議会報告

2011年3月定例市議会 原田のぶゆき議員

住民自治について

指定管理者制度について

長野市ものづくり支援センターの活用と中小企業の振興について

除雪や災害時の対応について

三登山の産業廃棄物問題について

住民自治について

◆原田誠之
 29番、日本共産党長野市議団の原田誠之です。
 まず、住民自治について伺います。

 自分たちの地域は自分たちでつくるとして都市内分権を推進し、地域の個性を生かしたまちづくりが動き始めました。地域いきいき運営交付金として予算化、来年度は事務局人件費も増額で、自立した組織として活動が本格化します。各住民自治協議会では、鳥獣被害対策のための緩衝帯づくりや耕作放棄地解消を目指し、NPOで農業法人を立ち上げ、市民に農園を貸し出す活動、蛍の生息環境を守る活動など32地区は、特色を生かし多彩な活動が行われています。この活動の発展が文字どおり、人と地域がきらめくまちながのとして、地域に住む人々にとって優しいまちづくりとなるよう、地域と行政が一体で築きつつあります。

 また、小諸市や佐久市で市民が政策判断できる制度--住民投票条例を設けたこともあり、長野市でも市民会館建設に関わる住民投票条例を求める動きがあります。
 さらに、議会基本条例が議員の総意で作られ、正に住民と行政、議会が支え合う協働、住民が主役となれるような自治のまちづくりが長野市でも高まっています。自治基本条例策定の機運は醸成されているのではないか、いよいよ市民と行政の役割分担やまちづくりの基本理念、行政運営の基本原則を定めた条例を検討してもいい時期だと思います。第四次総合計画では、自治基本条例など住民自治の確立に向け、新たな仕組みづくりを研究するとしています。研究の動向と条例策定について見解を伺います。

◎市長(鷲澤正一君)
 第四次長野市総合計画で新たな仕組みづくりの一つとして研究している自治基本条例についてお答えをいたします。
 本市では、地域の個性を生かした住民自治を推進する施策の柱として、市民や地域の創造力や知恵を引き出す仕組みとして、都市内分権を推進しているところでございます。その推進全般にわたっては、地域住民の皆さんとの協議を重ね、行政の案を無理強いするのではなく、疑問や課題を一つ一つ議論し、本音をぶつけ合う中で協働を実践してまいったものと自負しております。
 御質問の自治基本条例につきましても、住民自治協議会に関する条例を制定する必要性を研究、検討する中で、市民との協議を重ねて合意された将来の方向性を第二期都市内分権推進計画で明らかにしているところであります。その内容は、本市において、自治基本条例に定めるべき事項のうち、その時点で必要となる事項について、順次定めていくという考えの下、その都度、市民との十分な協議を経て、必要となる事項について条例化すること等を検討、将来、その集大成として自治基本条例として整備することを基本方針とするものであります。
 協働を含めたまちづくりのルールを定めるに当たっては、市民の皆さんと共に作り上げる過程が重要であり、住民自治に対する市民運動の醸成がその基底を成すものでありますが、現時点においては、住民自治協議会の本格活動が始まったばかりであります。市民から課題を解決するための条例制定の機運が高まり、その結果として多くの条例が制定され、集大成として市民が自治基本条例を策定しようとするまでには時間がかかると考えております。
 まずは、理念からスタートした都市内分権が実践を積み重ね、そこから生じる幾多の課題の解決に真正面から向き合っているのが現在の本市の姿であろうと思います。
 市といたしましては、地域住民の皆さんと痛みを分かち合いながら、共にこの難局を乗り越えることができるよう、地区活動支援担当を初め、全庁が一丸となって真摯に支援することこそが今求められているものだと考えております。
 以上です。

◆原田誠之
 今、各自治体では、自治体の憲法として位置付けて策定しているところがたくさんあります。私自身は、環境は整い始めているというふうに思いますので、条例制定にしっかり踏み込んで検討してもいいんではないかというふうに思っております。

 次に、自治会運営の援助について伺います。

 高齢化率が6割、7割と超高齢化で、自治会や公民館、老人会や隣組など、共同の組織を作って、防災・防犯に備えることが困難な地域が幾つもあります。特に、高齢者や障害者を初め、生活困難者を支える重要な役割を担う民生児童委員、社会福祉推進員などの選出に一苦労する地域もあります。
 これから5年、10年先には更に深刻な事態になることは目に見えています。うば捨て山にならないように、高齢者初め、そこに住む人々にとって安心して暮らせる優しいまちづくりが求められます。困難地区の実態調査と民生児童委員選出などへの援助、災害、防火、防犯、高齢者の見回りなど、対応のできる中山間地域に配置している地域活性化推進員のような人材を支所へ配置するなど求められておりますが、見解を伺います。

◎地域振興部長(篠原邦彦君)
 お答えいたします。
 議員さんが御指摘の運営が困難になりつつある自治会につきましては、中山間地域における比較的世帯数の少ない集落単位の区ばかりではなく、市街地の中でも、特に県営・市営住宅などの区や自治会を構成している区において、課題になってきつつあることは情報として把握してございます。これは入居者の高齢化と入居世帯の減少などが特に顕著となっていることが原因で、各種役員の選出が難しいという事態を生じさせているものと思われます。この解決に向けた方策の一つとしては、近接の区などとの統合が考えられますが、当該地区の住民自治協議会と支所が間に入り、協議を進めている実例もございます。
 新たな職員の支所への配置という御提案ですが、受け手のない地区の役職をこの職員が代理する以外には根本的な解決とはなりませんし、また公平という観点や自治への行政の介入という面からも望ましい支援とは考えにくいと思われます。都市内分権の趣旨でもあります自助・共助から考えましても、まずは、その自治会の住民自らが問題を共有し、いかにすべきかを話し合い、方向性を決めていくことが先決であり、その上で共助の観点から住民自治協議会や支所が支援、協力していくという段階をきちんと踏んでいくことが大切であると考えます。
 なお、現状につきましては、改めて調査をするまでもなく、支所などが掌握をしておりますので、地区活動支援担当が必要に応じて住民自治協議会と協力して該当する区や自治会の意向を踏まえつつ、解決に向けた方策を検討してまいります。
 以上でございます。

◆原田誠之
 今でも困難な状況があるわけでありますから、この先一層大変だというふうに思います。今から将来を見据えた具体的な対応を求めておきます。

 次に、支所、住民自治協議会及び行政連絡区一体の活動について伺います。

 集落単位の行政区の中には、地産地消の輪を広げようと集落の半数を超える人たちの共同で実行委員会を作り、自ら作った作物を販売している若槻田子区や、協働、創造、友愛をうたい、自治会憲章を作り、老若男女、区民総出で活動している西三才区初め、それぞれの行政連絡区には光るものがあります。
 このような活動に光を当て、地域に根付いた住民自治が展開できれば、都市内分権による住民自治活動の本物の発展が可能となります。そのためには行政連絡区、住民自治協議会及び支所との一層の協働が求められます。支所を充実させ、住民自治協議会、行政連絡区一体のまちづくりの推進を求めます。見解を伺います。

◎地域振興部長(篠原邦彦君)
 お答えいたします。
 区や自治会は、昔から日常生活の一部として機能しており、冠婚葬祭などの互助組織として、あるいは道普請などの共同作業に際し、住民にとって最も身近で頼りとなるまとまりとして重要な役割を担っておりましたが、地区を代表する組織として、住民自治協議会が設立され、両者が有機的に協力、補完することで、地区のまちづくりを進める大きな推進力になるものと考えております。
 議員さんにも御紹介をいただきましたが、市内の至るところで住民自治協議会が区や自治会と連携しながら先頭に立ち、例えば地産地消の取組を進めることなどによって、農地の荒廃化の防止や高齢者の生きがいづくり、また地域のやる気の醸成に大きな力となっております。そして、これらの動きは一過性のものではなく様々な事例がマスコミを通じて伝えられ、あるいは直接関わることで一層やる気が触発され、新たな活動が展開されてくるものと考えております。
 また、支所の所掌事務にも地区のまちづくりに関することと明記しており、支所が住民自治協議会、区や自治会と共に一体となり地域づくりを進めていくことは今後一層重要になってくるものと考えます。一口にまちづくり活動への支援と申しましても、区や自治会の活動に関する相談、助言や住民自治協議会の運営や活動への支援、地区全体の調整機能など多岐にわたるものでありまして、全てを支所で担うことは難しい面もございます。基本的には支所が様々な相談に応じてまいりますが、直接的に関わる事業担当課との調整も含め、現状における本庁、支所の役割分担を果たしつつ、一体的なまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆原田誠之
 支所や職員が住民と共にまちづくりで協働することは重要でありますので、改めてその点を位置付けていただきたいと思います。

指定管理者制度について

◆原田誠之
 次に、指定管理者制度について伺います。
 昨年12月、総務省から指定管理者の運用について通達が出ています。地方自治体が公の施設の管理を民間企業などに委ねる指定管理者制度について、留意する点も明らかになったとして、制度の適切な運用に努めることを求めています。指定管理者が管理する施設で死亡事故が相次いだことを受けたものです。
 通達では、公共サービスの水準の確保という要請を果たす最も適切なサービスの提供者を指定するもので、価格競争による入札とは異なると指摘し、コスト削減のみを目的としないよう求めています。仕事を非正規職員に任せ、自治体の直営時に比べて賃金が安いなどが問題視されているのを受け、労働法令の遵守、労働条件への適切な配慮を要請しています。また、自治体と指定管理者との協定の中に、安全確保体制や損害賠償責任保険の加入などについても明記することを求めています。
 長野市は民間事業者の活用で321施設を指定し、コスト削減により4年間で累計2億4,600万円の財政的メリットがあったとしています。財政的効果があっても、コスト削減により、非正規職員が安い賃金で働く職場環境では十分な人材も確保できず、良好なサービスの提供が心配となります。321施設の非正規職員数や直営時と比べて賃金や安全確保、損害賠償保険加入の協定などの実態はどうなっているのか伺います。通達では、労働法令の遵守や労働条件の適切な配慮を指摘、施設管理者に対する指導を厳格にと言っています。市は指定管理者を指導、監督する立場にありますが、通達どおりでしょうか伺います。

 次に、地元業者の育成について伺います。

 指定管理者の協定数96、施設数328八のうち市外民間業者は12協定、31施設となっています。民間活力と言うなら、市内の業者を育成、活用する工夫をしてこそ市内の産業振興に貢献できるはずです。見解を伺います。

◎総務部長(鈴木栄一君)
 指定管理者につきましてお答えをいたします。
 まず、指定管理者制度を導入している321施設の非正規職員の数でありますが、平成22年4月1日現在、全職員2,605人中1,268人となっております。
 次に、直営時と指定管理者制度導入時とを比べた賃金の実態につきましては、指定管理者制度の導入に合わせまして、開館時間の延長などサービスの内容が変わっている場合もありますし、直営時に市職員が業務を兼務していたり、一部の業務を民間委託していたりするため、賃金の比較というものは困難でございますので、御理解をお願いいたします。
 次に、安全確保につきましては、定期又は随時のモニタリングを行い、その際に不適切な点がありましたら、その場で改善を指導しております。また、損害賠償保険の加入につきましても、基本協定書の中で加入するように規定するとともに、モニタリングの際などに実際に加入しているかどうかを確認しております。なお、現在までに当たった中では、全ての施設が加入をしております。
 次に、指定管理者に対する労働法令の遵守や適切な労働条件の指導についてでありますが、総務省の通知にも指定管理者が労働法令を遵守することは当然であり、選定に当たっても指定管理者において労働法令の遵守や雇用・労働条件の適切な配慮がなされるよう留意することとありますように、本市でも指定管理者募集要項に法令等の遵守を規定した上で、選定に当たって実際に施設を運営できる職員体制か、また最低賃金を下回っていないかなどについて審査を行っております。さらに、指定された団体と締結いたします基本協定書においても、法令遵守による確認、指導を行っております。

 最後に、市内事業者の育成、活用についてお答えをいたします。
 指定管理者の選定につきましては、総務省の通知にも住民サービスを効果的・効率的に提供するため、サービスの提供者を民間事業者等から幅広く求めることに意義があり、複数の申請者に事業計画書を提出させることが望ましいとありますように、公募が原則となっております。
 一方で、本市の産業振興のため、市内事業者の育成、活用も必要なことから、選定の審査基準の中に地域、地元との連携という項目を設け、選定に当たっての一つの要素としているところであります。
 また、募集施設のグループにつきましても、一グループの施設数を多くし過ぎますと、管理運営のノウハウを豊富に持っている市外の大手企業が有利となることから、市内事業者が参加しやすいグループ分けにするなど工夫を行っているところであります。いずれにいたしましても、一定の競争性を確保しつつ、より多くの市内事業者に指定管理者となっていただけるよう努めてまいりたいと考えております。
 以上であります。

◆原田誠之
 長野市では通達のような最悪の事態は聞いていませんけれども、改めて市の指導、監督をしっかりやっていただくように要望しておきます。

長野市ものづくり支援センターの活用と中小企業の振興について

◆原田誠之
 次に、長野市ものづくり支援センターの活用と中小企業の振興について伺います。
 日本経済の9割を担っているのが中小企業であり、中小企業への丁寧な支援は重要な課題であります。今、全国で膨大な税金を投入し産業団地を造成、呼び込み方式で企業誘致してもままならず成功に至っていません。不況でも頑張っている既存の中小企業への手厚い支援こそが求められます。
 そこで、信州大学や国立高等専門学校や工業高校、県工業技術総合センターなど研究機関と連携し、研究開発をしている長野市ものづくり支援センターについて伺います。
 支援センターを活用したものづくりの研究実績や、市内中小企業への影響と中小零細企業が気軽に活用できる支援センターが望まれますが、実態や今後の対応について、また改善について伺います。
 研究機関の知の活用について、仙台市の御用聞き型訪問事業に注目しました。大学の知の集積を地域の中小企業に普及するために、大学教授、民間企業OB、市職員などのチームで何か困り事ありませんかとの御用聞きで定期的に企業訪問し、的確なアドバイスで新商品32件、10億円の売上増につなげています。長野市でも、長野市ものづくり支援センターと連携している研究機関と共同する可能性を探ってみてはと思いますが、見解を伺います。

◎産業振興部長(小林隆之君)
 最初に、ものづくり研究開発事業補助金の実績と改善についてお答えします。
 平成22年度の補助金による研究事例を申し上げますと、これまで廃棄されていたキノコ栽培の使用済み培地、賞味期限切れのみそ及びそばのゆで汁を活用して、その塩分を調整した上で家畜の飼料として再利用する技術開発、また電子部品の廃品からレアメタルを回収し、排水処理の触媒として活用するための技術開発などが市内中小企業と信州大学との共同研究により取り組まれております。こうした補助金は、毎年2、3件の申請がございますが、平成23年度からは補助率を2分の1から3分の2へ引き上げるとともに、研究開発期間を最長2年間に延長し、更に利用しやすい制度にしてまいりたいと考えております。
 この補助金による市内中小企業への影響についてでございますが、平成17年に本市独自の補助制度を創設し、これまでに14件の事業を採択しておりますが、下請型企業が多い本市のものづくり企業の中から、自力で新製品、新技術の研究開発に取り組む企業が出てきておりまして、企業のやる気を引き出す効果が現れていると考えております。
 また、ものづくり支援センターは、市内企業と大学などとの共同研究だけでなく、専門職員が市内の企業の技術相談などの対応を行っておりまして、全ての中小企業にとっても利用しやすい施設になるよう努めているところでございます。

 次に、仙台市の御用聞き型訪問事業についてお答えいたします。
 仙台市の取組は全国的にも評価が高い施策とのことでございますが、現在、本市ではものづくり支援センターの専門職員が企業訪問を実施しておりまして、企業が抱える問題点の掘り起こしなど、課題等の把握に努め、信州大学、国立長野高専などの学術研究機関との橋渡しを図っております。
 さらに、平成23年度からは、そのものづくり支援センターにものづくりアドバイザーを1名増員いたしまして、企業訪問を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 産業振興対策特別委員会では、3月の下旬に、信州大学の地域連携をテーマとして、信州大学工学部との意見交換会を予定しているとお聞きしております。仙台市内の事例についても、意見交換会が行われると思いますので、私ども産業振興部といたしましても、意見交換会に同席させていただき、仙台市の事例を参考としながら信州大学などとの連携を更に強めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆原田誠之
 仙台市の場合には、具体的に研究者が企業を訪ねて、そこで製品に対するアドバイスをして、いい成果を上げているということでありますので、長野市でも企業からの相談についてはアドバイスしているようでありますが、改めて教訓を生かした具体的な対応をお願いしたいというふうに思います。

除雪や災害時の対応について

◆原田誠之
 次に、除雪や災害時の対応について伺います。
 新年早々大雪に見舞われ市民の生活を直撃しました。県道、市道の除雪作業でオペレーターや建設業者は深夜から御苦労され敬意を表します。景気の低迷で建設業者は除雪車やブルドーザーなどを手放し、いざというときに出動できなかったという報道がありました。関係課では、今回の大雪による市内での心配はなかったとのことです。
 現在、除雪業者は本庁と7支所で142社、重複除き133社、使用している機械の台数は、自社持ち256台、市持ち73台、全部で329台となっており、1月の大雪では全社が出動したとのことであります。先般の大雪による除雪への対応はどうだったのか、市民からの苦情などについても伺います。経営事情で、建設業者は除雪機械の買換えができない事態も予想されるとのことですが、長野市の対応が求められますが、対策を伺います。市民からは、歩道の除雪の要望が数多くありましたが、改善策を伺います。

◎建設部長(倉澤孝君)
 私から除雪・災害時の対応についてお答えします。
 本年1月15日から16日まで降り続いた雪により、市内一円において積雪があり、特に平地では近年にない大雪となって、市街地においても除雪作業が行われました。本年度の除雪体制としましては、市内133社に委託しており、稼働機械台数は329台で、内訳は凍結防止散布63台、除雪機械266台ですが、そのうち除雪業者が所有している除雪ドーザー等の重機は210台でございます。
 1月16日未明からの降雪により除雪出動をいたしましたが、市街地においては一回目の除雪作業を行った後に、降り続いた降雪により作業が通勤時間帯まで長引き、道路渋滞回避のため作業を一時中止しましたことにより、道路除雪が完了しなかった状況が一部には出てしまいました。市民からは路面に積雪があり車が走りづらい等の苦情が寄せられましたが、通行時間帯を避け、交通量の少なくなる16日の夜に除雪作業を完了いたしました。
 次に、除雪委託をしている建設事業者の自社重機更新についてですが、本市では除雪作業費の他に重機の維持管理費用として機械の点検・修理費等について助成しており、事業者が重機を所有しやすい環境づくりに配慮をしております。このことについて、平成21年度実施しました委託事業者へのアンケートによると、事業者の74%がこの機械維持管理費は適正であるとしております。また、70%は自社機械が廃車になっても、リースや新規購入により除雪業務を継続したいとの回答を得ておりますことから、今後も助成を継続して事業者が自社使用重機の保有や更新をしやすくしてまいります。
 最後に、歩道除雪についてでございますが、市では通勤路等多くの歩行者があり、商店街等の建物が連たんしている駅等のアクセス道路で、特に歩行者に配慮する必要がある路線については、指定基準を定め除雪を行っております。今回の除雪では、日中に気温が上がらず、歩道の雪が溶けず、除雪の要望を頂きました。これについてはパトロールを行い、橋や地下道等、住民の皆様では困難な場所について直ちに除雪の対応をいたしました。今回の対応を参考にしながら指定基準の見直しを図り、市民生活に不安を来さない体制づくりを目指してまいります。
 以上でございます。

◆原田誠之
 私、この問題を取り上げたのは、先日テレビの報道で、大変深刻な業者の状況がありました。景気の低迷によって機械を買えないどころではなくて、手放して実際に事があったときには対応できなかったということがありましたので、私は、そのことを心配で改めてこれを取り上げたわけでありますが、長野市が今の御答弁でいきますと、業者の方ではそう心配ないというふうに言われましたが、先々、その辺、見通しも心配ないんでしょうか、もう一度お尋ねします。

◎建設部長(倉澤孝君)
 ただ今申し上げましたとおり、現状では皆さん機械の保有台数、またリース材使用等で何とかバランスが取れている状況かなと思っております。しかし、根本的には中山間地域の建設業者が疲弊をしているという現状の中では、非常にそういった重機の不足、オペレーターがいなくなるという大きな問題が内在していると認識しております。これにつきましては、毎年アンケート調査を行いまして、そこら辺の状況を調べまして対応してまいりたいと、こんなふうに考えております。よろしくお願いします。

◆原田誠之
 これは市民の暮らしに直接関わる問題でもありますので、心配のないような対応をよろしくお願いいたします。
 それから、歩道の除雪の問題でありますけれども、どこへ行ってもこれは本当に一部のところしかやっておりませんが、それこそ本当に順次歩道の除雪の拡大を考えているのか、改善策を考えているのかどうか、改めて伺いたいと思いますが、よろしくお願いします。

◎建設部長(倉澤孝君)
 お答えします。
 御指摘の歩道除雪につきましては、長野市では先ほど申し上げたとおり、大勢の方が通る通学路であったり、また病院等の前の歩道除雪は現在も路線として行っております。しかし、車道に限らず歩道も大変な延長がございます。そうした中で、中山間地域においては、除雪をしなければ皆さんの日常生活がままならないという状況がございます。歩道につきましては、確かに歩きづらいということがありますが、そういった点を踏まえまして、今現在、長野市では大体除雪費の、約1%程度というのが実態です、金額にしてですが。
 そこら辺のところも踏まえまして、去年より今回、先ほども若干申し上げましたとおり、アンダー等の危険な箇所の歩道については、今年は機動的に行いました。ここら辺をもう少し我々も基準を考えていかなければいけないのかなと思っております。そんなようなことで、今後はここら辺が平地部の懸案事項かなという認識を持っておりますので、基準改正等も考えてまいりたいと思います。
 以上です。

◆原田誠之君
 努力はされているようでありますけれども、一層改善を求めておきたいと思います。

三登山の産業廃棄物問題について

◆原田誠之君
 次に、三登山の産業廃棄物問題について伺います。
 林道開通から産業廃棄物が埋め立てられて以来20年を超える間、住民の願いは緑の山に復元してほしいということであります。建設廃材などが山と積まれ、火災にもなり、心配の種は消えることはありませんでした。埋立ての直下では、リンゴや米など農作物が作られ、田子神社の脇からは豊富な水がわいています。わき水は近隣住民の飲料水となっており、わき水の汚染、風評が心配され、農作物への影響も懸念されます。
 若槻の住民自治協議会自然環境部会では、廃棄物対策課と現地調査や処分について業者に要望を続けてきました。業者は住民に順次減らすと約束をしております。埋立ての面積や量はどのぐらいか、順次減らすというが、約束どおり減っているのか、地下水脈の調査や水質検査はどうなっているのか、一定の期限付きで撤去処分を求めることはしないのか。以上について伺います。

◎環境部長(水野守也君)
 お答えを申し上げます。
 御質問の産業廃棄物につきましては、現在、面積につきましては、約5,000m2でございます。また、高さが最大で約10mでございまして、量的には約2万m3が山積みされているという状況でございます。この主なものでございますが、分別解体が義務付けられました平成14年の建設リサイクル法の施行以前に、建築物を解体した際に発生いたしました木くずと土砂が混じった建設系の混合廃棄物でございます。
 この搬出状況でございますが、平成20年度までは私どもの再三の指導に対しても遅々として作業が進んでおりませんでしたが、重点監視対象施設として位置付けまして、行政処分も辞さない集中的かつ継続的な立入検査と指導を行いましたところ、平成21年度から本格的な搬出作業が開始されました。この搬出作業でございますが、廃棄物を種類ごとに分別する必要がございまして、雨天あるいは積雪などの天候に大きく左右されるところとなります。また、分別を行うための大型機械が必要となります。
 平成21年度当初には平成22年6月までに全量の約3万m3を撤去する計画でございましたが、天候不順に加えまして、度重なる分別機械の故障により作業が遅延いたしました。殊に分別機械につきましては、修理に数か月を要しまして、作業を中断せざるを得なかったことが、この遅延の主な原因でございます。このため、昨年末までの搬出量でございますが、全体の3分の1に当たります約1万m3でございますが、この作業の遅れにつきましては、地元の皆様にも一応御理解をいただいているというふうに思ってございます。
 次に、3点目の地下水脈の調査につきましては、ボーリング位置の特定がなかなか困難でございまして、この事業者が現地に掘削をいたしました井戸の水質検査により推測しております。また、水質につきましては、毎年度、今議員さんに御指摘いただきました下流の田子神社のわき水を含めまして、施設周辺の下流5か所で検査をさせていただいておりまして、これまで環境基準を超える数値は検出しておりません。
 最後の御質問の撤去期限でございますが、事業者による自主的な撤去を私どもは基本としているわけでございますが、地元の皆様の御理解をいただいた上で、最終的な期限を平成23年度末とさせていただいているところでございます。現在、積雪のため中断している作業も、近々再開されることになりますけれども、今後も全量撤去に向けまして強く指導してまいりたいと考えております。

◆原田誠之
 今、答弁ありましたけれども、これ20年間であります。私も議員になって以来ずっと注目をしてきたし、住民の皆さんと一緒に撤去のために頑張ってきました。当初は復元をしてもとに戻すと、緑の山にするというふうに業者も言っていたわけでありますけれども、残念ながら20年たちました。20年間ずっと埋め立てられているわけですので、確かに現状の水質検査では問題はないというふうに言われておりますが、一旦、もし仮に何かあれば、あと本当に取返しのつかないような事態になってしまいます。遅いわけでありませんので、今からでも改めて厳しい対応を求めたいと思います。
 特に、ちょっと1点、今の期限付きでというふうに言われましたけれども、業者ももちろんそういう約束をしているわけですが、大事なのは、きちんと文書で取り交わしているのかどうか、この辺はどのようになっているのか。これをきちんとやっていただいて、そしてふさわしい行政の対応をしてもらいたいというふうに思っております。その辺、御答弁お願いします。

◎環境部長(水野守也君)
 お答えを申し上げます。
 事業者との関係につきましては、これまで行政指導としまして指示書をきちんと交付いたしましたり、あるいは事業者側から、先ほど申し上げましたけれども、期限については改善計画書というのを求めまして、これに基づいて期限までに撤去できるようにということで指導をしてきているわけです。こういう問題の一番難しいところは、やはり事業者側のやる気をどういうふうに起こしていくのかという点です。こういう点では非常に私ども担当と、その事業者の信頼関係というんですか、をどういうふうに構築していくかというのがひとつ非常に大きな問題だと思います。
 それから、もう一つは、今も申し上げましたように、非常に量が量でございますので、なかなか一度に撤去というのは難しい状況でありまして、この辺は地元の皆さんにも御理解をいただいているところでございます。また、その撤去、処分するには当然費用がかなりかかるわけです。
 今議員さんおっしゃったように、非常に長期間にわたって処理ができないという非常に難しい問題でございますが、処分には今申し上げましたように、非常に費用がかかりますので、事業者にやる気と、この費用をどういうふうに捻出させるかと、この2通りの点が非常にポイントかなというふうに思っております。日頃の指導、また今後の指導を通じまして、この辺を十分見ながらできるだけ早期に撤去が完了できるように努めていきたいというふうに思っております。

◆原田誠之
 むちゃを言っているわけではありませんが、20年間の時間という経過は大変なものであります。改めてきちんと精査をし、計画書が出されているようでありますけれども、慎重に対応すると同時に、厳しい対応も当然必要でありますので、是非行政としての指導を住民と一緒にやっていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

»一覧に戻る

年度別に見る

カテゴリ別に見る

議会報告の検索

皆様のご意見をお待ちしております

日本共産党長野市会議員団

長野市緑町1613 長野市役所内日本共産党控室
TEL 026-226-4911(内線3936)FAX 026-266-7882

お問い合わせ
トップへ戻る