2011年6月定例市議会新エネルギーの研究開発及び普及を求める意見書(案)賛成討論 佐藤くみこ議員
◆佐藤久美子
25番、日本共産党長野市議団佐藤久美子です。
新エネルギーの研究開発及び普及を求める意見書(案)に賛成の立場から討論いたします。
3月11日に発生した東日本大震災によって、福島第1原発が重大な事故を起こしてから3か月が経過いたしましたが、いまだ収束のめどが立っていません。この事故は、日本と世界の人々に大きな衝撃を与え、原発に依存したエネルギー政策をこのまま続けていいのかという重大な問題を突き付けています。原発からの撤退と自然エネルギーへの大胆な転換へ世界的流れは、この事故を契機に大きくなっています。
ドイツは、2022年までに原発から全面撤退することを決定し、発電量の40%を原発に依存しているスイスも撤退を決めました。イタリアでは、原発推進のベルルスコーニ首相に対し、国民投票で
歴代政府が推進してきた原発依存のエネルギー政策をこのまま進めるのか、抜本的な政策転換が必要ではないか、真剣な国民的討論と合意形成が求められています。
日本共産党は、現在の原発技術は未完成で危険なものだとして、その建設には当初からきっぱり反対してきました。政府や電力業界の振りまく安全神話のうそを追及し、原発の持つ重大な危険性とそれを管理監督する政府の無責任さを具体的にただしてきました。そして、福島原発事故を踏まえ、5月17日に提言を政府に提出しました。政府が原発からの撤退を政治的に決断すること、原発をゼロにする期限を切ったプログラムを策定することを求めたものです。
原発事故は、他の事故には見られない異質の危険があります。一度重大事故が発生し、外部に放射性物質が放出されると、それを抑える手段がありません。空間的にも時間的にも、地域社会の存続を危うくするなど、社会的にも限定することが不可能です。
今の原発技術は、本質的に未完成で危険なものです。核エネルギーを取り出す過程で生み出される巨大な死の灰、軽水炉の炉心を冷やし続ける冷却水の確保、また使用済み核燃料を後始末する方法が全く見付け出されていません。また、世界有数の地震国、津波国に集中立地している危険性です。私たちは5年から10年以内を目標に、原発から撤退する計画を政府が策定するよう求めています。
日本の総発電量に占める原子力発電の割合は、
日本の自然エネルギーの技術は、世界でも先進的なものであり、日本の技術を使って日本よりはるかに進んだ自然エネルギーの取組を行っている国も少なくありません。
ドイツでは、発電に占める自然エネルギーの割合を現在の16%から2020年までに35%、50年までに80%にするエネルギー基本計画を閣議決定しています。日本では、この5年間に原子力対策には2兆円以上の税金がつぎ込まれてきましたが、自然エネルギーには6,500億円にも達しません。予算上でも重点施策とし、産業界、学会など民間との協力体制も強化するなど、国を挙げた取組を進めることを強く求めて賛成討論といたします。
○議長(三井経光君)
以上で討論を終結いたします。
採決に入ります。
採決を行います。
本件を原案のとおり決することに賛成の諸君の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
○議長(三井経光君)
全員賛成と認めます。
よって、原案のとおり可決されました。