2011年12月定例市議会 あべ孝二議員
介護職員処遇改善交付金の継続を求める請願
◆阿部孝二
36番、日本共産党市議団阿部孝二です。
請願第32号介護職員処遇改善交付金の継続を求める請願を不採択とした福祉環境委員会委員長報告に対して反対の討論を行います。
請願趣旨では、3Kとも言われた労働実態に、その処遇改善の必要性が社会問題化した平成21年度、麻生内閣によって創設された介護職員処遇改善交付金事業で一定の改善が進みましたが、平成23年度末で終了するものとなっています。
厚生労働省は、介護職員の処遇改善に相当するものを介護報酬に組み込むことを考えていると言われています。しかし、介護報酬の中に組み込めば、介護報酬の約2%に相当すると言われています。当然、介護保険料の引上げ、利用料の増大に結び付きます。また、介護職員の処遇改善は一定進んだとはいえ、まだまだ定着は厳しく、離職者が依然として高い状況が続いています。介護事業者も職員の確保に苦慮しています。
介護報酬に組み込んだ場合、職員の処遇改善に結び付く保障がなく、介護報酬のアップ分を処遇改善に充てるか否かは、事業者の判断次第ということになっています。
請願項目では、介護職員処遇改善交付金事業を平成24年度以降も継続することを求める意見書を国に提出することを訴えています。
委員会の討論では、請願第31号国民生活の安心と向上を図る各種基金事業の継続を求める請願の3に介護職員処遇改善等臨時特例基金、介護職員の賃金引上げなどを行うための基金として創設され、今年度末まで予算措置されていますが、来年度以降の対応は、引き続き基金事業によるのか介護報酬によるのか、方向性がまだ見えていません。介護職員の処遇改善は極めて重要な課題であることから、平成24年度以降も処遇改善に取り組むこととされ、全委員賛成で採択されています。第32号の請願と同様の内容で、一方で不採択としていることは、誠に不思議と言わざるを得ません。
日本共産党の発行している新聞赤旗、12月4日付け日曜版で、要介護者の暮らしを考える会の藤原るかさんは、ホームヘルパー歴20年の経験と実績から、生活援助は時間的、精神的なゆとりが欠かせない領域と言っています。介護保険法の目的である自立支援、介護を必要とする人が尊厳を保持し、その有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう支援することを推奨しながら、ヘルパーの仕事を単純作業に定型化することは矛盾に満ちていると訴えています。
また、東京都大田区でヘルパーをしている高橋さんは、相談も援助の大切な内容です。今でも時間ばかり気にしているのに、これ以上短縮すれば、コミュニケーションを通して利用者の皆さんの意欲を引き出すことはできなくなります。かえって、重度化が進むのではないでしょうかと訴えています。
2009年度は介護報酬が増額され、保険料を抑制しつつ介護労働者の待遇を改善するためとして、介護職員処遇改善等臨時特例基金、介護報酬引上分の半分を国庫で負担し、介護職員処遇改善交付金、介護職員の
介護が必要な方に十分な介護を行うために、議員各位に賛同をお願い申し上げまして、以上で反対討論を終わります。