2009年6月定例市議会 あべ孝二議員
市長の政治姿勢について
入札等について
市役所第1庁舎と市民会館の建て替えについて
住宅の耐震関連事業の促進について
住民参加の公共交通対策について
憲法25条に則った生活保護行政について
中学までの30人規模学級の拡大について
市長の政治姿勢について
二十四番、日本共産党市議団阿部孝二です。
市民が主人公の市政、福祉・教育の充実、営業と生活を守る立場から質問します。明快な答弁をお願いします。一問一答で行います。
初めに、市長の政治姿勢についてお伺いします。
核兵器廃絶について。
アメリカのオバマ大統領は、プラハの演説で、米国大統領としては初めて核兵器のない世界を追求することをアメリカの国家目標とする宣言をしました。広島、長崎への核兵器使用が人類的道義にかかわる問題であることを初めて表明するとともに、その立場から核兵器廃絶に向けた責任について語っています。そして、核兵器廃絶に向けて世界の諸国民に協力を呼び掛けています。
日本共産党は、オバマ大統領に対し、書簡でプラハでのオバマ大統領の演説を心から歓迎すること、もう一つは核兵器のない世界を呼び掛けながら、その現実は恐らく私の生きているうちには無理だろうと述べていることについては同意できない。
そして、二つの要請をしました。一つは、核兵器廃絶のための国際条約の締結を目指して、国際交渉を開始するイニシアチブを発揮すること、二つ目は、二〇一〇年の核不拡散条約再検討会議において、核保有国によって核兵器廃絶への明確な約束が再確認されることを行いました。
麻生自公政権はオバマ演説を受けて、アメリカに繰り返し求めているのは、日米安全保障体制の下における核抑止力を含む拡大抑止の確認を迫ることです。これは被爆国の政府として、恥ずかしい限りではないでしょうか。
北朝鮮は五月、二回目の核実験を強行しました。これに対して、日本共産党は記者会見で、北朝鮮の核実験に厳しく抗議する談話を発表しました。今度の核実験強行が国連安保理事決議や六か国協議共同声明にも明確に反する暴挙である。北朝鮮に対し、これ以上の核実験を厳に慎むこと、核兵器及び核兵器開発計画を放棄すること、無条件で六か国協議に復帰することを強く求めました。
また、一部に北朝鮮の暴挙に対し、日本国憲法はもちろん、国連憲章にも違反する敵地攻撃論や核武装論などの軍事的対応を公然と言い募る動きに対しては、厳しく反対していく必要があると主張しました。
市は、昭和六十年九月二十七日、平和都市宣言を行いました。平和は我が国憲法の基本原理であり、全市民の共通の念願である。我々は平和を愛するすべての都市と共に、核兵器の廃絶を初め非核三原則を厳守し、すべての兵器による戦争の放棄を強く訴え、全世界の恒久平和を希求し、ここに長野市を平和都市とすることを宣言するとしています。
市長は、オバマ大統領の演説と共産党の書簡、麻生内閣の核抑止、北朝鮮の核実験の対応での軍事的対応発言について、どう受け止めているのか見解を求めます。
次に、鷲澤市長の市政運営について伺います。
自民公明与党の麻生内閣の下で、アメリカ発の世界経済危機によって日本経済の深刻な悪化が引き起こされ、国民の暮らしは重大な打撃を負っています。日本の経済危機は、構造改革路線によって貧困と格差が広がるなど、社会のあらゆる分野でゆがみが深刻になっているところに、世界からの大津波が襲いかかってきているだけに、打撃も不安もかつてなく大きなものがあります。
これまでの経済政策の枠組みをこのまま続けていいのか、日本経済の在り方の抜本的転換の必要性が、多くの国民・市民にとって強く実感される状況になっています。
国民・市民の生活と権利を守るルールある経済社会を築くためには、異常な財界・大企業中心の政治を転換することです。財務省の法人企業統計を基に製造大企業--資本金十億円以上は、〇一年度と〇七年度を比較すると経常利益は二・二五倍、配当金は三・二六倍、社内留保は二・九七倍に大幅に増えています。
その一方で、従業員給与は〇・九八倍と減っています。消費税は平成元年から導入され、高齢化社会のため福祉財源のためと言われて、市民・国民がこの二十年間に納めた消費税は二百十三兆円になります。
しかし、福祉は全くよくなっていません。年金保険料の値上げ、給付の後退、国民健康保険料の値上げで、払いたくても払えない保険料に、介護保険は保険料の負担増、利用料負担でサービスや施設が利用できない。障害者自立支援法で応益負担により施設やサービスを受けられない。生活保護では老齢加算と母子加算の廃止で改悪が行われています。
納めた消費税の約八十五パーセントが資本金十億円以上の大企業の法人税減税百八十二兆円に充てられました。定額給付金や子育て応援特別手当など一時的な給付や減税で、二〇一一年に消費税の増税では、一層市民・国民が貧困に苦しむことになります。高額所得者の所得税率は七十五パーセントから四十パーセントの減税、株の配当所得は十パーセントの軽減税率で減税が行われています。
大企業は景気の後退を理由に一斉に非正規雇用者を解雇し、正規社員に希望退職を募るなど行われ、失業率五・〇パーセント、三百五十万人に及ぶ失業者、職を求めても、ハローワークではいつでも満員状態で、職に就けない状況になっています。さらに自殺者は、年三万人が十一年も続く異常な状況です。
憲法二十五条、生存権、国の社会的使命、一、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。二、国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。地方自治法では、地方自治体は住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとするとなっています。
鷲澤市長は、この精神で市政を実行し、市民の暮らし、生命、財産を守らなければなりません。鷲澤市政二期八年の中で、指定管理者制度の導入、保育園の民営化、利用者負担に関する見直し方針とごみ袋有料化など今後八億円もの負担、在宅福祉介護料の削減、国民健康保険料の引上げなど、今後も市民負担を押し付けていくのかどうか。また、信越放送取締役を辞任しないで継続するのかお尋ねします。
◎市長(鷲澤正一君)
初めに、核兵器廃絶についてお答えをいたします。
長野市の平和都市宣言にありますように、核兵器の廃絶を初めとしたあらゆる兵器による戦争をなくし、平和な世界を実現し、子供たちの世代に引き継いでいくことは、私たち人類の崇高な願いであり、そのために尽力していかなければならないことは、言をまたないところであります。
阿部議員さんの御質問の一つ一つの発言に対する見解は申し上げませんが、オバマアメリカ大統領が核兵器のない世界に向けて、核廃絶政策を提唱されたことは、核兵器廃絶に向けた大きな一歩であると思いますし、この提唱を契機に、平和的及び外交的努力によって核廃絶が進んでいってほしいと私自身願うものであります。
しかし、世界が核廃絶に向けて動き始めたこうした時期に、北朝鮮が核実験を行ったとの発表がありました。非常に遺憾なことと感じております。核兵器廃絶を初めとした世界平和の実現に向けて、何より大きな役割を果たすべきは、やはり国の外交であり、政府において最大限の外交努力をいただくことが最も重要であると考えております。
我々地方自治体といたしましては、市民の皆様一人一人の平和を願う気持ちの輪を広げ、大きな力にしていくことが大切であります。本市といたしましては、これからも平和都市宣言の下、平和のつどいを開催するなど、平和行政の推進に向けて、市民の皆様に平和の大切さを訴え続けてまいりたいと考えております。
続いて、私の市政運営についてお答えをいたします。
私は、行政に課せられた最大の責務、基本的な使命は、市民の暮らし、生命、財産を守ることであると認識し、市長就任以来、次の時代を見据え、市民が幸せを実感できるまちづくりに向けて、様々な施策に取り組んでまいりました。取り分け、右肩上がりの経済が終わり、少子高齢時代を迎えた現在、大幅な税収増加が見込めない中、民間活力の導入を軸とした行政改革は私の使命だと申し上げ、指定管理者制度の導入、保育園の民営化など、民間のノウハウを生かした市民サービスの向上と、行財政運営の効率化に努めてきたところであります。
利用者負担の見直しにつきましては、公共サービスのコストと負担の在り方はどうあるべきかを、審議会の議論を経て取りまとめたものであり、これからの時代において、行財政運営を持続可能なものとするためには、適切な方向であると考えております。
影響額の八億円でありますが、これは見直し方針で改定を検討するとした七十事業について、基準に基づき計算した理論上の数値にすぎません。現在、経済的弱者への配慮や家計への影響、その他の政策判断の要否を含めて検討を進めております。実施に当たりましては、稼働率の向上やコスト削減など、市の経営努力を行った上で、市民の皆様の御意見をお聴きしながら、改定の是非を含めて最終的な政策判断をしてまいります。
在宅福祉介護料や国民健康保険料の見直しにつきましては、社会福祉審議会や国民健康保険運営協議会で御審議をいただき、議会で条例改正案を御決定いただいた上で進めてきたものであり、今後もこれまでと同様、適切に対応してまいります。
地方自治体の経営は、今後も厳しい状況が続くものと思われます。本市といたしましては、引き続き行政改革を推進し、将来世代に責任を持てる行財政を構築するとともに、更なる市民サービス、住民福祉の向上を目指し、市政運営に当たってまいりたいと考えております。
なお、信越放送の取締役就任については、昭和二十六年県内初の民放として信越放送が創立された際に、その公共性を踏まえ、長野市が出資したことに伴うもので、私が市長に就任する前から続いております。公共的な役割を担う放送事業者の活動を、より一層社会貢献、地域貢献につなげていただけるよう、今後も自治体の長としての立場から、必要に応じ意見を申し上げてまいりたいと考えております。
私からは以上です。
各自治体が困難なときに、東京の日の出町は七十五歳以上のお年寄りの皆さんに対し、医療費の無料化を四月から実施しているということであります。そういう点では今後とも一層市民の弱者を救済するために、運営をしていただくようにお願いしたいと思います。
入札等について
次に、入札等についてお尋ねします。
全商連・民商は、〇九年上期営業動向調査を行いました。調査の結果、売上げは減少が七十八・七パーセント、利益の減少は八十・〇パーセントで、中小零細企業の経営がかつてなく深刻な状況を示し、倒産、廃業に追い込まれています。
そして、質問でありますが、落札資格業者が一社で、あとの業者は失格業者なら入札は無効とし、業者を総入れ替えし、再入札すべきではないかという質問を行います。契約課に聞いたところ、同じケースが平成十九年五月から二十年十月まで十三件ありました。
一つの例ですが、旧南部浄化センター解体工事の例では、県下でも大手建設会社の一般競争入札参加業者八社のうちT社だけが落札価格以内で、あとは失格価格でありました。市が落札後、公表した予定価格は四億六千五百万円、最低制限価格は四億一千四百七十万円、調査基準価格は四億二千六百三十万円でした。予定価格四億六千五百万円に対し、一番低い価格で入札したのはM社で二億一千万円で、四十五・一六パーセントでした。
また、一番高い失格価格は、K社の三億四千五百六十万円で、七十四・三二パーセントです。設計図書は工事内容が詳細に示されているもので、一社だけが入札価格以内とは疑問が残ります。
市建設協会は三月三十日、市長に建設業界は価格競争が激化し、企業努力の限界を超え、経営破たんが懸念される状況にある、人員確保や機械の維持管理も困難で、今後の災害対応や除雪等公共性の高い役割が担えない可能性もあると窮状を訴え、是非とも最低制限価格を上げた運用も考えてほしいと要望したと報道されています。建設業界のこの要望と入札価格が違うのは、談合疑惑か、予定価格が高過ぎるのかと思われます。
答弁をお願いしたいと思います。
◎財政部長(久代伸次君)
私から、有効な入札が一社のみで、あとの全員が失格となった場合、入札を無効にして、再入札を行うべきではないかとの御質問にお答えいたします。
入札の方法につきましては、地方自治法及び地方自治法施行令において、予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって申込みをした者を契約の相手方とする。ただし、その者の価格によっては、契約の内容に適合した履行がされないおそれがあると認めるとき、又はその者と契約を締結することが公正な取引の秩序を乱すこととなるおそれがあって、著しく不適当であると認めるときは、予定価格の範囲内において、その者以外の者を契約の相手方とすることができるという旨の規定がされております。
本市では、これらの規定を受けて、複数の者が参加した入札で、結果的に有効な入札が一社のみとなった際においても、事前に談合情報などがなく、適正な履行が可能と判断された場合は、その者を落札者として決定してまいったところであります。
この対応につきまして、昨年の本市議会十二月定例会の総務委員会において、阿部議員さんより今回と同様の御指摘をいただきましたので、その後、庁内で検討し、御指摘のような入札が行われた場合には、落札決定を一時保留し、入札をした者に工事費内訳書の提出を求め、必要に応じて聞き取り調査などを実施することといたしました。
調査の結果、談合が疑われた場合には、マニュアルに沿った談合調査に移行させ、応札者や市の積算に問題がある場合は、入札のやり直しなどの対応をとることとしております。
なお、入札が適正であり、かつ、工期内の履行が確実と見込まれる場合は、落札決定の上、契約してまいります。
この方式につきましては、入札・開札事務の運用として試行を始めておりますが、これまでのところ該当する事案は発生しておりません。今後もより公正で透明性の高い入札の実現を目指し、入札制度の更なる改善に努めてまいりたいと考えております。
次に、常駐制度
を含めた技能士重用制度についてお伺いします。市は、社団法人全国技能士会連合会の市町村における技能士の現場常駐制度に対し、昭和五十九年度から採用していると回答しています。また、入札の総合評価において、配置予定技能士の能力として評価しています。
しかし、現場常駐確認が不十分と技能士から聞いています。登録技能士の現場確認を写真の証明書等で行っているのか、またどのように行っているのか、今後の対応についてお答えください。
◎建設部長(内山秀一君)
私から、常駐制度を含めた技能士重用制度についてお答えいたします。
長野市が発注する公共工事につきましては、契約金額が五百万円以上など一定規模以上の工事につきましては、職業能力開発促進法による一級技能士等の資格を有する者を、例えば左官やかわらぶきなどの特定工事に採用することとして、設計図書で指定をしております。
技能士の現場常駐確認につきましては、着工前に技能資格者名簿及び資格者証の写しの提出を求め、作業中における工事写真等で市の監督員が確認を行っております。公共工事の品質確保は、工事を施工する専門工事業者や技能労働者の能力が重要な要素であることから、確認について不十分との指摘を受けることのないよう、現場常駐確認を徹底し、今後とも技能士制度の活用を促進し、公共工事の品質確保に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
次に、公契約制度の活用で労務単価の保障について。
二〇〇七年十二月議会で、「公共工事における賃金等確保法」(仮称)の制定など、公共工事における建設労働者の適正な労働条件の確保に関する意見書が全会一致で採択され、国の関係機関に送付されました。市は、労務単価が県と同じ単価で行っていると回答しています。
労務単価は下請・孫請業者に義務付けはしていないとしていますが、労務費は直接工事費に含まれています。施工体制台帳と施工計画書に基づく一次・二次下請等に労務費が労務単価で支払われているかどうか調査し、単価を公表し、落札業者に徹底すべきではないでしょうか、お答えください。
◎上下水道局長(武内一夫君)
下請業者等の賃金実態調査等について検討してまいりました長野市建設技術委員会を代表しまして、私から施工体制台帳及び施工計画書に基づく一次・二次下請等に労務費が労務単価で支払われているか調査し、また単価を公表し、落札業者へ徹底すべきについてお答えいたします。
建設業法第二十四条の七、施工体制台帳及び施工体系図の作成等では、下請契約の総額が三千万円、建築一式工事では四千五百万円以上になる場合は、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第十三条の規定により施工体制台帳を作成し、その写しを発注者に提出しなければならないとなっております。
このことから、本市においては、工事担当監督員及び担当部局において、元請とどこが下請であるかの関係を確認し、監督しているところであります。
労務単価の実態調査を行うことについては、国、県においては、建設業法に基づいて、関係会社間の支払内容等について一定の調査をすることも考えられますが、市にはこのような権限もなく、調査を実施することはできないと考えております。
私からは以上でございます。
次に、入札参加資格者から小規模工事契約希望者登録制度への移行について。
全商連の調査で、全国四百十一の自治体が、小規模工事契約希望者登録制度等の実施は、地域の経済対策として有効としています。市の少額の随意契約は、契約課と担当課に分かれて発注していますが、土木工事の一番低い等級業者はE等級になっていますが、E等級業者以外に発注され、登録業者に一度も入札の機会がない状況もあります。
そこで、入札参加資格者から小規模工事契約希望者登録制度へ移行をし、五十万円以下の随意契約を地域に分けて発注し、地域経済の活性化を進めてはどうかお答えください。
◎財政部長(久代伸次君)
次に、入札参加資格者から小規模工事契約希望者登録制度への移行に関する質問についてお答えいたします。
予定価格五十万円以下の小規模工事につきましては、担当課が設計書付き見積りによる随意契約によって工事を直接発注しておりますが、その際は、地元及び近傍の小規模事業者の中から土木一式工事を例にとりますと、ランクがC・D・E級の事業者の中から、できるだけ下位の事業者へ発注するよう努めているところであります。
ただ、以前施工した付近の工事で、現場を熟知しているとか重機等機動力が必要である、あるいは早急な対応が求められるなどといった場合や、近隣に下位の事業者がおられないときには、上位の事業者に発注する場合もございます。
議員さん御提案の小規模工事契約希望者登録制度でございますが、五十万円以下の少額な工事とはいえ、一定の技術力が求められる場合もありますし、短期間に仕上げなければならない場合などもございます。また、本市の建設工事競争入札参加資格審査制度は、建設業許可及び経営事項審査を有していなくても登録できるなど、他の地方公共団体に比べ、門戸を広くしておるところでございます。
これらのことから、小規模工事契約希望者登録制度へ移行する必要性は低いものと考えております。
ただ、議員さんの言われるとおり、五十万円以下の工事を地域分けし、その上でE級などの小規模事業者へできるだけ多く発注できれば、地域経済の活性化にも資するものと思われますので、御提案の小規模工事契約希望者登録制度を参考に、本市に合った発注方法について、今後研究してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
小規模の問題でありますが、平成二十年度の資料を見ますと、建設部から直接発注した五十万円未満の工事は全体では千百八十一件ありますが、Eクラスの事業の発注は十・六七パーセント、百二十六件にとどまっています。Aクラスでは二百四十三件あります。是非小規模の方に発注するように努力してもらいたいと思います。
市役所第1庁舎と市民会館の建て替えについて
次に、市役所第一庁舎及び市民会館建て替えについてお尋ねします。
市は、第一庁舎の建て替えを市民会館の跡地にし、市民会館は東急百貨店かイトーヨーカドーを含む再開発事業又は第一庁舎跡地に建てるかを選択し、合併特例債の活用などで建て替えを進めています。市民の皆さんから基本的方針についての御意見をお待ちしていますと、平成二十一年六月三十日まで募集しています。
五月二十六日までの意見概要は、第一庁舎に対し、建て替えの可は八十七・五パーセント、否は十二・五パーセント、否定的意見は小・中学校の耐震対策を解決してから、市民会館建て替えでは、可は八十四・九パーセント、否は十五・一パーセント、箱物建設は要らない公園を、県文があるからと否定的意見がありました。
二つの建物は合わせて八十から百億円と言われています。市民生活は格差と貧困が広がり、大変なとき、できるだけ税金をかけない方法で市民合意が得られるようにしなければなりません。再開発事業に取り組むとなれば、総事業費は十倍以上になり、建物等に入る入居者が不十分となれば、最後は市民の負担になるのではないでしょうか。庁舎の耐震補強工事も含め、できるだけ税金を投入しない方法も併せて検討すべきではないでしょうか、答弁を求めます。
◎市長(鷲澤正一君)
市役所第一庁舎及び市民会館の建て替えについてお答えをいたします。
お話のありました両施設の建設費についてでありますが、第一庁舎には庁舎整備基金、それから市民会館には市制九十周年記念文化施設建設基金、この二つを充てるほか、国の補助制度を最大限活用する予定であります。
また、両施設とも合併特例債の活用を前提としており、可能な限り市の財政に大きな負担とならないよう考えているところでございます。
御質問の第一庁舎の耐震補強の可能性について申し上げますと、工法としては耐震壁や鉄骨ブレース、いわゆる筋交い、これを増設する耐震補強工法、基礎部分を免震層にする基礎免震工法、あるいは三階部分を免震層にする中間層免震工法の三種類について検討いたしました。
まず、耐震補強工法ですが、この工法では経費的には約七億八千四百万円と最も少ない負担となりますが、室内に多数のブレースを取り付けるため、結果的に使いづらい空間が多くなるなど、事務スペースの機能性が損なわれることとなります。
次に、基礎免震工法ですが、基礎部分と地階部分に免震層を設けるほか、免震層に当たるエレベーターや周辺の設備配管を改修する費用などが必要となることから、約十五億六千四百万円の経費負担が見込まれます。
次に、中間層免震工法ですが、三階部分に免震層を設けるほか、基礎免震工法と同様、設備配管などの改修や免震層以下の部分に耐震補強が必要となり、約十二億五千百万円の経費負担が見込まれます。
その上、どの工法も工事期間中の仮移転経費--二年間で最大約十一億円が必要となるようでございます。
以上の三種類の工法について検討いたしましたが、第一庁舎は築四十四年を経過しており、耐震改修を行っても、一般的に言われている耐用年数--六十年でございますが、これは延ばせません。よって、将来的には費用対効果が低いと判断をしたものであります。併せて、庁舎は災害時においては最重要の防災拠点施設であります。市民の救助や救援に当たる市職員が救助を必要とするようでは、これは話になりません。早急な対応が必要であります。
次に、市民会館についてお答えをいたします。
市民会館は、築四十八年を経過しており、平成二年に実施した耐久度調査や平成十三年に実施した劣化診断では、経年劣化によるコンクリートの中性化が進行し、コンクリート強度不足が見られたことが報告されております。また、機能の面では、市民や利用者の皆様から、楽屋やリハーサル室などの使いづらさや設備の不具合に関する御意見、そういったものを多く頂いております。その結果、耐震補強工事を含めた全面改修となると、試算では約二十五億円が見込まれ、第一庁舎と同様に費用対効果が低いと判断したものであります。
以上のように検討した中で、第一庁舎と市民会館は、耐震性や経年劣化、機能面から建て替えが妥当であると判断した次第であります。また、建て替えに当たっては、市の財政負担をできるだけ軽減するよう、建設コストや維持管理コストを極力抑えたものにしてまいります。
次に、再開発事業に併せて市民会館を建て替えした場合の財政負担等についてお答えをいたします。
市民会館の建て替えには、合併特例債の活用を前提としておりますが、仮に再開発事業に併せて整備した場合には、国の緊急経済対策等もあって、単独で整備するより有利な補助金を確保でき、市の財政負担を減らせることが可能となります。
長野駅前地区や権堂地区では、平成十九年からにぎわい再生に向け再開発について研究が進められていました。そこに市民会館誘致の話が持ち上がり、再開発事業と併せることでまちのにぎわいを一層高めようと、現在、各地区の皆様が取り組まれておるわけでございます。この場合、市民会館を追加することで再開発全体の事業費は増えるわけでございますが、地元も市も一緒に事業を行うことで、各々が負担する経費を二割から三割程度減らすことができるようになると考えております。
これは、再開発事業も市民会館の整備についても、その事業計画がまだ固まっていない現段階では不確定な要素が多く、確実なことは言えませんが、財政負担が軽減できる根拠とすれば、次のような点が挙げられます。
市は、中心市街地活性化基本計画の認定を受けた地区内で、まちのにぎわい復活を図る暮らし・にぎわい再生事業を活用することで、市民会館整備費用の三分の一を国の補助金で賄うことができ、残りの費用についても、合併特例債を活用できるということでございます。
一方、地元も平成二十二年度までの事業着手の条件がありますが、国の緊急経済対策を活用することで、市民会館と共用できるエントランスやトイレ、駐車場部分について、通常より三割ほど多い再開発事業補助金を受けることができ、各々負担を減らすことができるためであります。
なお、民間テナントの入居状況に関する御心配については、計画段階で核となるテナント等を決定するよう指導してまいりたいと考えております。
私からは以上です。
住宅の耐震関連事業の促進について
次に、住宅耐震化関連事業の促進対策についてお尋ねします。
市は耐震改修促進計画を策定し、既存建物の耐震診断及び耐震改修を計画的に進め、地震被害から市民の生命・財産を守ることを目的としています。平成二十七年度までに戸建て住宅等の改修戸数が八千四百七十戸としています。平成十七年度からの耐震診断、耐震改修補助事業が実施されていますが、年間四百件の簡易診断、百五十件ぐらいの精密診断、そして耐震補強工事が四十件前後で、これでは目標達成は困難です。補強工事の平均金額は百五十六万円、補助の限度が六十万円、残りの負担が九十六万円で、負担が重く、進んでいないのではないでしょうか。
品川区では、大学と一緒に開発し、耐震シェルター等で一部屋三十万円から四十万円の耐震補強工事を実施していると聞いています。本人の負担軽減の新たな補助制度、設計監理補強工事合わせて四十万円程度で実施できるように、関係機関と開発してはどうかお答えください。
◎建設部長(内山秀一君)
お答えいたします。
市では、昨年二月に耐震改修促進計画を策定し、平成二十七年度までに住宅の耐震化率を九十パーセント以上とする目標を定めました。この計画に基づきまして、現在、耐震化の促進を図っており、所有者が行う耐震化の支援をしております。
支援の第一歩としまして、多くの市民の皆さんに現在お住まいの住宅の耐震性能を知っていただくために、木造住宅の無料の耐震診断を実施しております。
この診断結果を受け、耐震性が不足した住宅については、補強工事を行うのか、また建て替え工事を行うのかなどの検討を所有者自身で判断していただいております。その際、補強工事を実施する所有者には、工事費の二分の一かつ上限六十万円の支援をいたしております。実績といたしましては、昨年度までに九十三件について補助金を交付しており、更に御利用していただくようPRしているところでございます。
耐震シェルター等低価格でできるものも研究し、補助対象にしたらとの御意見でございますが、市では耐震改修促進計画に基づき、市民の生命と財産を守るため、建物全体の補強工事の実施を促進していきたいと考えております。このため現時点では、現行の補強工事補助制度を住宅の耐震化支援の中心として進めてまいりたいと考えております。
事例として挙げられました東京都では、耐震シェルター設置の補助を実施している都内自治体に、昨年度一年間に二十五件の補助を実施したとのことでございます。都内各自治体の補助条件は、高齢者世帯のみ、あるいは所得制限等があり、かなり限られた世帯に対する補助制度となっております。このため、まだ普及率が低く、課題も多く残されていると思われます。
本市でも、今後耐震シェルター等低価格でできるものについて検討を行いますが、現行の補助制度を拡充し、更に住宅の耐震化が促進するようにしていきたいと考えております。
以上です。
住民参加の公共交通対策について
次に、住民参加の公共交通対策についてお尋ねします。
現在、屋代線の活性化・再生に向けて、長野電鉄活性化協議会を設立し、計画策定に向けて会議等が行われ、法定協議会の設置を行うとしています。また、バス路線を中心とした長野市公共交通活性化・再生協議会を設置しています。そして長野市交通対策審議会は、公募委員五人を含む二十三人の構成で行われています。それぞれの役割があると思いますが、以下の提言をしたいと思います。
一つは、それぞれの会議の連携、中間報告などの交流会議が必要ではないか、二つ目としては、対策審議会の委員の方に、二つの協議会にオブザーバーとして参加してもらったらどうか、三つ目には、住民自治協議会に公共交通対策についての意見聴取の提案をしてはどうかお伺いします。
◎市企画政策部長兼行政改革推進局長(丸山文昭君)
公共交通に関する質問のうち、まずそれぞれの会議の連携、交流会議についてでございますが、本市がかかわる法定協議会としましては、お話の長野市公共交通活性化・再生協議会、長野電鉄活性化協議会とともに、しなの鉄道活性化協議会があり、現在、三つの協議会がそれぞれ同時並行的に総合連携計画策定に向けた協議を進めているところでございます。
いずれの計画も、本市の公共交通再生の点で密接に関連することから、必要に応じて他の協議会の検討状況を報告してまいりたいと思っております。
なお、各協議会は本市単独の組織のほか、沿線の自治体関係者による組織など、設置目的によって委員構成が大きく異なるため、直接的な意見交換が必要になった場合には、該当する協議会関係者と調整を図ってまいりたいと考えております。
次に、長野市交通対策審議会につきましては、昨年十二月に長野市交通体系ビジョン策定の提言をちょうだいするなど、本市の公共交通再生に強い関心をいただいているところでございます。委員の中には既に長野市公共交通活性化・再生協議会などに委員としてお入りいただいている方も数多くおりますが、今後、審議会へも各法定協議会の協議内容を御報告してまいりたいと考えております。
次に、住民自治協議会への意見聴取についてでございますが、長野電鉄活性化協議会では、屋代線沿線住民の代表として、松代・若穂両地区の住民自治協議会会長に委員にお入りいただいているところでございます。
また、市民の皆様の御意見をお聴きするという点で申し上げると、長野市公共交通活性化・再生協議会では、来月に市内四千世帯を対象とした市民アンケートとバスの乗客千人を対象とした利用者アンケートを行う予定であり、長野電鉄活性化協議会、しなの鉄道活性化協議会においても、アンケートを行う予定でおります。
なお、いずれの協議会も総合連携計画の素案ができた段階で、パブリックコメント、本市で言いますと長野市まちづくり提案制度でございますが、これを行うこととしております。
各法定協議会の動きとは別になりますが、市ではこれまでもコミュニティバスや乗合タクシー、あるいは市営バスの運行等に当たり、関係地区の皆様と意見交換を重ねており、また現在行っている地区もございます。関係地区の皆様から御意見をちょうだいすることはもちろんのこと、住民の皆様同士で御意見を交わしていただくことは、公共交通の利用促進や地域づくりの上で非常に大切なことであります。
今後とも状況に応じて住民自治協議会、あるいは関係団体の皆様と協議を重ねる中で、より良い公共交通体系の構築に取り組んでまいりたいと考えております。
憲法25条に則った生活保護行政について
次に、憲法二十五条にのっとった生活保護行政についてお尋ねします。
生活保護行政は、年越し派遣村の生活保護申請などで大きく前進しました。生活保護本来の運用がされました。その教訓は、一つとして、路上生活からの即生活保護適用、二、居宅保護のための敷金や家賃、布団等の支給、三、保護申請即保護支給、四、稼働年齢層についても保護の適用となっています。これは市の保護行政にもつながることだと思います。
そこで一つ、保護決定の期間について、申請により十四日以内に決定することが原則、しかし扶養義務者の資産等の調査に日時を要するなど特別な理由がある場合には、三十日以内に決定することになっていると答弁されています。市は、保護の決定まで三週間から四週間かかって、すべてが特別の理由があることになります。資産調査が特別とは考えられない。原則を無視しているとしか思えません。
二つ目には、二万円のつなぎ資金は、保護が十四日以内を原則としてのつなぎではないのでしょうか。十四日では一日当たり千四百二十八円、四週間では一日当たり七百十四円となり、最低生活を維持できません。必要なつなぎ資金を渡すべきではないでしょうか、お答えください。
◎保健福祉部長(松橋良三君)
まず、生活保護決定までの期間についてでございますが、生活保護は憲法第二十五条--国民の生存権の理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、一日も早く自分自身の力で生活できるように支援する制度でございます。
生活保護費は、国が定めている生活保護基準によって算定されたその最低生活費の額と世帯すべての収入額とを比べて不足する分を支給するものでございます。このため、生活保護法に基づく保護の決定又は実施のため、保護申請者又はその扶養義務者の資産及び収入調査は必要不可欠なものでございます。
したがいまして、保護を決定するためには、本人からの申請を受け、その申請された御家庭を訪問して、生活状況の調査をするとともに、銀行や生命保険会社及び扶養義務者の方などに照会をして、保護を受けるための要件を満たしているか調査をいたしております。
本市では、金融機関等からの資産状況や扶養義務者の戸籍等を確認し、扶養する意思を確認するのに三週間程度要しております。保護の決定までには申請から三、四週間かかっているのが現状でございます。このため、金融機関等へ早期の回答を依頼するなど、できるだけ早い時期に保護決定ができるように努めてまいりたいと考えております。
次に、つなぎ資金についてでございます。これは生活保護申請から支給までの間、生活が困窮している世帯にお貸しするもので、上限を二万円までとして、個々の世帯の状況により対応しております。大きな金額ではありませんが、初回の保護費が支給されるまでやりくりしていただくようお願いしております。
また、社会福祉協議会に五万円まで貸付けを受けられる助け合い資金の制度もございますので、併せて御利用いただくことが可能でございます。
今後も、申請から決定までの事務手続を速やかに行い、生活保護制度が生活困窮者の最後のセーフティーネットとして、最低限度の生活を保障するとともに、一日も早く自立した生活ができるように支援してまいりたいと考えております。
以上でございます。
中学までの30人規模学級の拡大について
最後に、中学校の三十人規模学級制についてお尋ねします。
日本国憲法第二十六条では、すべての国民はひとしく教育を受ける権利を有する、義務教育はこれを無償とするとなっています。中学校の三十人規模学級制と来年度から一年生の実施についてお答えください。
また、格差と貧困が広がる中、安心して学べるために、児童・生徒が個人の所有している楽器、スポーツ用具などを学校の備品とすることについて答弁をお願いします。
◎教育次長(新津吉明君)
まず、小・中学校の学級編制につきましては、国が定める標準を基に都道府県教育委員会が基準を設定し、市町村は基準に従って学級編制を実施しております。また、基準に沿って編制された学級数に応じて配置された教職員の人件費は、原則国と県が負担するものでございます。小学校三十人規模学級編制につきまして、市が協力金を支払う協同方式から全額県負担となっております。
不登校生徒への支援を初めとして、中学校では様々な課題を抱える生徒に対する細やかな対応が不可欠であり、学校現場からは、学級数による教職員配置だけではなく、学校の実情や課題に応じて対応できる教職員の配置が望まれております。そのため県では、各校の様々な教育課題に柔軟に対応できるよう、活用方法選択型教員配置事業により、少人数学習集団を編成し、教科指導を実施したり、生徒の不登校や不適応に対応したりするための教員を配置しております。
また、市といたしましても、特別支援教育支援員等の各校への配置を進めているところでございます。
学級編制やそれに伴う教員の人件費は、県の責任で行うところであり、中学校においては、学級集団を小さくするのではなく、学習集団を小さくした少人数学習集団指導が有効であるとの認識から、本市といたしましては、中学校一学年における三十人規模学級編制の実施は考えておりません。
次に、二点目の御質問でございます。児童・生徒が個人所有している楽器・スポーツ用具についてでありますが、授業の中で使用するものとしましては、鍵盤ハーモニカやリコーダー、剣道の面下などがございます。これらにつきましては、個人に帰するものとして保護者に負担をいただいており、物の性質上、また衛生面からも、学校備品としての使い回しになじまないものと考えております。
次に、教育課程外活動で使用するものとして、小学校では課外活動のマーチングなどの楽器、中学校では部活動の吹奏楽の楽器、運動部活動で使用する用具があります。小学校の課外活動や中学校の部活動につきましては、各校の判断により活動しているもので、また児童・生徒の加入についても任意のものであることから、活動にかかる費用については、個々の負担が原則と考えております。
しかしながら、楽器類については、ティンパニーやコントラバスなど個人の所有になじまないものや高額なものがあり、円滑な部活動の推進や保護者負担の軽減の面から、これらの楽器につきましては、事務局でのリース対応や学校配当予算での購入により順次配置してきておりますので、御理解をお願いいたします。
以上でございます。
三十日以上学校に行けない児童・生徒は、小学校六年生で三十人台、中学校一年生では九十人台、税金は子供のために使ってほしいと思います。
以上で終わります