議会報告

2010年3月定例市議会 佐藤くみこ議員

市長の政治姿勢について

浅川ダム建設問題について

市役所第一庁舎及び長野市民会館建て替え問題について

地元産業振興のための持続可能な地域づくりと仕事おこしについて

水道料金の値上げについて

学校図書館の充実について

食育推進計画について

市長の政治姿勢について

 25番佐藤久美子です。日本共産党市議団を代表して質問をいたします。
 まず、市長の政治姿勢について伺います。

 鳩山内閣の予算編成についてです。
 今年度の予算は、昨年の総選挙で国民が自公政権を退場させ、鳩山政権が発足した下で初めて編成されたものです。それだけに、政治を変えたいという国民の願いにこたえ、旧来の自公政権をどう転換し、国民の暮らしと日本経済をどう立て直すかが鋭く問われる予算であります。100年に1度と言われた経済危機が世界的には新興国の経済活動の活発化などによって一定の持ち直しも見られる中で、日本だけは二番底の心配も出され、ますます深刻化する経済情勢の下で編成された予算案でもあります。
 また、政治とお金を巡る問題、沖縄県民の総意を無視した米軍基地の移設問題など、旧来の自公政権と変わらぬ姿勢に国民の批判が強まっている状況もあります。
 さて、国内の経済状況を示す内閣府の2008年度国民経済計算が12月に発表され、雇用者報酬や企業所得などを合わせた国民所得は対前年比7・1パーセント減と、過去最大の減少幅を記録しました。国民所得の7割と最大のウエートを占める雇用者報酬は、1997年度の280兆円から09年253兆円と、総額で27兆円、約1割近くも落ち込み、18年前の1992年の水準であります。その一方で、企業の内部留保は1998年から急膨張し、10年間で約200兆円から400兆円と2倍に膨らみ、その半分近くが資本金10億円以上の大企業のため込みと言われています。
 大企業がばく大な利益を上げても国民の所得に反映されず、かえって雇用者報酬が落ち込んでいるのは、主要国の中でも日本だけという異常さです。社会的ルールを作って、内部留保の一部を雇用や中小企業、社会に還元させる政策の転換が必要だと考えるものです。市長の見解を伺います。

◎市長(鷲澤正一君)
 佐藤久美子議員さんの御質問にお答えをいたします。
 初めに、私の政治姿勢についてお答えをいたします。
 まず、鳩山内閣の予算編成に関しての御質問にお答えをいたします。
 内部留保につきましては、企業が利益の中から税金を支払った残りの蓄積でありまして、企業を安定的に発展させる重要なものであります。これは生産設備などに再投資されている場合が多く、現金や預金のように自由に使える手元資金とは違い、それを使うには設備などを売却し、現金化する必要があるわけでございます。
 仮に工場を売却するならば、そこで働く従業員を解雇しなければならず、逆に雇用を不安定化させ、さらには企業そのものの存続を不安定化させる危険性があります。私としては、企業がそれぞれの状況に応じて経営判断を下すべき問題であると考えております。
 経済雇用対策については、政権が交代しても喫緊の課題であることには変わりはありません。鳩山内閣は、子育て、教育など消費者支援の政策を掲げ、個人消費の拡大を中心に内需主導の成長を目指した予算を編成したものと理解をしております。この新年度予算の執行により、安全で安心な暮らしと経済成長が共に実現することを期待しておるところでございます。

 長野市新年度予算について伺います。
 こうした状況の下、過去10年間長野市民の懐はどう変化したか、負担増の実態を列挙してみますが、市はこの状況をどのように認識しているでしょうか。税制改正による影響額ですが、個人市民税で平成11年度以降主な改正を見てみました。一番大きな影響額は、定率減税の廃止で、2年間にわたりましたが15・2億円、平成15年度、配偶者特別控除の見直しで4・8億円、老年者控除の廃止で3・1億円、これで既に23億円の増税です。
 そのほか平成16年度均等割額の見直しで0・6億円、配偶者への均等割課税2年間で1・2億円、65歳以上の公的年金控除額の見直しで0・88億円、平成17年度税制改正で、65歳以上の所得125万円以下の非課税廃止措置で3年間で0・6億円と、合計26・3億円の増税となっています。

 次に、市民の平均所得の10年間の推移を調べてみました。平成10年の1998年と2008年を比べてみますと、営業所得では331万6000円から331万4000円へほぼ横ばいでありますが、給与所得者は371万5000円から327万6000円と、43万9000円一割の減、農業所得に至っては、230万5000円から183万9000円と、46万6000円2割の減と厳しい落ち込みであります。

 次に、使用料、利用料の引上げを見てみます。最近で一番大きかった影響額は、昨年のごみ処理手数料の引上げ4・2億円、一世帯当たり2900円でした。受益者負担の公平を口実に引上げを予定されていた各種サービスの値上げ3・6億円は、児童館・児童センターの利用料3000円が撤回されたため、この部分2・8億円を差し引くと8000万円の影響額で合計5億円。市民の運動と世論もあり、3000円の利用料撤回は当然のことでした。
 それにしても、市民のささやかな楽しみにまで値上げをして楽しみを奪っていることを改めて指摘しておきたいと思います。例えば、老人憩の家利用料、平成14年度70円だったものが100円になり、平成19年度には120円になり、新年度は150円に、何と2・15倍です。わずかな額と言われるかもしれませんが、1か月3万円から4万円の年金者にとっては大変な値上げであります。本来、引き下げて無料にすべきサービスです。
 新年度の影響額は45万1000円、どうしてもこの値上げをしなければ、市はやっていけないのですか。1464億7000万円の予算でやりくりできない金額でしょうか。成人学校の受講料は平成19年度4300円を5000円に、平成20年度は5800円、平成21年度は6500円、平成22年度は7300円にと、毎年大幅に値上げを行い、1・7倍です。やめざるを得ない、受講生が減っているのは、明らかに値上げの影響です。学習する意欲のある人からも意欲を奪っているではありませんか。
 負担増はこれだけではありません。国保料は3年間で24・5パーセントの値上げ、介護保険料の負担増、後期高齢者医療保険の保険料も値上げであります。市長は「入りを量りて出ずるを為す」といつも強調されます。市民の懐の入りはこういう状況なのです。市民の懐に思いを寄せて、市政のかじを取るのが市長の在り方ではありませんか。その上、さらに新年度は水道料金の値上げが提案されて、影響額は3億円と試算されています。影響を受けない市民は一人もいません。市民の悲鳴が聞こえてはきませんか。
 共産党市議団も加わる反貧困ネットながのは、毎月、何でも相談会を行い、この3月で11回目を数えましたが、約100人以上の市民の相談に乗っています。その中でも、生活すること、生きること、そのものが大変困難になってきていることを実感します。また、市内女性は、信濃毎日新聞が連載した笑顔のままでという認知症を患う家族や施設の生々しい状況を読み、集まるとその記事を話題にしていたと聞きました。高齢化が確実に進む中で、皆不安を抱えています。

 3月議会の開会前日に、長野市まちづくりアンケートの結果が発表され、市が特に力を入れるべきだと思う施策では、安定した雇用の確保が昨年より11・3ポイント増え、44・6パーセントとトップになり、雇用状況の悪化を反映したものでした。続いて、移動手段、医療体制、介護予防サービス、子育て支援と続いています。切実な施策に税金を使ってほしい、後に回せるものは後に回せと声を聞きます。
 新年度予算案について、1464億7000万円の使い方について、市民の暮らしと雇用を守るための施策に重点配分すべき、市民の暮らしの目線で税金の使い方の優先度を見直すべきと考えますが見解を伺います。また、新年度予算にはこうした厳しい情勢の中で、これ以上市民負担を増やすべきではありません。見解を伺います。

◎市長(鷲澤正一君)
 次に、長野市の新年度予算についてお答えをいたします。
 新年度予算については、子ども手当や高校教育の無償化などの新たな制度の創設や改廃に適切に対応しながら、市民ニーズを踏まえた重要性、優先性の高い施策の実現と財政規律を堅持した健全財政の推進を念頭に編成作業を行ったところであります。新年度においては、市政推進基盤となる横断的、包括的な施策として環境対策の充実、都市内分権の推進、産業基盤の整備、中山間地域の活性化を位置付け、これらを念頭に第四次長野市総合計画の多くの施策の中から、子育ち・子育て支援の推進、エネルギーの適正利用、快適で安全な教育環境の整備、公共交通機関の整備に優先的に財源を配分したところでありまして、一般会計予算総額の約14パーセントに当たる約200億円を計上しているところであります。
 これらの施策は、まちづくりアンケートの結果においても明らかなように、いずれも市民ニーズの高い施策でありまして、これらの施策を重点的、優先的に推進することにより地域が活性化するとともに、雇用の確保にもつながっていくものと考えているところであります。加えて、市域の7割を占める中山間地域と都市部が一体となって発展していくことが重要であり、農林業の再生や自然エネルギーの活用により、新産業の創出や雇用の確保にもつなげていく中山間地域経営と内需拡大のための施策のほか、緊急的な雇用確保にも配慮しているところであります。
 いずれにいたしましても、新年度予算につきましては、限られた財源を最大限有効に活用し、現下の厳しい経済・雇用状況に配慮しつつ、地域活性化につながる予算となったものと考えているところでございます。

浅川ダム建設問題について

 次に、市民の声を聴く姿勢について伺います。
 市長は、みんなの声がながのをつくるが政治姿勢の根幹と選挙中に公約されました。しかし、本当にそうなのか、誠実に実行されるのかお伺いいたします。

 浅川ダム建設問題についてであります。
 県は、2月定例会にダム建設の本体工事のための契約議案を提出しています。ダム建設に反対する市民は、昨年12月22日、浅川ダム建設事業に公金を使うことは不当と、住民監査請求署名を提出し、正式には3445名が請求人と認められ、過去最多の規模となりました。請求代理人として弁護団が23人付き、1月13日には100人以上の傍聴者が見守る中、15人が公開意見陳述を行うなど県政史上初めてのことも行われましたが、残念ながら2月22日、公金支出は不当とは言えないと棄却されました。ダム建設に反対する市民は、今後、住民訴訟を起こすことを決めています。
 市長は、選挙戦の中で、マスコミ各社から浅川ダム建設への対応を求められた際、県事業でありコメントは差し控えると述べておられました。ところが、2月4日に、浅川総合治水対策連絡協議会から要望を受け、長野県知事に計画どおりのダム事業の実施を要望しました。
 市長選挙アンケートでは、ダムの賛否を問う設問に、63パーセントの市民がダムを見直せという結果でした。2月16日、浅川ダム建設差し止めの住民監査請求をすすめる会外5団体の申入れに対し、市長はそんなアンケートは知らない、見たこともないと、全く不誠実な対応でした。63パーセントの市民の意向は全く無視をされたわけですが、市民不在ではありませんか。これがみんなの声がながのをつくると、市民の声を聴くとした市長の政治姿勢の根幹なのでしょうか見解を伺います。

 また、長野市は既に浅川ダム事業に水道水利用のための負担金として5億6000万円支払っています。しかし、水道水として利用することがなくなったため、当然5億6000万円は返してもらうべきお金です。県は財政が厳しいことを口実にいまだ返金していません。こうした事態をそのままにして、市は水道料金を上げようとしていますが、到底納得できません。このことについても見解を伺います。

◎市長(鷲澤正一君)
 次に、浅川ダムに関する政治姿勢についての御質問にお答えをいたします。
 浅川ダムについては、様々な御意見があることは承知しております。しかし、県ではこれまで住民の皆様を交え、ダムによらない案を含め様々な治水対策が検討され、何年もの議論を経て最終的に治水専用ダムと河川改修を組み合わせた対策を進めることが、最も望ましいとの判断に至ったと認識しております。
 また、1月29日には浅川、若槻、三輪、吉田、朝陽、古里、柳原、長沼及び豊野の浅川流域九地区における治水対策委員会などで組織する浅川総合治水対策連絡協議会から浅川流域を洪水から守り、1日も早く安全で安心して暮らせる地域を実現するため、ダムを今年度内に着手し、早期完成を図ることを地元市長として県へ働き掛けるよう正式に要望されました。私としては、地域の強い要望にこえるべく、2月4日に県知事及び県議会に対し浅川改修期成同盟会会長として、同様の要望を行ったところであります。
 いずれにしても、市民の生命・財産を守る立場にある市長としては、県の対策を信頼し、今後ともダムを初めとする浅川全体の治水対策が計画どおり進むよう求めていきたいと考えております。
 次に、浅川ダム建設負担金約5億6000万円の返還が実現されないまま、水道料金の改定を行うことについてお答えいたします。
 浅川ダム建設負担金につきましては、本年度も県との間で3回の会議を開催し、浅川ダム建設負担金の返還について強く要望をしているところでございます。仮に、浅川ダム建設負担金が返還されたとしても、建設仮勘定となっている資産へ充てられるため、料金収入の穴を埋めることはできないものであります。今回の水道料金の改定は、料金収入の激減による補てん分と老朽化施設の計画的更新に財源の確保が必要なことから行うものでございますので、御理解を賜りたいと思います。

<<再質問>>
 浅川ダムの建設についてアンケートの結果、63パーセントの人が見直すべきと答えていますが、この結果についてはどう受け止めておられますか。また、建設負担金の5億6000万円の話ですが、3回県と協議されたと言われましたが、その日時と県の回答の内容についてお聞かせください。

◎市長(鷲澤正一君)
 浅川ダムの世論調査うんぬんというのは、私もよく知らなかったんですが、去年の11月ごろの話だそうでございます。それは私、正直言うと、よくそのことについては理解しておりませんでしたが、この前そういう話をお聞きしました。しかし、基本的にですね、この問題について世論調査で決める筋合いのものではないと、私はそう思っています。
 以上です。

◎上下水道事業管理者(中村治雄君)
 浅川ダム建設負担金5億6000万円の協議の内容についての説明ということでございますが、私の方で説明させていただきます。
 都合3回でございますが、昨年の6月9日、9月1日、それから1月8日〔訂正済〕と、その3回にわたって協議を行っております。その内容につきましては、まず返還額の確定、それから返還額の返し方の方法、それから当然、まだ協定の変更はしてございませんものですから、その協定等々の変更の中身等という形について協議をしております。
 残念ながら、細かな回答は得られなかったということでございます。
 以上です。

市役所第一庁舎及び長野市民会館建て替え問題について

 市役所第一庁舎及び長野市民会館建て替え問題について伺います。
 市は、市役所庁舎と市民会館は耐震強度が不足しているとして、市民の納得や合意が不十分なまま建て替えを急いでいます。しかし、平成26年度と27年度にかけて二つの建物で市負担分は95億円を超え、さらに合併特例債という借金を70億円も増やします。この問題に対し、市民の暮らしも市の財政も厳しく大変なこの時期に新しく建て替える必要があるのかと、厳しい批判が相次いでいます。巨額の税金を使う新築はやめ、安価で数十年は使える耐震改修と全面改装で使いやすさと安全性は確保できます。
 長野まちづくりを考える市民の会が集めた、長野市役所第一庁舎と市民会館を壊さず、使い続けることを求める署名も9000人を超えたと伺っています。<市民合意のない中で強行しようとの姿勢は、到底許されるものではありません。共産党市議団は二つの施設について速やかに耐震改修及びリニューアルを行い、使いやすく安全な施設にして、当分の間継続使用することを求めます。
 将来の両施設の在り方は幅広い市民、専門家などによる研究と検討を重ね、市民合意で作り上げていくことを主張するものです。建て替えの方針について、次の10点で問題点を指摘し、それぞれに見解を求めます。

 1、10月の市長選挙で建て替えは白紙、可否を含めて市民意見を聴いて決めると明言しました。ところが、1月8日の記者会見で選挙中に白紙と言ったのは、選挙対策で白紙と言ったと受け止めるなら、否定はしない。ある意味、私の選挙戦術だったと居直り発言。これは全く市民や議会の意向を無視したものです。市民からは、さきの市長選挙はやり直してもらいたいとの厳しい意見も出ています。こんな市民無視のプロセスで決定した庁舎、市民会館の建て替え強行は認められませんが見解を伺います。

◎市長(鷲澤正一君)
 次に、市役所第一庁舎、長野市民会館の建て替え問題についてお答えをいたします。
 初めに、白紙発言と建設検討委員会の進め方についてお答えをいたします。
 私は、昨年の市長選に臨み、市民会館の建て替えについて白紙と申し上げましたのは、これまで検討してまいりました市の考えに対して改めて建て替えの要不要を含め、市民の皆様の御意見をお聴きしたいと考えたからであります。また、耐震化の検討に併せ財源措置についても調査検討を行い、合併特例債の活用が最も市の負担軽減が図られるものと判断いたしました。
 しかし、この合併特例債は対象となる事業の完了期限が平成26年度末までと定められており、建て替えとする場合には、規模、機能などの検討や基本計画の策定、設計、工事などに要する期間を考慮すると、今から検討しなければ、合併特例債の活用ができなくなる可能性があります。このようなことから、建設検討委員会では建て替えの要否と併せ、仮に建て替えとした場合の市民会館の在り方について御検討をいただいたものであります。
 次に、市民を無視して建て替えを決定したとのことでございますが、両施設の在り方につきましては、昨年4月に市の基本的方針を市民の皆様にお示しし、11月には両施設の建て替えの是非を含め、直接声をお聴きする市民会議を開催いたしました。以来、多くの皆様から御意見、御要望を頂き、市民意見、議会での論議、検討委員会の提言を基に本年1月に基本構想案を策定しました。
 この基本構想案は、あらゆる広報媒体を通じて市民の皆様にお知らせするとともに、2月には概要版の全戸配布や住民自治協議会連絡会、第三地区を初めとする各区長会、文化芸術団体、福祉団体などにも御説明し、御意見を伺ってまいりました。また、38万市民の代表である議員の皆様には、1月に両施設の基本構想案を御説明し、御見解を示していただきました。これらの御意見などを総合的に判断し、2月に基本構想を決定したものでございます。
 このように、両施設については様々な手法により、可能な限り多くの皆様に市の考え方をお示しし、御意見を頂いた上で政策決定したものであり、今後ともその姿勢を貫いてまいりたいと考えております。

<<再質問>>
 まず最初に、私は何よりも今、最優先させなければならないのは、市民の日々の暮らし、雇用を守ることではないかと考えるものであります。実際、庁舎の建設基金の積立がこの新年度予算5億450万円盛り込まれておりますが、私はそうしたことよりも、まず市民の負担軽減、そして暮らしを応援するために使うべきだと思いますが、この点についてお答えを願います。市長は、いったん白紙に戻したというところの答弁でありますが、実際に白紙にした形跡はどのように残されているのかお聞きします。

◎市長(鷲澤正一君)
 幾つかの再質問が出ておりますが、私の方からは、白紙にしたというのは、確かに私が申し上げたことでございますが、このことについてお答えをしておきます。
 白紙にしたということはですね、私は確かに選挙中にそういうことを申し上げました。それは、実際形としては11月16日に開催をされた市民会議の席上のところまでは、私一切白紙ということで、それに対する意見を一切述べてこなかったことは事実でございます。ただし、私は白紙にした一番の理由は、はっきり言うと、こういうことを選挙の争点にしたくなかったということでございます。
 争点にした結果として、例えば仮に私が推進派であり、ほかの方が反対派であったとしたならば、もしそこで私が負けたとした場合には、それによって実はできなくなってしまうということになる、そのことが実は長野市にとっては、大変大きな私は傷になると、傷っていう言い方はおかしい、長野市としては、非常に困った問題になるというふうに、私は考えました。
 したがって、白紙にしてこれを争点から外すということを前提にして考えたわけでございます。白紙にした結果として、11月16日にやって、皆さんからいろいろな話をお聞きいたしました。あのときに前へ出ていただいた方は10人の方でございました。それぞれ5人、反対の方5人、賛成の方5人という形で出ていただきましたが、正直に申し上げると、反対の5人の方を探すのは、実は大変苦労しました。公募の方がいなかったのです。ぎりぎりでございました。しかも、その中のお1人は、後で私に、私何で反対派に入れられたんですかというふうにおっしゃったぐらい。
 要するに、反対の方の意見というのは、何人かの方は大変強いことをおっしゃっていますけれども、それほど実は多くなく、皆さんの前で意見を開陳する方は、私は余りいなかったなと、これは本音でございます。
 ですから、私は11月16日まで白紙だと申し上げたのは、そういう理由で白紙と申し上げて今日までやってまいりました。
 以上です。

◎財政部長(久代伸次君)
 私から、庁舎基金5億円よりも市民の暮らし、安心などの予算にというような御意見につきましてお答え申し上げます。
 一応、優先施策ということで掲げております子育ち・子育て支援の推進、以下4事業ですね、これにつきまして一般会計総額の14パーセントに当たる200億円を計上しておるということでございまして、市民ニーズの高い施策に財源を重点的、優先的に配分した予算としておるところでございます。
 以上でございます。

 2、合併特例債の問題です。合併特例債とは、後年度に国が地方交付税でみてくれるということですけれども、3割が市負担で一般財源の持ち出しは大きいです。また、小泉内閣の三位一体の改革で地方交付税は減らされ、制度の先行きや総額が不透明です。オリンピック施設建設の借金返済が残る中、新たな借金を積み重ねれば、将来の財政破たんにつながるおそれがありますし、これ以上の借金はすべきではないと考えますが、市の見解を伺います。
 また、豊野、戸隠、鬼無里、大岡の合併建設計画には、本庁舎の建て替え建設計画は書かれていません。当時の協議に参加した人にも確認をしましたが、本庁舎については全く触れた覚えもないとのことでした。平成17年の合併に合わせて建設計画を立てていますが、耐震診断は18年ですので、その経過からも、本来合併特例債は対象ではないと考えるものですが、どうでしょうか。いざ申請したときに、本当に合併特例債が使えるのか説明を求めます。

◎財政部長(久代伸次君)
 私からは、合併特例債の問題でこれ以上借金をすべきではないのではないかという御意見についてお答えいたします。
 交付税制度の先行きが不透明である中、新たな借金をすべきではないということでございますが、交付税制度につきましては、地方自治体間の財源の不均衡を調整し、財源を保障するための地方固有の財源でございます。
 交付税制度の先行きは不透明ではありますが、現政権が掲げる地域のことは地域が決める地域主権の理念の下、国と地方の役割分担の明確化とともに、その役割に見合った地方税財政基盤が確立される中で、財源調整機能と財源保障機能を持つ地方固有の財源として強化されていかなければならないものというふうに確信しておるところでございます。
 また、国の施策推進や財源手当のために発行を認められております合併特例債や過疎債、臨時財政対策債など、いずれも元利償還金に対しては法律の定めるところにより、地方交付税算定の際に基準財政需要額に算入するものとされており、全国の地方自治体はその前提により財政運営を行っていることから、既に実施されている財政措置は、今後も継続措置されていくものと考えております。

 次に、市債についてでありますが、市民が安全に安心して暮らしていく地域社会をつくるため、また本市の魅力を更に高めるための事業には、当然のことながら相当程度の財源が必要であり、市債は有効な財源の一つであると考えております。また、市債は単年度に多額の経費が必要となる事業の財源を確保するほか、財政負担を後年度に平準化するという年度間の調整機能を有しているものであります。
 市債の発行に当たっては、交付税措置があることを前提に、無秩序に事業を進めるのではなく、第一に事業の必要性、緊急性を判断した上で当該事業を実施する際に、本市の財政負担を軽減するための有効な財源の一つとして活用すべきであると考えております。また、市債の残高に配慮することも必要ではありますが、加えて借金返済額である公債費が毎年度の本市財政運営の支障とならないよう配慮していくことも重要であると考えております。
 いずれにいたしましても、本市が将来にわたって安定した行政サービスが継続して実施できるよう、将来を見据えた財政運営に心掛けてまいりたいと考えております。

◎総務部長(鈴木栄一君)
 私から、市役所第一庁舎及び長野市民会館建て替え問題につきまして、まず本庁舎の建て替えは、合併特例債の対象ではないとのことについてお答えをいたします。
 平成17年の長野市及び1町3村との合併建設計画では、効率的な行財政運営の項に必要かつ合理的な機能を備えた組織を構築し、庁舎を計画的に整備することにより、市民の利便性や地域の拠点性の向上を図りますと明記をしており、本庁舎の整備についても計画に盛り込んでいます。何ら問題ないと考えております。

 3、市民会館の建て替え地は権堂地区に決まりましたが、市街地再開発事業での市民会館建て替えは市の負担が95億円以上、市民会館の集客等まち活性化への波及効果も不明です。市街地再開発事業は、全国的にも相次ぎ破たんするなど、まちづくりの視点からも見直すべきではありませんか。見解を伺います。

◎都市整備部長(高見澤裕史君)
 私から、市民会館を含む権堂地区の再開発に関し、まちづくりの視点からどうかという御質問についてお答えいたします。
 商業の中心であった権堂地区は、中心となるアーケード通りですら、今は空き店舗が目立ち、周辺でも多くの空き地が駐車場となっているのが現状で、かつての繁華街のにぎわいが失われつつあります。このため、平成19年から地区の皆様がにぎわいを取り戻そうと、地区全体でまち再生の研究を進めてまいりました。そこに昨年、市民会館の話が持ち上がったことから、再開発事業との一体化で構想の具現化に向けて取り組んでまいりました。
 権堂地区及び中心市街地においてイトーヨーカドー長野店の存続は、住民の生活必需品の日常的供給に不可欠であり、また同時に今回の再開発事業の成否においても重要なポイントとなります。その意味で、先ごろの会社トップの長野店存続にかかわる前向きな発言は、住民にとっても、市としても大変うれしいことであります。
 現在の再開発事業の状況は、過日2月23日に権利者の皆様により権堂B1地区再開発事業準備組合が設立されました。現段階では、まだ全員の権利者の同意を頂くという状況には至っておりませんが、今後、この準備組合を中心に事業計画をまとめていく中で交渉を進め、御理解、御協力を得ていく予定でございます。また、本事業には地元はもちろん、周辺の区、商店街からも全面的な御支援、御協力をいただけることとなっております。
 なお、市の費用負担につきましては、事業全体の詳細な計画がまだ固まっていませんので、再開発事業に対する補助金等については、本組合設立までに固めてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、市民会館を含む再開発事業等による権堂地区の再生は、まちの魅力を高め、集客力を向上し、地域の文化度を高めることにもつながることから、単に権堂地区だけでなく中心市街地全体の活性化、まちづくりにおいて大変重要であると考えております。
 以上です。

 4、平成18年の改正耐震改修促進法に基づく、長野市耐震改修促進計画は、平成27年度までに市有施設の耐震化率90パーセント以上としています。市内の県庁舎、議会棟、中央郵便局、中央警察署、貯金センターを初め、全国で多くの官公庁庁舎が財政負担を少なくし、業務をしながら迅速に耐震化できる免震工法などで防災拠点の庁舎耐震化を急いでいます。地域の防災拠点となる小・中学校の改築は平成31年度までかかります。保育園などと共に最優先すべきではありませんか。

 5、第一庁舎の耐震診断の結果を公表した当時、市長は都市内分権をスタートさせたから、各支所や地域を強化しなければならない。分散化も考えられるなどと明言されていました。新年度から本格的な住民自治協議会の活動が開始される中で、多くの地域で住民自治協議会の拠点としての支所庁舎の整備充実、一番身近な文化活動の拠点である公民館改修などを要望しています。現在の本庁舎は耐震改修で十分とし、新しい市民ニーズにこたえることが重要ではありませんか見解を伺います。

◎建設部長(内山秀一君)
 防災拠点施設の早期耐震化についてお答えいたします。
 市有施設につきましては、平成20年2月に策定した長野市耐震改修促進計画において、多数の方が利用する特定建築物のほか、災害時に対策本部等となる本庁舎、支所及び消防署など、また避難場所となる学校や社会体育館などについては、防災拠点施設として位置付け、耐震化を促進する計画となっております。
 この耐震改修促進計画に基づきまして、避難場所となる施設及び災害対策本部となる庁舎などを優先しながら、計画的に耐震化を図っております。また、その他の施設、例えば平屋の保育園などの防災拠点施設についても順次計画的に耐震化を図っております。
 このような各施設を所管する教育委員会、保健福祉部、消防局などでは計画的に耐震化を図るため、具体的な整備計画を策定しております。これらの整備計画では、各施設の老朽度、診断結果、年度ごとの事業量などを総合的に勘案し策定しておりますが、国の臨時的な支援策等が新たにできた場合には積極的に取り入れるなどし、現時点の計画にとらわれず、できる限り早期に耐震化を図るよう努めてまいりたいと考えております。

◎教育次長(篠原邦彦君)
 公民館の整備状況についてでありますが、市では現在、本館29館、分館31館の公民館の管理を行っております。その中で、長野市耐震改修促進計画に位置付けられている公民館は10館でございます。
 そのうち、平成27年度までに建て替えを予定している公民館は、柳原、大豆島、川中島の3館であります。柳原公民館は柳原総合市民センターとして、この3月中にしゅん工の予定となっており、支所、公民館、東部文化ホールを併設した施設で、環境に配慮しただれにも使いやすい施設設計となっており、既設の社会体育館と共に地域活動の拠点、文化芸術活動の拠点としての役割を果たしていくことができるものと考えています。
 耐震診断につきましては、平成20年度に城山公民館を実施し、今年度支所と併せまして篠ノ井公民館、若槻公民館の2館について実施をいたしました。ほかの公民館につきましても、耐震化対策を鋭意進めてまいりたいと考えておりまして、現時点での耐震化計画では、平成26年度までに80パーセントの耐震化を図る予定です。
 なお、平成22年度は城山公民館の耐震補強等のほか篠ノ井公民館塩崎分館の建て替え、更北公民館のトイレ改修工事などを予定しております。今後も生涯学習の拠点である公民館につきましては、緊急性や地域要望などを十分に検討し、計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。

◎総務部長(鈴木栄一君)
 現在の本庁舎は、耐震改修で十分とし、新しい市民ニーズにこたえることが重要ではないかとの御質問でありますが、市役所第一庁舎の耐震対策については、18年度に実施した耐震診断の結果を受けて、耐震改修、建て替え、他施設への移転の三つの方法について費用対効果、市民サービス面、庁舎機能の維持、また現庁舎の課題の解消などの観点から庁内での検討、有識者や公募市民による市役所第一庁舎及び長野市民会館在り方懇話会の報告、また多くの市民意見などを基に十分な分析・検討を行った結果、建て替えとする基本構想を決定したものであります。
 御要望のありました支所の整備でありますが、耐震診断が必要な施設は篠ノ井支所、若槻支所など5支所あります。今年度は篠ノ井支所、若槻支所の耐震診断を実施いたしました。来年度は七二会支所、23年度には更北支所、芋井支所を予定しております。
 なお、各支所は災害本部等に位置付けられておりますので、長野市耐震改修促進計画に基づきまして、平成26年度までにすべての支所の整備が完了する予定であります。

 6、現在の市民会館は昭和の代表的な建築物で、歴史的・文化的価値の検証が必要です。市民会館の建物は著名な建築家である佐藤武夫氏、この方は日光東照宮の鳴き竜現象の解明者、日本建築音響学の先駆者、早稲田大学の大隈講堂などを設計された方ですが、1963年の建築業協会賞を受賞した建造物です。かつての仏閣式旧長野駅舎を壊した苦い経験を繰り返してはなりません。現市民会館の歴史的・文化的価値について、改めて専門家を含めて十分な市民的検証が必要ではありませんか見解を伺います。

◎総務部長(鈴木栄一君)
 次に、現市民会館の歴史的・文化的価値について検証が必要ではないかについてお答えをいたします。
 市民会館は音楽、演劇、舞踊などの文化芸術や集会、式典などの市民活動の拠点施設として、市民の皆さんに長く利用されてきた施設です。しかしながら、建設後48年が経過し、現状は、当時市民会館に求められていた機能と、現在市民が求めている機能とが大きくかい離している状況にあります。
 市民会館は、役目を終えた単なる歴史的施設ではなく、今後も市の文化芸術活動の中心的存在であり続ける施設と考えております。そのためには、今の市民ニーズに応じられるものにしていく必要があります。
 なお、現市民会館に使われているれんがなどの素材を新たな建物で保存・活用できるかどうかについては、検討してまいりたいと考えております。

 7、県民文化会館、オリンピック施設など既存の市内の公共・民間ホール全体の配置の中で、市民会館の役割の議論が必要です。問題が指摘されている県民文化会館中ホールの改修、若里市民文化ホールの演劇仕様などへの改修も必要です。市文化芸術振興計画の中で、市民会館の将来の在り方も市民的議論が必要ではないでしょうか。

◎教育次長(篠原邦彦君)
 次に、長野市文化芸術振興計画の中で、市民的な議論が必要ではないかとの御質問でございますが、本市の文化芸術の振興を図るため、昨年9月、長野市文化芸術及びスポーツの振興による文化力あふれるまちづくり条例を制定し、本条例の基本理念の一つに、文化芸術の振興による文化力あふれるまちづくりを目指して市民等がひとしく文化芸術に親しみ、参加し、又はこれらの活動を活発に行うことができる環境の整備を図ることをうたっております。
 この条例の基本理念を具現化し、文化芸術の振興を総合的かつ計画的に進めるための長野市文化芸術振興計画につきましては、文化芸術振興基本法において、地方公共団体の責務として策定及び実施が求められている施策であり、文化芸術団体の代表者及び公募の市民等で構成する長野市芸術文化振興方針策定会議からの提言に基づき振興計画の策定を進めてきたものでございます。
 現在、市民意見等の募集を行っているところでございます。計画の素案では、方策の柱の一つに文化芸術活動施設は市民の文化芸術活動を支える重要な社会基盤であり、文化芸術の振興に欠かせない施設であるとして、文化芸術振興の拠点となる施設を整備し、適切な管理運営を図ることを掲げております。
 施設整備のほかにも文化芸術の鑑賞や発表の機会の充実、市民等の自主的で創造的な文化芸術活動への支援、伝統文化の継承などを掲げ、今後の本市の文化芸術を総合的に振興していく指針となるものでございます。議員さん御指摘の市民会館の役割、将来の在り方等については、市民会館の基本計画や基本設計、運営管理計画を検討していく中で、市民ワークショップなどにより議論されていくものと考えております。

 8、これだけ大規模な公共事業に対し、市民が果たしてどれだけ理解をしているのか、正確な民意の反映が必要ではありませんか。御存じのように、佐久市は住民投票を行って意向調査するとしています。住民投票するくらいの市民の声、意向調査をするべきです。
 市長は、11月16日の市民懇談会まで白紙だったと言われました。しかし、あの日に市民会館に来ていた人は400人です。アンケートに答えた人の7割が賛成したとしても、余りにも規模が違います。市に寄せられている意見も含めて554人です。まちづくりアンケートでさえ5000人を対象にしているのです。長野市役所第一庁舎と市民会館を壊さず、使い続けることを求める署名も9000人を超えています。市民の民意の把握について見解を伺います。

◎総務部長(鈴木栄一君)
 次に、大規模な公共事業に対し、正確な民意の把握が必要ではないかについてお答えをいたします。
 第一庁舎及び市民会館については、市の文化芸術振興の在り方、地方分権を見据えた都市像など将来的なまちづくり、財政運営など様々な要素を総合的に検討し、判断すべき課題であります。そのため、単に賛否の数を問う住民投票やアンケート調査などではなく、市の考え方をお示しし、市民意見や要望をお聴きする市民意見公募==パブリックコメントでありますが、その手法が適していると考えております。
 多くの市民の皆さんから御意見を頂きながら検討を進めていくためには、これまで第一庁舎及び長野市民会館の在り方懇話会や長野市民会館建設検討委員会といった検討組織の設置を初め、広報ながのや全戸配布によるお知らせ、市民会議や出前講座の開催など、可能な限り様々な機会をとらえて情報提供に努めてまいりました。その結果、2月14日までに延べ561人の市民の皆さんから、合計で1566件の御意見、また10の団体からの御要望などを頂き、基本構想策定に際し参考とさせていただきました。
 今後も住民自治協議会や区長会、地域や関係団体の皆さんへの説明を初め、市民ワークショップの開催などにより御意見、御提案を十分お聴きし、民意の把握に努めてまいります。

 9、全国の免震・耐震工法での対応から見えてきたもの。中核市の中でも耐震補強と建て替えと半々だと市も説明しています。全国には建て替えではなく耐震工法、免震工法で庁舎や市民会館を工事している例があり、共産党市議団も松戸市民会館、豊島区庁舎、葛飾区庁舎、鳥取市庁舎・市民会館とそれぞれ調査視察に行ってきました。
 松戸市民会館は昭和39年建設で、築45年経過しています。毎年1000万円以上の予算を付け、修繕し、維持管理しています。平成9年に議会の指摘があり、建て替えか改修か庁内議論をしたが、財政的に余地がないと耐震改修という方針を選択しました。平成11年に耐震診断を行った結果、震度5でひび割れるなどと判明、エレベーター設置も含め、人命にかかわることだと2億5000万円で耐震改修。耐震強度が高まり平成25年まで活用できることになりました。議会の検討委員会は、今後の在り方を検討し、建て替えはしないと決めたそうです。
 豊島区区役所本庁、区役所本庁舎は昭和36年建設、築48年、平成7年に耐震診断、Is値0・3程度だったため、耐震補強工事で免震レトロフィット工法を取り入れています。工期は2年9か月、工事費17億1800万円、工事部分が地下のため事務室の移転は不要、住民サービス低下も回避、執務スペース維持、移転費用は起債の対象にならず、事業費のほとんどが工事費用で起債対象で、Is値は0・9から1になったとのことであります。事業費としては免震は高いが、耐震補強工事による工法で移転が生じると、同程度になる。
 全国の例はそれぞれ条件が違っていますが、どこも住民の意見と議会の意向とを尊重しながら進めています。そして、財政が厳しい中で、市民に負担をこれ以上掛けられない。環境問題としても耐震補強が一番と対策を進めていますが見解はどうですか。市当局は、全国の耐震補強を行った例をつぶさに視察調査したのか伺います。

◎総務部長(鈴木栄一君)
 次に、財政が厳しい中で、市民負担を考え、環境問題としても耐震補強がいいのではないか。また、他都市の事例は視察調査したのかについてお答えをいたします。
 本市では、平成18年度の第一庁舎の耐震診断結果を受けて、これまで庁内での検討を初めとして、学識経験者や市民公募委員から成る専門組織で検討をいただいてきたほか市民意見の分析・検討、議会での議論をいただきながら、長い間検討を重ね、総合的に建て替えを選択したものであります。
 建て替えることによって、第一庁舎にあっては、ワンストップサービスや防災拠点機能の確立など、市民の利便性向上や安全性の確保が可能となります。また、市民会館にあっては、文化芸術振興の拠点施設として多くの市民に利用されることはもちろん、まちづくりへの波及効果や観光振興の効果、ひいては本市のブランドイメージの向上につながることが期待できます。
 加えて、財政面においても、いずれ建て替え時期が訪れる中にあって、今後100年というライフサイクルコストを考えたときには、これまで積み立ててきた基金や合併特例債を活用して建て替えを行うことが、将来において長野市の財政負担を少なくすることができる最良のタイミングであると考えております。
 また、環境面でも既存建物を解体すれば、一時的に廃棄物は増加しますが、長年使い続けることで環境負荷が大きいことを考慮すれば、建て替えによりCO2排出量の削減やランニングコストの軽減も図ることができます。
 また、他都市の耐震改修をしている事例につきましても、費用対効果の比較検討や耐震対策の考え方などの聞き取り等を行いまして、参考としております。しかし、改修を選択した理由は、建て替える土地がない、基金などがなく財政的に困難、庁舎機能が現在の状況で充足しているなど様々であり、条件が全く同じという都市はあり得ません。
 いずれにいたしましても、建て替えることで耐震改修やリニューアルでは実現できない優良な財産として、両施設を後世の市民に引き継ぐことができるものと考えております。
 私からは以上であります。

 10、財政見通しについてです。
 市長は、今まで財政運営の健全化を強調し、大型公共事業がめじろ押しなので厳しいということを盛んに説明し、受益者負担の公平化ということで利用料、使用料の引上げを行ってきました。平成24年ごろオリンピック関連起債が終わって、斎場、ごみ焼却場、学校などの耐震化工事などに財政配分を傾斜するとしていましたが、市役所庁舎と市民会館の建て替えを26年度しゅん工に間に合わせるとなると、財政運営の見通しはどうか説明願います。
 市民の暮らしを犠牲にして、何よりも大型公共事業をコンクリートを使った箱物建設を含め優先させる姿勢では、市民の願いにこたえることにはなりません。市民の願いを尊重して予算化することこそ、市長選挙で示された市民の声ではありませんか。見解を伺います。

◎財政部長(久代伸次君)
 市役所庁舎と市民会館の建て替えを26年度しゅん工に間に合わせた場合の財政運営の見通しについてお答えいたします。
 現在、平成22年度当初予算案を基礎に、普通会計における今後10年間の財政状況の推計作業を進めております。この財政推計に当たりましては、今後予定される大規模プロジェクト事業として、小・中学校耐震化事業や長野駅周辺第二土地区画整理事業、斎場やごみ処理施設関連事業のほか、市役所第一庁舎及び市民会館の建設事業について、現在見込まれている事業費による試算を行っております。
 なお、この推計作業に当たっては、地方交付税は平成22年度地方財政計画に基づき、合併による特例措置終了の影響や公債費、税収等の増減の影響を勘案した上で試算し、また平成23年度に予定されている子ども手当拡大分の財源は全額国庫支出金を見込むなど、幾つかの前提条件を付した推計作業を行っておりまして、今後の景気の動向や国の制度改正などにより、大きく変動する可能性を含んだものになるものであります。
 財政推計については、現在作業中ではありますが、その経過としては、平成23年度以降大規模プロジェクト事業の本格実施等により財政需要が大きく膨らむため、平成26年度には財政調整のための3基金の残高も80億円台まで減少する見込みとなっておりまして、その後事業費の減少に伴い、ほぼ横ばいで推移する見込みであります。
 また、市債残高につきましては、大規模プロジェクト事業本格化による市債の借入れの増加や交付税の振替財源として、元利償還金が全額交付税で措置される臨時財政対策債の発行額を22年度と同額の60億円余りと見込んでいることから、平成23年度から26年度までは市債借入額が元金償還額を上回ることとなり、一時的に市債残高は増加いたしますが、その後は再び減少に転じ、平成29年度には21年度末と同程度になり、以降は減少の見込みでございます。
 公債費につきましても、22年度当初予算額から減少して推移する見込みでありまして、平成25年度までは200億円台で推移いたしますが、オリンピック関連施設に充てた市債償還額が大幅に減少する平成26年度以降は170億円から180億円台で推移する見込みであります。
 このようなことから、財政健全化指標についても早期健全化基準などを上回ることはなく、また財政調整等のための基金についても減少はいたしますが、不測の事態に備えるための基金残高は確保できる見通しであり、安定した行政サービスを継続できるものと考えております。
 なお、財政推計の結果につきましては、準備が整い次第、議会や市民の皆様にお示ししたいと思います。

 次に、市民の願いを尊重して予算化すべきとのことでございますが、平成22年度当初予算におきましては、まちづくりアンケートの結果でも明らかなように、市民ニーズの高い施策に財源を重点的、優先的に配分することといたしております。今後とも、引き続き厳しい経済状況に対応しつつ、地域の活力を生かした善光寺平に結ばれる、人と地域がきらめくまちながのの実現に向けて事業を展開してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。

地元産業振興のための持続可能な地域づくりと仕事おこしについて

 3番、地元産業振興のための持続可能な地域づくりと仕事おこしについて伺います。

 まず、企業誘致についてです。
 企業誘致によって地域の活性化を図るとして、新年度予算に誘致企業のための工場誘致補助金を1億2000万円から3億円に引き上げる予算が盛り込まれています。全国でこうした自治体による企業誘致の補助金競争がなされてきましたが、誘致した企業が撤退し、雇用と賃金が失われ、取引していた下請中小企業の仕事がなくなるという事態が生じています。
 例えば、三重県のシャープ亀山工場も、第1工場を閉鎖して海外生産にシフトすることを昨年8月に示しています。今、長野市にとって必要なのは、工場誘致のための補助金を2・5倍に引き上げることより、地元で健闘している中堅企業や中小零細企業の倒産、経営危機を回避するため、融資面での支援の抜本的拡充とともに、緊急の休業補償、直接支援が必要ではありませんか。市の担当者が直接訪問活動を行い、実態を把握し、支援策を打ち出すべきだと考えますが見解を伺います。

◎産業振興部長(米倉秀史君)
 工場誘致についてでございますが、工場用地等取得事業助成金の限度額の引上げにつきましては、平成20年8月に市議会の産業振興対策特別委員会から頂きました第1次提言書に基づき、第二東部工業団地の分譲を控えたこの時期に、商工業振興条例の改正をお願いするものであります。
 提言書にもありますように助成制度の充実は、企業誘致の成功要因の一つとなっております。このため、本年度施行の長野市産業集積・企業誘致戦略に基づきまして、企業を誘致する際には、地元関連企業の取引拡大や製品コストの削減、産産連携による研究開発能力の向上など、本市のフルセット型の産業構造の特徴を生かすことが可能な企業を主な誘致対象に位置付けまして、本制度を積極的に活用して誘致し、商工業の振興と雇用機会の拡大につなげてまいりたいと考えております。
 中小企業融資制度につきましては、昨年4月に緊急借換え資金と農商工連携支援資金を創設するとともに、貸付利率の引下げや融資限度額の拡大など、積極的に拡充をしてまいりました。特に、緊急借換え資金につきましては、従来は借換えを1回までとしていたものを2回目の借換えまで可能としたもので、今年度のあっせん総額のうち26パーセントを占めるなど、中小企業者の皆様に大変御利用をいただいているところでございます。
 また、景気の先行きが不透明なことから、21年度1年間のみの時限措置としていた本資金を22年度も御利用いただけるよう1年延長をいたします。
 緊急の休業補償につきましては、国におきまして雇用調整助成金としまして、事業主に対し休業手当などの一部助成を行っております。具体的には景気の変動などの理由によりまして、事業活動の縮小を余儀なくされました事業主が雇用する労働者を解雇せず、一時的に休業、教育訓練又は出向させた場合に、これらに係る手当や賃金の一部を助成するものであります。
 この雇用調整助成金につきましては、このところの厳しい経済情勢に対応するため、昨年の12月にも要件緩和の改正が行われるなど、以前に比べ利用しやすい制度となっているところでございます。
 企業への指導、相談等による支援につきましては、現在、商工会議所、商工会が経営改善普及事業の一環としまして、巡回指導、窓口指導を実施しておりまして、その際に経営指導員が国、県、市の制度資金のあっせんやセーフティーネット申請手続を行うなど、資金繰りの安定に努めているほか、経営、税務、労務などの各種セミナーの開催、記帳指導などを実施しているところでございます。
 本市におきましても、工業系の事業所を中心に企業訪問を行い、経営革新や技術開発など幅広く相談をお受けする中で、企業の課題解決に向けた支援を行っております。企業訪問は、企業の皆様の声を直接伺うことができる貴重な機会と考えておりますので、今後とも企業訪問を充実させてまいりたいと思います。

 農業問題について。
 地域経済と地域再生を考える場合、いかに地域に持続可能な仕組みや構造を作っていくかという視点が重要だと考えますが見解を伺います。
 先日、長野市農村生活マイスターの主催で、女性団体と女性市会議員、女性農業委員さんとの懇談会が開かれました。毎年開かれておりますが、農村女性のパワーにはいつも圧倒されます。マイスターは市内に41人おられるそうですが、その方たちを含め、意欲あるリーダーとお見受けしました。その席上出された意見の中から、幾つか市の取組を伺いたいと思います。
 市民病院や厚生連の病院へ地元でとれた野菜、果物など活用することはできないかというものです。JA女性部の代表の御意見でした。厚生連篠ノ井総合病院へ昭和49年からボランティア活動で毎月顔を出し、1年1回交流会を行っているとのこと。松代総合病院も附属若穂病院も含めて、地域に根ざした助け合い活動をされていて、その中で安心・安全な食材が提供できたらいいねとの声が上がってきたのだそうです。
 実は、私も以前、市民病院の食材について、季節の野菜が少ない、病院食は特に気が必要で、新鮮なほど体に良いのに、地域産の食材を活用してほしいとの声を入院患者の家族から寄せられたことがあります。供給量の一定割合について地元産を使うことと指導する、あるいは協力をお願いすることはできないでしょうか。
 実は、市内の公益性のある特別養護老人ホームなどの福祉施設など、食材を必要としているところはたくさんあります。栄養士との連携も必要になりますが、検討してはどうですか見解を伺います。

◎産業振興部長(米倉秀史君)
 市民病院や厚生連の病院へ地元でとれた野菜、果物などを活用することはできないかとの御質問にお答えを申し上げます。
 本市では、平成16年5月に、長野市地産地消推進計画を策定しまして、地域食材の利用促進など七つの施策を掲げ、地産地消を推進しているところでございます。市の推進体制として、長野市地産地消推進本部、民間の推進体制としまして消費者団体、生産者団体、流通業団体、食品加工・製造団体、農業団体などの関係します団体で構成する長野市地産地消推進協議会を設置しまして、関係課や各構成団体が主体的に地産地消の推進に取り組み、行政と民間の協働により事業を推進しているところでございます。
 病院や福祉施設では、入院患者や利用者への食事提供を行っておりまして、地元産食材の利用促進は新鮮で安全・安心な食事の提供ということはもとより、地元産の農産物の消費拡大という意味からも効果的であることから、長野市地産地消推進計画に位置付け、農産物の生産状況などの情報提供を行い、地域食材の利用促進をお願いしているところでございます。
 このうち長野市民病院におきましては、入院患者への食事のほか、病院内のレストランで使用する食材につきまして、医療事業課から指定管理者の財団法人長野市保健医療公社を通じまして、委託先の事業者へ地域食材の積極的な利用促進の働き掛けを行っているところでございます。
 現在、米につきましては、100パーセント長野県内産を使用しておりまして、昨年、山菜のしゅんの時期に入院患者向けに戸隠産などの山菜を使用した特製弁当も6回提供をするなど、特色ある取組が行われたところでございます。
 このほか社会福祉法人等が設置します福祉施設に対しましても、所管する保健福祉部から地域食材の利用促進について協力をお願いしているところでございます。
 なお、厚生連の病院につきましても、各病院の食材に地元のJAや全農、農協直販のほか生産者グループ、障害者施設などからしゅんの地元食材を仕入れ、地産地消の取組を積極的に努力していただいているとお聞きしているところでございます。
 今後もJAの病院として地元の食材を一層利用していただくよう、長野県厚生農業協同組合連合会など、関係する機関への協力を依頼してまいりたいと考えております。
 病院や福祉施設などにおいては、ある程度まとまった量の食材を使用していることから、地産地消の推進として効果的な取組である反面、生産者からの直接購入は必要なときに全量を地元産で確保することは課題も多く、青果商など市場流通を通じた安定した仕入れルートも利用していく必要があります。
 また、栄養士による献立に応じたきめ細かな食材の発注の対応や農家側からの出荷できる農産物情報の提供、さらには安定的に供給できる生産体制の確立、食材の価格決定方法などの課題が多くありますが、今後とも地域食材の一層の利用促進について関係機関とも連携しながら、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、厳しい雇用状況の対策として、若者就業支援プランの実績はどうですか。また、19年3月に策定されたもので、かなりこの間社会情勢が変わり、雇用のミスマッチや就業意欲の問題としての問題のとらえ方では、現実の若者実態に合わないと思いますが、見直しが必要ではないでしょうか。就業支援対策として農業を位置付けることを検討してはどうか見解を伺います。

◎産業振興部長(米倉秀史君)
 若年者就業支援プランにつきましては、平成19年3月に策定しました長野市産業振興ビジョンの重点プランの一つに掲げ、就業経験の少ない若年者に対して職業訓練や就業体験の機会を提供し、就業意欲を引き出すことによりまして、若者の職業的自立を目指すことを目的に、各種施策を推進しているところでございます。
 その施策といたしましては、若年者の就業意欲を引き出し、円滑な就業を促進するため、就業経験の少ない若者に対し、就業を体験する機会を提供する若年者の就業体験事業、市役所でのインターンシップ学生の受入れ、職業訓練実施機関への支援が主なものとなっております。
 実績でございますが、計画目標の平成23年度に対しまして平成20年度末の状況は、若年者就業体験事業は26人が利用され、目標50人に対しまして達成率は52パーセント、市役所でのインターンシップの受入れは、庁内30課において40人が実施し、目標45人に対して達成率は89パーセント、職業訓練実施機関との連携による講座受講者数は46人で、目標50人に対しまして達成率は92パーセントとなっております。計画の実施から2か年の経過でありますが、おおむね順調に進めておるところでございます。
 産業振興ビジョンは、平成19年度を初年度とし、平成28年度を目標年度とする基本構想と、平成19年度を初年度に23年度を目標とする前期振興計画、24年度から28年度までの後期振興計画で構成されているところでございます。
 来年度からは、後期振興計画策定に向けて準備を進めていく予定であります。農林業を初め商工業、観光、雇用について現状と課題を精査しまして、現在の施策の内容等について見直しを進めてまいりたいと考えております。
 次に、就業支援対策として農業を位置付けることの検討についてでございますが、農業は就業支援対策として有効であると認識しております。現在、県、市町村、JAで構成する長野県農業担い手育成基金内に新規就農相談センターがございまして、農業法人就業推進員が設置され、新規就農や農業生産法人への就職などの相談に応じております。
 市では、ホームページでこの情報を提供するとともに、就農相談につきましては、新規就農相談センターへの紹介をしております。また、新規就農者の育成支援につきましては、県の新規就農里親制度を初め、各種の研修制度や県農業担い手育成基金の研修費の助成などの助成事業がございまして、新規就農者を総合的に支援しております。市といたしましても、新規就農者の各種支援制度の活用の周知、情報提供に努めるとともに、法人の創設や拡大を進めている農業公社や市内農業法人とも連携・協力し、就業機会の創出に努めてまいりたいと考えております。

 次に、林業について伺います。
 地域経済と低炭素社会実現に不可欠な産業として位置付け、外材依存政策を転換し、国産材の利用拡大と森林の整備を進め、林業・木材産業を再生させることが重要と考え、次の3点について伺います。

 一つ、市内林業の実態と今後の発展のためには何が課題で、市はどのように取り組むのでしょうか。

◎産業振興部長(米倉秀史君)
 林業についてお答え申し上げます。
 本市の森林は、市域の約62パーセントを占め、そのうち個人、市などが所有する民有林が79パーセントの4万1594ヘクタールとなっております。民有林の人工林の多くは、杉、カラマツを主体としておりまして、多くは間伐を必要とする林齢となっておりますが、長期にわたる木材価格の低迷などから、森林所有者の林業経営意欲は減退の一途をたどり、間伐など森林整備が進んでおらないのが現状でございます。また、森林所有者の高齢化、不在所有者の増加による境界の不明確化なども進んでおります。
 林業の活性化を図るためには、川上では木材の安定供給体制の整備、作業地の集約化、機械化による生産コストの削減、川下では、公共施設、住宅建設に使用する地域材の使用量を拡大すること、次いで木質バイオマス利用を進めることではないかと考えております。
 そこで、本市では具体的な取組といたしまして、計画的な森林整備の推進、木材利用の推進、森林環境の利活用の三つを柱として施策を積極的に推進しております。
 まず、一つ目の計画的な森林整備の推進は、森林施業の基準、地域ごとの整備の方向を定めた本市の森林整備計画に基づく、間伐などの森林整備の推進であります。具体的には、間伐を進めるためには国、県の間伐補助金に市が1割のかさ上げ補助をしておりまして、また森林税を使い、作業地の集約化補助及び間伐に対する9割の高率補助の導入を行いまして、森林所有者の負担を軽減するなどの取組を進めているところでございます。
 二つ目の木材利用の推進は、公共施設や治山事業、千曲川護岸工事等の土木工事等に今後も地域材を使用するよう関係機関等へ要請してまいります。また、木質バイオマスの利用を進めるために、長野森林組合が行うペレットなどの原材料となるおが粉生産施設等の整備へ支援を行う計画であります。
 三つ目の森林環境の利活用は、本市の恵まれた森林環境を利用し、森林療法事業等の導入を研究しております。来年度は飯綱、戸隠、鬼無里地域を対象に、森林療法に関するガイドや受入宿泊施設関係者の養成研修を開催する計画であります。また、森林の保全整備は市民全体で支えるという意識の醸成を図る必要があるため、森林体験学習の開催、みどりの少年団やボランティア団体の育成等に努めております。このほか森林整備を進める森林の里親制度は、現在、市内三つの企業に取り組んでいただいておりますが、今後もさらに賛同いただける企業を増やし、企業、市民と一体となった森林整備を推進してまいります。
 今後とも、これらの施策を総合的に進め、林業の再生に取り組んでまいります。
 私からは以上です。

 二つ、仕事がないという状況が広がる中で、特に大工さん、あるいは板金屋さんなど、職人さんの厳しさを実感しています。木曽町では、大工さんの仕事おこしに木曽町木造住宅新築等補助金交付要綱があります。木造住宅の建築に対し、床面積3・3平方メートル当たり1万円とし、50万円の限度額の補助金交付事業であります。郡内事業者が施工する場合に限り、補助金を交付することとし、町内の下請納入業者を7社以上の者で施工した場合としています。支給要件では、木曽町木造住宅推進協議会の建物審査会の審査を受け、在来工法木造住宅と認められた場合のものとなっています。
 平成17年11月の合併ですので、18年度からの実績を調査しました。平成18年度で17件、支給額694万円、平成19年度、17件656万円、平成20年度、19件809万円、平成21年度は2月までですが、11件399万円と、合計64件2558万円になります。大工さん、電気設備など7社以上のかかわりがあり、確かな仕事おこしになっています。
 1万3000人の町ですが、長野市に当てはめ試算すると、年間510件で約1億9500万円の補助金交付という計算であります。市内の経済・景気対策として、長野市として検討すべきではないでしょうか見解を伺います。

建設部長(内山秀一君)
 新築する個人の木造住宅に対し、木曽町のような木造住宅新築等補助金交付要綱を作り、補助金を出したらどうかとの御質問についてお答えいたします。
 住宅産業は、非常に多くの関連業種がかかわるすそ野の広い産業と言われており、仕事おこしの面からは有効な産業であるということは同感でございます。木曽町の制度は、木曽郡内の事業者が施工する木造住宅建設に限って補助金を交付するもので、木曽地域特有の森林資源を生かし、木材産業等の振興を図ることを目的とした面もあると考えております。
 一方、長野市において木曽町と同様に市内の事業者の施工に限定した補助金制度を作った場合、多くの周辺市町村の事業者へ与える影響も大きいと思われます。結果的に民間の事業への参入を制約する可能性がある、こうした施策を展開することには疑問があり、また建築時に地域の事業者が実際に施工しているかどうかの確認ができないこともあるため、長野市が採用する制度として本当にふさわしいかどうか、慎重に検討しなければならないと考えております。

 三つ目、次に、中小業者の仕事おこしに市営住宅改修を促進するよう提案します。2月の市営住宅の申込みは、10戸当たりに62人が訪れ、競争率が高かったようです。年間の平均応募率は5倍から6倍となっており、入所待ちの市民はかなりの人数になると思います。市営住宅改修事業の促進で、入所待ちの解消と仕事おこしになると思いますが見解を伺います。

◎建設部長(内山秀一君)
 中小業者の仕事おこしのための市営住宅の改修促進についてお答えいたします。
 市営住宅の入退去等に伴う改修工事につきましては、管理戸数約3700戸のうち、昨年度は160戸、本年度は190戸程度を実施しております。この工事は、1戸当たりの工事費が100百万円以下の小規模なものが多いことから、地元の建築、電気、機械設備等の業者にお願いをしておりまして、御指摘のように仕事おこしにつながるものと考えております。
 また、これらの改修を促進することは、空き家率や入居待ちの解消となり、市営住宅の経営の観点からも重要と考えられますので、国の補助制度を有効に活用しながら一層努力してまいりたいと、こういうふうに考えております。
 以上でございます。

水道料金の値上げについて

 次に、水道料金の値上げについて伺います。
 私は、まず一般家庭の負担に転嫁するなということを主張いたします。
 業務用の落ち込みのツケを一般家庭の負担増で賄うのは、市民の暮らしに大きな影響を与えるもので、到底納得することができません。しかも、今後さらに負担増が予定されています。基本料金の区分では、口径13ミリで使用水量10立方メートルとした場合、値上げ率は13・7パーセントになります。口径13ミリと20ミリの調定件数を合わせると、全体の96パーセントに当たります。水道料金の方では、使用水量を1立方メートルから20立方メートルになると、ほとんどこの区分に入ります。この区分の負担率を下げるべきと思いますがどうですか。

◎上下水道事業管理者(中村治雄君)
 水道料金の値上げについてお答えいたします。
 最初に、平成20年度の上水道口径別構成比率について申し上げます。
 口径13ミリと20ミリの合計は、件数で約96パーセント、水量で約71パーセント、金額で約61パーセントとなっております。また、40ミリ以上の大口径の合計では、件数で約1パーセント、水量で約23パーセント、金額で約32パーセントとなっております。
 この構成比率を分析いたしますと、本市では約1パーセントの1400件が大口使用者==大口径の使用者で金額では約3分の1の18億円を占めているのが現状でございます。これは本市の水道料金は、口径別逓増料金体系で、使用水量が増すごとに料金単価の累進度が高くなっているためでございます。
 通常、一般経済では大量に消費するお客様ほど料金が割安になります。しかしながら、水道料金については水の消費を抑制するとともに、水需要にこたえるための施設整備、水源開発、施設拡張費など多額の費用を要するため、大口使用者により多くの負担を求める料金体系を取り入れておるところでございます。
 しかし、本市の水道事業は拡張期から維持管理の時代に入っており、平成18年度及び今回の上下水道事業経営審議会で、逓増料金体系は不公平感が生じており、累進度の緩和も含め、料金体系の在り方についての検討が必要であるとの附帯意見がございました。料金の見直しに当たり、これまでのように生活用水の低額化分の負担を大口使用者に過度に求めることは難しくなっており、使用者間の公平性と大口使用者の水需要を促すためには、今後、逓増制料金の格差を段階的に解消していく必要があります。
 このため、今回の料金改定では、基本料金については定率で平均7・71パーセントの改定、水量料金については定額で10円改定することにより、累進度の緩和を若干図ったところでございますので、御理解をいただきたいと思います。

 地下水利用業者への負担について伺います。
 業務用については、地下水の利用で収益が下がっているとの説明ですが、業者もこの景気の中で必死にコスト削減に努めているはずです。しかし、一般家庭も必死であります。簡単ではありませんが、地下水利用者に何らかの負担を求めることはできませんか。また、国に対しても、一定のルールを定めることを求めるべきではありませんか。

◎上下水道事業管理者(中村治雄君)
 地下水利用者に負担を求めることはできないかについてお答えいたします。
 これまでにも、全国的には地下水の過剰なくみ上げによる地盤沈下を防止するために、工業用地下水のくみ上げ規制などが実施されてきた経緯はございますが、現在、地下水利用者に負担を求める制度やくみ上げ規制はございません。国民の共有財産である地下水が一部の民間企業や特定需要者の利益のために利用されることは、地下水の利用の観点から公平性を欠くものと言えます。
 そのため、地下水利用者に負担を求めることや利用の抑制を図るなどの地下水利用に係る新たな施策の検討について、水道事業体の集まりでございます社団法人日本水道協会を通じて、国に対し要望を行ってまいりました。今後につきましても、機会をとらえ、国に対し要望を重ねてまいりたいと考えております。

 企業債について、繰上償還などを含め、負担を軽減するための施策を行うことはできないか見解を伺います。

◎上下水道事業管理者(中村治雄君)
 次に、企業債の負担軽減の施策についてお答えいたします。
 平成19年度から本年度までの3年間、高金利の地方債の公債費負担の軽減を図るため、公的資金の補償金免除繰上償還が認められ、水道事業会計において、借換額で62億9000万円、現在までの2年間において、約4億9000万円の金利負担が軽減されました。
 上下水道局では、国に対し他事業体と共に同制度の延長を要望してまいりましたが、平成22年度から24年度までの3年間について、新たに公的資金の補償金免除繰上償還が認められました。しかし、今回対象となる年利5パーセント以上の企業債につきましては、既にすべて繰上償還が済んでおりますことから、この条件では公債費負担の軽減を図ることができません。
 今後につきましては、対象となる企業債の利率の引下げを国に対し強く要望してまいりたいと考えております。
 私からは以上です。

 また、一般会計からの財源繰入れについて伺います。
 一般会計からの財源は繰り入れできないと説明を受けました。しかし、水は命に直結します。大町水源の負担分を繰り入れしているので、できないことではないと思います。検討すべきですが見解を伺います。

◎市長(鷲澤正一君)
 次に、水道料金の値上げについてお答えをいたします。
 私からは、一般財源からの繰入れの検討についてお答えをいたします。
 公営企業会計は独立採算制であり、施設の建設や維持管理に必要な経費は、その事業に伴う収入を充てて経営することが原則であります。このことから、料金収入の不足による赤字分を一般会計が負担することは通常行わないものでございますが、累積赤字が多額となり、独立採算制の維持ができなくなるなど、やむを得ない場合には、議会の議決を経て一般会計で赤字分を負担することは可能でございます。
 なお、消火栓に要する経費や御案内の大町ダムに係る繰入金のように、水源開発等に要する経費は地方公営企業法により一般会計が負担することが認められております。
 私からは以上でございます。

<<再質問>>
 水道料金については、初年度は3億円ですが、3年度にわたって11億6000万円の値上げになるとされています。私は、これほどの大きな水道の料金値上げを、やむを得ない場合として、当然一般会計からの財源繰入れを行うべきですし、先ほど管理者は累進度の緩和を図ったと言われましたが、私は当然ここは引き下げるべきだと考えますが、その点について伺います。

<<再々質問>>
 みんなの声がながのをつくるというのが鷲澤市長の政治的姿勢の根幹だと承りました。私は何よりも庁舎の建て替えではなく、暮らし、雇用を応援するために税金を優先的、緊急的に使うべきだと考えます。
 特に、水道料については、先ほど説明がありましたが、これはやむを得ない場合という形で、原則としては認められていませんが、しかしこれだけ営業収益が落ちているわけですから、やむを得ない場合として、一般会計から財源を繰入れすべきだと思いますが、この点についてもう一度お答えを願います。

◎財政部長(久代伸次君)
 水道会計への繰出しについてお答えいたします。
 そもそも水道企業会計というのは、公営企業の会計でございます。独立採算で自分でもうけて自分でやっていただくというのが大前提の会計でございます。その収入に関して不足があったというのは、本来一般会計から負担するべきものではなく、当然その企業として経営努力の中でやっていただくものということでございますので、大原則としては、繰入れは行わないということでございます。
 ただし、先ほど独立採算制の維持ができなくなるなど、やむを得ない状況となった場合には、議会の議決を経て一般会計で赤字分を負担するということは可能ということではございますが、それは飽くまで最後の手段だと思います。基本的には、やはり独立採算ということが大原則でございますので、企業努力をしていただくということになると思います。
 以上でございます。

学校図書館の充実について

 次に、学校図書館の充実について伺います。
 07年度に地方交付税として財政措置した200億円のうち、22パーセントがほかの目的に流用されていたことが判明しています。ほかに流用した9割近くの自治体が図書館経費以外の教育費に充当したからとか、自治体全体の財政事情の厳しさからとしています。長野市について見れば、図書館経費として使用された率は68・6パーセントであり、県全体の79・7パーセントより低くなっています。地方交付税措置は、最終的な使い道を各自治体で決められるものですが、自治体は学校の設置者であり、教育環境整備に力を注ぐ主体なのですから、国が子供たちのために行った措置をないがしろにしていいはずはありませんが見解を伺います。

◎教育次長(篠原邦彦君)
 学校図書館の充実についてでありますが、地方交付税は補助金等とは違いまして、学校図書館の図書購入にかかわるもののみならず、使途が制限されない各自治体の裁量によって活用できる、いわば一般財源でございます。
 しかしながら、教育委員会といたしましては、学校図書館は児童・生徒が読書活動等を通して言葉を学び、表現力や想像力、コミュニケーション能力を高め、豊かな情操力をはぐくむことができ、また調べ物を行うなど、学習効果を高める上でその役割は大きく、学校において欠くことができない重要な役割を担っていると認識しております。
 このため学校図書館関係の予算としまして、平成21年度は図書購入費として4072万円を計上しているとともに、学校が図書館職員を配置するための経費として、学校図書館運営費補助金を4053万8000千円、書架等の備品購入費として154万円など、関係予算を合わせますと約1億900万円となり、市の財政状況が大変厳しい中ではありますが、学校図書館の充実のため、平成21年度の交付税措置による基準財政需要額であります約1億400万円を超える予算措置を行い、学校図書館の充実に努めており、更に努めてまいりたいと考えております。

 次に、学校図書館の役割と携帯依存症について伺います。
 今、中学生の約7割、高校生の約六割が小学生のうちに携帯やパソコンでインターネットを使い始め、中学生の7人に1人、高校生の4人に1人、大学生の約40パーセントがネット上の書き込みを信じているとの調査結果があります。
 コミュニケーション不全で読解力が養われず、思春期の孤独な自分と向き合う勇気が育っていかない携帯依存の中・高校生が増加中というショッキングなデータもあります。このようなネット社会だからこそ、子供たちにメディアを批判的に読み解き、活用する力==メディアリテラシーをどう付けていくかが今後の大きな課題と言われ、学校図書館の役割もますます大きいと考えるものです。長野市の実態と今後の取組を伺います。

◎教育長(堀内征治君)
 私からは、学校図書館の充実につきまして、学校図書館の役割と携帯依存という問題についてお答え申し上げます。
 長野市の児童・生徒の携帯電話の所持及びインターネットの利用状況につきましては、昨年11月、市内の小・中学校でアンケートを実施いたしました。この調査結果から、小学生の78パーセント、中学生の82パーセントが自宅からパソコンや携帯電話を用いて、インターネットを利用できる環境にあることが分かりました。また、中学2年女子の6パーセント、3年女子の7パーセントが1日50件以上のメールを行っている状況で、中学3年生の12パーセントが毎日2時間以上インターネットを利用していることが分かりました。また、中学3年生の61パーセントが1人のときや深夜に利用する状況で、家庭内の子供たちの利用実態を保護者が把握しにくい様子もうかがえました。
 議員さん御指摘のように、近年、子供たちはメールやブログの書き込みで人間関係を壊してしまうことや、相手を簡単に信じて犯罪の被害者になる事例も報道されております。相手の真意を理解し、情報の背後にある問題を見抜くメディアリテラシーは、身近に多量の情報に接することができる現代社会では、子供たちにとって必要不可欠な力であるということは言うまでもございません。また、メディアリテラシーで取り扱われるメディアには、インターネットだけではなく新聞、テレビ、ラジオなどマスメディアを初め書籍、雑誌など出版物等様々なものがございます。
 そんな点において、学校図書館は子供たちにとって読書活動を通して言葉を学び、表現力や想像力、読解力等を高める場となり、メディアリテラシーを育成したり、豊かな情操をはぐくむ上でその役割は大きいものがあると考えております。
 本年度から先行実施されている新学習指導要領において、高度情報社会を安全に正しく生きるための知恵と心の育成が、情報モラル教育として位置付けられ、広い意味でメディアリテラシーの育成が含まれており、情報を正しく判断する力、多くの情報の中から必要かつ正確な情報を獲得する力、正確かつ有効な情報の発信力の育成などが求められています。
 市教育委員会では、情報モラル教育の推進のため、現場の先生方と連携して授業にすぐ生かすことのできる教材一覧と、授業実践事例集を作成し、教育用ネットワークに専用のページを立ち上げて、その利用を推進しております。また、地域、保護者を対象とした携帯電話の講演会では、現実に起こった事例なども取り扱いながら、保護者による携帯電話利用の管理の必要性と家庭内のルールづくりをテーマにした啓発活動に取り組んでおります。
 今後も、子供たちの健全な育成のために家庭への連携を深め、メディアリテラシーの育成を推進してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

 次に、司書の配置について伺います。
 交付税の趣旨からすれば、学校図書館の全小・中学校へフルタイムで図書館司書を正規で配置を求めるものですがどうですか。さらに、この司書の配置についての父母負担をなくすことを求めるものですが見解を伺います。

◎教育次長(篠原邦彦君)
 次に、図書館司書の正規配置についての御質問でありますが、教育委員会といたしましては、先ほど申し上げましたように、学校図書館は学校教育にとって非常に重要な役割を担うものとして位置付けております。このため学校図書館については、児童・生徒が在校する時間は、子供たちの利用に対応できることが大切なことから、教育委員会といたしましては、各学校において配置している学校図書館職員の勤務時間について、1日5時間週5日、年間210日を基本目標として設定し、学校において図書館職員を配置できるよう補助金の増額に努めてきているところであります。
 本来、県において専任の司書教諭を配置していただきたいところではありますが、現状では困難な状況でありますので、教育委員会としましても、先ほど申し上げましたとおり、経済情勢が低迷し、市の財政状況も非常に厳しい中、学校施設の耐震化を初め、早急に取り組まなければならない課題も多くありますが、補助金の増額に努め、保護者負担の軽減を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。

食育推進計画について

 次に、長野市食育推進計画に関する施策の進ちょく状況について伺います。
 食育推進審議会が2月15日に開かれたとの報道がありました。全体の達成状況や来年度の計画が審議されたそうですが、どんな状況だったか説明願います。また、次のことについて説明願います。
 学校給食に地場産品をより使用するために、大規模センターを分割すべきではないかと考えますがどうですか。保育園の給食を外注できるよう規制緩和の動きがありますが、安心・安全な食材を提供するためにも園内給食を継続すべきだと思いますがどうでしょうか。また、今後の課題については、何か5年間の計画になっていますが、その後はどうするのか、見通しについて伺います。
 以上です。

◎保健福祉部長(松橋良三君)
 私からは、食育推進計画について何点かお答えさせていただきます。
 長野市食育推進計画は、食を通じていのち・からだ・こころを育み、郷土を育み、元気なまちながのを創るを基本理念とする平成20年度から24年度までの5か年の計画でございます。この計画は、私たち長野に暮らす市民が食を通じて豊かに健康長寿で生涯を送ることのできる活力のある地域社会の実現を目指すもので、6つの基本目標と22の指標、46の具体的な取組を設定しているところでございます。
 この計画の推進に当たっては学識者、民間団体の代表から成ります長野市食育推進審議会を設置しまして、事業の取組状況や進ちょく状況の把握と、計画の定期的な検証を行うとともに、計画全体の評価を行うこととしております。
 2月15日に開催いたしました食育推進審議会におきまして、健康課、農政課、保健給食課を初め庁内関係13課の取組につきまして、今年度の計画に対する達成状況及び来年度の計画の状況等を御説明、御報告し、御意見や御提案を頂きました。
 まず、46の取組の達成状況でございますが、ほとんどの取組がおおむね目標どおり実施できております。十分達成できていない取組が5項目ございました。また、目標値等の達成ができていなかった取組については、来年度に向け、手段の見直しを行うなど積極的に取り組んでいく方針を御説明いたしました。
 このほか保育園、幼稚園、学校、職場等を対象とした管理栄養士による食育に関する出前講座や平成19年度に県が実施しました小学5年生及び中学2年生を対象としました児童・生徒の食に関する実態調査についても御報告いたしました。
 審議委員からは、子供たちが農業体験だけでなく、畜産業や水産業に触れる食育の機会を作っていただきたい。また、食育推進市民大会の参加者数が少ないので、より大勢の市民の方に参加いただくよう、関係各課で協力してほしいなどの御意見を頂きました。御意見、御要望につきましては、それぞれの担当課で検討し、できるところから取り組んでまいる所存でございます。
 食育につきましては、食を大切にする心や伝統ある優れた食文化の衰退、栄養の偏り、不規則な食事などによる肥満や生活習慣病の増加、過度のやせ志向、食品の安全性に対する不信感の増大など課題が幅広い分野にわたります。今後も関係団体と連携強化を図り、子供のころから食に関する正しい知識と習慣をしっかりと身に付け、市民一人一人が生涯にわたり健全な食生活を実践できるようにするため、食育の総合的、計画的な推進に取り組んでまいる所存でございます。
 計画期間が終了いたします平成24年度以降についてでありますが、市民アンケートなどを行いまして、現計画に掲げました指標や目標値の評価と今後の取組について御意見や御要望を把握しまして、次期計画での取組に反映させるとともに、国の動向及び来年度に作成する新健康増進計画との整合性を図って策定してまいります。
 次に、保育園給食についてでございます。
 現在、保育所の給食は児童福祉法の規定による児童福祉施設最低基準により施設外で調理し、搬入することは認められておりません。しかし、例外として構造改革特別区域内における公立保育所においては、地方公共団体が公立保育園の運営の合理化を進める等の観点から、一定の条件を満たす場合に限り、給食の外部搬入を行うことができることとなっております。
 構造改革特別区域推進本部評価・調査委員会は、平成22年2月に公立保育所における給食の外部搬入方式を容認し、私立保育園を含め全国展開すべきと評価意見をまとめました。報道によりますと、厚生労働省ではこれを受けまして、認可保育所の給食の外部搬入について、3歳以上児に限り容認する方針を固め、本年4月までに省令を改正するとのことでございます。しかし、まだ厚生労働省からは正式な通知等は来ておりません。
 国はこのような大きな流れの中で、地方分権改革の観点から法令で市町村の仕事を縛る、義務付け、枠付けの見直しを行うとしております。市といたしましては、厚生労働省が省令を改正した場合は好事例集==参考となる良い事例の好事例でございますが、やガイドライン等を策定して周知するとしておりますので、それが出たところで公立保育園における給食の方式についてどうすることがよいのか、検討してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◎教育次長(新津吉明君)
 私からは、食育推進計画にかかわって、学校給食に地場産物を使用するため、大規模センターを分割すべきではないかという御質問にお答えをさせていただきます。
 本市では、平成15年度から学校給食における地元産農産物の利用促進を図るため、保健給食課、学校給食センター、農協及び農政課が定期的に懇談会を開催しており、市内産農産物の利用についての情報交換や意見交換をするとともに、ほ場視察などを実施し、これまでも本市の地域奨励作物である大豆や季節に応じたしゅんの野菜であるキュウリ、アスパラガス、キャベツ、パプリカなど市内産を多く取り入れ、学校給食への地元産農産物の利用拡大に積極的に取り組んできております。
 使用割合につきましても、国の食育推進基本計画では、都道府県単位での地場産物の使用割合を平成22年度までに食材数ベースで30パーセント以上とすることを目指すとしておりますが、本市では、19年度実績において市内産の割合が野菜で85パーセント、果物では64パーセント、20年度では野菜が87パーセント、果物が58パーセントとなっており、既に目標を十分達成しております。
 議員さんからの学校給食に地場産物を使用するため大規模センターを分割すべきではないかとの御提案についてでございますが、今ほど申し上げたとおり、本市では既に国の目標を大きく上回る地場産物を使用しており、加えて衛生管理面及び経済面の優位性等を総合的に勘案する中で、今後も今まで同様の共同調理場方式を実施していくものであり、分割化の考えはございませんので、御理解をお願いいたします。
 今後におきましても、懇談会等々を通して学校給食への市内産農産物の利用拡大を更に推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

<<再質問>>
 学校給食法が昨年56年ぶりに改正されました。私は第4学校給食センターを造らずに、今あるセンターを順次自校給食に戻して、食育のために学校給食が変わるよう求めるものですが、この点についてもお伺いをいたします。

◎教育次長(新津吉明君)
 議員さんから、センター給食から自校給食を導入という御要望を頂きましたが、今までも教育委員会として考えを述べさせていただいてきましたとおり、自校給食の導入は考えておりません。
以上でございます。

 私は今回の質問に当たって、市民負担が大変非常な勢いで増えているということを実感いたしました。是非ともこの新年度予算、税金の使い方は暮らしと雇用を守るために使っていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

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