議会報告

2011年12月定例市議会 原田のぶゆき議員

国に対し、消費税増税反対の意見書を提出することを求める請願

◆原田誠之
 39番、日本共産党長野市議団の原田誠之です。
 総務委員会委員長報告のうち、不採択とした請願第29号国に対し、消費税増税反対の意見書を提出することを求める請願について、反対の立場から討論を行います

 請願者が活動している長野民主商工会は、市内で中小零細業者を中心に営業と暮らしを守って頑張っている団体です。この請願者は景気低迷の中、東日本大震災と福島原発事故が襲い、さらに異常円高で日本経済に打撃を与えており、消費税が増税されれば、営業が一層深刻になると痛切な思いで訴えております。
 本請願審査の際、国は1兆円もの借金があり、社会保障予算にも金がかかり、消費税増税はやむを得ないとの発言がありました。これは、野田政権が言っている社会保障と税の一体改革で、福祉をよくするから税を引き上げるものとの考えに通ずるものであります。
 そもそも、政府が出したこの一体改革には、社会保障をよくするという部分はほとんどありません。逆に、お年寄りが増え年金が増える、医療や介護にもお金がかかるので、それに対処するために税金を増やすというものであります。
 70歳から74歳までの医療費は、窓口本人負担が1割から2割に、受診の度に定額100円の窓口負担、年金の支給開始年齢を現行の65歳を68歳から70歳へ引き上げ、同じく年金の2%から3%の引下げ、子ども・子育て新システムで保育園の行政責任の大幅後退、入園も親の自己責任、費用負担増、生活保護は事実上の期限付きと、医療費の窓口負担導入検討など、様々な福祉の切下げを伴うもので、福祉は今でも貧しいにもかかわらず、さらに福祉の後退を押し付けながら税金は増やす、消費税増税するのが社会保障と税の一体改革の正体であります。
 社会保障のためというのは、消費税導入の際にも5%に増税した際にも、当時の政権がいつも言っている言葉であります。社会保障の改悪メニューを幾つも並べながら、消費税の5%から10%への12兆円もの増税を一体で実行しようとするやり方は、過去には例がありません。これまでのどの政権もできなかった暴挙であります。
 消費税は、毎日の消費に一律にかかる税金です。所得が少ない人ほど所得から生活費に回す割合は大きくなり、所得に対する消費税の割合は低所得者ほど重くなります。今、生活保護受給者は206万人超え、長野市でも受給者が急増しております。年収200万円以下のワーキングプア、非正規労働者は全労働者の34%を超えました。これらの人たちの暮らしを直撃します。また、東日本大震災で被災された人々への幾重もの負担の押し付けともなります。
 一方で、大金持ちが利益を増やす証券優遇税制は、20%を10%に引き下げたまま、更に延長します。また、一体改革は大企業の法人税を5%減税した上で、その範囲内で付加税を3年間に限って課すというもので、実質2%の減税となります。サラリーマンと自営業者だけには10年間増税し、大企業には3年たったら、更に大減税というのは余りにも不公平であります。
 大体、消費税は福祉のため、少子高齢化のためと言いながら、導入時から238兆円税金を取りました。同期間の法人税減収分は223兆円で、消費税は福祉どころか、法人税減収の穴埋めにされていたのが実態であります。また、消費税を1円も税務署に納めていないトヨタやソニーなど、輸出大企業上位10社だけで消費税還付金、年間8,700億円も戻し税として手に入れております。
 ちなみに、大もうけしている世界のトヨタは、5年間で1兆3,000億円もの消費税の輸出還付金を手にしております。正に、最大の不公平税制が消費税であります。
 財源を確保と言うなら、260兆円も内部留保をため込んでいる大企業に対する減税をやめ、応分の税負担を求め、米軍の思いやり予算3,000億円や政党助成金320億円を中止すれば、10年間で17兆円の財源が確保できます。また、大災害の緊急事態です。4兆8,000億円の軍事費のうち、正面作戦の戦車や戦闘機など、武器の更新をやめれば、庶民増税なしで復興財源や社会保障財源を生み出すことができます。
 今、アメリカでも、ヨーロッパでも、富裕層に増税すべきだという議論が富裕層からわき起こり、イタリア、フランス、ポルトガル政府などは、富裕層増税を打ち出しました。オバマ大統領は、富裕層を中心に10年間で100兆円を超える増税を提案しております。
 ところが、日本は庶民には消費税など大増税、大企業、資産家には大盤振る舞いの大減税では、ますます国民の購買力は落ち込み、景気は冷え込むばかりです。東日本大震災の被災者や庶民に重い負担を負わせ、権堂初め市内の中小業者も厳しい経済状況の中、閉店・廃業などで空き店舗が増えるなど、営業と暮らしが大変なとき、この事態に追い打ちをかけるような景気を後退させる消費税増税はノーの声を、この長野市議会から大きく起こそうではありませんか。
 以上、申し上げ、野田政権に対し公約違反の消費税増税は断念し、軍事費の抜本的見直し、法人税減税の見直し、大企業や大資産家への応分の負担を求めるべきとの請願者の願意を酌み、本請願を採択し、国に意見書を提出するよう、議員各位の御賛同をお願いし、委員長報告に対する討論とします。

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