2009年6月定例市議会 佐藤くみ子議員
「国保」を持続可能な制度とするために、国の負担増を求めることについて
住民自治協議会について
市営バスの運行について
浅川の内水対策について
「国保」持続可能な制度とするために、国の負担増を求めることについて
二十三番、日本共産党市議団佐藤久美子です。
国民健康保険制度を持続可能な制度とするために、国庫負担の抜本的な増額を求める立場から質問をいたします。
まず、国保制度の歴史をひもとくと、旧法は健民健兵政策の一環として一九三八年に創設され、その目的も国民健康保険は相扶共済の精神により疾病、負傷、分娩又は死亡に関し保険給付をなすを目的とするとされ、助け合い、支え合いが強調されたものでした。一九五八年に、国民健康保険法が全面的に改正され、新法、現行の国保法になりました。
一九六一年から国民皆保険、正確には国民皆公的医療保険の体制が組まれたものです。新法は第一条で「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。」と定めています。
近年、歴史的経過を無視した相互扶助精神の強調や、あたかもそれが社会保険の前提であるかのような説明が流布されていますが、少なくとも新法にはそのような文言は見当たらないことを指摘しておきたいと思います。
長野市では、一九四三年に健康保険組合の結成がされていますが、一時戦時下で麻ひ状態になり、保険課の設置は一九五六年で、新国民健康保険法の長野市施行は一九五九年になっています。今年は、ちょうど五十年目に当たります。
私は、国保保険料賦課標準段階別表で、加入者の所得階層別の割合の変化を最近二十年間の数字で調べてみました。平成元年から十九年までの数字で見ると、収入が三十三万円以下で、いわゆる所得がゼロ万円が二十八・五パーセントから三十四・二五パーセントへ六ポイントの増、この人たちを含め、二百万円未満の人は七十八・七パーセントから八十三・一パーセントへ五ポイント近く増えています。平成二十年、二十一年の数字はこれからですが、後期高齢者医療制度の導入と恐らくこの雇用労働状況を反映し、低所得階層の構成比がもっと増加することが推察されますが、市はどのような認識でしょうか。
また、保険料について見ますと、所得二百万円で大人四十歳代二人と未成年の子供二人、固定資産税五万円、このモデル世帯で比較すると、平成元年では、十九万百四十円、それが平成二十年には三十万五千二百五十円と一・六倍の保険料になっており、負担増が顕著であります。
全国の国保状況は七割が赤字で、政府の公文書でさえ空洞化という表現を使うほど、国保制度は危機的状況です。原因は、国費投入を削減したためです。保険料が上がり、収納率が下がり、滞納者が増える。そして、また保険料を上げるという悪循環を続けてきました。国は、自治体にその責任を転嫁し、その上高い保険料を払えない滞納者から保険証を取り上げることを義務付けたのですから、残酷な仕打ちで国民の命を削っているのは、正に国政府そのものであります。
憲法二十五条の生存権を保障する制度として、そして新国保法の目的に沿って、今後も持続可能な制度とするために抜本的な国の負担強化を求めるべきと考えますが、市理事者の見解を伺います。
◎市長(鷲澤正一君)
初めに、国民健康保険の低所得階層の構成比の増加についてお答えをいたします。
国保加入者は、平成二十年五月末が五万三千百三十世帯に対し、平成二十一年五月末が五万三千二百九十二世帯で、百六十二世帯増えております。所得が二百万円以下の低所得者階層においては、二十年は四万九百五十三世帯に対し、二十一年は四万一千七百三十三世帯で、対前年比七百八十世帯、一・九パーセント増えており、今後低所得者階層が増加することにより、国保財政を圧迫することが懸念されます。
次に、持続可能な国保制度にするため、抜本的な国の負担強化を求めるべきであるという考えについてお答えをいたします。
国では、国民皆保険制度を堅持するため、平成二十年度に後期高齢者医療制度の創設や特定健診、特定保健指導の実施といった医療保険制度改革を行ったばかりであります。
今後、これらの制度改革によって、どのように国保財政が影響するのかを検証し、その結果、国への負担強化も含めて検討していく必要があると考えております。
以上です。
実際に後期高齢者医療制度の導入によりまして、なお一層、長野市のように国保料を値上げしたところが多くあります。私は、今本当に国が骨太方針二〇〇九の中で、社会保障費の削減を毎年二千二百億円削減している方針を継続するとしておりますので、是非ともこうした動きに対し、地方六団体も含めて、国の負担増を強く求めていただきたいと申し上げておきます。
長野市は、特に所得二百万円未満の滞納世帯は八割を超えています。払いたいけれども、払えない市民の生活実態を市はどう把握しているのでしょうか説明願います。全国でも国保の滞納世帯は、〇八年六月一日現在、四百五十三万人、加入者全体の二十・九パーセントと二割を超えています。なぜ、滞納せざるを得ない事態に追い込まれているのか。それは、高過ぎる国保料の設定が原因です。国保以外の被用者保険と比べると、一世帯当たり、年間平均所得の最も低い国保加入者が最も高い保険料を支払っています。
国保は、ほかの公的医療保険に加入する人々以外のすべてが加入する構造となっており、制度の仕組み自体が、低所得者に高い保険料を課す構造を作り出しているのです。命を守る医療への命綱、それが国保制度であり、国民皆保険を下支えするセーフティーネットの役割を担う重要な制度なので、国は財政負担を増額して立て直す必要があると考えますが、見解を伺います。
また、長野市での国保証の窓口での保管数はどのくらいあるか、実態をお聞かせください。訪問活動などを行っておられると思いますが、状況を説明ください。また、その対象者は実際無保険になっていますが、市内で保険証がなく、医療機関にかかれず、命を落とすようなケースはないのか、医療機関からの報告を求めた経過はあるのかお伺いをいたします。
◎生活部長(町田良夫君)
私から、国保加入世帯のうち所得二百万円未満の滞納世帯は八割を超えており、その方々の生活実態をどう把握しているかについて、お答えいたします。
本市の平成二十一年五月末現在の国保加入世帯は、五万三千二百九十二世帯であります。そのうち、滞納世帯は七千五百八十世帯で、加入世帯の十四・二パーセントに当たります。また、その滞納世帯のうち、所得が二百万円未満の世帯は六千二百七十四世帯で、滞納世帯に占める割合は八十二・八パーセントとなっております。このため、滞納及び低所得世帯へは、納付指導員による戸別訪問や窓口における納付相談等により、滞納者本人と直接納付折衝を行う中で生活実態を把握しております。
また、通年で納付相談をお受けしていますので、本年三月に短期保険証を交付している千二百二十四世帯のうち、分納誓約が履行されている世帯を除く九百八十八世帯に納付相談を実施する旨の通知をしたところ、八十六世帯と相談をすることができました。今後も、相談活動や戸別訪問を通じて、滞納世帯の生活実態の把握に努め、適正な国保事業の運営を目指してまいります。
続きまして、国民健康保険証の窓口での保管数についてお答えいたします。
本市の国民健康保険証は、有効期間が一年の一般保険証と、滞納している世帯の状況によっては、有効期間が六か月の短期保険証がございます。短期保険証については六か月ごとに発送するために、直近では三月十九日に千二百二十四件発送し、現在三百九件を国民健康保険課で保管しております。
保険証は、必ず本人が受け取っていただくために、本市では簡易書留で発送しておりますが、不在のため郵便局での保管期間経過、あるいはあてどころに訪ね当たらないなどのため、戻ってきたものがほとんどであります。その後、普通郵便で保険証を早期に受領いただくよう通知していますが、連絡がないため保管をしている状況であります。また、滞納世帯には納付指導員が訪問した際、市の窓口で保管していることを伝え、早期の受領を指導しております。
次に、市内で保険証がなく、医療機関にかかれず、命を落とすケースについてお答えいたします。
本市では、国保加入者が保険証を持たず、医療機関に受診した際、医療機関からの問い合わせ等は現在ありません。また、本市からの照会も行っておりません。
以上でございます。
私は、今一番困っている人たちが、保険証のない人たちだと考えます。一番困って生活に苦悩している市民に寄り添って対応することが、今一番必要であり、また緊急かつ切実な課題だと考えるものであります。
先ほど三百九件というふうにおっしゃいましたが、しかし、その納付指導員からの生活実態、それから、市がこの人たちに対して何ができるか、実はここには国保証だけではない、様々な問題が私は重なっていると思われます。そういう意味で、市としてはこの人たちの生活実態を受けて、どのように支援をしようとされているのか、この点についてお聞かせください。
◎生活部長(町田良夫君)
お答えいたします。
生活実態をお聞きする中で、特に施策的にどういうことをしようということは、現在ありませんが、二割軽減という制度は、長野市が独自に三十年の歴史を持ってやっておりますので、それらの制度を通じて御支援申し上げていきたいと思っております。
今、部長がお話しされましたが、長野市が独自に行っている二割軽減、これは一九七七年からと三十年前から行われている優れた施策です。しかし、国は応能割と応益割の比率を指導に従わないとの理由で財源、平成十八年度決算額ですが、三千五百七十二万七千円を国の負担としない、そして市独自で負担をしております。これに対して、国への働き掛けはどうされてきていますか。また、国は国保の広域化を進めようとしていますが、私は後期高齢者医療制度の経験からしても、地域に密着した制度として持続させることが必要と考えますが、いかがですか。
◎市長(鷲澤正一君)
初めに、独自施策である二割軽減の財源をどう国に働き掛けたかということについてお答えをいたします。
本市の国民健康保険料は、低所得世帯が多いことから、市独自で保険料の賦課割合を設定し、所得に応じて負担する所得割額を引き上げ、一人当たりの均等割額と一世帯当たりの平等割額を引き下げております。さらに、低所得世帯へは所得状況によって保険料の軽減措置がとられており、御質問いただいた二割軽減措置は、本市独自の施策であり、平成二十年六月の当初賦課において、国保加入世帯五万三千三百世帯のうち二割軽減世帯は、二千九百五十九世帯で全体の五・六パーセントであり、平成二十年度の市の負担額は約四千万円であります。
この財政負担について、国への働き掛けでありますが、市が行っている二割軽減措置は国の補助基準から外れているため、今まで特に行ってきておりません。今後、ますます低所得者階層の増加が見込まれ、二割軽減の市の負担が増えることにより財政を圧迫することが懸念されますので、国保財政の安定化に向け、全国類似都市の状況等も調査しながら検討してまいりたいと考えております。
次に、国民健康保険を地域に密着した制度として持続させる必要性についてお答えをいたします。
高齢化が進み、また医療技術が年々高度化する中、医療費がますます増加し、各医療保険制度の財政運営を圧迫しております。取り分け、国民健康保険は、高齢者や低所得者が多いという構造的な問題を抱えており、その上、昨今の経済的不況に伴う加入者の増加により、国保財政がますます悪化することが懸念されております。
医療保険制度の広域化については、平成二十年度からスタートした後期高齢者医療制度を都道府県単位としたことで、県内では地域間格差のない保険料になったことが特徴であります。国保制度の広域化については、国から保険者の再編・統合案として示されており、保険料の地域間格差の解消や国保財政の安定的な運営を図ることができるなどメリットも多いのですが、県、市町村及び地域住民との関係が希薄となり、事業運営が無責任になることが懸念されます。
そこで、地域に密着した国保制度を維持するためには、それぞれの役割を明確にし、特に昨年度から地域住民の健康保持を第一に進めている国保特定健診及び特定保健指導等の保健事業については、市町村が責任を持って行っていく必要があると考えております。
以上です。
命を守る公的責任を果たすよう強く求めて、次の質問に移ります。
住民自治協議会について
住民自治協議会についてです。
公民館の管理を住民自治協議会が指定管理者として受けると、公民館長、係長、嘱託職員の人件費をそのままそっくり住民自治協議会が受け、その中で自治協議会の事務局もできると説明をされているようですが、事実なのかどうか、それは教育委員会も同じ見解なのでしょうか、説明を願います。
◎教育次長(篠原邦彦君)
お答えいたします。
指定管理者制度導入後の公民館職員につきましては、地域の実情に通じ、地域の課題を肌で感じられる人材の確保や地域の状況に応じた人員体制により、サービスの向上を図ることが期待できますことから、受託者となる住民自治協議会で雇用していただくものであり、公民館の事務を遂行していただくことが業務となります。
指定管理者制度導入後におきましても、公民館は教育委員会の所管する社会教育施設として、その位置付けが変わるものではなく、地域の実情に応じて社会教育法第二十条に定められた住民の教養の向上、生活文化の振興、社会福祉の増進などの設置目的を効果的に達成していただく必要があります。
当初、指定管理者としての業務をこなした上で、余力があれば、公民館職員が住民自治協議会の事務を行うことも考えられるのではないかと説明した場面もございましたが、公民館活動を担う公民館職員と地域自治活動を展開していく住民自治協議会の事務局職員は、それぞれの立場や職責が異なりますことから、公民館職員の人件費は指定管理料に含め、住民自治協議会事務局職員の雇用に要する経費につきましては、地域いきいき運営交付金、いわゆる一括交付金に百万円を上乗せすることとしているものでございます。
しかしながら、公民館職員及び住民自治協議会事務局職員がそれぞれ担当する業務、活動は表裏一体のもので、一線を画することが困難なものも多く、お互い密接に連携、協働して事業展開を図っていくことが必要であると考えております。
以上です。
住民自治協議会は、どうやって事務局費を出すか、そのことに非常に頭を痛めておられます。そして、こうした説明がされてきたことで、実際には公民館の管理を受けざるを得ないというふうに考えておられるところも多いというふうに聞きます。今の説明では、兼務はできないということですが、それは明確に住民自治協議会の方にお伝えしているのでしょうか、確認をお願いします。
◎教育次長(篠原邦彦君)
お答えいたします。
指定管理者たる住民自治協議会が雇用する公民館職員、これは住民自治協議会が雇用する事務局職員ではございません。したがいまして、事務局業務を公民館職員が行うものではないというふうにも考えているものでございまして、これにつきましては、現在住民自治協議会、また各地区におけますそれぞれ説明会の席上では、そういう御説明をしております。
以上でございます。
現場には明確に伝わっておりません。この部分については強く指摘しておきます。
必須事務が二十二項目、選択事務が四十項目とあります。この根拠は何に基づくものですか。選択事務の中で、すべての地域にとって選択する余地のない、つまり外すことができない防犯灯の設置や維持など、なぜ選択する事務とするのか、説明を願います。
◎総務部長(鈴木栄一君)
まず、必須事務と選択事務の選定根拠についてお答えをいたします。
市では、都市内分権の理念に基づきまして、できるだけ柔軟に自由度の高い住民自治を行っていただけるよう、各種団体の連合組織を通じた上意下達の仕組みを改めることにいたしました。これに伴いまして、すべての市民にとってひとしく必要であるものについては、これまでどおり全市で一律に実施をしていただく必須事務といたした次第でございます。
また、地域によってそれぞれ異なったやり方が可能であったり、より地域の実情に応じて課題の解決が期待できるものについては、選択事務として大別をしたものであります。
例えば、広報ながのなどの必須事務につきましては、全市一律の方法を定めて実施するものでございますが、選択事務では、地域にとってより大きな課題に関する事業にはより大きな力を、そうでないものには縮小するなど地域住民の負担軽減を図ったり、優先順位を決めていただき、選択と集中の考え方で実施できるものであります。このような区分けによりまして効果的、効率的に地域の課題解決を図って、同時に地域の個性も発揮できるものと考えております。
これらの事務につきましては、昨年度地区代表者会議における協議を経て合意をいただいた上で、個々の事務に関する実施方法等の詳細をまとめまして、必須事務・選択事務事業実施要領案として、既に地区へもお示しをし、来年度からの本格的な活動の開始に向けた検討に役立てていただいているものであります。
いずれにいたしましても、こうした区分けにつきましては、実際に取り組んでいただいた中で、新たな課題が生じることも十分考えられます。必要に応じて見直すなど、試行錯誤を経てより良い仕組みにしてまいりたいと考えています。今、区分けにつきましては固定したものではないというふうには考えております。
また、防犯灯の話がございましたが、防犯灯の設置、それから維持につきましては、防犯灯の設置に関する市の補助制度を申請いただく場合につきまして、地区内での取りまとめや設置箇所の調整を選択事務にお願いしているものであります。
取りまとめや調整の方法を地区にゆだねるという観点に加えまして、防犯灯設置の申請がない区や自治会もありますので、選択事務としているものであります。
私からは以上であります。
そんなあいまいなことを言われては、現場はもっと混乱するだけです。固定したものではないとか、あるいはただ個性を生かせというふうに言われても、非常に私はあいまいな部分が多く、これは今後検討しなければならないことだと考えます。
また、地区まちづくり計画の策定に関するアンケートも行っていますが、私は非常に今問題だと思っているのは、設立までは自治の力が強調され、そして実は今回区長会を廃止したことに伴って、結局区長会にゆだねていた事項がそのまま住民自治協議会へ押し付けられた、この戸惑いがあると聞いています。末端の行政組織として仕事だけが増え、交付金が減らされていくのかという不安も強いと言われています。
また、住民サービスが後退するようなことが起きると、住民自治協議会の責任だとして、つまり自己責任だと責任転嫁されるのは困るとの意見もあります。事務局は、市が責任を持って設置するべきではないかと思いますが、もう一度お答え願います。
◎総務部長(鈴木栄一君)
私から、事務局体制とそれに伴う行政の責任あるフォローについてお答えいたします。市では、都市内分権の推進に当たりまして、平成十八年度に地区活動支援担当制度を創設いたしました。支所長等が住民自治協議会の設立やその活動を支援してきたところでございます。
今後、住民自治協議会が独自に事務局を備えていただくことができるよう、平成二十二年度から交付することにしております、地域いきいき運営交付金には、一地区百万円の経費を上乗せする予定であります。また、今年度のずくだし支援事業交付金におきましても、事務局職員の雇用に要する経費を補助の対象としたものでございます。
したがいまして、住民自治協議会の事務局につきましては、当面は支所の職員と住民自治協議会独自の職員によって構成される場合が生じてまいります。独自の事務局職員の役割として考えておりますのは、行政が行うことが望ましくない事務、例えば現金の出納事務などがあります。そのため、市では、会計処理に係るマニュアルを作成するとともに、事務局職員に対する研修を行うことも予定をしておりまして、万全の体制で平成二十二年度を迎えることができるよう取り組んでまいります。
私からは以上でございます。
市営バスの運行について
市営バスの運行についてお聞きします。
利用率向上と持続可能な運行に向け、現場のバス運転に携わる人たちの意見を聴くべきと思いますが、いかがですか。現場に知恵あり、課題解決の糸口ありと考えますが、どうでしょうか。また、来年一月の信州新町と中条村との合併を控え、合併町村の市営バスの管理業務委託の業者選定に当たっては、期間も含め見直す必要があると考えますが、見解を伺います。
◎企画政策部長兼行政改革推進局長(丸山文昭君)
市営バスの運行についての質問のうち、まず利用率向上と持続可能な運行に向け、現場に知恵あり、問題解決の糸口ありと考え、現場のバス運転に携わる人たちの意見を聴くべきとの御質問についてお答え申し上げます。
市営バスの運行につきましては、平成十七年に合併しました豊野地区など四区におきまして、合併前から運行していた町村営バスを長野市が引き継ぎ、従来どおりの内容で運行の継続に努めてまいりました。
市営バスは、高齢者や子供など自らの移動手段を持たない人たちの移動手段を確保し、地域における公共の福祉増進のため運行しておりますが、少子高齢化や過疎化による当該地域の人口減少、近年の自家用車の普及や道路網整備に伴うマイカー依存社会の進行により、利用者はいずれの地区も減少傾向にあるため、平成十九年度から地区の区長会や地域審議会などと協議を進め、地域の特性や移動需要に応じた効率的な運行を目指し、約二年間かけ検討を重ねるとともに、利用者アンケートや住民説明会を実施するなど、地元の皆様の御意見を頂きながら再編し、本年四月から新たな内容で運行をスタートさせたところでございます。
再編に当たりましては、特に運行便数、運行経路、運行時刻などについて利用者数が減少する中、利便性や利用率の維持向上に向け、住民の皆さんの御意見を参考に、利用者の立場に立って検討を進めてまいりました。
そのような中、議員さんの御指摘のとおり、今後の運行内容をより良いものとしていくためには、現場の状況を熟知し、利用者の声を直接お聞きする機会の多い現場で携わる乗務員の協力は欠かせないものと考えております。そのためにも、必要に応じ受託事業者を通じ、現場の状況や御意見をお聴きしながら、持続可能でなおかつ利用者の立場に立った措置を講じてまいりたいと考えております。
次に、信州新町と中条村との合併を控え、合併町村の市営バスの指定管理者の選定に当たっては、期間も含め見直す必要があるという御質問についてお答え申し上げます。
信州新町及び中条村との合併協議の中では、両町村営バス事業は、原則として現行どおり実施することとし、合併後平成十七年に合併した豊野地区など四地区の市営バス再編と併せて運行内容を見直し、平成二十四年度に再編を行うこととしております。
現在、信州新町、中条村ともバスの運行は委託方式で実施しており、その契約方法は随意契約とのことであります。合併後、年度内は合併前の契約を引き継ぐこととなりますが、平成二十二年度以降は、多くの事業者に参加の機会を得ていただくとともに、公平性を確保するため競争入札とする予定でございます。
なお、契約の期間につきましては、平成二十三年度までの間は単年度契約とし、運行内容の再編を予定しています平成二十四年度以降の契約につきましては、運行事業者側での人材の安定的確保の面を初め、より一層安全・安心な運行を図っていく面からも、現在豊野地区など四地区で行っているような、債務負担による三年程度の長期契約を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
浅川の内水対策について
それでは、浅川の内水対策について伺います。
私は、今ここに図を持ってまいりました。二〇〇四年十月の台風二十三号下における千曲川の立ヶ花地点の流量と水位並びに浅川の河口部の流量の図であります。
これが浅川です。これが千曲川です。非常に今、下流域の皆さんから内水対策をどうするのかということで関心が高まっています。実は、この時点では、二〇〇四年十月二十一日の午前零時から一時、ここが一番、浅川では水位が高まっています。その後、約八時間して立ヶ花の水位と流量がピークを迎えています。この時間差を利用して、浅川の排水機場から今までは内水を千曲川に流していたという状況です。
ところが、この時間差が今度は上流にダムを造ることによって、実は水が早く到達せず、千曲川の水位上がってから浅川の排水機場を動かすことになるのではないか。そうすれば、かえって今まで以上に内水の洪水被害が広がるのではないか。こういうことが非常に懸念されています。こうした疑念に対して、市としてはどう説明されるのかお聞きいたします。
◎建設部長(内山秀一君)
お答えいたします。
浅川ダムは、浅川の内水被害を現状より悪化させるのでないかという御質問でございますが、ダムが下流域の内水に及ぼす影響につきましては、浅川と千曲川の高水位のピーク発生時刻の違いや、それから、ひ門閉鎖時期等の要素が複雑に絡んでおります。一概には、そういうことでどうだということは言えないものの、ダムにより洪水流量を最大毎秒百トンカットするということで、浅川の上流・中流・下流域全体にわたる外水はんらんが回避され、計画日雨量百三十ミリに対しまして、どこの地点をとってみましても、洪水のいっ水被害を生じさせない計画となっております。
また、浅川の水位低下が可能となることから、農業排水路を含め、浅川に流入する河川があふれるという二次内水被害に対しても効果があるものと考えております。
以上でございます。
実は、〇六年の降水時には、立ヶ花流量が計画高水流量九千トンの三分の二ほどだったにもかかわらず、水位は十メートル六十八センチまで達し、あと七センチでポンプを止めなければならない事態になりました。そういうことで、私はダムよりも遊水地、特に有効策として遊水地を求めるものですが、見解を伺います。
◎建設部長(内山秀一君)
千曲川との関係における浅川排水機場の運転につきましては、千曲川の水位が計画高水位に達し、更に上昇するおそれがある場合には、排水ポンプを停止しなければならないと、こういうふうに操作規則上定められております。これは浅川に限らず、他の排水機場においても同様でありまして、このような事態を招く要因は、立ヶ花狭さく部で流水が阻害され、上流へせき上げられることが大きく影響をしております。
したがいまして、洪水時の千曲川の水位を下げるためには、立ヶ花狭さく部の流下能力を上げることが是非とも必要であるというふうに我々の方では考えております。
それから、同時に浅川の遊水地につきましても県と協議もしながら、早急に進めるように我々の方でも努力してまいりたいと、こんなふうに考えております。