議会報告

2010年3月定例市議会 原田のぶゆき議員討論

長野市役所第一庁舎及び市民会館を壊さずに使い続けることを求める

 29番、日本共産党長野市議団の原田誠之です。
 請願第一号長野市役所第一庁舎及び市民会館を壊さずに使い続けることを求める請願の総務委員会委員長報告に反対の立場から討論を行います。

 請願者は、平成17年の4町村の合併の際に取り交わされた協定書の建設計画には、庁舎の建て替えに合併特例債は使えないこと、建物の耐用年数60年には科学的根拠のないこと、第一庁舎は耐震工事で補強すれば、使い続けることが可能なこと、市民会館の利用実績からすれば、新しい市民会館は必要ないこととして、提出日までに集約された8391筆の署名を添えて請願しました。

 総務委員会における本請願の審査は、議会基本条例に基づき全委員の賛同により、本市議会史上初めて参考人として請願者が委員会に招かれ、請願に対する委員の質疑応答から始まりました。

 新友会や公明党の委員からは、利用実績や会館の問題点についてどう考えるか、障害者にも使いやすいバリアフリーやワンストップの窓口一本化になれば、利便性が高まるのではないか、箱物さえできれば、文化や芸術が良くなるとは一概には言えないが、市民会館利用者からは使い勝手が悪いとの声もある、耐震改修などしても、しばらくすればまた建て替えとなるのではないか、愛知県庁など診断の結果はどうだったのか、などの質問が出されました。

 これに対して請願者は、築44年を経過した長野市第一庁舎とほぼ同じ、築45年経過の愛知県庁西庁舎の例に触れ、コンクリートの調査をしたが問題はなく、耐震補強をすることで建物は長持ちし、40年、50年はもつ見込みとし、壊さず新しく建て替えなくても、耐震改修で建物の寿命は延びることや長野市の第一庁舎の約2倍の建物にもかかわらず、総事業費は約15億円と新築よりも安価にできることを愛知県の実例を示し、さらに長野県庁については、耐震強度は0・5程度だが、仕事をしながら基礎免震工法で機能を高める計画であること、松本市は古い建物で強度は0・3から0・4程度だが、鉄骨で囲い込んで耐震補強をしたこと、またバリアフリー問題については、古里支所や新しくできる柳原支所のように身近な支所のバリアフリーの充実こそ障害者にとって使いやすく有り難いと、支所の充実を求めております。
 ワンストップについては、第一庁舎と第二庁舎が分かれているが、市民に密着した機能にするために、ワンストップ機能を第二庁舎に移してもいいこと、いろいろな機能を市内に分散しておけば、災害時にも役立つのではと提案もしております。

 第一庁舎の建て替えで重要なことは、耐震診断を行ったコンサルタントの報告書に明記のとおり、コストと工期はかかるが、工事範囲を限定でき、基礎免震工法で工事を行えば、最高レベルの耐震安全性の確保が可能としております。

 市民会館は、使い勝手が悪く、建て替えた方がいいのではとの質問には、エアコンの効率や音響が悪いこと、どんちょうが古く危ないことなどを指摘し、これは改修すれば心配ないことを専門家も指摘していることなど、丁寧かつ明快に答えました。市民会館については、平成14年の劣化診断のみで耐震診断を行ってはいませんので、耐震診断を行うべきと強調もしておりました。

 私は、請願に添えられた、二つの建物は壊さず使い続ける8391筆の署名が、わずか1か月ほどで寄せられたことは、市民の関心の強さを示していますが、今日現在、どこまで寄せられたかを尋ねましたが請願者は、1万人を超え電話やホームページで締め切っても署名の協力は続いていると、市民の建て替えはやめてほしいという声は広がる一方であることを明らかにしています。

 また、合併特例債について当時の合併建設計画では、支所庁舎の整備計画はあるものの本庁舎の整備計画は読み取れないがとの質問に対し請願者は、長野県の関係部局への問い合わせでは、使えるかもしれないと担保しているが、総務省では使えないかもしれないとし、庁舎の建設計画を総務省に提出してみないと先が見えないとして、合併特例債の活用は不透明な部分のあることを指摘しています。

 さらに、請願者が耐用年数60年には科学的根拠のないこととしているが、共産党市議団は葛飾区や豊島区、鳥取市の庁舎の耐震対策について調査したことと関連し、理事者に問いました。いずれの自治体も、耐震強度がIs値0・3ないしは0・4であったものが免震、制震工法などで強度を高め、国の指針をクリアし、劣化対策を講じれば建物の寿命は50年、60年延びるとしているが、第一庁舎も耐震補強すれば寿命は40年、50年延びるのではないかとただしました。
 理事者は、補強すれば寿命は延びますと答弁しました。耐震補強しても、5年後10年後には建て替えなくてはならないということは事実でないことが明らかとなりました。建て替えに関する様々な情報を、正確に事実に沿って市民に提供すべきであります。

 しかも政信会の委員からも、長野市は十分に市民の声を聴取すべきであったと言ってきたが、請願者はどう考えるかとの参考人への質問に、情報公開でとった資料は第三者に影響を及ぼすとして、黒塗りの資料で情報が出てきた、最初から情報の公開をするべきであった、情報のタイミングを外された結果、市民は特に市庁舎についての情報の少なさに戸惑いを感じていたようです、と答えております。
 請願の審査をしながら、市長選挙での鷲澤市長は建て替えるかどうか改めて検討すると、二つの建物について白紙に戻すとしたにもかかわらず、建て替えるとしたことに今でも釈然としないものがあります。
 私は関係する予算の審査の際、白紙問題についてのみ本委員会に市長の出席を求め、釈明を求めましたが、それは多くの市民の声でもあったからであります。

 以上を申し上げ、請願者と日々高まる二つの建物は壊さず使い続けることを求める、1万筆を超す多くの市民の署名に託された思いを受け止め、本請願の採択を議員各位にお願い申し上げ、討論とします。

»一覧に戻る

年度別に見る

カテゴリ別に見る

議会報告の検索

皆様のご意見をお待ちしております

日本共産党長野市会議員団

長野市緑町1613 長野市役所内日本共産党控室
TEL 026-226-4911(内線3936)FAX 026-266-7882

お問い合わせ
トップへ戻る