2010年3月定例市議会 野々村ひろみ議員
教育行政について
生活保護行政について
高齢者福祉について
国保の短期保険証の留め置き問題について
その他
教育行政について
28番、日本共産党長野市議団野々村博美です。
最初に、教育行政について伺います。
昨今の就学援助の申請や生活保護世帯の急増を見ても、格差の広がりは子供の貧困問題として暗い影を落とし、また児童虐待もますます深刻化しています。文部科学省は、2008年度教育分野の知識に加え、社会福祉などの専門的な知識や技術を有するソーシャルワーカーを活用して、子供が抱える課題に対応するために、スクールソーシャルワーカー活用事業を創設しました。長野県でも4人のスクールソーシャルワーカーが配置をされています。スクールソーシャルワーカーは、子供、学校と関係機関、家庭と学校を結ぶコーディネーターとしての役割も果たします。このスクールソーシャルワーカーが必要となる相談件数も増えています。長野市のこの事業の利用状況はどうか伺います。
◎教育次長(新津吉明君)
お答えさせていただきます。
北信教育事務所に1名配置されていますスクールソーシャルワーカーの今年度の利用状況は、2月末現在で北信教育事務所管内では41件、このうち長野市内では8校で13件のケースについて活用されております。これらのケースの中で、スクールソーシャルワーカーは不安定になっている母親を支えるための家族への支援や家庭生活の安定のための保健福祉分野との連携等を通して、児童・生徒が置かれている様々な環境への働き掛けを行いました。
また、教育センター教育相談室の紹介や医療機関の紹介、児童相談所や警察との連携等、関係機関との連携、調整するコーディネートも行い、必要に応じてケース会議にも出席しております。
年間の相談件数は決して多くはありませんが、その内容を見ますと、学校や教育相談機関等との連携だけでは解決できない問題や学校がかかわりにくい問題、教育相談機関や医療・福祉機関など、幾つかの関係機関が連携しなければならない問題等、様々な問題に対して効果を上げているものと考えております。
以上でございます。
長野県全体の配置人数が4人、北信教育事務所管内では1人ということですが、今の新津教育次長のお話を聞いても、人数をもっと増やしていくことが必要ではないかと思います。先ごろのニュースを見ても、子供の虐待問題は本当に深刻な事態となっています。県の直接事業ではありますが、富山市で6人、鹿児島市では4人配置をされていると言います。県へ配置も強く要望するとともに、長野市独自でもこの事業に取り組む必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか、お願いをいたします。
◎教育次長(新津吉明君)
お答えをさせていただきます。
いじめや不登校、暴力行為、児童虐待等、複雑かつ多様な問題を抱える今日、児童・生徒が置かれた様々な環境の問題が複雑に絡み合い、学校内だけでは解決できないケースが増加傾向にございます。このような中、関係機関等との連携、調整を行うコーディネーターや児童・生徒の置かれた家庭や友人関係など、環境への働き掛けが重要になってきております。
現在、各校では特別支援教育や不登校対策のコーディネーター、教育相談センターの相談員、スクールカウンセラー、巡回相談員、特別支援学校教育相談員などがケースに応じ社会福祉機関や児童相談所、医療機関等との連携や調整を行っております。
また、市の保育家庭支援課では、平成20年度は48件、本年度は12月末で45件、学校から保護者や家庭の支援にかかわる相談を受け対応しております。その中で、学校と児童相談所や保育家庭支援課、医療機関等がかかわり、児童・生徒の適切な支援が行われた事例もございますが、更に問題が複雑で、様々な関係機関がかかわる必要がある場合には、県のスクールソーシャルワーカーも活用しております。
本市といたしましては、児童・生徒、そして家族が抱える問題に対して、関係機関等との連絡・調整や家庭や友人関係など環境への働き掛けに重点を置きまして、更に適切に対応、支援できる体制づくりに努めておりますので、今のところ市独自のスクールソーシャルワーカーの配置をするのではなく、引き続き県が推進しているスクールソーシャルワーカーの増員を要望してまいりたいと考えております。
以上でございます。
改めて体制の強化をお願いをいたしまして、次に移ります。
教育費の父母負担軽減について伺います。
高校授業料の無償化が実現しましたが、本来無償であるべき義務教育の父母負担についても改善が必要です。給食費を初め、学校徴収金の滞納も深刻になっています。学校徴収金は長野市平均で、中学校で11万円、小学校で7万円となっています。
経済的に厳しい家庭に対しては、就学援助が適用されていますが、支給される額は学校徴収金を全額カバーできるものではありません。子供たちが安心して学ぶ環境を保障するためにも、学校徴収金の父母負担の軽減が必要です。各学校でも体育費用を引き下げたり、理科教材費をなくしたり、努力をされているところもあるとのことです。
また、松本の中学校では、外履きやセーターの指定をやめ、負担軽減を図ったという報道もありました。必要な教材費などは全額公費で賄い、また運動着、制服など指定制度を改善し、父母負担の軽減に積極的に取り組むべきと考えます。御所見をお願いいたします。
◎教育次長(篠原邦彦君)
お答えいたします。
義務教育における家計の教育費負担につきましては、授業料や教科用図書が無償となっているほか、経済的理由によって就学困難と認められる児童・生徒に対しては、学用品費、体育実技用具費、新入学時の学用品費、通学費、通学用品費、修学旅行費、学校行事としての校外活動費、学校給食費などについて、各市町村において就学援助が行われております。
本市におきましても、就学援助のほか、社会見学等におけるバス代や授業で使用する補助教材の一部等を市で負担するなど、費用負担の軽減に努めているところであります。学校であっせんする学用品につきましては個人の所有となることから、個々の御家族で御負担いただくものと考えておりますが、従来、個人負担の学用品であった小学校の算数セットについて、学校の判断により備品化、あるいはお下がり推奨の対応をしており、また学校指定の体操着のデザインについては、兄弟姉妹等で使い回しができるよう、男女の別なく使える色やデザインに変更されるなど、学校現場での取組も進んできております。
制服などの指定につきましては、儀式において子供たちに集団意識を持たせる上で有用であり、校外活動においては所属が分かりやすい等のメリットがあります。また、経済面に目を向けてみますと、指定がない場合と比べて負担が少ないという意見もあります。平成22年度以降、国からの子ども手当の支給も予定されておりますが、学校現場といたしましても、引き続き保護者負担の軽減に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
努力をお願いをいたします。
県内の学校徴収金の中で他市町村と比べて著しく父母負担が、長野市が特に高くなっているのが学校図書費です。長野県平均が一人当たり約200円、これに対して長野市は約700円にもなっています。大切な図書教育に予算をきちんと措置していくことが必要ですが、御所見をお願いいたします。
◎教育次長(篠原邦彦君)
学校図書館の費用についての御質問でありますが、市町村ごとに学校図書館の運営方法等が異なっている点もあり、議員さん御指摘の調査結果をもって市町村間の学校図書館にかかわる学校徴収金の額を単純比較することは困難であり、分析が必要かと考えております。教育委員会といたしましては、学校図書館は児童・生徒にとって学習効果を高める上で、その果たす役割は大きく、学校において欠くことができない重要な役割を担っているものと認識しております。
このため、学校図書館関係の予算としましては、平成21年度は図書購入費として4072万円、学校が図書館職員を配置するための経費として、学校図書館運営費補助金を4053万8000円など計上いたしまして、その充実に努めておるところでございます。
しかしながら、学校によっては図書購入費等に充てるため、保護者に負担をお願いしているところもあるのが実情であります。そのことから保護者負担の軽減に努めるとともに、更なる図書館の充実が図れるよう予算の増額に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
私が数字を申し上げた根拠になっているのは、長野県が出している市町村別学校納入金と支出金額内訳、この表でありますので、根拠のある数字であると思います。この中では、県下18市の中で約半分の小・中学校が図書費の徴収はしていません。すべて市町村の方で負担をしているということだと思います。是非改善をお願いし、昨日も佐藤久美子議員が指摘をいたしましたが、学校図書館の司書の配置など、是非充実をして図書教育に力を入れていただきたいと思います。
次に移ります。
生活保護行政について
生活保護行政について伺います。
私は過日、今全国的にも注目されている釧路市の生活保護行政について視察をしてきました。釧路市の生活保護率は
具体的には職業訓練、資格取得などの基本的な就労支援プログラムのほか、就業体験的ボランティア事業プログラム、日常生活意欲向上支援プログラムなど、生活保護者が安定的に就労できる状況を創出するために、地域のNPO法人、福祉法人や会社、病院、動物園、公園管理団体など幅広い連携により実施をしています。
さらに、受給母子世帯の貧困の再生産を防ぐために、高校進学支援プログラムとして、中学3年生を対象にした学習支援活動を地元のNPO法人==地域生活支援ネットワークサロンの協力で進めています。是非長野市でも、地域福祉の問題に積極的に取り組んでいる県内の大学や民間団体にも協力を求め、自立支援プログラムを研究していただきたいと思います。
また、雇用問題が解決しない限り、たとえ最低限の生活が保障されたとしても、社会とのつながりが切れてしまう住民が増えるばかりです。以前、何でも相談会に来られた方が、生活保護受給後、福祉事務所の就労支援で授産施設に通うことになり、今ではみんなに頼りにされながら仕事をこなしていると生き生きと報告に来てくれました。シルバー人材センター、授産施設、協同組合などにも協力を求め、また行政としても仕事をつくり出し、就労の場、社会参加の場を確保していただきたいと思います。御見解をお願いいたします。
◎保健福祉部長(松橋良三君)
自立支援プログラムにつきましては、本市では平成18年度から就労支援員を活用した自立支援プログラム実施要綱を定め、生活保護者の就労支援員がハローワークとの連携により実施しております。平成20年度は就労支援プログラムの利用者51名のうち41名が就労し、7世帯が生活保護から自立しております。
また、平成21年度は、この1月31日現在でございますが、就労支援プログラム利用者70名のうち45名が就労中でございまして、順調に就労支援の成果が上がっているものと考えております。
御質問にございました釧路市の自立支援プログラムでございますが、これは厚生労働省のモデル事業の指定を受けて、地元の大学やNPOの参加をもって独自のプログラムを構築したものであります。その特徴といたしましては、今までのような就労のできる方への支援だけでなく、それ以前の就労能力等の低い方を対象に含め、日常生活の自立、社会生活の自立、そして就労での自立へと段階的な自立支援プログラムの構築をされたものでございます。厚生労働省では、釧路市など、こういう先進的な取組をしている事例を参考といたしまして、就労意欲喚起等支援事業を平成21年度に創設したところでございます。
本市といたしましては、釧路市の先進的なプログラムのほかにも、全国では既に各市でプログラムを策定しておりますので、まずはこれらの状況を参考にしながら就労支援員による自立支援プログラム等の活用を中心に一層の自立支援の強化を図ってまいりたいと考えております。
次に、就労の場の確保でございますが、今後も授産施設への通所やシルバー人材センターへの登録のほか、ハローワークを活用するなど就労の場の確保に努めてまいります。
また、御提案のありました市としての仕事の場づくりにつきましては、庁内各課にも呼び掛けて研究をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
庁内各課にも呼び掛けて研究をしていただけるということですので、期待をしております。是非よろしくお願いをしたいと思います。
次に、第二のセーフティーネットとして生活福祉資金がありますが、より借りやすく、かつ、貸しやすいという方針で見直されています。その結果、多くの人たちが相談に訪れ、貸付件数も増えていますが、心配なことは、この制度は飽くまで貸付制度であり、いずれ返さなくてはならない、そういうものです。長く仕事から離れていることで、精神的にも強いダメージを受けている人たちが多額の借金を背負うことになります。生活保護につなげることができる人たちは確実に生活保護で救済することが必要であると思いますが、利用状況など含めて対応についてお伺いをいたします。
◎保健福祉部長(松橋良三君)
生活福祉基金につきましては、昨年の10月に抜本的な見直しがされました。これは利用者に分かりやすく柔軟な貸付けができるよう連帯保証人を不要にしたり、利率の引下げ等の改善を行ったものでございます。この結果、長野市社会福祉協議会の貸付けは平成21年4月から本年の2月まで、相談件数としまして582件で、前年同期と比べて
また、貸付件数も同期間で見ますと、平成21年度は138件で、前年度に比べて
次に、生活保護と生活福祉資金の貸付けとの関係でございます。
生活保護の相談時に、貸付制度の利用が可能と思われる方には、生活保護と貸付制度の概略を御説明し、両方の制度のメリットやデメリットを理解していく上で、どちらの制度の利用をするか選択していただいております。今後も事情をよくお聞きし、本人の意思を確認しながら保護の決定をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
生活保護と貸付制度をよく説明して本人の意思を確認して決めているということなんですが、生活保護を受けるということに対して非常に抵抗がある方もいらっしゃると思います。しかし、御本人の生活を考えれば、貸付けよりも生保の方がいいと思われる方がたくさんいらっしゃるわけで、是非その辺は本人の意思ももちろん大事なんですけれども、その方の自立、生活を立て直すためにどうすればいいかということを中心に、きちんとした正しい選択が行われるように御支援をいただきたいと思います。
次に、釧路市でも丁寧なケースワークをするために、非常に生活保護受給者が増えている中で、大変になっているという中で、高齢者世帯は別枠にして、嘱託で支援員を雇用し、高齢者世帯は見守りを中心に支援をし、ケースワーカーの負担を減らしたという工夫をされているようです。長野市でも急増する生保世帯に丁寧に対応するために、このような検討も必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか、御見解を伺います。
◎保健福祉部長(松橋良三君)
釧路市は、先ほど議員さんがおっしゃいましたように、市民20人に1人が生活保護の状態であって、ケースワーカーの増員が被保護者の増加に追い付かないことから、嘱託職員8人を雇用して高齢者世帯を専門に正規職員の支援をしているとお聞きしております。
本市といたしましては、社会福祉法によりケースワーカーは社会福祉主事でなければならないとされていることから、正規職員で対応をしております。ケースワーカーの負担軽減につきましては、本市は保護率が
ちなみに、昨年10月から面接相談員を1名増員し、現在、面接相談員2人、就労支援員1人で対応しております。また、正規の職員につきましても、昨年4月からは1名、本年の1月1日にも2名の増員をしたところでございます。今後も、職員の負担軽減に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
正規のケースワーカーが支援をするということは、これはとても大事なことで、それを否定するものではありませんし、正規の方を増やしていただきたいのは当然です。しかし、高齢者など安定をしている方については、地域の皆さんの力もかりて、見守りを中心とした支援をしていくという考え方も、私はいいのではないかと思います。その分ケースワーカーの皆さんが、先ほど言いました自立支援プログラムなど、そちらに一層力を入れていっていただけるような方向で考えていただければと思って御提案をいたしました。また、是非御検討をお願いをいたします。
次に移ります。
高齢者福祉について
高齢者福祉について伺います。
昨日の代表質問で施設整備については御説明がありましたので、改めてこれについては早急に施設整備を進めていただきたいという要望だけして、次に移ります。
2月26日付けの信濃毎日新聞1面で、特養入所基準ばらつき、という記事が大きく掲載をされました。長野広域連合の各施設では、県が示している指針を採用していますが、これだと在宅サービスの利用が多い人への配点が高く、サービスを利用できない低所得者層にしわ寄せが行くおそれがあるという指摘がされています。佐久、上伊那、諏訪、南信州の広域連合は、在宅サービスの利用率の配点を低く抑え、介護者などの状況の配点を高くしているとのことです。経済的な理由で、在宅サービスが利用できない人が、特養入所にも不利になることがないよう、十分配慮した入所基準となるよう改善を求めるものですが、実態と今後の対応を伺います。
また、民間の特養施設の基準はどのようになっているのか、併せてお伺いをいたします。
◎保健福祉部長(松橋良三君)
特別養護老人ホームの入所判定につきましては、長野県がガイドラインといたしまして、在宅での生活を送ることが困難である申込者を優先して入所させることを目的に、入所判定基準を示しており、これを参考に各特別養護老人ホームにおいて入所に関する基準や手続を作成しています。県が示しております具体的な基準といたしましては、入所希望者の介護度、認知症高齢者の日常生活自立度、介護者などの状況、在宅サービスの利用率及び入所申込時期を点数化した上で総合的に評価の上、入所の優先順位を決定することとされております。
この個別項目の配点でございますが、5項目の合計で、最高が105点となるもので、在宅サービス利用率の項目がおよそ半分に当たる50点となっており、他の項目に比べて高い割合を占めております。
各特別養護老人ホームの判定基準につきましては、市内に21の特別養護老人ホームがありますが、長野広域連合が運営する4施設の入所判定基準につきましては、県が示すガイドラインを採用しております。残りの民間が運営いたします17施設の入所判定基準につきましては、県のガイドラインを採用しているものが9施設、県のガイドラインを参考にしつつ、独自の基準を設けているものが8施設でございます。
独自基準の内容を見ますと、在宅サービスの利用率の項目では、県の基準より低い配点としている施設が5施設、入所希望者の介護度の項目では、逆に県の基準より高く配点しているものが4施設であるなど様々でございます。
県の判定基準では、設定していない評価項目といたしまして、入院や他の介護施設への入所期間や申込者の住所地などを評価項目として設定している施設も見受けられます。経済的な理由で在宅サービスを利用できない人が入所に際して不利になることのないようにとのことでございますが、平成20年度中に長野広域連合が運営しております8施設へ入所した人のうち、介護保険料が最も低い第1段階及び第2段階の人の割合は
このように、所得の低い方でも高い割合で入所している実態があるため、一概に経済的な理由で在宅サービスを利用できない人が入所に際して不利となっているとは思われませんが、この数字だけでは判断がつきかねるところでございます。いずれにいたしましても、今後入所判定のガイドラインにつきましては、長野県の動向を注視してまいります。
また、最も重要なことは、入所判定基準や手続について、入所申込者などに丁寧な説明を行うことにあると考えます。入所に関する透明性、公正性を一層確保するため、各施設にその旨を周知してまいりたいと考えております。
以上でございます。
ただ今の御説明で、低所得の方が入所に不利になっている状況ではないのではないかという御説明がありました。であるならば、実態に合わせて入所判定基準を見直していただくように、透明性を高めていっていただきたいと思います。県へも要望をしていっていただきたいと思います。
次に移ります。
国保の短期保険証の留め置き問題について
国保の短期保険証の留め置き問題についてお伺いをいたします。
反貧困ネット長野で行っている何でも相談会の健康相談には、保険証のない人が来られます。昨年9月15日に、簡易書留で発送された短期保険証のうち330件が戻され、そのうち245件がいまだに御本人のところには届いておらず、国保窓口で留め置きされております。
さらに、高額の滞納がある93世帯については、郵送することもなく最初から窓口交付にしていますが、このうちいまだに23件が留め置きとなっています。全国的にも窓口での留め置きが問題となり、昨年12月16日厚労省から、短期被保険者証の交付に際しての留意点についてという通知が出され、速やかに手元に届けるよう努めることという通知が出されています。既に9月から半年になろうとしていますが、窓口で留め置きされている世帯は、結局6か月間の短期国保証を受け取らないまま有効期限が切れてしまいます。滞納していることで市役所の敷居が高くなり、取りに来れないことは容易に想像できます。
しかし、そのような人たちこそ受診が遅れ、手後れになったり、精神的なダメージで自殺に追い込まれていってしまいます。既に4月以降の保険証交付の手続が始められていることと思いますが、すべての人に1日も早く保険証を交付するよう改善を求めます。御所見をお願いします。
◎生活部長(町田良夫君)
お答えします。
本市では国民健康保険料を滞納している世帯の滞納状況によりまして、6か月間有効の短期保険証を交付しております。この短期保険証の交付は、被保険者間の負担の公平を図るため、保険証の有効期間を短くすることにより、高額な滞納者や日ごろ連絡がとれない滞納者と納付相談、あるいは納付指導等を通じまして接触の機会を設け、保険料収入を確保しようというものでございます。また、保険証が第三者に渡ることのないよう、本市では簡易書留で発送しております。
議員さん御指摘のとおり、短期保険証の発送件数は1,845件でありましたけれども、市に戻ってきてしまった件数は合計で330件でありました。内訳は、転居先が不明によるものが73件、残り257件は不在等により保管期間が経過してしまったものであります。その後、市では再度通知を申し上げまして85件〔訂正済〕は受け取りとなりました。いまだ172件が取りに来られていない状況であります。
また、今年度簡易書留での郵送とは別に、再三の通知等を行っても納付がなく、また納付相談にも応じていただけない高額滞納者93件に対しまして、この短期保険証を窓口で交付するということにいたしました。その結果、保険証を受け取りに来られた方や、それから社会保険等の加入のため国保喪失の届出に来られた方、あるいは生活保護世帯となった方などで70件の方は処理をできたわけでございますが、残り23件は現在も保管となっております。
したがいまして、簡易書留による保管の保険証245件と、窓口交付による保管の保険証23件を合わせますと、現在短期保険証の保管数は268件でございます。市で保管しているこの短期保険証は、滞納等の理由により、市が意識的に滞納者に対しまして保険証を交付しないというものではございません。先ほどの窓口交付の93件の実態を見ましても、何らかの形で本人と接触が図れても窓口に来ない方や、どうやっても本人と接触が図れなかった方がいることを是非御理解いただきたいと思います。
1日も早く保険証を渡すことができるよう、引き続き電話連絡、あるいは納付指導員等による戸別訪問によりまして、該当者と接触の機会を持つよう努力をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
先ほどの厚労省の通知にはこのように書かれております。短期保険者証が世帯主が窓口に受け取りに来ないことにより被保険者の手元に届いていない場合は、電話連絡や家庭訪問などによる接触を試み、速やかに手元に届けるよう努めることとしています。長野市の場合は、きちんと御連絡をとっていただいているという努力はもちろん認めます。資格証明書を発行されていない丁寧な納付相談で今まで頑張ってこられてきた姿勢は、私たちは高く評価をしているものです。
しかし、よくよく調べてみたら、いまだに268件の短期保険証が窓口に置かれている。さらに、保険証を持っていない方が実際には相談に来られている。どうしてもこれはやはり見過ごすことができない状況になっているわけです。
昨日国会では、日本共産党の小池晃参議院議員が、国保の滞納者が保険証を交付されないまま自殺に追い込まれていたという非常に悲劇的なケースを国会で取り上げ、高い国保料の問題、医療費の問題を指摘いたしました。こんなに厳しい経済状況の中で、確かに納付相談に応じられない方は様々な困難を抱えていらっしゃることと思います。しかし、まずは保険証を届けて、その上で納付相談に乗る、あるいは生活の改善をどうやっていったらいいのか、困難をどう打開したらいいのかという相談に乗っていくということが大事だと思います。一日も早く保険証をまず普通郵便で、直接届けていただくように改善を要望するものですが、改めて御答弁をお願いいたします。
◎生活部長(町田良夫君)
お答えします。
議員さんの御指摘のとおり、厚労省から通知が参っております。その留意点に従いまして再三再四電話連絡、あるいは家庭訪問を繰り返ししております。これは今後も続ける予定でございます。私どもも一日でも早く短期保険証をお手元に届くように努力をさせていただきたいと思っている次第でございます。
なお、普通郵便でというお話ございましたが、これはやはり個人情報もございますので、確実に本人に届くということで、書留で、いわゆる簡易書留で行いたいということであります。
なお、先ほどの私の答弁のうち、短期保険証ですね、1845件発送しまして、不明が73件で257件残っておりましたけれども、再度御通知を申し上げまして、85件受け取りになりました。先ほど私35件と申し上げてしまったようですが、85件受け取りになりましたので、その時点では172件がとりに来られていないという状態でございますので、訂正をさせていただきます。
結局、半年過ぎてしまっているわけで、保険証を届けていないのと実態は同じになってしまいます。早急な改善を求めます。
次に移ります。
その他
その他としてお伺いをいたします。
本日、報道されました浅川ダムの長野市負担金の県からの返還について伺います。
既に、県が来年度予算案に10年間で返還するということで、5600万円を予算案に盛っているとのことですが、ダムが建設されようと、中止になろうと、利子を付けて返還するようしっかりと求めるべきと思います。5600万円では全く利子が付いていないわけです。利子を含めると幾らになるのか。また、この間の経過等、改めて見解をお伺いしたいと思います。
◎上下水道事業管理者(中村治雄君)
お答えさせていただきます。
初めに、旧浅川ダムの建設負担金返還の協議経過について先に御説明をさせていただきますが、ダム建設中止決定以来、建設負担金の返還について県に一日も早い負担金の返還を求めてまいりました。これに対し、県からは、ようやく1月8日の協議において、無利子で10年間の分割返還をしたい旨の提案があったものでございます。
しかし、県は協議の中で、この返還に当たっては、県議会における予算議案の議決と浅川ダム本体工事が国庫補助の対象となることが大前提だと、返還を100パーセント約束するものではないとの説明があり、市といたしましては、いまだ協議中であるものと考えております。
県議会における予算議決と国庫補助採択がされた後に、改めて県との協議を行い、返還金に関する変更協定を行い、返還金受入れの補正予算を議会に提案してまいりたいと考えております。
次に、返還金の利子を含めた金額についてお答えいたします。
本年3月31日に返還されると仮定した場合でございますが、民法第404条の法定利率5パーセントで計算いたしますと、約9億6900万円となります。
ただ、県との協議において、県は利子を付さない根拠として、特定多目的ダム法施行令に、共同事業者が事業への参加を取りやめた場合の返還ルールが規定されており、利子を付すものとされていないこと、またこれまでの国直轄ダム事業の中止等の事例のすべてにおいて、利子を付して返還していないことなどを挙げております。しかしながら、私どもとしましては、今後の協議において利子を含めた返還を要求してまいりたいと考えております。
以上です。
長野市財政が非常に厳しい中、市民負担も増やされている中で、市民もやはり利子を付けないということは絶対に納得をしないと思います。是非とも市長を先頭に利子を付けて返還を求めていただきたいと思いますが、鷲澤市長に、最後にその御意思を確認したいと思います。御所見をお願いいたします。
◎市長(鷲澤正一君)
中村上下水道事業管理者がお答えをしたとおりでございます。
それでは、市長もお力強く利子を求めて返還をしていただけるととりましたので、是非妥協することなくきっちりと県に対して求めていただきたいと思います。
今日は、みんなの声がながのをつくるということが議論になりましたが、みんなの声というのは、市長一人の声ではないのです。是非謙虚に市民の声に耳を傾けていただいて市政運営をお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
以上です。