議会報告

2009年3月定例市議会 野々村博美議員

安心して暮らせる地域づくりについて

地域福祉計画の推進とまちづくりについ

生活困窮者に対する社会保障のセーフティーネットの確立

定額給付金について

安心して暮らせる地域づくりについて

 二十六番、日本共産党長野市議団野々村博美でございます。
 最初に、安心して暮らせる地域づくりについて伺います。
 長野市では、平成十九年度で六千八百二十八人のひとり暮らし高齢者がいますが、今後一層増加していくと思われます。ある都市の全数調査によると、独居老人の五割弱が年収二百万円以下、約三割が経済的な困難を抱え、また正月三が日を一人で過ごす、近所付き合いが余りないという方たちがそれぞれ四割近く存在し、独居老人の孤立化が明らかになっています。
 このような事態が進行している中で、だれにもみとられずに、人生の終えんを迎える孤独死も増えていることが推察されますが、それはとても寂しく、悲しいことです。今回、アカデミー賞外国語映画賞を受賞した映画「おくりびと」でも、主人公が最初に送った遺体が孤独死で、その悲惨さが伝わってきます。
 孤独死の実態をつかむことは難しいことのようですが、市営住宅での実態、生活保護世帯ではどのような状況か、また市全体ではどうか伺います。
 以下、質問席で行います。

◎保健福祉部長(下條年平君)
 孤独死についてお答えをいたします。
 孤独死につきましては、明確な定義がないために統計資料がないのが実情で、厚生労働省はもとより各地の所轄警察署でも把握してはいないようで、変死として取り扱われるものの中に含まれているようでございます。
 本市におきましても、統計資料はありませんので、詳細な実態は把握できませんが、お尋ねの市営住宅及び生活保護世帯における実態を調査いたしましたところ、平成十九年度において市営住宅では三人が、また生活保護世帯では、在宅における死亡事例のうち六人が孤独死であったと考えております。
 なお、生活保護世帯の六人中二人は市営住宅を住居としていたため、実質は七人が孤独死であったと考えられます。
 また、平成二十年度版の「長野市保健所の概要」に掲載されている平成十八年度の本市人口動態の統計の中で不慮の事故として取り扱われている百二十五名のうちにも含まれているものと思われます。
 昨年十二月に、テレビで活躍されていた女性タレントが死後一週間たって発見されたことは、記憶に新しいところでございまして、孤独死は必ずしも高齢者に限定される事象ではありませんが、少子高齢化の進展に伴いまして、高齢化率が増加の一途をたどっており、本年二月一日現在、二十三・二パーセントになっていること、また平成十九年度のひとり暮らし高齢者数が六千八百二十八人に上っていることを考え合わせますと、今後、高齢者に係る孤独死の数は増えてくるものというふうに考えております。
 私からは以上です。

 やはり、想像以上に大変な実態があるのではないかと思いますが、この対策についてはどのように考えていらっしゃるのか、お聞きをしておきたいと思います。

 ◎保健福祉部長(下條年平君)
 
 高齢者の孤独死が増加しているというふうに考えられる背景には、様々な要因があると思っておりますが、都市化が一段と進み、子供との別居世帯が増え、市民の価値観も多様化していることに加えまして、昔ながらの地域の支え合いの機能が低下してきたことも大きな要因であるというふうに考えております。
 このような状況に対応するため、本市におきましては、孤独死防止という観点も含めてひとり暮らし高齢者対策として、ソフト事業ではボランティア団体によって訪問活動等を行う友愛活動事業、ハード事業では緊急通報システム設置事業などを実施しております。
 現代社会における互助・共助の意識の希薄化は否めませんけれども、ハード機器も利用しながらマンパワーの維持、地域福祉の醸成に努めていきたいというふうに考えております。

 生活保護の方への老齢加算が廃止されました。実際に、そういう方たちは、老人クラブの会費が払えないとか、友人の葬儀にも出れないという事態にもなっています。貧困と孤立は一体化していると考えられます。緊急通報サービスのお話もありましたけれども、このようなセーフティーネットについては、少なくとも自己負担を求めない、こういう姿勢が大切ではないかと思います。要望をして、次の質問に移りたいと思います。

地域福祉計画の推進とまちづくりについ

 地域福祉計画の推進とまちづくりについてお伺いします。
 金融危機による大不況の到来により、ますます弱者が生きづらい社会構造となっていくことが懸念されます。一方では、年末の日比谷公園の年越し派遣村のような貧困に負けることなく助け合い、支え合って生きていこうとする健全な動きも芽生えてきていることを実感いたします。
 平成十七年度に示された長野市地域福祉計画に沿って、現在各地域で地区社協が地区地域福祉活動計画を策定しています。現段階では、六地区で完成し、十一地区が策定に着手しています。少子高齢化の進行、孤立化が進む中で大きな役割を担っている計画であると考えます。飽くまでこれは、セーフティーネットを保障するものではありませんが、成功すれば地域力が高まり、安心して暮らし、子供を育て老いていくことができる長野市をつくる確かな力になると思います。
 しかし、今回改めて長野市が進めている地域づくりの各計画を調べてみますと、社会福祉協議会が実施主体の長野市地域福祉活動計画ささえあいプラン21、長野市が実施主体の長野市地域福祉計画、各地区住民自治協議会のまちづくり計画、そして先ほどの各地区社協の地区地域福祉活動計画と四つの計画が同時進行しています。それぞれ連携をとりながら進めていただいてはいますが、長野市においては、縦割り行政の中で対応しています。
 しかし、各地域で横断的、総合的に地域福祉を考えていくことになります。当然、今後は地域福祉ワーカー、住民自治協議会の事務局、地域活性化アドバイザーなどが行政機関とも密に連絡をとりながら、地域福祉を支えていくことになっていきます。
 現在、住民自治協議会は企画政策部が、地域福祉については保健福祉部厚生課と社協がそれぞれ担当していますが、市長の市政運営所信で述べられたまちをつくる力は、そこに住む人々の総合的な力である。きらめく人づくり・地域づくりによる元気なまちながのを目指すには、これら四つのまちづくりの計画の推進体制をもう一度見直し、分かりやすく、住民が参加しやすいものに工夫する必要があるのではないでしょうか。
 また、住民の積極的な参加は、行政の支援があってこそと考えます。まちづくりは地域任せをよしとすることなく、担当を明確にして支援体制を強化すること、また地域福祉ワーカーの人件費は上限百万円となっていますが、本来なら専門職を配置すべきポストであり、せめて嘱託職員並みに待遇を改善すべきと思います。見解をお伺いいたします。

◎市長(鷲澤正一君)
 地域福祉計画の推進についてお答えいたします。
 まず、住民自治協議会に提案しているまちづくり計画の策定につきましては、地域の現状や課題の把握、分析を通して協議会が実施する事業計画等を作り、住みやすい地域の実現に向け、自分たちの地域の将来像や方向性を定めるためのものであります。
 一方、現在、各地区で策定を進めていただいております地区地域福祉活動計画は、長野市地域福祉計画の方針、理念の下に福祉分野における課題を解決するための住民や事業者の具体的な活動計画であります。
 したがいまして、これら計画を一体のものとしてとらえ、地区地域福祉活動計画をまちづくり計画の主に福祉分野の活動計画と位置付け策定することが、地域住民にとって分かりやすい計画づくりのために必要であると考えております。
 次に、計画策定等への支援でございますが、現在は地区地域福祉活動計画の策定事業に対しまして、地域福祉ワーカーの配置等の財政的支援を行っております。この財政的支援につきましては、今のところ一部の地域においての取組でありますことから、当面はこれを継続してまいりますが、いずれ三十地区で計画策定の取組が開始された際には、一括交付金への移行を含めて検討してまいりたいと考えております。
 以上です。

◎保健福祉部長(下條年平君)
 議員さんから御指摘の四つのまちづくりの計画推進体制の見直しでございますが、長野市地域福祉計画は、社会福祉法第百七条に基づき市町村が地域福祉の推進に関する事項を一体的に定める計画でございまして、長野市社会福祉協議会の長野市地域福祉活動計画ささえあいプラン21は、長野市地域福祉計画と目指す方向性を同じくし、両計画は相互に連携・補完をしながら、地域福祉の推進に取り組むための具体的な行動計画に当たるものでございます。
 各地区で策定を進めていただいております地区地域福祉活動計画は、こうした両計画の方針、理念に基づく地域ごとの行動計画に当たるもので、地区地域福祉活動計画の推進が両計画の推進に直接つながるものでございます。この地区地域福祉活動計画の策定に当たりましては、先ほど市長がお答え申し上げたとおり、まちづくり計画と一体的に策定をしていただくことで地域住民に分かりやすく、また少ない負担で取り組んでいただけるものと考えております。
 次に、計画策定等への支援でございますが、地区地域福祉活動計画は、現在地域住民の皆さんにとって初めての経験であることから、計画に取り組む当初から計画策定の意義、方法、策定の体制等、細部にわたってアドバイスを行うなど、市社会福祉協議会を含む人的支援と財政的支援を行っております。今後は、まちづくり計画の策定も併せ、地域の取組を支援してまいります。
 また、地域福祉ワーカーに関しましても、嘱託職員並みの待遇改善をとの御要望でございますが、地域福祉ワーカーは地域福祉活動の企画・推進、地域福祉に関する相談・調整等を担う地域福祉推進に欠かせない重要な職員ではありますけれども、現状の勤務形態や活動実績を考慮すると、現行の待遇を継続することといたします。
 私からは以上でございます。

 多分、今の御答弁を聞いていた議員の皆さんも、非常に分かりにくかったんではないかと思います。同じような名前のものが三つ、さらにそこにまちづくり計画があるわけで、このまちづくり計画は住民自治協議会の中の福祉部会でも担当しているわけですが、やはりこの福祉部会と地区社協との関係も、また地域によってはしっくりきていないという状況もあります。これは、やはりもっと分かりやすく、もっと総合的に担当していただけるような部署がどうしても必要になってくるんではないかと思います。
 それから、地域福祉ワーカーの人件費につきましては、いずれは一括交付金にということなんですが、地域でできることは地域でということで、今進められていますが、やはりしっかりと担っていただくには、きちんと長野市が責任を持って職員を配置するくらい大切な部署であると思います。一括交付金の中に入れて考えるべきものではないと思いますので、改めてこれは再考をお願いしたいと思います。

 続けて、質問に移らさせていただきます。
 地域福祉の推進には、住民が気軽に憩える居場所が必要であるということを実際に地域福祉計画を作っている皆さんがおっしゃっておられます。そこに行けばだれかがいて、おしゃべりができ、悩みを聞いてもらえて、孤独感をいやすことができる。もし、社会福祉の援助が必要である人ならば、地域包括支援センターや在宅介護支援センター、児童相談所、福祉事務所など専門機関につなげてあげることができる。そんな場所を支所や公民館、空いている公営住宅の一室などを提供し、地域福祉ワーカーを中心として地域の方の協力で運営をしていってはどうかと思いますが、見解をお伺いいたします。

◎保健福祉部長(下條年平君)
 地域福祉推進の拠点の整備についてお答えいたします。
 長野市地域福祉計画におきましても、地域福祉よろず相談の場や地域福祉ワーカーの活動拠点ともなり、地域住民が気軽に寄り合える地域福祉推進拠点の整備を行うこととなっております。
 市では、支所、公民館等既存の市有施設を活用して整備することとしておりまして、今後も市有施設を有効に活用することを基本としながら、地域の福祉推進拠点の整備に努めてまいりたいと考えております。

 ただ今、御答弁いただきましたが、実際にはわずか上限百万円の地域福祉ワーカーの方が毎日そこに詰めているという状況は保障できているわけではありません。どうしても一日きちんとそこにいてくださる方が必要であると思います。また、場所も必要です。
 再度、もっときっちりとした保障をした上で、この地域拠点づくりを進めていただきたいと思うんですけれども、御答弁をお願いしたいと思います。

◎保健福祉部長(下條年平君)
 拠点等の整備につきましては、先ほどもお答え申し上げたとおり、今後につきましては、住民自治協議会が主体となって行いますまちづくり計画の中でも進めていただくということになってございますので、住民自治協議会との連携の中で、これらの拠点の整備等々についても考えていきたいと、こんなふうに考えているところでございます。

 地域福祉ワーカーの身分をしっかり保障していただくことを要望して、次の質問に移らさせていただきます。

 高齢化社会が進行している中で、認知症のお年寄りも当然増えてまいります。厚生労働省では、認知症を知り地域をつくる十か年計画で、認知症サポーター百万人キャラバン事業に取り組んでおりますが、長野市でも平成二十三年度までに三千五百人を目指すということですが、どこまで達成されていますでしょうか。また、このサポーター養成講座を開くことのできるキャラバン・メイトの養成やスキルアップが必要ですが、取組状況を伺います。

◎保健福祉部長(下條年平君)
 本市の認知症サポーターにつきましてお答えいたします。
 認知症サポーターにつきましては、今後の認知症高齢者数の推移から平成二十三年度には、認知症高齢者のおよそ三人に一人に当たる三千五百人の養成を目標に、介護に携わる方を初めとして地区住民、民生児童委員、老人クラブ、学校関係及び一般企業の方々など、幅広い市民を対象に市政出前講座で認知症サポーター養成講座を実施しております。平成二十一年一月末現在三千六十人となっておりまして、目標を大きく上回るペースでサポーターの輪が広がっております。
 キャラバン・メイトにつきましては、平成二十一年一月末現在十六人ということで、大部分は介護保険施設などを訪ね、入所者や施設職員などからの相談に応じる活動を行っておりますあんしん相談員であることから、あんしん相談員研修を通しまして様々なスキルアップを図っております。
 今後は、キャラバン・メイトの増加を図るとともに、高齢者の方がよく訪れる薬局、郵便局、銀行などにも働き掛け、市民の認知症への理解や対応への意識が高まるように、さらにまた地域における高齢者の見守り、支援が一層進むように、認知症サポーターの養成に引き続き取り組んでまいります。

 ありがとうございました。
 見守りの環境を整えていくという点で、薬局、郵便局、銀行もということで、大変いいことだと思います。さらに、スーパーとか商店街にも広めていただきますよう要望し、次の質問に移らせていただきます。

生活困窮者に対する社会保障のセーフティーネットの確立

 昨年七月、厚生労働省は医療機関の未収金問題に関する検討会報告書をまとめましたが、その中で三千二百七十病院で一年間で二百十九億円もの未収金が発生しており、その最大の理由は患者が医療費を支払うだけの資力がないほど生活が困窮していることと指摘しています。そして、病院の窓口の対策として、国保の一部負担金の減免の改善・拡充、医療機関・国保・福祉事務所の連携強化、国保の資格証明書の交付における特別な事情の把握の徹底、無料低額診療事業の紹介としています。
 今、生活困窮者に対する社会保障のセーフティーネットの確立が国民的な課題になっていますが、医療の面から生活困難者を支援する二つの制度についてお伺いいたします。

 最初に、国保の一部負担金減免制度について伺います。
 長野市では、国保法第四十四条に規定される一部負担金の減額、免除について要綱は定めていますが、適用されている世帯はありません。この制度は、災害や失業によって収入が著しく減額した世帯に適用されるものです。要綱によれば、世帯の収入状況、預貯金の有無及び金額、居住用以外の資産の有無及び所有目的、その他必要と認める事項について調査、確認することになっています。
 持ち家であっても、また自家用車の保持についても生活保護のような厳しい規定はありません。また、預貯金の額も必要な医療費との関係で一律に決められるものではありません。しばらくの間、医療費さえ減免してもらえれば、何とか暮らしていくことができるという市民も現段階でたくさんいると思います。市報などで、この制度について広く知らせていくと同時に、福祉事務所に相談に来ている人たちやハローワークなどでも、この制度の徹底を図っていただきたいと思います。御見解をお伺いいたします。

◎生活部長(芝波田利直君)
 国民健康保険の一部負担金の減免制度につきましては、国民健康保険法第四十四条の規定に基づきまして、本市では平成十七年度に具体的な基準を定めたところでございます。
 議員さんの御質問の中でも述べられておりますが、減免の対象者は、震災や火災等の災害により生活が著しく困難となった方や失業、事業の休止等により著しく所得の減少があった方で、一時的に生活が困難となった方を対象とするものであります。こうした対象者の方が利用し得る資産--車等でございますけれども、及び能力の活用を図ったにもかかわらず、医療機関等の窓口での支払が困難となった場合に、一部負担金の免除、減額、そして徴収猶予を行うものでございます。
 制度の運用に当たりましては、毎年、広報ながのにおいて広く市民にお知らせをしておるところでございますし、窓口用の説明資料であります国民健康保険のしおりにも掲載し、周知に努めております。また、各医療機関に対しましても、制度の適切な案内を行っていただけるように、医師会等を通じまして協力をお願いしたところでもあります。
 しかしながら、当市の過去の実績につきましては、年間数件の問い合わせはありますけれども、経済情勢が安定していたというような背景もあると思われますが、議員さん御指摘のとおり、現在のところ申請はございません。
 平成十九年度中核市三十九市の状況を見ますと、二十五パーセントに当たります十市において適用実績がありますが、残り二十九市については全く実績がなく、中核市の平均では約一・七件となっております。
 いずれにいたしましても、このような急激な景気の後退により雇用情勢が悪化する中、失業等により一時的に生活が困難となった方も安心して医療機関で受診していただけるよう、引き続き制度の周知徹底に努めてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

 既に、いろいろな機会をとらえて周知をしていただいているようですが、是非ハローワークでの周知もお願いをしたいと思います。また、失職によって国保に加入に来られた新たな方にも、是非そのことを一言添えて国保の申込みを受け付けていただくような状況をつくっていただけたらと思うわけです。
 先日、新聞報道によると、NPO法人日本医療政策機構が昨年、成人男女一千十六人に戸別訪問のアンケートをとった結果、医療費の支払について非常に不安がある、ある程度不安と答えた人が九割になったと言われています。そして、中でも二十代、三十代の人たちが大変不安を抱いているという報道でありました。そのうち、五十パーセント以上が非正規雇用であったとのことです。これだけ失業者が増大をしている今日、この制度は是非多くの方に活用していただいて、手遅れで病気を悪化させることのないよう対策を講じる必要があると思います。改めて御答弁をお願いいたします。

◎生活部長(芝波田利直君)
 お答え申し上げます。
 先ほど、私の答弁の中でも申し上げておりますとおり、こういった急激な景気の後退によりまして、非正規の方の失業等が増えていくというふうに考えられます。そうした方が当然、国民健康保険へ加入してくるわけでございまして、一部には賦課の問題もございますし、病気になったときの受診の関係も出てまいります。それらを含めまして、周知徹底をしてまいりたいというふうに考えています。
 以上でございます。

 是非よろしくお願いいたします。

 次に移ります。無料低額診療事業の拡大について伺います。
 医療費負担の軽減策として無料低額診療事業があります。長野市でも旧豊野町の時代から豊野病院が行っており、昨年度も年間延べ約四百人がこの制度を利用しているとのことです。
 この事業は、社会福祉法に定める生計困難者のために無料又は低額な料金で診療を行う事業で、各医療機関が実施主体となり、医療費自己負担分を無料又は低額で診療する制度です。しかし、長野市には豊野病院しかありませんし、圧倒的多くの市民がこの制度を知りません。この制度は、厚生労働省が一時新たな無料低額診療事業は拡大しないという抑制通知を地方に出した経過がありますが、昨年、日本共産党の小池晃参議院議員が国会で取り上げ、事実上抑制策を撤回しています。
 長野市でも山間地にある国保診療所などでの実施の検討、あるいは医療機関から相談、申請があった場合には積極的に対応し、市民の命を守る地域医療としていただきたいと思います。御見解をお願いいたします。

◎保健福祉部長(下條年平君)
 無料低額診療事業は、社会福祉法第二条の規定に基づきまして、生計困難者が経済的理由によって必要な医療を受ける機会を制限されることがないよう、無料又は低額な料金で診療を行う事業であります。また、この事業を実施する事業者に対しましては、一定の条件で固定資産税や不動産取得税の非課税など、税制上の優遇措置が講じられております。
 この無料低額診療事業を実施するためには、生活保護法による保護を受けている人及び診療費の十パーセント以上の減免を受けた人の延べ数が、取扱患者の総延べ数の十パーセント以上であることや医療ソーシャルワーカーの設置などの基準がございます。本市においては、仰せのとおり豊野病院がこの事業を唯一行っております。
 当事業の実施を、国保直営診療所等において検討できないかとの御指摘でございますが、直営診療所につきましては、周辺に医療機関がない、中山間地域における医療の確保を図るものであり、生計困難者の受診をしやすくする当事業とは、趣旨が異なるものと思われます。
 ちなみに、平成十九年度国保直営診療所における生活保護を受けている人の受診割合は、約〇・六パーセントでございました。また、場所的に市民の多くの方が利用するとは考えにくく、対象患者数が基準の十パーセント以上になることは見込めないため、診療所で当事業を実施することは困難でございます。
 次に、無料低額診療事業につきまして、医療機関から相談、申請があった場合には、積極的に対応していただきたいとの御要望でございますが、厚生労働省では、当事業に関しては社会情勢等の変化に伴い、その必要性が薄らいでいることから抑制を図る方針となっておりますが、届出の不受理を求めるものではないとしております。
 本市においては、国の方針等も踏まえ、医療機関から相談、届出がなされた場合には相談に応ずるとともに、届出案件を慎重に審査するなど、適正に対応してまいりたいと考えております。

 社会情勢にかんがみ、新たなこの事業の拡大はしないという厚生労働省の方針は事実上撤回をされています。これだけ格差の広がりが深刻な事態になっている中では、当然のことであります。
 先ほど、長野市の国保診療所では、趣旨が違うので難しいというお話がありましたが、しかし中山間地域の状況を見れば、決して生活保護を受けていなくても、厳しい所得の方たちはたくさんいらっしゃるのが現状ではないかと思います。また、生活保護というのは、お葬式代としてわずかな預貯金を持っていても受けられないという大変厳しい基準があるわけで、生活保護者という規定を取って、低所得者ということで考えてみるならば、厳しい生計を営んでいる皆さんが十パーセント以上になるような地域というのは、あるいは病院というのはあるんではないかと思います。是非とも、積極的にこの制度を各医療機関に知らせていただいて、できるだけ患者さんの負担を少なくして診療することができるよう、体制を作っていただけたらと思います。
 また、豊野病院が実際にはあるわけで、しかし利用されている方は非常に少ないと言いますが、延べ約四百人いらっしゃるわけですけれども、繰り返し使われている方もいるので人数的には少ないと思います。しかし、医療費に困っている方は実際にいるわけですから、豊野病院の存在ということも多くの市民に知らせていただけたらと思います。その辺、再度御答弁をお願いしたいと思います。

◎保健福祉部長(下條年平君)
 先ほども御答弁申し上げたとおり、無料低額診療事業を実施するためのハードルというのは大変高くなってございます。十パーセント以上いること、それからソーシャルワーカーを設置しなければならないと、こういうようなことがございます。豊野病院がこれをやっておるわけでございますが、現在、四百人程度ということで、税制上の優遇措置も受けられていないということで、病院の御負担ということでやっていると伺っております。
 したがいまして、私どもの方での窓口で生活困窮者というような方が御相談に見えた場合については、御案内を申し上げていきたいと、こんなふうに思っております。

 御案内していただけるということですので、是非よろしくお願いしたいと思います。

 次に移ります。Hibワクチンについては、昨日、寺沢小百合議員が質問をしていらっしゃいますので、私からも、本来国が定期接種にすべきですが、当面長野市も独自の助成をお願いしたいということで、要望のみとしておきたいと思います。

定額給付金について

 次、その他としてお伺いいたします。
 ばらまき一瞬、増税一生とやゆされ、国民の七割が景気対策には効果がないとした定額給付金を含む二次補正が衆議院の三分の二の条項を使って成立し、全国一斉に給付が始まりました。批判の多い給付金ですが、自治体はしっかり届ける責任を負っていますので、本来、支援が最も必要な路上生活者やDV被害者などにも届くよう、最大限の御努力をお願いしたいと思います。
 さて、長野市でもいったん給付して寄附を受け付ける仕組みを作っていただきましたが、希望どおりの事業に寄附金が支出されるようにすることと併せて、どのように使われたか結果をお知らせすることも大切と考えます。長野市を信頼し、安心して寄附していただけるよう、どのような仕組みを考えておられるのか、お伺いをいたします。

◎企画政策部長(丸山文昭君)
 定額給付金につきましては、まず市民の皆様にお受け取りいただき、御自分でお使いいただくことが基本でございます。本市におきましては、寄附していただける場合には、景気対策という定額給付金の趣旨に沿って、景気・生活安心対策等に資する平成二十一年度の新規・拡大事業を中心に充当させていただきたいと思っております。
 また、景気・生活安心対策事業のみならず通常の寄附と同様に、例えば福祉のために使ってほしい、教育のために使ってほしいなど具体的なお申出がありますれば、その意向に沿った事業に充てることも可能だというふうに考えてございます。
 また、寄附を頂いた方へはお礼状をお送りする中で、使い道についてお知らせをするとともに、広報ながのやホームページなどを通じまして、市民の皆様にもお知らせしてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。

 景気対策のためということですけれども、実際には景気対策にはならないと多くの方が思っておられます。しかし、受け取る権利はあるわけですから、しっかりと受け取っていただいた上で、市民の皆さんの善意を生かせる仕組みをしっかり作っていただきたいと思います。
 先日、私の友人が、長野市は大変福祉に冷たいように思うけれども、私が本当に希望したとおり福祉のために使っていただけるのかどうかということを心配されておられました。しっかりと寄附をされた皆さんの意思が生かされるように使っていただきたいと思います。また、それを使ったことを明確に示していただきたいと思います。

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