議会報告

2011年6月定例市議会 佐藤くみこ議員

支所機能の充実強化について

復興財源に不要不急の公共事業の中止について

浅川の内水対策について

支所機能の充実強化について

◆佐藤久美子
 25番、日本共産党長野市議団佐藤久美子です。
 支所機能の充実強化について、特に支所への権限及び財源の移譲と職員体制の充実強化を求める立場で質問します。
 私たち日本共産党長野市議団は、宮城県の石巻市と福島県の南相馬市へ行って、現地の市会議員の皆さんに案内をしていただき、災害の実態とそこで出される市民の声を聴いてきました。また、支援物資を直接被災された方に届ける救援活動に取り組んできました。
 石巻市の日和山から見た景色は、見渡す限り津波で建物が壊され、被害の大きさに言葉を失いました。この一段高くなった山に避難された方たちは無事だったのですが、助けてくれと死に直面した人たちの阿鼻叫喚がいまだに耳から離れないと訴える方もいるそうです。まちの中を走ると被害は一層深刻に迫り、電柱が倒れ、まだ信号機も復旧していません。自動車が折り重なり、船もまちなかに乗り上げている状況でした。
 また、自治体職員が不眠不休でこの災害対応に当たっていること、ある幹部職員は3月で退職の予定だったが、身内を亡くされ、御自身も被災された中で仕事を続けるなど、献身的に必死に働く公務員の様子もお聞きしました。
 南相馬市の市議は、自宅が福島第一原発から12kmで、事故後奥さんが会津に、息子夫婦は孫を連れて愛媛へ避難して、自分は知り合いや親戚の家で寝泊りしながら、市議会の東日本大震災及び原発事故対策調査特別委員会委員長として対応している方でした。同じ避難所にいる人同士で、あの人のところへは市の職員が頻繁に来ているのに、俺のところには誰も来てくれないと言ったら、合併したところは職員も減ってしまったから仕方ないと言われたそうです。自治体の合併で職員が大幅に減らされ、いざとなったときの対応にも大きく影響しているということでした。
 この東日本大震災から私たちが教訓として学ぶことは、福祉・防災最優先の長野市をつくることだと考えました。
 さて、長野市内では、5月29日から30日にかけて、台風と梅雨前線による大雨で市内各地で土砂崩落などの被害が発生しました。幸いにも人的被害はなかったものの、日頃から災害に対する備えを強める必要を感じます。市の面積834・85km2に支所が27支所と連絡所2か所ですが、この支所が災害時に所管地域の支援センターとしてのよりどころになります。
 まず、土木部門や福祉事務所機能等を権限移譲し、財源移譲を進め、職員体制の充実強化を進め、災害時に強い都市内分権制度の拡充を求めるところですがいかがか、答弁をお願いします。
 震災の支援活動から帰って、5月23日に共産党市議団が9項目の緊急申入れを行いました。市当局は、災害時の対応として、建設・土木担当業務について本庁から距離の遠い支所での業務拠点化の検討を進めるとされましたが、具体的にはいつ頃までにどの場所を予定しているのか、検討の内容を答弁願います
 また、職員数については、長野市定員適正化計画を見直し、増員すべきだと考えますが、答弁をお願いいたします。

◎市長(鷲澤正一君)
 初めに、支所機能の充実強化についてお答えをいたします。
 全ての支所に土木部門や福祉事務所の権限等を移管した場合、業務の重複が発生することで必要となる職員数の大幅な増加が見込まれ、執務スペースの確保、庁用車、各種備品等の配備なども含め、財政的な負担の増加が見込まれます。また、業務を遂行する上でも連絡調整や連携が図りにくくなることが考えられます。
 効率的な行政運営が求められている中、これまで業務の集約などにより職員数の削減を進めてきており、職員の大幅な増員につながる権限・財源の移譲や職員体制の充実強化は、現時点では考えておりません
 次に、支所での業務拠点化についてお答えいたします。
 合併地区など、本庁から特に距離の遠い支所での建設・土木担当業務について、昨年発生した集中豪雨災害の経験も踏まえ、地域住民の安全・安心につながるよう、業務拠点化ができないか検討が必要であると考えております。
 支所業務については、この5月に関係課による検討組織を立ち上げ、支所における行政サービスと地域の実情に応じた行政支援の在り方など、業務全般にわたり方向性を検討し始めており、建設・土木担当業務の拠点化についても時期、場所などを含め、この中で検討してまいりたいと考えております。
 次に、定員適正化計画についてお答えをいたします。
 昨年度策定した第4次定員適正化計画では、平成22年度から26年度までの5年間で30人を削減する目標としております。この削減目標については、人口の減少に見合う職員数の削減を見込む中で、地域課題や行政需要への対応、育児休業者の増加に伴う要員の確保等を加味して設定したものであります。
 しかしながら、生活保護世帯の増加など保健福祉部門での行政需要が増加しており、また地域主権改革に伴う国、県からの権限移譲による業務増加も見込まれることから、今後、必要に応じて計画の見直しも検討していきたいと考えております。
 いずれにいたしましても、市民サービスが低下しないよう配慮しつつ、簡素で効率的な行政運営を念頭に置きながら、引き続き適正な定員管理に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上です。

◆佐藤久美子
 まず、鷲澤市長が述べられた効率性を求める方向、ここを最優先する方向は、もう見直すべきだと考えます。職員数は、平成17年度から22年度までで162人削減されています。合併4地区では110人、福祉関係では15人です。そして、6人ずつ5年間でこれから30人削減予定です。ここを見直して増員すべきではないか、また合併地域からは地元に根差した職員をもっと残すべきだと意見がありますが、この点についてはいかがですか。
 福祉事務所機能については、特に災害時の対応は専門家が必要にもなります。福祉関係職員を増員すべきと考えますが、いかがでしょうか。

◎総務部長(小林隆之君)
 先ほど市長から申し上げましたとおり、私ども、職員の定員適正化計画、30人減ということで平成22年度からやっておるわけでございます。そんな中で、福祉部門の関係、例えば生活保護受給者の増加だとか、そういう業務量、それから先ほど申しました権限移譲の業務量も含めて必要に応じ検討させていただくということで、その中で今、計画は計画として、効率的な行政運営、これは私どもも、どこの地方公共団体でも同じだと思います。それらを加味して引き続き、適正な定員管理に取り組んでまいりたいということでございます。
 特に、今のところ30人減の計画につきまして見直すという考え方は持ってございません。よろしくお願いいたします。

◆佐藤久美子
 災害時には、特に人の力が必要です。こうした立場で職員の削減については見直しをすべき、特に私は地域に根差した職員が必要だというふうに思いますので、これについては要望をしておきます。

地域への災害情報伝達について

◆佐藤久美子
 次に、地域への災害情報伝達について、現状と課題について伺います。
 災害情報の伝達方法について、戸別受信機が設置されている地域、屋外スピーカーのみの地域など、地域によって伝達方法が大きく違いますが、現状と課題についてどう捉えているか伺います。合併支所からの放送と同報無線からの放送との役割分担はどうなっていますか。また、一般火災の夜間の放送は行わないとのことですが、こうした場合の自主防災会会長への連絡はどうなっているのでしょうか
 豊野地区では全戸に防災無線がありますので、火事や行方不明者、浅川の水位についても情報が放送されてきました。ただ、自主防災会会長のところには、一般市民よりも早く情報を伝えてほしいとの声もあります。責任ある立場なので当然かと思いますが、この点はいかがでしょうか。

◎総務部長(小林隆之君)
 災害情報伝達の現状と課題についてお答えいたします。
 同報無線屋外スピーカーにつきましては、浸水想定区域、土砂災害警戒区域や避難場所を中心に設置しております。また、戸別受信機につきましては、旧長野市では区長さんや住民自治協議会の会長さん、消防団員の方々に配備し、合併町村では全戸配備となっております。
 災害発生時、市民が自発的に避難準備などの行動をするために、気象・災害情報の伝達は大変重要であると考えておりますので、同報無線を補完するために、携帯電話のメール機能を活用した防災メールですとかエリアメールなど、迅速、正確で広範囲に情報発信できるシステムを検討して、更なる情報伝達の向上を目指してまいります。
 次に、合併支所からの放送と同報無線からの放送との役割分担という御質問でございますけれども、災害発生時の避難勧告や緊急警報、大規模災害情報などにつきましては、危機管理防災課や消防局の通信指令課からの同報無線による緊急一斉放送を行います。合併支所におきましては、地区管内の一般火災や危害獣出没情報などのお知らせを放送する場合がございます。
 私からは以上でございます。


◎地域振興部長(篠原邦彦君)

 自主防災会会長への連絡体制についての御質問にお答えいたします。
 今年度から、豊野支所を含む4地区の合併支所からの一般火災に係る夜間及び土・日、祝日の放送は取りやめることといたしました。これは、火災につきましては局地的であり、周辺住民が直ちに状況等を把握できること、また防災無線による緊急放送は広範囲に行われることから夜間は騒音等の問題があること等を考慮し、地域の皆様の御了解を頂いた上で決定したものでございます。
 次に、自主防災会会長への連絡体制でございますが、支所長から各地区の自主防災会会長には、状況に応じて随時必要な情報を提供することとしております。また緊急時には、防災無線の他テレビやラジオ放送など、あらゆる手段を用いて住民への情報提供を行うこととしております。
 自主防災会会長に一般市民より早く情報を伝えてほしいとの点につきましては、大規模災害などの緊急情報等は、迅速な一斉放送で住民の皆様へ周知しておりますので、御理解をお願いいたします。
 以上でございます。

◆佐藤久美子
 特に、私は同報無線からの放送内容に、河川の水位情報がないことを大変危惧しておるところであります。私たち豊野地区では、河川の水位情報が非常に重要な情報でありますが、夜間あるいは土・日については一切支所からの放送がないということになっておりますが、こうした場合はどのように対応されるのか、お聞かせください。

◎総務部長(小林隆之君)
 水位情報の必要性というお話でございます。
 これにつきましては、先ほど申し上げましたように、避難警報等の災害が発生しそうな場合の未然の放送として、必要なものは災害同報無線等でお知らせするということになっているかと思いますが、通常の災害に達するまでの状況というお話であれば、それについてはどのように情報を提供できるのか、それはまた検討させていただきたいというふうに思っております。
 以上でございます。

◆佐藤久美子
 この災害情報については、大変地域でもそれぞれの独自情報が必要な場合があります。この4月から宿日直の廃止ということになりまして、土・日、夜間のこの情報についても非常に不安に思っていらっしゃる方々がたくさんおられます。私は、市民に対して、このことについてきちんと徹底することが大変重要かと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。

◎総務部長(小林隆之君)
 災害情報の市民への徹底というお話でございますが、確かに先ほど今回の大震災を踏まえて、いろいろ議員さんからも御質問ございましたけれども、やはり避難される市民の方々が御自分でそれを判断する材料の一つとしてそのような情報、先ほどの水位情報も含めてかと思いますけれども、判断する材料の一つとして市民の方々へ周知させていただく、データを提供させていただくということは大変重要なことであろうというふうに思っております。
 従来お話ししてございますが、その中で必要な情報と必要でない情報というものもございます。そんな中で、総合防災情報システム、これから構築していくわけでございますけれども、どういう情報を市民の方々にお伝えすればいいのかということも含めて、これから検討させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

◎地域振興部長(篠原邦彦君)
 ただ今、総務部長の方でお答えしたとおりだと思いますが、若干支所担当ということで補足説明をさせていただきます。
 防災の主体につきましては、まず個人、家庭であるというふうに考えてございます。次に隣組、地域、そして自主防災会単位で臨むことで、その効果が発揮できると考えてございます。そのような意味では、豊野地区におきましては、町時代から全戸に防災無線が整備されておりまして、全戸に同時一斉緊急放送が可能であると、災害情報伝達体制としては整っていると認識をしてございます。
 ただ、やっぱりそれがどう機能するかということで大変御心配だという御質問だと思います。全戸に整備されております防災無線及び浸水想定区域、土砂災害警戒区域、避難場所等に設置されております屋外スピーカーから、どのようなときにどのように情報伝達がされるのか、これにつきましてはふだんから御案内のように午前7時、正午、また夕方5時又は6時ですか、季節ごとに変わるみたいでございますが、このときに定時のチャイム放送を流しているわけでございまして、これがどういう意味を持っているかということを、住民の皆さんに御理解いただくということが大事だと考えてございます。
 そういうことを御理解いただく中で、必要に応じ、この放送につきましてはということでテスト放送を行うなど、地域住民の皆さんにはしっかり認識していただけるように周知を図っていくことが大事なのかなと考えてございます。
 また、災害発生時に支所長等に入ります情報、これは防災メールやエリアメールを介して入るわけでございますが、これを災害の状況に応じましてどのように自主防災会会長や関係役員、あるいは担当職員に伝達していくのか、その連絡網、対応マニュアル等を見える形にして常に繰り返し目にすることができる、また体験としてその連絡網等に基づきまして情報伝達訓練を行うこと、そういったことを通じまして住民の皆さんが共有していくことが必要であると考えてございます。
 これらのことにつきましては、地域の皆さんの不安、心配を解消することによってできるものと考えてございまして、今、支所長には指示済みでございまして、既にその取組を進めているところでございます。
 以上です。

浅川の内水対策について

◆佐藤久美子
 次に、浅川の内水対策について伺います。浅川排水機場の増強と千曲川整備についてです。
 この度、長野県から示された浅川内水対策案は、総事業費63億円、現在毎秒44tの排水機場の排水能力を21t増強して65tにし、下流の1・5kmの堤防を15cmから95cmかさ上げし、マツヤショッピングモールの周りに二線堤を設置する計画です。既往最大内水被害となった昭和58年9月の台風による洪水と同規模の出水に対し、宅地での床上浸水被害を防止するとの目標です。
 ポンプの能力アップは、平成25年に工事着手し、27年に7t、28年と30年にそれぞれ各7tで合計65tです。浅川排水機場は、立ヶ花地点での千曲川のハイウオーターレベル10m75cmになると機場は停止して、千曲川本川を守る宿命があります。千曲川の改修整備計画は、平成30年までに既往最大被害を出した昭和58八年対応の工事が完了するのでしょうか。
 今回、県の内水対策案には遊水地の提案がなく、県が行った5月25日の関係市会議員への説明では、遊水地をなぜ提案しないのかという質問に答えて、千曲川の改修が進むからと説明していますが、実際に国はそこまでの計画を示しているのでしょうか、答弁を求めます。

◎建設部長(倉澤孝君)
 お答えします。
 浅川の内水対策につきましては、浅川下流域の皆様からその早期実施を強く望まれており、市といたしましても、関係同盟会と連携して県に強く要望してきたところでございます。このような経緯の中、県から今年5月に待望の浅川内水対策案がようやく示されました。現在は、地域住民の皆様との協議が進められているところでございます。
 この内水対策案では、既往最大被害となった昭和58年9月の台風10号と同規模の洪水に対し、宅地部での床上浸水被害を防止することを整備目標としております。この内水対策の中心を成す浅川排水機場による内水排除計画は、ダムや河川改修が完成するとともに、浅川と千曲川の合流点下流にある立ヶ花狭さく部解消を含めた千曲川の河道整備が進み、昭和58年水害とは異なり千曲川の水位がハイウオーターレベルを超えないことを前提に計画されております。
 国では、当面の改修目標を既往第2位の水位を記録しました平成18年7月洪水の再度災害防止とし、立ヶ花及び戸狩狭さく区間の河道掘削により上流へのせき上げを解消するとともに、その掘削土砂を堤防のない区間等の築堤材に流用しまして、一体的に治水安全度の向上を図ることとし、今年度から本格的に事業着手いたしました。
 このことにつきましては、千曲川河川事務所のホームページでも公表されておりますが、過日、千曲川関連の改修期成同盟会でも国から説明を受けたところでございます。
 しかし、議員さんお尋ねの既往最大である昭和58年9月の洪水流量に対する千曲川改修計画について、国は引き続き検討を進め、狭さく部の整備を図るとのことですが、いつまでに解消するのかという具体的な内容は示されておりません。
 長野市といたしましては、現在策定を進めている20年から30年の具体的、段階的な整備を目標とした信濃川水系河川整備計画の中でも、できる限り早期に実施する整備目標に盛り込まれるよう強く要請しているところでございます。
 また、立ヶ花狭さく部の河道整備を進めるためには、下流域において、県管理区間も含めた堤防のない区間や堤防高の不足する区間での築堤や河道掘削などを一体的に整備する必要があることから、飯山市や中野市を含む6市2町から成る千曲川改修期成同盟会等との連携を図りながら、一刻も早く千曲川の改修工事が完成するよう、国等関係機関へ引き続き要望してまいります。
 以上でございます。

◆佐藤久美子
 実際に千曲川河川事務所は、平成18年の対応だというふうに述べているわけであります。これでは、今回の内水対策案では市民は全く安心できないということを述べておきたいと思います。

 遊水地と地下貯留について伺います。
 浅川の治水対策に内水対策を盛られたことは評価しますが、本当に遊水地は必要ないのかという疑問が残ります。たとえ浅川ダムが完成し、ポンプの能力を65tに増強しても、昭和58年実績外水位で千曲川のハイウオーターレベルを6時間超えた氾濫解析結果、これは地域の皆さんに示されておりますが、赤沼地区の宅地部の30cm未満の浸水が県の資料で明らかになっております。遊水地の設置を市として求める考えはありませんか、答弁を求めます。
 また、浅川の負担軽減のために長野運動公園の地下貯留を求めてきたところですが、今年の3月にしゅん工したとのことですが、効果等現在の状況を説明願います

◎市長(鷲澤正一君)
 最初に、浅川内水対策における遊水地の設置についてお答えをいたします。
 昨年度から内水対策の実施に向け、県、長野市、小布施町の行政機関による検討会議を続けてまいりましたが、この度、県から浅川内水対策案が公表され、現在、地域住民の皆様との協議が進められているところでございます。
 この内水対策案では、既往最大被害となった昭和58年9月の台風10号と同規模の洪水に対し、宅地部での床上浸水被害を防止することを整備目標としておるわけでございます。
 これは、国が床上浸水被害の軽減を施策として展開していることや、全国でも床上浸水の防止が最も多い内水対策の事例であることなどを踏まえて検討した結果、整備目標として定めたものであります。
 この計画は、浅川が千曲川に合流する地点より下流にある立ヶ花狭さく部の河道整備が進み、昭和58年水害とは異なり、千曲川の水位がハイウオーターレベルを超えないことを前提に計画されております。併せて、仮に昭和58年と同様にポンプが6時間停止した場合についても、氾濫解析を行い、地域説明会等でも公表しております。その結果では、ポンプが停止しない場合に比べ、浸水面積が61・6ha増え、一部では床下浸水も発生するが、整備目標である床上浸水の被害は防止できるとのことであります。
 遊水地の設置については、遊水地とポンプの増設、堤防のかさ上げなど様々なケースを組み合わせ、比較検討した結果、用地買収や工事に費用がかかり過ぎることなどから今回の内水対策案となったと伺っております。遊水地があれば更に大きな効果も望めるのでしょうが、こうした公共事業では、限られた予算の中で最大限の効果を発揮することが重要であり、今回の内水対策案で一刻も早く整備を進めることが適当であると考えます。したがって、新たに遊水地の設置を県に求める考えはありません。
 次に、今年3月に完成した長野運動公園雨水調整池等、現在の効果について説明をいたします。
 長野運動公園雨水調整池につきましては、今回2万2,000tの調整池を運動広場の地下に建設した結果、既存の6,000tと合わせて2万8,000tの調整池となったわけでございます。これにより、近接して流下している六ケ郷用水の洪水調整をすることが可能となりました。今年度は、さらに西側市街地からの雨水を調整するために、引き続き北八幡11号幹線の整備を進めております。
 また、幹線用水路の取水口や主要な分岐水門等は、市役所からの遠隔操作で下流への流量調整を迅速に行っておりますが、今年度も引き続き水門の遠隔化を進めるとともに、新たな雨水調整池の整備に着手するなど、更なる流出抑制を踏まえた治水対策を促進し、浅川への負担を軽減してまいります。
 以上です。

◆佐藤久美子君
 まず、市は遊水地の設置を県に要望してください。先ほど説明ありましたように、国の千曲川の整備は平成18年対応なんです。昭和58年対応には、まだまだほとんど計画はないと言っても過言ではありません。
 そういう意味で、実は6時間ポンプが停止した場合の浸水区域が示されているんですが、赤沼の東部のお宮まで浸水区域に入っています。しかも、県は浸水時間について、58年当時の28時間から29時間30分と、浸水時間が1時間30分も延びるということを説明しているわけであります。全く、被害が拡大するだけではないか、これが赤沼地区の皆さんからの訴えであります。
 私は特にこの内水対策については、様々な案を組み合わせて被害を最小限にするのが市の責務だと思います。そういう意味で、遊水地の設置を県に当然要望すべきだと思いますが、答弁を求めます。

◎建設部長(倉澤孝君)
 お答えします。
 議員さん御指摘の浅川の内水対策につきましては、平成30年までに昭和58年対応にならないということは、スケジュール的にそのように思っております。ただし、排水機場の能力アップも含め、千曲川の本川の整備につきましても段階的に整備が進められております。浅川につきましても平成19年から20年間の整備計画ということで、整備計画の最後の方は38年くらいになりますか、それから千曲川の整備計画も現在策定中でございますが、20年から30年という整備計画で、これも期間がまだ決定しておりません。
 そうした中で、確かに途中経過で心配であるということかと思いますが、浅川排水機場は御存じのとおり昭和58年以降に増設がされて現在に至っております。平成18年の水害、これが観測史上2位でございます。そのときの状況を議員さん御存じかと思います。ということで、現在の排水機場の能力アップがされていけば、必ずや平成18年以上の効果は出るというふうに私は思っております。
 そうしたことから、トータル的に県がいろんなシミュレーションをかけた中で、今回の組合せが最適であると判断したことに対しては、我々そのように理解をしております。したがいまして、個別に用地を取得して遊水地を造るということは非常にお金がかかるという県の検討の内容もございますし、そのようなことを踏まえまして、我々とすれば現計画での事業を促進してもらいたいと考えております。
 以上でございます。

◆佐藤久美子
 実際に、昭和58年の洪水時の千曲川の流量は7,400tなんです。立ヶ花狭さく部を改修しても6,000tから6,500tと言われています。これでは当然もう飲み込めない。そして特に遊水地については、新たに設けなくても今入っているところに地役権を設定して補償するということもできるわけですから、そのことはきちんと県に求めていただきたいと思いますが、再度答弁をお願いします。

◎建設部長(倉澤孝君)
 私は、やはり市長が答弁したとおり、トータル的な中での検討結果であるということで、確かにないよりあった方が効果が上がるというのは物理的に理解はできますが、さりとて、なかなかそういった地役権設定をして新たな施設を造ると、暫定というわけには多分いかないと思います。そのようなことを踏まえて、現行で我々とすれば県に整備要望をしていきたいと考えておりますので、御理解願います。
 以上です。

◆佐藤久美子
 浅川の最下流の谷脇橋に設置された水位計があります。このデータで消防団に出動命令が出されているわけですが、現場の声として、実際に現地に行ってみると水位に余裕があって問題がないという状況だということです。管理責任は長野県ですが、避難指示や水防活動の根拠になるデータですので見直しを求めるものですが、いかがでしょうか。

◎建設部長(倉澤孝君)
 お答えします。
 浅川は、水防法第13条に基づき平成19年に水位周知河川に指定されました。水位周知河川とは、流域面積が比較的小さく、洪水予報を行う時間的余裕がない河川において、氾濫のおそれがある水位に達するまでの避難時間等を考慮して決めた避難判断水位に達したことを住民に周知することにより、洪水による被害の軽減を図るために指定された河川でございます。
 この水位周知河川に指定されますと、水防団待機水位、氾濫注意水位、避難判断水位、氾濫危険水位が定められます。消防団等の水防団の皆様には、水防団待機水位になりますと水防活動に入る準備をしていただき、その後、氾濫注意水位になりますと出動となりますが、これらの水位は飽くまでこうした判断の目安とするために定められたものでございます。
 浅川では、下流の谷脇橋に設置された水位観測所だけが指定されており、流域全体でこの水位データに基づきこれらの判断を行っております。谷脇橋の水位局での観測水位は、浅川自体の水位だけではなく千曲川本川の水位の影響も受け、御指摘のとおり必ずしも観測所における水位と出動との現状が一致しない場合もあることから、県では浅川中流部にある富竹観測所の水位で判断できるよう検討していると伺っております。
 これは、氾濫水位を持った観測所を新たに追加指定することになり、国や県、市町村等で構成された長野県水防協議会で審議されることとなりますが、これに併せ、県では谷脇橋観測所についても検討したいとのことでございます。
 長野市といたしましても、平成19年に水位周知河川に指定された当時に比べ、平成23年度末では約1・8kmほど浅川の改修が進むことと、浅川の上・中・下流部で河床勾配が異なることや、下流部では千曲川の水位上昇の影響を大きく受けるなどの特性を持つ河川であることから、それらの実情を反映した見直しをできるだけ早く行うようにお願いしてまいります。
 なお、平成19年の水位周知河川指定に当たっては、浅川の最下流の小布施町から吉田地区までの約10km、整備率で約82%に当たる河川改修工事が完了しており、県ではこれらを考慮して水位設定し、それ以降見直しはしていないと伺っております。
 以上でございます。

◆佐藤久美子
 京急ゴルフ場反対運動の中で、猫又池の改修が行われておりますが、防災計画の見直しの中でため池の安全性について検証していただきたいと思います。

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