害防止法に基づき県で指定した特別警戒区域=レッドゾーンにおいて木造住宅を建築する場合は、通常、建築確認申請が必要とされていない都市計画区域外であっても申請が必要となり、構造制限の審査を受けることで建築行為が可能となります。
また、指定された区域の大部分を占める警戒区域内=イエローゾーンでは、建物の構造制限はなく、さらにこの区域が都市計画区域外の場合には、建築確認申請も不要となっております。
このようなことから、いずれの危険性のある区域でも、安全性を確保する工法等により建築行為が可能となることから、住宅建設の制限を行うことは難しいものと考えております。
次に、生産緑地、公園、緑地の現況と見解についてお答えいたします。
生産緑地は、平成15年11月の制度導入以降、市内8地区で
次に、小規模公共施設を含めた公的施設の耐震化対策とその財源についてお答えいたします。
本市では、耐震改修促進計画に基づき、市有施設については、平成27年度までに耐震化率90%以上とすることを目標としております。この市有施設につきましては、本年8月に対象とする範囲を見直し、保育園、児童センター等の小規模な施設も含め、促進を図っております。
現在の耐震化率は、推定約78%となっております。また、小・中学校における耐震化率は約80%となっており、順調に耐震化が図られている状況となっております。
現在、対象としている市有施設のうち、小・中学校を除いた施設は321棟あり、そのうち118棟が昭和56年以前の旧耐震基準で建設されております。これまでに42棟について耐震診断を実施し、16棟については、既に補強工事が終了しております。また、診断の結果、9棟については、耐震性があるとの判定が出ております。
なお、施設を所管している各部署では、今後、耐震診断の実施や改修工事、建て替えなど具体的な検討を行うこととなっております。このため、現時点では全体事業費の算出が困難な状況でありますが、いずれにいたしましても、事業執行においては、できる限り市の財源に配慮し、国庫補助事業等を取り入れて実施してまいりたいと考えておりますので、御理解をお願いいたします。
◆野々村博美
次に、ライフライン施設の耐震性について伺います。
大規模災害からの復旧は、ライフラインが命綱です。大規模地震の際には、下水道、電気、水道、都市ガスなど広域的な施設ほど、その被害が大きくなることが予想されます。地区ごとの代替手段など非常時の地域の自立性を高めていくことが必要ですが、対策と現況について伺います。
◎総務部長(小林隆之君)
次に、ライフライン施設の耐震性についてお答えをいたします。
ライフライン施設の耐震化につきましては、長野市地域防災計画に位置付け、各事業者において必要な対策を講じております。市の上下水道局を例に申し上げますと、浄水施設の
下水道施設につきましては、平成22年度末でございますが、下水道管全延長の30%が、また処理場等施設の31棟中29棟が耐震対策済みとなっております。
ライフラインの応急対策としましては、被害の拡大要因となり得る電気、ガスにつきまして、ガスにつきましては地震発生直後に、また電気は被害の甚大な地域への供給停止措置をとりますけれども、通報ですとか消火活動に必要な電話、水道につきましては、震災後も可能な範囲で供給を継続し、早期に復旧するよう努めるとともに、市では市内23か所に防災備蓄倉庫を設置し、各地区での自主防災活動に利用できるよう、備蓄資器材の整備を進めております。
しかしながら、市で備蓄しているものだけでは十分ではありませんので、出前講座等で市民の皆様に、自助、互助により各御家庭で災害に備えて3日分程度の水、食料、懐中電灯等の非常持ち出し品の準備もお願いしているところであります。
◆野々村博美
次に、安全・安心なまちづくりへの支援について伺います。
阪神・淡路大震災で大都市神戸では、犠牲者のうち83%が住宅の倒壊による圧死、
こうした生活環境の危険について、安全管理や環境の改善を住民と事業者、そして自治体が共同で進めなければなりません。地域の防災まちづくり活動は、住民自治協議会の中でも福祉施設の避難訓練を共同で行ったり、災害時援護者リストを作成したり、避難訓練も行われていますが、更に広めるための仕組みづくりが必要となっています。現況と課題を伺います。
近年、洪水、土砂災害、地震について、ハザードマップの作成と公表が義務付けられ、長野市でも実施されました。同時に注目されているのが、コミュニティレベルのマップづくりです。一昨年の信更地区を襲った豪雨災害では、区長さん初め地域の人たちが各地の被害状況を把握して、それを地図に落としていくことで利用できる道路が把握できたり、地域全体の被害状況を皆が共有して対応できたという大きな教訓があります。常日頃からコミュニティレベルでの防災マップが作成されていれば、一層、災害時に役立つはずです。取組の状況と今後の課題を伺います。
また、ブロック塀や門柱など生活環境の災害危険を取り除くことも必要ですが、対策とその実績はどうなっているのか伺います。
また、家屋の耐震化の促進は、焦眉の課題となっています。住宅リフォーム助成制度や耐震化助成制度の拡充を行い、取り組みやすい環境を整えることが大切です。これらの支援を一層拡大することを要望し、見解を伺います。
また、大型家具や電化製品の転倒防止も大切な対策です。毎年地域で取り組まれている避難訓練などでも、危険性と対策について市民に知らせていただきたいと思います。見解を伺います。
◎総務部長(小林隆之君)
次に、コミュニティレベルでの防災マップの取組の状況と今後の課題についてお答えをいたします。
災害時における地区内の情報を地図上に表示した地域防災マップにつきましては、平成19年度から平成22年度までの4年間に89地区で整備されており、本年度においても、現時点で7地区で完成しております。
地域防災マップの整備につきましては、長野市第4次総合計画にその整備目標値を定め、市内全地区での作成・整備を目指して取り組んでいるところでございます。
市といたしましては、地域防災マップの重要性について説明し、積極的な取組をお願いしているところでございます。災害時には自助、互助が特に重要となりますので、作成に当たっては、地域の多くの方に参加いただいて、皆さんで作っていくことが不可欠でございます。それにより、様々な情報が一目で分かる地域防災マップの整備につながるとともに、地域のコミュニティが一層向上し、緊急時の対応や防災意識の高揚に役立つものと考えております。
今後の課題といたしましては、地区住民の方が少ないことや、それから限られた地区予算の関係等で、整備が進まない地区などがあると考えられますが、地域やる気支援補助金を活用したり、それから地区でスポンサーを募って防災マップの作成に協力をいただいた地区もございます。また、作成の段階におきましては、地域の地図などは市から提供もいたしておりますので、御相談いただければと思います。
市といたしましても、これまで以上に住民の皆様に積極的に働き掛けるとともに、住民自治協議会や自主防災組織などと連携して、多くの地区で地域防災マップが作成されるよう進めてまいります。
私からは以上でございます。
◎建設部長(倉澤孝君)
次に、安全・安心なまちづくりへの支援についてのうち、危険ブロック塀等を取り除く対策とその実績についてお答えをいたします。
本市では、昭和62年から小学校の通学路沿いのブロック塀等の実態調査を年2回行い、これまでに
また併せて、危険なブロック塀の除却に対し、費用の一部を補助する事業を実施しており、これまでに262件について除却補助を行い、その結果、延長
次に、耐震化の助成制度や住宅リフォーム助成制度の拡充についてお答えをいたします。
初めに、耐震化の助成制度につきましては、現在、木造住宅に対する無料の耐震診断や耐震改修工事における補助事業を実施しております。
住宅の耐震化においては、まず無料耐震診断を受けていただき、御自宅の耐震性能を知っていただくことが第一歩と考えております。このようなことから、現在のところ多くの市民の皆様に耐震診断を実施していただくことが最優先であると考えており、このため改修工事の補助率等の助成制度拡充は考えておりません。
次に、今年度より開始した住宅リフォーム補助事業につきましては、緊急経済対策の一過性のものであり、制度の変更は既に補助を受けた皆様との間で公平性を欠くことから、制度を拡充することについては考えておりませんので、御理解を願います。
私からは以上でございます。
◎消防局長(池内公雄君)
私から、安全・安心なまちづくりへの支援についての2点についてお答えいたします。
まず、防災まちづくりの仕組みの現況と課題についてお答えします。
自主防災組織は、現在、市内に544組織が結成され、そのうち462組織で迅速な避難や救出・救護活動が行えるよう、毎年、防災訓練が行われております。
また、老人福祉施設などと自主防災組織が協定を結び、協力する体制づくりは昭和62年から実施し、現在、市内に78ある老人福祉施設等のうち66の施設は、自主防災組織の協力を得て、有事の際に迅速な避難誘導など連携した訓練が行われています。今後は、保育園や小・中学校、さらには病院関係施設等にもこのような体制づくりが必要と考えております。
また、市民の皆様の安全を確保するため、地域に根付いている事業所の皆さんの協力を得て、自主防災組織と一緒になって訓練に参加することが重要でありますので、事業所における講習会、自衛消防訓練の機会を捉えて共助の精神をお願いしてまいります。
いずれにいたしましても、災害の被害を減災する上で、防災まちづくりの仕組みは行政単独では不十分で、市民や企業を初め地域全体で連携して、ふだんより交流を深め、お互いに顔の見える関係を構築されますよう支援してまいります。
2点目の大型家具や電気製品の転倒防止対策の市民への周知についてですが、過去の大震災では、家具等の転倒により多くの負傷者が発生しており、安全を確保するためにも、家具等を固定しておくことは、命を守るために大変重要なことであります。
防災講演会や自主防災会の訓練など、あらゆる機会を捉え、市民の皆様に転倒防止策の重要性について説明させていただくとともに、消防局にある防災市民センターでは、地震体験装置により危険性を身をもって体験でき、家具類の転倒防止や落下防止器具も展示していますので、是非とも防災市民センターを利用していただくよう呼び掛けてまいります。
私からは以上でございます。
◆野々村博美
次に、浅川ダム問題について伺います。
東日本大震災後、周辺での地震の発生率が震災前と比べて格段と高まり、特に長野県内では、牛伏寺断層が27倍に、境峠・神谷断層は66倍に発生率が上がったと発表されました。また、糸魚川・静岡構造線と東海・東南海・南海地震が連動して動く超巨大地震の可能性を指摘する専門家もいます。日本列島は今、私たちが経験したことのない危険な時代を迎えていることは確かです。
阿部長野県知事は、浅川ダム本体直下にあるF-V断層について、調査を専門家に依頼し、その結果、更なる詳細な調査が求められました。党市議団は、今まで繰り返し鷲澤市長に、長野県に対して再調査を含めた慎重な対応を求めるべきとしてきました。しかし市長は、ついにその立場に立つことはなく、一貫して1日も早い浅川ダムの完成をと求め続けてきました。
3・11東日本大震災を契機に、長野県も絶対安全というダム神話だけで強行する姿勢を変えざるを得なかったことは事実でありますが、アリバイ的な対応ではなく、新たな調査に真摯に取り組むことが求められます。鷲澤市長は今回の再調査をどう評価されているのか伺います。
◎市長(鷲澤正一君)
次に、防災対策の充実についての御質問のうち、浅川ダム問題についてお答えをいたします。
阿部知事は、浅川ダム建設地のF-V断層について、県民の皆様の中には、東日本大震災の発生もあって、F-V断層について不安に感じている方々もいると思っているため、説明責任を果たすべく、改めて掘削を行い、F-V断層の安全性を再確認したいと議会で述べ、掘削による再確認を行っております。
調査は独立行政法人の地質専門家に依頼し、結果、F-V断層は活断層とは言えないと県へ報告がなされ、現在はその地質専門家から求められた追加調査をしていると聞いております。このことについて、先日、知事は、問題があったから調査を実施しているわけではなく、改めて安全性の再確認を実施しているもので、現時点で工事を中断する必要はないと議会答弁をしております。
浅川ダムは、建設地の地質や断層などの課題について、長年にわたり議論を重ね、慎重かつ十分な調査と検討がなされ、着工しております。追加調査の評価につきましては、住民への説明責任を果たすこと、また更なる安全性の確認という点で行っていることであり、長野市としては、県の調査方法や手順については、妥当なものと思っております。
また、今月中旬をめどに現地調査を終了すると聞いておりますが、ダム建設継続に支障を及ぼす結論は、これまでの経緯からないものと考えております。
今回、一連の調査により工事の進に若干遅れが生じていると聞いておりますが、ダムを含む浅川全体の治水対策が早期に完了し、安全で安心して暮らせる地域が1日も早く実現するよう、県に求めていきたいと考えております。
公共交通について
◆野々村博美
次に、公共交通について伺います。
本年2月、長野電鉄活性化協議会は、屋代線を廃止して、バスによる地域の交通手段の確保の方針を決定しました。松代と若穂地区の住民自治協議会は、屋代線は鉄路として保存し、次世代型電車システム=LRTによる新たな交通体系を構築する検討をしてほしいと運動を始めています。長野電鉄は屋代線敷地の無償譲渡を関係3市に伝えていますが、長野市も須坂市も活用が難しい土地の譲渡は受け入れず、不要な施設の撤去も要請するとしています。つまり、レールをはがさなければ引き受けないということです。
LRTの構築は一定の時間が必要です。しかし、低エネルギー社会、高齢化社会を考えたとき、非常に有利な公共交通であることは確かであり、鉄路の保存をした上で検討すべきと考えます。市長の見解を伺います。
◎市長(鷲澤正一君)
次に、公共交通についての御質問のうち、長野電鉄屋代線についての御質問にお答えをいたします。
長野電鉄活性化協議会での結論に基づいて、平成24年4月1日の屋代線廃止に伴い、バス代替による新たな移動手段の確保を図ることは最優先課題であり、現在、運行計画につきまして、ほぼ固まってまいりました。
しかし、バス運行とは別に、鉄路としての存続を模索している地区もあり、従前の電車からディーゼル、さらにLRTの導入へと方向転換をされております。
LRTは、車両の低床化などユニバーサルデザインが徹底され、走行路も道路路面だけでなく、地下や高架、あるいは都市間鉄道乗り入れなど、多様な空間を活用し、速達性の向上が図られるなど、より高度な公共サービスを提供できるシステムであります。
LRTの導入につきましては、まちづくり、地域のコンセンサス、関連インフラの整備、既存の交通機関に及ぼす影響、財政負担など多方面からの検討が必要であり、御指摘のとおり長期的な視野に立った検討が必要であります。
したがって、長野電鉄株式会社から一括無償譲渡の申入れのありました広大な一団の鉄道用地は、長期間にわたり未使用となってしまいます。長期間の鉄路の保存は、景観の問題や管理費が大きな負担となります。また、既に踏切やレールなど鉄道設備が老朽化しており、長期間経過すれば鉄道設備の使用が困難となり、運行再開の際は設備投資が多額に発生してまいります。
そして、LRTの特性は車両の低床化によりバリアフリーに対応できる他、市街地における道路路面走行により、自動車などの一般車両と混在できることであります。また、利用者の新たなニーズ及び地域の実情に応じた柔軟な路線設定が困難であることが想定される他、低床式車両に合わせたホームの改良などが必要となり、現在の屋代線への乗り入れを前提にしたLRTの検討は、課題が多いと思われます。したがって、LRTと屋代線の鉄路保存の問題は、別の視点で検討すべきものであると考えます。
本市では、11月に庁内の横断組織として検討会議を設置し、屋代線廃止後の跡地利用について検討を始めるとともに、若穂地区の作業部会の皆さんに御意見を頂くために説明会を開催していただいたところでございます。また、松代地区につきましても、現在、説明会開催の依頼を住民自治協議会に申し上げているところであり、須坂市及び千曲市においても、それぞれ跡地利用につきまして検討に入ったところでございます。
屋代線廃止後については、鉄路を保存して荒廃地とならないためにも、将来を見据えた跡地利用に向け、廃線後の駅舎や線路敷が地域の活性化のために有効に活用されるよう、早急に検討をしなければならないと考えております。
◆野々村博美
次に、バス交通について伺います。
バス交通については、この間、様々な形で充実してきました。今後新たな再編や実証運行が行われていきますが、利用者、住民自治協議会だけでなく、実際に市民と接触している運転手さんの話を聴く機会も是非設けていただきたいと思います。
また、ICカード化に向けて準備が進められていますが、これにかかる費用は総事業費
◎保健福祉部長(寺田裕明君)
私から、まず公共交通についてのうちバス交通についてお答えいたします。
長野市路線バスのICカード化につきましては、長野市公共交通活性化・再生協議会が中心となり進められているところです。これに合わせまして、おでかけパスポートにつきましても、ICカードの導入を予定しております。
ICカードが導入されますと、まずおでかけパスポートの利用状況が正確に把握できるようになります。また、利用者は小銭を用意する必要がなく、高齢者の方がスムーズにバスに乗り降りすることができ、さらにポイント制の導入も検討されておりますので、様々なサービスの展開が可能となります。
本事業の推定利用回数は、平成22年度には旧市内で121万回を超えており、合併地区の
一方、バス料金の利用者負担につきましては、本事業開始当時の旧市内の平均運賃が270円であり、これを利用者、バス事業者、市の3者で3分の1ずつ負担するという基本的な考え方で検討がなされ、利用者負担額を100円としたものでございますが、その後のバス料金の改定や市町村合併による市域の拡大に伴い、負担のアンバランスも生じております。
おでかけパスポート事業は、市民ニーズの高い事業であり、引き続き事業を実施してまいりますが、ICカードシステムの導入に併せ、おでかけパスポートのICカード化を推進するとともに、3者の負担割合を見直し、利用者負担について、現在の定額制から乗車距離に応じた従量制の導入を含め、今後の在り方を検討する必要があるのではないかと考えております。
◆野々村博美
JR信越線と新幹線金沢延伸について伺います。
平成26年度末までの北陸新幹線金沢・長野間開業に伴い、並行在来線である長野以北の信越本線は、JR東日本から経営分離されることとなっています。一方でJR東海は、名古屋から品川間にリニア中央新幹線を計画し、2027年開業に向け、
東海・東南海・南海地震の危険性が言われているとき、また糸魚川・静岡構造線を横断するルートで、莫大な電力とお金を投入し、リニア計画が進行していること自体、一体日本の社会の在りようはこれでよいのかと不安が増します。既に世界的には、ドイツがリニアからの撤退を決めています。信越線の存続にJR東日本がしっかりとした財政負担をするよう強く求めていただきたいと思います。鷲澤市長の見解を伺います。
◎市長(鷲澤正一君)
次に、JR信越線と新幹線金沢延伸についての御質問にお答えをいたします。
JR信越本線は、東日本旅客鉄道株式会社により運行されております。一方、中央新幹線は、本年5月に国土交通大臣から東海旅客鉄道株式会社に建設指示が出されたものであります。基本的には東海旅客鉄道株式会社が取り組んでいる事業でありますので、コメントはできませんが、ただこのような新しい試みは、世界に誇れる日本の高い技術力を裏付けるものであると考えます。
また、長野以北の並行在来線の存続につきましては、北陸新幹線長野県沿線広域市町村連絡協議会や北信越五県で構成する北陸新幹線関係都市連絡協議会で、国・地方・JRの3者が協力する新たな仕組みづくり、収益性に基づいた譲渡資産の評価方法のルール化、それからJRからの協力支援策など、地方負担の軽減を図るための新たな仕組みの構築や運行の在り方等、JRに負担を求める要望を国や関係機関に毎年強く要望しております。今後もあらゆる機会を捉えて、並行在来線の存続に向けて活動を続けてまいりたいと考えております。
まちづくりについて
◆野々村博美
次に、まちづくりについて伺います。
平成24年度、長い歴史を持つ後町小学校が閉校となります。地域の皆さんの気持ちを大切にした後利用の検討がされなければなりません。
市長は、長野県短期大学の4年制化の方針を受け、早速、後町小学校の跡地活用にとその案を示されました。確かに学校の敷地ですから、教育施設としての後活用は一つの考えと思います。同時にこの活用については、関係者の皆さんが検討されてきた経過があります。その皆さんの思いを抜きに決めることはできません。既に中心市街地活性化基本計画の2期計画の主な事業概要として盛り込まれていますが、これでは市民参加のまちづくりとはかけ離れたやり方です。市民参加の新たな検討の場を設定して議論を深め、結論を出していただきたいと思います。見解を伺います。
◎市長(鷲澤正一君)
次に、まちづくりについての御質問のうち、後町小学校の後利用についてお答えをいたします。
後町小学校閉校後の跡地利用については、これまで在校生の心情に配慮し、活用の議論は行わないとしてまいりましたが、いよいよ来年度末に閉校が迫り、第1から第5地区の市民会議において議題となりましたことから、私の思いとして発言をさせていただいたところであります。
本市では、中心市街地の活性化に取り組んでいるところでありますが、大学の一部機能が中心市街地に設置されることで、若者が行き交うことによる効果を期待したところであります。
中心市街地活性化基本計画第2期計画における後町小学校跡地活用整備事業の記述については、閉校後の跡地活用方法については、市民の合意を得ながら4年制大学の誘致等、歴史と文化が感じられる学校、その他教育施設を中心とした施設整備としたとおり、具体的事業の展開に当たっては、市民参加によるまちづくりを進めようとするものであります。
現在、県において大学の規模などの検討が行われているところでありますが、大学規模などの方向性が示された段階で、地元へも十分説明させていただく予定としております。
私からは以上でございます。
◆野々村博美
権堂地区再生計画について伺います。
権堂地区再生計画については、本年1月に検討委員会が設置され、若者や新しい発想でまちづくりに参加している皆さんによる検討がされてきました。その内容は、権堂らしい飲食店や水路や緑道、劇場の活用、道の整備などの内容となっています。都市計画審議会で厳しい判断が示されたB1地区の再開発計画については、トイーゴの失敗を繰り返してはならないという思いもあり、安易な公的施設の建設には到底納得はできません。
再開発事業として取り組むのではなく、民間事業と公共事業は切り離して考えるべきです。ここは市役所にも近く、駅前に準ずる交通の要でもあります。
同時に第1から第5地区は、住民のよりどころとなる支所も公民館もありません。そして、高齢化は中山間地域並みに進み、かつて住宅が密集していた地域は、今や広大な青空駐車場となっています。しかし、この数年間は高層マンションが次々と建設され、新たなまちの構築が始まっています。第1から第5地区のよりどころとなる支所機能を持たせた施設、あるいは子供の健診や予防接種などにも対応できる保健センターを設置する、あるいは中学生や高校生も安心して放課後を過ごすことができる児童センターの設置などを求めたいと思います。
東京都杉並区のゆう杉並のような施設があれば、若者が集うまちづくりに貢献できます。2月の都市計画審議会に新たな案が提示される予定ですが、一旦否決された計画を、僅かな手直しで強引に通過させることがないよう、抜本的な見直しを求めます。見解を伺います。
◎都市整備部長(原田広己君)
私から、2点についてお答えいたします。
まず、権堂地区再生計画についてでございます。
権堂地区再生計画において、権堂B1地区は交通の利便性を生かし、市民交流拠点と位置付けており、公共広場、行政サービス施設を導入、住宅、商業・業務施設と一体的に再整備することで、にぎわい再生や活性化を図ろうとするものでございます。
まちづくりは、民間と行政が協働して進めることにより、更に効率的で利便性の向上につながるものとされております。本事業においても、施設の高層化により用地補償費の負担が案分できることから、民間や公共の各施設を単独で整備するよりも、数千万円規模で安く整備することができ、民間施設との一体利用が可能となり、利便性も高まることから、再開発事業として取り組むことが適当であると考えております。
次に、公益施設の中身についてでありますが、中心市街地には地域活動の拠点となる場所が少なく、第1から第5地区の住民自治協議会事務所も、もんぜんぷら座に仮に置かれているところであります。地域における住民活動の拠点となるべき住民自治協議会への支援、活動場所の提供が不可欠であると考えております。ついては、権堂B1地区の再開発で住民自治協議会の合同事務所を主体に、行政窓口機能、図書コーナー、市民も利用可能な集会室などを含む市民活動支援施設の導入を予定しているところでございます。
都市計画決定に向けては、案を再検討し、まちの実態を見ていただき、再開発の必要性を御理解いただくとともに、資料提供と丁寧な説明を行い、次回の都市計画審議会に再度諮問してまいります。
<再質問>
◆野々村博美
B1地区、再開発で行うということですが、今回の権堂全体の再生計画を見た場合、結局はB1地区だけは都市計画決定で決められるかもしれませんが、実際に必要となっているアーケード通りの方は、様々な案は出ているけれども、結局、地権者の皆さんの合意はまだ得られていないわけですね。
都市計画決定をして、B1地区の再開発はやるけれども、非常に心配されるアーケード通りの開発・再生については、遅れてしまう懸念が非常にあるわけです。むしろ空き店舗をどうするのか、青空駐車場をどうするのか、そういうことこそ、まず力を入れて再生をしていかなければならないと思いますが、その辺、再度、御見解をお願いしたいと思います。
それから、トイーゴがかなり、店舗がまた撤退をし、トイーゴの2階は今がら空きというふうにお聞きをしています。公と民間で一緒に開発をした場合、どういう責任の所在があるのかということも曖昧になりますし、やはり公共でやるのか民間でやるのかは、しっかり分けて考える方が、これからのことを考えてもいいと思います。
必要な施設はきちんと整備をしていくということが、私たちのスタンスです。ですから、第1から第5地区については、必要な公共施設は、私たちとしては、先ほど申し上げような中身が必要ではないかということを、今回改めて提案をさせていただきましたので、是非前向きな御検討をお願いしたいと思います。
◎都市整備部長(原田広己君)
権堂B1地区の再開発について、アーケード通りについて、アーケードの真ん中の地点について、一生懸命やっていただきたいねというお話かと思いますが、先ほど午前中の質問で、私の方でお答えさせていただきました。事業の実現に向けてでございますけれども、地元の区、若しくは商店街の皆さんが権堂まちづくり協議会というものを立ち上げて、実際に仕事に着手していると。議員さんも御存じかと思いますが、西側の旧呉服店、旧つづきやさんの跡でございますけれども、既に権堂まちづくりセンターとして運営しておりまして、活動しているということで、もう既に手を付けていると。
それで中心地につきましては、これからそれぞれ屋台村であるとか、緑を配した歩道とか、水に親しめるようにすると。こういうものに着手していきたいと思ってございます。
子育て新システムについて
◆野々村博美
次に、子育て新システムについて伺います。
民主党政権は、今年7月、子ども・子育て新システムに関する中間取りまとめを決定し、2013年度から段階的に実施するとしています。しかし、この制度は一言で言えば、国と自治体が責任を負う現行保育制度を解体するもので、到底認められるものではなく、多くの県議会、地方自治体から慎重審議、あるいは中止を求める意見書が上がっています。
以下の問題点に対して見解を伺います。
新システムの問題は、第1に、児童福祉法第24条に基づく市町村の保育実施義務がなくなり、自治体は保育の必要性の認定と認定に応じた補助金の支給に限られることです。経済的困窮者や障害のある子など、福祉と保育の両面から支援が必要な家庭や子供が排除される危険があります。
第2は、補助金の支給は保育所など施設への支給ではなく、保護者に対する個人給付になることです。保護者と施設が入所の契約をすることで施設が補助金を代理受領しますが、これでは利用実績に左右されることになり、安定的な施設経営、運営が困難になります。
第3は、保育料など保護者の費用負担の徴収の仕組みが変わることです。低所得者に一定の配慮を行いつつとしていますが、利用者負担の公平性を名目に、所得にかかわらず利用に応じて負担が増える仕組みが導入されることは明白です。また、認定時間を超えた利用について、自己負担になることが予想されます。
第4は、国と自治体が責任を負う認可制度から事業者指定制度に変わることです。一定の規定さえ満たせば、企業などの参入、撤退が自由になります。そして、補助金の使途制限の規制がなくなり、保育以外の経費に充てることができます。子供にかけるお金や人件費を削り、株主配当金など企業経営のために使うことが許されるのです。正に、子供を使ってもうける保育の市場化の仕組みにほかなりません。
第5に、幼保一体化と言いながら、かえって複雑な制度になることです。当初全ての幼稚園と保育園をこども園にすると言っていましたが、批判が強かったため撤回されました。現在では保育、幼児教育、家庭支援の機能を持つ総合施設が創設され、保育所は必ずこども園か総合施設になりますが、幼稚園は現行制度のまま残ってもよいし、こども園、総合施設になってもいいという提案になっています。保育所の解体だけは一貫しています。
しかし、総合施設は3歳未満児の受け入れを義務付けないため、待機児童の解消にならないばかりか、一体化と言いながら、3歳までは保育、3歳以上は幼児教育と区別し、特に保育については、保護者の就労時間が認定の基本となるため、3歳未満児の保育は細切れの託児的なものになることが危惧されます。
一元化、二重行政の解消と言ってスタートした新システムの制度が、内閣府、厚生労働省、文部科学省と三元化になりかねない事態の中で、その批判をかわすために、子ども家庭省の設置を見送り、内閣府に一元化し、少子化担当相の設置の恒久化も検討するとしています。しかし、一部の業務や権限は厚労省、文科省に残る見通しで、結局、施設の類型や財政措置が複雑怪奇に入り組んだ制度となることには変わりありません。長野市としても、この制度の導入に反対し、公的保育の充実にこそ力を尽くすべきと考えます。見解を伺います。
◎保健福祉部長(寺田裕明君)
次に、子育て新システムについての御質問のうち、初めに保育実施義務についてお答えいたします。
国は、新システムの実施主体である市町村の責務について、質の確保された学校教育並びに保育の提供、また子供が確実にこれらを受けることができるよう、利用者支援等を行うことが必要であるとしております。
このため市町村は、従来の児童福祉法による市町村による保育の実施義務のみならず、子供、子育てに関する市町村の役割、責務を明確にし、全ての子供の健やかな育ちを重層的に保障することが求められており、新システムに合わせて児童福祉法の改正が検討されているところでございます。具体的には、市町村が必要な保育を確保するための措置を講ずるという全体的な責務規定に加えて、特別な支援を必要とする子供に対する利用の勧奨や、入所の措置などに関する規定が設けられる見込みでございます。
また、新たに制定される見込みの法律では、市町村による計画的な保育の整備、個人給付や権利の保障、契約による利用手続等の規定を設け、確実な給付の保障を図り、子供の権利保障を確実なものにしていくとしております。
このことから、新システム導入後におきましても、子育て家庭への施設等の情報提供や相談対応、利用可能な施設のあっせん、利用調整等は、引き続き市町村の責務として残り、また(仮称)こども園では、正当な理由がない限り入所の応諾義務が課せられ、市町村には特別な支援が必要な子や御家庭に対し、積極的に関与する枠組みとなっておりますので、議員さんが指摘される、支援が必要な家庭や子供が排除されるおそれはないと考えております。
次に、施設の経営安定についてお答えいたします。
新システムでは、保護者は(仮称)こども園と公的契約を結び、直接保育料を納めることとなり、また市は、(仮称)こども園に対し、利用実績や実施事業に応じた(仮称)こども園給付を支給することとなります。現行の保育制度の運営費につきましても、園児数などの利用実績や実施事業に応じたものであり、新システムと基本的な考え方は同じことから、安定的な施設経営、運営が困難になることはないものと考えております。
なお、新システムでは、保護者が(仮称)こども園へ直接保育料を納めることになるため、保育料の滞納が生じた場合には、収入が減となるわけでございますが、現行の幼稚園も直接保護者から保育料を徴収しておりますので、大きな影響は生じないものと考えております。また、利用者負担額は、低所得世帯に対して配慮したものになる予定でございます。
次に、保護者の利用負担についてお答えいたします。
利用者負担の在り方については、本年7月に公表された中間取りまとめにおいては、低所得者に一定の配慮を行いつつ、利用者には一定の負担を求めるが、その具体的な在り方については、今後検討するとされており、この11月に公表された検討結果では、低所得者への配慮を含め、現行制度の利用者負担の水準を基本とし、財源の在り方と併せて検討するとされております。
また、利用者負担の方式は、保護者の所得により保育料を決定する現行制度と同様とするが、利用時間に応じた利用者間の負担の公平性を確保する観点から、利用時間の長短の区分ごとに定額の負担を設定することが検討されております。このことから、所得にかかわらず利用に応じた負担が増える仕組みではないものと認識しております。
次に、認定時間を超えた延長保育の利用についてでございますが、現行においても、11時間の開所時間を超える部分は、月々の保育料とは別に利用者負担を徴収しており、11月に公表された検討結果におきましても、延長保育などの利用者負担は、現行の各事業との整合性等を踏まえ、別途整理するとされておりますので、基本的な考え方は現行と同じであると考えており、いずれにいたしましても、具体的な利用者負担の在り方が示された場合には、適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
次に、保育の市場化についてお答えいたします。
新システムでは、質の確保された保育の量的拡大を図るため、多様な事業主体の参入を促進することを目指しております。このため新システムの中間取りまとめでは、(仮称)こども園への参入段階の要件として、現行の認可保育所の基準をベースに、人員配置、面積等の客観的な基準を定め、適合すれば原則(仮称)こども園の指定を行うものとし、株式会社等多様な事業主体の参入も認めるとしております。
また、運営段階においても、繰入れや余剰金の配当に関しては、法的な規制を行わないとしておりますが、他事業会計との明確な区分経理を求めるとしております。
なお、法人の主な収入は(仮称)こども園給付と保育料になり、一定の基準を満たした質の高い保育を実施している中では、過大な余剰金は発生しないものと考えております。
さらに、継続的な運営が基本でありますが、やむを得ず撤退する場合には、指定辞退の事前届出、継続利用の調整義務等を課すとしておりますので、今利用している子供への責任を果たした上でなければ、撤退できない仕組みとなっております。
また、現行の認可保育所制度におきましても、株式会社、NPO等の参入は既に認められており、原則配当自体も行えることから、新システムによって新たに保育の市場化が進むものとは考えておりません。
次に、幼保の三元化についてお答えいたします。
新システムは実施主体を市町村とし、事業ごとに所管や制度、財源が様々に分かれている現在の子ども・子育て支援対策を再編成し、幼保一体化を含め、制度・財源・給付について包括的、一元的な制度を構築することを基本としております。このうち、幼稚園・保育園の一体化については、全ての子供の健やかな育ちを目指すため、質の高い学校教育、保育の一体的提供、保育の量的拡大及び家庭における養育支援の充実を図ることを目的に推進するもので、新システムの中心となるものでございます。
現在、幼稚園は文部科学省の所管、保育園は厚生労働省の所管でございます。しかし、社会情勢の変化や保護者ニーズの多様化を背景に、学校教育と保育を一体化した(仮称)こども園を創設し、二重行政の解消及び公平性の確保を図るものでございます。
この新システムの導入に合わせて、現行の認可保育所、認可幼稚園、認定こども園は、(仮称)こども園等に移行する計画でありますが、急激な制度変更は混乱が生ずることから、国は学校教育と保育を一体的に提供する総合型のこども園を目指すが、当面、幼稚園型のこども園、保育園型のこども園なども認めることとされております。
また、一部ブランド幼稚園などは、このシステムの枠組みに加わることを拒んでおり、文部科学省の私学助成を受け続けたいと主張しており、政府の検討案として、幼稚園向けの私学助成を一部存続する方向で調整しているとのことであります。
なお、所管省庁については、当初、(仮称)子ども家庭省を新設し、一体的に運営する方針でありましたが、当面は内閣府が(仮称)こども園を所管し、文部科学省や厚生労働省にも一部残る部分はありますが、政策的な誘導により一本化していくとされております。
いずれにいたしましても、本年7月の中間取りまとめを踏まえ、財政措置や利用者負担の在り方、国の基準と地方の裁量の関係など、残された多くの検討課題についての検討が10月から再開されておりますので、その動向を注視するとともに、国と地方の協議の場を通じて国へ要望等を行うなど、適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
次に、長野市として新システムの導入に反対し、公的保育の充実を図るべきとのことでございますが、新システムは保育だけにとどまらず、総合的な子ども・子育て支援対策を、住民に身近な市町村が地域の実情に応じて、国から一括交付された財源を基に展開できるようになるため、新システムの基本的な考え方や方向性については、市としては賛成の立場でありますので、早期に進めていただきたいと考えております。
介護保険法の改正と第五期長野市介護保険事業計画について
◆野々村博美
次に、介護保険法の改正と第五期長野市介護保険事業計画について伺います。
介護保険がスタートして11年が経過しました。この間、介護サービスの総量は増えましたが、社会保障費削減路線の下、負担増やサービスの切下げ、介護報酬の削減など、制度の矛盾が様々な形で噴出しています。
低所得者は必要なサービスを受けられない、軽度と認定された人の介護の取上げ、特別養護老人ホームの待機者の増大、療養病床を追い出された人の介護難民、介護現場の劣悪な労働条件と人手不足などです。にもかかわらず、介護保険料は上がり続け、第1号保険料は全国平均で制度発足当時の
こういう事態の大本には、国庫負担が2割しかないという制度の根本的矛盾があり、制度改変の度に負担増とサービスの切捨てが繰り返されることになります。このような流れの中で、新たな第5期事業計画が作成されることになります。その内容について伺います。
要支援1・2の人に給付される介護保険サービスを、介護予防・日常生活支援総合事業に置き換えていく制度改変が決められました。現在、要支援の人は、予防給付として家事援助やデイサービスが受けられますが、総合事業が導入されると、市町村の判断で業者の宅配弁当、民生委員の見守り、公民館のデイケアなど低コストのサービスに切り替えられることになります。長野市は、総合事業への切替えはしないという方針でしたが、変更がないのか伺います。
厚労省は、総合事業の内容として、生活支援、権利擁護、社会参加としていますが、いずれも現行の支援事業や福祉政策で実現可能です。積極的な取組を求めます。
特に現在、養護老人ホームは虐待を受けた高齢者の保護施設としての役割を果たし、措置制度として維持されている施設です。長野広域の中で確保されている長野市の定数は150ですが、約57万人の広域人口の割合からしても、長野市は少な過ぎます。貧困や虐待が増えている中で、養護老人ホームの定員の拡大を要望します。見解を伺います。
次に、ニーズ調査と住民参加について伺います。
国の参酌標準が廃止され、自治体ごとニーズ調査を行って事業計画を策定することになりました。日常生活圏域における高齢者のニーズ調査を実施し、関係者を集めた日常生活圏域部会が設置されることが求められました。介護保険導入後、介護保険任せ、事業者任せになる状況が広がり、行政の保健福祉の機能の低下が指摘されてきました。長野市でも同じです。しっかりとしたニーズ調査、また実態調査も住民参加の下、継続して行い、介護問題を高齢者福祉として責任を持って推進するよう求めます。見解を伺います。
次に、願いにかなったケア体制の確立について伺います。
今回導入された定期巡回・随時対応型サービスは、1回5分から15分で1日複数回訪問、夜間も電話などで随時対応するというものですが、現場からは不安の声が上がっています。ヘルパーさんの週何回かの訪問とデイサービスなどの利用によって何とか成り立っている在宅の皆さんが、今までのサービスと併用して使うことができるのかという不安です。いかがでしょうか。また、事業者選定に当たっては、責任ある選定を求めますが、どのように行う予定か伺います。
介護保険料の引下げについて伺います。
介護保険料の値上げが予定されていますが、財政安定化基金、介護給付費準備基金を取り崩し、また一般会計からも繰り入れ、介護保険料の値上げを行わないよう要望いたします。見解をお願いいたします。
◎保健福祉部長(寺田裕明君)
続いて、介護保険法の改正と第5期長野市介護保険事業計画についてお答えいたします。
まず、介護予防・日常生活支援総合事業は、要支援と自立を行き来する人や、虚弱、閉じこもりなどで孤立しがちな人に、切れ目のないサービスを提供するものですが、サービス利用者や事業者への影響の他、総合事業を利用する人が増加すると、財政的にも影響が出てくると認識しております。
本市といたしましては、孤立しそうな高齢者などへの対応は、当面、現行のサービスや事業の体系の中で支援を行うこととし、平成24年度からの総合事業の実施は見送りますが、今後、国から示される詳細な情報により、事業の内容やサービス利用者・事業者への影響、またサービス提供体制などについて調査検討を進め、次期計画期間中に総合事業を実施するよう努めてまいります。
次に、養護老人ホームは、長野市内の2施設を含め、長野広域圏内には5施設、合計290人の定員があり、そのうち145人については、長野市が入所措置をしている長野市民でございます。本市の養護老人ホーム入所待機者数は、4月1日の状況では平成22年度が15人、平成23年度が13人で、ほぼ一定の水準を保っております。また、新たに入所された方は、平成22年度は19人、23年度はここまでで11人でございまして、入所までの待機期間は平均で約6か月となっており、当面、養護老人ホームの定員を拡大する必要はないものと考えております。
なお、身体的虐待など緊急の対応を要する場合は、短期入所事業等により機動的に対応しております。
次に、ニーズ調査と住民参加についてお答えいたします。
第5期介護保険事業計画策定に当たりまして、的確に高齢者の地域生活における課題等を把握するため、長野市独自の項目を加えた高齢者等実態調査及び高齢者等一般調査を、昨年12月から本年6月にかけて行い、
この調査により、どこに、どのような支援を必要としている高齢者が、どの程度生活しておられるのかが、具体的に把握できるようになりました。併せて、介護サービス事業所調査なども実施いたしました。これらの調査結果等を踏まえ、社会福祉審議会老人福祉専門分科会で御審議をいただき、先頃、計画案がまとまったところでございます。
計画策定への住民参加につきましては、専門分科会に一般市民が公募委員として参画していただいているほか、各種調査やグループヒアリングで住民意見をよくお聴きすることで、住民参加が実施できていると考えております。
高齢者等実態調査は、事業計画策定に合わせ3年に1度実施しており、今後も各種調査を定期的に行い、住民の意見を広くお聴きしながら、介護予防、介護サービスの充実に努めていきたいと考えております。
次に、願いにかなったケア体制の確立についてお答えいたします。
平成24年度に新設されます定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、要介護1から5までの人が対象で、このサービスを利用する他、これまでのデイサービスやショートステイを併用することは可能でございます。
次に、定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービス提供を行う事業者の選定に当たりましては、公募による指定は可能であるとされております。事業者がこのサービスを事業展開するためには、サービス提供の移動コストの縮減や利用者の確保が必要でありますので、事業者の参入意向を把握しつつ、質の高いサービス提供を行うと思われる事業者を選定できるよう、公募方法等を検討してまいります。
本市では、既に地域密着型サービスのグループホームや小規模特別養護老人ホームについて、公募選考の方法をとっておりますので、その経験を生かして、質の高いサービス事業者を選定していく方法を検討してまいります。
次に、介護保険料の引下げについてお答えいたします。
次期介護保険事業計画の案がまとまりましたので、保険給付費等の見込額に基づき、現行の9段階の保険料段階で試算したところ、保険料基準額の月額は
お尋ねにありました都道府県の財政安定化基金については、これを取り崩して保険料上昇の緩和に活用することができるとされ、本市の場合、約
市の介護給付費準備基金につきましても、平成23年度末の基金残高は
また、一般会計からの繰入金のお尋ねでございますが、財源負担の仕組みは、保険料5割、国、県、市の公費5割と決められておりますので、この仕組みを崩して一般会計から法定外の繰入れをする予定はございません。
私からは以上でございます。
<再質問>
◆野々村博美
養護老人ホームの施設は介護保険の適用ではありません。長野市の措置制度として維持されている施設ですけれども、現在、145人の定員だということですが、実際には毎年、先ほど具体的に15人とか13人とかありましたが、しかし必要とされている方は絶対もっと多いはずですね。
既に6か月待たなければいけないという状態自体、足りないということを意味しているわけですから、これはやっぱりもっとこの養護老人ホーム、非常に貧困化も進んでいますし、虐待の問題があるという点では、すぐに措置しなければいけない人たちがたくさんいます。そういう方たちを早急に措置していただくよう、定員の枠の拡大を是非お願いしたいと思いますが、今後、具体的な計画があるのかお伺いをしておきたいと思います。
それから、介護保険の関係で言いますと、今度の改正によって、地域できっちりと調査をしなければならないニーズ調査というのが義務付けられました。それは国の参酌標準がなくなった分、地域できちんと、地域ごとのニーズ調査をしなければいけないという国の新しい方針が示されているにもかかわらず、長野市は日常の生活圏の中で審査をする部会というものを設置せずに、今回のアンケート調査を行っております。その辺をどのように考えているのか。
日常的なきちんとしたニーズ調査が行われるべきと思いますが。そこに住民参加が求められているわけです。それに対する御回答をお願いしたいと思います。
◎保健福祉部長(寺田裕明君)
まず、養護老人ホームの関係でございますが、先ほど申し上げたとおりでございまして、長野広域圏内で230人の定員がございます。145人、現在、長野市の方が入所しているということで、平成22年度末現在、15人、それから今年度が13人という待機状況、それから申し上げましたとおり、実際に新しく入る方は、平成22年度には1年間で19人入っておられる、今年も、この11月までに既に11人入所されているといったことから見まして、私ども、養護老人ホームの定員を直ちに拡大する必要はないものと考えているということで、御理解をお願いしたいと思います。
それから、ニーズ調査の関係でございますが、ちょっとその経過につきまして詳しく御説明する資料がございませんので、後ほど御説明させていただきます。
<再々質問>
◆野々村博美
養護老人ホームなんですけれども、全体、広域圏の中で260の定数の中で145。これは57万人が広域人口ですけれども、そのうち長野市が38万人ですから、この割合で計算すると、長野市が約200持ってもいいという数だと思うんですね。そうするとやはり50人は少な過ぎるんですよ。これは広域全体の養護老人ホームの数、増やしていただきたいのはもちろんですけれども、全体の分母から言って、長野市の割合は少な過ぎる。
実際に、高齢者が置かれている厳しい事態を考えれば、養護老人ホームの定数はもっと増やしてしかるべきだと思いますので、検討を是非していただきたいと思います。部長さん、もう一度答弁をいただければお願いをしたいと思います。
◎保健福祉部長(寺田裕明君)
ただ今の養護老人ホームの関係でございますが、議員さんおっしゃることも理解できるわけでございますが、私どもとしては、基本的な認識は先ほどと同じでございます。ただ、長野市分が何人が適正かといったことは、なかなか流動的な話であろうかと思います。その辺については、また広域連合の関係市町村とも一度検討してみたいなと、そんなふうに感じております。
それから、ニーズ調査の関係でございますが、次期計画の策定に当たりましては、国が策定体制の一例として示しました日常生活圏域部会のイメージの中にある住民参加ということでございまして、これは義務付けではないということでございまして、長野市としては、住民の方に社会福祉審議会老人福祉専門分科会に公募委員として参画していただいている他、各種調査、グループヒアリング等の内容を精査し、反映させることで、住民参加は実施できていると考えております。
また、高齢者等実態調査では、ニーズ調査は市内全地域から満遍なく高齢者及び介護者の御意見を聴いておりますので、それ自体が住民参加になっていると考えているところでございます。
<再々々質問>
◆野々村博美
それから、養護老人ホームの確保については、これは全体の規模290を大きくしながら、是非、長野市分を確保していただくということで、よろしくお願いをいたします。
その他
◆野々村博美
その他として、信州新町地区の小規模水道事業について伺います。
信州新町では、今も多くの人たちが小規模水道を利用していますが、高齢化に伴い、その維持管理が困難になっています。命に直結する安全な水の確保は行政の責任です。合併したことによって水の確保もできなくなってしまった、あるいは個人負担が大幅に増えてしまったということのないよう、責任を持って水の確保を行うよう求めます。御答弁をお願いいたします。
また、上水道によらない水を利用している地域や住民がどのくらいいるのか、行政としてどのような支援をしているのか、併せてお伺いいたします。
◎保健所長(小林文宗君)
続いて、信州新町地区の小規模水道事業についてお答えいたします。
旧信州新町と中条村との合併協議においては、原則として小規模水道施設への補助制度は廃止するとされておりますが、一方、同様の制度が長野市にないことから、補助制度について、今後検討するとされております。
なお、経過措置として、平成24年度までの3年間は、旧信州新町と中条村の補助制度を継続するということで現在に至っております。
市といたしましても、中山間地域の小規模水道施設は、老朽化や少子高齢化により維持管理に不安を抱えていることなど、中山間地域特有の課題として認識しております。このことから、補助金の継続につきましては、今後、関係部局と協議の上、検討してまいりたいと考えております。
次に、上水道によらない民営小規模水道の施設数と人口についてお答えします。
現在、全体が62か所で
また、支援につきましては、現在、保健所において水質及び施設の維持管理に係る助言、指導を行っているところでございます。
以上でございます。
◆野々村博美
次に、学校給食の安全性確保について伺います。
福島第1原発事故に伴う農作物や魚類の放射能汚染が大変心配されるところです。学校給食の安全性の確保には万全を期していただきたいと思いますが、対策と見解を伺います。
次に、放射線測定器の貸出しについて伺います。
ホットスポットと呼ばれる放射能高濃度汚染の箇所が発見されるケースがありますが、市民が測定器の貸出しを求めた際には、是非応えていただきたいと思います。見解をお願いいたします。
◎環境部長(水野守也君)
私からは、放射線測定器の貸出しについてお答えを申し上げます。
本市では、現在まで空間放射線量測定を市内全域を網羅して実施いたしました他、4か所を定点として週1回、継続的に測定をさせていただいております。
この測定値の平均でございますが、毎時
一方、放射線測定器の貸出しを行っております千葉県の柏市や松戸市の場合でございますが、航空機モニタリングによる放射性セシウムが高濃度に検出された地域でございまして、特に柏市では、空間放射線量が最高で毎時
本市は、これらの状況とは異なりますので、現状では測定器を大量に導入して御利用いただく必要性はないと判断しておりまして、引き続き現有の測定器を有効に活用し、不安解消と実態把握に努めてまいります。
以上でございます。
◎教育次長(中村正昭君)
私から、学校給食の安全性確保についてお答え申し上げます。
本市の学校給食で使用する食材につきましては、地産地消を推進しており、県内産農産物等の放射性物質の検査結果においても、安全性が確認されております。
県外産の食材につきましては、国の定めた暫定規制値を超えた農畜水産物は出荷が制限されていること、また県内に流通する県外産食品の放射性物質検査におきましても不検出であり、市場に流通している食材は安全であると考えております。
本市の学校給食では、国の出荷制限等の最新情報を把握し、食材の発注及び納入時に産地を厳重に確認するよう徹底しており、産地の不明確な食材は使用しておりません。
今後の安全性確保につきましては、県教育委員会において12月7日からゲルマニウム半導体検出器による学校給食食材の放射性物質検査が実施され、本市分につきましても検査が行われますので、結果につきましては、市のホームページ等で公表してまいります。
さらに、県教育委員会では、文部科学省が新たに創設した、長野県を含む17都県を対象にした学校給食検査設備整備の補助事業により、新たな学校給食用食材の検査機器を導入することを検討しております。
本市といたしましても、この検査機器の導入により給食食材に対する安全性が高まることから、強く要望するとともに、県教育委員会と協力して、安全・安心な学校給食の提供に向けた検査体制が構築できるよう取り組んでまいります。
私からは以上でございます。
<再質問>
◆野々村博美
学校給食の安全性についてですが、既に松本市や安曇野市などでは、今回の県教委の指導を待たずに、独自で測定器を購入して安全性を確保しているという報道もされております。長野市も県教委の検査を待たずに、長野市独自としても、きっちりとした検査体制の確立を是非要望したいと思います。
◎教育次長(中村正昭君)
ただ今、議員さんから頂きました御要望につきまして、学校給食用の食材の検査機器導入等につきましては、文部科学省が新たに創設した学校給食検査設備整備の補助事業による検査機器の導入、国や県の今後の動向を見極めながら慎重に検討してまいりたいというふうに考えておりますので、御理解をお願いいたします。
以上でございます。
◆野々村博美
次に、公園への犬の連れ込み禁止の見直しについて伺います。
今、多くの人たちがペットと共に暮らし、家族の一員となっています。多発する昨今の災害時には、ペットの保護も大きな課題となり、長野市でも愛犬家の皆さんの自主的な活動として、各地で犬を伴う避難訓練も行われています。
ところで、長野市には公園に犬を入れてはいけないという条例があります。マナーが悪く、ふんの始末をしないからなどの理由のようですが、このような条例があるのは長野市だけです。長野市民が他都市と違って特段マナーが悪いのでしょうか。そうではありません。もう改正する時期が来ているのではないでしょうか。私も愛犬家の一人として強く要望いたします。御見解をお願いいたします。
◎都市整備部長(原田広己君)
次に、公園への犬の連れ込み禁止の見直しについてお答えいたします。
本市は、都市公園条例により、動物を引き連れて公園に入園することを禁止しておりますが、長野運動公園、八幡原史跡公園、真田公園及び犀川第2緑地の決められた一部の区域においては、犬の散歩ができることとしております。
平成10年2月に行った公園への動物の連れ込み禁止等に関する調査の結果では、条例に規定があるのは本市のみでありますが、多くの市では迷惑行為等の禁止を適用して、犬の連れ込みを規制している状況でございます。
一方、ペットと共に暮らす人が増加しており、ペットの果たす役割も増大しております。愛犬家の皆様から強い御要望も頂いておりますので、今年度のまちづくりのアンケートにおいて、公園での犬の散歩について、市民の皆様の意見をお聴きしております。これまでも、条例の規定により散歩ができる公園及び区域を規則に定めておりますので、アンケートの結果等を踏まえて検討してまいります。
以上でございます。
<再質問>
◆野々村博美
まちづくりアンケートで検討をしていくということをお話しされました。新しく第一歩が踏み出されるのかなと思いますけれども、これは大至急、禁止を原則にするのではなく、公園への犬の連れ込みは、まずそれを可能にし、この条例を根本から変えて、いけないところには、入ってはいけないという部分=禁止区域を定めればいいわけですから、是非、市民をマナーが悪いという形で敵視するようなやり方はやめていただきたいと思います。
◎都市整備部長(原田広己君)
議員さん御存じかと思います。11月26日の市民新聞に、くしくもこんな記事が載ってございました。78歳の男性でございます。安心して歩ける場所を残してねということで、私は犬の散歩の開放に絶対反対だということ。またその記事に続いてでございますけれども、85歳の男性でございます。公園の進入禁止の理由は何だと。なぜ長野市だけ禁止しているのかと。長野市だけ愛犬家のマナーが悪いとも思えませんと。議員さんのおっしゃるとおりでございます。
それで、私どもも、こういう両方の意見があることは十分承知してございます。それで、今度実施しますアンケートを基に、十分検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
以上でございます。
<再々質問>
◆野々村博美
確かに賛否両論あるのは事実です。正直言えば私たちの議員団の中でも、これは見解が分かれるところです。しかし、唯一みんなの認識が一致しているのは、長野市だけが犬を連れ込んではいけないという条例がある。これは、ちょっとやはりおかしいと思うんですよ。
どこも皆マナーの問題は全ての都市で大問題になっています。だからといって、犬を入れてはいけないという条例を制定しているところはどこもないわけですから、これはちょっと長野市のやり方が、余りにも乱暴だと思うわけですね。既にこの問題は平成10年、他の会派の方も質問されていまして、そのときの御答弁は、ドックランなども考えながら検討していくよというような御答弁でありましたが、残念ながらこの13年間、そういう具体的な検討はされてこなかったのではないかと。
これは早急に開放していただいて、これだけ多くのペットと共存している、生きていらっしゃる市民がたくさんいるわけですから、公園は開放して、必要なところにはペットは入れてはいけないということを、きちんと別に定めればいいわけですから、そういう対応に是非とも変えていただきたいと思います。これは要望しておきますので、是非前向きな御検討をお願いいたします。