2011年6月定例市議会代表質問 野々村ひろみ議員
放課後子どもプランについて
福祉医療について
介護保険・高齢者福祉について
まちづくりについて
放課後子どもプランについて
◆野々村博美
28番、日本共産党長野市議団野々村博美でございます。
最初に、放課後子どもプランについてお伺いいたします。
長野市の放課後子どもプランは、平成20年度から実施されています。党市議団は、当初から学校スペースだけを当てにした放課後子どもプランには無理があり、すし詰め状態の現在の児童館、児童センターでの問題を解決するには新たな施設の確保が必要と提案をしてきました。あれから3年が経過をいたしましたが、現状はどのようになっているのかお伺いをいたします。
◎教育次長(酒井国充君)
お答えをいたします。
放課後子どもプランの推進のため必要となる校内施設の開設に当たりましては、学校側の合意をいただき、活用できる教室等のめどがついたところから順次、その校区の児童館等の運営委員会と協議を進め、施設の規模に応じて受け入れる対象学年の決定やコーディネーター、施設長、指導員などの人員を確保し、施設の拡充に努めているところでございます。
今年度の放課後子どもプランの活動場所といたしましては、校外施設44か所、校内施設41か所で、合計85か所となっております。放課後子どもプラン実施前の平成19年度と比較した場合、新たな拠点として校内施設を使用し開設した放課後の居場所は、25か所の増加となっております。
登録児童数で比較いたしますと、今年度の5月1日現在では6,157人で、平成19年度と比較した場合、1年生から3年生までの低学年で526人、4年生以上の高学年で588人、合わせて1,114人、
また、放課後子どもプランを実施しました平成20年度以降、新たに校内施設を開設した25校区のうち、開設に伴い対象学年の拡大に結び付いた校区は19校区ございます。この他、開設により既存の児童館等の狭あい化の解消を図ったものの対象学年の拡大までに至らなかった校区は、市街地の大規模校の6校区であり、今後、校内施設での拡充に努めてまいります。
なお、児童館等の校外施設がすし詰め状態とのことでありますが、児童1人当たりの保育スペースについては、児童1人当たりおおむね
この他、放課後子ども教室事業として、留守家庭だけでなく、6年生までの希望児童の受入れが可能な校区は、中心市街地や中山間地域の小規模校を中心に18校区となっております。
実施状況につきましては、以上でございます。
◆野々村博美
本来、放課後子どもプランは、全児童を対象とする放課後子ども教室推進事業と留守家庭対策としての放課後児童健全育成事業とを原則として全ての小学校区で、教育委員会指導の下で一体的あるいは連携して進めるというものでした。
しかし、先ほども答弁がされましたけれども、私どもが当初から指摘してきたとおり、放課後子ども教室として機能を果たせているところは、山間部と中心市街地の小規模校に限られています。圧倒的多くは、低学年の留守家庭児童の対応となっています。それも、すし詰め状態の改善は図られていない施設も多く、また高学年は利用できないところがほとんどで、3年生でさえ希望する児童を受け入れられないところもあります。また、プラザでは学校の校庭さえも使えず、子供たちが元気に遊び回れないというところもあります。
子供たちの安全な、そして楽しい放課後を保障するためにも、学童保育としての役割を担う児童館、児童センター、児童クラブのスペースとその機能をきちんと確保し、その上で学校の空き教室を利用した放課後子ども教室を実施すべきと考えます。新たな児童センターを建設しないという方針を改め、児童センターの拡充を求めます。
先ほど、
◎教育次長(酒井国充君)
お答えいたします。
放課後子どもプランを推進する上で、小学校施設での開設は、放課後の活動のために場所を移動する心配がなく、体育館やグラウンドの活用も可能であり、放課後まで継続して安全で安心な居場所が提供できるメリットがあると考えております。
このため、本市の子どもプランでは、放課後の居場所となる施設については、校外施設の老朽化と狭あい化の状況や今後の財政状況、小学校施設の状況、登録児童数の推移などから総合的に勘案した結果、既存の児童館等の校外施設を活用する他、小学校施設を活用するという方針を平成19年度に決定したものであります。
また、平成20年11月の文部科学省からの通知でも、放課後子どもプランの実施に際しては、子供たちの多様な活動の場が確保できるよう、学校教育に支障が生じない限り、学校諸施設の有効活用を図ることとされており、特に普通教室として使用しなくなった教室については、学校施設の他の用途に用いることが真に必要不可欠な場合を除き、放課後子どもプランの実施場所としての活用ニーズに優先的に応えることとされております。
本市では、これらの背景を基に、今後も長野市版放課後子どもプランでは、平成19年度に決定をいたしました基本方針に沿って、小学校施設の活用を進めてまいりたいと考えております。なお、プランの最終的な目標として、小学校1年生から6年生までの希望する全ての児童を対象としておりますが、まずは留守家庭の低学年児童の受入れを最優先に考え、次の段階で低学年児童全員の受入れを考えて開設をしてまいりました。
したがいまして、今後は平成25年度の全校区でのプラン開設に向け鋭意努力をしていくとともに、全希望児童の受入れを目指し、文部科学省の通知にありますように、学校側のなお一層の理解と協力を得て、校内施設で使用可能な場所を提供いただき、新たな拠点場所の確保を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
◆野々村博美
児童館、児童センター、いまだ100人を超えるところがたくさん残されています。平成25年度で全希望者を受け入れるようにしていきたいという御答弁ありましたが、今の学校のスペースだけの利用を考えてこれを解消することは困難であると思います。新たな施設建設も含めて、是非検討をお願いいたします。
先日の阿部議員の質問の中で、耐震改修もまだ進んでおりません。この際、耐震改修も含めて、全面的な児童館、児童センターの在り方、建物の在り方も含めて、見直すことを強く求めたいと思います。
次に、児童館、児童センターの開所時間の延長は、保護者の都合により求められているものではありません。ひとり親家庭が増えていたり、子育て世代であっても残業せざるを得ない労働環境が放置されている現代社会の中で、安全・安心な子供たちの放課後を保障するために、自治体がやらざるを得ない事業です。児童センター職員の労働条件も改善し、共働き家庭やひとり親家庭への理解も深め、社会福祉協議会など運営に携わる皆さんに協力を求めるよう強く要望します。御見解を伺います。
◎教育次長(酒井国充君)
お答えいたします。
放課後対策事業施設の開館時間の延長につきましては、共働き世帯の増加や就労形態の多様化などに対応し、仕事と子育ての両立支援策の充実を図るため、また、これまで頂いた開館時間の延長を求める御要望、御意見に応えるため、平成24年度からの実施を予定しているところでございます。
この時間延長の実施に当たりましては、保護者の都合のみで利用していただくのではなく、保護者自身が仕事と子育ての両立、いわゆるワーク・ライフ・バランスとともに子供たちの健全な育成を十分考慮した上で利用していただくことを考えております。
このため、現在、児童館、児童センター等の来年度利用対象学年となる保護者を対象に、各小学校、保育園、幼稚園を通じてアンケート調査を実施をするとともに、長野市社会福祉協議会等の事業受託者と詳細な実施体制について協議を進めております。
また、延長時間に伴っては、従事する職員の総労働時間数も増加いたしますことから、職員の労働条件につきましても、引き続き事業受託者と協議を進めるとともに、社会情勢の変化やアンケート調査により把握した真に開館時間の延長を必要とするニーズについて、従事する職員に十分な説明を行い、理解を得るよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆野々村博美
先日、介護職場で働く母子家庭のお母さんが、子供を午後6時半までしか預かってもらえず、迎えに行くことができず、児童センターをやめさせ、家で留守番をさせるようになってしまったと嘆いておられました。是非、早急に改善を求めたいと思います。
福祉医療について
◆野々村博美
次に移ります。福祉医療について伺います。
子供の医療費の窓口での無料化は、切実な願いとなっています。既に35都府県で実施されていますが、相変わらず長野県は償還払い方式をとり、その上、一診療科、薬局ごとに500円の手数料を払わなければなりません。障害者の皆さんにとっても、医療費は切実です。福祉医療の窓口無料を強く県に要望し、また500円の手数料については、長野市独自の負担軽減措置を求めます。御見解を伺います。
◎保健福祉部長(寺田裕明君)
お答えいたします。
窓口無料化を含めました福祉医療費の給付方式につきましては、長野県内の統一した方式となっており、平成14年、県の福祉医療制度のあり方検討委員会において検討され、受給者証の提示により支払った医療費が後日還付される現行の自動給付方式を採用するという基本的な枠組みが示され、平成15年7月から運用を開始しているものでございます。
その後は、長野県市長会、長野県町村会及び長野県の3者で構成する長野県福祉医療費給付事業検討会が平成21年1月に出した報告書の中で、基本的な枠組みである自動給付方式は見直さないことが確認されておりますので、引き続き本市もこの方針を尊重してまいりたいと考えております。
次に、一部負担金に対し長野市独自で負担軽減の措置を図れないかとの要望でございますが、現在は自己負担額から受給者負担金として500円を差し引いた金額を福祉医療の給付額としております。
受給者負担金につきましては、先ほど述べました県の福祉医療費給付事業検討会における見直しの中で検討され、今後の医療費の増加と福祉医療費の財源である税収を鑑みる中で、福祉医療が将来にわたり持続可能な制度とするため、平成21年10月診療分から1レセプト当たり300円から500円へ引き上げられたものでございます。
本市では、この決定を受けて、長野市社会福祉審議会に諮問した結果、引上げはやむを得ないとし、引上げの実施時期は、市民への周知や合併等を考慮し半年遅らせるとの答申を頂いたため、平成22年4月診療分から実施しているものでございますので、現状で御理解をお願いいたします。
以上でございます。
◆野々村博美
自動給付方式については、県の検討会の意向を尊重するということですが、済みません、この問題については鷲澤市長さんにちょっと再質問をお願いします。
県に対して、窓口で無料にすべきだということを是非市長として言っていただきたいと思います。子育て支援を公約の大きな柱として掲げていらっしゃるわけですから、県へそのような要望を上げていただくことは可能かと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎市長(鷲澤正一君)
福祉医療に限らずですね、福祉事業、その福祉全体について、どこに重点を置くかとか、そういうことについてはいろいろな考え方が実はあります。県の考え方も、実はいろんなところに、私どもと必ずしも同じことがあるわけではない、全部同じではないわけです。それについては総合的に考えて、どこへ優先順位を付けるかということについては、これから十分検討してまいりたいと考えております。
以上です。
◆野々村博美
この検討会は、県だけでなく、市町村も加わっているわけですから、是非その中で積極的に無料化を求めていただきたいと思います。
次に、長野市では子供の医療費は現在、入院、外来とも小学校3年生まで無料となっていますが、県下全ての自治体の中で最も低い基準となっています。年齢を拡大し、中学校卒業まで求めます。
過日の質問で、年齢の引上げを検討すると答弁されましたが、具体的には、いつまでに、どこまで引き上げるのか伺います。
◎市長(鷲澤正一君)
子供の給付対象を中学三年生まで拡大していただきたいとの要望についてお答えをいたします。
乳幼児における福祉医療の給付対象者につきましては、平成21年度までは就学前までを上限としておりましたが、平成22年4月診療分からは小学3年生までの入院に係る医療費を、さらに10月診療分からは長野市単独事業として、小学3年生までの通院に係る医療費について対象範囲を拡大したところでございます。
こうした状況から、対象年齢の更なる引上げについては、財源の確保が大きな問題でありますが、一方、子育て支援は喫緊の課題であり、福祉医療による支援も重要であると認識しております。
ちなみに、中核市では、まだ小学校就学前までを上限としている都市も多く見受けられますが、県内他市の状況に鑑みまして、今後、国、県の動向等も注視しつつ、対象年齢の拡大について内容、実施時期などを含めて、長野市社会福祉審議会の御意見などもお聴きしながら検討してまいりたいと考えております。
以上です。
◆野々村博美
中核市と比較をされたそうですけれども、実際には県の制度として入院では小学校三年生まであるわけですから、長野市独自のものは非常に弱いと言わざるを得ません。
福祉医療制度の中で障害者医療については、長野県下で一定高い水準を長野市は持っていると思いますが、子供の医療費については、子育て支援を重視するとしていながら最も低いということは非常に残念なことであり、早急な改善が求められます。
松本市が入院は中学校卒業まで、岡谷市、諏訪市、茅野市は食費助成も含めて、入院、外来とも中学校卒業までとなっています。是非とも来年度の実施を求めます。明快な御答弁をもう一度、市長さんにお願いしたいと思います。
◎市長(鷲澤正一君)
これも先ほどの答弁と同じことだと思いますが、基本的にはどこに重点を置くかということで、総合的に考えて取り組んでいくということに尽きるかなと思います。県ないし市町村の中では、確かに子供に関しては急に他の市がレベルを上げたということもございます。長野市は、中核市の中でずっとそのような、大体レベルを同じくしていこうではないかという考え方でやってきたということでございます。
いずれにしてもですね、そういったいろんな問題について、私どもとしては、これは本来からいうとシビルミニマムという考え方に立って、全国一律にすべきであるという、それをですね、各都市が競争して上げていくという判断というのは、私は正直言うと、余り芳しいことではないと思っています。
でも、シビルミニマム、いわゆるナショナルミニマムといいますか、そういう意味からすると、本当は国が、じゃあどこまでどういうふうにするのということをきちんと言ってくれれば一番話は簡単なんでありますが、どうもそうはいかないところが、どうしてもばらばらにならざるを得ないと。
だから、先ほど、やはり議員さんおっしゃるとおり、障害者支援に関しては長野市は確かに、私は他の都市に比べて確かに上にいるかなという感じがいたしますが、確かに子供さんの医療費に関しては若干低い、今の県のそれからいうと低いかなと、それはそう感じております。ですから、それについてはですね、私どもも全体を見て、どういうふうにしていけばいいのかということについては、きちんとやっぱりこれから検討していきたいと、こんなふうに思っております。
以上です。
◆野々村博美
私どもも、国の制度としてきちんとすべきだとは考えております。是非、早急に改善を求めたいと思います。
介護保険・高齢者福祉について
◆野々村博美
次に、介護保険法に関連してお伺いをいたします。
介護保険関連法が、十分な審議もされないまま改正されました。この中で最も懸念されることは、要支援と認定された軽度者へのサービスの切下げです。介護予防・日常生活支援総合事業を創設し、市町村の判断で要支援者のうち一定部分を総合事業に移すことを可能にしました。総合事業にはサービスの質を担保する基準がなく、専門職以外に担わせて費用を低く抑えられる仕組みとなっています。
長期療養患者が入る介護療養病床の廃止については、廃止期限を2017年度末まで延長するとしましたが、病床を維持するのではなく、報酬を減らして廃止する方向です。在宅での重度者の受皿として、巡回型訪問介護・看護です。これを高齢者専用の集合住宅とセットで整備すれば、特養ホームの待機者解消も図られると解説しています。しかし、介護も看護も人材不足の中、巡回型が成り立つのかどうか不透明です。高齢者住宅は家賃補助もなく、低所得者は入れません。
このような介護保険改正を見通して作成された、あんしんいきいきプラン21は、介護保険法の問題点を長野市独自の施策で充実を補う内容となっているのでしょうか。今回の法改正に対する見解と軽度者へのサービスの在り方をどのように考えているのかお伺いいたします。
また、介護予防・日常生活支援総合事業を実施するに当たって、地域包括支援センターの機能強化を図るとしていますが、具体的にはどのようなことを計画しているのか伺います。
3月議会で私はこの強化を求めましたが、人の配置を強化できるよう人件費の増額、直営センターの増設など、具体的な改善を求めたいと思います。見解をお伺いいたします。
◎保健福祉部長(寺田裕明君)
お答えいたします。
まず、今回の法改正に対する所見でございますが、昨年の介護保険制度の見直しの検討過程において、当初掲げられておりましたケアプラン作成の有料化、高所得者や軽度者の自己負担割合の引上げなど、利用者の負担増となる見直し案が法案化の段階で取り下げられましたので、利用者負担が増えることで必要な介護サービスが使えなくなるという心配はなくなったものと考えております。
また、新サービスの24時間対応の定期巡回・随時対応型サービスは、議員さん御指摘のとおり、人材確保が課題であると認識しております。
さて、軽度者へのサービスにつきましては、新たに創設される総合事業は、要支援者と非該当の境目で行き来するような高齢者には、本人の希望により介護予防と配食、見守り等まで含めた生活支援を総合的に提供できるものであり、要介護になる前の段階で本人の能力をできる限り活用して、介護予防の取組を切れ目なく推進していくことで、地域での自立生活を目指すものでございます。
ただし、総合事業の財源につきましては、市町村の負担割合が保険給付費の財源負担と変わりありませんが、総合事業を含む地域支援事業費の総額が現行では介護給付費の3%までと上限が決まっております。総合事業を利用する人が増えますと、3%を超えた分は市の負担が増加するという問題が起きてまいります。
総合事業で提供するサービスが配食、見守り以外には提示されておりませんが、事業を実施する場合には真に必要なサービスであるのかを見極め、現行の介護予防サービスと同程度の質のサービス提供者を確保し、提供者への委託料及び本人からの利用料を適正に設定しなければなりませんので、これらのことを考慮して介護保険事業計画の内容を検討してまいります。
次に、総合事業を実施するに当たっての包括センターの機能強化でございますが、個々の状況に応じて、利用者の意思を尊重した上で、従来の予防給付で対応するのか、あるいは新たな総合事業を利用するのかを的確に助言する相談支援体制が必要になってまいります。
包括センターは12か所設置しておりますが、現在の第4期介護保険事業計画では今年度末までに13か所を目標にしておりますので、今年度内に民間委託により1か所増設する方針で関係事業者と調整中でございます。また、平成24年度以降の設置数につきましては、今年度策定する第5期計画の中で官民の役割分担を踏まえまして、目標数を明らかにしたいと考えております。
なお、増設する場合には、民間事業所であっても、実績が積まれ、職員の経験年数も長く、直営と比べてそん色ございませんので、直営にこだわる必要はないと考えております。また、職員の資質向上も必要ですので、認知症高齢者への対応など専門研修による資質向上や人材育成、直営センターによる技術的な支援なども引き続き行うことでセンター機能を強化していきたいと考えております。
介護予防プラン作成の手間につきましては、総合事業の導入に伴い、包括センターでの作成の手間が増えるとは考えておりません。全体として地域包括ケア体制を整備することで、人件費は増えてまいりますが、民間委託のセンターの人件費に係る基本委託料については直ちに引き上げる状況にはないと考えております。
以上でございます。
◆野々村博美
地域包括支援センターは決定的な役割を果たしていくものと思います。是非、充実強化のために一定の予算を増やしていただき、対応していただきたいと思います。
次に、今回のプランでは、高齢者福祉事業について、おでかけパスポート事業など6事業の見直しを掲げています。高齢化社会を支える地域社会をつくっていく上で、どれも充実していくことこそが求められている事業です。今後、どのような見直しを行い、事業ごとの見直しの試算はどの程度予定しているのかお伺いいたします。
◎保健福祉部長(寺田裕明君)
お答えいたします。
平成24年度からの新あんしんいきいきプラン21の策定につきましては、去る6月1日に長野市社会福祉審議会に諮問を行ったところでございます。現行のあんしんいきいきプラン21においては、様々な高齢者福祉施策を行っておりますが、それぞれの事業の実施状況や課題を踏まえまして、新計画の策定に合わせて必要な見直しを行ってまいりたいと考えております。
今回、見直しを行う事業として例示した6事業のうち、おでかけパスポート事業につきましては、現行計画の中で今後の方針、目標について、事業内容の改善を図りつつ、ICカードの導入を含め、方向性を検討する必要があるとされておりますが、ICカードの導入が具体化しておりますことから、より具体的な方針、目標とする必要があると考えております。
また、配食サービス事業につきましては、現行計画の中で、民間事業者のサービス提供が受けられる地域とサービス提供が受けられない地域があるため、事業実施形態について継続的に検討するとされておりますので、新計画の中で適切なサービスを受けられる事業形態を再構築する必要があるのではないかと考えております。
他の事業につきましても、高齢者人口の増加など社会環境が変化する中で、事業実績や効果等の状況を踏まえ、御検討いただく必要があると考えて提示させていただいたものでございます。
今後、長野市社会福祉審議会において、各事業の現状や問題点等を検証し、今後の方針について検討していただくこととしておりますので、現段階で見直しの試算等はお示しすることはできませんので、御理解をお願いいたします。
以上でございます。
◆野々村博美
配食サービスについては是非全市に広げる方向で、それから在宅福祉介護料は既に半分以下に減らされております。この見直しは言語道断だと思います。老人憩の家も、老人にとっては大変楽しみな場所となっていますので、統廃合するようなマイナスの改革は行わないよう是非要望しておきたいと思います。
まちづくりについて
◆野々村博美
次に、まちづくりについて伺います。
現在、長野市の第1から第5地区については、もんぜんぷら座の中に住民自治協議会の合同の仮事務所が設置されています。旧長野市となるこの地域は、善光寺を中心とした門前町として栄えた地域、商店街を中心として発展した地域、住宅地として発展した地域があり、それぞれ独自の歴史を持ちます。
長野市が進める都市内分権の理念を広め、地域自治を活性化しようとすれば当然地域ごとの拠点が必要であり、本来なら各行政区に置かれている支所機能を有する行政サービスが必要と考えます。どのようにお考えか、また各地域の動向はどうなっているのかお伺いいたします。
◎地域振興部長(篠原邦彦君)
お答えいたします。
都市内分権を推進する上で、住民自治協議会の活動拠点の確保は不可欠であり、支所がないという条件下にありました第1から第5地区につきましては、課題解決に向けて地域の皆様と度重なる協議を行う中で、もんぜんぷら座の8階に5地区合同の事務所を設置させていただいたものでありまして、現在は本庁の市民活動支援課に所属する5名の地区活動支援担当職員が必要の都度事務所に出向き、活動に対する必要な支援等を行っている状況であります。
合同事務所として活動拠点を同じくすることで、他地区との情報共有や住民自治協議会間の連携が図れる利点がある反面、8階という立地条件を含めて、使いづらさを指摘される面もございます。この合同事務所を含めた第1から第5地区の行政機関の在り方につきましては、昨年7月に開催されました第1から第5地区合同の元気なまちづくり市民会議におきましても、第1から第2地区を管轄する独自の支所の整備及び行政との緊密な連絡調整を可能とする住民自治協議会の合同事務所の整備についての提案を頂いております。
市といたしましても、どのような方向で整備を図っていくことが地域にとって有効であるのか、その実現性も含め検討しているところであります。
また、第1から第5地区の各住民自治協議会におきましても、合同事務所や必要と考えられる行政機能の在り方について、それぞれに協議をいただいているところであります。
現在、市内に設置されている支所は、住民票等の発行や福祉給付の申請受付など、市民への窓口サービスを行うとともに、住民との連絡調整や住民自治協議会への活動支援を含めたまちづくりなどに加えて、住民自治協議会の活動拠点を設けている場合もございます。
第1から第5地区につきましては、地区全体の皆様の要望を十分にお聴きしながら、比較的交通の便が良いことや市役所本庁からの距離が近いことなど、住民の利便性と効率的な行政運営という両面を十分考慮する中で早期に検討してまいりたいと思っております。
以上でございます。
◆野々村博美
この地域は、中山間地域に劣らず非常に高齢化も進んでいるところです。市役所から近いというだけで、この地域の支所が要らないということは全くありません。支所機能をしっかりと有した場所で、職員の皆さんと地域住民が力を合わせてまちづくりをしていく、活性化していくという拠点を是非整備していただきたいと思います。
次に、権堂の再開発事業について伺います。
過日、権堂B1地区の施設計画案が示されました。当初、市民会館に代わる公共施設をということで、権堂パーキングまで含めた大型施設が予定されていましたが、厳しい世論の反映か、規模が縮小されました。
配置設計案によれば、行政サービス施設、公共広場、住宅、店舗、長野電鉄本社などが提案されました。飽くまで民間の事業であり、トイーゴのように莫大な税金を投入して、行政が主流となる建物の建設はすべきでないと考えます。行政サービス機能については、市民の利便性の向上と活性化に貢献できる内容で、住民合意を大切にし、権堂の空き店舗や勤労者女性会館しなのきの活用も含め検討することを求めます。見解を伺います。
◎市長(鷲澤正一君)
権堂B1地区の再開発事業についてお答えをいたします。
権堂地区の活性化は、中心市街地全体の活性化に不可欠であることから、地域住民や関係団体の代表者等を中心に、同地区の再生に向けた具体策を検討する長野市権堂地区再生検討委員会を組織をいたしまして、増加傾向にある空き店舗等の利活用の検討も含め、権堂らしさの再生を目的として再生計画の策定を進めております。
その中で、権堂B1地区は権堂の東の玄関口として、鉄道駅と連携した市民の交流ステーションと位置付けております。多くの人々が集う拠点としての整備により、権堂地区のにぎわい再生や活性化を図ろうとするものでございます。
本来、まちの活性化は、地元住民や商店街等が中心となって図られるものでありますが、居住人口の減少、経済縮小の現状を踏まえると、行政も一定の役割を持って民間と協働し、一体となって活性化に取り組むことが大切であると考えております。
まちづくりの一手法であります再開発事業においても、厳しい経済状況下では、よほどの集客が見込める場所でない限り、民間だけで事業を整備させることは困難な状況であります。再開発事業は民間主体の事業ではありますが、まちなかの高度利用の促進や住環境の向上、公共広場の提供等の都市基盤整備において有効な事業であることから、市も支援をして事業を推進することが必要であると考えております。
また、権堂B1地区への行政サービス機能の導入については、再生計画を検討する際にも、行政の窓口機能や図書館機能、防災機能を有する公共広場や多目的スペース等が要望されており、民間施設との相乗効果による権堂地区のにぎわい再生、都市再生に寄与し、高齢者から子供までが利活用できる施設の導入を検討しているところでございます。
いずれにいたしましても、権堂B1地区の再開発事業は、権堂地区のみならず、中心市街地全体の都市基盤整備の一環であり、市として支援することで活性化を促進し、さらに市民生活に必要な行政サービス機能を導入し、勤労者女性会館しなのきとの連携を図り、相乗効果を期待するものでございます。
以上です。
◆野々村博美
過日示された施設計画案は、準備組合の方から出されたものであります。再生のための検討委員会を長野市は設置しているわけですから、準備組合案だけを優先をさせたりすることのないように、市民の皆さんを含めた検討委員会があるわけですから、しっかりと時間をかけた検討をしていただきたいと思います。
9月までには都市計画審議会にかけるというようなことも説明をされておりましたが、住民本位を何よりも大切にしていただきたいと思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。
◎都市整備部長(原田広己君)
現在、再生計画につきましては、地元を含めて検討委員会において一生懸命協議をしております。私どもは当然、計画検討委員会や地元それぞれの御意見を含めて皆さんからいろんな意見をもらってございますので、これを参考にしながら計画に反映していきたいと思ってございます。よろしくお願いします。
◆野々村博美
また、地域包括支援センターという名前は大変分かりにくいと思います。関係者の間からも名称の変更が求められていますが、例えば高齢者総合相談センターなどの名称に変えた方がよいのではないでしょうか、御見解を伺います。
◎保健福祉部長(戸井田一成君)
次に、5点目の地域包括支援センターの名称につきましては、包括という言葉が分かりにくいという声もありますが、地域や関係機関との連携を深めながら実績を重ねて定着してきておりますので、今後もこの名称を継続していきたいと考えております。また、各地域において、機会を捉えてPRをしてまいりたいと考えております。
◆野々村博美
市民は、トイーゴの失敗について非常に厳しい目で見ております。長野市が住民合意を大切にしていくこと、商業主義に陥らないことを心から願い、質問を終わります。