2010年6月定例市議会 小林よしかず議員
市長の政治姿勢について
無縁社会と地域における高齢者の見守り・緊急通報システム有料化について
市役所第一庁舎・長野市民会館の建て替えについて
小中学校芸術鑑賞音楽会補助金切り下げについて
文化系部活の現状と今後の在り方について
市長の政治姿勢について
27番、日本共産党市議団小林義和でございます。早速質問いたします。
まず、
市長は、クリアウォーターからの帰途、ニューヨークのグラウンドゼロで、長野市平和都市宣言を思い起こし、全世界の恒久平和を願ったとのことです。議長や市民がそこにいたかどうか、報告はありませんが、私も3日後、同じ場所にいました。NPT再検討会議への要請行動に参加したのです。
マンハッタンの3日間、ニューヨーカーから212筆の核兵器廃絶国際署名をもらい、タイムズスクウェア一万数千人の大集会と国連本部へのパレード、690万筆超の署名をカバクチュランNPT議長自らポリスの制止を振り払って受け取りにきたハマーショルド広場、キング牧師ベトナム反戦演説の地リバーサイド教会での平和シンポ、日本代表団会議と、ニューヨークの7日間は核兵器廃絶を市民に訴える日々でした。
一方、日本共産党訪米団志位委員長は、会議主催者、国連関係者、各国代表団などと精力的に会談。平和市長会議で頑張った広島・長崎両市長と志位委員長の懇談もできました。5月28日、最終文書は全会一致で採択、核兵器保有国の核兵器廃絶への明確な約束の再確認の明記と国際交渉開始が文面に入り、重要な歴史的一歩前進。NPT議長は、市民社会の熱意、新提案を高く評価。
潘基文国連事務総長は、国際平和会議で、私たちは必ず世界から核兵器をなくす。そのとき、それは皆さんのおかげであり、世界は皆さんに感謝するとあいさつしました。市民社会、皆さんとは、平和市長会議や原水爆禁止日本協議会などのことです。私は、被爆国日本の市民運動が世界を動かす感動の体験をしました。
志位委員長からカバクチュラン議長への最終文書採択の奮闘への感謝の手紙に対して、あなたの努力がこの会議のプロセスに極めて大きな貢献となり、会議の大きな成功に役立ったことは確実ですとの返書が届いたのは6月9日でした。
市民平和の日のつどいの署名も市長の賛同署名も国連に届けられました。市長には、NPT再検討会議最終文書の評価や思い、今年の平和市長会議の核廃絶広島会議や原水爆禁止世界大会参加などについて、考えをお伺いいたします。
◎市長(鷲澤正一君)
小林義和議員さんの核兵器廃絶運動と平和市政の推進についての御質問にお答えをいたします。
クリアウォーター市への訪問の帰国に際してグラウンドゼロを視察し、同時多発テロで亡くなられた方々のごめい福をお祈りするとともに、本市の平和都市宣言にございます、全世界の恒久平和を求める思いを改めて強くした次第であります。
御質問の核不拡散条約、いわゆるNPT再検討会議の最終文書に対する思いはとのことでありますが、NPTは核不拡散や核兵器廃絶に向けた唯一の国際合意であり、それを遵守していく体制を前進させていくことは、大変重要なことであると思います。
そうした意味で、核軍縮や核不拡散の体制の強化等の行動計画を示した今回の最終合意文書が採択されたことは、前向きな一歩であったと評価しております。また、平和市長会議会長の広島市長からは、核兵器廃絶に向けて各国政府が遵守するプロセスなどを定めた、ヒロシマ・ナガサキ議定書1,577筆を再検討会議の議長に手渡した旨の報告と、署名に対する御礼を頂いております。
なお、7月に開催されます平和市長会議主催の2020核廃絶広島会議への出席につきましては、御案内を頂いておりますが、公務のため出席できません。
いずれにいたしましても、本市といたしましては、これからも平和都市宣言を行った都市として、またオリンピック開催都市として、平和の大切さを平和のつどい等の機会を通じて、訴え続けてまいりたいと考えております。
以上です。
市長には、ますます大事になった今年のですね、夏の原水爆禁止世界大会、これに向かう日本平和大行進が長野市に7月5日入ってまいります。今年は、是非激励のですね、ごあいさつを頂きたいというふうに思うんですが、お考えをお伺いしたいと思います。
◎市長(鷲澤正一君)
初めてお聞きしたように思います。ですから、それはそれで検討させていただきます。
市長の答弁を受けて再質問させてもらったんです。ニューヨークの地で市長の心をとらえたこの平和都市宣言は、核兵器廃絶、非核三原則厳守、戦争放棄を訴え、長野市を平和都市にするという内容です。是非英語版、中国版、韓国語版なども作成をしてですね、長野市を世界にですね、発信するよう要望いたしまして、次の質問に移ります。
市長は、記者会見でお金の透明性、一番仕分けしてもらいたいのは政党助成金、一番無駄との見識を示されました。320億円の政党助成金の事業仕分け、私も全く同感です。そこで改めて、本議会で市長のお考えをお伺いしたいと思います。
◎市長(鷲澤正一君)
事業仕分け自体は、事業の見直しに有効な手法の1つであり、何より国民公開の下で行われ、国民の政治への関心を大いに高めたというふうに感じております。
しかしながら、仕分け人の人選や対象事業の選定基準が必ずしも明確ではなく、また短時間の議論で結論を出したことや長期的視点の欠如が見られた点などについて、残念に思っております。
政党助成金については、交付の要件に該当しない国会議員には交付されず、政党に属さない地方議員や首長のことも全く考慮されないばかりか、使途の報告に当たっては領収書が不要な場合もあるわけで、不平等、不透明であると感じております。
しかも、企業・団体献金はいまだなくならず、クリーンな政治を実現させようという、そもそもの目的すら果たしていないことから、私としては、是非とも事業仕分けの対象にしていただきたいと思っているところであります。
以上です。
ほとんど同感であります。日本共産党は、税金山分けの政党助成金は、国民が支持しない政党にも献金を強制する、思想信条の自由を踏みにじる。企業・団体献金も禁止し、政治資金は有権者個人の献金を基本とするのが当然だと考えて、私どもは受け取らず、廃止を求めていることを申し上げておきたいと思います。
無縁社会と地域における高齢者の見守り・緊急通報システム有料化について
次にですね、無縁社会と地域における高齢者の見守り・緊急通報システム有料化について伺います。
内閣府の高齢者の地域におけるライフスタイルに関する調査では、だれにもみとられることなく、亡くなった後に発見される、いわゆる孤独死を身近に感じる人が60歳以上のひとり暮らしで約65%、また年間3万2,000人が無縁死と報じたNHK無縁社会は、大きな衝撃と反響を呼びました。そこで、長野市の実態をまず伺います。
◎保健福祉部長(戸井田一成君)
お答えいたします。
だれにも知られずに亡くなり、遺体の引き取り手もない無縁死につきましては、詳細な調査に基づくデータがないため、本市の実態は不明でございます。
しかしながら、老人ホームの入所予定者や生活保護受給者に対し、生活歴等の聞き取りをしますと、親族が全くいない、あるいはいたとしても、かかわりが絶たれている場合が少なくありません。親族調査を実施し、福祉事務所から連絡を入れても身元引受けや遺骨の引取りなど、一切のかかわりを拒否されることもございます。
なお、21年度において、市の生活保護受給者の孤独死は2件であり、市営住宅入居者につきましては6件でございました。また、遺体で発見された身元不明者で行旅死亡人として埋葬したものが2件ございました。これが昨年、市でかかわった孤独死等の状況でございます。
以上でございます。
大変分かっている範囲の実態だと思いますが、住宅課の調査では、県営住宅では昨年もですね、12人孤独死がございます。
こういう中でですね、高齢者を支える家事援助サービスなどは、介護保険のらち外になりまして1時間500円、緊急通報装置も有料化と、一体必要な人が家事援助サービスを利用できているのか、また、緊急通報装置委託会社と専門員の内容と体制、健康や生活の電話相談の解決・支援方法、プライバシー保護、月1回の定期電話の内容と効果をお伺いいたします。
◎保健福祉部長(戸井田一成君)
お答えいたします。
まず、社会福祉協議会が実施している家事援助サービスの平成21年度の事業実績は3,816件に上りました。本年4月1日現在、支援を必要とする利用会員が494名、支援を行う協力会員は426名が登録されており、利用会員が気兼ねなく御利用いただけるよう、利用料を1回1時間500円と設定し、協力会員への実費弁償として充てております。
平成18年度の介護保険制度の改正により、一部のサービスが介護保険対象から除外されたこともあり、当事業への需要は年々高まってきておりますが、協力会員の不足等により供給が追い付かず、希望に沿えないケースが一部あるという状況でございます。
そのため、社会福祉協議会では、住民自治協議会との協働による事業推進や関係機関との連携等により協力会員を増やすなど、利用希望者に十分こたえることのできる体制整備に向け取り組んでおりますので、市といたしましても、一層の支援をしてまいりたいと考えております。
次に、緊急通報装置に関する御質問にお答えいたします。
1点目の委託する民間会社と専門員の内容と体制につきましては、現在、合併地区単位ごとにシステムやサービス内容が異なっていることから、来年1月からの有料化とともにそれらを全地区統一とし、事業を再構築するため、委託事業者を新たに選定してまいります。
選定に際しましては、プロポーザル方式を予定しており、現在、その準備段階にございますが、システムのかなめとなるコールセンターにつきましては、専門員の中に看護師などの有資格者を常時配置すること、24時間対応できる人員を確保すること、さらに災害時のバックアップ体制を確保することなど、万全の体制の構築に向け、事業者を選定してまいります。
2点目の健康や生活の電話相談の解決や支援方法、プライバシー保護につきましては、基本的にコールセンターに配置される医療や介護の専門員が対応することとなりますが、内容に応じては、あらかじめ登録していただいている近隣の協力員に支援をあおいだり、行政へつないだりしていただく場合もあるものと考えており、コールセンターとの連携を十分にとってまいります。
なお、プライバシー保護の問題につきましては、契約条項に盛り込むことはもちろんのこと、実績のある事業者を選定するとともに、プライバシーマークの取得の義務付けをしてまいります。
3点目の月1回の定期電話につきましては、この事業の有料化を検討する資料といたしまして、昨年度利用者への訪問アンケート調査を実施したところ、装置を利用したことがない方が86%おりまして、中には押すのが怖い、押せないとの感覚をお持ちの方もいらっしゃいました。
この結果を踏まえ、コールセンターから定期的に健康状態を確認する等の電話連絡を行うことにより、相談を気軽にしていただける環境を整えるとともに、緊急時にちゅうちょすることなくボタンが押せるよう、装置の使用練習も定期的に実施する予定でございます。
以上でございます。
有料化が大きな問題だと思うんですけれども、社会福祉審議会がそれを答申したんですが、その資料の中で生活がぎりぎりでお金が払えない切実な意見もありまして、有料で使うという人は約7割です。必要な人でこれらのセーフティーネットや介護保険から落ちこぼれる層が無縁死予備軍なのではないかと思いますが、有料化は中止すべきだと思いますが、見解を伺います。
◎保健福祉部長(戸井田一成君)
この有料化につきましては、前から長野市行政改革大綱の実施計画でも市民負担の公平性を確保するため、利用者負担を求めることとしております。また、あんしんいきいきプラン21におきましても、利用者負担の導入を検討するということとしております。
そしてまた、昨年社会福祉審議会に諮問をいたしまして答申を頂きましたけれども、その中でも民間で実施をしている事業と同程度のサービスを無料で提供している緊急通報システム設置事業につきましては、利用者負担を導入すべきとの答申を頂きました。そして、行政サービスの利用者の負担に関する基準との整合性を図るとの意味からも、公益性が高い事業であることから、利用者の負担割合を25%とするとした答申を頂き、月に500円という利用料を考えたものでございます。
以上でございます。
それでも、3割の人が有料化になれば使わないと言っているんですね。ここをどういうふうに救っていくのか、それが本当に大事なことだと思いますので、再検討をお願いしておきます。
やむにやまれず、地域で住民自治協議会などが一生懸命見守り隊など組んで取り組んでおります。しかし、本当に民間事業者任せの緊急通報システムや地域の努力だけでは対応はなかなか困難だと思います。長野市独自の対面で見守るシステムの構築や各地区の組織づくり、財政支援、ボランティアセンターの設置なども必要だと思いますが、市の認識と今後の孤独死ゼロ作戦の取組についてお伺いをいたします。
◎保健福祉部長(戸井田一成君)
お答えいたします。
本市では、昭和57年に高齢者に対する訪問事業を開始いたしまして、現在は単身高齢者世帯等の安否確認を行い、話し相手となるボランティア団体による友愛活動事業として実施しておりますが、平成21年度には、81の団体が864人の高齢者の訪問活動を行っております。
なお、この事業では、活動費助成として対象となる高齢者1名につき、年額1万円の補助金をボランティア団体に対し、交付しておるものでございます。
また、平成20年度から災害時要援護者台帳を整備しておりますが、作成に当たりましては、民生委員さんの協力を得て、65歳以上の独居高齢者世帯等を1軒1軒訪問しまして、災害時などに支援を必要とする世帯を調査し、実態把握に努めております。
それぞれの地区において、災害時要援護者台帳を基に、災害時における被害誘導等の支援計画が順次作成されておりますが、地域の皆様が支援を必要とする高齢者の現状を知ることにより、自発的な日常の見守りや声掛け等につながることも期待されており、今後の地域社会に欠くことのできない取組となるものと考えております。
このように、本市におきましては、今日まで培ってきた対面での見守りシステムがありまして、今後災害時要援護者台帳整備に伴う各地域での取組も期待されることから、この体制を推進することにより、高齢者等の見守りを充実してまいりたいと考えております。
また、既存の地域ボランティアセンター、あるいは地域包括支援センターや在宅介護支援センターなどとの連携は図ってまいりたいと考えております。
なお、日野市の事例のように他の自治体において見守りに係る新たな取組が始まっておりますので、情報収集を行ってまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、見守り活動や緊急通報装置の活用などにより、孤独死と言われる状況がゼロになるよう、民生委員さんを初め地域の皆様、各種関係機関との連携をより一層図りながら、ソフト、ハード両面にわたって体制を強化してまいりたいと考えております。
以上でございます。
更に取組を強化されることを要望し、次の質問に移ります。
市役所第一庁舎・長野市民会館の建て替えについて
ある建築家の方から当市議団に手紙を頂きまして、文化庁文化財務部の編著、総覧登録有形文化財建造物5000、この中にですね、神奈川大学西和夫教授の文章があります。
それはですね、一般に指定登録されているものは大切だと考えられている。しかし、これは危険。指定されていないものは、大切でないと考える人が出てくるからだ。事実、指定されていないから壊してよいとの主張を幾つも聞いた。指定されているから大切なのではない。どんな重要な物も指定されるまでは、指定されていないのだ。では、指定されて突然価値が出たかというと、そんなことはない。指定されていなくても大切なものは大切なのだ。うんぬんというものです。
3月議会の私の質問に教育長は、市民会館は国の登録有形文化財、市の指定文化財いずれにも該当しない。国登録有形文化財に建設年数はほぼ該当するが、歴史的景観に寄与している、再現することが容易でないなどの条件に当たらないと断言しました。西教授の指摘をどう思いますか。
◎教育長(堀内征治君)
お答え申し上げます。
3月議会では、現市民会館は登録有形文化財及び市の指定文化財の基準には、いずれも該当しないものであるとお答えをさせていただきました。これは飽くまでも、登録有形文化財及び市の指定文化財には相当しないと申し上げたものでございまして、文化財的価値が全くないと断定したものではございません。
西和夫先生の文化財の指定と保存に係る御意見に対する私の見解についてでございますが、文化財は指定や登録にかかわらず大切なものは大切であるという御指摘は、一般論としてうなずけるものだと思っております。
ただ、指定や登録は、保存の一つの手段に過ぎないと述べられておりますけれども、この点については、行政といたしましては大事な文化財を保存し、後世に伝えていく手段は、指定や登録という方策をとることが基本になるというふうに思っております。
文化財保護法では、歴史、文化の正しい理解のために欠くことのできない貴重な国民的財産が文化財であると定義しております。このことから、文化財の指定等を行う場合は、次代に文化財を継承する行政としての責任を負う立場での文化財としての価値の検討が必要と思います。
有形文化財である建造物の場合には、技術、道具、材料などの枠の中で、建築家のアイデア、職人の技能を最大限に生かして建設した当初から、社会構造や文化の変遷を経て、経済的、美的、歴史的、学術的な価値が付加され、現在的な存在意義が発揮されたものが指定文化財、あるいは登録文化財の対象となるものととらえております。
したがいまして、現市民会館につきましては、この点で文化財的な価値や文化財としての存在意義が低く、登録文化財や指定文化財のいずれにも該当しないことを前議会で申し上げた次第です。御理解をお願いいたします。
理解できないですね。
市長にお伺いをしたいと思いますが、文化芸術振興計画には一言も触れていませんけれども、長野市民会館は市制60周年記念事業で、市民の浄財も集めて建設されて50年、市民と市政にとって戦後の歴史的、文化的建造物だと思います。
耐震診断も行わないで、劣化している、庁舎建設予定地だから壊すでは、設計者や施工者、寄附市民、建物への冒とくではないか。市民会館の時代と市民文化に果たした役割、価値を検証すべきだと思います。この作業こそ保存か新築かの市民合意を形成し、市民会館は真に次の時代に引き継がれていくんだと思うんです。かつて市民は、仏閣型長野駅舎の破壊という苦い経験をしました。
先ほど報告を頂きました株式会社イトーヨーカ堂からの市長への回答文書、説明ありました。この中で、私ども市街地再開発に市民会館を組み込むことは当初から反対でありますが、事実上、この計画は不可能になった、こういう回答であります。
その中で、株式会社イトーヨーカ堂は既存店舗を解体することなく再利用させていただき、リサイクルや環境への配慮からこれを継続使用すると、こういうことも言っております。そういう観点も含めてですね、権堂の計画はもう不可能になりました。
市長の市民会館に対する検証などを含めた見解をお伺いしたいと思います。
◎市長(鷲澤正一君)
現長野市民会館の建築学的、文化的な価値の調査、検証を行うべきとのことでございますが、今の長野市民会館は、音楽、演劇、舞踊などの文化芸術や集会、式典などの市民活動の拠点施設として、市民の皆様に長く利用されてきた施設でございます。
しかしながら、現状は建設後49年が経過し、建物の老朽化とともに、当時求められていた機能と現在市民が求めている機能とが大きくかい離している状態にあります。
長野市民会館の果たすべき役割は、市の文化芸術活動の中心的存在であり続けることであり、そのためには、市民ニーズにこたえられる施設として整備していく必要があります。整備していく際には、建物の文化財的な価値について考慮する必要がありますが、先ほど教育長が申し上げましたとおり、現市民会館は、文化財的な価値や文化財としての存在意義が低いと判断としておりますので、調査、検証の必要性も考えてはおりません。
こうした点を踏まえ、建て替えることで市民の利便性を向上させ、より多くの市民の方々に利用され、愛される施設として整備することを選択したものであります。
今、権堂の再開発の問題にお触れになりましたけれども、これ現段階ではですね、昨日私も書類を頂いて拝見いたしました。今お話の文化財としての価値とかそういうことではなくて、一つの流れとしてリサイクルのことが書いてありましたね、たしか。
ですから、その辺については、なるほどねというふうに私は思っておりますが、いずれにしても、詳細についてはこれからの検討でございます。また、それについては、今は情報をなるべく早く皆様にお知らせをするということでお知らせをしたものでありまして、まだ現段階、長野市としてこれについて、じゃどうするということを考えているわけではございません。考えてはいますが、結論を出しているわけではございません。
以上です。
いずれにせよ、現市民会館をどうするかというのは、新たにもう一度ですね、議論のスタート地点に戻っていくんだろうなと思います。そういう点で、これから市民的な議論、議会も含めて進めていかなければならないというふうに思います。
小中学校芸術鑑賞音楽会補助金切り下げについて
次にですね、文化芸術振興計画は鑑賞や発表の機会充実を掲げ、子供たちが個々に持っている能力を引き出し、感性を磨き、創造性豊かな人間形成をとうたっています。ならば、なぜ今年から小中学校芸術鑑賞音楽会補助金の単価を小・中学校300円に切り下げるのか、振興計画の理念に逆行していませんか、教育長にお伺いします。
◎教育長(堀内征治君)
お答え申し上げます。
現在、教育委員会では様々な教育課題が山積している状況にございまして、教育大綱の発信と具現を基底に諸課題の解決に向けて不登校対策、あるいは特別支援教育の充実等を含めまして、平成22年の重点事項に掲げて事業を展開しております。
平成22年度予算では、大規模プロジェクトの本格的な事業化を控え「入りを量りて出ずるを為す」の基本姿勢の下、市全体として事業の重要性及び優先性等を明確にし、必要な事業に限られた財源を適切に配分することで健全財政を堅持し、最少の経費で最大の効果を上げることを旨として、事務事業の見直しを行ったところであります。
教育委員会におきましても、限られた財源の中で不登校対策などの重要課題に予算が傾斜配分できるよう、小中学校芸術鑑賞音楽会補助金も含め、事業の見直しを行ったものでございまして、芸術鑑賞の重要性を過小評価したものではなく、文化芸術振興計画の趣旨に反するものではないと考えております。
過日、この補助金の対象となっている小学校の音楽鑑賞会が開催されまして、私も一緒に鑑賞いたしました。和太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能に小学生が耳だけでなく、体ごとその感動を感じ取っている姿に心が動かされるものがありました。
児童・生徒が文化芸術に触れ、親しみながら成長できる環境整備は、子供たちの感性や想像力を豊かにはぐくみ、文化芸術を継承発展させていくために不可欠であります。学校現場では、子供たちが教科として音楽、美術に親しむほか、総合的な学習の時間等を通して、芸術体験や文化活動に触れるなど、多様な形で文化芸術に触れられる取組がなされております。
今後とも、教育大綱でうたっております児童・生徒一人一人の人間性を深く豊かに鍛え伸ばす学校教育の実現に努めてまいります。
以上でございます。
教育長の答弁は空虚に響きます。文科省のですね、事業仕分けに関してピアニストの中村紘子さんは費用対効果を短期間で期待する傾向があるが、芸術文化は長い時間がかかることをまず認めるべきと言っています。
それから、事業仕分けされた探査機のはやぶさはですね、七転び八起きして3年遅れましたが、月以外の惑星から地球に帰ってきたんです。世界初の快挙で、世界第1位になったんです。これらの話の感想とですね、未来の長野市から芸術家を生み出すかもしれない補助金の充実についてですね、教育長に改めて質問いたします。
◎教育長(堀内征治君)
お答え申し上げます。
議員さんのおっしゃるように、芸術文化の発展には非常に時間がかかる、そしてまたその教育にも非常に時間がかかるということは、全く同感でございます。そのように私どもも進めているつもりでございまして、空虚にというお言葉はいささか当たらないんではないかというふうに感じます。
私どもは、今回の削減は、先ほどの事情によるものでございますが、それによって大きな影響が出てはいけないという思いはあります。このため、学校現場とも合わせましてですね、今回私どもの補助金の削減に対しても、保護者への負担ができるだけ少なくなるようにというような工夫をしながら、子供たちが感動を得られるような場面をつくるように現場共々、私ども努力しているつもりでございます。
いずれにいたしましても、子供たちの健全な育成のために、やはり情操教育を十分深めていくということにつきましては、私どもとしても十分に考えてまいりたいと思います。
以上でございます。
間違いなく保護者の負担を増やすんですから、再検討をお願いします。
文化系部活の現状と今後の在り方について
最後にですね、中学校の文化系の部活の音楽、演劇などは、男子がごく少数であります。実際、男子で演劇、音楽をやりたくてもできない実態があります。文化芸術振興計画の観点から、文化系部活の現状と今後の在り方について見解をお伺いいたします。
◎教育次長(新津吉明君)
お答えをさせていただきます。
昨年度、本市における文化系の部活動に加入していた男子中学生は、運動系の部活動の加入生徒数と比較して約8分の1の加入状況でございました。その内訳を見ますと、科学や技術、コンピューターなどの部活動では男子の人数が多く、合唱や演劇などの部活動では女子の人数が多くなっております。
中学生は、自分の興味、関心に沿って自分の希望で所属する部活動を選択するわけでございますが、男子生徒はどちらかというと、文化系より体を動かすスポーツに興味、関心が高い生徒が多いことからか、運動系の部活動への加入率が高くなっているというのが実情でございます。また、文化系でも科学、技術、コンピューターに男子の加入が多いのも興味、関心が高い男子生徒が多いことからかと考えております。
平成24年度から実施される中学校新学習指導要領では、部活動の意義、留意点などが明記されておりますが、部活動は生徒の自主的、自発的な参加により行われる教育活動であり、スポーツや文化及び科学に触れ、追求する楽しさや喜びを味わうことをねらいとしております。また、その運営につきましては、地域の人々の協力や社会教育関係団体等との連携などの工夫をするよう求められております。
以上のような状況の中、本市の文化芸術振興計画においては、基本理念を個性が輝く人づくり、活動がつながり、支える仕組みづくり、魅力ある文化都市としての基盤づくりを通じ、人と地域がきらめく文化力あふれるまちを目指すとしており、義務教育における文化系の部活動においても、児童・生徒の個性の伸長と能力発揮の場として、関係団体との連携や各種発表の機会を確保し、長野市の文化芸術振興の観点でも、中学校の文化系部活動の支援の在り方を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
ありがとうございました。